JP2004164800A - 磁気ディスク媒体及びその記録再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯用コンピュータ装置や映像記録装置にも使用が可能な小径サイズであり、かつ数百MB以上の記録容量を達成する磁気ディスク媒体及びその記録再生方法を提供すること。
【解決手段】支持体上に実質的に非磁性である下層と六方晶系フェライト粉末を結合剤中に分散してなる磁性層をこの順に設けてなる磁気ディスク媒体において、磁気ディスク媒体の外径が20mm以上、50mm以下であり、記録再生におけるディスク外周部での垂直方向の面ぶれ量が50μm以下、内周部の垂直方向の面ぶれ量が25μm以下である磁気ディスク媒体。該ディスク外周部での垂直方向の面ぶれ量が50μm以下、内周部の垂直方向の面ぶれ量が25μm以下となるような回転速度で記録再生を行う記録再生方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁性層と非磁性層を有し、最上層に六方晶系フェライト粉末を含む高密度記録用の小型の磁気ディスク媒体及びその記録再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク媒体の分野において、Co変性酸化鉄を用いた2MBのMF−2HDがパーソナルコンピュータに標準搭載されようになった。しかし扱うデータ容量が急激に増加している今日において、その容量は十分とは言えなくなり、フレキシブルディスクの大容量化が望まれていた。一方、薄層磁性層と機能性非磁性層からなるディスク状磁気記録媒体が開発され、100MBクラスのフレキシブルディスクが登場している。これらの特徴を示すものとして、特許文献1〜3に記載のものなどがある。特許文献4にはポリエチレンナフタレートを用い、ディスクの外径と支持体の厚みを規定することで安定したヘッド当りが得られることが開示されている。
しかしながら、急速なディスク状磁気記録媒体の高密度化にともない、このような技術をもってしても満足な特性を得ることが難しくなってきていた。特に、従来の磁気誘導型ヘッドでの再生ではなく、高密度化のため高感度の磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)での再生を行った場合、従来の媒体ではノイズが高く十分な性能を得ることが困難であった。
さらに、近年ノート型など携帯用のコンピュータ装置や、ハンディタイプの映像記録装置が急速に伸びる中、磁気ディスク媒体も小型化が望まれている。例えばディスク径を50mm以下にすると、パーソナルコンピュータのPCMCIAカードスロットへ適用も可能になる。しかし、記録容量はCD−ROM、CD−R同等の数百MB以上が望まれているが、記録面積も減少するため容量と小型化を両立することは困難であった。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−109061号公報
【特許文献2】
特開平5−197946号公報
【特許文献3】
特開平5−290354号公報
【特許文献4】
特開平10−21529号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、携帯用コンピュータ装置や映像記録装置にも使用が可能な小径サイズであり、かつ数百MB以上の記録容量を達成する磁気ディスク媒体及びその記録再生方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に対し鋭意検討した結果、以下の手段を採用することで、上記目的が達成できることを見出した。
(1)支持体上に実質的に非磁性である下層と六方晶系フェライト粉末を結合剤中に分散してなる磁性層をこの順に設けてなる磁気ディスク媒体において、磁気ディスク媒体の外径が20mm以上、50mm以下であり、記録再生におけるディスク外周部での垂直方向の面ぶれ量が50μm以下、内周部の垂直方向の面ぶれ量が25μm以下であることを特徴とする磁気ディスク媒体。
(2)垂直方向の面ぶれ量及び内周部の垂直方向の面ぶれ量は、記録再生の回転速度が2000rpm以上、8000rpm以下の範囲で求められるものであることを特徴とする上記(1)記載の磁気ディスク媒体。
(3)支持体上に実質的に非磁性である下層と六方晶系フェライト粉末を結合剤中に分散してなる磁性層をこの順に設けてなる磁気ディスク媒体の記録再生方法において、磁気ディスク媒体の外径が20mm以上、50mm以下であり、ディスク外周部での垂直方向の面ぶれ量が50μm以下、内周部の垂直方向の面ぶれ量が25μm以下となるような回転速度で記録再生を行うことを特徴とする磁気ディスク媒体の記録再生方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
数百MB以上の容量をもつ磁気ディスク媒体を小型で実現するためには、記録密度を大きく向上させることが必要である。
再生に高感度の磁気抵抗ヘッド(MRヘッド)を用いることで狭いトラック、高い線記録密度でも十分な出力を得ることができるが、媒体のノイズも増幅するため従来のノイズの高い媒体で十分なSN比が得られず記録密度の向上を達成することができない。これに対し磁性体として六方晶系フェライト粉末を用いるとMRヘッド再生で低ノイズ、高SNを達成することが可能であることがわかった。六方晶系フェライト粉末の詳細については後述するが、特に平均板径35nm以下を用いかつ十分な分散処理を行うことが必要である。これらにより、例えば、外径(外周の直径)が45mmの磁気ディスク媒体であれば、容量1GB以上の記録に必要なSN比を達成でき、本願の目的である携帯用のコンピュータ機器や映像機器用の記録媒体を実現できることがわかった。しかしながら、必要なSN比を確保できているものの、実動作では安定した記録再生を得られないことが一方で判明した。
本発明者等は、その原因の解明を進めたところ、回転するディスクの垂直方向の変位に大きな原因があることを見出した。この変位、即ち、面ぶれ量を外周部で50μm以下、内周部で25μm以下とすることで、安定した記録再生を実現できることがわかった。
【0007】
本発明者等はこの理由は以下のように考えている。高密度での記録再生を実現するのは高SNの媒体であることが必要条件であるが、一方でトラックの偏心に対し、サーボ信号によりヘッドの位置を修正し、ヘッドをトラック上に走行するようにする必要がある。
本願の目的とする記録密度では、トラック幅を2μm以下、さらには1μm以下にする必要があるが、このような狭トラックではサーボでもヘッドが追従しきれなくなることがわかった。本発明者等はこの原因が回転するディスクの垂直方向の変位にあることを突き止めた。ディスクが垂直方向に変位するとトラックとヘッドの位置関係にずれが発生するため、サーボでの修正が十分できなくなることがわかった。外径50mm以下のディスクでは、外周部および内周部での面ぶれ量を50μm以下、内周部での面ぶれ量を25μm以下にすることで、十分なトラッキングが得られることを見出した。
ディスクの外径は20mm以上、50mm以下であるが、これは単に携帯用の記録装置に適するだけではなく、50mmを越えると外周側の面ぶれ量が著しく増大しトラッキングをとることができなくなるため、本願の目的である高密度記録媒体そのものを実現することができない。
本発明における面ぶれ量は、カートリッジに収納されたディスクをスピンドルにチャッキングし、所定の回転数で回転させ、外周部および内周部の垂直方向の変位量をレーザーで検出、その変位量をオシロスコープで観察し、波形のプラス側とマイナス側の最大変位の差と定義される。外周部の測定位置は、ディスクの外周端部から2mmの位置、内周部の測定位置は、ディスク内周端部から2mmの位置である。また、本発明における面ぶれ量はヘッドがロードされていない状態で測定して得られる値とする。
【0008】
本発明における磁気ディスク媒体のディスク外径は20mm以上、50mm以下である。50mmを越えるとPCMCIAスロットへの適用が困難になる。20mmより小さいと数百MBの容量を達成することができない。
ディスク内径は特に制約ないが、通常は2mm以上、10mm以下である。2mmより小さいとスピンドルへの高精度のチャッキングが困難になり、10mmを越えると記録領域が狭くなり好ましくない。
外周部の面ぶれ量は30μm以下が好ましく、20μm以下がさらに好ましい。下限には特に制限はないが、通常は5μm以上である。
内周部の面ぶれ量は15μm以下が好ましく、10μm以下がさらに好ましい。下限には特に制限はないが、通常は5μm以上である。
面ぶれ量はカートリッジがない状態では、ある状態より通常面ぶれが増加するが、カートリッジがない状態でも50μm以下であることが好ましい。ヘッドをロードした場合の面ぶれ量は一般に小さくなり、本発明の媒体では通常30μm以下である。
面ぶれの最大変位は回転に伴い大きく変化したり、その位相が変化しないことが好ましい。このような場合はサーボによるトラッキングが取りにくくなる。
面ぶれの変位はディスク一周の中でいくつかの次数成分をもつことが多い。この場合、高次(3次以上)の面ぶれ成分が少ないことが好ましい。高次の面ぶれ量が大きいと、角度に対する変位の変化量が大きくなり、サーボによるトラッキングが取りにくくなる。
本発明の方法では、上記面ぶれ量が得られるように回転速度を選定して記録再生するものであるが、上記面ぶれ量は本発明の媒体では、回転速度が2000rpm以上、8000rpm以下の範囲で求められるものであることが好ましい。2000rpmより低いとディスクに作用する遠心力が小さいため、安定した回転状態が得られず面ぶれが大きくなりやすくなる傾向がある。8000rpmを越えると遠心力が大きくなりすぎ同様に回転が不安定になり面ぶれが大きくなりやすくなる傾向がある。
【0009】
本発明の媒体は、例えば60℃に保存したときには寸法変化率が0.05%以下であることが好ましい。本発明の媒体は携帯用の記録システムに用いられる場合があるが、このような記録システムは屋外で使用されることが多く、温度、湿度の変化に対して安定であることが必要である。常温(23℃)における寸法が、60℃に一週間保存した前後で0.05%以下、好ましくは0.02%以下の変化であると、本発明の媒体が使用される高い記録密度においても広い範囲の環境において、安定したトラッキングが得られることがわかった。
【0010】
本願の面ぶれ量を具体的に達成するには、回転速度を選定する以外に次のような手段乃至性質を用いることが挙げられる。
ディスクのカールは2mm以下にすると面ぶれ量が少なくなる。カールを小さくするにはディスク形状に打ちぬく前のロール状態での保管時間を制御することが有効である。ディスクの平面性を高めると面ぶれ量を小さくすることができるが、そのためには支持体や塗膜の厚み変動を10%以下に抑えることが好ましい。ディスクには微小な窪みや歪みを無くすることが好ましい。微小な変形は高次の面ぶれを誘発し、サーボ追従が困難になる傾向がある。本発明の媒体の厚みは、20μm以上、100μm以下であることが好ましく、回転速度により最適の厚みを選択することが好ましい。20μmより薄いと特に高速回転領域でディスクの回転が不安定になり、面ぶれ量が大きくなる傾向がある。100μmより厚いと、遠心力による回転状態の安定性が得にくく低速回転領域で面ぶれが大きくなる傾向がある。特に、内周部の面ぶれは、磁気シートのセンターコアへの接着方法が重要である。接着剤を用いる場合は、接着剤を均一に塗布、接着シートを用いる場合は接着シートの厚み変動を10%以下に抑えることが好ましい。ホットメルト方式を用いると特に内周の面ぶれ量が小さくなり好ましい。一般には内周部の面ぶれは外周部の面ぶれより小さいが、ディスク中心のセンターコアへの固定の仕方の精度が悪いと内周部での面ぶれが外周部での面ぶれより大きくなることがある。端部がセンターコアで固定された内周部は、垂直方向の変位がヘッドとトラックの位置関係のずれを発生させやすいばかりでなく、実効的に外周部より剛性が強くなるためヘッドが追従しにくくトラッキングに対しては不利になる。そのため内周部での面ぶれをより小さくすることが好ましい。また、外周部の面ぶれと内周部の面ぶれは相互に影響を及ぼしあう。例えば外周部の面ぶれが大きいと、その影響で内周部の面ぶれも大きくなる傾向がある。
【0011】
以下、本発明の磁気ディスク媒体について要素ごとに説明する。
(六方晶系フェライト粉末)
本発明の最上層に含まれる六方晶系フェライト粉末としてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、及びこれらの置換体、例えば、Co、Zn、Nb置換体等が挙げられる。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V,Cr、Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P,Co,Mn,Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般にはCo−Ti,Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn,Ni−Ti−Zn,Nb−Zn−Co、SbーZn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
粒子サイズは六角板径で10〜35nmが好ましく、更に好ましくは15〜25nmである。10nm未満では熱揺らぎのため安定な磁化が望めない。35nmを超えるとノイズが高く、本願の目的とする高密度磁気記録には向かない。板状比(板径/板厚)は2〜6が好ましく、更に好ましくは2.5〜3.5である。板状比が小さいと磁性層中の充填性は高くなり好ましいが、十分な配向性が得られない。6より大きいと粒子間のスタッキングによりノイズが大きくなる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積(SBET)は30〜100m/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符号する。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。磁性体で測定される抗磁力Hcは1500Oe〜4000Oe(120〜320kN/m)が好ましい。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。飽和磁化σsは40〜60A・m/kgが好ましい。σsは高い方が好ましいが微粒子になるほど小さくなる傾向がある。磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P、等の酸化物または水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。量は磁性体に対して0.1〜10質量%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜10程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0質量%が選ばれる。六方晶系フェライト粉末の製法としては、▲1▼酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、▲2▼バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、▲3▼バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。
【0012】
(下層)
次に下層に関する詳細な内容について説明する。下層としては非磁性無機粉末と結合剤を主体とするものが好ましい。非磁性無機粉末は、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機化合物から選択することができる。無機化合物としては例えばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独または組合せで使用される。特に好ましいのは、粒度分布の小ささ、機能付与の手段が多いこと等から、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのは二酸化チタン、α酸化鉄である。これら非磁性粉末の粒子サイズは0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非磁性粉末の粒子サイズは0.01μm〜0.2μmである。特に、非磁性粉末が粒状金属酸化物である場合は、平均粒子径0.08μm以下が好ましく、針状金属酸化物である場合は、長軸長が0.3μm以下が好ましい。タップ密度は通常、0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。非磁性粉末の含水率は0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%、更に好ましくは0.3〜1.5重量%である。非磁性粉末のpHは2〜11であるが、pHは5.5〜10の間が特に好ましい。非磁性粉末のSBETは通常、1〜100m/g、好ましくは5〜80m/g、更に好ましくは10〜70m/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.004μm〜1μmが好ましく、0.04μm〜0.1μmが更に好ましい。DBP(ジブチルフタレート)を用いた吸油量は通常、5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。モース硬度は4以上、10以下のものが好ましい。非磁性粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は1〜20μmol/m、好ましくは2〜15μmol/m、さらに好ましくは3〜8μmol/mである。pHは3〜6の間にあることが好ましい。これらの非磁性無機粉末の表面には表面処理によりAl、SiO、TiO、ZrO、SnO、Sb、ZnO、Yが存在するが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl、SiO、TiO、ZrOであるが、更に好ましいのはAl、SiO、ZrOである。これらは組み合わせて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナを存在させた後にその表層をシリカを存在させる方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。これらの表面処理量は、用いる結合剤、分散条件などにより最適化すべきことは言うまでもない。
【0013】
本発明の下層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100,ZA−G1、戸田工業社製αヘマタイトDPN−250,DPN−250BX,DPN−245,DPN−270BX,DBN−SA1,DBN−SA3、石原産業製酸化チタンTTO−51B,TTO−55A,TTO−55B,TTO−55C,TTO−55S,TTO−55D,SN−100、αヘマタイトE270,E271,E300,E303、チタン工業製酸化チタンSTT−4D,STT−30D,STT−30,STT−65C、αヘマタイトα−40、テイカ製MT−100S,MT−100T,MT−150W,MT−500B,MT−600B,MT−100F,MT−500HD、堺化学製FINEX−25,BF−1,BF−10,BF−20,ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y,DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM,TiO2P25、宇部興産製100A,500A、及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
【0014】
下層にカ−ボンブラックを混合させて公知の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率を小さくすることができるとともに、所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。また、下層にカーボンブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらすことも可能である。カーボンブラックの種類はゴム用ファ−ネス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブラック、アセチレンブラック、等を用いることができる。下層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
下層のカ−ボンブラックのSBETは通常、100〜500m/g、好ましくは150〜400m/g、DBP吸油量は通常、20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カ−ボンブラックの粒子径は通常、5nm〜80nm、好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カ−ボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10質量%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。本発明に用いられるカ−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製BLACKPEARLS 2000,1300,1000,900,800,880,700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#3050B,#3150B,#3250B,#3750B,#3950B,#950,#650B,#970B,#850B,MA−600,MA−230,#4000,#4010、コンロンビアカ−ボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどがあげられる。カ−ボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カ−ボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記非磁性無機粉末(カーボンブラックは包含しない)に対して50重量%を越えない範囲、下層総重量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカ−ボンブラックは単独、または組合せで使用することができる。本発明で使用できるカ−ボンブラックは例えば「カ−ボンブラック便覧」(カ−ボンブラック協会編)を参考にすることができる。
【0015】
また下層には有機質粉末を目的に応じて、添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62−18564号、特開昭60−255827号に記されているようなものが使用できる。
【0016】
下層の結合剤樹脂、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は以下に記載する磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤樹脂量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
【0017】
本発明の磁性層と下層のバインダー、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層のそれが適用できる。特に、バインダー量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
本発明に使用される結合剤としては従来公知の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1000〜200000、好ましくは10000〜100000、重合度が約50〜1000程度のものである。
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラ−ル、ビニルアセタ−ル、ビニルエ−テル、等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポリオ−ルとポリイソシアネ−トの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコ−ル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネ−トを組み合わせたものがあげられる。
ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポリウレタン、ポリエ−テルポリウレタン、ポリエ−テルポリエステルポリウレタン、ポリカ−ボネ−トポリウレタン、ポリエステルポリカ−ボネ−トポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COOM,−SOM、−OSOM、−P=O(OM)、−O−P=O(OM)、(以上につきMは水素原子、またはアルカリ金属)、OH、−NR、−N(Rは炭化水素基)、エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導入したものをもちいることが好ましい。このような極性基の量は10−1〜10−8モル/gであり、好ましくは10−2〜10−6モル/gである。
【0018】
本発明に用いられるこれらの結合剤の具体的な例としてはユニオンカ−バイト社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD,VROH,VYES,VYNC,VMCC,XYHL,XYSG,PKHH,PKHJ,PKHC,PKFE,日信化学工業社製MPR−TA、MPR−TA5,MPR−TAL,MPR−TSN,MPR−TMF,MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80,DX81,DX82,DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バ−ノックD−400、D−210−80、クリスボン6109,7209,東洋紡社製バイロンUR8200,UR8300、UR−8700、RV530,RV280、大日精化社製ダイフェラミン4020,5020,5100,5300,9020,9022、7020,三菱化成社製MX5004,三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310,F210などがあげられる。
本発明の下層、磁性層に用いられる結合剤は非磁性無機粉末または六方晶系フェライト粉末に対し、通常、5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30質量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネ−トは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタンのみまたはポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が通常、−50〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.05〜10Kg/mm(0.49〜98MPa)、降伏点は0.05〜10Kg/mm(0.49〜98MPa)が好ましい。
【0019】
本発明の磁気ディスク媒体は二層以上からなる。従って、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネ−ト、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応じ下層、磁性層とで変えることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層でバインダー量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには磁性層のバインダー量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、下層のバインダー量を多くして柔軟性を持たせることができる。
【0020】
本発明にもちいるポリイソシアネ−トとしては、トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメタントリイソシアネ−ト等のイソシアネ−ト類、また、これらのイソシアネ−ト類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネ−ト等を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネ−トHL,コロネ−ト2030、コロネ−ト2031、ミリオネ−トMRミリオネ−トMTL、武田薬品社製、タケネ−トD−102,タケネ−トD−110N、タケネ−トD−200、タケネ−トD−202、住友バイエル社製、デスモジュ−ルL,デスモジュ−ルIL、デスモジュ−ルN、デスモジュ−ルHL,等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで各層とももちいることができる。
【0021】
(カーボンブラック、研磨剤)
本発明の磁性層に使用されるカ−ボンブラックはゴム用ファ−ネス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブラック、アセチレンブラック、等を用いることができる。SBETは5〜500m/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10質量%、タップ密度は0.1〜1g/ml、が好ましい。本発明に用いられるカ−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800,700、VULCAN XC−72、旭カ−ボン社製、#80、#60,#55、#50、#35、三菱化成工業社製、#2400B、#2300、#900,#1000#30,#40、#10B、コロンビアンカ−ボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 150、50,40,15、RAVEN−MT−P、日本EC社製、ケッチェンブラックEC、などがあげられる。カ−ボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カ−ボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカ−ボンブラックは単独、または組合せで使用することができる。カ−ボンブラックを使用する場合は磁性体に対する量の0.1〜30質量%でもちいることが好ましい。カ−ボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカ−ボンブラックにより異なる。従って本発明に使用されるこれらのカ−ボンブラックは磁性層、下層でその種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。本発明の磁性層で使用できるカ−ボンブラックは例えば「カ−ボンブラック便覧」カ−ボンブラック協会編を参考にすることができる。
【0022】
本発明に用いられる研磨剤としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモ−ス硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用される。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が90質量%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μが好ましく、特に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。タップ密度は0.3〜2g/ml、含水率は0.1〜5質量%、pHは2〜11、SBETは1〜30m/g、が好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT20、HIT−30、HIT−55、HIT60、HIT70、HIT80、HIT100、レイノルズ社製、ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨剤社製、WA10000、上村工業社製、UB20、日本化学工業社製、G−5、クロメックスU2、クロメックスU1、戸田工業社製、TF100、TF140、イビデン社製、ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製、B−3などが挙げられる。これらの研磨剤は必要に応じ下層に添加することもできる。下層に添加することで表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁性層、下層の添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
【0023】
(添加剤)
本発明の磁性層と下層に使用される、添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコ−ンオイル、極性基をもつシリコ−ン、脂肪酸変性シリコ−ン、フッ素含有シリコ−ン、フッ素含有アルコ−ル、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコ−ル、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエ−テル、フェニルホスホン酸、アミノキノン類、各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、および、これらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコ−ル(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコ−ル、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコ−ルのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエ−テルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用できる。
【0024】
これらの具体例としては脂肪酸では、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコールジデカノエート、アルコール類ではオレイルアルコ−ル、ステアリルアルコール、ラウリルアルコ−ル、などがあげられる。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシド−ル系、アルキルフェノ−ルエチレンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコ−ルの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0025】
本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、その種類、量、および相乗的効果を生み出す潤滑剤の併用比率は目的に応じ最適に定められるべきものである。下層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点、融点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を中間層で多くして潤滑効果を向上させるなど考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。一般には潤滑剤の総量として磁性体または非磁性無機粉末に対し、0.1質量%〜50質量%、好ましくは2質量%〜25質量%の範囲で選択される。
また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性および非磁性塗料製造のどの工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に磁性体と混合する場合、磁性体と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより目的が達成される場合がある。また、目的によってはカレンダ−した後、またはスリット終了後、磁性層表面に潤滑剤を塗布することもできる。
本発明で用いられる有機溶媒は公知のものが使用でき、例えば特開平6−68453に記載の溶剤を用いることができる。
【0026】
(層構成)
支持体と下層の間に密着性向上のための下塗り層を設けてもかまわない。本下塗層厚みは0.01〜2μm、好ましくは0.02〜0.5μmである。本願は通常支持体両面に下層と磁性層を設けてなる両面磁性層ディスク状媒体であるが、片面のみに設けてもかまわない。この場合、帯電防止やカール補正などの効果を出すために下層、磁性層側と反対側にバックコ−ト層を設けてもかまわない。この厚みは0.1〜4μm、好ましくは0.3〜2.0μmである。これらの下塗層、バックコ−ト層は公知のものが使用できる。
本発明媒体の磁性層の厚みは用いるヘッドの仕様、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には0.01μm以上1.0μm以下であり、好ましくは0.03μm以上0.2μm以下である。磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
本発明になる媒体の下層の厚みは通常、0.2μm以上5.0μm以下、好ましくは0.5μm以上3.0μm以下、さらに好ましくは1.0μm以上2.5μm以下である。なお、本願媒体の下層は実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、たとえば不純物としてあるいは意図的に少量の磁性体を含んでも、本願の効果を示すものであり、本願と実質的に同一の構成と見なすことができることは言うまでもない。実質的に非磁性とは下層の残留磁束密度が10mT以下または抗磁力が100Oe(8kA/m)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力をもたないことを示す。
【0027】
(支持体)
本発明に用いられる支持体は公知の材料を用いることができるが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、ポリカーボネートフィルムが好ましい。厚みはディスク径とディスクの回転速度により最適化されるが、前述のとおり通常は20μm以上、100μm以下である。
必要に応じ磁性面とベ−ス面の表面粗さを別々に制御するため積層タイプの支持体を用いることもできる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などをおこなっても良い。
本発明の目的を達成するには、支持体としてWYKO社製TOPO−3Dで測定した中心面平均表面粗さRaは10nm以下が好ましく、5nm以下がさらに好ましい。これらの支持体は単に中心面平均表面粗さが小さいだけではなく、200nm以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に応じて支持体に添加されるフィラ−の大きさと量により自由にコントロ−ルされるものである。これらのフィラ−としては一例としてはCa,Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機微粉末があげられる。支持体の最大高さRmaxは1μm以下、十点平均粗さRzは200nm以下、中心面山高さはRpは200nm以下、中心面谷深さRvは200nm以下、平均波長λaは5μm以上、300μm以下が好ましい。所望の電磁変換特性と耐久性を得るため、これら支持体の表面突起分布をフィラーにより任意にコントロールできるものであり、0.01μmから1μmの大きさのもの各々を0.1mmあたり0個から2000個の範囲でコントロ−ルすることができる。
【0028】
本発明に用いられる支持体の105℃30分での熱収縮率は好ましくは0.5%以下であるが、さらに好ましくは0.3%以下、80℃30分での熱収縮率は好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.2%以下、60℃1週間での熱収縮率は好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.02%以下である。温度膨張係数は10−4〜10−8/℃であり、好ましくは10−5〜10−6/℃である。湿度膨張係数は10−4/RH%以下であり、好ましくは10−5/RH%以下である。これらの熱特性、寸法特性、機械強度特性は支持体の面内各方向に対し10%以内の差でほぼ等しいことが好ましい。
【0029】
(製法)
本発明の磁気ディスク媒体の磁性塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていてもかまわない。本発明に使用する磁性体、非磁性粉体、結合剤、カ−ボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニ−ダ、加圧ニ−ダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニ−ダを用いる場合は磁性体または非磁性粉体と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤の30質量%以上が好ましい)および磁性体100部に対し15〜500部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338、特開平1−79274に記載されている。また、磁性層液および下層液を分散させるにはガラスビーズを用いることができるが、六方晶系フェライト粉末の分散には高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
【0030】
本発明で重層構成の磁気ディスク媒体を塗布する場合、以下のような方式を用いることが好ましい。第一に磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状態のうちに特公平1−46186や特開昭60−238179,特開平2−265672に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により上層を塗布する方法、第二に特開昭63−88080、特開平2−17971,特開平2−265672に開示されているような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する方法、第三に特開平2−174965に開示されているバックアップロール付きエクストルージョン塗布装置により上下層をほぼ同時に塗布する方法である。なお、磁性粒子の凝集による磁気ディスク媒体の電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62−95174や特開平1−236968に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与することが望ましい。さらに、塗布液の粘度については、特開平3−8471に開示されている数値範囲を満足する必要がある。本発明の構成を実現するには下層を塗布し乾燥させたのち、その上に磁性層を設ける逐次重層塗布をもちいてもむろんかまわない。
【0031】
本発明の磁気ディスク媒体は、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。六方晶系フェライト粉末の場合は一般的に面内および垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。またスピンコ−トを用い、演習配向しても良い。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できる様にすることが好ましく、塗布速度は20m/分〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい、また磁石ゾ−ンに入る前に適度の予備乾燥を行なうこともできる。
【0032】
乾燥後、通常、カレンダ処理が施される。カレンダ処理ロ−ルとしてエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロ−ルまたは金属ロ−ルが挙げられるが、特に両面磁性層とする場合は金属ロ−ル同志で処理することが好ましい。処理温度は、好ましくは50℃以上、さらに好ましくは100℃以上である。線圧力は好ましくは200kg/cm(196kN/m)以上、さらに好ましくは300kg/cm(294kN/m)以上である。
【0033】
(物理特性)
本発明になる磁気ディスク媒体の磁性層の飽和磁束密度は80〜3000mTが好ましい。抗磁力HcおよびHrは通常、1500Oe以上4000Oe以下(120〜320kA/m)であるが、好ましくは2000Oe以上、3000Oe以下(160〜240kA/m)である。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFDおよびSFDrは0.6以下が好ましい。角形比はランダム配向の場合は0.45以上、0.65以下が好ましく、垂直配向の場合は垂直方向に0.6以上好ましくは0.7以上、反磁界補正を行った場合は0.7以上好ましくは0.8以上である。いずれの場合も配向度比は0.8以上が好ましい。
本発明の磁気ディスク媒体のヘッドに対する摩擦係数は温度−10℃から40℃、湿度0%から95%の範囲において0.5以下、好ましくは0.3以下、表面固有抵抗は好ましくは磁性面10〜1012オ−ム/sq、帯電位は−500V〜+500Vが好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は面内各方向で好ましくは100〜2000Kg/mm(980〜19600N/mm)、破断強度は好ましくは10〜70Kg/mm(98〜686N/mm)、磁気ディスク媒体の弾性率は面内各方向で好ましくは100〜1500Kg/mm(980〜14700N/mm)、残留のびは好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、もっとも好ましくは0.1%以下である。磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50℃以上120℃以下が好ましく、下層のそれは0℃〜100℃が好ましい。損失弾性率は1×10〜8×10N/cmの範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向で10%以内でほぼ等しいことが好ましい。磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m以下、さらに好ましくは10mg/m以下である。塗布層が有する空隙率は下層、上層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいことが多い。
【0034】
磁性層のTOPO−3Dで測定した中心面平均表面粗さRaは5nm以下であることが好ましく、更に好ましくは3nm以下、特に好ましくは2nm以下である。磁性層の最大高さRmaxは200nm以下、十点平均粗さRzは80nm以下、中心面山高さRpは80nm以下、中心面谷深さRvは80nm以下、平均波長λaは5μm以上、300μm以下が好ましい。磁性層の表面突起は0.01μmから1μmの大きさのものを0個から2000個の範囲で任意に設定し、摩擦係数を最適化することが好ましい。これらは支持体のフィラ−による表面性のコントロ−ルや磁性層に添加する粉体の粒径と量、カレンダ処理のロ−ル表面形状などで容易にコントロ−ルすることができる。
本発明の磁気ディスク媒体は、目的に応じ下層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に下層の弾性率を磁性層より低くして磁気ディスク媒体のヘッドへの当りを良くするなどである。
【0035】
【実施例】
以下に、実施例を用いてさらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、「部」は「質量部」を示す。
<塗料の作製>
磁性塗料
バリウムフェライト磁性粉 100部
対Feモル比組成(原子%):
Ba:8.0、Zn:4.0、Al:4.0、Nb:2.0
Co:1.0、Ni:0.2、Mn:0.2、P:0.1
Ca:0.05、Cr:0.02
Hc:2400Oe(192kA/m)
BET:60m/g、σs:60A・m/kg
平均板径:22nm、平均板状比:3.0
pH 6.8
ポリウレタン(官能基:SONa 350ミリ当量/g) 14部
微粒子ダイヤモンド(平均粒径:0.1μm) 3部
アルミナ(平均粒径:0.15μm) 1部
カーボンブラック(平均粒径:0.09μm) 1部
ブチルステアレート 2部
ブトキシエチルステアレート 2部
イソヘキサデシルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 160部
シクロヘキサノン 160部
【0036】
非磁性塗料
非磁性粉体 α−Fe ヘマタイト 80部
平均長軸長:0.06μm、SBET:70m/g
pH:9
表面にAlとして、粒子全体の8質量%存在
カ−ボンブラック(平均粒径:0.02μm) 25部
ポリウレタン(官能基:SONa 100ミリ当量/g) 12部
フェニルホスホン酸 2部
ブチルステアレート 3部
ブトキシエチルステアレート 3部
イソヘキサデシルステアレート 3部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(8/2混合溶剤) 250部
【0037】
上記2つの塗料のそれぞれについて、各成分をニ−ダで混練したのち、ジルコニアビーズを用いサンドミルで分散させた。得られた分散液にポリイソシアネ−トを下層の塗布液には6部、磁性層の塗布液には4部を加え、さらにそれぞれにメチルエチルケトン40部を加え,1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。
得られた下層塗布液を、所定の厚さで中心面表面粗さが3nmのポリエチレンナフタレート支持体上に、乾燥後の厚さが1.5μmになるように両面塗布し乾燥させた。次にその上に磁性塗料を乾燥後の厚さが0.08μmになるように両面塗布し乾燥させた。その後7段のカレンダで温度90℃、線圧300kg/cm(294kN/m)にて処理を行い、所定の外径と内径になるように打ち抜いたのち、表面研磨処理を行った。これをカートリッジに収納し磁気ディスク媒体のサンプル1〜16を作成した。
【0038】
このようにして得られた磁気ディスク媒体の特性を表1に示した。媒体厚みの変更は支持体の厚さを変えることで行った。カールは打ち抜きする前の巻いた状態のロールの保管経時、およびロールの長手方向の打ち抜く位置を変えて調整した。センターコアへの貼り付け方法Aはホットメルト方式を用い行い、方法Bは接着剤を用いて行った。
これら磁気ディスク媒体の性能を、回転速度を変更して以下の方法により評価し、結果を表1、2に示した。
【0039】
(評価方法)
[カール]
カートリッジに収納する前の打ち抜いたディスクを内径部で支持し垂直方向に立てて、内周端部の位置に対する外周端部の水平方向の変位をレーザー変位計にて測定した。
[面ぶれ量]
レーザー変位計を用い、所定の回転数で回転する外周端部より2mmの位置、および内周端部より2mmの位置の垂直方向の変位量を測定し、その最大値と最小値の差を、それぞれ外周部面ぶれ量、内周部面ぶれ量とした。通常、面ぶれは各回転でその変位量と位相はほぼ一定であるが、変化する場合は、回転数は一定になったあとの10秒間の測定での最大値と最小値の差とする。
[オフトラック]
トラックピッチ1.5μm、トラック幅1.0μmの複合型MRヘッドを用い、予め記録されたサーボ信号の再生出力からオフトラック量を換算しトラック幅に対する%として求めた。外周部は、外周端部より2mmの位置、内周部は、内周端部より2mmの位置とした。
[エラーレート]
トラックピッチ1.5μm(トラック密度16.9ktpi)、トラック幅1.0μmの複合型MRヘッドを用い、線記録密度250kbpiの信号をディスク全面に記録再生したときのビットエラーの発生率を求めた。
なお、この場合の面記録密度は4.2Gbit/inである。記録領域の設定にも依存するが、この面記録密度は外径50mmのディスクでは約1.6GB、外形25mmのディスクでは約0.4GBの容量に相当する。
【0040】
【表1】
Figure 2004164800
【0041】
【表2】
Figure 2004164800
【0042】
本発明の方法及び媒体は、小径で携帯用の記録媒体に適するばかりでなく、安定したトラッキングと実用レベルの10−7以下の優れたエラーレートを示し、小径でも数百MB以上の大容量の記載再生を達成できることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、外径が20mm以上、50mm以下の小型磁気ディスク媒体の記録再生時の面ぶれ量を特定したことにより、数百MB以上の大容量の記録再生を安定、かつ良好に行うことができる。

Claims (3)

  1. 支持体上に実質的に非磁性である下層と六方晶系フェライト粉末を結合剤中に分散してなる磁性層をこの順に設けてなる磁気ディスク媒体において、磁気ディスク媒体の外径が20mm以上、50mm以下であり、記録再生におけるディスク外周部での垂直方向の面ぶれ量が50μm以下、内周部の垂直方向の面ぶれ量が25μm以下であることを特徴とする磁気ディスク媒体。
  2. 垂直方向の面ぶれ量及び内周部の垂直方向の面ぶれ量は、記録再生の回転速度が2000rpm以上、8000rpm以下の範囲で求められるものであることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク媒体。
  3. 支持体上に実質的に非磁性である下層と六方晶系フェライト粉末を結合剤中に分散してなる磁性層をこの順に設けてなる磁気ディスク媒体の記録再生方法において、磁気ディスク媒体の外径が20mm以上、50mm以下であり、ディスク外周部での垂直方向の面ぶれ量が50μm以下、内周部の垂直方向の面ぶれ量が25μm以下となるような回転速度で記録再生を行うことを特徴とする磁気ディスク媒体の記録再生方法。
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