JP2010223494A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い精度で着霜による室外側熱交換器の閉塞を検知し、過剰な除霜運転への切り替えを抑制することで、信頼性と暖房効率の高い空気調和機を得る。
【解決手段】室外ファンモータ7が所定の回転数で継続して回転しているときに、電流検出手段81により検出された室外ファンモータ7の電流値が、所定の値を、所定の時間にわたり継続して上回ることを、暖房運転から除霜運転に切り替える条件の一つとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ヒートポンプ型空気調和機に関し、特に、暖房運転から除霜運転の切り替えに関するものである。
ヒートポンプ型空気調和機で暖房運転を行うと、室外側熱交換器に着霜が生じ、暖房効率が低下してくるため、除霜運転を行う必要がある。従来の制御としては、例えば、室外側熱交換器の温度を測定し、所定の時間Δt経過後に、その温度が所定の温度Tdef以下であれば、暖房運転から除霜運転への切り替えを行っていた。
一方で、信頼性の確保のために、様々な外気負荷条件のいずれの条件においても、確実に除霜を行う必要があることから、除霜動作温度Tdefを比較的高い温度に設定し、除霜規制解除時間Δtは比較的短い時間に設定せざるを得なかった。このため、実際に熱交換器に着霜していなくても除霜運転に切り替わることが多いことから、除霜運転が必要以上に多くなり、暖房効率の低下につながっていた。
このような、不要な除霜運転を抑制する手段として、室外ファンモータの運転電流値を検知し、検知された運転電流値が、初期の運転電流値の1.2倍を上回れば、室外側熱交換器に通風障害があると判断し、さらに、外気温度が所定の温度を下回れば、除霜運転を行う制御が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、室外ファンの運転・停止回数が所定回数繰り返した後に、室外ファンが所定回転数に達したときの出力電圧値が所定電圧値以上の場合には、除霜運転に切り替える制御が知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2003−269772号公報(図4) 特開2003−50066号公報(図4)
上記の特許文献1又は特許文献2に開示された発明は、室外ファンモータの運転電流値又は室外ファンモータ駆動手段からの出力電圧を検知し、検知された値が、あらかじめ設定した基準値を上回ったか否かを、除霜運転に切り替えるための判断材料としている。
また、特許文献1に開示された発明は、前記基準値を、初期の運転電流の1.2倍というように、初期の運転電流にもとづく値としている。
また、特許文献2に開示された発明は、前記基準値を上回ったか否かの判断の前提として、室外ファンの運転・停止を所定回数繰り返すことを条件としている。
しかしながら、上記の特許文献1又は特許文献2の発明は、
(a)前記基準値を比較的低く設定すると、室外ファンへの逆風等のわずかな外乱が生じたときでも、除霜運転に切り替える条件が満たされるため、誤判断されてしまうという問題点があった。
(b)また、前記基準値を初期の運転電流または駆動電圧にもとづく値とすると、熱交換器に付着した塵等で通風抵抗が初期においても高い場合には、その後着霜により熱交換器が閉塞しても、通風抵抗の変化が少ないと、前記基準値を上回ることができず、除霜運転に切り替える条件が満たされないため、誤判断されてしまうという問題点があった。
(c)また、室外ファンの運転・停止を所定回数繰り返す等の、通常の暖房運転にはない制御ステップを追加すると、暖房の運転率を落としてしまうという問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、高い精度で着霜による室外側熱交換器の閉塞を検知し、過剰な除霜運転への切り替えを抑制することで、信頼性と暖房効率の高い空気調和機を得ることを目的とする。
本発明に係る空気調和機は、
圧縮機、四方切り替え弁、室外側熱交換器、膨張弁及び室内側熱交換器を備え、これらが冷媒配管を介して接続された冷凍サイクルと、
前記室外側熱交換器に送風するファンと、
前記ファンを駆動するファンモータと、
前記ファンモータの回転数を少なくとも制御する制御手段と、
前記ファンモータの駆動に要する電流値を検出する電流検出手段と、
前記ファンモータの回転数が所定の回転数に制御されているとき、前記電流検出手段により検出された電流値を所定の値と比較判断する第1の比較手段と、
前記第1の比較手段の比較判断に基づいて、前記電流検出手段により検出された電流値が所定の値を継続して上回った時間を測定する計時手段と、
前記計時手段により測定された時間を所定の値と比較判断する第2の比較手段と
を備え、
前記ファンは、所定の回転数で回転するときに、吸い込み側からの空気の吸い込み量が減少すると、前記ファンモータの負荷を増加させるファンであり、
前記ファンモータが所定の回転数で継続して回転しているときに、前記電流検出手段により検出された電流値が、所定の時間にわたり継続して所定の値を上回ることを、暖房運転から除霜運転に切り替える条件の一つとするものである。
本発明に係る空気調和機によれば、ファンモータが所定の回転数で継続して回転しているときに、前記電流検出手段により検出された電流値が、所定の時間にわたり継続して所定の値を上回ることを、暖房運転から除霜運転に切り替える条件の一つとしており、このため、高い精度で室外側熱交換器の着霜による閉塞を検知し、過剰な除霜運転を抑制することで、信頼性と暖房効率の高い空気調和機を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクルの構成図。 本発明の実施の形態1に係る制御装置の構成図。 除霜制御に移行する際の処理を示すフローチャート。
実施の形態1.
(冷凍サイクル)
図1は、本発明の実施形態1に係る空気調和機の冷凍サイクルを模式的に説明する構成図である。
図1において、本発明の実施形態1に係る冷凍サイクルは、冷媒を圧縮する圧縮機1と、供給された冷媒と外気との間で熱交換をする室外側熱交換器3及び室内側熱交換器5と、圧縮機1によって圧縮された冷媒(以下「高温冷媒」と称す)を室外側熱交換器3又は室内側熱交換器5の一方に選択的に供給する四方切り替え弁2と、供給された冷媒を減圧する膨張弁4とを有しており、これらが図示のように冷媒配管を介して接続されて構成されている。
すなわち、室内を暖房する場合には、圧縮機1からの高温冷媒を室内側熱交換器5を経由して膨張弁4に供給し、膨張弁4において生成された冷媒(以下「低温冷媒」と称す)を室外側熱交換器3に供給して、これを蒸発器として使用する。
このような暖房運転を継続すると、条件によっては、低温冷媒が供給される室外側熱交換器3に着霜が生じ、暖房能力が低下してくる。このため、着霜による暖房能力低下を回避すべく、四方切り替え弁2を切り替えて、高温冷媒を室内側熱交換器5に供給して、除霜運転を行う。
また、プロペラファンからなる室外ファン6、DCモータである室外ファンモータ7とを有し、制御装置8からの制御信号に基づいて室外ファンモータ7を駆動し、室外ファン6を所定の回転数で回転させることで、室外側熱交換器3に送風する。なお、室外ファン6は、所定の回転数で回転するときに、吸い込み側からの空気の吸い込み量が減少すると、室外ファンモータ7の負荷を増加させる特性をもっている。
(制御装置)
図2は、本発明の実施形態1に係る制御装置を模式的に説明する構成図である。
図2において、制御装置8は、電流検出器81、比較手段82、計時手段83、比較手段84、制御手段85及び駆動回路86を備えており、駆動回路86の出力は室外ファンモータ7に接続されている。なお、図2の比較手段82、計時手段83、比較手段84及び制御手段85は例えばマイコンによって実現される。
図2の制御装置8においては、例えば、制御手段85が駆動回路86に制御信号を送信し、駆動回路86は、その制御信号に基づいて室外ファンモータ7の回転数が所定の回転数になるように駆動する。そのときの駆動電流を電流検出器81が検出し、比較手段82に出力する。比較手段82は、電流検出器81が検出した駆動電流値と所定の電流値とを比較し、その結果を計時手段83に出力する。計時手段83は、比較手段82からの比較結果に基づいて時間を計測し、比較手段84に出力する。比較手段84は、計時手段83からの計測時間と所定の時間とを比較し、制御手段85は、その比較結果に基づいて圧縮機1や四方切り替え弁2などの各アクチュエータを制御する。
(暖房運転から除霜運転に切り替える際の動作)
次に、動作について説明する。
図3は、本発明の実施形態1に係る空気調和機において暖房運転から除霜制御に切り替える際の動作を示すフローチャートである。
暖房運転が開始されると、室外ファンモータ7は制御手段85及び駆動回路86により所定の指令回転数に制御される。このとき、電流検出器81で検出された駆動電流値(Aとする)を比較手段82で記憶する(ステップST1)。ここで記憶された駆動電流値Aを、例えばAst1とする。
次に、比較手段82は、電流検出器81で検出された駆動電流値Aと、所定の電流値(Ast2とする)との比較を開始する(ステップST2)。電流値Ast2は、上記で記憶された電流値Ast1に基づいて決まる値とする。例えば、電流値Ast1に、あらかじめ比較手段82に記憶しておいた値(例えば、ΔA)を加えた値とする。すなわち、Ast2=Ast1+ΔAとする。また、例えば、電流値Ast1に、あらかじめ記憶しておいた値(例えば、α)を乗じた値としてもよい。すなわち、Ast2=α×Ast1としてもよい。
室外側熱交換器3は暖房運転時には蒸発器として機能しており、暖房運転時が開始されると室外側熱交換器3は冷却され着霜する虞がある。例えば、室外側熱交換器3に着霜し、その着霜が進行してくると、室外ファン6により室外熱交換器3へ送られる空気の通風抵抗が増大する。したがって、駆動電流値Aは、室外側熱交換器3への着霜の進行に伴い、室外側熱交換器3が着霜により完全に閉塞するまでは、増大傾向を示す。すなわち、室外ファンモータの駆動電流値の増大は、室外側熱交換器3の着霜状態の指標とすることができる。
比較手段82は、駆動電流値Aと電流値Ast2とを比較し、駆動電流値Aが電流値Ast2を超えている状態(A>Ast2)を検出し、計時手段83は、その状態(A>Ast2)が継続する時間を計測する。そして、比較手段84は、その計測された時間とあらかじめ記憶されている所定時間(ΔTst2とする)とを対比し、駆動電流値Aが電流値Ast2を超えている状態が所定時間にわたって継続したか否かを判断する。
室外側熱交換器3に着霜が進行していない場合でも、室外ファン6に向かって逆風が吹いている場合に、一時的にA>Ast2の状態が生じ得るが、この状態が所定時間ΔTst2だけ継続しないと、次のステップST3には進まないことになる。
また、ステップST2の判断までに、制御手段85からの室外ファンモータ7への指令回転数が変化していれば、ステップST1に戻り、Ast1の値を更新する(ステップST21、ST3)。
A>Ast2の状態が、ΔTst2にわたって継続したら、従来の除霜制御を開始するか否かの判断制御フローへ移行する(ステップST4)。従来の除霜制御を開始するか否かの判断制御フローとは、例えば、室外熱交換器3の温度を測定し、一定時間経過後、室外熱交換器3の温度が一定温度以下であれば、除霜運転を開始するものである。
上記のような従来の除霜制御を開始するか否かの判断制御フローを、制御手段85にて実行し(ステップST5)、除霜運転を開始する条件が成立したら、制御手段85より、圧縮機1や四方切り替え弁2などの各アクチュエータに除霜運転の制御信号が送られ、除霜運転を実施する(ステップST6)。除霜運転においては、圧縮機1からの高温冷媒が室外側熱交換器3に供給されて加熱され、室外側熱交換器3に付着した霜が溶けることで除霜される。
そして、制御手段85にて、除霜運転終了か否かを判断し、除霜運転が終了すると、暖房運転を再び開始する(ステップST7)。この後、再びステップST1に戻り、電流値Ast1を更新する。
以上のように本実施の形態1によれば、室外ファンモータ7の駆動電流値が所定の値を超える状態が、所定の時間にわたって継続することを、除霜運転開始の条件のうちの一つとする構成としたので、逆風等の外乱による一時的な室外ファンモータ7の駆動電流値の増大に影響されることなく、室外側熱交換器3の着霜による閉塞を検知することができる。
また、逆風等の外乱による一時的な室外ファンモータ7の駆動電流値の増大に影響されることがないため、Ast2を低く設定することができ、Ast1とAst2の差が表れにくい状況(例えば、室外側熱交換器3に付着した塵等で通風抵抗が初期においても高い場合)にも適用することができる。
また、室外ファンの運転・停止を所定回数繰り返す等の、通常の暖房運転にはない制御ステップを追加することがない構成としたので、暖房の運転率を落とすことなく、室外側熱交換器3の着霜による閉塞を検知することができる。
したがって、実際に着霜していない状態での除霜運転への切り替えが抑制され、信頼性と暖房効率の高い空気調和機を提供することができる。
1 圧縮機、2 四方切り替え弁、3 室外側熱交換器、4 膨張弁、5 室内側熱交換器、6 室外ファン、7 室外ファンモータ、8 制御部、81 電流検出手段、82 比較手段、83 計時手段、84 比較手段、85 制御手段、86 駆動回路。

Claims (2)

  1. 圧縮機、四方切り替え弁、室外側熱交換器、膨張弁及び室内側熱交換器を備え、これらが冷媒配管を介して接続された冷凍サイクルと、
    前記室外側熱交換器に送風するファンと、
    前記ファンを駆動するファンモータと、
    前記ファンモータの回転数を少なくとも制御する制御手段と、
    前記ファンモータの駆動に要する電流値を検出する電流検出手段と、
    前記ファンモータの回転数が所定の回転数に制御されているとき、前記電流検出手段により検出された電流値を所定の値と比較判断する第1の比較手段と、
    前記第1の比較手段の比較結果に基づいて、前記電流検出手段により検出された電流値が所定の値を継続して上回った時間を測定する計時手段と、
    前記計時手段により測定された時間を所定の値と比較判断する第2の比較手段と
    を備え、
    前記ファンは、所定の回転数で回転するときに、吸い込み側からの空気の吸い込み量が減少すると、前記ファンモータの負荷を増加させるファンであり、
    前記ファンモータが所定の回転数で継続して回転しているときに、前記電流検出手段により検出された電流値が、所定の時間にわたり継続して所定の値を上回ることを、暖房運転から除霜運転に切り替える条件の一つとすることを特徴とする空気調和機。
  2. 前記第1の比較手段における比較対象の所定の値を、暖房運転開始時又は前記ファンモータの指令回転数の変更後に、前記電流検出手段により検出された電流値に基づいて設定することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
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