JP2004165051A - 非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】4V級の非水電解質電池にも使用でき、安全性に極めて優れた非水電解質電池を提供できる非水電解質電池用セパレータの提供。
【解決手段】正極に接する一面側に露出するバイポーラ型導電性高分子材料と、該バイボーラ型導電性高分子材料に接し、負極に接する他面側に露出するP型導電性高分子材料とを含有する多孔質の膜部材からなることを特徴とする。つまり、高い電位領域の正極近傍では4V付近まで導電化しないバイボーラ型導電性高分子材料を配設し、低い電位領域(0V付近)の負極近傍では低い電位領域では導電化しないP型導電性高分子材料を配設することで、非水電解質電池の通常充放電時における短絡を防止できる。当然、過充電時にはバイボーラ型導電性高分子材料は導電化するので、接するP型導電性高分子材料も導電化して正負極間を短絡することができる結果、過充電による電圧上昇を防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】正極に接する一面側に露出するバイポーラ型導電性高分子材料と、該バイボーラ型導電性高分子材料に接し、負極に接する他面側に露出するP型導電性高分子材料とを含有する多孔質の膜部材からなることを特徴とする。つまり、高い電位領域の正極近傍では4V付近まで導電化しないバイボーラ型導電性高分子材料を配設し、低い電位領域(0V付近)の負極近傍では低い電位領域では導電化しないP型導電性高分子材料を配設することで、非水電解質電池の通常充放電時における短絡を防止できる。当然、過充電時にはバイボーラ型導電性高分子材料は導電化するので、接するP型導電性高分子材料も導電化して正負極間を短絡することができる結果、過充電による電圧上昇を防止できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、情報関連機器、通信機器等の携帯機器分野では、これらの機器に用いる電源としてエネルギー密度の高いリチウム二次電池等の非水電解質電池が実用化され広く普及するに至っている。また一方で、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としても、エネルギー密度の高い非水電解質電池が検討されている。
【0003】
非水電解質電池に用いられる非水電解質は一般的に可燃性である非水溶媒を含んでいる。従って、何らかの原因で電池内部からの漏液が起こると安全上問題となる。ここで、電池内部から漏液が起こる原因の一つとして、過充電による電池温度の上昇が挙げられる。従って、電池からの漏液を防止して、電池の安全性を向上するためには、過充電を防止することが有効である。
【0004】
電池の過充電を防止するための従来技術としては、イオンのドーピングにより導電性を発現する導電性高分子材料を正負極間に介在させることで過電圧が印加された際に正負極間を短絡して過充電を防止する技術がある(特許文献1及び2)。
【0005】
特許文献1は、電池を構成するセパレータの表面に導電性高分子材料を被着させることで過充電時に導電性高分子材料により内部短絡が発生させ、更なる過充電を防止する技術を開示している。
【0006】
また、特許文献2は、モノマー添加剤を電解質中に添加した電池を開示している(特許文献2)。モノマー添加剤は、電池の過充電時に電解質内で重合して導電性高分子材料を形成する化合物である。形成された導電性高分子材料は電池内部で内部短絡を発生させることで更なる電池への過充電を防止する。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−199769号公報
【特許文献2】
特開平10−321258号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術は4V級の非水電解質電池に適用することが困難であった。つまり、4V級の非水電解質電池の正負極はそれぞれ3〜4V程度(正極)及び0〜2.5V程度(負極)の電位領域で作動しているので、一般的な導電性高分子材料(P型導電性高分子材料では3Vを超える程度の電位領域で導電化し、バイポーラ型導電性高分子材料は1Vを下回る程度の電位領域で導電化する)では4V級の非水電解質電池の正負極間に適用すると、通常の充放電時の使用においても導電化してしまい、通常の充放電が不可能になるおそれがある。
【0009】
また、過充電時等の異常時にのみ正負極間を短絡するために、モノマー添加剤を電解質中に添加する方法は通常充放電を妨げることはないものの、モノマー添加剤による通常電池反応への影響が排除できない。
【0010】
そこで本発明では、4V級の非水電解質電池にも使用できる非水電解質電池用セパレータを提供することを解決すべき課題とする。また、電池電圧に関わらず安全性に極めて優れた非水電解質電池を提供することも解決すべき課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の非水電解質電池用セパレータは、正極に接する一面側に露出するバイポーラ型導電性高分子材料と、該バイボーラ型導電性高分子材料に接し、負極に接する他面側に露出するP型導電性高分子材料とを含有する多孔質の膜部材からなることを特徴とする(請求項1)。
【0012】
つまり、高い電位領域(例えば、4V級の非水電解質電池では4V以上)においてまで導電化せずに使用できることが望まれる正極近傍では4V付近まで導電化しないバイボーラ型導電性高分子材料を配設し、低い電位領域(0V付近)においてまで導電化せずに使用できることが望まれる負極近傍では低い電位領域では導電化しないP型導電性高分子材料を配設することで、非水電解質電池の通常充放電時における短絡を防止できる。当然、正極が高い電位になる過充電時にはバイボーラ型導電性高分子材料は導電化するので、バイボーラ型導電性高分子材料に接するP型導電性高分子材料も導電化して正負極間を短絡することができるので過充電による電圧上昇を防止できる。
【0013】
従って、正極及び負極のそれぞれに適正な導電性高分子材料を個別に選択できるので導電性高分子材料の選択の自由度が高くなる。特に、4V級の非水電解質電池にも容易に適用できる。
【0014】
そして、前記膜部材の前記一面側は前記P型導電性高分子材料が存在せず、該膜部材の前記他面側は前記バイポーラ型導電性高分子材料が存在しないことが好ましい(請求項2)。
【0015】
バイボーラ型導電性高分子材料を正極から、P型導電性高分子材料を負極から、それぞれ完全に隔離することで、通常充放電時に正負極間の導電性高分子材料が僅かにでも導電化することを防止でき、より効率の高い非水電解質電池とすることができる。
【0016】
また、製造の容易さの観点から、前記膜部材は、前記バイポーラ型導電性高分子材料を含有する第1膜部材と、前記P型導電性高分子材料を含有する第2膜部材とを積層した部材であることが好ましい(請求項3)。
【0017】
そして、前記バイポーラ型導電性高分子材料はポリアセチレン、ポリパラフェニレン及びそれらの誘導体からなる群から選択され、前記P型導電性高分子材料はポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール及びそれらの誘導体からなる群から選択されることが、導電性高分子材料の入手性等の観点からは好ましい(請求項4)。
【0018】
更に、上記課題を解決する本発明の非水電解質電池は、リチウムイオンを吸蔵及び脱離できる前記正極及び前記負極と、前記一面側を該正極に、前記他面側を該負極にそれぞれ接して、該正極及び該負極の間に介装された上述した非水電解質電池用セパレータと、を有することを特徴とする(請求項5)。
【0019】
上述した非水電解質電池用セパレータを用いることで、4V級の非水電解質電池であっても過充電時の安全性を向上できるほか、より低い電圧範囲で使用する非水電解質電池でも高い安全性を付与することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池について実施の形態に基づき詳細に説明する。本実施形態においては非水電解質電池としてリチウム二次電池に基づいて説明する。
【0021】
(非水電解質電池用セパレータ)
本実施形態の非水電解質電池用セパレータは膜部材から構成される。非水電解質電池用セパレータは本実施形態の非水電解質電池用セパレータに限らず、電解質のイオンを透過させると共に電池反応で生成した電子を透過させないことが必要である。従って、本実施形態の非水電解質電池用セパレータは本非水電解質電池用セパレータが適用される非水電解質電池の充放電範囲において絶縁体であると共にイオン透過性をもつ必要がある。
【0022】
非水電解質電池の通常充放電時に本非水電解質電池用セパレータが導電化しないようにするために、本非水電解質電池用セパレータを構成する膜部材は、バイボーラ型導電性高分子材料とP型導電性高分子材料とを含有する。
【0023】
バイボーラ型導電性高分子材料は、膜部材の正極に接する一面側に露出するように配設される。ここで、バイボーラ型導電性高分子材料が一面側に露出するとは膜部材の一面側の表面をすべてバイボーラ型導電性高分子材料で被覆するものであっても、一部分を被覆するものであってもよい。少なくとも、一面側に接する正極表面とバイボーラ型導電性高分子材料とが接触できるように配設されていることを意味する。
【0024】
P型導電性高分子材料は、負極に接する他面側に露出するように配設される。P型導電性高分子材料が他面側に露出するとは、バイボーラ型導電性高分子材料と同様に、膜部材の他面側の表面をすべてP型導電性高分子材料で被覆するものであっても、一部分を被覆するものであってもよい。少なくとも、他面側に接する負極表面とP型導電性高分子材料とが接触できるように配設されていることを意味する。
【0025】
バイボーラ型導電性高分子材料とP型導電性高分子材料とは膜部材内で接するように配設されている。両者を接触させることにより、一方の導電性高分子材料(通常はバイボーラ型導電性高分子材料)が導電化した場合に他方の導電性高分子材料も導電化させることが可能となる。その結果、速やかに正負極間を短絡して過充電を防止できる。従って、バイボーラ型導電性高分子材料とP型導電性高分子材料とは両者を併せることで膜部材の一面側と他面側とを貫通し、両者の導電性高分子材料が導電性高分子材料が導電化した場合に膜部材の一面側と他面側との間を導電化している。
【0026】
ここで、P型導電性高分子材料は膜部材の一面側には存在せず、バイポーラ型導電性高分子材料は膜部材の他面側には存在しないことが好ましい。
【0027】
P型導電性高分子材料は、一定電位以上におけるアニオンのドーピングにより正孔が生じる導電性高分子であり、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール及びこれらの誘導体が例示できる。
【0028】
バイボーラ型導電性高分子材料は、一定電位以上におけるリチウムイオンのドーピングにより正孔が生じ、一定電位以下におけるリチウムイオンのドーピングにより過剰な電子が生じる導電性高分子であり、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレン及びこれらの誘導体が例示できる。
【0029】
これらの導電性高分子材料は対応するアセチレン、ピロール、ベンゼン、ビフェニル、チオフェン等のモノマーを化学的、電気化学的に重合させることで製造できる。
【0030】
本非水電解質電池用セパレータが非水電解質電池内で導電性を発現する電位は適用される非水電解質電池の通常充放電により変化する電位領域の値により適正値が決定される。そして、本非水電解質電池用セパレータが非水電解質電池内で導電性を発現する電位は用いるバイボーラ型導電性高分子材料及びP型導電性高分子材料の化学構造により制御できる。
【0031】
非水電解質電池の通常充放電により変化する電位領域の値は非水電解質電池に用いられる正負極それぞれの活物質の種類により決定される。従って、それぞれの導電性高分子材料は、適用される非水電解質電池に用いられる正負極の種類に応じて選択することが好ましい。つまり、適用される非水電解質電池が過充電となる電位程度で膜部材の一面側と他面側とが短絡するように、化学構造が選択される。特に正極に接するバイボーラ型導電性高分子材料の化学構造を変化させることで導電性が発現する電位を好適に制御できる。
【0032】
導電性主鎖が導電性を発現する電位は、以下の通りである。バイボーラ型導電性高分子材料では、ポリアセチレンが0.5V以下又は3V以上、ポリパラフェニレンが1V以下又は4.2V以上である。P型導電性高分子材料ではポリアニリンが3.5V以上、ポリチオフェンが3.7V以上、ポリピロールが2.7V以上である。
【0033】
例えば正極活物質にニッケル酸リチウム(LiNiO2)、負極活物質に炭素材料を用いる非水電解質電池の電位は4.1であり、バイボーラ型導電性高分子材料としては4.2Vまで導電化しないポリパラフェニレンが好適である。
【0034】
膜部材はこれらの導電性高分子材料のみによって非水電解質電池用セパレータを製造してもよいが、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等の一般的な樹脂、金属等からなる多孔質の基材の表面にこれらの導電性高分子材料を付着乃至は被覆させることでも製造できる。
【0035】
バイボーラ型導電性高分子材料を膜部材の一面側に、P型導電性高分子材料を他面側にそれぞれ露出するように配設する方法は特に限定しないが、バイポーラ型導電性高分子材料を含有する第1膜部材と、P型導電性高分子材料を含有する第2膜部材とを積層して膜部材を形成することで容易に形成できる。
【0036】
基材の表面に導電性高分子材料を付着乃至は被覆する方法としては例えば基材の存在下導電性高分子材料を重合・合成する方法、合成した導電性高分子材料を溶解乃至は分散させた溶媒を基材に塗布する方法等がある。
【0037】
また、導電性高分子材料とポリエチレン等の樹脂材料とを混合した後に、製膜したものを延伸等行うことで、導電性高分子材料及び樹脂の界面が剥離して表面に導電性高分子材料を有する多孔質膜を得ることができる。
【0038】
イオン透過性は非水電解質電池用セパレータの膜部材を多孔質とすることで担保する。膜部材がもつ孔の孔径は特に限定しないが1〜10μm程度が好ましい。膜部材の多孔質化の方法は特に限定しない。例えば、導電性樹脂からなる膜部材、一般的な樹脂からなる膜部材を延伸等して多孔質膜とする方法、不織布を膜部材として用いる方法、金網等を用いる方法がある。
【0039】
(非水電解質電池)
本発明の非水電解質電池では、コイン型電池、ボタン型電池、円筒型電池及び角型電池等の公知の電池構造をとることができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極をセパレータを介して重畳あるいは捲回等して電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を非水電解質と共に電池ケース内に挿設し、これを密閉して電池を完成することができる。
【0040】
正極は、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる正極活物質に導電材および結着剤を混合し、必要に応じ適当な溶媒を加えて、ペースト状の正極合材としたものを、アルミニウム等の金属箔製の集電体表面に塗布、乾燥し、その後プレスによって活物質密度を高めることによって形成する。
【0041】
正極活物質にはリチウム遷移金属複合酸化物等の公知の正極活物質を用いることができる。リチウム遷移金属複合酸化物は、その電気抵抗が低く、リチウムイオンの拡散性能に優れ、高い充放電効率と良好な充放電サイクル特性とが得られるため、本正極活物質に好ましい材料である。たとえばリチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物や、各々にLi、Al、そしてCr等の遷移金属を添加または置換した材料等である。なお、これらのリチウム−金属複合酸化物を正極活物質として用いる場合には単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。
【0042】
導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体の1種または2種以上を混合したものを用いることができる。結着剤は、活物質粒子および導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものでポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これら活物質、導電材、結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0043】
負極については、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出する負極活物質を用いることができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。たとえば、リチウム金属、グラファイト、非晶質炭素、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の炭素材料等である。そのなかでも特に炭素材料を用いることが好ましい。比表面積が比較的大きくでき、リチウムの吸蔵、放出速度が速いため大電流での充放電特性、出力・回生密度に対して良好となる。特に、出力・回生密度のバランスを考慮すると、充放電に伴ない電圧変化の比較的大きい炭素材料を使用することが好ましい。中でも結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛などからなるものを用いることが好ましい。このような結晶性の高い炭素材を用いることにより、負極のリチウムイオンの受け渡し効率を向上させることができる。
【0044】
このように負極活物質として炭素材料を用いた場合には、これに必要に応じて正極で説明したような導電材および結着材を混合して得られた負極合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
【0045】
非水電解質は前述した本実施形態の非水電解質を用いる。
【0046】
正負極間にはセパレータが介装される。セパレータは前述の本実施形態の非水電解質電池用セパレータが適用されるので、説明を省略する。
【0047】
非水電解質は、有機溶媒に電解質を溶解させたものが例示できる。
【0048】
有機溶媒は、通常リチウム二次電池の非水電解液の用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロフラン等及びそれらの混合溶媒が適当である。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの高誘電率の主溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの低粘性の副溶媒との混合有機溶媒が好ましい。また、副溶媒として、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン及びブチルラクトンなどを用いてもよい。
【0049】
電解質は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF3)2、LiN(SO3CF3)2、LiN(SO2C2F5)2およびLiN(SO2CF3)(SO2C4F9)から選ばれる有機塩、並びにその有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
【0050】
これらの電解質の使用により、電池性能をさらに優れたものとすることができ、かつその電池性能を室温以外の温度域においてもさらに高く維持することができる。電解質の濃度についても特に限定されるものではなく、用途に応じ、電解質および有機溶媒の種類を考慮して適切に選択することが好ましい。
【0051】
ケースは、特に限定されるものではなく、公知の材料、形態で作成することができる。
【0052】
ガスケットは、ケースと正負の両端子部の間の電気的な絶縁と、ケース内の密閉性とを担保するものである。たとえば、電解液にたいして、化学的、電気的に安定であるポリプロピレンのような高分子等から構成できる。
【0053】
【実施例】
以下に本発明の非水電解液電池について実施例のリチウム二次電池に基づいて説明する。
【0054】
〔非水電解質電池用セパレータの製造〕
本実施例の非水電解質電池用セパレータは第1膜部材と第2膜部材とを積層して形成した。
【0055】
(第1膜部材A)
厚み25μmのポリエチレン製多孔質膜からなる基材の表面に、ポリドデシルパラフェニレンが基材質量に対して10質量%となるようにポリドデシルパラフェニレンのテトラヒドロフラン(THF)溶液を塗布・乾燥した。
【0056】
(第1膜部材B)
厚み25μmのポリエチレン製多孔質膜からなる基材の表面に、ポリドデシルパラフェニレンが基材質量に対して10質量%となるように、ポリドデシルパラフェニレン粉末及びポリフッ化ビニリデンが質量比で9:1となるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液を塗布・乾燥した。
【0057】
(第1膜部材C)
ニッケル製金網からなる基材の表面に、ポリパラフェニレンが基材質量に対して2質量%となるように、ポリパラフェニレンを電解重合させた。電解重合は作用極が白金、対極及び参照極がリチウムである3極式セルに、ビフェニルを0.3mol/kgとなるように溶解した、1M LiPF6 エチレンカーボネート−ジエチルカーボネート混合溶媒(3:7容量比)を充填し、作用極1cm2当たり1mAとなるように電流を流して行った。
【0058】
(第1膜部材D)
ニッケルめっきした不織布(ポリエステル(PET)製)からなる基材の表面に、ポリパラフェニレンが基材質量に対して5質量%となるように、ポリパラフェニレンを電解重合させた。電解重合は第1膜部材Cにおける方法と同様に行った。
【0059】
(第2膜部材A)
厚み25μmのポリエチレン製多孔質膜からなる基材の表面に、ポリドデシルチオフェンが基材質量に対して10質量%となるようにポリドデシルチオフェンのTHF溶液を塗布・乾燥した。
【0060】
(第2膜部材B)
厚み25μmのポリエチレン製多孔質膜からなる基材の表面に、ポリドデシルチオフェンが基材質量に対して10質量%となるようにポリドデシルチオフェンのN−メチル−2−ピロリドン溶液を塗布・乾燥した。
【0061】
(第2膜部材C)
ニッケル製金網からなる基材の表面に、ポリドデシルチオフェンが基材質量に対して2質量%となるように、ポリドデシルチオフェンを電解重合させ。電解重合は作用極が白金、対極及び参照極がリチウムである3極式セルに、3−ドデシルチオフェンを0.3mol/kgとなるように溶解した、1M LiPF6 エチレンカーボネート−ジエチルカーボネート混合溶媒(3:7容量比)を充填し、作用極1cm2当たり1mAとなるように電流を流して行った。
【0062】
(第2膜部材D)
ニッケルめっきした不織布(ポリエステル(PET)製)からなる基材の表面に、ポリドデシルチオフェンが基材質量に対して5質量%となるように、ポリドデシルチオフェンを電解重合させた。電解重合は第2膜部材Cにおける方法と同様に行った。
【0063】
〈実施例1のリチウム二次電池〉
本実施例のリチウム二次電池は、組成式LiNO2で表されるニッケル酸リチウムを正極活物質として用い、グラファイトを負極活物質として用いたリチウム二次電池である。
【0064】
本実施例のリチウム二次電池の正極は以下の方法で製造した。まず、上記ニッケル酸リチウムを85質量部に、導電材としてアセチレンブラックを10質量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5質量部混合し、適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加して混練することでペースト状の正極合材を得た。この正極合材を厚さ15μmのAl箔製正極集電体の片面に塗布、乾燥し、プレス工程を経て、シート状の正極を作製した。
【0065】
負極は以下の方法で製造した。まず、上記グラファイトを90質量部に、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを10質量部混合し、適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加して混練することでペースト状の負極合材を得た。この負極合材を厚さ13μmのCu箔製負極集電体の片面に塗布、乾燥し、プレス工程を経て、シート状の負極を作製した。
【0066】
セパレータは第1膜部材Aと第2膜部材Aとを積層して用いた。
【0067】
上記正極及び負極をそれぞれ所定の大きさに裁断し、裁断した正極と負極とを、その間に非水電解質電池用セパレータ(第1膜部材が正極側に第2膜部材が負極側にそれぞれ接するように配設する)を介装した。その後、非水電解質(1MLiPF6 エチレンカーボネート−ジエチルカーボネート混合溶媒(3:7容量比))と共に電池ケース内に密閉して、本実施例のリチウム二次電池を完成させた。
【0068】
その後、コンディショニングとして3V〜4.1V間を0.2Cで2サイクル充放電を行った。
【0069】
〈実施例2〜16のリチウム二次電池〉
本実施例のリチウム二次電池は、セパレータとして表1に示す第1膜部材と第2膜部材との組み合わせを積層して用いたこと以外は、実施例1のリチウム二次電池と同様の構成、製造方法で製造した。
【0070】
【表1】
【0071】
〈比較例のリチウム二次電池〉
本比較例のリチウム二次電池はセパレータとして厚さ25μmのポリエチレン製セパレータを用いたこと以外は、実施例1のリチウム二次電池と同様の構成、製造方法である。
【0072】
〈過充電試験〉
各実施例及び比較例のリチウム二次電池について、1Cの条件で充電を行った場合の電池の端子電圧を経時的に測定した。
【0073】
〈結果〉
過充電試験の結果を図1に示す。図1には各実施例及び比較例のリチウム二次電池における端子電圧のSOC依存性を示したグラフである。比較例のリチウム二次電池ではSOCが100%を超えたあたりから、端子電圧の上昇が急速に進行していった。比較例のリチウム二次電池は過充電に伴い発熱して、非常に高熱となった。
【0074】
実施例1〜16のリチウム二次電池ではSOC100%を超えた後に一旦端子電圧が上昇したものの4.2V付近で端子電圧の上昇は停止した。4.2Vの値はポリドデシルパラフェニレン及びポリパラフェニレンが導電を発現する電位とほぼ同じであることから、電池内において、非水電解質が含有する高分子材料の導電性主鎖が導電性を発現することで実施例のリチウム二次電池の正負極間を短絡することで過充電を防止しているものと推測できる。つまり、正極近傍が4.2Vとなったために、第1膜部材に含まれるポリドデシルパラフェニレン又はポリパラフェニレンが導電化した結果、接触している第2膜部材に含まれるポリドデシルチオフェンが導電化してセパレータの一面側(正極側)と他面側(負極側)との間が短絡したものと考えられる。
【0075】
また、ポリドデシルチオフェンは3.7V以上で導電化するが試験の結果、3.7Vを超えるあたりで正負極間が短絡した形跡は認められず、目的の4.2V以上にまで正常な充電が進行できた。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の非水電解質電池用セパレータは、正極に接する一面側に露出するバイポーラ型導電性高分子材料と、該バイボーラ型導電性高分子材料に接し、負極に接する他面側に露出するP型導電性高分子材料とを含有する多孔質の膜部材からなることから、4V級の非水電解質電池にも使用でき、安全性に極めて優れた非水電解質電池を提供することができることが明らかとなった。
【0077】
また、本発明の非水電解質電池は、本発明の非水電解質電池用セパレータを用いているので、4V級の非水電解質電池であっても安全性に極めて優れた非水電解質電池を提供することができることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施例及び比較例のリチウム二次電池に対して、充電を行った場合の端子電圧の値とSOCとの関係を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、情報関連機器、通信機器等の携帯機器分野では、これらの機器に用いる電源としてエネルギー密度の高いリチウム二次電池等の非水電解質電池が実用化され広く普及するに至っている。また一方で、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としても、エネルギー密度の高い非水電解質電池が検討されている。
【0003】
非水電解質電池に用いられる非水電解質は一般的に可燃性である非水溶媒を含んでいる。従って、何らかの原因で電池内部からの漏液が起こると安全上問題となる。ここで、電池内部から漏液が起こる原因の一つとして、過充電による電池温度の上昇が挙げられる。従って、電池からの漏液を防止して、電池の安全性を向上するためには、過充電を防止することが有効である。
【0004】
電池の過充電を防止するための従来技術としては、イオンのドーピングにより導電性を発現する導電性高分子材料を正負極間に介在させることで過電圧が印加された際に正負極間を短絡して過充電を防止する技術がある(特許文献1及び2)。
【0005】
特許文献1は、電池を構成するセパレータの表面に導電性高分子材料を被着させることで過充電時に導電性高分子材料により内部短絡が発生させ、更なる過充電を防止する技術を開示している。
【0006】
また、特許文献2は、モノマー添加剤を電解質中に添加した電池を開示している(特許文献2)。モノマー添加剤は、電池の過充電時に電解質内で重合して導電性高分子材料を形成する化合物である。形成された導電性高分子材料は電池内部で内部短絡を発生させることで更なる電池への過充電を防止する。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−199769号公報
【特許文献2】
特開平10−321258号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術は4V級の非水電解質電池に適用することが困難であった。つまり、4V級の非水電解質電池の正負極はそれぞれ3〜4V程度(正極)及び0〜2.5V程度(負極)の電位領域で作動しているので、一般的な導電性高分子材料(P型導電性高分子材料では3Vを超える程度の電位領域で導電化し、バイポーラ型導電性高分子材料は1Vを下回る程度の電位領域で導電化する)では4V級の非水電解質電池の正負極間に適用すると、通常の充放電時の使用においても導電化してしまい、通常の充放電が不可能になるおそれがある。
【0009】
また、過充電時等の異常時にのみ正負極間を短絡するために、モノマー添加剤を電解質中に添加する方法は通常充放電を妨げることはないものの、モノマー添加剤による通常電池反応への影響が排除できない。
【0010】
そこで本発明では、4V級の非水電解質電池にも使用できる非水電解質電池用セパレータを提供することを解決すべき課題とする。また、電池電圧に関わらず安全性に極めて優れた非水電解質電池を提供することも解決すべき課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の非水電解質電池用セパレータは、正極に接する一面側に露出するバイポーラ型導電性高分子材料と、該バイボーラ型導電性高分子材料に接し、負極に接する他面側に露出するP型導電性高分子材料とを含有する多孔質の膜部材からなることを特徴とする(請求項1)。
【0012】
つまり、高い電位領域(例えば、4V級の非水電解質電池では4V以上)においてまで導電化せずに使用できることが望まれる正極近傍では4V付近まで導電化しないバイボーラ型導電性高分子材料を配設し、低い電位領域(0V付近)においてまで導電化せずに使用できることが望まれる負極近傍では低い電位領域では導電化しないP型導電性高分子材料を配設することで、非水電解質電池の通常充放電時における短絡を防止できる。当然、正極が高い電位になる過充電時にはバイボーラ型導電性高分子材料は導電化するので、バイボーラ型導電性高分子材料に接するP型導電性高分子材料も導電化して正負極間を短絡することができるので過充電による電圧上昇を防止できる。
【0013】
従って、正極及び負極のそれぞれに適正な導電性高分子材料を個別に選択できるので導電性高分子材料の選択の自由度が高くなる。特に、4V級の非水電解質電池にも容易に適用できる。
【0014】
そして、前記膜部材の前記一面側は前記P型導電性高分子材料が存在せず、該膜部材の前記他面側は前記バイポーラ型導電性高分子材料が存在しないことが好ましい(請求項2)。
【0015】
バイボーラ型導電性高分子材料を正極から、P型導電性高分子材料を負極から、それぞれ完全に隔離することで、通常充放電時に正負極間の導電性高分子材料が僅かにでも導電化することを防止でき、より効率の高い非水電解質電池とすることができる。
【0016】
また、製造の容易さの観点から、前記膜部材は、前記バイポーラ型導電性高分子材料を含有する第1膜部材と、前記P型導電性高分子材料を含有する第2膜部材とを積層した部材であることが好ましい(請求項3)。
【0017】
そして、前記バイポーラ型導電性高分子材料はポリアセチレン、ポリパラフェニレン及びそれらの誘導体からなる群から選択され、前記P型導電性高分子材料はポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール及びそれらの誘導体からなる群から選択されることが、導電性高分子材料の入手性等の観点からは好ましい(請求項4)。
【0018】
更に、上記課題を解決する本発明の非水電解質電池は、リチウムイオンを吸蔵及び脱離できる前記正極及び前記負極と、前記一面側を該正極に、前記他面側を該負極にそれぞれ接して、該正極及び該負極の間に介装された上述した非水電解質電池用セパレータと、を有することを特徴とする(請求項5)。
【0019】
上述した非水電解質電池用セパレータを用いることで、4V級の非水電解質電池であっても過充電時の安全性を向上できるほか、より低い電圧範囲で使用する非水電解質電池でも高い安全性を付与することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池について実施の形態に基づき詳細に説明する。本実施形態においては非水電解質電池としてリチウム二次電池に基づいて説明する。
【0021】
(非水電解質電池用セパレータ)
本実施形態の非水電解質電池用セパレータは膜部材から構成される。非水電解質電池用セパレータは本実施形態の非水電解質電池用セパレータに限らず、電解質のイオンを透過させると共に電池反応で生成した電子を透過させないことが必要である。従って、本実施形態の非水電解質電池用セパレータは本非水電解質電池用セパレータが適用される非水電解質電池の充放電範囲において絶縁体であると共にイオン透過性をもつ必要がある。
【0022】
非水電解質電池の通常充放電時に本非水電解質電池用セパレータが導電化しないようにするために、本非水電解質電池用セパレータを構成する膜部材は、バイボーラ型導電性高分子材料とP型導電性高分子材料とを含有する。
【0023】
バイボーラ型導電性高分子材料は、膜部材の正極に接する一面側に露出するように配設される。ここで、バイボーラ型導電性高分子材料が一面側に露出するとは膜部材の一面側の表面をすべてバイボーラ型導電性高分子材料で被覆するものであっても、一部分を被覆するものであってもよい。少なくとも、一面側に接する正極表面とバイボーラ型導電性高分子材料とが接触できるように配設されていることを意味する。
【0024】
P型導電性高分子材料は、負極に接する他面側に露出するように配設される。P型導電性高分子材料が他面側に露出するとは、バイボーラ型導電性高分子材料と同様に、膜部材の他面側の表面をすべてP型導電性高分子材料で被覆するものであっても、一部分を被覆するものであってもよい。少なくとも、他面側に接する負極表面とP型導電性高分子材料とが接触できるように配設されていることを意味する。
【0025】
バイボーラ型導電性高分子材料とP型導電性高分子材料とは膜部材内で接するように配設されている。両者を接触させることにより、一方の導電性高分子材料(通常はバイボーラ型導電性高分子材料)が導電化した場合に他方の導電性高分子材料も導電化させることが可能となる。その結果、速やかに正負極間を短絡して過充電を防止できる。従って、バイボーラ型導電性高分子材料とP型導電性高分子材料とは両者を併せることで膜部材の一面側と他面側とを貫通し、両者の導電性高分子材料が導電性高分子材料が導電化した場合に膜部材の一面側と他面側との間を導電化している。
【0026】
ここで、P型導電性高分子材料は膜部材の一面側には存在せず、バイポーラ型導電性高分子材料は膜部材の他面側には存在しないことが好ましい。
【0027】
P型導電性高分子材料は、一定電位以上におけるアニオンのドーピングにより正孔が生じる導電性高分子であり、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール及びこれらの誘導体が例示できる。
【0028】
バイボーラ型導電性高分子材料は、一定電位以上におけるリチウムイオンのドーピングにより正孔が生じ、一定電位以下におけるリチウムイオンのドーピングにより過剰な電子が生じる導電性高分子であり、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレン及びこれらの誘導体が例示できる。
【0029】
これらの導電性高分子材料は対応するアセチレン、ピロール、ベンゼン、ビフェニル、チオフェン等のモノマーを化学的、電気化学的に重合させることで製造できる。
【0030】
本非水電解質電池用セパレータが非水電解質電池内で導電性を発現する電位は適用される非水電解質電池の通常充放電により変化する電位領域の値により適正値が決定される。そして、本非水電解質電池用セパレータが非水電解質電池内で導電性を発現する電位は用いるバイボーラ型導電性高分子材料及びP型導電性高分子材料の化学構造により制御できる。
【0031】
非水電解質電池の通常充放電により変化する電位領域の値は非水電解質電池に用いられる正負極それぞれの活物質の種類により決定される。従って、それぞれの導電性高分子材料は、適用される非水電解質電池に用いられる正負極の種類に応じて選択することが好ましい。つまり、適用される非水電解質電池が過充電となる電位程度で膜部材の一面側と他面側とが短絡するように、化学構造が選択される。特に正極に接するバイボーラ型導電性高分子材料の化学構造を変化させることで導電性が発現する電位を好適に制御できる。
【0032】
導電性主鎖が導電性を発現する電位は、以下の通りである。バイボーラ型導電性高分子材料では、ポリアセチレンが0.5V以下又は3V以上、ポリパラフェニレンが1V以下又は4.2V以上である。P型導電性高分子材料ではポリアニリンが3.5V以上、ポリチオフェンが3.7V以上、ポリピロールが2.7V以上である。
【0033】
例えば正極活物質にニッケル酸リチウム(LiNiO2)、負極活物質に炭素材料を用いる非水電解質電池の電位は4.1であり、バイボーラ型導電性高分子材料としては4.2Vまで導電化しないポリパラフェニレンが好適である。
【0034】
膜部材はこれらの導電性高分子材料のみによって非水電解質電池用セパレータを製造してもよいが、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等の一般的な樹脂、金属等からなる多孔質の基材の表面にこれらの導電性高分子材料を付着乃至は被覆させることでも製造できる。
【0035】
バイボーラ型導電性高分子材料を膜部材の一面側に、P型導電性高分子材料を他面側にそれぞれ露出するように配設する方法は特に限定しないが、バイポーラ型導電性高分子材料を含有する第1膜部材と、P型導電性高分子材料を含有する第2膜部材とを積層して膜部材を形成することで容易に形成できる。
【0036】
基材の表面に導電性高分子材料を付着乃至は被覆する方法としては例えば基材の存在下導電性高分子材料を重合・合成する方法、合成した導電性高分子材料を溶解乃至は分散させた溶媒を基材に塗布する方法等がある。
【0037】
また、導電性高分子材料とポリエチレン等の樹脂材料とを混合した後に、製膜したものを延伸等行うことで、導電性高分子材料及び樹脂の界面が剥離して表面に導電性高分子材料を有する多孔質膜を得ることができる。
【0038】
イオン透過性は非水電解質電池用セパレータの膜部材を多孔質とすることで担保する。膜部材がもつ孔の孔径は特に限定しないが1〜10μm程度が好ましい。膜部材の多孔質化の方法は特に限定しない。例えば、導電性樹脂からなる膜部材、一般的な樹脂からなる膜部材を延伸等して多孔質膜とする方法、不織布を膜部材として用いる方法、金網等を用いる方法がある。
【0039】
(非水電解質電池)
本発明の非水電解質電池では、コイン型電池、ボタン型電池、円筒型電池及び角型電池等の公知の電池構造をとることができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極をセパレータを介して重畳あるいは捲回等して電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を非水電解質と共に電池ケース内に挿設し、これを密閉して電池を完成することができる。
【0040】
正極は、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる正極活物質に導電材および結着剤を混合し、必要に応じ適当な溶媒を加えて、ペースト状の正極合材としたものを、アルミニウム等の金属箔製の集電体表面に塗布、乾燥し、その後プレスによって活物質密度を高めることによって形成する。
【0041】
正極活物質にはリチウム遷移金属複合酸化物等の公知の正極活物質を用いることができる。リチウム遷移金属複合酸化物は、その電気抵抗が低く、リチウムイオンの拡散性能に優れ、高い充放電効率と良好な充放電サイクル特性とが得られるため、本正極活物質に好ましい材料である。たとえばリチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物や、各々にLi、Al、そしてCr等の遷移金属を添加または置換した材料等である。なお、これらのリチウム−金属複合酸化物を正極活物質として用いる場合には単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。
【0042】
導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体の1種または2種以上を混合したものを用いることができる。結着剤は、活物質粒子および導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものでポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これら活物質、導電材、結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0043】
負極については、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出する負極活物質を用いることができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。たとえば、リチウム金属、グラファイト、非晶質炭素、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の炭素材料等である。そのなかでも特に炭素材料を用いることが好ましい。比表面積が比較的大きくでき、リチウムの吸蔵、放出速度が速いため大電流での充放電特性、出力・回生密度に対して良好となる。特に、出力・回生密度のバランスを考慮すると、充放電に伴ない電圧変化の比較的大きい炭素材料を使用することが好ましい。中でも結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛などからなるものを用いることが好ましい。このような結晶性の高い炭素材を用いることにより、負極のリチウムイオンの受け渡し効率を向上させることができる。
【0044】
このように負極活物質として炭素材料を用いた場合には、これに必要に応じて正極で説明したような導電材および結着材を混合して得られた負極合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
【0045】
非水電解質は前述した本実施形態の非水電解質を用いる。
【0046】
正負極間にはセパレータが介装される。セパレータは前述の本実施形態の非水電解質電池用セパレータが適用されるので、説明を省略する。
【0047】
非水電解質は、有機溶媒に電解質を溶解させたものが例示できる。
【0048】
有機溶媒は、通常リチウム二次電池の非水電解液の用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロフラン等及びそれらの混合溶媒が適当である。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの高誘電率の主溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの低粘性の副溶媒との混合有機溶媒が好ましい。また、副溶媒として、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン及びブチルラクトンなどを用いてもよい。
【0049】
電解質は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF3)2、LiN(SO3CF3)2、LiN(SO2C2F5)2およびLiN(SO2CF3)(SO2C4F9)から選ばれる有機塩、並びにその有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
【0050】
これらの電解質の使用により、電池性能をさらに優れたものとすることができ、かつその電池性能を室温以外の温度域においてもさらに高く維持することができる。電解質の濃度についても特に限定されるものではなく、用途に応じ、電解質および有機溶媒の種類を考慮して適切に選択することが好ましい。
【0051】
ケースは、特に限定されるものではなく、公知の材料、形態で作成することができる。
【0052】
ガスケットは、ケースと正負の両端子部の間の電気的な絶縁と、ケース内の密閉性とを担保するものである。たとえば、電解液にたいして、化学的、電気的に安定であるポリプロピレンのような高分子等から構成できる。
【0053】
【実施例】
以下に本発明の非水電解液電池について実施例のリチウム二次電池に基づいて説明する。
【0054】
〔非水電解質電池用セパレータの製造〕
本実施例の非水電解質電池用セパレータは第1膜部材と第2膜部材とを積層して形成した。
【0055】
(第1膜部材A)
厚み25μmのポリエチレン製多孔質膜からなる基材の表面に、ポリドデシルパラフェニレンが基材質量に対して10質量%となるようにポリドデシルパラフェニレンのテトラヒドロフラン(THF)溶液を塗布・乾燥した。
【0056】
(第1膜部材B)
厚み25μmのポリエチレン製多孔質膜からなる基材の表面に、ポリドデシルパラフェニレンが基材質量に対して10質量%となるように、ポリドデシルパラフェニレン粉末及びポリフッ化ビニリデンが質量比で9:1となるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液を塗布・乾燥した。
【0057】
(第1膜部材C)
ニッケル製金網からなる基材の表面に、ポリパラフェニレンが基材質量に対して2質量%となるように、ポリパラフェニレンを電解重合させた。電解重合は作用極が白金、対極及び参照極がリチウムである3極式セルに、ビフェニルを0.3mol/kgとなるように溶解した、1M LiPF6 エチレンカーボネート−ジエチルカーボネート混合溶媒(3:7容量比)を充填し、作用極1cm2当たり1mAとなるように電流を流して行った。
【0058】
(第1膜部材D)
ニッケルめっきした不織布(ポリエステル(PET)製)からなる基材の表面に、ポリパラフェニレンが基材質量に対して5質量%となるように、ポリパラフェニレンを電解重合させた。電解重合は第1膜部材Cにおける方法と同様に行った。
【0059】
(第2膜部材A)
厚み25μmのポリエチレン製多孔質膜からなる基材の表面に、ポリドデシルチオフェンが基材質量に対して10質量%となるようにポリドデシルチオフェンのTHF溶液を塗布・乾燥した。
【0060】
(第2膜部材B)
厚み25μmのポリエチレン製多孔質膜からなる基材の表面に、ポリドデシルチオフェンが基材質量に対して10質量%となるようにポリドデシルチオフェンのN−メチル−2−ピロリドン溶液を塗布・乾燥した。
【0061】
(第2膜部材C)
ニッケル製金網からなる基材の表面に、ポリドデシルチオフェンが基材質量に対して2質量%となるように、ポリドデシルチオフェンを電解重合させ。電解重合は作用極が白金、対極及び参照極がリチウムである3極式セルに、3−ドデシルチオフェンを0.3mol/kgとなるように溶解した、1M LiPF6 エチレンカーボネート−ジエチルカーボネート混合溶媒(3:7容量比)を充填し、作用極1cm2当たり1mAとなるように電流を流して行った。
【0062】
(第2膜部材D)
ニッケルめっきした不織布(ポリエステル(PET)製)からなる基材の表面に、ポリドデシルチオフェンが基材質量に対して5質量%となるように、ポリドデシルチオフェンを電解重合させた。電解重合は第2膜部材Cにおける方法と同様に行った。
【0063】
〈実施例1のリチウム二次電池〉
本実施例のリチウム二次電池は、組成式LiNO2で表されるニッケル酸リチウムを正極活物質として用い、グラファイトを負極活物質として用いたリチウム二次電池である。
【0064】
本実施例のリチウム二次電池の正極は以下の方法で製造した。まず、上記ニッケル酸リチウムを85質量部に、導電材としてアセチレンブラックを10質量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5質量部混合し、適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加して混練することでペースト状の正極合材を得た。この正極合材を厚さ15μmのAl箔製正極集電体の片面に塗布、乾燥し、プレス工程を経て、シート状の正極を作製した。
【0065】
負極は以下の方法で製造した。まず、上記グラファイトを90質量部に、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを10質量部混合し、適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加して混練することでペースト状の負極合材を得た。この負極合材を厚さ13μmのCu箔製負極集電体の片面に塗布、乾燥し、プレス工程を経て、シート状の負極を作製した。
【0066】
セパレータは第1膜部材Aと第2膜部材Aとを積層して用いた。
【0067】
上記正極及び負極をそれぞれ所定の大きさに裁断し、裁断した正極と負極とを、その間に非水電解質電池用セパレータ(第1膜部材が正極側に第2膜部材が負極側にそれぞれ接するように配設する)を介装した。その後、非水電解質(1MLiPF6 エチレンカーボネート−ジエチルカーボネート混合溶媒(3:7容量比))と共に電池ケース内に密閉して、本実施例のリチウム二次電池を完成させた。
【0068】
その後、コンディショニングとして3V〜4.1V間を0.2Cで2サイクル充放電を行った。
【0069】
〈実施例2〜16のリチウム二次電池〉
本実施例のリチウム二次電池は、セパレータとして表1に示す第1膜部材と第2膜部材との組み合わせを積層して用いたこと以外は、実施例1のリチウム二次電池と同様の構成、製造方法で製造した。
【0070】
【表1】
【0071】
〈比較例のリチウム二次電池〉
本比較例のリチウム二次電池はセパレータとして厚さ25μmのポリエチレン製セパレータを用いたこと以外は、実施例1のリチウム二次電池と同様の構成、製造方法である。
【0072】
〈過充電試験〉
各実施例及び比較例のリチウム二次電池について、1Cの条件で充電を行った場合の電池の端子電圧を経時的に測定した。
【0073】
〈結果〉
過充電試験の結果を図1に示す。図1には各実施例及び比較例のリチウム二次電池における端子電圧のSOC依存性を示したグラフである。比較例のリチウム二次電池ではSOCが100%を超えたあたりから、端子電圧の上昇が急速に進行していった。比較例のリチウム二次電池は過充電に伴い発熱して、非常に高熱となった。
【0074】
実施例1〜16のリチウム二次電池ではSOC100%を超えた後に一旦端子電圧が上昇したものの4.2V付近で端子電圧の上昇は停止した。4.2Vの値はポリドデシルパラフェニレン及びポリパラフェニレンが導電を発現する電位とほぼ同じであることから、電池内において、非水電解質が含有する高分子材料の導電性主鎖が導電性を発現することで実施例のリチウム二次電池の正負極間を短絡することで過充電を防止しているものと推測できる。つまり、正極近傍が4.2Vとなったために、第1膜部材に含まれるポリドデシルパラフェニレン又はポリパラフェニレンが導電化した結果、接触している第2膜部材に含まれるポリドデシルチオフェンが導電化してセパレータの一面側(正極側)と他面側(負極側)との間が短絡したものと考えられる。
【0075】
また、ポリドデシルチオフェンは3.7V以上で導電化するが試験の結果、3.7Vを超えるあたりで正負極間が短絡した形跡は認められず、目的の4.2V以上にまで正常な充電が進行できた。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の非水電解質電池用セパレータは、正極に接する一面側に露出するバイポーラ型導電性高分子材料と、該バイボーラ型導電性高分子材料に接し、負極に接する他面側に露出するP型導電性高分子材料とを含有する多孔質の膜部材からなることから、4V級の非水電解質電池にも使用でき、安全性に極めて優れた非水電解質電池を提供することができることが明らかとなった。
【0077】
また、本発明の非水電解質電池は、本発明の非水電解質電池用セパレータを用いているので、4V級の非水電解質電池であっても安全性に極めて優れた非水電解質電池を提供することができることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施例及び比較例のリチウム二次電池に対して、充電を行った場合の端子電圧の値とSOCとの関係を示すグラフである。
Claims (5)
- 正極に接する一面側に露出するバイポーラ型導電性高分子材料と、該バイボーラ型導電性高分子材料に接し、負極に接する他面側に露出するP型導電性高分子材料とを含有する多孔質の膜部材からなることを特徴とする非水電解質電池用セパレータ。
- 前記膜部材の前記一面側は前記P型導電性高分子材料が存在せず、
該膜部材の前記他面側は前記バイポーラ型導電性高分子材料が存在しない請求項1に記載の非水電解質電池用セパレータ。 - 前記膜部材は、前記バイポーラ型導電性高分子材料を含有する第1膜部材と、前記P型導電性高分子材料を含有する第2膜部材とを積層した部材である請求項1又は2に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 前記バイポーラ型導電性高分子材料はポリアセチレン、ポリパラフェニレン及びそれらの誘導体からなる群から選択され、
前記P型導電性高分子材料はポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール及びそれらの誘導体からなる群から選択される請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータ。 - リチウムイオンを吸蔵及び脱離できる前記正極及び前記負極と、
前記一面側を該正極に、前記他面側を該負極にそれぞれ接して、該正極及び該負極の間に介装された請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータと、を有することを特徴とする非水電解質二次電池。
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JP2002331100A JP2004165051A (ja) | 2002-11-14 | 2002-11-14 | 非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100719672B1 (ko) | 2005-05-17 | 2007-05-17 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 이차 전지 |
JP2013157266A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Yamagata Univ | 非水電解液二次電池用セパレータ及びその製造方法並びに非水電解液二次電池 |
WO2015170594A1 (ja) * | 2014-05-08 | 2015-11-12 | 帝人株式会社 | 非水系二次電池用セパレータ及びその製造方法、並びに非水系二次電池 |
-
2002
- 2002-11-14 JP JP2002331100A patent/JP2004165051A/ja active Pending
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