JP2004036840A - 建設機械の減速装置 - Google Patents
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- F16H57/0493—Gearings with spur or bevel gears
Abstract
【課題】ピニオン歯車支持用のベアリングに潤滑油を従来よりも安定して供給することができる建設機械の減速装置を提供する。
【解決手段】遊星歯車減速機構と、この遊星歯車減速機構と回転軸心を同じくして遊星歯車減速機構の入力軸を回転駆動する駆動用の歯車22と、下端が遊星歯車減速機構の回転軸心よりも高い位置に配置され駆動用の歯車22と噛み合って走行用の油圧モータの回転を同歯車22に伝達するピニオン歯車21と、このピニオン歯車21を支持するピニオン歯車支持用のベアリング9と、これら遊星歯車減速機構、歯車21,22及びベアリング9を囲み潤滑油を貯溜するケーシングとを備え、遊星歯車減速機構の回転により下部走行体を走行させる建設機械の減速装置において、駆動用の歯車22の歯幅をピニオン歯車21の歯幅よりも広くするように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】遊星歯車減速機構と、この遊星歯車減速機構と回転軸心を同じくして遊星歯車減速機構の入力軸を回転駆動する駆動用の歯車22と、下端が遊星歯車減速機構の回転軸心よりも高い位置に配置され駆動用の歯車22と噛み合って走行用の油圧モータの回転を同歯車22に伝達するピニオン歯車21と、このピニオン歯車21を支持するピニオン歯車支持用のベアリング9と、これら遊星歯車減速機構、歯車21,22及びベアリング9を囲み潤滑油を貯溜するケーシングとを備え、遊星歯車減速機構の回転により下部走行体を走行させる建設機械の減速装置において、駆動用の歯車22の歯幅をピニオン歯車21の歯幅よりも広くするように構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の自走式の建設機械に使用され、走行用のモータの回転を遊星歯車減速機構等により下部走行体に減速して伝達して、これを走行させる建設機械の減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル、クレーン、ホイールショベル等の自走式の建設機械では、走行用のモータの回転を減速装置で減速することにより高トルクの回転を下部走行体に伝達して下部走行体を走行させる。下部走行体としては、履帯(クローラベルトやキャタピラ)で走行するクローラ式、下部架台にタイヤの付いた走行車軸を装備したホイール式、下部走行体にトラックシャシーをそのまま使用したトラック式等種々のタイプが知られている。
【0003】
こうした自走式の建設機械においては、走行用のモータの回転を減速するのに遊星歯車減速機構を設けている。そして、通常の自走式の建設機械では、走行用のモータをこの遊星歯車減速機構の入力軸と対向する位置に設置してこの入力軸を走行用のモータで直接回転駆動するようにしている。しかしながら、180tクラス以上の大型の自走式の建設機械になると、走行用のモータを遊星歯車減速機構の回転中心よりもかなり高い位置に設置して、走行用のモータの出力軸と同軸のピニオン歯車と遊星歯車減速機構の入力軸と同軸の歯車とからなる平行軸歯車の減速機構を介して、走行用のモータの回転を遊星歯車減速機構の入力軸に伝達するように構成されたものが製作されている。本発明は、このように構成された大型の自走式の建設機械の減速装置を改良しようとするものである。
【0004】
そこで、その改良点を容易に理解できるようにするため、従来の建設機械の減速装置の技術内容を図3及び図4に基づいて概説する。図3は、従来の建設機械の減速装置及びその周辺部を示す断面図、図4は、図3の建設機械の減速装置の要部の拡大断面図である。
【0005】
これらの図において、1は下部走行体を走行させるための動力源となる走行用の油圧モータ、2は走行用の油圧モータ1の出力軸1aと同軸のピニオン歯車7と遊星歯車減速機構3のシャフト11と同軸の駆動用の歯車8とからなる平行軸歯車の減速機構、3はこの平行軸歯車の減速機構2により減速された走行用の油圧モータ1の回転を更に減速する遊星歯車減速機構、4はこの遊星歯車減速機構3の出力軸、5はこの出力軸4の回転が伝達され履帯6を駆動するタンブラ、6は下部走行体を構成するエンドレスチェーン状の履帯(キャタピラ)、7は駆動用の歯車8と噛み合って走行用の油圧モータ1の回転を駆動用の歯車8に伝達するピニオン歯車、8は遊星歯車減速機構3のシャフト11のスプライン部11aにスプライン結合され同シャフト11を回転駆動する駆動用の歯車、9はピニオン歯車7を支持するピニオン歯車支持用のベアリング、10は駆動用の歯車8を支持する駆動用歯車支持用のベアリング、11は遊星歯車減速機構3の入力軸としてのシャフト、12は遊星歯車減速機構3、ピニオン歯車7、駆動用の歯車8及びベアリング9,10を囲むケーシングである。
【0006】
遊星歯車減速機構3は、ここに示す例では2段遊星歯車減速機構であり、その構造については後述する。ピニオン歯車7は、走行用の油圧モータ1の出力軸1aとスプラインにより結合されている。駆動用の歯車8は、遊星歯車減速機構3と回転軸心を同じくして配置されるため、ピニオン歯車7は、下端が遊星歯車減速機構3の回転軸心よりも高い位置に配置されるが、ここではケーシング12の頂部付近に取り付けられている。これらピニオン歯車7と駆動用の歯車8とは、通例に従って歯幅を等しく形成している。また、ピニオン歯車支持用のベアリング9は、ピニオン歯車7の軸支部の同一外周面上に最低2個設ける。
【0007】
ケーシング12内には、平行軸歯車の減速機構2や遊星歯車減速機構3における種々のベアリング等の摺動部を潤滑するための潤滑油を貯溜する。ところで、ケーシング12内に潤滑油を充填する場合、平行軸歯車の減速機構2を設けていない通常の自走式の建設機械では、少なくとも、遊星歯車減速機構3の回転軸心のレベルまで潤滑油を貯溜すれば、遊星歯車減速機構3が回転することにより、その回転軸心より上方の遊星歯車減速機構3の摺動部にも潤滑油を直接的に供給することができる。これに対し、平行軸歯車の減速機構2を設けたこの従来例の大型の自走式の建設機械では、遊星歯車減速機構3や駆動用の歯車8に関する限り、同様にして全ての摺動部に潤滑油を供給することができるものの、ピニオン歯車支持用のベアリング9の部位には、潤滑油を直接的に供給することができない。そのため、同ベアリング9には、駆動用の歯車8の回転により潤滑油を跳ねあげるようにして供給する方法が採られているが、その場合、潤滑油ができるだけ上方に跳ねあげられるようにするため、潤滑油を図3に示すように遊星歯車減速機構の回転軸心よりも高いレベルまで貯留するようにしていた。
【0008】
次に、遊星歯車減速機構3の構造を図3に基づいて概説する。
【0009】
S1 は駆動用の歯車8で駆動されるシャフト11に取り付けられた原動歯車としての2段遊星歯車減速機構の1段目のサンギア、P1 は同減速機構の1段目のキャリアC1 に回転可能に軸着されサンギアS1 と噛み合う従動歯車としての2段遊星歯車減速機構の1段目のプラネタリギア、R1 はケーシング12の内周部に形成されてリング状の内歯をなしプラネタリギアP1 と噛み合う2段遊星歯車減速機構の1段目のリングギア、C1 は2段遊星歯車減速機構の1段目の減速された回転が出力されるキャリア、S2 は1段目のキャリアC1 の回転が伝達される2段遊星歯車減速機構の2段目のサンギア、P2 はプラネタリギアP1 と同様の2段遊星歯車減速機構の2段目のプラネタリギア、R2 はリングギアR1 と同様の2段遊星歯車減速機構の2段目のリングギア、C2 は出力軸4に連結したキャリアC1 と同様の2段遊星歯車減速機構の2段目のキャリアである。
【0010】
従来例の自走式の建設機械の減速装置は、以上述べたベアリング9,10を含む平行軸歯車の減速機構2と遊星歯車減速機構3とを設けて構成されている。このような減速装置において、走行用の油圧モータ1を回転駆動すると、その回転が出力軸1aを通じて平行軸歯車の減速機構2におけるピニオン歯車7に伝達され、同減速機構2により減速される。その結果、遊星歯車減速機構3のシャフト11が減速機構2における駆動用の歯車8により減速されて回転駆動され、1段目のサンギアS1 が回転する。
【0011】
こうして1段目のサンギアS1 が回転すると、このサンギアS1 と噛み合っている1段目のプラネタリギアP1 も回転する。このプラネタリギアP1 は、1段目のリングギアR1 とも噛み合っているため、サンギアS1 の周りを自転しながら公転する。また、プラネタリギアP1 は、キャリアC1 に回転可能に軸着されているため、このプラネタリギアP1 の公転は、キャリアC1 に伝達されて、キャリアC1 がサンギアS1 の回転速度よりも減速さた速度で回転する。次いで、このキャリアC1 の回転は、2段目のサンギアS2 に伝達されて2段目のプラネタリギアP2 も回転し、以下、1段目の遊星歯車減速機構と同様のメカニズムにより2段目の遊星歯車減速機構により更に減速されて2段目のキャリアC2 が回転する。この2段目のキャリアC2 の回転は、最終的には出力軸4を介してタンブラ5に伝達され、履帯6を駆動する。こうして走行用の油圧モータ1の回転を減速することにより高トルクの回転を履帯6に伝達することができる。
【0012】
こうして減速装置を駆動する間、遊星歯車減速機構3や平行軸歯車の減速機構2の摺動部をケーシング12内の潤滑油により潤滑する必要があるが、特に、ピニオン歯車7を支持するピニオン歯車支持用のベアリング9に対しては、ピニオン歯車7の下端がケーシング12内の潤滑油の油面よりも高い位置にあるため、潤滑油を直接的に供給することができない。そのため、このピニオン歯車支持用のベアリング9については、駆動用の歯車8の回転時に、油面付近の潤滑油を同歯車8の歯面で掻き上げるように跳ね上げたり、駆動用の歯車8の歯面や側面に付着した潤滑油を同歯車8の遠心力で上方に振り飛ばしたりすることにより、潤滑油を上方に飛散させて間接的に供給することを予定して潤滑していた。また、潤滑量は僅かであるが、駆動用の歯車8の歯面に付着した潤滑油が歯車7,8の噛み合い時に行き場を失って両歯車7,8の側面方向に飛散し、この飛散した潤滑油によりベアリング9が潤滑されることも見込んでいた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ピニオン歯車7と駆動用の歯車8の歯幅は、前述したように等しく形成されているので、駆動用の歯車8の歯面で跳ね上げられたり、同歯車8の歯面に付着した潤滑油が遠心力で振り飛ばされたりすることにより上方へ運ばれる潤滑油は、大部分、ピニオン歯車7の歯幅の範囲内の領域で捕捉される。そのため、この捕捉された潤滑油は、歯車7,8同士の噛み合い回転時にピニオン歯車7の遠心力により逆に下方へ跳ね返されるものも少なくない。そして、下方へ跳ね返される潤滑油の量は、その時時の状況によって変化するため、ピニオン歯車支持用のベアリング9の方向へ直接飛散する潤滑油の量は変動し、必ずしも多くはないと考えられる。
【0014】
また、駆動用の歯車8の側面に付着した潤滑油は、図4の矢印aに示すように同歯車8の側面に沿って上方に移動するため、その側面を離れてベアリング9の方向へ飛散する潤滑油は、多くはないと考えられる。さらに、駆動用の歯車8の歯面に付着した潤滑油が歯車7,8の噛み合い時に行き場を失って両歯車7,8の側面方向に飛散することによりベアリング9に供給される可能性は高いが、その絶対量は、それほど多くはない。こうしたことから、従来例の自走式の建設機械の減速装置では、潤滑油がピニオン歯車支持用のベアリング9に常時安定して供給されるとは限らず、ベアリング9への潤滑不足が生じる危険性がある。
【0015】
こうした問題に対応して、従来は、潤滑が正常に行われたときに要する規定のベアリングの負荷容量(ベアリングが受けられる荷重)よりも大きい負荷容量のベアリングをピニオン歯車支持用のベアリング9に用いてこのベアリング9の耐用年数が設定値に達するように設計していた。しかしながら、こうした対応策を講じたとしても、潤滑不足により、潤滑油の流れがベアリング9内に十分に生じないと、ベアリング9への異物の浸入時に、その異物を潤滑油によりベアリング9の内部から速やかに排出することができなくなる。その結果、ベアリング9が異物により損傷されて、ベアリング9を設定した耐用年数に達する前に交換しなければならなくなる危惧もある。また、負荷容量の大きいベアリングを使用すること自体、製作コストの増加をもたらして経済的ではない。
【0016】
本発明は、こうした問題を解消するために創作されたものあり、その技術課題は、ピニオン歯車支持用のベアリングに潤滑油を従来よりも安定して供給することができる建設機械の減速装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記の技術課題は、
遊星歯車減速機構と、この遊星歯車減速機構と回転軸心を同じくして遊星歯車減速機構の入力軸を回転駆動する駆動用の歯車と、下端が遊星歯車減速機構の回転軸心よりも高い位置に配置され駆動用の歯車と噛み合ってモータの回転を駆動用の歯車に伝達するピニオン歯車と、このピニオン歯車を支持するピニオン歯車支持用のベアリングと、これら遊星歯車減速機構、駆動用の歯車、ピニオン歯車及びピニオン歯車支持用のベアリングを囲み潤滑油を貯溜するケーシングとを備え、遊星歯車減速機構の回転により下部走行体を走行させる建設機械の減速装置において、
駆動用の歯車の歯幅をピニオン歯車の歯幅よりも広くするように構成したことにより達成される。
【0018】
本発明の建設機械の減速装置では、このように駆動用の歯車の歯幅をピニオン歯車の歯幅よりも広くするように構成しているので、駆動用の歯車の回転時に、ケーシング内の油面付近の潤滑油を、駆動用の歯車の歯幅の広い歯面で跳ね上げたり、その歯幅の広い歯面に付着させて同歯車の回転時の遠心力により上方に振り飛ばしたりすることができて、従来よりも多量の潤滑油を上方に運ぶことができる。その結果、潤滑油がピニオン歯車支持用のベアリングに供給される機会を従来よりも増加することができる。また、駆動用の歯車の歯幅をピニオン歯車の歯幅よりも広くしているので、駆動用の歯車の歯面には、ピニオン歯車と噛み合っていない余裕分があり、上方に運ばれた潤滑油のうち、少なくともその余裕分の歯面で捕捉された潤滑油は、従来のようにピニオン歯車の回転時の遠心力により下方へ跳ね返されるようなことはない。そのため、潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリングに従来よりも活発に供給することができる。
【0019】
さらに、駆動用の歯車の歯面には、前記のようにピニオン歯車と噛み合っていない余裕分があるので、駆動用の歯車の歯面に付着した潤滑油が同歯車とピニオン歯車の噛み合い時に行き場を失って両歯車の側面方向に飛散する場合でも、潤滑油は、駆動用の歯車の余裕分の歯面上に乗って同歯車の遠心力により上方に振り飛ばされてピニオン歯車支持用のベアリングの方向に飛散することとなる。本発明の建設機械の減速装置では、このことによっても、潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリングに従来よりも活発に供給することができる。以上の結果、本発明の建設機械の減速装置によれば、ピニオン歯車支持用のベアリングに潤滑油を従来よりも安定して供給することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを示す具体化例を図1及び図2に基づいて説明することにより、本発明の実施の形態を明らかにする。図1は、本発明の具体化例に係る建設機械の減速装置の要部の拡大断面図、図2は、図1の建設機械の減速装置の変形例に関する要部の拡大断面図である。図1及び図2において既述の図3及び図4と同一の符号を付けた部分は、これらの図と同等の部分を表すので、詳述しない。
【0021】
本発明の具体化例に係る建設機械の減速装置は、図3や図4に図示の従来の建設機械の減速装置と同様、2段遊星歯車減速機構による遊星歯車減速機構3と、駆動用歯車支持用のベアリング10で支持され、遊星歯車減速機構3と回転軸心を同じくして遊星歯車減速機構3のシャフト11を回転駆動する駆動用の歯車22と、下端が遊星歯車減速機構3の回転軸心よりも高い位置に配置され駆動用の歯車22と噛み合って走行用の油圧モータ1の回転を出力軸1aを介して同歯車22に伝達するピニオン歯車21と、このピニオン歯車21を支持するピニオン歯車支持用のベアリング9と、ベアリング9,10を含む平行軸歯車の減速機構2及び遊星歯車減速機構3を囲み潤滑油を貯溜するケーシング12とを備え、遊星歯車減速機構3の回転により下部走行体を走行させる装置であり、基本的な構造は、従来の建設機械の減速装置と変わらない。
【0022】
図1及び図2において、21は走行用の油圧モータ1の出力軸1aとスプライン結合され駆動用の歯車22と噛み合って油圧モータ1の回転を同歯車22に伝達するピニオン歯車7と同様のピニオン歯車、22は遊星歯車減速機構3のシャフト11のスプライン部11aにスプライン結合され同シャフト11を回転駆動する歯車8と同様の駆動用の歯車、23は同じく遊星歯車減速機構3のシャフト11を回転駆動する歯車8と同様の駆動用の歯車である。
【0023】
従来の建設機械の減速装置においては、ピニオン歯車7と駆動用の歯車8との歯幅を等しく形成しているのに対し、図1及び図2に示す建設機械の減速装置では、駆動用の歯車22,23の歯幅をピニオン歯車21の歯幅よりも広くするように構成しており、この点に本発明の最大の特徴がある。これらの建設機械の減速装置では、このように駆動用の歯車22,23の歯幅をピニオン歯車21の歯幅よりも広くしているので、駆動用の歯車22,23の歯面には、ピニオン歯車21と噛み合っていない余裕分22a,23aがあり、駆動用の歯車22,23の回転時に上方に運ばれた潤滑油は、この余裕分22a,23aの歯面で捕捉することができる。図1及び図2の何れの例も、基本的な作用は変わらないので、ここでは、図1の例により本発明の作用を説明する。
【0024】
図1の建設機械の減速装置では、前記のように駆動用の歯車22の歯幅をピニオン歯車21の歯幅よりも広くするように構成しているので、駆動用の歯車22の回転時に、ケーシング12内の油面付近の潤滑油を、駆動用の歯車22の歯幅の広い歯面で跳ね上げたり、その歯幅の広い歯面に付着させて同歯車22の回転時の遠心力により上方に振り飛ばしたりすることができて、従来よりも多量の潤滑油を上方に運ぶことができる。その結果、潤滑油がピニオン歯車支持用のベアリング9に供給される機会を従来よりも増加することができる。また、駆動用の歯車22の歯幅をピニオン歯車21の歯幅よりも広くしているので、駆動用の歯車22の歯面には、ピニオン歯車21と噛み合っていない余裕分22aがあり、上方に運ばれた潤滑油のうち、少なくともその余裕分22aの歯面で捕捉された潤滑油は、従来のようにピニオン歯車21の回転時の遠心力により下方へ跳ね返されるようなことはない。そのため、潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリング9に従来よりも活発に供給することができる。
【0025】
さらに、駆動用の歯車22の歯面には、前記のようにピニオン歯車21と噛み合っていない余裕分があるので、駆動用の歯車22の歯面に付着した潤滑油が同歯車22とピニオン歯車21の噛み合い時に行き場を失って両歯車21,22の側面方向に飛散する場合でも、潤滑油は、駆動用の歯車22の余裕分22aの歯面上に乗って同歯車22の遠心力により上方に振り飛ばされてピニオン歯車支持用のベアリング9の方向に飛散することとなる。この建設機械の減速装置では、このことによっても、潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリング9に従来よりも活発に供給することができる。こうしたことから、この建設機械の減速装置によれば、ピニオン歯車支持用のベアリング9に潤滑油を従来よりも安定して供給することができる。
【0026】
その結果、従来のように規定のベアリングの負荷容量よりも大きい負荷容量のベアリングをピニオン歯車支持用のベアリング9に用いるようなことはしなくても、そのベアリング9の耐用年数を規定の値にすることができる。そのため、従来よりも負荷容量の小さいベアリングをピニオン歯車支持用のベアリング9として用いることができるとともに、使用可能なベアリングの種類も増加して減速装置の製作時の設計上の自由度も増加し、ひいては、減速装置の製作コストを従来よりも低減することができる。
【0027】
この建設機械の減速装置では、前記のようにピニオン歯車支持用のベアリング9に潤滑油を従来よりも安定して供給することができるため、ピニオン歯車支持用のベアリング9に異物が浸入しても、従来とは異なり、その異物を潤滑油により速やかに排出することができて、同ベアリング9が異物により損傷される危険性を従来よりも低くすることができる。
【0028】
また、従来は、ピニオン歯車支持用のベアリング9にできるだけ多くの潤滑油を供給できるようにするため、遊星歯車減速機構3の回転軸心よりもかなり高いレベルまで、ケーシング12内に潤滑油を貯留するようにしていたが、この建設機械の減速装置では、ピニオン歯車支持用のベアリング9に潤滑油を安定して供給することができるため、ケーシング12内に貯留する潤滑油のレベルを遊星歯車減速機構3の回転軸心付近にまで下げることも可能となる。その結果、ケーシング12内に初期充填する潤滑油の充填量や定期交換により充填する潤滑油の充填量を少なからず低減することができる。ちなみに、550t油圧ショベルの減速装置では、ケーシング12内の潤滑油のレベルを遊星歯車減速機構3の回転軸心付近にまで下げた場合に、ケーシング12への潤滑油の一回の充填量を従来よりも50リットル程度節減することができる。
【0029】
次に、図2に示す建設機械の減速装置の特徴的な構造について説明する。図1の例において、駆動用の歯車22の側面に付着した潤滑油は、図1に矢印aで示すように同歯車22の側面に沿って上方に移動するが、この図2の例は、特に、駆動用の歯車23の側面に、同歯車23の側面に沿って移動する潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリング9の方向に向けることができる潤滑油の案内手段を設けており、この点で図1の例と異なるだけであって、その他の点では、図1の例と変わらない。ここに示す例では、こうした潤滑油の案内手段を設けるため、駆動用の歯車23の両側面に、潤滑油をベアリング9の方向に導くことが可能なガイド面23cを有する段差23bを設けている。
【0030】
図2に示す建設機械の減速装置では、このように、潤滑油の案内手段としての段差23bを駆動用の歯車23の両側面に設けているので、図1の減速装置と同様の作用効果を奏することに加え、駆動用の歯車23の側面に付着した潤滑油が同歯車23の回転時の遠心力により同側面に沿って上方に移動する際に、その上方に移動する潤滑油を段差23bによりピニオン歯車支持用のベアリング9の方向に向けることができる。そのため、駆動用の歯車23の側面に付着した潤滑油もピニオン歯車支持用のベアリング9に無駄なく供給することができて、潤滑油を同ベアリング9に従来よりも一層安定して供給することができる。
【0031】
図2の例では、潤滑油の案内手段を、駆動用の歯車23の側面に段差23bを形成することにより設けているが、図1の例において駆動用の歯車22とは別体の突起物を同歯車22の側面に取り付けることにより設けるようにしてもよい。すなわち、潤滑油をベアリング9の方向に導くことが可能な図2に示すようなガイド面23cを有する突起状の部材を、図1に図示の駆動用の歯車22の両側面に取り付けてもよい。本発明において採用する潤滑油の案内手段は、要は、駆動用の歯車22,23の側面に沿って移動する潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリング9の方向に向けることができる手段であれば、その構造は問わない。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の建設機械の減速装置は、特に、「駆動用の歯車の歯幅をピニオン歯車の歯幅よりも広くするように構成した」ので、ピニオン歯車支持用のベアリングに潤滑油を従来よりも安定して供給することができる。その結果、従来のように規定のベアリングの負荷容量よりも大きい負荷容量のベアリングをピニオン歯車支持用のベアリングに用いるようなことはしなくても、そのベアリングの耐用年数を規定の値にすることができる。そのため、従来よりも負荷容量の小さいベアリングをピニオン歯車支持用のベアリングとして用いることができるとともに、使用可能なベアリングの種類も増加して減速装置の製作時の設計上の自由度も増加し、ひいては、減速装置の製作コストを従来よりも低減することができる。
【0033】
本発明の建設機械の減速装置では、前記のようにピニオン歯車支持用のベアリングに潤滑油を従来よりも安定して供給することができるため、ピニオン歯車支持用のベアリングに異物が浸入しても、その異物を潤滑油により速やかに排出することができて、同ベアリングが異物により損傷される危険性を従来よりも低くすることができる。また、従来は、ピニオン歯車支持用のベアリングにできるだけ多くの潤滑油を供給できるようにするため、遊星歯車減速機構の回転軸心よりもかなり高いレベルまで、ケーシング内に潤滑油を貯留するようにしていたが、本発明の建設機械の減速装置では、ピニオン歯車支持用のベアリングに潤滑油を安定して供給することができるため、ケーシング内に貯留する潤滑油のレベルを遊星歯車減速機構の回転軸心付近にまで下げることも可能となる。その結果、ケーシング内に初期充填する潤滑油の充填量や定期交換により充填する潤滑油の充填量を少なからず低減することができる。
【0034】
本発明を具体化する場合、特に、特許請求の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、以上の効果を奏することに加え、駆動用の歯車の側面に付着した潤滑油が同歯車の回転時の遠心力により同側面に沿って上方に移動する際に、その上方に移動する潤滑油を潤滑油の案内手段によりピニオン歯車支持用のベアリングの方向に向けることができる。そのため、駆動用の歯車の側面に付着した潤滑油もピニオン歯車支持用のベアリングに無駄なく供給することができて、潤滑油を同ベアリングに従来よりも一層安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体化例に係る建設機械の減速装置の要部の拡大断面図である。
【図2】図1の建設機械の減速装置の変形例に関する要部の拡大断面図である。
【図3】従来の建設機械の減速装置及びその周辺部を示す断面図である。
【図4】建設機械の減速装置の要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 走行用の油圧モータ1
1a (走行用の油圧モータ1の)出力軸
2 平行軸歯車の減速機構
3 遊星歯車減速機構
4 (遊星歯車減速機構3の)出力軸
5 タンブラ
6 履帯
7,21 ピニオン歯車
8,22 駆動用の歯車
9 ピニオン歯車支持用のベアリング
10 駆動用歯車支持用のベアリング
11 (遊星歯車減速機構3の)シャフト
12 ケーシング
23b 段差
S1 (2段遊星歯車減速機構による)減速機の1段目のサンギア
P1 同減速機の1段目のプラネタリギア
R1 同減速機の1段目のリングギア
C1 同減速機の1段目のキャリア
S2 同減速機の2段目のサンギア
P2 同減速機の2段目のプラネタリギア
C2 同減速機の2段目のキャリア
R2 同減速機の2段目のリングギア
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の自走式の建設機械に使用され、走行用のモータの回転を遊星歯車減速機構等により下部走行体に減速して伝達して、これを走行させる建設機械の減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル、クレーン、ホイールショベル等の自走式の建設機械では、走行用のモータの回転を減速装置で減速することにより高トルクの回転を下部走行体に伝達して下部走行体を走行させる。下部走行体としては、履帯(クローラベルトやキャタピラ)で走行するクローラ式、下部架台にタイヤの付いた走行車軸を装備したホイール式、下部走行体にトラックシャシーをそのまま使用したトラック式等種々のタイプが知られている。
【0003】
こうした自走式の建設機械においては、走行用のモータの回転を減速するのに遊星歯車減速機構を設けている。そして、通常の自走式の建設機械では、走行用のモータをこの遊星歯車減速機構の入力軸と対向する位置に設置してこの入力軸を走行用のモータで直接回転駆動するようにしている。しかしながら、180tクラス以上の大型の自走式の建設機械になると、走行用のモータを遊星歯車減速機構の回転中心よりもかなり高い位置に設置して、走行用のモータの出力軸と同軸のピニオン歯車と遊星歯車減速機構の入力軸と同軸の歯車とからなる平行軸歯車の減速機構を介して、走行用のモータの回転を遊星歯車減速機構の入力軸に伝達するように構成されたものが製作されている。本発明は、このように構成された大型の自走式の建設機械の減速装置を改良しようとするものである。
【0004】
そこで、その改良点を容易に理解できるようにするため、従来の建設機械の減速装置の技術内容を図3及び図4に基づいて概説する。図3は、従来の建設機械の減速装置及びその周辺部を示す断面図、図4は、図3の建設機械の減速装置の要部の拡大断面図である。
【0005】
これらの図において、1は下部走行体を走行させるための動力源となる走行用の油圧モータ、2は走行用の油圧モータ1の出力軸1aと同軸のピニオン歯車7と遊星歯車減速機構3のシャフト11と同軸の駆動用の歯車8とからなる平行軸歯車の減速機構、3はこの平行軸歯車の減速機構2により減速された走行用の油圧モータ1の回転を更に減速する遊星歯車減速機構、4はこの遊星歯車減速機構3の出力軸、5はこの出力軸4の回転が伝達され履帯6を駆動するタンブラ、6は下部走行体を構成するエンドレスチェーン状の履帯(キャタピラ)、7は駆動用の歯車8と噛み合って走行用の油圧モータ1の回転を駆動用の歯車8に伝達するピニオン歯車、8は遊星歯車減速機構3のシャフト11のスプライン部11aにスプライン結合され同シャフト11を回転駆動する駆動用の歯車、9はピニオン歯車7を支持するピニオン歯車支持用のベアリング、10は駆動用の歯車8を支持する駆動用歯車支持用のベアリング、11は遊星歯車減速機構3の入力軸としてのシャフト、12は遊星歯車減速機構3、ピニオン歯車7、駆動用の歯車8及びベアリング9,10を囲むケーシングである。
【0006】
遊星歯車減速機構3は、ここに示す例では2段遊星歯車減速機構であり、その構造については後述する。ピニオン歯車7は、走行用の油圧モータ1の出力軸1aとスプラインにより結合されている。駆動用の歯車8は、遊星歯車減速機構3と回転軸心を同じくして配置されるため、ピニオン歯車7は、下端が遊星歯車減速機構3の回転軸心よりも高い位置に配置されるが、ここではケーシング12の頂部付近に取り付けられている。これらピニオン歯車7と駆動用の歯車8とは、通例に従って歯幅を等しく形成している。また、ピニオン歯車支持用のベアリング9は、ピニオン歯車7の軸支部の同一外周面上に最低2個設ける。
【0007】
ケーシング12内には、平行軸歯車の減速機構2や遊星歯車減速機構3における種々のベアリング等の摺動部を潤滑するための潤滑油を貯溜する。ところで、ケーシング12内に潤滑油を充填する場合、平行軸歯車の減速機構2を設けていない通常の自走式の建設機械では、少なくとも、遊星歯車減速機構3の回転軸心のレベルまで潤滑油を貯溜すれば、遊星歯車減速機構3が回転することにより、その回転軸心より上方の遊星歯車減速機構3の摺動部にも潤滑油を直接的に供給することができる。これに対し、平行軸歯車の減速機構2を設けたこの従来例の大型の自走式の建設機械では、遊星歯車減速機構3や駆動用の歯車8に関する限り、同様にして全ての摺動部に潤滑油を供給することができるものの、ピニオン歯車支持用のベアリング9の部位には、潤滑油を直接的に供給することができない。そのため、同ベアリング9には、駆動用の歯車8の回転により潤滑油を跳ねあげるようにして供給する方法が採られているが、その場合、潤滑油ができるだけ上方に跳ねあげられるようにするため、潤滑油を図3に示すように遊星歯車減速機構の回転軸心よりも高いレベルまで貯留するようにしていた。
【0008】
次に、遊星歯車減速機構3の構造を図3に基づいて概説する。
【0009】
S1 は駆動用の歯車8で駆動されるシャフト11に取り付けられた原動歯車としての2段遊星歯車減速機構の1段目のサンギア、P1 は同減速機構の1段目のキャリアC1 に回転可能に軸着されサンギアS1 と噛み合う従動歯車としての2段遊星歯車減速機構の1段目のプラネタリギア、R1 はケーシング12の内周部に形成されてリング状の内歯をなしプラネタリギアP1 と噛み合う2段遊星歯車減速機構の1段目のリングギア、C1 は2段遊星歯車減速機構の1段目の減速された回転が出力されるキャリア、S2 は1段目のキャリアC1 の回転が伝達される2段遊星歯車減速機構の2段目のサンギア、P2 はプラネタリギアP1 と同様の2段遊星歯車減速機構の2段目のプラネタリギア、R2 はリングギアR1 と同様の2段遊星歯車減速機構の2段目のリングギア、C2 は出力軸4に連結したキャリアC1 と同様の2段遊星歯車減速機構の2段目のキャリアである。
【0010】
従来例の自走式の建設機械の減速装置は、以上述べたベアリング9,10を含む平行軸歯車の減速機構2と遊星歯車減速機構3とを設けて構成されている。このような減速装置において、走行用の油圧モータ1を回転駆動すると、その回転が出力軸1aを通じて平行軸歯車の減速機構2におけるピニオン歯車7に伝達され、同減速機構2により減速される。その結果、遊星歯車減速機構3のシャフト11が減速機構2における駆動用の歯車8により減速されて回転駆動され、1段目のサンギアS1 が回転する。
【0011】
こうして1段目のサンギアS1 が回転すると、このサンギアS1 と噛み合っている1段目のプラネタリギアP1 も回転する。このプラネタリギアP1 は、1段目のリングギアR1 とも噛み合っているため、サンギアS1 の周りを自転しながら公転する。また、プラネタリギアP1 は、キャリアC1 に回転可能に軸着されているため、このプラネタリギアP1 の公転は、キャリアC1 に伝達されて、キャリアC1 がサンギアS1 の回転速度よりも減速さた速度で回転する。次いで、このキャリアC1 の回転は、2段目のサンギアS2 に伝達されて2段目のプラネタリギアP2 も回転し、以下、1段目の遊星歯車減速機構と同様のメカニズムにより2段目の遊星歯車減速機構により更に減速されて2段目のキャリアC2 が回転する。この2段目のキャリアC2 の回転は、最終的には出力軸4を介してタンブラ5に伝達され、履帯6を駆動する。こうして走行用の油圧モータ1の回転を減速することにより高トルクの回転を履帯6に伝達することができる。
【0012】
こうして減速装置を駆動する間、遊星歯車減速機構3や平行軸歯車の減速機構2の摺動部をケーシング12内の潤滑油により潤滑する必要があるが、特に、ピニオン歯車7を支持するピニオン歯車支持用のベアリング9に対しては、ピニオン歯車7の下端がケーシング12内の潤滑油の油面よりも高い位置にあるため、潤滑油を直接的に供給することができない。そのため、このピニオン歯車支持用のベアリング9については、駆動用の歯車8の回転時に、油面付近の潤滑油を同歯車8の歯面で掻き上げるように跳ね上げたり、駆動用の歯車8の歯面や側面に付着した潤滑油を同歯車8の遠心力で上方に振り飛ばしたりすることにより、潤滑油を上方に飛散させて間接的に供給することを予定して潤滑していた。また、潤滑量は僅かであるが、駆動用の歯車8の歯面に付着した潤滑油が歯車7,8の噛み合い時に行き場を失って両歯車7,8の側面方向に飛散し、この飛散した潤滑油によりベアリング9が潤滑されることも見込んでいた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ピニオン歯車7と駆動用の歯車8の歯幅は、前述したように等しく形成されているので、駆動用の歯車8の歯面で跳ね上げられたり、同歯車8の歯面に付着した潤滑油が遠心力で振り飛ばされたりすることにより上方へ運ばれる潤滑油は、大部分、ピニオン歯車7の歯幅の範囲内の領域で捕捉される。そのため、この捕捉された潤滑油は、歯車7,8同士の噛み合い回転時にピニオン歯車7の遠心力により逆に下方へ跳ね返されるものも少なくない。そして、下方へ跳ね返される潤滑油の量は、その時時の状況によって変化するため、ピニオン歯車支持用のベアリング9の方向へ直接飛散する潤滑油の量は変動し、必ずしも多くはないと考えられる。
【0014】
また、駆動用の歯車8の側面に付着した潤滑油は、図4の矢印aに示すように同歯車8の側面に沿って上方に移動するため、その側面を離れてベアリング9の方向へ飛散する潤滑油は、多くはないと考えられる。さらに、駆動用の歯車8の歯面に付着した潤滑油が歯車7,8の噛み合い時に行き場を失って両歯車7,8の側面方向に飛散することによりベアリング9に供給される可能性は高いが、その絶対量は、それほど多くはない。こうしたことから、従来例の自走式の建設機械の減速装置では、潤滑油がピニオン歯車支持用のベアリング9に常時安定して供給されるとは限らず、ベアリング9への潤滑不足が生じる危険性がある。
【0015】
こうした問題に対応して、従来は、潤滑が正常に行われたときに要する規定のベアリングの負荷容量(ベアリングが受けられる荷重)よりも大きい負荷容量のベアリングをピニオン歯車支持用のベアリング9に用いてこのベアリング9の耐用年数が設定値に達するように設計していた。しかしながら、こうした対応策を講じたとしても、潤滑不足により、潤滑油の流れがベアリング9内に十分に生じないと、ベアリング9への異物の浸入時に、その異物を潤滑油によりベアリング9の内部から速やかに排出することができなくなる。その結果、ベアリング9が異物により損傷されて、ベアリング9を設定した耐用年数に達する前に交換しなければならなくなる危惧もある。また、負荷容量の大きいベアリングを使用すること自体、製作コストの増加をもたらして経済的ではない。
【0016】
本発明は、こうした問題を解消するために創作されたものあり、その技術課題は、ピニオン歯車支持用のベアリングに潤滑油を従来よりも安定して供給することができる建設機械の減速装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記の技術課題は、
遊星歯車減速機構と、この遊星歯車減速機構と回転軸心を同じくして遊星歯車減速機構の入力軸を回転駆動する駆動用の歯車と、下端が遊星歯車減速機構の回転軸心よりも高い位置に配置され駆動用の歯車と噛み合ってモータの回転を駆動用の歯車に伝達するピニオン歯車と、このピニオン歯車を支持するピニオン歯車支持用のベアリングと、これら遊星歯車減速機構、駆動用の歯車、ピニオン歯車及びピニオン歯車支持用のベアリングを囲み潤滑油を貯溜するケーシングとを備え、遊星歯車減速機構の回転により下部走行体を走行させる建設機械の減速装置において、
駆動用の歯車の歯幅をピニオン歯車の歯幅よりも広くするように構成したことにより達成される。
【0018】
本発明の建設機械の減速装置では、このように駆動用の歯車の歯幅をピニオン歯車の歯幅よりも広くするように構成しているので、駆動用の歯車の回転時に、ケーシング内の油面付近の潤滑油を、駆動用の歯車の歯幅の広い歯面で跳ね上げたり、その歯幅の広い歯面に付着させて同歯車の回転時の遠心力により上方に振り飛ばしたりすることができて、従来よりも多量の潤滑油を上方に運ぶことができる。その結果、潤滑油がピニオン歯車支持用のベアリングに供給される機会を従来よりも増加することができる。また、駆動用の歯車の歯幅をピニオン歯車の歯幅よりも広くしているので、駆動用の歯車の歯面には、ピニオン歯車と噛み合っていない余裕分があり、上方に運ばれた潤滑油のうち、少なくともその余裕分の歯面で捕捉された潤滑油は、従来のようにピニオン歯車の回転時の遠心力により下方へ跳ね返されるようなことはない。そのため、潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリングに従来よりも活発に供給することができる。
【0019】
さらに、駆動用の歯車の歯面には、前記のようにピニオン歯車と噛み合っていない余裕分があるので、駆動用の歯車の歯面に付着した潤滑油が同歯車とピニオン歯車の噛み合い時に行き場を失って両歯車の側面方向に飛散する場合でも、潤滑油は、駆動用の歯車の余裕分の歯面上に乗って同歯車の遠心力により上方に振り飛ばされてピニオン歯車支持用のベアリングの方向に飛散することとなる。本発明の建設機械の減速装置では、このことによっても、潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリングに従来よりも活発に供給することができる。以上の結果、本発明の建設機械の減速装置によれば、ピニオン歯車支持用のベアリングに潤滑油を従来よりも安定して供給することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを示す具体化例を図1及び図2に基づいて説明することにより、本発明の実施の形態を明らかにする。図1は、本発明の具体化例に係る建設機械の減速装置の要部の拡大断面図、図2は、図1の建設機械の減速装置の変形例に関する要部の拡大断面図である。図1及び図2において既述の図3及び図4と同一の符号を付けた部分は、これらの図と同等の部分を表すので、詳述しない。
【0021】
本発明の具体化例に係る建設機械の減速装置は、図3や図4に図示の従来の建設機械の減速装置と同様、2段遊星歯車減速機構による遊星歯車減速機構3と、駆動用歯車支持用のベアリング10で支持され、遊星歯車減速機構3と回転軸心を同じくして遊星歯車減速機構3のシャフト11を回転駆動する駆動用の歯車22と、下端が遊星歯車減速機構3の回転軸心よりも高い位置に配置され駆動用の歯車22と噛み合って走行用の油圧モータ1の回転を出力軸1aを介して同歯車22に伝達するピニオン歯車21と、このピニオン歯車21を支持するピニオン歯車支持用のベアリング9と、ベアリング9,10を含む平行軸歯車の減速機構2及び遊星歯車減速機構3を囲み潤滑油を貯溜するケーシング12とを備え、遊星歯車減速機構3の回転により下部走行体を走行させる装置であり、基本的な構造は、従来の建設機械の減速装置と変わらない。
【0022】
図1及び図2において、21は走行用の油圧モータ1の出力軸1aとスプライン結合され駆動用の歯車22と噛み合って油圧モータ1の回転を同歯車22に伝達するピニオン歯車7と同様のピニオン歯車、22は遊星歯車減速機構3のシャフト11のスプライン部11aにスプライン結合され同シャフト11を回転駆動する歯車8と同様の駆動用の歯車、23は同じく遊星歯車減速機構3のシャフト11を回転駆動する歯車8と同様の駆動用の歯車である。
【0023】
従来の建設機械の減速装置においては、ピニオン歯車7と駆動用の歯車8との歯幅を等しく形成しているのに対し、図1及び図2に示す建設機械の減速装置では、駆動用の歯車22,23の歯幅をピニオン歯車21の歯幅よりも広くするように構成しており、この点に本発明の最大の特徴がある。これらの建設機械の減速装置では、このように駆動用の歯車22,23の歯幅をピニオン歯車21の歯幅よりも広くしているので、駆動用の歯車22,23の歯面には、ピニオン歯車21と噛み合っていない余裕分22a,23aがあり、駆動用の歯車22,23の回転時に上方に運ばれた潤滑油は、この余裕分22a,23aの歯面で捕捉することができる。図1及び図2の何れの例も、基本的な作用は変わらないので、ここでは、図1の例により本発明の作用を説明する。
【0024】
図1の建設機械の減速装置では、前記のように駆動用の歯車22の歯幅をピニオン歯車21の歯幅よりも広くするように構成しているので、駆動用の歯車22の回転時に、ケーシング12内の油面付近の潤滑油を、駆動用の歯車22の歯幅の広い歯面で跳ね上げたり、その歯幅の広い歯面に付着させて同歯車22の回転時の遠心力により上方に振り飛ばしたりすることができて、従来よりも多量の潤滑油を上方に運ぶことができる。その結果、潤滑油がピニオン歯車支持用のベアリング9に供給される機会を従来よりも増加することができる。また、駆動用の歯車22の歯幅をピニオン歯車21の歯幅よりも広くしているので、駆動用の歯車22の歯面には、ピニオン歯車21と噛み合っていない余裕分22aがあり、上方に運ばれた潤滑油のうち、少なくともその余裕分22aの歯面で捕捉された潤滑油は、従来のようにピニオン歯車21の回転時の遠心力により下方へ跳ね返されるようなことはない。そのため、潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリング9に従来よりも活発に供給することができる。
【0025】
さらに、駆動用の歯車22の歯面には、前記のようにピニオン歯車21と噛み合っていない余裕分があるので、駆動用の歯車22の歯面に付着した潤滑油が同歯車22とピニオン歯車21の噛み合い時に行き場を失って両歯車21,22の側面方向に飛散する場合でも、潤滑油は、駆動用の歯車22の余裕分22aの歯面上に乗って同歯車22の遠心力により上方に振り飛ばされてピニオン歯車支持用のベアリング9の方向に飛散することとなる。この建設機械の減速装置では、このことによっても、潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリング9に従来よりも活発に供給することができる。こうしたことから、この建設機械の減速装置によれば、ピニオン歯車支持用のベアリング9に潤滑油を従来よりも安定して供給することができる。
【0026】
その結果、従来のように規定のベアリングの負荷容量よりも大きい負荷容量のベアリングをピニオン歯車支持用のベアリング9に用いるようなことはしなくても、そのベアリング9の耐用年数を規定の値にすることができる。そのため、従来よりも負荷容量の小さいベアリングをピニオン歯車支持用のベアリング9として用いることができるとともに、使用可能なベアリングの種類も増加して減速装置の製作時の設計上の自由度も増加し、ひいては、減速装置の製作コストを従来よりも低減することができる。
【0027】
この建設機械の減速装置では、前記のようにピニオン歯車支持用のベアリング9に潤滑油を従来よりも安定して供給することができるため、ピニオン歯車支持用のベアリング9に異物が浸入しても、従来とは異なり、その異物を潤滑油により速やかに排出することができて、同ベアリング9が異物により損傷される危険性を従来よりも低くすることができる。
【0028】
また、従来は、ピニオン歯車支持用のベアリング9にできるだけ多くの潤滑油を供給できるようにするため、遊星歯車減速機構3の回転軸心よりもかなり高いレベルまで、ケーシング12内に潤滑油を貯留するようにしていたが、この建設機械の減速装置では、ピニオン歯車支持用のベアリング9に潤滑油を安定して供給することができるため、ケーシング12内に貯留する潤滑油のレベルを遊星歯車減速機構3の回転軸心付近にまで下げることも可能となる。その結果、ケーシング12内に初期充填する潤滑油の充填量や定期交換により充填する潤滑油の充填量を少なからず低減することができる。ちなみに、550t油圧ショベルの減速装置では、ケーシング12内の潤滑油のレベルを遊星歯車減速機構3の回転軸心付近にまで下げた場合に、ケーシング12への潤滑油の一回の充填量を従来よりも50リットル程度節減することができる。
【0029】
次に、図2に示す建設機械の減速装置の特徴的な構造について説明する。図1の例において、駆動用の歯車22の側面に付着した潤滑油は、図1に矢印aで示すように同歯車22の側面に沿って上方に移動するが、この図2の例は、特に、駆動用の歯車23の側面に、同歯車23の側面に沿って移動する潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリング9の方向に向けることができる潤滑油の案内手段を設けており、この点で図1の例と異なるだけであって、その他の点では、図1の例と変わらない。ここに示す例では、こうした潤滑油の案内手段を設けるため、駆動用の歯車23の両側面に、潤滑油をベアリング9の方向に導くことが可能なガイド面23cを有する段差23bを設けている。
【0030】
図2に示す建設機械の減速装置では、このように、潤滑油の案内手段としての段差23bを駆動用の歯車23の両側面に設けているので、図1の減速装置と同様の作用効果を奏することに加え、駆動用の歯車23の側面に付着した潤滑油が同歯車23の回転時の遠心力により同側面に沿って上方に移動する際に、その上方に移動する潤滑油を段差23bによりピニオン歯車支持用のベアリング9の方向に向けることができる。そのため、駆動用の歯車23の側面に付着した潤滑油もピニオン歯車支持用のベアリング9に無駄なく供給することができて、潤滑油を同ベアリング9に従来よりも一層安定して供給することができる。
【0031】
図2の例では、潤滑油の案内手段を、駆動用の歯車23の側面に段差23bを形成することにより設けているが、図1の例において駆動用の歯車22とは別体の突起物を同歯車22の側面に取り付けることにより設けるようにしてもよい。すなわち、潤滑油をベアリング9の方向に導くことが可能な図2に示すようなガイド面23cを有する突起状の部材を、図1に図示の駆動用の歯車22の両側面に取り付けてもよい。本発明において採用する潤滑油の案内手段は、要は、駆動用の歯車22,23の側面に沿って移動する潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリング9の方向に向けることができる手段であれば、その構造は問わない。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の建設機械の減速装置は、特に、「駆動用の歯車の歯幅をピニオン歯車の歯幅よりも広くするように構成した」ので、ピニオン歯車支持用のベアリングに潤滑油を従来よりも安定して供給することができる。その結果、従来のように規定のベアリングの負荷容量よりも大きい負荷容量のベアリングをピニオン歯車支持用のベアリングに用いるようなことはしなくても、そのベアリングの耐用年数を規定の値にすることができる。そのため、従来よりも負荷容量の小さいベアリングをピニオン歯車支持用のベアリングとして用いることができるとともに、使用可能なベアリングの種類も増加して減速装置の製作時の設計上の自由度も増加し、ひいては、減速装置の製作コストを従来よりも低減することができる。
【0033】
本発明の建設機械の減速装置では、前記のようにピニオン歯車支持用のベアリングに潤滑油を従来よりも安定して供給することができるため、ピニオン歯車支持用のベアリングに異物が浸入しても、その異物を潤滑油により速やかに排出することができて、同ベアリングが異物により損傷される危険性を従来よりも低くすることができる。また、従来は、ピニオン歯車支持用のベアリングにできるだけ多くの潤滑油を供給できるようにするため、遊星歯車減速機構の回転軸心よりもかなり高いレベルまで、ケーシング内に潤滑油を貯留するようにしていたが、本発明の建設機械の減速装置では、ピニオン歯車支持用のベアリングに潤滑油を安定して供給することができるため、ケーシング内に貯留する潤滑油のレベルを遊星歯車減速機構の回転軸心付近にまで下げることも可能となる。その結果、ケーシング内に初期充填する潤滑油の充填量や定期交換により充填する潤滑油の充填量を少なからず低減することができる。
【0034】
本発明を具体化する場合、特に、特許請求の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、以上の効果を奏することに加え、駆動用の歯車の側面に付着した潤滑油が同歯車の回転時の遠心力により同側面に沿って上方に移動する際に、その上方に移動する潤滑油を潤滑油の案内手段によりピニオン歯車支持用のベアリングの方向に向けることができる。そのため、駆動用の歯車の側面に付着した潤滑油もピニオン歯車支持用のベアリングに無駄なく供給することができて、潤滑油を同ベアリングに従来よりも一層安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体化例に係る建設機械の減速装置の要部の拡大断面図である。
【図2】図1の建設機械の減速装置の変形例に関する要部の拡大断面図である。
【図3】従来の建設機械の減速装置及びその周辺部を示す断面図である。
【図4】建設機械の減速装置の要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 走行用の油圧モータ1
1a (走行用の油圧モータ1の)出力軸
2 平行軸歯車の減速機構
3 遊星歯車減速機構
4 (遊星歯車減速機構3の)出力軸
5 タンブラ
6 履帯
7,21 ピニオン歯車
8,22 駆動用の歯車
9 ピニオン歯車支持用のベアリング
10 駆動用歯車支持用のベアリング
11 (遊星歯車減速機構3の)シャフト
12 ケーシング
23b 段差
S1 (2段遊星歯車減速機構による)減速機の1段目のサンギア
P1 同減速機の1段目のプラネタリギア
R1 同減速機の1段目のリングギア
C1 同減速機の1段目のキャリア
S2 同減速機の2段目のサンギア
P2 同減速機の2段目のプラネタリギア
C2 同減速機の2段目のキャリア
R2 同減速機の2段目のリングギア
Claims (2)
- 遊星歯車減速機構と、この遊星歯車減速機構と回転軸心を同じくして遊星歯車減速機構の入力軸を回転駆動する駆動用の歯車と、下端が遊星歯車減速機構の回転軸心よりも高い位置に配置され駆動用の歯車と噛み合ってモータの回転を駆動用の歯車に伝達するピニオン歯車と、このピニオン歯車を支持するピニオン歯車支持用のベアリングと、これら遊星歯車減速機構、駆動用の歯車、ピニオン歯車及びピニオン歯車支持用のベアリングを囲み潤滑油を貯溜するケーシングとを備え、遊星歯車減速機構の回転により下部走行体を走行させる建設機械の減速装置において、駆動用の歯車の歯幅をピニオン歯車の歯幅よりも広くするように構成したことを特徴とする建設機械の減速装置。
- 請求項1に記載の建設機械の減速装置において、駆動用の歯車の側面に、同側面に沿って移動する潤滑油をピニオン歯車支持用のベアリングの方向に向けることができる潤滑油の案内手段を設けたことを特徴とする建設機械の減速装置。
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-
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