JP2004163391A - 身体温度情報端末装置及び身体温度情報処理システム - Google Patents

身体温度情報端末装置及び身体温度情報処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】簡便に基礎体温等を計測可能な身体温度情報端末装置と身体温度情報処理システムを提供する。
【解決手段】身体温度情報端末装置1のケーシング2の正面側に体表温度検出部4を取付けると共に、背面側にクリップ3を取付ける。また、体表温度検出部4はケーシング2内に収容された回路基板5のコントロールユニットに接続すると共に、このコントロールユニットを接続部9に接続する。そして、使用者は就寝前に体表温度検出部4を腹部に接触させた状態で身体温度情報端末装置1を腹部と下着との間に挟みクリップ3で固定する。これにより、身体温度情報端末装置1は就寝中の開始時刻から終了時刻までの間に亘って一定時間毎に体温を計測し、記憶する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体に常時装着し女性特有の月経周期やホルモンバランスのリズムなどの根拠となる情報を計測収集する身体温度情報端末装置および該身体温度情報端末装置によって収集した温度情報を管理、分析し、各種の情報配信を行う身体温度情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、妊娠や避妊の目安となる周期を知る目的で女性のホルモンバランス状況を把握するため、基礎体温の日ごとの変動を数ヶ月間に渡って追跡記録し、その変動周期や変動幅を数値的に分析する方法が行なわれてきた。本来基礎体温というものは一日の内でもっとも新陳代謝の少ない就寝中の体温を計測することが望ましいが、就寝中に体温測定を行なうことが一般的に困難であるため、起床時の体温を計測し基礎体温の代わりに用いてきた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−316161号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来技術では、基礎体温を測定する際には、毎朝一定時刻に起床し、使用者が能動的に測定動作を行い続ける必要があった。この測定動作とは、体温計を舌下、脇下などの測定部位に密着させ、熱平衡に達するまで、または熱平衡に達することが計算上求められる時間まで、体を動かさずに保持しつづけるというものである。そもそも毎朝欠かさずに一定時刻に起床することは今日の生活習慣を顧みても継続することが非常に困難であり、ましてや毎日その測定動作を維持することは、使用者に非常な苦痛を強いるものである。また、測定部位からずれてしまったり、計測を忘れてしまったりする可能性が高く、誤ったデータやデータ抜けも発生し易い。
【0005】
基礎体温の変動を記録し、変動周期や変動幅を分析するための改善策として、計測情報を蓄積し表示する機器や、外部装置に情報を蓄積し分析、情報の配信を行う方法も実現したが、計測の方法自体は、依然毎朝一定時刻に起床し、使用者が能動的に測定を行う以外にはなく、継続的な利用には煩わしさがあった。
【0006】
また、従来の基礎体温計では、測定開始から測定完了あるいは同定までを速くする、すなわち温度変化に対して俊敏に反応する目的で、測温素子を含むその支持構造および被覆構造は、できる限り小型にかつ熱抵抗を小さくしたものであった。このため、測定中における測温素子と測定部位の多少のずれ動きや外気の流入によって測定点の温度が俊敏に変化してしまい、却って測定データのゆらぎを誘発し易いという問題があった。
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、毎朝定時に基礎体温を計測する煩わしさを解消できる身体温度情報端末装置および身体温度情報処理システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明による身体温度情報端末装置は、身体に常時装着可能なケーシングと、該ケーシングに設けられ体表の温度を検出する体表温度検出手段と、該体表温度検出手段による体表温度検出データを一定の時間間隔で読込むデータ読込み手段と、該データ読込み手段よって読込んだ体表温度検出データに基づく体表温度情報を記憶する記憶手段とを備え、一定期間に亘る身体温度の変動を記録する構成としている。
【0009】
このように構成したことにより、使用者はケーシングを身体に装着した状態で就寝することができる。このとき、体表温度検出手段は就寝中の使用者の体表の温度を検出し、データ読込み手段は、例えば5分毎のように一定の時間間隔で体表温度検出手段による体表温度検出データを読込む。そして、記憶手段はデータ読込み手段よって読込んだ体表温度検出データに基づく体表温度情報を記憶するから、例えば数時間から数日間等の一定期間に亘る身体温度の変動を記録することができると共に、この体表温度情報を用いることによって使用者の基礎体温の変動幅や周期を正確に求めることができる。
【0010】
請求項2の発明は、ケーシングには、体表温度検出手段を身体のうち身体温度の変動が反映され易く、外気温度変動に影響され難い部位に装着するための装着手段を設けたことにある。
【0011】
これにより、ケーシングを例えば腹部のように身体温度の変動が反映され易く、外気温度変動に影響され難い身体的部位に常時装着できる。特に、腹部に取付ける場合には、装着手段を用いて肌と接触する例えば下着等の衣類に容易に取付けることが可能となると共に、ケーシングを当該衣類で覆うことができる。このため、体表温度検出手段を用いて衣類で保温されている身体の測定部位(腹部)の温度を測定することができると共に、衣類によって外気温度の影響を軽減することができ、正確な体表の温度を検出することができる。
【0012】
請求項3の発明は、データ読込み手段は、時刻を計時するタイマを備え、予め設定された開始時刻から終了時刻までの間に亘って一定の時間間隔で体表温度検出データを読込む構成とし、ケーシングには記憶手段によって記憶した複数の体表温度情報のうち最高温度となるものを前記開始時刻から終了時刻までの代表温度として選択する代表温度選択手段を設ける構成としている。
【0013】
これにより、データ読込み手段は、設定された開始時刻から終了時刻までの間に亘って一定の時間毎に体表温度検出データを読込むことができ、記憶手段はこの検出データに基づく複数時刻での体表温度情報を記憶することができる。また、データ読込み手段はタイマを備えるから、検出データを読込んだ時刻を検出データと一緒に記憶することもできる。さらに、代表温度選択手段は複数の体表温度情報のうちで最高温度となるものを選択するから、使用者の体温によって体表温度検出手段が十分に温められた状態で、このときの体表温度情報を例えば就寝中の代表温度として特定することができる。このため、代表温度を使用者の身体温度に正確に対応させることができ、代表温度の信頼性を高めることができる。
【0014】
請求項4の発明は、ケーシングには外気の温度を検出する外気温度検出手段を設け、データ読込み手段は体表温度検出手段による体表温度検出データと一緒に該外気温度検出手段による外気温度検出データを一定の時間間隔で読込み、記憶手段は前記体表温度情報に加えて該データ読込み手段によって読込んだ外気温度検出データに基づく外気温度情報を記憶する構成としている。
【0015】
これにより、体表温度検出手段によって体表の温度を検出するのに加えて、外気温度検出手段によって外気の温度を検出することができる。そして、データ読込み手段は体表温度検出データと外気温度検出データとを一定の時間間隔で一緒に読込み、記憶手段は体表温度検出データによる体表温度情報と外気温度検出データによる外気温度情報とを記憶するから、体表温度情報が外気の影響によって変動する場合であっても、外気温度検出データを用いて体表温度情報を修正することができる。
【0016】
この場合、請求項5の発明のように、ケーシングには外気温度情報を用いて体表温度情報を修正した修正温度情報を演算する温度情報修正手段を設ける構成としてもよい。
【0017】
請求項6の発明では、データ読込み手段は、時刻を計時するタイマを備え、予め設定された開始時刻から終了時刻までの間に亘って一定の時間間隔で体表温度検出データと外気温度検出データとを読込む構成とし、前記ケーシングには前記体表温度情報と外気温度情報とを用いて前記開始時刻から終了時刻までの代表温度を特定する代表温度特定手段を設け、該代表温度特定手段は、前記外気温度情報を用いて体表温度情報を修正した修正温度情報を演算する温度情報修正手段と、前記時間間隔毎の体表温度情報の時間的変動幅と外気温度情報の時間的変動幅とを演算する変動幅演算手段と、該変動幅演算手段による2つの時間的変動幅を用いて熱平衡状態か否かを判定する熱平衡状態判定手段と、該熱平衡状態判定手段によって熱平衡状態であると判定したときに当該時刻の修正温度情報を代表温度候補として抽出する代表温度候補抽出手段と、前記代表温度候補のうち最高温度となるものを代表温度として選択する代表温度選択手段とによって構成している。
【0018】
これにより、データ読込み手段は、設定された開始時刻から終了時刻までの間に亘って一定の時間間隔毎に体表温度検出データと外気温度検出データとを読込むことができ、記憶手段はこれらの検出データに基づく複数時刻での温度情報を記憶することができる。また、データ読込み手段はタイマを備えるから、検出データを読込んだ時刻を検出データと一緒に記憶することもできる。
【0019】
また、熱平衡状態判定手段は、例えば体表温度情報の時間的変動幅と外気温度情報の時間的変動幅との二乗和が予め決められた判定値よりも小さいときには、ケーシング等は温度変化が少ない熱平衡状態にある判定する。これにより、代表温度候補抽出手段は、このときの修正温度情報を代表温度候補として抽出する。そして、代表温度選択手段は代表温度候補のうちで最高温度となるものを選択するから、使用者の体温によってケーシング、体表温度検出手段等が十分に温められた熱平衡状態の修正温度情報を例えば就寝中の代表温度として特定することができる。この結果、代表温度を使用者の身体温度に正確に対応させることができ、代表温度の信頼性を高めることができる。
【0020】
請求項7の発明では、装着手段はケーシングの背面側に位置して前記ケーシングを衣類に固定するためのクリップによって構成し、体表温度検出手段は体表に接触可能な前記ケーシングの正面側に配置し、外気温度検出手段は前記クリップに覆われた状態で前記ケーシングの背面側に配置する構成としている。
【0021】
これにより、ケーシングを挟んで体表温度検出手段と外気温度検出手段とを反対側に配置することができるから、体表温度検出手段が使用者の体表に接触したときには、外気温度検出手段を使用者の体表に対して確実に非接触な状態にでき、外気温度検出手段によって外気温度を正確に検出することができる。また、外気温度検出手段をクリップによって覆うから、寝返り時等に外気温度検出手段が使用者の腕等に接触するのをクリップによって防ぐことができ、外気温度検出データの信頼性を高めることができる。また、クリップによって外気温度検出手段を保護することができるから、外気温度検出手段の破損を防止でき、信頼性、耐久性を高めることができる。
【0022】
請求項8の発明では、記憶手段は、予め設定された基準温度数値と体表温度検出データの数値との差分値を体表温度情報として記録し、基準温度数値と外気温度検出データの数値との差分値を外気温度情報として記録する構成としている。
【0023】
この場合、例えば月経等に基づく体温の変動幅は最大で±0.3℃程度である。また、環境変化による影響や1日のうちの体表温度の変動を考慮すると、体表温度検出手段によって検出される体表の温度は、その平均的な値に対して±数度程度の変動がみられる。また、外気温度検出手段もケーシングを通じて使用者の体表温度によって温められるから、外気温度検出手段による外気温度検出データは体表温度検出手段による体表温度検出データに近い値となる。
【0024】
このため、例えば使用者の平均的な体表温度等に基準温度数値を設定することによって、体温の変動分だけを体表温度情報や外気温度情報として記憶することができる。この結果、例えば36.40℃のように体温情報全てを記憶する場合に比べて、記憶する温度情報のデータ量を低減でき、RAM等の記憶素子の容量を小さくし、装置全体を小型化、低コスト化できると共に、記憶する体表温度情報や外気温度情報の量を増加させることができる。
【0025】
請求項9の発明では、基準温度数値は、外部から更新可能な構成としている。これにより、平均的な体表温度の個人差に応じて基準温度数値を設定できるから、使用者毎に体表温度の平均値が異なる場合でも、体温の変動分だけを温度情報として記憶し、温度情報のデータ量を低減することができる。
【0026】
請求項10の発明では、ケーシングには、記憶手段によって記憶した体表温度情報と外気温度情報とを外部に出力する温度情報出力手段を設けている。
【0027】
これにより、例えば携帯電話、携帯端末、コンピュータ等の外部情報機器に体表温度情報および外気温度情報を出力することができると共に、該外部情報機器をネットワーク網に接続することによって、外部のサーバコンピュータ等を用いて体表温度情報および外気温度情報の分析等を行うことができ、使用者は温度情報に基づく各種のサービスを受けることができる。
【0028】
請求項11の発明では、体表温度検出手段は、メッシュ状のシート部材によって覆う構成としている。
【0029】
これにより、接触感に優れたメッシュ状のシート部材によって体表温度検出手段を覆うから、例えば腹部皮膚表面に体表温度検出手段を接触させたときでも、就寝中の装着による違和感を軽減でき、長期間に亘る毎日の記録を無理なく行うことができる。
【0030】
請求項12の発明では、体表温度検出手段は、ケーシングから突出して体表に接触可能に設けられた熱伝導性を有するカバー部材と、該カバー部材によって覆われ周囲の温度に応じた信号を出力する測温素子と、該測温素子とカバー部材との間に設けられた熱伝導部材とによって構成している。
【0031】
これにより、ケーシングから突出したカバー部材を体表に容易に接触させることができると共に、体表の温度をカバー部材と熱伝導部材を通じて測温素子に低損失で伝達でき、測温素子を用いて体表の温度を正確に検出することができる。
【0032】
また、請求項13の発明による身体温度情報処理システムは、身体に常時装着可能なケーシングと、該ケーシングに設けられ体表の温度を検出する体表温度検出手段と、時刻を計時するタイマを備えて予め設定された開始時刻から終了時刻までの間に亘って該体表温度検出手段による体表温度検出データを一定の時間間隔で読込むデータ読込み手段と、該データ読込み手段よって読込んだ体表温度検出データに基づく体表温度情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶した体表温度情報を外部に出力する温度情報出力手段とからなる身体温度情報端末装置を有し、該身体温度情報端末装置の温度情報出力手段を用いて前記記憶手段に記憶された体表温度情報を取得する温度情報取得手段と、該温度情報取得手段によって取得した体表温度情報のうち最高温度となるものを前記開始時刻から終了時刻までの代表温度として選択し、該代表温度を分析する分析手段と、該分析手段によって分析した分析結果を視覚情報および/または音声情報として外部に出力する分析結果出力手段とによって構成している。
【0033】
このように構成したことにより、温度情報取得手段を用いて身体温度情報端末装置の記憶手段に記憶した体表温度情報を取得し、分析手段を用いてこの体表温度情報を分析できると共に、分析結果出力手段を用いて、例えば女性の月経周期や女性ホルモンバランス情報等の分析結果を視覚的または聴覚的に外部の携帯電話等に出力することができる。
【0034】
また、分析手段は複数の体表温度情報のうちで最高温度となるものを代表温度として選択するから、使用者の体温によって体表温度検出手段が十分に温められた状態で、このときの体表温度情報を例えば就寝中の代表温度として特定することができ、代表温度を使用者の身体温度に正確に対応させることができる。この結果、分析手段は、このように特定した代表温度を用いて例えば女性の月経周期や女性ホルモンバランス情報等を正確に分析することができる。
【0035】
また、請求項14の発明による身体温度情報処理システムは、身体に常時装着可能なケーシングと、該ケーシングに設けられ体表の温度を検出する体表温度検出手段と、前記ケーシングに設けられ外気の温度を検出する外気温度検出手段と、前記体表温度検出手段による体表温度検出データと外気温度検出手段による外気温度検出データとを一定の時間間隔で一緒に読込むデータ読込み手段と、該データ読込み手段よって読込んだ体表温度検出データに基づく体表温度情報を記憶し、外気温度検出データに基づく外気温度情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶した体表温度情報と外気温度情報を外部に出力する温度情報出力手段とからなる身体温度情報端末装置を有し、該身体温度情報端末装置の温度情報出力手段を用いて前記記憶手段に記憶された体表温度情報と外気温度情報を取得する温度情報取得手段と、該温度情報取得手段によって取得した体表温度情報と外気温度情報を分析する分析手段と、該分析手段によって分析した分析結果を視覚情報および/または音声情報として外部に出力する分析結果出力手段とを備える構成としている。
【0036】
このように構成したことにより、温度情報取得手段を用いて身体温度情報端末装置の記憶手段に記憶した体表温度情報と外気温度情報を取得し、分析手段を用いてこれらの体表温度情報と外気温度情報を分析できると共に、分析結果出力手段を用いて、例えば女性の月経周期や女性ホルモンバランス情報等の分析結果を視覚的または聴覚的に外部の携帯電話等に出力することができる。
【0037】
請求項15の発明では、分析手段は外気温度情報を用いて体表温度情報を修正した修正温度情報を演算する温度情報修正手段を備える構成としている。
【0038】
これにより、体表温度情報が外気の影響によって変動する場合であっても、温度情報修正手段は外気温度情報を用いて体表温度情報を修正することができる。
【0039】
請求項16の発明では、データ読込み手段は、時刻を計時するタイマを備え、予め設定された開始時刻から終了時刻までの間に亘って一定の時間間隔で体表温度検出データと外気温度検出データとを読込む構成とし、分析手段は、外気温度情報を用いて体表温度情報を修正した修正温度情報を演算する温度情報修正手段と、前記時間間隔毎の体表温度情報の時間的変動幅と外気温度情報の時間的変動幅とを演算する変動幅演算手段と、該変動幅演算手段による2つの時間的変動幅を用いて熱平衡状態か否かを判定する熱平衡状態判定手段と、該熱平衡状態判定手段によって熱平衡状態であると判定したときに当該時刻の修正温度情報を代表温度候補として抽出する代表温度候補抽出手段と、前記代表温度候補のうち最高温度となるものを代表温度として選択する代表温度選択手段とを備える構成としている。
【0040】
このとき、熱平衡状態判定手段は、例えば体表温度情報の時間的変動幅と外気温度情報の時間的変動幅との二乗和が予め決められた判定値よりも小さいときには、ケーシング等は温度変化が少ない熱平衡状態にある判定する。これにより、代表温度候補抽出手段は、このときの修正温度情報を代表温度候補として抽出する。そして、代表温度選択手段は代表温度候補のうちで最高温度となるものを選択するから、使用者の体温によってケーシング、体表温度検出手段等が十分に温められた熱平衡状態の修正温度情報を例えば就寝中の代表温度として特定することができ、代表温度を使用者の身体温度に正確に対応させることができる。この結果、分析手段は、このように特定した代表温度を用いて例えば女性の月経周期や女性ホルモンバランス情報等を正確に分析することができる。
【0041】
さらに、請求項17の発明のように、分析結果出力手段による分析結果を取得した使用者から利用料金を徴収してもよい。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による身体温度情報端末装置および身体温度情報処理システムを添付図面に従って詳細に説明する。
【0043】
まず、図1ないし図9は第1の実施の形態を示し、図において、1は身体温度情報端末装置(以下、端末装置1という)で、該端末装置1は、後述のケーシング2、体表温度検出部4、回路基板5、接続部9等によって大略構成されている。
【0044】
2は端末装置1の本体(主支持体)をなすケーシングで、該ケーシング2は、図1ないし図6に示すように例えば樹脂材料を用いて略四角形の箱形状に形成され、その内部には後述の回路基板5等が収容されている。また、ケーシング2の正面には、略円形状に貫通した開口2Aが設けられ、該開口2Aには後述のカバー部材4Aが突出して取付けられるものである。
【0045】
3はカバー部材4Aを身体のうち身体温度の変動が反映され易く、外気温変動に影響され難い部位(測定部位)として例えば腹部Aに装着するための装着手段としてのクリップで、該クリップ3は、図2および図5に示すように略L字形状の片持梁をなしてケーシング2の背面側に取付けられている。また、クリップ3は、その基端側がケーシング2の上部側に固定して取付けられると共に、先端側が自由端となってケーシング2の下部側に向けて延びている。さらに、クリップ3の先端には、ケーシング2との間を狭める抜止め部3Aが形成されている。
【0046】
そして、クリップ3は、図1および図6に示すように、使用者Hの腹部Aに配置したときに、ケーシング2との間にショーツ等の下着Bを挟むと共に、下着Bの縁に引っ掛る(下着Bの縁を挟み留める)ことによって、ケーシング2を位置決め固定する構成となっている。これにより、ケーシング2の装着に伴う違和感を軽減することができる。
【0047】
4は体表の温度を検出する体表温度検出部(体表温度検出手段)で、該体表温度検出部4は、図7に示すように、ケーシング2の開口2Aに取付けられた金属製のカバー部材4Aと、該カバー部材4Aによって覆われ周囲の温度に応じた信号を出力するサーミスタ等からなる測温素子4Bと、該測温素子4Bとカバー部材4Aとの間に設けられた熱伝導シート4C(熱伝導部材)によって構成されている。
【0048】
そして、カバー部材4Aは、例えば5mm〜15mm程度の直径寸法をもった略円形の突起状に形成され、開口2Aに取付けた状態でケーシング2の正面(表面)から突出する。これにより、カバー部材4Aは、体表に接触可能に設けられている。
【0049】
また、熱伝導シート4Cは熱伝導性を有するシリコン系の材料によってシート状に形成されている。一方、測温素子4Bは、支持基板4Dの表面に取付けられると共に、熱伝導シート4Cに接触しつつ突起状をなすカバー部材4A内に収容されている。そして、支持基板4Dは金属プレート等からなる固定部材4Eによってカバー部材4Aに向けて弾性的に押付けられると共に、固定部材4Eはケーシング2にネジ止め固定されている。これにより、熱伝導シート4Cは、測温素子4Bとカバー部材4Aとに密着し、カバー部材4A側の熱を測温素子4Bに低損失な状態で測温素子4Bに伝達している。
【0050】
なお、測温素子4Bは、サーミスタ等の単体の素子によって構成してもよく、サーミスタとA/D変換器とを一体化したICチップ等によって構成してもよい。
【0051】
5はケーシング2の内部に収容された回路基板で、該回路基板5には、図8に示すようにデータ読込み手段および代表温度選択手段としてのマイクロコンピュータ等からなるコントロールユニット6が搭載され、該コントロールユニット6は体表温度検出部4の測温素子4Bに接続されると共に、後述の接続部9に接続されている。また、コントロールユニット6には記憶手段として例えばROM、RAM等からなる記憶部7が設けられている。
【0052】
ここで、記憶部7には、コントロールユニット6を作動させるプログラムと該プログラムで使用する開始時刻t1、終了時刻t2、時間間隔Δt、基準温度数値T0が予め格納されると共に、コントロールユニット6の作動によって後述の体表温度情報としての差分値ΔTsおよび代表温度Tdが記憶される構成となっている。
【0053】
このとき、開始時刻t1と終了時刻t2は就寝中の時刻として例えば午前2時(t1=2:00am)と午前5時(t2=5:00am)とにそれぞれ設定され、時間間隔Δtは例えば5分から10分程度の値に設定される。また、基準温度数値T0は使用者Hの腹部Aの平均的な体表温度の値として例えば34.00℃程度の値に設定される。なお、開始時刻t1、終了時刻t2、時間間隔Δt、基準温度数値T0は使用者Hの個人差等を考慮して可変に設定できる構成となっている。
【0054】
また、コントロールユニット6は時刻を計時するタイマ8を有している。そして、コントロールユニット6は、ケーシング2に搭載されたコイン型リチウム電池等の電源(図示せず)によって駆動し、例えば電源投入によって記憶部7からプログラムを読出して作動する。これにより、コントロールユニット6は、タイマ8による時刻が開始時刻t1に達すると、開始時刻t1から終了時刻t2までの間に亘って一定の時間間隔Δt毎に測温素子4Bから体表の温度に応じた体表温度検出データTsを読込む。そして、コントロールユニット6は、この検出データTsの数値(測定温度)と基準温度数値T0との差分値ΔTsを演算し、該差分値ΔTsを記憶部7に順次記憶するものである。
【0055】
なお、体表温度情報は、差分値ΔTsに限らず、測定温度をなす体表温度検出データTsそのものであってもよい。また、体表温度情報は、差分値ΔTsのみならず、該差分値ΔTsを測定したときの時刻を付属させて、差分値ΔTsとその測定時刻とを一対の情報として用いる構成としてもよい。
【0056】
9はケーシング2の側面側に取付けられた温度情報出力手段としての接続部で、該接続部9は、コントロールユニット6に接続された状態で例えばコントロールユニット6と一緒に回路基板5に搭載されている。そして、接続部9は、図9に示すように例えば携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants/Personal Data Assistants)、コンピュータ等の外部情報機器10に中継ケーブル11等を介して接続可能となるように各種のコネクタ等によって構成され、記憶部7に記憶された差分値ΔTsを外部情報機器に向けて出力するものである。
【0057】
なお、接続部9は、シリアルな信号を伝送するコネクタであってもよく、パラレルな信号を伝送するコネクタでもよい。即ち、接続部9には、信号の伝送方式、接続対象等に応じたコネクタが適宜選択されるものである。
【0058】
本実施の形態による身体温度情報端末装置1は上述の如き構成を有するもので、次に、その身体温度情報の測定動作について説明する。
【0059】
まず、使用者Hは、図1および図6に示すように体表温度検出部4のカバー部材4Aが腹部Aに接触した状態でケーシング2を腹部Aと下着Bとの間に挟み、クリップ3を用いて下着Bにケーシング2を固定する。この状態で使用者Hは就寝する。
【0060】
このとき、電池の装着やスイッチ(図示せず)の閉成によって、コントロールユニット6が駆動すると共に、コントロールユニット6は、記憶部7からプログラムを読み出して実行する。そして、コントロールユニット6は、タイマ8による時刻が午前3時等の開始時刻t1に達するまでそのままの状態で待機する。
【0061】
次に、タイマ8による時刻が開始時刻t1に到達すると、コントロールユニット6は、例えば5分程度の予め設定された時間間隔Δt毎に体表温度検出部4の測温素子4Bから測定温度に応じた体表温度検出データTsを読込む。このとき、コントロールユニット6は、読込んだ体表温度検出データTsの温度数値と使用者Hの平均的な腹部Aの体表温度等に設定された基準温度数値T0との差分を演算し、この差分値ΔTsを記憶部7に順次記憶する。
【0062】
そして、コントロールユニット6は、このような身体温度の測定動作を時間間隔Δt毎に繰返すと共に、タイマ8による時刻が終了時刻t2に到達すると、測定動作を終了する。これにより、使用者Hが起床したときには、記憶部7に対して開始時刻t1から終了時刻t2までの一定の時間間隔Δt毎の差分値ΔTsが自動的に記憶されることになる。
【0063】
次に、コントロールユニット6は、記憶部7に記憶された体表温度の差分値ΔTsと基準温度数値T0を用いて、体表の測定温度(体表温度検出データTs)が日常的な体温による値と考えられる常識的な範囲(例えば、33℃〜38℃)に属すか否かを判定する。そして、この範囲に属さない体表温度検出データTsは不正なデータとして除去すると共に、残余の体表温度検出データTsのうち最高温度となるものを、開始時刻t1から終了時刻t2までの代表温度Td(就寝した日の代表温度Td)として特定し、記憶部7に記憶する。なお、端末装置1に液晶等の表示部を設けた場合には、この表示部に代表温度Tdを表示する構成としてもよい。
【0064】
最後に、使用者Hは、図9に示すように接続部9を携帯電話、携帯端末、コンピュータ等の外部情報機器10に中継ケーブル11を介して接続する。このとき、中継ケーブル11の途中には記憶部7内の差分値ΔTs、代表温度Tdのデータを外部情報機器10で読取り可能なデータに変換する通信仲介装置12が接続されている。これにより、記憶部7に記憶された1日分の差分値ΔTs、代表温度Tdを外部情報機器10に伝送することができるから、外部情報機器10自体または当該外部情報機器10を介して接続された外部のサーバコンピュータ等(図示せず)を用いて差分値ΔTsを分析し、就寝中の体表温度検出データTsの変動等に基づいて使用者Hの体調判断等を行うことができる。
【0065】
また、例えば外部のサーバコンピュータ等には、使用者Hの基礎体温に応じた代表温度Tdを数日間または数ヶ月間に亘って保存しておくことができる。この結果、例えば外部のサーバコンピュータ等を用いて数日間または数ヶ月間に亘る基礎体温(代表温度Td)の変化を計測することができるから、基礎体温の変化に基づく月経周期等の情報を正確に分析し、使用者Hに伝えることができる。
【0066】
なお、記憶部7に記憶された差分値ΔTs、代表温度Tdは必ずしも毎日外部情報機器10に出力する必要はなく、記憶部7の容量に応じて数日間分の差分値ΔTs等をまとめて外部情報機器10に出力する構成としてもよい。このように、差分値ΔTs等を複数日分をまとめて出力することによって、外部情報機器10に対して差分値ΔTs等を出力する操作の手間を省くことができる。
【0067】
また、本実施の形態では、端末装置1内のコントロールユニット6によって代表温度Tdを特定するものとしたが、差分値ΔTsを受け取った外部情報機器10や外部のサーバコンピュータ等を用いて代表温度Tdを特定する構成としてもよい。この場合、コントロールユニット6に対して代表温度Tdの特定に伴う処理負担を軽減することができる。
【0068】
かくして、本実施の形態では、身体に常時装着可能なケーシング2には、体表温度検出部4による体表温度検出データTsを一定の時間間隔Δtで読込むコントロールユニット6を設けると共に、該コントロールユニット6よって読込んだ体表温度検出データTsに基づく差分値ΔTsを記憶する記憶部7を設ける構成としたから、使用者Hはケーシング2を身体に装着した状態で就寝することができ、起床中に比べて身体温度が安定している就寝中の身体温度を測定することができる。
【0069】
また、コントロールユニット6は、例えば5分程度の一定の時間間隔Δt毎に体表温度検出部4による体表温度検出データTsを読込み、この検出データTsに基づいて演算した基準温度数値T0との差分値ΔTsを記憶部7に記憶するから、就寝中の体温に対応した差分値ΔTsを用いることによって使用者Hの身体温度を正確に求めることができると共に、基礎体温の変動幅や月経周期を正確に把握することができる。
【0070】
また、ケーシング2にはクリップ3を設けたから、肌と接触する下着にクリップ3を容易に取付けることが可能となると共に、ケーシング2を下着によって覆うことができる。この結果、身体温度の変動が反映され易い内臓の近くにあり、下着等に覆われているために外気温変動に影響され難い腹部Aに体表温度検出部4を接触させることができるから、下着で保温されている腹部の温度を測定することができると共に、下着によって外気温度の影響を軽減することができ、正確な体表の温度を検出することができる。
【0071】
さらに、ケーシング2を腹部Aに装着したときには、身体の他の部位に装着したときに比べて、特に就寝中にケーシング2が測定部位から位置ずれし難くなるため、位置ずれによる測定誤差も軽減することができ、検出精度を高めることができる。
【0072】
また、記憶部7には基準温度数値T0と検出データTsの数値との差分値ΔTsを体表温度情報として記録する構成としたから、例えば基準温度数値T0を使用者Hの平均的な腹部Aの体表温度に設定することによって、就寝中の体温の変動分だけを記憶することができる。この結果、記憶する体表温度情報のデータ量を低減でき、RAM等の記憶素子の容量を小さくし、装置全体を小型化、低コスト化できると共に、記憶する体表温度情報を増加させることができる。
【0073】
特に、本実施の形態では、基準温度数値T0は、外部から更新可能な構成としたから、平均的な体表温度の個人差に応じて基準温度数値T0を設定でき、使用者H毎に体表温度の平均値が異なる場合でも、体温の変動分だけを体表温度情報として記憶し、体表温度情報のデータ量を低減することができる。
【0074】
また、体表温度検出部4は、ケーシング2から突出したカバー部材4Aと、該カバー部材4Aによって覆われた測温素子4Bと、該測温素子4Bとカバー部材4Aとの間に設けられた熱伝導シート4Cとによって構成したから、ケーシング2から突出したカバー部材4Aを体表に容易に接触させることができると共に、体表の温度をカバー部材4Aと熱伝導シート4Cを通じて測温素子4Bに低損失で伝達でき、測温素子4Bを用いて体表の温度を正確に検出することができる。
【0075】
また、コントロールユニット6は開始時刻t1から終了時刻t2までの間に亘って体表温度検出部4から体表温度検出データTsを読込む構成としたから、コントロールユニット6は、予め設定された深夜等の開始時刻t1から起床前の終了時刻t2までの間に亘って一定の時間間隔Δt毎に体表温度検出データTsを読込むことができ、記憶部7はこの検出データTsに基づいて就寝中の複数の体表温度情報を自動的に記憶することができる。さらに、コントロールユニット6はタイマ8を備えるから、体表温度検出データTsを読込んだ時刻を検出データTsと一緒に記憶することもできる。
【0076】
また、ケーシング2には、記憶部7に記憶した体表温度情報(差分値ΔTs)を外部に出力する接続部9を設けたから、接続部9を介して外部情報機器10に体表温度情報を出力することができると共に、該外部情報機器10をネットワーク網に接続することによって、外部のサーバコンピュータ等を用いて体表温度情報の分析等の各種のサービスを受けることができる。
【0077】
さらに、コントロールユニット6は、複数の体表温度検出データTs(差分値ΔTs)のうちで最高温度となるものを代表温度Tdとして選択するから、使用者Hの体温によって体表温度検出部4等の端末装置1全体が十分に温められた状態で、このときの体表温度検出データTsを就寝した日の代表温度Tdとして特定することができる。
【0078】
即ち、電気毛布、暖房器具等を体温以上の温度設定で使用するような特殊な環境を除けば、体表温度検出データTsが最高温度よりも低温の場合には、例えば使用者Hに装着した直後のように端末装置1が加熱されているときや寝返り等によって使用者Hの皮膚から体表温度検出部4が離れて端末装置1が冷却されたときのように、体表温度検出データTsは身体温度を正確に反映していないのに対し、体表温度検出データTsのうちで最高温度となるものを代表温度Tdとして選択するから、代表温度Tdを身体温度(基礎体温)に正確に対応させることができる。この結果、基礎体温に対応した代表温度Tdの信頼性を高めることができ、基礎体温の変動幅や月経周期を正確に分析、把握することができる。
【0079】
次に、図10ないし図17は第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ケーシングの背面側には外気の温度を検出する外気温度検出部を設けたことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0080】
21は外気の温度を検出する外気温度検出部(外気温度検出手段)で、該外気温度検出部21は、ケーシング2のうち体表温度検出部4とは反対側となる背面側に配設されている。また、外気温度検出部21は、例えば体表温度検出部4とほぼ同様にケーシング2の開口2Bに取付けられた金属製のカバー部材21Aと、該カバー部材21Aによって覆われ周囲の温度に応じた信号を出力するサーミスタ等からなる測温素子と、該測温素子とカバー部材との間に設けられた熱伝導シート(いずれも図示せず)によって構成されている。そして、カバー部材21Aは、使用者Hの指等が接触しないように、クリップ3によって覆われると共に、開口2Bに取付けた状態でケーシング2の背面からほとんど突出しない構成となっている。
【0081】
22はケーシング2の正面側に設けられた液晶等からなる表示部で、該表示部22は後述のコントロールユニット25に接続され、例えばコントロールユニット25によって特定された代表温度Td等を表示するものである。
【0082】
23はケーシング2の正面側に設けられた選択十字キー、ボタンスイッチ等からなる入力部で、該入力部23は後述の開始時刻t1、終了時刻t2、時間間隔Δt、基準温度数値T0等を入力すると共に、端末装置1の駆動、停止等を切換えるものである。
【0083】
24はケーシング2の内部に収容された回路基板で、該回路基板24には、図14に示すようにデータ読込み手段および代表温度特定手段としてのマイクロコンピュータ等からなるコントロールユニット25が搭載され、該コントロールユニット25は、その入力側が体表温度検出部4、外気温度検出部21、入力部23に接続されると共に、出力側が表示部22と接続部9とに接続されている。また、コントロールユニット6には記憶手段として例えばROM、RAM等からなる記憶部26が設けられている。
【0084】
ここで、記憶部26には、体表と外気の温度をそれぞれ検出した後に代表温度Tdを特定するための代表温度特定プログラムおよび入力部23によって入力された開始時刻t1、終了時刻t2、時間間隔Δt、基準温度数値T0が格納されている。また、記憶部26には、コントロールユニット25の作動によって後述の体表温度情報としての差分値ΔTs、外気温度情報としての差分値ΔTaおよび代表温度Tdが記憶される構成となっている。
【0085】
このとき、開始時刻t1と終了時刻t2は就寝中の時刻として例えば午前0時(t1=0:00am)と午前6時(t2=6:00am)とにそれぞれ設定され、時間間隔Δtは例えば5分から10分程度の値に設定される。また、基準温度数値T0は使用者Hの腹部Aの平均的な体表温度の値として例えば34.00℃程度の値に設定される。なお、開始時刻t1、終了時刻t2、時間間隔Δt、基準温度数値T0は使用者Hの個人差等を考慮して可変に設定できる構成となっている。
【0086】
また、コントロールユニット25は時刻を計時するタイマ27を有している。そして、コントロールユニット25は、ケーシング2に搭載されたコイン型リチウム電池等の電源(図示せず)によって駆動し、例えば入力部23から駆動を指示する信号が入力されると記憶部26から代表温度特定プログラムを読出して作動する。これにより、コントロールユニット25は、タイマ27による時刻が開始時刻t1に達すると、開始時刻t1から終了時刻t2までの間に亘って一定の時間間隔Δt毎に体表温度検出部4(測温素子4B)から体表の温度に応じた体表温度検出データTsを読込むと共に、該体表温度検出データTsと一緒に外気温度検出部21から外気の温度に応じた外気温度検出データTaを読込む。
【0087】
そして、コントロールユニット25は、これらの検出データTs,Taの数値(測定温度)と基準温度数値T0との差分値ΔTs,ΔTaを演算し、該差分値ΔTs,ΔTa(ΔTs=Ts−T0,ΔTa=Ta−T0)を記憶部26に順次記憶する。その後、タイマ27による時刻が終了時刻t2に達すると、コントロールユニット25は、就寝した日の代表温度Tdとして開始時刻t1から終了時刻t2までの代表温度Tdを特定し、表示部22に表示する。
【0088】
なお、体表温度情報は、差分値ΔTsに限らず、測定温度をなす体表温度検出データTsそのものであってもよい。同様に、外気温度情報は、差分値ΔTaに限らず、測定温度をなす外気温度検出データTaそのものであってもよい。
【0089】
また、体表温度情報、外気温度情報は、差分値ΔTs,ΔTaのみならず、該差分値ΔTs,ΔTaを測定したときの時刻を付属させて、差分値ΔTs,ΔTaとその測定時刻とを一対の情報として用いる構成としてもよい。
【0090】
本実施の形態による身体温度情報端末装置1は上述の如き構成を有するもので、次に、その代表温度の特定動作について図10ないし図17を参照しつつ説明する。
【0091】
まず、使用者Hは、入力部23から開始時刻t1、終了時刻t2、時間間隔Δt、基準温度数値T0等を入力する。次に、使用者Hは、入力部23のボタンスイッチ等によって代表温度特定プログラム等を起動させた後、第1の実施の形態と同様に、体表温度検出部4のカバー部材4Aが腹部Aに接触した状態でケーシング2を腹部Aと下着Bとの間に挟み、クリップ3を用いて下着Bにケーシング2を固定する。この状態で使用者Hは就寝する。このとき、コントロールユニット25は、記憶部26から図16に示す代表温度特定プログラムを読出して実行する。
【0092】
まず、ステップ1では、コントロールユニット25は、タイマ27による時刻が午前0時等の開始時刻t1に達するまでそのままの状態で待機する。そして、タイマ27による時刻が開始時刻t1に到達すると、コントロールユニット25は、例えば10分程度の予め設定された時間間隔Δt毎に体表温度検出部4(測温素子4B)から測定温度に応じた体表温度検出データTsを読込むと共に、外気温度検出部21から測定温度に応じた外気温度検出データTaを読込む。このとき、コントロールユニット25は、読込んだ検出データTs,Taの温度数値と使用者Hの平均的な腹部Aの体表温度等に設定された基準温度数値T0との差分を演算し、この差分値ΔTs,ΔTaを記憶部26に順次記憶する。
【0093】
そして、コントロールユニット25は、このような身体温度および外気温度の測定動作を時間間隔Δt毎に繰返した後に、タイマ27による時刻が終了時刻t2に到達すると、測定動作を終了してステップ2に移行する。これにより、使用者Hが起床したときには、記憶部26に対して開始時刻t1から終了時刻t2までの一定の時間間隔Δt毎の差分値ΔTs,ΔTaが自動的に記憶されることになる。
【0094】
次に、ステップ2では、コントロールユニット25は、記憶部26に記憶された体表温度による差分値ΔTsを用いて、体表の測定温度(体表温度検出データTs)が日常的な体温による値と考えられる常識的な範囲(例えば、33℃〜38℃)に属すか否かを判定する。そして、この範囲に属さない体表温度検出データTsは不正なデータとして除去し、以降の演算には用いないものとする。
【0095】
次に、ステップ3では、外気温度検出データTa(差分値ΔTa)を用いて体表温度検出データTs(差分値ΔTs)を修正し、修正体表温度Ts′(修正温度情報)として外気温度が予め決められた一定値TA(例えば、TA=33℃)となった場合の体表温度を演算する。
【0096】
具体的には、図15に示すように、使用者Hの身体から端末装置1の正面側に流入する熱流束qと端末装置1の背面側から外部に流出する熱流束qとがほぼ一致する熱平衡状態を仮定する。そして、使用者Hの皮膚内部で外気の影響を受けない体内温度Tiを仮定すると、フーリエの法則により熱流束qは数1の式によって表すことができる。
【0097】
【数1】
Figure 2004163391
【0098】
ここで、λは端末装置1の熱伝導率、λhは使用者Hの皮膚内部の熱伝導率、δは端末装置1の厚さ寸法、δhは使用者Hの皮膚表面から体内温度Tiとなる位置までの深さ寸法をそれぞれ示している。そして、数1の式から熱流束qを除去すると、数2の式に示すように、体内温度Tiは、体表温度検出データTsと外気温度検出データTaとを用いて算出することができる。
【0099】
【数2】
Figure 2004163391
【0100】
次に、外気温度Taを予め決められた一定温度TAとし、このときの体表温度を修正体表温度Ts′とすると、体内温度Tiは、数2の式と同様に以下の数3の式のように表すことができる。なお、定数Kは、各種の物性データ、臨床データ等に基づいて最適な値を予め求めておくことが可能である。
【0101】
【数3】
Figure 2004163391
【0102】
そして、この数3の式に基づいて、外気温度を一定値TAとしたときの体表温度(修正体表温度Ts′)は、以下に示す数4の式により算出することができる。
【0103】
【数4】
Figure 2004163391
【0104】
この結果、数2および数4の式を用いることによって、外部環境を一定状態にした場合の修正体表温度Ts′を演算することができる(図17参照)。
【0105】
次に、ステップ4では、各時間間隔Δt毎の体表温度検出データTs(差分値ΔTs)の時間的変動幅ΔS(ΔS=Ts[i]−Ts[i-1])を演算すると共に、外気温度検出データTa(差分値ΔTa)の時間的変動幅ΔA(ΔA=Ta[i]−Ta[i-1])を演算する。即ち、測定時点第i番目の検出データTs[i],Ta[i]と第i−1番目の検出データTs[i-1],Ta[i-1]との差分を時間的変動幅ΔS,ΔAとするものである。
【0106】
次に、ステップ5では、以下の数5の式に示すように、ステップ4で演算した時間的変動幅ΔS,ΔAの二乗和を温度平衡指数β(図17中の破線参照)として用い、この温度平衡指数βが予め決められた零に近い判定値β0(例えば、β0=0.01〜0.09)よりも小さいか否かを判定する。
【0107】
【数5】
β=ΔS2+ΔA2
【0108】
そして、ステップ5では、図17に示すように、温度平衡指数βが判定値β0よりも小さい(β<β0)時刻は、端末装置1は温度変化が少ない熱平衡状態にあると判定し、温度平衡指数βが判定値β0以上(β≧β0)となる時刻は、端末装置1は例えば加熱中または冷却中のような熱非平衡状態であると判定する。
【0109】
次に、ステップ6では、ステップ5で熱平衡状態にあると判定した時刻の修正体表温度Ts′を代表温度候補として抽出し、熱非平衡状態にあると判定した時刻の修正体表温度Ts′は代表温度候補から除外する。
【0110】
次に、ステップ7では、ステップ6で抽出した複数の代表温度候補(修正体表温度Ts′)の中から最高温度となるものを代表温度Tdとして選択する。そして、コントロールユニット25は、開始時刻t1から終了時刻t2までの代表温度Td(就寝した日の代表温度Td)を表示部22に表示すると共に、代表温度Tdを記憶部26に記憶し、ステップ8に移って代表温度特定プログラムを終了する。
【0111】
最後に、使用者Hは、第1の実施の形態と同様に、接続部9を携帯電話、携帯端末、コンピュータ等の外部情報機器10に中継ケーブル11を介して接続する。このとき、中継ケーブル11の途中には記憶部26内の差分値ΔTs,ΔTa、代表温度Td等のデータを外部情報機器10で読取り可能なデータに変換する通信仲介装置12が接続されている。これにより、記憶部26に記憶された1日分の差分値ΔTs,ΔTa、代表温度Td等を外部情報機器10に伝送することができるから、外部情報機器10自体または当該外部情報機器10を介して接続された外部のサーバコンピュータ等(図示せず)を用いて差分値ΔTs,ΔTaを分析し、就寝中の修正体表温度Ts′の変動等に基づいて使用者Hの体調判断等を行うことができる。
【0112】
また、例えば外部のサーバコンピュータ等には、使用者Hの基礎体温に応じた代表温度Tdを数日間または数ヶ月間に亘って保存しておくことができる。この結果、外部のサーバコンピュータ等を用いて数日間または数ヶ月間に亘る基礎体温(代表温度Td)の変化を計測することができるから、基礎体温の変化に基づく月経周期等の情報を正確に分析し、使用者Hに伝えることができる。
【0113】
なお、記憶部26に記憶された差分値ΔTs,ΔTa、代表温度Td等は必ずしも毎日外部情報機器10に出力する必要はなく、記憶部26の容量に応じて数日間分の差分値ΔTs,ΔTa等をまとめて外部情報機器10に出力する構成としてもよい。このように、差分値ΔTs,ΔTa等を複数日分をまとめて出力することによって、外部情報機器10に対して差分値ΔTs,ΔTa等を出力する操作の手間を省くことができる。
【0114】
また、本実施の形態では、端末装置1内のコントロールユニット25によって代表温度Tdを特定するものとしたが、差分値ΔTs,ΔTaを受け取った外部情報機器10や外部のサーバコンピュータ等を用いて代表温度Tdを特定する構成としてもよい。この場合、コントロールユニット25に対して代表温度Tdの特定に伴う処理負担を軽減することができる。
【0115】
かくして、本実施の形態でも前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、本実施の形態では、ケーシング2の背面側には外気の温度を検出する外気温度検出部21を設けたから、体表温度検出部4によって体表の温度を検出するのに加えて、外気温度検出部21によって外気の温度を検出することができる。そして、記憶部26には体表温度検出データTsによる差分値ΔTsと外気温度検出データTaによる差分値ΔTaとを記憶するから、差分値ΔTsが外気の影響によって変動する場合であっても、外気温度検出データTa(差分値Ta)を用いて差分値ΔTsを修正することができる。
【0116】
特に、本実施の形態では、外気温度検出データTa(差分値ΔTa)を用いて外部環境が一定状態の体表温度検出データTsを修正体表温度Ts′として演算するから、例えば使用者Hが旅行等によって沖縄等の温かい地域から北海道等の寒い地域に移動したときでも、外部環境の変化に影響されず、正確な修正体表温度Ts′を算出し、この修正体表温度Ts′を用いて基礎体温に対応した正確な代表温度Tdを特定することができる。
【0117】
また、コントロールユニット25は、体表温度検出データTsの時間的変動幅ΔSと外気温度検出データTaの時間的変動幅ΔAとを用いてケーシング2等の温度変化が少ない熱平衡状態にあるか否かを判定し、熱平衡状態のみの修正温度情報Ts′を代表温度候補として抽出し、これらの代表温度候補のうちで最高温度となるものを代表温度Tdとして選択するから、使用者Hの体温によってケーシング2、体表温度検出部4等が十分に温められた熱平衡状態の修正温度情報Ts′を就寝した日の代表温度Tdとして特定することができる。このため、代表温度Tdを使用者の身体温度(基礎体温)に正確に対応させることができるから、代表温度Tdを用いて基礎体温の変化に基づく月経周期等の情報を正確に把握することができる。
【0118】
また、体表温度検出部4をケーシング2の正面側に配置すると共に、外気温度検出部21はケーシング2の背面側に配置したから、ケーシング2を挟んで体表温度検出部4と外気温度検出部21とを反対側に配置することができ、体表温度検出部4が使用者Hの体表(皮膚)に接触したときには、外気温度検出部21を使用者Hの体表に対して確実に非接触な状態にでき、外気温度検出部21によって外気温度を正確に検出することができる。
【0119】
さらに、外気温度検出部21をクリップ3によって覆うから、寝返り時等に外気温度検出部21が腕等に接触するのをクリップ3によって防ぐことができ、外気温度検出データTaの信頼性を高めることができる。また、クリップ3によって外気温度検出部21を保護することができるから、外気温度検出部21の破損を防止でき、信頼性、耐久性を高めることができる。
【0120】
また、コントロールユニット25は開始時刻t1から終了時刻t2までの間に亘って体表温度検出部4から検出データTsを読込むと共に、外気温度検出部21から検出データTaを読込む構成としたから、コントロールユニット25は、予め設定された深夜等の開始時刻t1から起床前の終了時刻t2までの間に亘って一定の時間間隔Δt毎に検出データTs,Taを読込むことができ、記憶部26はこの検出データTs,Taに基づいて就寝中の複数の体表温度情報(差分値ΔTs)および外気温度情報(差分値ΔTa)を自動的に記憶することができる。さらに、コントロールユニット25はタイマ27を備えるから、検出データTs,Taを読込んだ時刻を検出データTs,Taと一緒に記憶することもできる。
【0121】
また、記憶部26には基準温度数値T0と検出データTsの数値との差分値ΔTsを体表温度情報として記録すると共に、基準温度数値T0と検出データTaの数値との差分値ΔTaを外気温度情報として記録する構成としたから、例えば基準温度数値T0を使用者Hの平均的な腹部Aの体表温度に設定することによって、就寝中の体温の変動分だけを体表温度情報や外気温度情報記憶することができる。この結果、記憶する体表温度情報や外気温度情報のデータ量を低減でき、RAM等の記憶素子の容量を小さくし、装置全体を小型化、低コスト化できると共に、記憶する体表温度情報および外気温度情報を増加させることができる。
【0122】
また、ケーシング2には、記憶部26に記憶した体表温度情報(差分値ΔTs)および外気温度情報(差分値ΔTa)を外部に出力する接続部9を設けたから、接続部9を介して外部情報機器10に体表温度情報および外気温度情報を出力することができると共に、該外部情報機器10をネットワーク網に接続することによって、外部のサーバコンピュータ等を用いて体表温度情報および外気温度情報の分析を行うことができ、使用者は各種のサービスを受けることができる。
【0123】
なお、前記第2の実施の形態では、図16中のステップ3〜7が代表温度特定手段の具体例を示している。また、図16中のステップ3が温度情報修正手段の具体例を示し、ステップ4が変動幅演算手段の具体例を示し、ステップ5が熱平衡状態判定手段の具体例を示し、ステップ6が代表温度候補抽出手段の具体例を示し、ステップ7が代表温度選択手段の具体例を示している。ここで、図16中のステップ3はステップ4,5の後に行われても構わない。
【0124】
また、第2の実施の形態では、ケーシング2の側面側(正面および背面を除いた他の面)からの外部に伝わる熱流束はないものと仮定したが、このような仮定を成立させるために、例えば図13中に二点鎖線で示すようにケーシング2の側面側には断熱材や、外気と遮断された空気層を断熱手段28として設ける構成としてもよい。
【0125】
また、前記第1,第2の実施の形態では、身体温度情報端末装置1と外部情報機器10とを接続する中継ケーブル11の途中にデータ変換用の通信仲介装置12を接続するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、図18に示す第1の変形例のように、端末装置1と外部情報機器10とでデータ変換が不要な場合には、中継ケーブル11だけを用いて接続する構成としてもよい。
【0126】
また、データ変換が不要な場合には、温度情報出力手段として外部情報機器10の既存のコネクタに接続可能なコネクタ13を採用することによって、図19に示す第2の変形例のように、端末装置1と外部情報機器10とを直接接続する構成としてもよい。
【0127】
また、前記第1,第2の実施の形態では、端末装置1と外部情報機器10との間を中継ケーブル11を用いて有線接続するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図20に示す第3の変形例のように、超音波、赤外線、電磁波、磁気誘導、静電誘導等を用いて無線接続する構成としてもよい。この場合、例えば電磁波等を放射する内蔵のアンテナ14等によって温度情報出力手段を構成するものである。
【0128】
また、端末装置1と外部情報機器10とを磁気誘導等を用いて無線接続する場合には、図21に示す第4の変形例のように、ケーシング2内に温度情報出力手段として磁気誘導用のコイル部材15を取付けると共に、端末装置1のケーシング2を磁気誘導用の端子を内蔵した通信仲介装置16に載置することによって端末装置1と外部情報機器10とを接続してもよい。この場合、通信仲介装置16はデータ変換機能を備える構成としてもよく、通信仲介装置16と外部情報機器10との間は例えば中継ケーブル17を用いて接続する構成とするものである。
【0129】
さらに、前記第1,第2の実施の形態では、体表温度検出部4のカバー部材4Aと測温素子4Bとの間に熱伝導部材としての熱伝導シート4Cを挟む構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図22に示す第5の変形例のように、例えばカバー部材4Aと測温素子4Bとの間には熱伝導部材として熱伝導性を有する例えばシリコン系の熱伝導材料18を充填する構成としてもよい。また、カバー部材4Aに表面側が覆われた測温素子4Bに対して、その背面側を断熱部材19によって覆う構成としてもよい。これにより、体表の熱は確実に測温素子4Bに伝達できると共に、伝わった熱が測温素子4Bの背面側から逃げるのを防ぐことができ、正確な体表の温度を検出することができる。
【0130】
また、前記第1,第2の実施の形態では、ケーシング2を腹部Aに装着するための装着手段としてクリップ3を用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば装着手段として下着Bにピン止めが可能な安全ピン等を用いる構成としてもよい。また、ケーシング2は下着Bを用いて装着する場合に限らず、ケーシング2に装着手段として例えばベルト等を取付けることによって、該ベルトを用いてケーシング2を身体に装着する構成としてもよい。
【0131】
次に、図23および図24は第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、体表温度検出部をメッシュ状のシート部材によって覆う構成としたことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0132】
31はケーシング2の正面側に取付けられたメッシュ状のシート部材で、該シート部材31は、接触感に優れた例えばガーゼ等の布材料によって形成されている。そして、シート部材31は、その周縁部側が例えば粘着テープ等の保持手段(図示せず)によってケーシング2の表面に固定され、体表温度検出部4のカバー部材4Aを覆っている。
【0133】
かくして、本実施の形態でも前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、本実施の形態では、体表温度検出部4のカバー部材4Aをシート部材31によって覆ったから、就寝時でも端末装置1の装着による違和感を非常に少なくすることができ、長期間に亘る毎日の使用を無理なく行うことができる。
【0134】
なお、本実施の形態では、メッシュ状のシート部材31はケーシング2のうち体表温度検出部4の周囲だけを覆う構成としたが、例えばメッシュ状のシート部材を袋状に形成することによって、この袋状のシート部材内にケーシング2全体を収容する構成としてもよい。また、本実施の形態では第1の実施の形態による端末装置1の体表温度検出部4をシート部材31によって覆う構成としたが、第2の実施の形態による端末装置1の体表温度検出部4をシート部材31によって覆う構成としてもよい。
【0135】
次に、図25は本発明の第4の実施の形態による身体温度情報処理システムを示し、本実施の形態の特徴は、身体温度情報端末装置を外部情報機器を介してネットワーク網に接続し、外部のサーバコンピュータ等によって体表温度情報の分析を行い、使用者Hに対してこの分析結果を視覚情報および/または音声情報として提供することにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0136】
41は第1ないし第3の実施の形態のうちいずれかの身体温度情報端末装置1および外部情報機器10等と共に身体温度情報処理システムを構成するサーバコンピュータ等の外部情報処理装置で、該外部情報処理装置41は、インターネット等のネットワーク網42を介して携帯電話等の外部情報機器10に接続されている。そして、外部情報処理装置41は、端末装置1から出力される体表温度情報を分析し、その分析結果を外部情報機器10等に出力するプログラムを作動させ、温度情報取得手段、分析手段および分析結果出力手段として機能するものである。
【0137】
本実施の形態による身体温度情報処理システムは上述の如き構成を有するもので、次にその動作について説明する。
【0138】
まず、使用者Hは1日分または数日分の体温情報が記憶された身体温度情報端末装置1を通信仲介装置16等を介して外部情報機器10に接続する。そして、使用者Hは、外部情報機器10をネットワーク網42を介して外部情報処理装置41に接続し、外部情報機器10から外部情報処理装置41に対して体表温度情報の分析を指示する信号を送信する。
【0139】
これにより、外部情報処理装置41は、外部情報機器10からの指示に応じて端末装置1から温度情報出力手段として磁気誘導用のコイル部材15等を用いて体表温度情報や外気温度情報を取得し、第1または第2の実施の形態によるコントロールユニット6,25とほぼ同様の演算処理を行うことによって、この取得した体表温度情報や外気温度情報を分析して基礎体温に応じた身体温度(代表温度Td)を算出する。このとき、使用者Hの身体温度の情報を例えば3ヶ月分程度まで予め外部情報処理装置41等に記憶しておくことによって、日毎の基礎体温の変動を知ることができる。このため、外部情報処理装置41は、取得した体表温度情報を測定した日の基礎体温や数日間から数ヶ月間の基礎体温の変動の基づく例えば女性の月経周期や女性ホルモンバランス情報等の分析結果を得ることができる。
【0140】
最後に、外部情報処理装置41は、体表温度情報等の分析結果を文字情報、基礎体温の変動を示すグラフ等の図形情報、音声情報等として外部情報機器10に出力する。これにより、使用者Hは当日の基礎体温や月経周期を認識できると共に、分析結果を体調管理や健康管理に役立てることができる。
【0141】
かくして、本実施の形態でも前記第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができるが、本実施の形態では、本発明による身体温度情報端末装置1を用いるから、他の体温計等を用いた場合に比べて、長期間に亘って無理なく、かつ正確に体温(体表温度情報)を計測することができる。そして、このように計測した体表温度情報をネットワーク網42に接続された外部情報処理装置41によって分析する構成としたから、端末装置1を体温の計測、記憶にのみ用いることができ、小型化、軽量化を図ることができ、就寝中の常時装着が容易になる。一方、外部情報処理装置41は、端末装置1が記録した体表温度情報や外気温度情報を用いるから、基礎体温の変動を正確に算出することができ、従来技術に比べて正確な月経周期等の分析結果を使用者Hに伝えることができる。特に、分析結果を聴覚的に出力した場合には、視覚障害者に対しても認識可能な情報を提供することができる。
【0142】
なお、分析結果の出力先(送信先)は外部情報機器10に限らず、使用者Hに要求に応じて例えば使用者Hの携帯電話等であってもよい。
【0143】
また、外部情報処理装置41は、使用者Hとの間で予め体表温度情報の分析に関する契約手続を行う、または体表温度情報の分析を指示する毎にネットワーク網42を介して契約手続を行うことによって、分析結果を取得した使用者Hから利用料金を徴収する構成としてもよい。
【0144】
さらに、前記各実施の形態では、主として成人女性の使用者に端末装置1を装着するものとして説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば自ら体温測定が困難な新生児、幼児、介護老人、動物等に端末装置1を装着する構成としてもよい。これにより、新生児等の身体温度の変動を把握して健康状態等を判別できると共に、疾病時の身体温度の急激な変動による体調変化を把握でき、さらには不慮の事態による死亡推定時刻の把握にも役立てることができる。
【0145】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、身体に常時装着可能なケーシングには、体表温度検出手段による体表検出データを一定の時間間隔で読込むデータ読込み手段を設けると共に、該データ読込み手段よって読込んだ体表検出データに基づく体表温度情報を記憶する記憶手段を設ける構成としたから、使用者はケーシングを身体に装着した状態で就寝することができ、起床中に比べて体温が安定している就寝中の体温を測定することができる。また、データ読込み手段は、一定の時間間隔毎に体表温度検出手段による体表温度検出データを読込み、記憶手段はこの検出データに基づいた体表温度情報を記憶するから、就寝中の体温に対応した体表温度情報を用いることによって使用者の基礎体温に応じた身体温度を正確に求めることができると共に、基礎体温の変動幅や月経周期を正確に把握することができる。
【0146】
即ち、本発明によれば、端末内に測定したい時刻を就寝中である深夜または早朝に設定しておくことにより、翌朝目覚めた任意の時間には所望の時刻の変位がすでに内部に記録されているため、基礎体温の日ごとの変動を数ヶ月間に亘って追跡記録することは非常に容易になり、簡便に女性の月経周期やホルモンバランスのリズムを知る手掛かりを得ることができる。この結果、思春期から閉経期までのすべての女性が簡便に利用でき、従来妊娠や避妊の目的以外にはあまり利用されることのなかった基礎体温計測を、女性ホルモンバランス情報を利用した健康管理の有効な手段とすることができる。
【0147】
請求項2の発明によれば、ケーシングには装着手段を設けたから、例えば腹部等のように体温変動が反映され易い内臓の近くにあり、外気温度変動に影響され難く部位に体表温度検出手段を接触させることができるから、正確な体表の温度を検出することができる。特に、ケーシングを腹部に装着したときには、下着によってケーシングを覆うことができ、外気温度変動の影響をより軽減できると共に、身体の他の部位に装着したときに比べて、就寝中にケーシングが測定部位から位置ずれし難くなるため、位置ずれによる測定誤差も軽減することができ、検出精度を高めることができる。
【0148】
請求項3の発明によれば、データ読込み手段は開始時刻から終了時刻までの間に亘って体表温度検出手段から体表温度検出データを読込む構成としたから、データ読込み手段は、予め設定された深夜等の開始時刻から起床前の終了時刻までの間に亘って一定の時間間隔毎に体表温度検出データを読込むことができ、記憶手段はこの検出データに基づいて就寝中の複数の温度情報を自動的に記憶することができる。さらに、データ読込み手段はタイマを備えるから、体表温度検出データを読込んだ時刻を検出データと一緒に記憶することもできる。
【0149】
また、代表温度選択手段は複数の体表温度情報のうちで最高温度となるものを選択するから、使用者の体温によって体表温度検出手段が十分に温められた状態での体表温度情報を例えば就寝中の代表温度として特定することができ、代表温度の信頼性を高めることができる。
【0150】
請求項4の発明によれば、ケーシングには外気の温度を検出する外気温度検出手段を設けたから、体表温度検出手段によって体表の温度を検出するのに加えて、外気温度検出手段によって外気の温度を検出することができる。そして、データ読込み手段は体表温度検出データと外気温度検出データとを一定の時間間隔で一緒に読込み、記憶手段は体表温度検出データによる体表温度情報と外気温度検出データによる外気温度情報とを記憶するから、体表温度情報が外気の影響によって変動する場合であっても、外気温度検出データを用いて体表温度情報を修正することができる。
【0151】
この場合、請求項5の発明のように、ケーシングには外気温度情報を用いて体表温度情報を修正した修正温度情報を演算する温度情報修正手段を設ける構成としてもよい。
【0152】
請求項6の発明によれば、外気温度情報を用いて外部環境が一定状態の体表温度情報を修正温度情報として演算するから、例えば使用者が旅行等によって外気温度が著しく異なる場所に移動したときでも、外部環境の変化に影響されず、正確な修正温度情報を算出し、この修正温度情報を用いて基礎体温に対応した正確な代表温度を特定することができる。
【0153】
また、熱平衡状態判定手段は、体表温度情報の時間的変動幅と外気温度情報の時間的変動幅とを用いてケーシング等が熱平衡状態にあるか否かを判定し、熱平衡状態のみの修正温度情報を代表温度候補として抽出し、これらの代表温度候補のうちで最高温度となるものを代表温度として選択するから、使用者の体温によってケーシング、体表温度検出手段等が十分に温められた熱平衡状態の修正温度情報を就寝した日の代表温度として特定することができる。このため、代表温度を使用者の身体温度(基礎体温)に正確に対応させることができるから、代表温度を用いて基礎体温の変化に基づく月経周期等の情報を正確に把握することができる。
【0154】
請求項7の発明によれば、体表温度検出手段は体表に接触可能なケーシングの正面側に配置し、外気温度検出手段はケーシングの背面側に配置する構成としたから、ケーシングを挟んで体表温度検出手段と外気温度検出手段とを反対側に配置することができ、体表温度検出手段が使用者の体表に接触したときには、外気温度検出手段を使用者の体表に対して確実に非接触な状態にでき、外気温度検出手段によって外気温度を正確に検出することができる。
【0155】
また、外気温度検出手段をクリップによって覆うから、寝返り時等に外気温度検出手段が腕等に接触するのをクリップによって防ぐことができ、外気温度検出データの信頼性を高めることができる。また、クリップによって外気温度検出手段を保護することができるから、外気温度検出手段の破損を防止でき、信頼性、耐久性を高めることができる。
【0156】
請求項8の発明によれば、記憶手段には基準温度数値と体表温度検出データの数値との差分値を体表温度情報として記録し、基準温度数値と外気温度検出データの数値との差分値を外気温度情報として記録する構成としたから、例えば基準温度数値を使用者の平均的な体表温度に設定することによって、測定中の体温の変動分(±3.0℃程度)だけを体表温度情報または外気温度情報として記憶することができる。この結果、例えば36.40℃程度の体温の絶対値を記憶するのに比べて、記憶する各温度情報のデータ量を削減でき、RAM等の記憶素子の容量を小さくし、装置全体を小型化、低コスト化できると共に、記憶する体表温度情報および外気温度情報を増加させることができる。
【0157】
請求項9の発明によれば、基準温度数値を外部から更新可能な構成としたから、平均的な体表温度の個人差に応じて基準温度数値を設定でき、使用者毎に体表温度の平均値が異なる場合でも、体温の変動分だけを温度情報として記憶し、温度情報のデータ量を低減することができる。
【0158】
請求項10に発明によれば、ケーシングには、記憶手段に記憶した体表温度情報および外気温度情報を外部に出力する温度情報出力手段を設けたから、温度情報出力手段を介して外部情報機器に体表温度情報および外気温度情報を出力することができると共に、該外部情報機器をネットワーク網に接続することによって、外部のサーバコンピュータ等を用いて体表温度情報および外気温度情報の分析等を行うことができ、使用者はこれらの温度情報に基づく各種のサービスを受けることができる。
【0159】
請求項11の発明によれば、体表温度検出手段はメッシュ状のシート部材によって覆う構成としたから、例えば腹部皮膚表面に体表温度検出手段を接触させたときでも、就寝中の装着による違和感を軽減でき、長期間に亘る毎日の記録を使用者に無理を強いることなく行うことができる。
【0160】
請求項12の発明によれば、体表温度検出手段は、ケーシングから突出したカバー部材と、該カバー部材によって覆われた測温素子と、該測温素子とカバー部材との間に設けられた熱伝導部材とによって構成したから、ケーシングから突出したカバー部材を体表に容易に接触させることができると共に、体表の温度をカバー部材と熱伝導部材を通じて測温素子に低損失で伝達でき、測温素子を用いて体表の温度を正確に検出することができる。
【0161】
請求項13の発明によれば、本発明による身体温度情報端末装置を用いて体表温度情報の分析を行うから、従来技術に比べて、長期間に亘って無理なく、かつ正確に使用者の体表温度情報を記録することができる。そして、この体表温度情報を分析手段を用いて分析する構成としたから、基礎体温の変動を正確に算出することができ、使用者に対して従来技術に比べて正確な月経周期等の分析結果を使用者に伝えることができ、分析結果を体調管理や健康管理に役立てることができる。また、分析結果を聴覚的に出力した場合には、視覚障害者に対しても認識可能が情報を提供することができる。
【0162】
また、分析手段は複数の体表温度情報のうちで最高温度となるものを選択するから、使用者の体温によって体表温度検出手段が十分に温められた状態での体表温度情報を例えば就寝中の代表温度として特定することができ、代表温度の信頼性を高めることができる。この結果、分析手段は、このように特定した代表温度を用いて例えば女性の月経周期や女性ホルモンバランス情報等を正確に分析することができる。
【0163】
請求項14の発明によれば、身体温度情報端末装置の記憶手段は体表温度情報と外気温度情報とを記憶すると共に、温度情報取得手段を用いて身体温度情報端末装置の記憶手段に記憶した体表温度情報と外気温度情報を取得し、分析手段を用いてこれらの体表温度情報と外気温度情報を分析する構成としたから、分析結果出力手段を用いて、例えば女性の月経周期や女性ホルモンバランス情報等の分析結果を視覚的または聴覚的に外部の携帯電話等に出力することができる。
【0164】
請求項15の発明によれば、分析手段は外気温度情報を用いて体表温度情報を修正した修正温度情報を演算する温度情報修正手段を備える構成としたから、体表温度情報が外気の影響によって変動する場合であっても、温度情報修正手段は外気温度検出データを用いて体表温度情報を修正することができる。
【0165】
請求項16の発明によれば、熱平衡状態判定手段は体表温度情報の時間的変動幅と外気温度情報の時間的変動幅とを用いてケーシング等が熱平衡状態にあるか否かを判定し、代表温度候補抽出手段は熱平衡状態の修正温度情報を代表温度候補として抽出すると共に、代表温度選択手段はこの代表温度候補のうちで最高温度となるものを選択する構成としたから、使用者の体温によってケーシング、体表温度検出手段等が十分に温められた熱平衡状態の修正温度情報を例えば就寝中の代表温度として特定することができ、代表温度を使用者の身体温度(基礎体温)に正確に対応させることができる。この結果、分析手段は、このように特定した代表温度を用いて例えば女性の月経周期や女性ホルモンバランス情報等を正確に分析することができる。
【0166】
この場合、請求項17の発明のように、分析結果出力手段による分析結果を取得した使用者から利用料金を徴収してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による身体温度情報端末装置を使用者が装着した状態を示す外観図である。
【図2】図1中の身体温度情報端末装置を単体で示す斜視図である。
【図3】図2中の身体温度情報端末装置を示す正面図である。
【図4】図2中の身体温度情報端末装置を示す平面図である。
【図5】図2中の身体温度情報端末装置を示す右側面図である。
【図6】第1の実施の形態による身体温度情報端末装置を腹部と下着との間に取付けた状態を示す説明図である。
【図7】温度検出部を図2中の矢示VII−VII方向から拡大してみた拡大断面図である。
【図8】コントロールユニットに体表温度検出部と接続部を接続した状態を示すブロック図である。
【図9】第1の実施の形態による身体温度情報端末装置を外部情報機器に接続した状態を示す斜視図である。
【図10】第2の実施の形態による身体温度情報端末装置を単体で示す斜視図である。
【図11】図10中の身体温度情報端末装置を示す正面図である。
【図12】図10中の身体温度情報端末装置を示す平面図である。
【図13】図10中の身体温度情報端末装置を示す右側面図である。
【図14】コントロールユニットに表示部、入力部、体表温度検出部、外気温度検出部および接続部を接続した状態を示すブロック図である。
【図15】図10中の身体温度情報端末装置を使用者の腹部に接触させた状態を模式的に示す右側面図である。
【図16】図14中のコントロールユニットによって作動する代表温度特定プログラムを示す流れ図である。
【図17】検出時刻と体表温度検出データ、外気温度検出データ、修正体表温度、温度平衡指数との関係を示す特性線図である。
【図18】第1の変形例による身体温度情報端末装置を外部情報機器に接続した状態を示す斜視図である。
【図19】第2の変形例による身体温度情報端末装置を外部情報機器に接続した状態を示す斜視図である。
【図20】第3の変形例による身体温度情報端末装置を外部情報機器に接続した状態を示す斜視図である。
【図21】第4の変形例による身体温度情報端末装置を外部情報機器に接続した状態を示す斜視図である。
【図22】第5の変形例による温度検出部を図7と同様位置からみた拡大断面図である。
【図23】第3の実施の形態による身体温度情報端末装置を示す正面図である。
【図24】図23中の身体温度情報端末装置を示す右側面図である。
【図25】第4の実施の形態による身体温度情報処理システムを示す説明図である。
【符号の説明】
1 身体温度情報端末装置
2 ケーシング
3 クリップ(装着手段)
4 体表温度検出部(体表温度検出手段)
4A カバー部材
4B 測温素子
4C 熱伝導シート(熱伝導部材)
6,25 コントロールユニット(データ読込み手段、代表温度選択手段、代表温度特定手段)
7,26 記憶部(記憶手段)
8,27 タイマ
9 接続部(温度情報出力手段)
10 外部情報機器
13 コネクタ(温度情報出力手段)
14 アンテナ(温度情報出力手段)
15 コイル部材(温度情報出力手段)
18 熱伝導材料(熱伝導部材)
21 外気温度検出部(外気温度検出手段)
22 表示部
23 入力部
31 シート部材
41 外部情報処理装置(温度情報取得手段、分析手段、分析結果出力手段)
42 ネットワーク網
A 腹部
B 下着
H 使用者

Claims (17)

  1. 身体に常時装着可能なケーシングと、該ケーシングに設けられ体表の温度を検出する体表温度検出手段と、該体表温度検出手段による体表温度検出データを一定の時間間隔で読込むデータ読込み手段と、該データ読込み手段よって読込んだ体表温度検出データに基づく体表温度情報を記憶する記憶手段とを備え、一定期間に亘る身体温度の変動を記録する構成としてなる身体温度情報端末装置。
  2. 前記ケーシングには、前記体表温度検出手段を身体のうち身体温度の変動が反映され易く、外気温度変動に影響され難い部位に装着するための装着手段を設けてなる請求項1に記載の身体温度情報端末装置。
  3. 前記データ読込み手段は、時刻を計時するタイマを備え、予め設定された開始時刻から終了時刻までの間に亘って一定の時間間隔で体表温度検出データを読込む構成とし、
    前記ケーシングには前記記憶手段によって記憶した複数の体表温度情報のうち最高温度となるものを前記開始時刻から終了時刻までの代表温度として選択する代表温度選択手段を設けてなる請求項1または2に記載の身体温度情報端末装置。
  4. 前記ケーシングには外気の温度を検出する外気温度検出手段を設け、前記データ読込み手段は前記体表温度検出手段による体表温度検出データと一緒に該外気温度検出手段による外気温度検出データを一定の時間間隔で読込み、前記記憶手段は前記体表温度情報に加えて該データ読込み手段によって読込んだ外気温度検出データに基づく外気温度情報を記憶する構成としてなる請求項1または2に記載の身体温度情報端末装置。
  5. 前記ケーシングには前記外気温度情報を用いて体表温度情報を修正した修正温度情報を演算する温度情報修正手段を設けてなる請求項4に記載の身体温度情報端末装置。
  6. 前記データ読込み手段は、時刻を計時するタイマを備え、予め設定された開始時刻から終了時刻までの間に亘って一定の時間間隔で体表温度検出データと外気温度検出データとを読込む構成とし、
    前記ケーシングには前記体表温度情報と外気温度情報とを用いて前記開始時刻から終了時刻までの代表温度を特定する代表温度特定手段を設け、
    該代表温度特定手段は、前記外気温度情報を用いて体表温度情報を修正した修正温度情報を演算する温度情報修正手段と、前記時間間隔毎の体表温度情報の時間的変動幅と外気温度情報の時間的変動幅とを演算する変動幅演算手段と、該変動幅演算手段による2つの時間的変動幅を用いて熱平衡状態か否かを判定する熱平衡状態判定手段と、該熱平衡状態判定手段によって熱平衡状態であると判定したときに当該時刻の修正温度情報を代表温度候補として抽出する代表温度候補抽出手段と、前記代表温度候補のうち最高温度となるものを代表温度として選択する代表温度選択手段とによって構成してなる請求項4に記載の身体温度情報端末装置。
  7. 前記装着手段は前記ケーシングの背面側に位置して前記ケーシングを衣類に固定するためのクリップによって構成し、
    前記体表温度検出手段は体表に接触可能な前記ケーシングの正面側に配置し、前記外気温度検出手段は前記クリップに覆われた状態で前記ケーシングの背面側に配置する構成としてなる請求項4,5または6に記載の身体温度情報端末装置。
  8. 前記記憶手段は、予め設定された基準温度数値と前記体表温度検出データの数値との差分値を前記体表温度情報として記録し、前記基準温度数値と前記外気温度検出データの数値との差分値を前記外気温度情報として記録する構成としてなる請求項4,5,6または7に記載の身体温度情報端末装置。
  9. 前記基準温度数値は、外部から更新可能な構成としてなる請求項8に記載の身体温度情報端末装置。
  10. 前記ケーシングには、前記記憶手段によって記憶した体表温度情報と外気温度情報とを外部に出力する温度情報出力手段を設けてなる請求項4,5,6,7,8または9に記載の身体温度情報端末装置。
  11. 前記体表温度検出手段は、メッシュ状のシート部材によって覆う構成としてなる請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または10に記載の身体温度情報端末装置。
  12. 前記体表温度検出手段は、前記ケーシングから突出して体表に接触可能に設けられた熱伝導性を有するカバー部材と、該カバー部材によって覆われ周囲の温度に応じた信号を出力する測温素子と、該測温素子とカバー部材との間に設けられた熱伝導部材とによって構成してなる請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または11に記載の身体温度情報端末装置。
  13. 身体に常時装着可能なケーシングと、該ケーシングに設けられ体表の温度を検出する体表温度検出手段と、時刻を計時するタイマを備えて予め設定された開始時刻から終了時刻までの間に亘って該体表温度検出手段による体表温度検出データを一定の時間間隔で読込むデータ読込み手段と、該データ読込み手段よって読込んだ検出データに基づく体表温度情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶した体表温度情報を外部に出力する温度情報出力手段とからなる身体温度情報端末装置を有し、
    該身体温度情報端末装置の温度情報出力手段を用いて前記記憶手段に記憶された体表温度情報を取得する温度情報取得手段と、該温度情報取得手段によって取得した体表温度情報のうち最高温度となるものを前記開始時刻から終了時刻までの代表温度として選択し、該代表温度を分析する分析手段と、該分析手段によって分析した分析結果を視覚情報および/または音声情報として外部に出力する分析結果出力手段とを備えてなる身体温度情報処理システム。
  14. 身体に常時装着可能なケーシングと、該ケーシングに設けられ体表の温度を検出する体表温度検出手段と、前記ケーシングに設けられ外気の温度を検出する外気温度検出手段と、前記体表温度検出手段による体表温度検出データと外気温度検出手段による外気温度検出データとを一定の時間間隔で一緒に読込むデータ読込み手段と、該データ読込み手段よって読込んだ体表温度検出データに基づく体表温度情報を記憶し、外気温度検出データに基づく外気温度情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段によって記憶した体表温度情報と外気温度情報を外部に出力する温度情報出力手段とからなる身体温度情報端末装置を有し、
    該身体温度情報端末装置の温度情報出力手段を用いて前記記憶手段に記憶された体表温度情報と外気温度情報を取得する温度情報取得手段と、該温度情報取得手段によって取得した体表温度情報と外気温度情報を分析する分析手段と、該分析手段によって分析した分析結果を視覚情報および/または音声情報として外部に出力する分析結果出力手段とを備えてなる身体温度情報処理システム。
  15. 前記分析手段は前記外気温度情報を用いて体表温度情報を修正した修正温度情報を演算する温度情報修正手段を備える構成としてなる請求項14に記載の身体温度情報処理システム。
  16. 前記データ読込み手段は、時刻を計時するタイマを備え、予め設定された開始時刻から終了時刻までの間に亘って一定の時間間隔で体表温度検出データと外気温度検出データとを読込む構成とし、
    前記分析手段は、前記外気温度情報を用いて体表温度情報を修正した修正温度情報を演算する温度情報修正手段と、前記時間間隔毎の体表温度情報の時間的変動幅と外気温度情報の時間的変動幅とを演算する変動幅演算手段と、該変動幅演算手段による2つの時間的変動幅を用いて熱平衡状態か否かを判定する熱平衡状態判定手段と、該熱平衡状態判定手段によって熱平衡状態であると判定したときに当該時刻の修正温度情報を代表温度候補として抽出する代表温度候補抽出手段と、前記代表温度候補のうち最高温度となるものを代表温度として選択する代表温度選択手段とを備える構成としてなる請求項14に記載の身体温度情報処理システム。
  17. 前記分析結果出力手段による分析結果を取得した使用者から利用料金を徴収してなる請求項13,14,15または16に記載の身体温度情報処理システム。
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