JP4896799B2 - 減速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブルドーザを含む建設機械等に搭載される減速装置に関する。
ブルドーザ等の装軌車両には、エンジンからの動力を、履帯等を回転させる走行装置に対して伝達するための複数のギアを含むトランスミッションや、終減速装置等の歯車式減速装置が搭載されている。
例えば、特許文献1には、ケース内に溜められたオイルを効果的にリバースアイドルギアとスラストワッシャとの間に供給するために、後退ギアに跳ね掛け部材を一体的に設けたフォークリフトのトランスミッションにおける潤滑装置について開示されている。
この構成では、後退ギアの回転に伴って、ケースの下部に溜まったオイル中に跳ね掛け部材を繰り返し浸漬、浮上させ、跳ね掛け部材に付着したオイルを周辺に飛ばしている。これにより、後進ギアの回転軸を中心とする円の接線方向に配置されたリバースアイドルギア、スラストワッシャ間へオイルを供給する。
特開昭62−194071号公報(昭和62年8月26日公開)
しかしながら、上記従来の潤滑装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された装置では、後進ギアに跳ね掛け部を形成し、後進ギアの回転の接線方向に配置されたリバースアイドルギア、スラストワッシャ間へオイルを供給している。しかし、ギアと同軸で配置された隣接するスプライン側に対しては、ギア側からオイルの供給を円滑に行うことができるとは言い難い。
特に、ギアの回転速度が低下する低速域(例えば、2.0km/hの走行速度)での作業が続くと、跳ね掛け部材に付着したオイルに働く遠心力が小さくなって、付着したオイルを周辺に十分に撒き散らすことが困難な状態となり、隣接するスプライン部においてオイル切れが発生するおそれがある。
本発明の課題は、ギアが低速回転する状態が続いた場合でも、ギアに隣接するスプライン部へのオイル供給を効率よく行うことが可能な減速装置を提供することにある。
第1の発明に係る減速装置は、ケース内に貯留された潤滑剤に対して駆動ギアの一部が浸漬された状態で、回転軸を中心として駆動ギアを回転させる減速装置であって、駆動ギアと、リングギアと、ケース部と、突出部と、を備えている。リングギアは、駆動ギアと同軸で回転するとともに回転軸方向において近接配置されており、外周部に複数の溝によって形成されるスプライン部を有する。ケース部は、駆動ギアおよびリングギアを内包し、潤滑剤を下部空間に貯留する。突出部は、駆動ギアの表面に形成されており、回転軸方向において駆動ギアの歯よりもスプライン部側に突出する。突出部は、潤滑剤の液面に浸かる際に液面に略平行な面を回転側に有している。
ここでは、回転軸方向において駆動ギアに対して近接配置されたスプライン部への潤滑剤の供給を、駆動ギアにおけるスプライン部側の表面に形成された突出部を用いて行う。
ここで、上記スプライン部は、上記駆動ギアと同軸で回転するリングギアを固定するためにリングギアの外周側に形成された複数の溝部が含まれる。また、突出部は、駆動ギアの歯幅よりもスプライン部側へ突出するように形成されており、潤滑剤に浸かる部分の中では最もスプライン部側に接近する部材として形成されている。
一般的に、このような駆動ギアを回転に伴って駆動ギアの周辺部材への潤滑剤の供給を行う構成では、駆動ギアの回転数が低くなると周辺への潤滑剤の跳ね掛け量も少なくなって、減速装置内部の所望の部分へ潤滑剤が十分に供給されなくなるおそれがある。この場合、スプライン部が潤滑不良となって、摩耗や焼付け等の問題を発生させる要因となってしまう。
本発明の減速装置では、以上の構成により、スプライン部側へ突出した突出部によって、駆動ギアの回転方向である内径部ばかりに供給されることなく、スプライン部側へも潤滑剤を十分に跳ね掛けることができる。この結果、回転軸方向において隣接するスプライン部への潤滑剤の供給量を従来よりも効果的に増加させて、スプライン部における潤滑不良に起因する摩耗や焼付け等の不具合の発生を防止することができる。
また、ここでは、駆動ギアにおけるスプライン部側に形成された突出部に、潤滑剤の液面に浸入して行く際に液面と略平行になる面を設けている。
これにより、駆動ギアの回転時に、潤滑剤の液面に浸かる際の衝撃による飛散によっても、潤滑剤を周辺部材へと効率よく供給することができる。
第2の発明に係る減速装置は、第1の発明に係る減速装置であって、突出部は、駆動ギアを固定するために設けられたボルトの一部である。
ここでは、スプライン部に対して潤滑剤を供給するために駆動ギアの一部に形成された上記突出部として、例えば、駆動ギアを固定するために回転軸を中心とする円周上に沿って複数配置されたボルトの一部(例えば、ボルト頭)を用いている。
なお、本発明において使用されるボルトは、例えば、通常のボルトよりも締結部の高さが大きいものを用いることが好ましい。
これにより、固定用のボルトを突出部として利用することで、部品点数の増加を回避しつつ、スプライン部への潤滑剤の供給を効果的に行うことができる。
第3の発明に係る減速装置は、第1の発明に係る減速装置であって、突出部は、駆動ギアを固定するために設けられたボルトに装着された延伸部である。
ここでは、スプライン部に対して潤滑剤を供給するために駆動ギアの一部に形成された上記突出部として、例えば、回転軸を中心とする円周上に沿って配置されたボルトの締結部(頭部)に取り付けるボルトカバー等(延伸部)を用いている。
これにより、従来の構成にも含まれる駆動ギア固定用のボルトの頭部に延伸部を取り付けるだけで、スプライン部への潤滑剤の供給を効果的に行うことが可能な構成を容易に得ることができる。
第4の発明に係る減速装置は、ケース内に貯留された潤滑剤に対して駆動ギアの一部が浸漬された状態で、回転軸を中心として駆動ギアを回転させる減速装置であって、駆動ギアと、リングギアと、ケース部と、突出部と、を備えている。リングギアは、駆動ギアと同軸で回転するとともに回転軸方向において近接配置されており、外周部に複数の溝によって形成されるスプライン部を有する。ケース部は、駆動ギアおよびリングギアを内包し、潤滑剤を下部空間に貯留する。突出部は、駆動ギアの表面に形成されており、回転軸方向において駆動ギアの歯よりもスプライン部側に突出する。突出部は、回転軸方向におけるスプライン部側に向かって延伸するリブ部である。
ここでは、駆動ギアにおけるスプライン部側の表面に、スプライン部側に突出するリブ部を設けている。
ここで、上記リブ部は、駆動ギアを固定するために回転軸を中心とする円周上に配置されたボルトの部分に形成されていてもよいし、このボルトの間に形成されていてもよい。
これにより、スプライン部側へ突出したリブ部からスプライン部への潤滑剤の供給を効果的に行うことができる。なお、上記リブ部は、スプライン部側の表面に駆動ギアと一体的に立設されていることが好ましい。これにより、スプライン部への潤滑剤の供給を効果的に行う突出部としてリブ部を設けた場合でも、部品点数が増加してしまうことを回避することができる。
第5の発明に係る減速装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る減速装置であって、突出部は、回転軸方向においてスプライン部側に向かって傾斜する傾斜面を有している。
ここでは、突出部の一部に、回転軸方向においてスプライン部側に傾斜する傾斜面を有している。
これにより、駆動ギアの回転によって遠心力が付与された突出部に付着した潤滑剤に対してスプライン部の方向へのベクトルを付与することができる。よって、突出部に付着した潤滑剤を、駆動ギアの外周側だけでなく、斜め外側に向かっても効率よく飛散させることができる。この結果、突出部の斜め外側に配置されたスプライン部に対して、効率よく潤滑剤を供給することができる。
の発明に係る減速装置は、ケース内に貯留された潤滑剤に対して駆動ギアの一部が浸漬された状態で、回転軸を中心として駆動ギアを回転させる減速装置であって、駆動ギアと、リングギアと、ケース部と、突出部と、を備えている。リングギアは、駆動ギアと同軸で回転するとともに回転軸方向において近接配置されており、外周部に複数の溝によって形成されるスプライン部を有する。ケース部は、駆動ギアおよびリングギアを内包し、潤滑剤を下部空間に貯留する。突出部は、駆動ギアの表面に形成されており、回転軸方向において駆動ギアの歯よりもスプライン部側に突出する。スプライン部は、駆動ギア側の部分に、駆動ギアの回転に伴って飛散する潤滑剤を受ける油受け部を有している。
ここでは、突出部から跳ね掛けられる潤滑剤を受けとめる油受け部を、スプライン部側に設けている。
これにより、スプライン部側へ飛散してきた潤滑剤を、効率よくスプライン部周辺に蓄えることができる。このため、スプライン部におけるオイル切れに起因する駆動ギアの摩耗や焼付け等の問題の発生を効果的に防止することができる。
本発明に係る減速装置によれば、回転軸方向において隣接するスプライン部への潤滑剤の供給量を従来よりも効果的に増加させて、スプライン部における潤滑不良に起因する摩耗や焼付け等の不具合の発生を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る終減速装置(減速装置)35を搭載したブルドーザ(建設機械)1について、図1〜図5を用いて説明すれば以下の通りである。
[ブルドーザ1の構成]
本実施形態に係るブルドーザ1は、不整地において整地作業を行う建設機械であって、図1に示すように、主として、キャブ2、車体フレーム3、作業機構6、走行装置7を備えている。
キャブ2には、運転者が着座するためのオペレータシートや各種操作のためのレバー、ペダルおよび計器類等が内装されている。キャブ2は、底部が図示しないフロアフレームによって構成されており、フロアフレーム上にピラーや側板が載置されている。
車体フレーム3は、作業機構6および走行装置7が取り付けられており、その上部にはキャブ2が載置されている。また、車体フレーム3は、内部にエンジン31等が設けられており、エンジン31において発生した回転駆動力が、終減速装置35を経由して後述する走行装置7のスプロケット73に伝達される。なお、この車体フレーム3の内部構成については、後段にて詳述する。
作業機構6は、図1に示すように、地面を削り取って土砂を押し運ぶための機構であって、ブレード60と、支持フレーム61と、油圧シリンダ63と、を有している。ブレード60は、車体フレーム3の前方に設けられており、前面が湾曲した板状の形状を有している。支持フレーム61は、一端がブレード60に固定され、他端が走行装置7に固定されており、ブレード60を支持している。油圧シリンダ63は、整地作業時において必要に応じて伸縮してブレード60の位置を調整する。
走行装置7は、履帯70、車両前後方向に沿って配設されたトラックフレーム71、走行輪であるアイドラ72およびスプロケット73等を有している。そして、走行装置7は、車体フレーム3の左右下部にそれぞれ設けられた一対の無端状の履帯70によって不整地における走行を可能としている。
[車体フレーム3内部の構成]
車体フレーム3は、図2に示すように、内部に、エンジン31、トルクコンバータ32、終減速装置35、ステアリングボックス34、終減速装置35等を格納している。
エンジン31は、ブルドーザ1に搭載された作業機構6や走行装置7を駆動するための動力源であって、車体フレーム3内における中央部付近に配置されている。
トルクコンバータ32は、オイルを介してエンジン31の動力を終減速装置35の入力軸に対して伝達するものであって、車体フレーム3内における後ろ寄りに配置されている。
トランスミッション33は、トルクコンバータ32を介して伝達されるエンジン31の回転駆動力を、作業状態に応じた適切な大きさに変化させて、ステアリングギアボックス34、終減速装置35、スプロケット73に対して伝達するための変速機であって、トルクコンバータ32の後側に近接配置されている。
終減速装置35は、ステアリングギアボックス34の左右にそれぞれ配設されており、左右の履帯70が巻き掛けられたスプロケット73に駆動力を伝達するとともに、大きな減速比を得るために2段以上の減速段を有する。なお、この終減速装置35の具体的な構成については、後段にて詳述する。
[終減速装置35の構成]
終減速装置35は、図3に示すように、内側ケース(ケース部)46の外側に外側ケース(ケース部)52がボルトによって取り付けられている。そして、両ケース46,52によって、終減速装置35の外郭を形成し内部にオイル(潤滑剤50)を貯留するケース部が構成される。
外側ケース52は、図中左寄りの円筒部分に、円錐ころ軸受け51が所定のスパンで円周方向に沿って配設されている。そして、円錐ころ軸受け51は、スプロケットハブ48を、回転軸Oを中心に回転可能な状態で支持する。また、スプロケットハブ48の外周部には、リンクと履板とを含むように構成される履帯70(図1参照)が巻き掛けられるスプロケット73が取り付けられている。
また、終減速装置35は、内部に、第1減速段として小歯車47と大歯車(駆動ギア)42とを有している。小歯車47は、内径部に対して、ステアリングギアボックス34からの動力を伝達するドライブシャフト36がスプライン継合されている。大歯車42は、ハブ41にボルトで取り付けられており、ハブ41の内径がサンギア53の低歯丈部にスプライン嵌合されている。
さらに、終減速装置35は、内部に、第2減速段として、サンギア53、プラネットピニオン54a、キャリア54およびリングギア44で構成される遊星歯車列を有している。リングギア44は、外周部に、外側ケース52の内径にスプラインで継合されて回転が規制される。キャリア54は、円筒形のシャフト部54bを有している。そして、キャリア54は、スプロケットハブ48に対してボルト結合されており、キャリア54の回転によってスプロケット73が駆動される。
上記構成において、履帯70からスプロケット73に加わる荷重は、軸受け51、および外側ケース52を介して、図示しない車体フレームの一部において強固に支持された内側ケース46へと伝達される。そして、外側ケース52の円筒部の内側空間を利用してスプロケット73に動力を伝達する。
本実施形態では、図3に示すように、終減速装置35に含まれるハブ41と大歯車42とを連結させる締結部材(突出部)43を、リングギア44の外周部に形成されたスプライン部45側に突出させている。より詳細には、締結部材43は、図4(a)に示すように、大歯車42の歯よりもスプライン部45側に突出するように取り付けられている。この場合、図5に示すように、大歯車42が回転すると、内外側ケース46,52の下部空間に貯留されたオイル50が大歯車42や締結部材43等に付着する。そして、大歯車42や締結部材43は、オイル50の液面から上昇していく際に、表面に付着したオイル50を周辺に撒き散らしながら回転を続ける。
締結部材43は、回転軸Oを中心とする円周上に沿って複数配置されており、図4(a)に示すように、ボルト43aとスペーサ43bとを含むように構成されている。これにより、従来から用いられているボルト43aの長さを長くして、スペーサ43bを挿入して固定するだけで、容易にスプライン部45側へ突出する突出部を形成することができる。そして、挿入されるスペーサ43bの長さを適宜変更することにより、スプライン部45側への突出量を変更することができる。さらに、図4(b)に示すように、突出部としての締結部材43は、その一部であるボルト43aの頭部分に傾斜面43aaを設けている。傾斜面43aaは、ボルト43aの軸方向においてスプライン部45の方向に向かって下方傾斜する面である。これにより、大歯車42等の回転中に締結部材43の表面に付着したオイル50に対して、スプライン部45の方向への力を作用させることができる。
通常、ブルドーザ1が高速走行(例えば、3.0km/h以上)する場合等のように、大歯車42等が高速で回転する場合には、大歯車42等に付着したオイル50に働く遠心力が大きくなる。このため、外周に撒き散らかされたオイル50が、内壁面において跳ね返る等しては内外側ケース46,52の内部にはほぼ満遍なくオイル50が供給され易い。しかしながら、ブルドーザ1が比較的低速(例えば、2.0km/h以下)で走行する場合等では、飛散するオイル50に働く遠心力は小さく、内外側ケース46,52内の一部(例えば、大歯車42の半径方向外側)を中心として飛散し、それ以外の周辺には飛散しにくい状況となる。
本実施形態では、オイル50の液面から上がってきた際にオイル50を表面に保持した締結部材43は、リングギア44のスプライン部45に対して突出している。このため、回転中における締結部材43とスプライン部45との間の距離は従来よりも短い。よって、回転時に生じた遠心力が作用した状態でオイル50が周囲に撒き散らかされる場合でも、回転軸Oの方向において隣接配置されたスプライン部45の部分へもオイル50を効率よく供給することができる。この結果、ブルドーザ1が低速走行する際においても、スプライン部45におけるオイル切れに起因するリングギア44の摩耗や焼付け等の不具合の発生を効果的に防止することができる。
ここで、本実施形態に係る終減速装置35による効果を実証するために、テスト結果について、説明すれば以下の通りである。なお、ここでは大歯車42の回転速度が55.0rpm以上になると、スプライン部45におけるオイル切れによる不具合が生じるためにスプライン部45へのオイル供給が必要となる状況について説明する。
テストの結果、本実施形態に係る終減速装置35では、45.0rpm以上の回転速度になれば、スプライン部45へのオイル50が供給されることが分かった。
一方、スプライン部側への締結部材の突出量が大歯車のギアよりも少ない従来のトランスミッションでは、80.0rpm以上の回転速度にならないとスプライン部へのオイル供給が行われないことが分かった。
以上の結果から、本実施形態に係る終減速装置35では、大歯車42等が従来よりも低い回転速度であっても、スプライン部45の方へ効果的にオイル50を供給することができることが分かった。
[本終減速装置35の特徴]
(1)
本実施形態の終減速装置35は、図3に示すように、内外側ケース46,52の内部に貯留されたオイル50を、回転する大歯車42等の回転によって撒き散らしながら周辺へのオイル50の供給を行う減速装置であって、大歯車42と、リングギア44と、締結部材43、とを備えている。リングギア44は、大歯車42に対して同軸で、回転軸O方向において近接配置されている。締結部材43は、大歯車42側に配置されており、大歯車42の歯よりもリングギア44側へ突出する。
これにより、大歯車42や締結部材43等が回転する際には、各締結部材43からリングギア44のスプライン部45までの距離を、従来よりも短くすることができる。この結果、大歯車42等が低速で回転する低速走行時等においても、締結部材43からスプライン部45に対してオイル50を効果的に供給することができる。よって、スプライン部45におけるオイル切れに起因するリングギア44の摩耗等の不具合の発生を効果的に回避することができる。
(2)
本実施形態の終減速装置35では、スプライン部45の部分にオイル50を供給する突出部として、図4(a)および図4(b)等に示すように、ボルト43aを含む締結部材43を用いている。
これにより、ボルト43aの長さを従来よりも長くするだけで、回転時において締結部材43とスプライン部45との距離を近接させることができる。よって、構成を複雑化させたり、部品点数を大きく増加させたりすることなく、低速回転時におけるスプライン部45へのオイル50の供給を効果的に行うことができる。
(3)
本実施形態の終減速装置35では、スプライン部45の部分にオイル50を供給する突出部として、図4(b)等に示すように、スペーサ43bを挿入してボルト43aを延伸させた構成を採用している。
これにより、スペーサ43bを締結部分に挿入するだけで、容易にスプライン部45へのオイル50の供給が可能な締結部材43を得ることができる。
(4)
本実施形態の終減速装置35では、突出部としての締結部材43を構成するボルト43aの頭部に、図4(b)に示すように、回転軸O方向においてスプライン部45側に向かって下方傾斜する傾斜面43aaを設けている。
これにより、ボルト43aの頭部表面に付着したオイル50には、図4(b)の矢印に示す方向への力が付与される。よって、オイル50を、より効果的にスプライン部45側へ飛散させることが可能になる。
(5)
本実施形態の終減速装置35では、図4(a)に示すように、リングギア44側のスプライン孔部のスラスト方向の幅が外部ケース52側のスプラインキー部の幅より長い。そして、その幅の差異となる部位が突出部43側に配されて上面が開放されている。また、リングギア44側のスプライン孔部の突出部43側の端部では、そのスプライン孔底が外側ケース52側に滑らかにせり上がって堰のような形状となって油受け部を形成している。
これにより、突出部43から飛散してきたオイル50を、より効果的にスプライン部45へと供給することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、スプライン部45側へのオイル供給を円滑に行うための突出部として、図4(a)等に示すように、ボルト43aにスペーサ43bを挿入して、従来よりもスプライン部45側へ延伸させた締結部材43を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図6に示すように、ボルト143aの頭部に装着されるキャップ(ボルトカバー、延伸部)143bを用いてもよい。
この場合には、従来のトラスミッションの構成に含まれるボルトの頭部に、キャップ143bを装着するだけで、回転中における締結部材(突出部)143とスプライン部45との距離を近接させることができる。よって、低速回転時においても、締結部材143からスプライン部45に対して、オイル50を効果的に供給することができるという、上記と同様の効果を得ることができる。
(B)
上記実施形態では、スプライン部45側へのオイル供給を円滑に行うための突出部として、図4(a)等に示すように、ボルト43aにスペーサ43bを挿入して、従来よりもスプライン部45側へ延伸させた締結部材43を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図7、図8(a)〜図8(c)および図9(a)、図9(b)に示すように、円周上に沿って略均等に複数配置された締結用のボルト43aの間に立設された複数のリブ41aを突出部として用いることもできる。
この場合でも、図8(c)等に示すように、大歯車42やボルト43aよりもスプライン部45側へ突出したリブ41aによって、スプライン部45側へのオイル50の供給を行うことができる。
なお、このリブ41aと上述した締結部材43,143を組み合わせて用いることもできる。この場合には、スプライン部45側に突出する突出部を、円周方向において多数配置することができるため、スプライン部45部分へのオイル50の供給をより効果的に行うことができる。
また、図8(b)に示すように、リブ41aが回転軸を中心とする円の半径方向に沿った面を有している場合には、オイル50の液面へ入射する際に液面とリブ41aの半径方向に沿った面とが略平行になる。このため、リブ41aの液面入射時において、オイル50を衝撃で周囲に撒き散らすこともできる。この結果、さらに効果的に、スプライン部45を始めとする周辺部材へのオイル50の供給を行うことができる。
(C)
上記実施形態では、突出部としての締結部材43等から、従来と同様のスプライン部45に対してオイル50を供給する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図10(a)および図10(b)に示すように、オイル50が供給されるスプライン部145側へ、受け部145aを設けた構成であってもよい。
この場合には、スプライン部145へ供給されたオイル50をスプライン部145において長い間保持することができる。このため、さらに低速回転となってオイル50の供給量が少ない場合でも、スプライン部145に対して効率よくオイルを供給し続けることが可能になる。
(D)
上記実施形態では、突出部としての締結部材43等を、駆動ギアとしての大歯車42よりも内周側に設けた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、突出部を設ける位置としては、駆動ギアにより近い部分であってもよい。
この場合には、オイルに作用する遠心力をさらに大きくすることができるため、より効率よく周辺へのオイル供給を行うことができる。
(E)
上記実施形態では、ブルドーザ1に搭載された終減速装置35に対して本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ホイルローダ等の他の建設機械に搭載された減速装置に対しても本発明の適用は当然に可能である。
本発明の減速装置は、回転軸方向において隣接するスプライン部への潤滑剤の供給量を従来よりも効果的に増加させて、スプライン部における潤滑不良に起因する摩耗や焼付け等の不具合の発生を防止することができるという効果を奏することから、ブルドーザ以外の他の建設機械やフォークリフト等の作業車両に搭載される減速装置として広く適用可能である。
本発明の一実施形態に係る終減速装置が搭載されたブルドーザの外観を示す側面図。 図1のブルドーザの車体フレーム内の構成を示す断面図。 図2の車体フレーム内に搭載された終減速装置を側面から見た全体断面図。 (a),(b)は、図3の終減速装置の一部を拡大した部分断面図。 図3の終減速装置内におけるオイルの飛散状態を示す概念図。 本発明の他の実施形態に係る終減速装置の構成を示す内部断面図。 本発明のさらに他の実施形態に係る終減速装置の構成を示す内部断面図。 (a)〜(c)は、図7の終減速装置に含まれる大歯車付近の構成を示す側面図、平面図、断面図。 (a),(b)は、図7の終減速装置の内部構成を示す斜視図。 (a),(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係る終減速装置の内部構成を示す断面図および斜視図。
1 ブルドーザ(建設機械)
2 キャブ
3 車体フレーム
6 作業機構
7 走行装置
31 エンジン
32 トルクコンバータ
33 トランスミッション
34 ステアリングギアボックス
35 終減速装置(減速装置)
36 ドライブシャフト
41 ハブ
41a リブ
42 大歯車(駆動ギア)
43 締結部材(突出部)
43a ボルト
43aa 傾斜面
43b スペーサ
44 リングギア
45 スプライン部
46 内側ケース(ケース部)
47 小歯車
48 スプロケットハブ
50 オイル(潤滑剤)
51 軸受け
52 外側ケース(ケース部)
53 サンギア
54 キャリア
54a プラネットピニオン
54b シャフト部
60 ブレード
61 支持フレーム
63 油圧シリンダ
70 履帯
71 トラックフレーム
72 アイドラ
73 スプロケット
143 締結部材(突出部)
143a ボルト
143b キャップ(ボルトカバー、延伸部)
145 スプライン部
145a 受け部

Claims (6)

  1. ケース内に貯留された潤滑剤に対して駆動ギアの一部が浸漬された状態で、回転軸を中心として前記駆動ギアを回転させる減速装置であって、
    前記駆動ギアと、
    前記駆動ギアと同軸で回転するとともに前記回転軸方向において近接配置されており、外周部に複数の溝によって形成されるスプライン部を有するリングギアと、
    前記駆動ギアおよび前記リングギアを内包し、前記潤滑剤を下部空間に貯留するケース部と、
    前記駆動ギアの表面に形成されており、前記回転軸方向において前記駆動ギアの歯よりも前記スプライン部側に突出する突出部と、
    を備え
    前記突出部は、前記潤滑剤の液面に浸かる際に前記液面に略平行な面を回転側に有している、減速装置。
  2. 前記突出部は、前記駆動ギアを固定するために設けられたボルトの一部である、
    請求項1に記載の減速装置。
  3. 前記突出部は、前記駆動ギアを固定するために設けられたボルトに装着された延伸部である、
    請求項1に記載の減速装置。
  4. ケース内に貯留された潤滑剤に対して駆動ギアの一部が浸漬された状態で、回転軸を中心として前記駆動ギアを回転させる減速装置であって、
    前記駆動ギアと、
    前記駆動ギアと同軸で回転するとともに前記回転軸方向において近接配置されており、外周部に複数の溝によって形成されるスプライン部を有するリングギアと、
    前記駆動ギアおよび前記リングギアを内包し、前記潤滑剤を下部空間に貯留するケース部と、
    前記駆動ギアの表面に形成されており、前記回転軸方向において前記駆動ギアの歯よりも前記スプライン部側に突出する突出部と、
    を備え、
    前記突出部は、前記回転軸方向における前記スプライン部側に向かって延伸するリブ部である、減速装置。
  5. 前記突出部は、前記回転軸方向において前記スプライン部側に向かって傾斜する傾斜面を有している、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の減速装置。
  6. ケース内に貯留された潤滑剤に対して駆動ギアの一部が浸漬された状態で、回転軸を中心として前記駆動ギアを回転させる減速装置であって、
    前記駆動ギアと、
    前記駆動ギアと同軸で回転するとともに前記回転軸方向において近接配置されており、外周部に複数の溝によって形成されるスプライン部を有するリングギアと、
    前記駆動ギアおよび前記リングギアを内包し、前記潤滑剤を下部空間に貯留するケース部と、
    前記駆動ギアの表面に形成されており、前記回転軸方向において前記駆動ギアの歯よりも前記スプライン部側に突出する突出部と、
    を備え、
    前記スプライン部は、前記駆動ギア側の部分に、前記駆動ギアの回転に伴って飛散する前記潤滑剤を受ける油受け部を有している、減速装置。
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