JP2004162979A - 空気調和機 - Google Patents

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Tomoatsu Minamida
知厚 南田
Teruo Fujikoso
輝夫 藤社
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Abstract

【課題】負荷に対して必要以上の能力供給を行うことなく、広い運転条件下でガス欠を確実に検出できる空気調和機を提供する。
【解決手段】入力電流判定手段10aが圧縮機1の入力電流が所定電流値未満であると判定し、かつ、第1温度判定手段10bが室内熱交換器6の温度と室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満であると判定し、かつ、第2温度判定手段10cが室外熱交換器3の温度と外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満であると判定したとき、ガス欠判定手段10dによりガス欠であると判定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機は、冷媒漏れが発生するとユーザーが望む空気調和ができず、さらに過度な冷媒漏れは、圧縮機などの機能部品の故障をも引き起こす。そこで、冷媒漏れを検出して不具合の発生を未然に防止するガス欠検知制御を行う空気調和機が提案されている。
【0003】
このような従来の第1の空気調和機として、運転電流に対して一定判定値を用いたガス欠判定を行ったり、運転開始から一定の運転周波数で圧縮機を運転させて、凝縮器温度とその吸込温度との温度差および蒸発器温度とその吸込温度の温度差によりガス欠判定を行ったりするものがある。
【0004】
また、従来の第2の空気調和機として、圧縮機の吐出冷媒ガス温度と吐出冷媒ガス温度に基づいてガス欠を検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開5−196308号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記第1の空気調和機では、一定の電流判定値でガス欠判定を行うため、低い運転周波数でガス欠判定を行うと正常運転時に誤検出し、インバータ駆動する圧縮機の運転周波数が圧縮機の運転周波数の上限域でのガス欠検出しかできないという欠点がある。また、上記第1の空気調和機では、検出に確実性を持たせるために負荷に対して必要以上の能力供給を行わなければならないという問題がある。このため、上記第1の空気調和機では、運転開始から一定時間のみのガス欠判定とせざるを得ない。また、上記第2の空気調和機においても、低い運転周波数でガス欠判定を行うと正常運転時に誤検出してしまうという問題がある。
【0007】
そこで、この発明の目的は、負荷に対して必要以上の能力供給を行うことなく、広い運転条件下でガス欠を確実に検出できる空気調和機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の空気調和機は、圧縮機,室内熱交換器,減圧手段および室外熱交換器が環状に接続された冷媒回路を備え、上記圧縮機の運転周波数を制御する空気調和機において、上記圧縮機の入力電流が上記圧縮機の運転周波数に応じた所定電流値未満で、かつ、上記室内熱交換器の温度と上記室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満で、かつ、上記室外熱交換器の温度と上記外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満であるとき、ガス欠と判定することを特徴としている。
【0009】
上記請求項1の空気調和機によれば、上記圧縮機の入力電流が上記圧縮機の運転周波数に応じた所定電流値未満であるという条件と、上記室内熱交換器の温度と上記室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満であるという条件と、上記室外熱交換器の温度と上記外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満であるという条件の3つの条件が満たされたとき、ガス欠と判定されるので、各条件のいずれかが誤検出したとしても他の2つの条件により補完でき、従来よりも広範囲の運転条件において積極的にガス欠検出を実施することができる。したがって、負荷に対して必要以上の能力供給を行うことなく、広い運転条件下でガス欠を確実に検出でき、ガス欠時の機能部品の故障を防止することができる。また、冷媒回路の閉塞時も同様に検出でき、閉塞時の機能部品の故障を防止することができる。
【0010】
また、請求項2の空気調和機は、圧縮機,室内熱交換器,減圧手段および室外熱交換器が環状に接続された冷媒回路を備え、上記圧縮機の運転周波数を制御する空気調和機において、上記圧縮機に入力される入力電流を検出する入力電流センサと、上記室内熱交換器の温度を検出する室内熱交換器温度センサと、室内空気の温度を検出する室内温度センサと、上記室外熱交換器の温度を検出する室外熱交換器温度センサと、外気温度を検出する外気温度センサと、上記入力電流センサにより検出された上記圧縮機の入力電流が、上記圧縮機の運転周波数に応じた所定電流値未満か否かを判定する入力電流判定手段と、上記室内熱交換器温度センサにより検出された上記室内熱交換器の温度と上記室内温度センサにより検出された上記室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満か否かを判定する第1温度判定手段と、上記室外熱交換器温度センサにより検出された上記室外熱交換器の温度と上記外気温度センサにより検出された上記外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満か否かを判定する第2温度判定手段と、上記入力電流判定手段が上記圧縮機の入力電流が所定電流値未満であると判定し、かつ、上記第1温度判定手段が上記室内熱交換器の温度と上記室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満であると判定し、かつ、上記第2温度判定手段が上記室外熱交換器の温度と上記外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満であると判定したとき、ガス欠であると判定するガス欠判定手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
上記請求項2の空気調和機によれば、上記圧縮機の入力電流が上記圧縮機の運転周波数に応じた所定電流値未満であるという条件(入力電流判定手段)と、上記室内熱交換器の温度と上記室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満であるという条件(第1温度判定手段)と、上記室外熱交換器の温度と上記外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満であるという条件(第2温度判定手段)の3つの条件が満たされたとき、上記ガス欠判定手段によりガス欠と判定されるので、各条件のいずれかが誤検出したとしても他の2つの条件により補完でき、従来よりも広範囲の運転条件において積極的にガス欠検出を実施することができる。したがって、負荷に対して必要以上の能力供給を行うことなく、広い運転条件下でガス欠を確実に検出でき、ガス欠時の機能部品の故障を防止することができる。また、冷媒回路の閉塞時も同様に検出でき、閉塞時の機能部品の故障を防止することができる。
【0012】
また、請求項3の空気調和機は、請求項2の空気調和機において、上記入力電流判定手段の上記圧縮機の入力電流の判定に用いる上記所定電流値は、上記圧縮機の運転周波数に基づいて少なくとも冷房運転と暖房運転の運転モードに応じて設定されることを特徴としている。
【0013】
上記請求項3の空気調和機によれば、少なくとも冷房運転と暖房運転の運転モードに応じて上記入力電流判定手段で用いる上記所定電流値を設定することによって、そのときの運転モードに応じた最適な上記所定電流値による判定ができ、上記圧縮機の入力電流の判定をより正確に行うことができる。
【0014】
また、請求項4の空気調和機は、請求項2または3の空気調和機において、所定時間を計時する計時手段を備え、上記ガス欠判別手段は、上記入力電流判定手段が上記圧縮機の入力電流が上記所定電流値未満であると判定し、かつ、上記第1温度判定手段が上記室内熱交換器の温度と上記室内空気の温度との温度差の絶対値が上記第1所定温度未満であると判定し、かつ、上記第2温度判定手段が上記室外熱交換器の温度と上記外気温度との温度差の絶対値が上記第2所定温度未満であると判定する状態が上記計時手段による上記所定時間以上継続したとき、ガス欠であると判定することを特徴としている。
【0015】
上記請求項4の空気調和機によれば、上記圧縮機の入力電流が上記所定電流値未満である条件と、上記室内熱交換器の温度と上記室内空気の温度との温度差の絶対値が上記第1所定温度未満であると条件と、上記室外熱交換器の温度と上記外気温度との温度差の絶対値が上記第2所定温度未満であるという条件の3つの条件を満足する状態が所定時間以上継続したときにガス欠と判定するので、運転状態によって実際にはガス欠でないが過渡的にガス欠の条件となっても、すぐにガス欠と判別することがなく、誤ったガス欠検出を防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の空気調和機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0017】
図1はこの発明の実施の一形態の空気調和機の構成図を示している。この空気調和機は、図1に示すように、圧縮機1と、上記圧縮機1の吐出側に一端が接続された四方弁2と、上記四方弁2の他端に一端が接続された室外熱交換器3と、上記室外熱交換器3の他端に一端が接続された電動膨張弁4と、上記電動膨張弁4の他端に一端が接続された閉鎖弁5と、上記閉鎖弁5の他端に一端が接続された室内熱交換器6と、上記室内熱交換器6の他端に四方弁2を介して一端が接続され、他端が上記圧縮機1の吸込側に接続された閉鎖弁7とを備えている。上記圧縮機1,四方弁2,室外熱交換器3,電動膨張弁4,閉鎖弁5,室内熱交換器6および閉鎖弁7で冷媒回路を構成している。
【0018】
また、上記空気調和機は、上記室外熱交換器3の温度を検出する室外熱交換器温度センサ11と、外気温度を検出する外気温度センサ12と、室内熱交換器6の温度を検出する室内熱交換器温度センサ13と、室内空気の温度を検出する室内温度センサ14とを備えると共に、室外熱交換器3近傍に配置された室外ファン(プロペラファン)15と、室内熱交換器6近傍に配置された室内ファン(クロスフローファン)16とを備えている。
【0019】
また、上記空気調和機は、室外熱交換器温度センサ11,外気温度センサ12,室内熱交換器温度センサ13および室内温度センサ14からの信号を受けて、圧縮機1などを制御する制御部10を備えている。上記制御部10は、交流電源20から交流電圧が供給され、インバータ電圧出力により圧縮機1を駆動する。また、上記空気調和機は、上記圧縮機1の入力電流を検出する入力電流センサ21を備えている。
【0020】
上記制御部10は、圧縮機1の入力電流を判定する入力電流判定手段10aと、上記室内熱交換器6の温度と室内空気の温度との温度差の絶対値を判定する第1温度判定手段10bと、上記室外熱交換器3の温度と外気温度との温度差を判定する第2温度判定手段10cと、入力電流判定手段10a,第1温度判定手段10bおよび第2温度判定手段10cの各判定結果に基づいてガス欠を判定するガス欠判定手段10dと、計時手段の一例としてのタイマ10eを有している。
【0021】
上記構成の空気調和機において、暖房運転時は、四方弁2を点線の切換位置に切り換えて、圧縮機1を駆動すると、圧縮機1から吐出された高温冷媒は、凝縮器としての室内熱交換器6で凝縮した後、電動膨張弁4により減圧され、減圧された冷媒は、蒸発器としての室外熱交換器3で蒸発した後、圧縮機1の吸込側に戻る。一方、冷房運転時は、四方弁2を実線の切換位置に切り換えて、圧縮機1を駆動すると、圧縮機1から吐出された高温冷媒は、凝縮器としての室外熱交換器3で凝縮した後、電動膨張弁4により減圧され、減圧された冷媒は、蒸発器としての室内熱交換器6で蒸発した後、圧縮機1の吸込側に戻る。
【0022】
次に、上記空気調和機の制御部10によるガス欠判定処理について、図2,図3に示すフローチャートにしたがって説明する。なお、このガス欠判定処理は、空気調和機の運転中に繰り返し行われる。
【0023】
まず、ガス欠判定処理がスタートすると、図2に示すステップS1で、圧縮機1の運転周波数Foutを検出し、入力電流センサ21により入力電流Iinを検出し、外気温度センサ12により外気温度TAoを検出し、室外熱交換器温度センサ11により室外熱交換器温度THoを検出し、室内温度センサ14により室内温度TAiを検出し、室内熱交換器温度センサ13により室内熱交換器温度THiを検出する。
【0024】
次に、ステップS2に進み、ガス欠判定電流値Igasを次式により算出する。
冷房・除湿運転時 : Igas = f(a1,b1;Fout)
暖房運転時 : Igas = f(a2,b2;Fout)
ここで、f(a1,b1;Fout)=a1×Fout+b1
f(a2,b2;Fout)=a2×Fout+b2
であり、a1,b1,a2,b2は定数である(例えば、a1は0.050, b1は0.8, a2は0.028, b2は1.1)。
【0025】
次に、ステップS3に進み、外気温度TAoと室外熱交換器温度THoの温度差の絶対値△Toを、
【数1】
Figure 2004162979
により算出する。
【0026】
次に、ステップS4に進み、室内温度TAiと室内熱交換器温度THiの温度差の絶対値△Tiを、
【数2】
Figure 2004162979
により算出する。
【0027】
次に、図3に示すステップS5に進み、運転周波数Foutが所定周波数Fgas以上と判定すると、ステップS6に進む。一方、ステップS5で運転周波数Foutが所定周波数Fgas未満と判定すると、ステップS11に進み、タイマをクリアして、このガス欠判定処理を終了する。
【0028】
次に、ステップS6で入力電流Iinがガス欠判定電流値Igas未満であるかと判定すると、ステップS7に進む。一方、ステップS6で入力電流Iinがガス欠判定電流値Igas以上と判定すると、ステップS11に進む。
【0029】
次に、ステップS7で外気温度TAoと室外熱交換器温度THoの温度差の絶対値△Toが第1所定温度Tgas1(例えば3℃)未満と判定すると、ステップS8に進む。一方、ステップS7で温度差の絶対値△Toが第1所定温度Tgas1以上と判定すると、ステップS11に進む。
【0030】
次に、ステップS8で室内温度TAiと室内熱交換器温度THiの温度差の絶対値△Tiが第2所定温度Tgas2(例えば3℃)未満と判定すると、ステップS9に進む。一方、ステップS8で温度差の絶対値△Tiが第2所定温度Tgas2以上と判定すると、ステップS11に進む。
【0031】
次に、ステップS9に進み、タイマ値Tmが0であると判定すなわちタイマがスタートしていないと判定すると、ステップS12に進み、ステップS12でタイマ10eをスタートさせて、処理を終了する。
【0032】
一方、ステップS9に進み、タイマ値Tmが0でないすなわちタイマの計時がスタートしていると判定すると、ステップS10に進み、タイマ値TmがTmax(例えば900sec)を越えているすなわちタイマの計時がオーバーしている判定すると、ステップS13に進み、ガス欠異常であることが確定する。
【0033】
また、ステップ10でタイマ値TmがTmaxを越えていないすなわちタイマの計時がオーバーしていないと判定すると、このガス欠判定処理を終了する。
【0034】
このように、上記実施の形態の空気調和機では、
▲1▼ 圧縮機1の入力電流がガス欠判定電流値Igas未満である。
▲2▼ 室内熱交換器温度THiと室内温度TAiとの温度差の絶対値△Tiが第1所定温度Tgas1未満である。
▲3▼ 室外熱交換器温度THoと外気温度TAoとの温度差の絶対値△Toが第2所定温度Tgas2未満である。
という▲1▼〜▲3▼の3つの条件の全てが満足したときにガス欠異常であると判定することによって、負荷に対して必要以上の能力供給を行うことなく、広い運転条件下でガス欠を確実に検出することができる。
【0035】
また、従来の2つの制御(圧縮機の入力電流で判定する制御、熱交換器の温度と吸込温度との温度差に基づいて判定する制御)が別々に行われる空気調和機に比べ、制御ロジックを統一することにより、ガス欠判定処理に関するマイクロコンピュータのプログラム容量を半減化することができる。
【0036】
さらに、冷媒回路内に詰まりが発生したときでも、このガス欠判定処理を用いて検出することが可能であり、それにより、冷媒回路の閉塞時の圧縮機などの機能部品の故障を防止することができる。
【0037】
上記実施の形態では、暖房運転時と冷房運転時にガス欠判定を行う空気調和機について説明したが、除湿運転などの他の運転モードにおいてガス決判定を行う空気調和機にこの発明を適用してよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、圧縮機1の入力電流を入力電流センサ21により検出したが、インバータの入力電流や交流電源からの入力電流を検出して、その検出された入力電流に基づいて圧縮機の入力電流を求めてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の空気調和機は、圧縮機,室内熱交換器,減圧手段および室外熱交換器が環状に接続された冷媒回路を備え、上記圧縮機の運転周波数を制御する空気調和機において、上記圧縮機の入力電流が圧縮機の運転周波数に応じた所定電流値未満で、かつ、上記室内熱交換器の温度と室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満で、かつ、上記室外熱交換器の温度と外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満であるとき、ガス欠と判定するものである。
【0040】
したがって、請求項1の発明の空気調和機によれば、上記3つの条件が満たされたときにガス欠と判定することによって、各条件のいずれかが誤検出したとしても他の2つの条件により補完できるので、負荷に対して必要以上の能力供給を行うことなく、広い運転条件下でガス欠を確実に検出することができると共に、冷媒回路の閉塞時も同様に検出でき、閉塞時の機能部品の故障を防止することができる。
【0041】
また、請求項2の発明の空気調和機は、圧縮機,室内熱交換器,減圧手段および室外熱交換器が環状に接続された冷媒回路を備え、上記圧縮機の運転周波数を制御する空気調和機において、上記圧縮機に入力される入力電流を検出する入力電流センサと、上記室内熱交換器の温度を検出する室内熱交換器温度センサと、室内空気の温度を検出する室内温度センサと、上記室外熱交換器の温度を検出する室外熱交換器温度センサと、外気温度を検出する外気温度センサと、上記入力電流センサにより検出された圧縮機の入力電流が、上記圧縮機の運転周波数に応じた所定電流値未満か否かを判定する入力電流判定手段と、上記室内熱交換器温度センサにより検出された上記室内熱交換器の温度と室内温度センサにより検出された室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満か否かを判定する第1温度判定手段と、上記室外熱交換器温度センサにより検出された室外熱交換器の温度と上記外気温度センサにより検出された外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満か否かを判定する第2温度判定手段と、上記入力電流判定手段が圧縮機の入力電流が所定電流値未満であると判定し、かつ、上記第1温度判定手段が上記室内熱交換器の温度と室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満であると判定し、かつ、上記第2温度判定手段が上記室外熱交換器の温度と外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満であると判定したとき、ガス欠であると判定するガス欠判定手段とを備えたものである。
【0042】
したがって、請求項2の発明の空気調和機によれば、上記3つの条件が満たされたときに上記ガス欠判定手段によりガス欠と判定することによって、各条件のいずれかが誤検出したとしても他の2つの条件により補完できるので、負荷に対して必要以上の能力供給を行うことなく、広い運転条件下でガス欠を確実に検出できると共に、冷媒回路の閉塞時も同様に検出でき、閉塞時の機能部品の故障を防止することができる。
【0043】
また、請求項3の発明の空気調和機によれば、請求項2の空気調和機において、上記入力電流判定手段の圧縮機の入力電流の判定に用いる上記所定電流値を、少なくとも冷房運転と暖房運転の運転モードに応じて設定することによって、そのときの運転モードに応じた最適な上記所定電流値による判定ができ、上記圧縮機の入力電流の判定をより正確に行うことができる。
【0044】
また、請求項4の発明の空気調和機は、請求項2または3の空気調和機において、上記入力電流判定手段が圧縮機の入力電流が所定電流値未満であると判定し、かつ、上記第1温度判定手段が室内熱交換器の温度と室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満であると判定し、かつ、上記第2温度判定手段が室外熱交換器の温度と外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満であると判定する状態が計時手段による所定時間以上継続したときにガス欠判定手段がガス欠と判定するので、実際にはガス欠でないが過渡的にガス欠の条件となるような運転状態でも、すぐにガス欠と判別することがなく、誤ってガス欠と判定するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の一形態の空気調和機の構成図である。
【図2】図2は上記空気調和機のガス欠判定処理を説明するフローチャートである。
【図3】図3は図2に続くフローチャートである。
【符号の説明】
1…圧縮機、
2…四方弁、
3…室外熱交換器、
4…電動膨張弁、
5…閉鎖弁、
6…室内熱交換器、
7…閉鎖弁、
10…制御部、
10a…入力電流判定手段、
10b…第1温度判定手段、
10c…第2温度判定手段、
10d…ガス欠判定手段、
10e…タイマ、
11…室外熱交換器温度センサ、
12…外気温度センサ、
13…室内熱交換器温度センサ、
14…室内温度センサ、
15…室外ファン、
16…室内ファン、
20…交流電源、
21…入力電流センサ。

Claims (4)

  1. 圧縮機(1),室内熱交換器(6),減圧手段(4)および室外熱交換器(3)が環状に接続された冷媒回路を備え、上記圧縮機(1)の運転周波数を制御する空気調和機において、
    上記圧縮機(1)の入力電流が上記圧縮機(1)の運転周波数に応じた所定電流値未満で、かつ、上記室内熱交換器(6)の温度と上記室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満で、かつ、上記室外熱交換器(3)の温度と上記外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満であるとき、ガス欠と判定することを特徴とする空気調和機。
  2. 圧縮機(1),室内熱交換器(6),減圧手段(4)および室外熱交換器(3)が環状に接続された冷媒回路を備え、上記圧縮機(1)の運転周波数を制御する空気調和機において、
    上記圧縮機(1)に入力される入力電流を検出する入力電流センサ(21)と、
    上記室内熱交換器(6)の温度を検出する室内熱交換器温度センサ(13)と、
    室内空気の温度を検出する室内温度センサ(14)と、
    上記室外熱交換器(3)の温度を検出する室外熱交換器温度センサ(11)と、
    外気温度を検出する外気温度センサ(12)と、
    上記入力電流センサ(21)により検出された上記圧縮機(1)の入力電流が、上記圧縮機(1)の運転周波数に応じた所定電流値未満か否かを判定する入力電流判定手段(10a)と、
    上記室内熱交換器温度センサ(13)により検出された上記室内熱交換器(6)の温度と上記室内温度センサ(14)により検出された上記室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満か否かを判定する第1温度判定手段(10b)と、
    上記室外熱交換器温度センサ(11)により検出された上記室外熱交換器(3)の温度と上記外気温度センサ(12)により検出された上記外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満か否かを判定する第2温度判定手段(10c)と、
    上記入力電流判定手段(10a)が上記圧縮機(1)の入力電流が所定電流値未満であると判定し、かつ、上記第1温度判定手段(10b)が上記室内熱交換器(6)の温度と上記室内空気の温度との温度差の絶対値が第1所定温度未満であると判定し、かつ、上記第2温度判定手段(10c)が上記室外熱交換器(3)の温度と上記外気温度との温度差の絶対値が第2所定温度未満であると判定したとき、ガス欠であると判定するガス欠判定手段(10d)とを備えたことを特徴とする空気調和機。
  3. 請求項2に記載の空気調和機において、
    上記入力電流判定手段(10a)の上記圧縮機(1)の入力電流の判定に用いる上記所定電流値は、上記圧縮機(1)の運転周波数に基づいて少なくとも冷房運転と暖房運転の運転モードに応じて設定されることを特徴とする空気調和機。
  4. 請求項2または3に記載の空気調和機において、
    所定時間を計時する計時手段(10e)を備え、
    上記ガス欠判別手段(10d)は、上記入力電流判定手段(10a)が上記圧縮機(1)の入力電流が上記所定電流値未満であると判定し、かつ、上記第1温度判定手段(10b)が上記室内熱交換器(6)の温度と上記室内空気の温度との温度差の絶対値が上記第1所定温度未満であると判定し、かつ、上記第2温度判定手段(10c)が上記室外熱交換器(3)の温度と上記外気温度との温度差の絶対値が上記第2所定温度未満であると判定する状態が上記計時手段(10e)による上記所定時間以上継続したとき、ガス欠であると判定することを特徴とする空気調和機。
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