JPH0415209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は婦人の排卵検出装置に関する。

〔従来の技術〕

避妊のため排卵が予想される日に婦人がその体
温を測定することは周知である。その体温が正常
な体温より特定の値だけ高くなると、これは排卵
が行なわれたことの徴候である。体温の測定は通
常は１日に１回行なわれ、この温度は腸出口に入
れた温度計によつて検出される。

上述した温度測定法は同時に受胎に適した時点
を示すのに用いられる。この時点を知ることは、
成熟した卵細胞の受精を行なわせるときに望まれ
る。卵細胞の受精は、正常体温より高い体温が測
定されるときに行なわれ、この高まつた体温が排
卵を知らせる。この温度上昇は１人の婦人におい
ては通常同じである。しかし同じ婦人でも正常体
温は時間的にある範囲内で変動し、この変動は新
陳代謝の変化、身体のまわりの温度の変化および
健康状態の変化によつておこることがある。さら
に婦人のおかれた心理状態の相違により正常体温
の変化が現われることも考えられる。温度法によ
る排卵の検出はしたがつて婦人にとつては労力が
かかる。なぜならば婦人にとつて、その体温を毎
日測定することが必要なだけではなく、温度差を
検出するためその正常体温を知ることも必要とな
るからである。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案の課題は、婦人の排卵を簡単かつ確実に
検出しさらに簡単かつ確実に取扱うことのできる
装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この課題を解決するため本考案によれば、帯片
により身体の肢に取付け可能で皮膚へ当てること
ができる温度センサと、この温度センサに接続さ
れるマイクロプロセツサと、このマイクロプロセ
ツサに接続されて同様に帯片により身体の肢に取
付け可能な表示器とを有するものにおいて、本考
案によれば、温度センサが上腕の内側に設けられ
て、腕関節に設けることのできる表示器に導線を
介して接続され、温度センサが睡眠中に瞬間温度
を検出し、導線を介してそのつどの温度値を、複
数の電流回路に設けられる整合用可変抵抗と１つ
の温度依存性抵抗とをもつ信号発生器へ供給し、
マイクロプロセツサへ、婦人の標準体温に対応す
る基本値と、婦人の排卵温度差に対応する差値と
が入力されており、マイクロプロセツサに接続さ
れる表示器が特定の温度差において信号発生器を
操作する。

〔考案の効果〕

本考案による装置は２つの部分から構成され、
その一方の部分である温度センサは上腕の内側の
範囲に設けられ、他の部分である表示器は関節の
所に設けられている、上腕の内側に設けられてい
ることにより、温度センサは保護されて保持さ
れ、したがつて温度センサがずれて温度測定が不
精確になるのを防止される。また温度センサを上
腕の内側に設けると、上腕を上体に当てる際温度
センサが上腕の内側へ押付けられるので、上腕の
温度が精確に測定されることになる。さらに温度
センサが肩関節から僅かしか離れていないので、
腕が動くことにより温度センサがずれる危険も著
しく減少する。したがつて温度センサを帯片によ
り不必要にきつく締付けなくてすみ、それにより
婦人にとつて温度センサの保持が著しく快適にな
る。

他方本考案による装置では、夜間の睡眠中にお
ける温度測定により、眼覚めた後起床前の煩わし
い温度測定が不要になる。この点を別としても、
多数の実験から、睡眠中における低体温は早朝に
生ずるのではなく、夜半の第２時ごろに生ずるこ
とがわかつた。この最低体温において排卵が行な
われて、0.3〜0.8℃の体温上昇を生ずる。この体
温の急変がおこる時に、これを検出せねばならな
い。体温が朝になつてはじめて測定されると、こ
の体温急変はもはや検出されなくなる。このとき
体温は、例えば睡眠活動から眼覚め活動への移行
により、種々の影響を受ける。

本考案による装置では、排卵を検出するため婦
人は精確な体温を知る必要がなく基本値と差値と
が必要なだけである。なお排卵を検出する際、温
度センサの出力信号は、複数の電流回路に設けら
れる可変抵抗へ、所定の温度を表わす温度依存性
抵抗との整合が行なわれるまで、供給され、それ
により、信号発生器が操作される。

〔実施例〕

第１図において婦人の身体が全体として符号３
０をつけられている。生殖器の範囲を図示されて
いる部分は、ちつ１、尿道２、腸出口３、子宮
４、卵管５および卵巣６を示している。

婦人のちつ入口７を通してちつ１へ可撓性導線
８の一部が挿入される。この導線８はそのちつ側
端部に温度センサ９をもつている。導線８が意に
反してちつ１から抜けるのを防止するため、導線
８は温度センサ側端部の近くでタンポン１０に通
され、これに成形結合されて、タンポン１０の中
心軸線の方向における導線８の移動が不可能にな
つている。タンポン１０はそのちつ入口の側端部
に戻しテープ１１をもち、この戻しテープ１１に
よりタンポン１０をちつ１から除去することがで
きる。導線８はちつ１内でタンポン１０のちつ入
口側を差込み接続部１２により中断されている。
したがつて使用後衛生上の理由から、使用ずみタ
ンポン１０をこれに通された導線部分８および温
度センサ９と共に交換することができる。タンポ
ン１０とこのタンポン１０を通つて延びる導線部
分８と温度センサ９は、したがつて１回使用可能
な消耗部分とみなされる。しかしタンポン１０を
通つて延びる導線８をこれと成形結合せず、単に
通すだけにすることも可能である。この場合使用
後タンポンだけを交換すれば充分である。これ
は、導線８をその温度センサ９と共に新しいタン
ポン１０に通すことを意味する。この場合タンポ
ンの除去は戻しテープ１１によつてのみ可能であ
り、導線８がタンポン１０に成形結合されている
場合、導線８をちつ１から引出すことによつてタ
ンポン１０を除去することも可能である。最後に
導線８を中断する差込み接続部１２を、差込み接
続部１２がちつ１内へ来るような位置に設けず、
この差込み接続部１２が身体３０の外部にあるよ
うに設けることも考えられる。

身体３０の外部に延びる導線８の部分は、温度
センサ９を信号発生器１３に接続する。信号発生
器１３は、目盛１５をもつ選択部分１４、音響信
号発生器１６、破線で示す発熱板１７、３位置切
換え開閉器１８、およびこの開閉器内に設けられ
る見えない電池からできている。

婦人がその排卵の時点を検出したい場合、体温
がまだその正常体温に等しいときに、可撓導線８
をちつ１へ挿入して、タンポン１０がちつ１の中
間部分へ来るようにする。ちつ１のこの部分には
ほとんど知覚神経が存在しないことによつて、こ
の範囲における装置の快適な保持が保証される。
ベルト１９により腰の範囲に信号発生器１３が締
付けられて、発熱板１７が身体３０の皮膚に接触
する。開閉器２０により信号発生器１３が動作状
態にされる。

正常体温に関係する基本値の検出は、信号発生
器１３における適当な回路の整合によつて行なわ
れる。可変抵抗をもつ複数の電流回路のうち１つ
の回路の抵抗が所定の温度を表わすNTC抵抗へ
精確に整合されるまでこれらの電流回路を導通さ
せることによつて、基本値を検出することができ
る。この導通は回転可能な選択部分１４を介して
行なわれ、その際目的に合うようにするため、２
つの抵抗が整合された場合信号発生器１３にある
音響信号発生器１６が操作されるように、３位置
切換え開閉器１８が設定されている。しかし発熱
板１７だけが操作されるか、あるいは発熱板１７
と音響発生器１６がいつしよに動作せしめられる
ように、３位置切換え開閉器１８を接続すること
も可能である。

したがつて基本値を検出するために正常体温を
知ることが不要になり、簡単にするためこの基本
値に零の値を割当てる。

正常体温に対して高い温度は、前述したように
排卵の際生ずるが、この温度は経験値である。こ
の温度差に応じて選択部分１４が目盛１５上で、
温度差を表わす単位だけ値の増大する方向へ回さ
れる。その結果音響信号発生器１６の信号が中断
される。排卵がおこると、信号発生器１３にある
音響信号発生器１６が再び操作されて、装置を保
持する婦人へ情報が与えられる。しかし３位置切
換え開閉器１８の選択的な切換えにより、排卵の
存在についての熱的な情報のみまたは音響と熱の
複合情報を信号発生器１３により発生することも
可能である。

第２図からわかるように、２つの部分からなる
腕帯片１０１はケース１０２を支持している。装
置を保持する際身体表面に近い方にあるケース壁
１０４には、温度センサ１０３が設けられてい
る。ケース１０２の上面において、ケース壁１０
５は適当な切欠きにキー１０６，１０７およびデ
イジタル表示器１０８をもつている。ケース１０
２内にはさらにマイクロプロセツサ１０９、時計
部分１１０および電池１１１がある。温度センサ
１０３、キー１０６および１０７、デイジタル表
示器１０８、マイクロプロセツサ１０９、時計部
分１１０および電池１１１は回路的に互いに接続
されている。

キー１０６は温度測定に関連して検出しかつ記
憶すべき量を入力し出力させるのに用いられる。
キー１０７は時計部分１１０のために用いられ
る。表示器１０８により時計のすべての機能およ
び温度、温度差、測定間隔等が表示される。

婦人が本考案による装置を使用する場合、その
装着後キー１０６または１０７の操作により基本
温度を検出し、それに基準値を対応させ、同時に
体温を測定すべき時点と場合によつては複数の連
続する時点等も指示することができる。このよう
な温度群を記憶して、排卵を知らせる温度上昇が
いつおこつたかを婦人が後で知ることができるよ
うにすることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は断面で示した生殖器をもつ婦人の身体
をこれに取付けた排卵検出装置と共に示す側面
図、第２図は腕帯片として形成された本考案の装
置の平面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線によるこ
の装置の断面図である。 １０３……温度センサ、１０８……表示器、１
０９……マイクロプロセツサ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 帯片により身体の肢に取付け可能で皮膚へ当
   てることができる温度センサと、この温度セン
   サに接続されるマイクロプロセツサと、このマ
   イクロプロセツサに接続されて同様に帯片によ
   り身体の肢に取付け可能な表示器とを有するも
   のにおいて、温度センサ１０３が上腕の内側に
   設けられて、腕関節に設けることのできる表示
   器１０８に導線を介して接続され、温度センサ
   １０３が睡眠中に瞬間温度を検出し、導線を介
   してそのつどの温度値を、複数の電流回路に設
   けられる整合用可変抵抗と１つの温度依存性抵
   抗とをもつ信号発生器へ供給し、マイクロプロ
   セツサ１０９へ、婦人の標準体温に対応する基
   本値と、婦人の排卵温度差に対応する差値とが
   入力されており、マイクロプロセツサ１０９に
   接続される表示器１０８が特定の温度差におい
   て信号発生器を操作することを特徴とする、婦
   人の排卵検出装置。 ２ 腕関節に設けられる帯片１０１が、マイクロ
   プロセツサ１０９および表示器１０８を収容す
   るケース１０２をもつていることを特徴とす
   る、実用新案登録請求の範囲第１項に記載の装
   置。 ３ ケース１０２内に時計部分１１０が設けられ
   ていることを特徴とする、実用新案登録請求の
   範囲第２項に記載の装置。 ４ 装置のエネルギー源として電池１１１がケー
   ス１０２内に設けられていることを特徴とす
   る、実用新案登録請求の範囲第１項ないし第３
   項の１つに記載の装置。 ５ 信号発生器が音響信号発生器として構成され
   ていることを特徴とする、実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の装置。 ６ 信号発生器が発熱板として構成されて、その
   表面を身体に近い方の側に配置されていること
   を特徴とする、実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載の装置。