JP2004162484A - 旋回軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内輪(33)と、外輪(34)と、内輪(33)と外輪(34)との間に嵌挿された転動体(36)と、内輪(33)の内周側に形成された内歯ギア(35)と、内歯ギア(35)に噛合するピニオンギア(37)とを備えた旋回軸受において、グリースを含浸させた多孔質部材(48)を、内輪(33)の上面の、外輪(34)の上面との段差部に設けられた空間(45)に、ピニオンギア(37)に接触するように内輪(33)の上面全周にわたって配置することにより、ピニオンギア(37)と内歯ギア(35)との噛合部を常に好適に潤滑するようにしたことを特徴とする旋回軸受。
【選択図】図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋回軸受に関し、より詳細にはその給脂構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル等の作業機械においては、上部旋回体が、下部走行体に旋回軸受を介して接続され、旋回自在となっている。図5は、特許文献1に開示された、油圧ショベル11等の作業機械における旋回軸受17周辺の断面図である。
【0003】
図5において、旋回軸受17は、下部走行体(図5では図示せず)の一部をなす丸胴38に固定された内輪33と、上部旋回体13に固定された外輪34と、外輪34と内輪33との間に嵌挿された複数の転動体36とを備えている。内輪33の内周側には、内歯ギア35が全周にわたって形成されている。
【0004】
油圧モータ40は、外部から圧油を供給されることにより、出力軸41を回転駆動する。出力軸41の動力は、例えば遊星歯車を用いた減速機構43によって、ピニオンシャフト42に伝達される。ピニオンシャフト42の先端部には、ピニオンギア37が取着されており、ピニオンギア37と内歯ギア35とは噛合している。
【0005】
油圧モータ40を駆動することにより、ピニオンギア37を介して内歯ギア35が回転し、上部旋回体13が下部走行体12に対して旋回する。
【0006】
このような旋回軸受17においては、図5に示すように丸胴38の内周面にグリースバス44が設けられており、このグリースバス44の内部に充填されたグリースが、ピニオンと内歯ギア35との噛合部を潤滑するようになっている。
【0007】
また、他の従来技術においては、内輪33の上面に形成される空間45に、図示しないニップルからグリースを充填し、これによってピニオンと内歯ギア35との噛合部を潤滑するようになっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−316930号公報(第1図、第6図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。
例えば特許文献1には、図5のような構成にすることにより、グリースバス44のグリースが内輪33の上面に形成される空間45へとはみ出し、潤滑のためのグリースが不足するという問題が指摘されている。
【0010】
また、特許文献1においては、このような問題を解決するために、ピニオンギア37の周辺の筒体46に突起47A,47Bを設け、グリースのはみ出しを防ぐようにしており、その結果として、旋回軸受17の構造が複雑になる。
また、突起47A,47Bを、内輪33や丸胴38の内周面との間に僅かな隙間を設けるように構成しなければならず、工作精度を高く製作することが必要であるとともに、組み立て時に部材同士が衝突したり干渉したりするのを避けるのに手間を要する。
【0011】
一方、ニップルより空間45にグリースを充填するようにすると、ニップルの直下近傍のみにしかグリースを充填することができないため、ピニオンと内歯ギア35との噛合部に充分な潤滑を施すことが困難となる。そのため、グリースを一定量充填しては、油圧モータ40を駆動してピニオンギア37と内歯ギア35とが噛み合う場所を変更し、さらにグリースを充填するといった作業を繰り返しており、大変手間がかかる。
【0012】
さらには、空間45に充填されたグリースが、熱で溶けて他の場所に流れ出し、ピニオンギア37と内歯ギア35との噛合部を充分に潤滑できなくなり、頻繁な充填を繰り返さなければならなくなるといった問題もある。
【0013】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、簡単な構成で、ピニオンギアと内歯ギアとの噛合部を好適に潤滑可能な、旋回軸受を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明は、
内輪と、
外輪と、
内輪と外輪との間に嵌挿された転動体と、
内輪の内周側に形成された内歯ギアと、
内歯ギアに噛合するピニオンギアとを備えた旋回軸受において、
グリースを含浸させた多孔質部材を、内輪の上面の外輪の上面との段差部に設けられた空間に、ピニオンギアに接触するように配置している。
これにより、多孔質部材のピニオンギアに接触した部位から必要なだけのグリースが染みだし、ピニオンギアと内歯ギアとの噛合部を潤滑する。従って、グリースが他の部位へ流れ出すようなことがなく、グリースの消費量が少なくなる。
【0015】
また、本発明に係る旋回軸受は、
前記多孔質部材が、内輪の上面全周にわたって配置されている。
これにより、常にグリースが噛合部に補給され、好適な潤滑が行なわれる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。図1に、実施形態に係る、上部が旋回自在の油圧ショベルの側面図を示す。
図1において、油圧ショベル11は、下部走行体12と、その上部に搭載された旋回自在の上部旋回体13とを備えている。上部旋回体13にはオペシート14が搭載され、その前方には、ブーム24、アーム25、及びアーム25の先端に取着されたバケット26を有する作業機15が、鉛直面内で上下方向に揺動自在に取着されている。
【0017】
図1に示すように、下部走行体12は、トラックフレーム16の両端部に起動輪18と遊動輪19とをそれぞれ装着している。また、起動輪18と遊動輪19との間には履帯21を巻装しており、図示しないエンジンから起動輪18に伝達された動力により、履帯21を回転駆動して走行を行なっている。
【0018】
図2に、図1のZ矢視による、下部走行体12の背面図を示す。図2に示すように、下部走行体12と上部旋回体13とは、旋回軸受17を介して接続されている。
【0019】
図3に、旋回軸受17の詳細断面図を示す。
フレームの上部には、リング状の取付座32が形成されている。内輪33は、この取付座32にボルト31によって締結される。
【0020】
旋回軸受17の外輪34は、ボルト39により、上部旋回体13に取着されている。内輪33の内周面には、内歯ギア35が形成されており、上部旋回体13に図示しない手段によって装着された油圧モータ40によって駆動するピニオンギア37と噛合している。外輪34と内輪33との間には、複数の転動体36が嵌挿されている。
油圧モータ40を駆動することにより、内輪33を外輪34に対して回転させ、下部走行体12に対して上部旋回体13を旋回駆動することができる。
【0021】
内輪33の上面の、外輪34との段差部に形成された空間45には、全周にわたって、例えばスポンジ状の多孔質部材48が挿入されている。
図4に、多孔質部材48の斜視図を示す。図4に示すように、多孔質部材48はリング状に形成され、その内部にグリースが染み込ませてある。
【0022】
多孔質部材48は、ピニオンギア37にわずかに当たるように設置されている。油圧モータ40を駆動してピニオンギア37と内歯ギア35とが噛み合うと、ピニオンギア37が多孔質部材48に当たり、多孔質部材48からグリースが染みだして、ピニオンギア37と内歯ギア35との噛合部を潤滑する。
上部旋回体13上には、ニップル49が所定位置に複数箇所設けられており、このニップル49からグリースを多孔質部材48に補給する。
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、多孔質部材48にグリースを染み込ませたものを、ピニオンギア37に当たるように内輪33の上面に設置している。これにより、従来と同様の単純な構造の旋回軸受17において、ピニオンギア37の位置に常にグリースを供給させることができ、ピニオンギア37と内歯ギア35との間が好適に潤滑される。
【0024】
また、ピニオンギア37が当たったところだけ、グリースが染み出すので、グリースの消費量が小さくなる。
また、グリースを多孔質部材48に含浸させているので、グリースが熱で軟化しても、溶けて他の場所へ流れ出て無駄になるようなことがない。また、旋回軸受17の他の部位を汚すこともない。
そして、多孔質部材48の周上に、グリース補給用のニップル49を設置しているので、グリースを簡単に充填できる。
【0025】
尚、多孔質部材48にグリースを染み込ませる代わりに、添加物を添加して硬化させたグリースを、多孔質部材48と同様の形状になるように加工して、同位置に設置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る油圧ショベルの側面図。
【図2】図1のZ矢視による下部走行体の背面図。
【図3】旋回軸受の詳細断面図。
【図4】多孔質部材の斜視図。
【図5】従来技術に係る旋回軸受周辺の断面図。
【符号の説明】
11:油圧ショベル、12:下部走行体、13:上部旋回体、14:オペシート、15:作業機、16:トラックフレーム、17:旋回軸受、18:起動輪、19:遊動輪、21:履帯、24:ブーム、25:アーム、26:バケット、31:ボルト、32:取付座、33:内輪、34:外輪、35:内歯ギア、36:転動体、37:ピニオンギア、38:丸胴、39:ボルト、40:油圧モータ、41:出力軸、42:ピニオンシャフト、43:減速機構、44:グリースバス、45:隙間、46:筒体、47:突起、48:多孔質部材、49:ニップル。
Claims (2)
- 内輪(33)と、
外輪(34)と、
内輪(33)と外輪(34)との間に嵌挿された転動体(36)と、
内輪(33)の内周側に形成された内歯ギア(35)と、
内歯ギア(35)に噛合するピニオンギア(37)とを備えた旋回軸受において、
グリースを含浸させた多孔質部材(48)を、内輪(33)の上面の、外輪(34)の上面との段差部に設けられた空間(45)に、ピニオンギア(37)に接触するように配置した
ことを特徴とする旋回軸受。 - 請求項1に記載の旋回軸受において、
前記多孔質部材(48)が、内輪(33)の上面の全周にわたって配置されている
ことを特徴とする旋回軸受。
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2002
- 2002-11-15 JP JP2002332397A patent/JP4136619B2/ja not_active Expired - Fee Related
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