JP4912631B2 - 動力伝達装置及びそれを備えた建設機械 - Google Patents

動力伝達装置及びそれを備えた建設機械 Download PDF

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Description

この発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械における旋回装置等に使用される動力伝達装置、及びその動力伝達装置を備えた建設機械に関するものである。
従来、この種の建設機械の旋回装置における動力伝達装置としては、例えば、特許文献1に開示されるような構成のものが提案されている。すなわち、この従来装置においては、図10に示すように、建設機械としての油圧ショベルにおいて、履帯を有する下部走行体61上に運転席等を有する上部旋回体62が旋回軸受装置63を介して旋回可能に支持されている。旋回軸受装置63はインナレース64、アウタレース65及びそれらの間に介在された複数のボール66を備え、インナレース64の内周面には内歯ギヤよりなる被動ギヤ67が形成されている。上部旋回体62上には動力伝達装置68が固定され、その動力伝達装置68の上部には駆動源としての油圧モータ69が配設されている。そして、この油圧モータ69の回転により、動力伝達装置68を介して上部旋回体62が旋回されるようになっている。
前記動力伝達装置68においては、上下方向に延びる円筒状の装置ケース70内に出力軸71が上下一対の軸受72,73を介して回転可能に支持され、その出力軸71の下端には前記被動ギヤ67に噛合する出力ギヤ74が形成されている。装置ケース70内の上部において、油圧モータ69のモータ軸69aと出力軸71との間には複数のギヤを含むギヤ伝達機構75が介在されている。出力軸71を支持する下側軸受73よりも下方位置において、出力軸71と装置ケース70との間にはオイルシール76が介在されている。装置ケース70内には、出力軸71の軸受72,73、ギヤ伝達機構75のギヤ噛合部等を潤滑するための潤滑オイルOが収容されている。装置ケース70の側部には、装置ケース70内から潤滑オイルOを抜くためのドレーンコック77が取り付けられている。
前記ギヤ伝達機構75は、装置ケース70の上部内周面に一体に形成された内歯ギヤ78と、モータ軸69aに固定された第1太陽ギヤ79と、その第1太陽ギヤ79と内歯ギヤ78との間に介在された第1遊星ギヤ80と、その第1遊星ギヤ80を支持する第1キャリア81と一体回転されるように、出力軸71上に相対回転可能に配設された第2太陽ギヤ82と、その第2太陽ギヤ82と内歯ギヤ78との間に介在された第2遊星ギヤ83とから構成されている。第2遊星ギヤ83を支持する第2キャリア84の下部には連結筒85が突出形成され、その連結筒85がスプライン係合86を介して出力軸71の上端部に一体回転可能に連結されている。そして、油圧モータ69のモータ軸69aの回転により、ギヤ伝達機構75の第1太陽ギヤ79,第1遊星ギヤ80,第1キャリア81,第2太陽ギヤ82,第2遊星ギヤ83,第2キャリア84をそれぞれ介して出力軸71が減速回転されるようになっている。
特開2002−97668号公報
ところが、この従来の動力伝達装置68では、前述のように、装置ケース70の上部内周面にギヤ伝達機構75の内歯ギヤ78が一体に形成されている。また、油圧モータ69のモータ軸69aと連結された出力軸71が内歯ギヤ78の内部を通って下方に突出し、その突出部において上下一対の軸受72,73を介して回転可能に支持されている。このため、動力伝達装置68の全体が軸線方向へ嵩高になって、大型化するとともに、重量が増大し、しかも収容される潤滑オイルOの量が多量になってしまうという問題があつた。
また、従来の動力伝達装置68では、遊星ギヤ80,83等のギヤ伝達機構75が軸受72,73やオイルシール76等の上方に位置するため、ギヤ伝達機構75からの金属粉や異物が軸受72,73やオイルシール76等の上に落下して、それらを損傷するおそれが多分にあった。
さらに、従来の動力伝達装置68では、出力軸71の下端に下側軸受73が上部旋回体62とほぼ同じ高さで位置するため、その部分にはドレーンコック77を配置できず、結果として、このドレーンコック77が下側軸受73及びオイルシール76よりも上方の位置に配置されている。このため、オイル交換等のためにドレーンコック77から潤滑オイルOを抜き取ったとしても、金属粉等が沈殿した古い潤滑オイルOが下側軸受73やオイルシール76の部分に残留して、下側軸受73及びオイルシール76に損傷等の悪影響を及ぼすというおそれもあった。
加えて、従来の動力伝達装置68では、出力軸71の下端部に下側軸受73が位置するため、その下部のオイルシール76は出力ギヤ74と被動ギヤ67との噛合部に近接して配置される。このため、出力ギヤ74と被動ギヤ67との噛合部のグリースGの圧力がオイルシール76に作用して、そのオイルシール76が損傷しやすいという問題もあった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その主たる目的は、装置全体をコンパクトに構成することができて、装置重量の軽減化等を図ることができる動力伝達装置及びそれを備えた建設機械を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の動力伝達装置に係る発明は、装置ケースに支持されるとともに、有底状に形成された内歯ギヤと、駆動源に連結され、前記内歯ギヤ内に配置された駆動ギヤと、その駆動ギヤと前記内歯ギヤとの間に介在されたギヤ伝達機構と、前記内歯ギヤと同一軸線上に位置するとともに、前記装置ケースから突出するように同内歯ギヤに一体形成された出力軸とを備え、前記内歯ギヤをその外周面において軸受を介して回転可能に支持し、前記内歯ギヤの外周面と、前記出力軸と、前記装置ケースとで取り囲むようにオイルシールを配設したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動ギヤを前記内歯ギヤの軸線上に配置された太陽ギヤにより構成し、前記ギヤ伝達機構を、前記太陽ギヤと内歯ギヤとの間に介在された遊星ギヤと、太陽ギヤの軸線上に回転可能に支持され、前記遊星ギヤのキャリアと一体回転される第1伝達ギヤと、前記装置ケースに回転可能に支持され、前記第1伝達ギヤと内歯ギヤとの間に介在された第2伝達ギヤとより構成したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記内歯ギヤを有底状に形成し、前記駆動ギヤをその軸端部において内歯ギヤの底部に相対回転可能に支持したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記出力軸にギヤを形成したことを特徴とする
請求項に記載の発明は、装置ケースに支持された内歯ギヤと、駆動源に連結され、前記内歯ギヤ内に配置された駆動ギヤと、その駆動ギヤと前記内歯ギヤとの間に介在されたギヤ伝達機構と、前記内歯ギヤと同一軸線上に位置するように同内歯ギヤに一体形成された出力軸とを備え、前記内歯ギヤをその外周面において軸受を介して回転可能に支持し、前記出力軸と装置ケースとの間にオイルシールを介在させ、前記内歯ギヤを、出力軸が下側に位置した状態でその軸線が上下方向に延びるように配置し、内歯ギヤの底部には透孔を形成し、さらに、前記透孔よりも内歯ギヤの軸線側において前記オイルシールの周囲を包囲するように、前記装置ケースの底部内面には隔壁を形成し、その隔壁と内歯ギヤの底部との間には微少間隙を形成したことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、装置ケースに支持された内歯ギヤと、駆動源に連結され、前記内歯ギヤ内に配置された駆動ギヤと、その駆動ギヤと前記内歯ギヤとの間に介在されたギヤ伝達機構と、前記内歯ギヤと同一軸線上に位置するように同内歯ギヤに一体形成された出力軸とを備え、前記内歯ギヤをその外周面において軸受を介して回転可能に支持し、前記内歯ギヤを有底状に形成し、前記駆動ギヤをその軸端部において内歯ギヤの底部に相対回転可能に支持し、前記装置ケース内のオイルを抜くためのドレーンコックを、前記内歯ギヤの軸受及び内歯ギヤの底部に対する駆動ギヤの支持部よりも下方の位置に配置したことを特徴とする。
建設機械に係る請求項に記載の発明は、第1フレームと、その第1フレームに対して相対回転可能な第2フレームとを備え、請求項4〜7のうちのいずれか一項に記載の動力伝達装置を前記第2フレームに固定するとともに、前記出力ギヤを前記第1フレームの被動ギヤに噛合させ、出力軸の回転により第1,第2フレーム間に相対回転を生じさせるように構成したことを特徴とする。
(作用)
この発明においては、駆動源の駆動により、駆動ギヤが回転されると、ギヤ伝達機構を介して内歯ギヤが回転され、それにともなって出力軸が回転される。この場合、内歯ギヤは、その外周面において軸受を介して装置ケースに回転可能に支持されている。このため、従来構成とは異なり内歯ギヤから突出した出力軸を軸受を介して支持する必要がなく、従って、装置全体の高さを低くして、コンパクトに構成することができ、装置重量を軽減することができ、装置ケース内に収容する潤滑オイルの量を低減することができる。また、内歯ギヤの内部のギヤ伝達機構において生じる金属粉が潤滑オイルに混入しても、内歯ギヤの外周の軸受側に侵入することはない。よって、内歯ギヤの軸受に悪影響が及ぼされるおそれを抑制することができる。
出力軸と装置ケースとの間にオイルシールを介在させる構成の場合は、前述のように、出力軸を軸受で支持する必要がないため、オイルシールを内歯ギヤ側に近接して配置でき、この発明を例えば前述のような建設機械において具体化したような場合は、グリースによる悪影響を回避することが可能になる。
内歯ギヤの底部には透孔を形成し、その透孔よりも内歯ギヤの軸線側において前記オイルシールの周囲を包囲するように、前記装置ケースの底部内面には隔壁を形成するとともに、その隔壁と内歯ギヤの底部との間には微少間隙を形成すれば、オイルシールをオイルにより潤滑できるとともに、金属粉や異物等をブロックできて、オイルシールを保護できる。
前記透孔にフィルタを装着すれば、内歯ギヤ内から下方に金属粉が漏れ出すのを抑制することができ、オイルシールに悪影響が及ぼされるおそれを防止することができる。
ドレーンコックを、前記内歯ギヤの軸受及び内歯ギヤの底部に対する駆動ギヤの支持部よりも下方の位置に配置すれば、その内歯ギヤの軸受及び内歯ギヤの底部に対する駆動ギヤの支持部に古い潤滑オイルが残留するのを防止することができる。よって、潤滑オイルに沈殿した金属粉により、内歯ギヤの軸受や駆動ギヤの支持部等に悪影響が及ぼされるおそれを防止することができる。
以上のように、この発明によれば、装置全体をコンパクトに構成することができて、装置重量の軽量を図ることができる等の優れた効果を発揮する。
以下、この発明を建設機械としての油圧ショベルの旋回装置における動力伝達装置に具体化した一実施形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
図1は、図2の油圧ショベルにおいて円Sと対応する部分を示す要部断面図、図2は、油圧ショベルを示す簡略図、図3は、ピニオンとラックとの関係を示す断面図、図4は、図1の動力伝達装置の一部を拡大して示す部分断面図、図5は、図4の5−5線における断面図、図6は、図4の6−6線における断面図、図7は、図4の7−7線における断面図である。
図2に示すように、油圧ショベルにおいて、履帯10を有する第1フレームとしての下部走行体11には、旋回軸受装置13を介して第2フレームとしての上部旋回体12が旋回可能に支持されている。この上部旋回体12に運転室12aやアーム12b等が設けられている。
図1及び図3に示すように、旋回軸受装置13は下部走行体11に固定されたインナレース14と、上部旋回体12に固定されたアウタレース15と、そのインナレース14とアウタレース15と間に介在された複数のボール16とを備えている。前記インナレース14の内周面には、内歯ギヤよりなる被動ギヤ17が形成されている。前記インナレース14の底部には環状のグリースバス14aが固定され、その内部には潤滑剤としてのグリースGが収容されている。
上部旋回体12上にはこの実施形態の動力伝達装置18がボルト19により固定され、その動力伝達装置18の上部には駆動源としての油圧モータ20が装設されている。そして、この油圧モータ20の回転により、上部旋回体12が旋回軸受装置13の軸線を中心に旋回されるようになっている。
図1及び図4に示すように、前記動力伝達装置18の装置ケース21は、上部装置ケース21aと、中間部装置ケース21bと、下部装置ケース21cとから構成され、上部装置ケース21aは油圧モータ20のケースを兼ねている。中間部装置ケース21bの内周面には、内歯ギヤ22がその外周面において上下一対の軸受23,24により回転可能に支持されている。内歯ギヤ22内の軸線位置において、油圧モータ20のモータ軸20aには駆動軸25が連結固定され、その駆動軸25の下端には駆動ギヤ26が一体形成されている。駆動ギヤ26と内歯ギヤ22との間には複数のギヤを含むギヤ伝達機構27が介在され、駆動ギヤ26の回転に伴い、このギヤ伝達機構27を介して内歯ギヤ22が回転されるようになっている。
すなわち、図1及び図4に示すように、前記内歯ギヤ22は有底状に形成され、その底部22aの上面軸線位置には収容孔28が形成されている。収容孔28内には支持ボール29が転動可能に収容され、この支持ボール29が前記駆動ギヤ26の下面軸線部に接触することにより、駆動ギヤ26の軸端部が内歯ギヤ22の底部22a上に相対回転自在に支持されている。内歯ギヤ22の底部22aには複数の透孔30が形成され、それらの透孔30内には金属粉や異物等(以下、単に金属粉という)を濾し取るためのフィルタ31が張設されている。内歯ギヤ22の底部22aの下面には円筒状の出力軸32が同内歯ギヤ22と同一軸線上で一体に突出形成され、その出力軸32には上端部を除いた部分に出力ギヤ33が一体形成されており、その出力ギヤ33は、図3に示すように前記被動ギヤ17に噛合されている。
図1及び図4に示すように、前記出力軸32の外周近傍で、かつ前記透孔30よりも内側(内歯ギヤ22の軸線側)の位置において、装置ケース21の底部内面である下部装置ケース21cの上面には円環状の隔壁34が突出形成され、その隔壁34の上端縁が内歯ギヤ22の底部22aの下面に対して微少間隙を介して近接配置されている。前記出力ギヤ33と被動ギヤ17との噛合部から上方へ離間した位置に配置されるように、隔壁34と出力軸32との間にはオイルシール35が隔壁34により包囲された状態で介在されている。従って、このオイルシール35は、前記隔壁34と微少間隙とによるラビリンス構造により包囲されている。
図1及び図4に示すように、前記装置ケース21内には、内歯ギヤ22の軸受23,24、駆動ギヤ26の支持ボール29及びギヤ伝達機構27のギヤ噛合部等を潤滑するための潤滑オイルOが所定レベルまで収容されている。上部装置ケース21a上には、装置ケース21内の潤滑オイルOのレベルを検出するためのオイルレベルゲージ36が取り付けられている。内歯ギヤ22の軸受23,24及び駆動ギヤ26の支持部である支持ボール29よりも下方の位置に配置されるように、中間部装置ケース21bの下部には装置ケース21内から潤滑オイルOを抜くためのドレーンコック37が取り付けられている。
次に、前記ギヤ伝達機構27の構成について詳細に説明する。図4〜図7に示すように、前記駆動ギヤ26により、内歯ギヤ22と同一軸線上に配置される太陽ギヤが構成され、以下はこの駆動ギヤ26を太陽ギヤと称する。内歯ギヤ22の底部22aの上面にはキャリア40がスペーサの機能を兼用する軸受41を介して、内歯ギヤ22及び太陽ギヤ26と同一軸線上で相対回転可能に支持されている。この実施形態における軸受41は平板のリング形状をなし、スラスト負荷を受ける滑り軸受だが、後述するようにローラまたはボールで受ける転がり軸受としてもよい。図4及び図5に示すように、このキャリア40は、平面三角形状をなす支持板部40aを備え、その支持板部40aには3本の支柱部40cが一体形成されている。各支柱部40c間において、キャリア40の両支持板部40aには3個の遊星ギヤ42が支軸43及び軸受44を介して回転可能に支持され、これらの遊星ギヤ42は、太陽ギヤ26と内歯ギヤ22との間に噛合状態で介在されている。そして、太陽ギヤ26の回転に伴い、各遊星ギヤ42が自転されながら公転されて、キャリア40が太陽ギヤ26と同方向へ減速回転されるようになっている。
図4及び図6に示すように、前記太陽ギヤ26の上方において駆動軸25には第1伝達ギヤ45が太陽ギヤ26と同一軸線上で相対回転可能に挿通支持されている。また、前記各支軸43には、前記キャリア40の一部を構成する固定板40bが固定されている。そして、キャリア40の支持板部40a及び固定板40bが第1伝達ギヤ45に対してスプライン係合46を介して連結され、第1伝達ギヤ45がキャリア40と一体回転される。図4及び図7に示すように、上部装置ケース21aの下面には、平面円形状の支持板47が4本の支柱部47aを介して一体形成されている。上部装置ケース21aの下面と支持板47との間には4つの第2伝達ギヤ48が支軸49及び軸受50を介して回転可能に支持され、第1伝達ギヤ45と内歯ギヤ22との間に噛合状態で介在されている。なお、前記支軸49は、上部装置ケース21aの孔21dに挿入されて固定されている。そして、前記キャリア40の回転に伴って第1伝達ギヤ45が回転されたとき、各第2伝達ギヤ48を介して内歯ギヤ22が減速回転されて、出力軸32が内歯ギヤ22と一体回転されるようになっている。
次に、前記のように構成されたこの実施形態の動力伝達装置18の動作を説明する。
さて、この動力伝達装置18において、油圧モータ20により駆動軸25を介して太陽ギヤ26が例えば図5の時計方向に回転されると、各遊星ギヤ42が同図の反時計方向に自転されながら時計方向に公転されて、キャリア40が時計方向に回転される。これにより、スプライン係合46を介して第1伝達ギヤ45が図7の時計方向へ一体回転され、各第2伝達ギヤ48を介して内歯ギヤ22が同図の反時計方向に減速回転される。この内歯ギヤ22の回転により、出力軸32が同方向に一体回転され、出力ギヤ33及び被動ギヤ17の噛合を介して、上部旋回体12が下部走行体11上で旋回される。
この場合、内歯ギヤ22がその外周面において軸受23を介して装置ケース21に対して回転可能に支持されている。そして、その内歯ギヤ22の下面に出力ギヤ33を有する出力軸32が一体形成されている。このため、図10に示した従来構成と比較して、内歯ギヤから下方へ大きく突出して軸受により支持される出力軸が不要になり、内歯ギヤ22と出力ギヤ33との間の距離を短くできる。従って、動力伝達装置18全体がコンパクトになって、装置重量を軽減することができるとともに、装置ケース21内に収容される潤滑オイルOの量を少なくすることができる。そして、動力伝達装置18全体をコンパクトにできることは、この動力伝達装置18を油圧ショベル等の建設機械に用いた場合、レイアウト上の制約を低減できることに繋がり、新規なレイアウトやデザインの具体化が可能となる。
また、内歯ギヤ22の内部に太陽ギヤ26及び複数のギヤよりなるギヤ伝達機構27が配設されるため、動力伝達装置18の作動中に、それらのギヤの噛合部で発生する金属粉が潤滑オイルOに混入しても、内歯ギヤ22の外周の軸受23,24側に侵入することはない。よって、潤滑オイルOに混入した金属粉により、内歯ギヤ22の軸受23,24に損傷や磨耗等の悪影響が及ぼされるおそれを防止することができる。
さらに、内歯ギヤ22の底部22aに複数の透孔30が形成され、それらの透孔30にフィルタ31が装着されている。このため、前述したギヤの噛合部で発生する金属粉が内歯ギヤ22内から下部外方に落下するのを抑制することができる。しかも、オイルシール35の外周が隔壁34を含むラビリンス構造により包囲されているため、たとえ金属粉が内歯ギヤ22内から下方に落下した場合でも、オイルシール35側への金属粉の侵入を抑制することができる。よって、オイルシール35の損傷を防止することができ、このオイルシール35の損傷に基づくオイルOの漏出等を防止できる。なお、装置ケース21内のオイルOは、隔壁34と前記底部22aとの間の微少間隙を介してオイルシール35の部分に至るため、オイルシール35も常に潤滑される。
また、この動力伝達装置18では、出力軸32が装置ケース21に軸受で支持されていないため、図10に示した従来構成と比較して、オイルシール35の設置位置が軸受の位置に制約されることなく、出力ギヤ33と被動ギヤ17との噛合部から上方に充分離間して配置することができる。このため、動力伝達装置18の作動中に、両ギヤ33,17の噛合部のグリースGの圧力がオイルシール35側に作用することは少なく、グリースGによってオイルシール35が損傷するおそれを抑制することもできる。
さらに、この動力伝達装置18では、ドレーンコック37が内歯ギヤ22の軸受23,24及び内歯ギヤ22の底部22aに対する太陽ギヤ26の支持用の支持ボール29よりも下方の位置に配置されている。このため、オイル交換等のために、ドレーンコック37を開放し、装置ケース21内から潤滑オイルOを抜き取る場合、古い潤滑オイルOを軸受23,24及び支持ボール29の部分に残留することなく抜き取ることができる。従って、軸受23,24や支持ボール29の部分に、金属粉が残留することはなく、金属粉によって軸受23,24や支持ボール29に悪影響が及ぼされるおそれを防止することができる。
(変更例)
なお、この発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図8に示すように、太陽ギヤ26を支持する構成として、前記実施形態のボール29に代えて、スラストベアリング51を用いること。
・ 図9に示すように、キャリア40を支持する構成として、前記実施形態の軸受41に代えて、スラストベアリング52を用いること。
・ 前記実施形態において、ギヤ伝達機構27として異なったギヤ構成を用いること。例えば、遊星ギヤ42の数を3個以外の数である2個または4個以上にしたり、第2伝達ギヤ48の数を4個以外の数である2個、3個、あるいは5個以上にしたりすること。
・ 前記実施形態の動力伝達装置18を、油圧ショベルとは異なった機械、例えばトラッククレーン等に用いること。この場合、発明の主旨を逸脱しない範囲内で、各部の構成を必要に応じて変更してもよく、例えば、出力軸32に出力ギヤ33を設けることなく、スプロケットを設けて、チェーンを駆動できるようにしてもよい。
・ 駆動源として、油圧モータ20に代えて電気モータを用いること。
(他の技術的思想)
前記実施形態や変形例から把握されるが、請求項に未記載の技術的思想の数例を列挙すれば以下の通りである。
(1) 前記装置ケースにモータを固定するとともに、そのモータのケースが動力伝達装置の装置ケースの一部を兼用し、前記第2伝達ギヤをモータのケースに支持したことを特徴とする請求項2〜7のうちのいずれか一項に記載の動力伝達装置。
このように構成すれば、部品点数の削減と装置全体の小型化に寄与できる。
(2) オイルシールを、隔壁と微少間隙とを備えたラビリンス構造により包囲したことを特徴とする請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の動力伝達装置。
このように構成すれば、金属粉をブロックできて、オイルシールの損傷を防止できる一方、オイルシールを常にオイル中に浸漬させることができ、オイルシールの長寿命化を図ることができる。
(3) 内歯ギヤの底部の透孔内にフィルタを設けたことを特徴とする請求項6または7に記載の動力伝達装置。
このように構成すれば、フィルタにより金属粉を濾し取ることができ、オイルシール等に対する悪影響を排除できる。
(4) 下部走行体に設けられ、内周面に内歯ギヤを固定したインナレースと、上部旋回体に設けられ、前記インナレースに対して同一軸線上において回転可能なアウタレースとを備えた建設機械において、
前記アウタレース側に請求項4〜7のうちのいずれか一項に記載の動力伝達装置を固定するとともに、前記出力ギヤを前記被動ギヤに噛合させたことを特徴とする建設機械。
一実施形態の動力伝達装置を備えた建設機械を示す要部断面図。 油圧ショベルを示す簡略図。 ピニオンとラックとの関係を示す断面図。 図1の動力伝達装置の一部を拡大して示す部分断面図。 図4の5−5線における断面図。 図4の6−6線における断面図。 図4の7−7線における断面図。 変形例を示す断面図。 別の変形例を示す断面図。 従来の動力伝達装置を備えた建設機械を示す要部断面図。
符号の説明
11…第1フレームとしての下部走行体、12…第2フレームとしての上部旋回体、13…旋回軸受装置、14…インナレース、15…アウタレース、17…被動ギヤ、18…動力伝達装置、20…駆動源としての油圧モータ、21…装置ケース、22…内歯ギヤ、22a…底部、23,24…軸受、26…太陽ギヤを構成する駆動ギヤ、27…ギヤ伝達機構、29…支持ボール、30…透孔、31…フィルタ、32…出力軸、33…出力ギヤ、34…隔壁、35…オイルシール、37…ドレーンコック、40…キャリア、42…遊星ギヤ、45…第1伝達ギヤ、48…第2伝達ギヤ、O…潤滑オイル。

Claims (7)

  1. 装置ケースに支持されるとともに、有底状に形成された内歯ギヤと、
    駆動源に連結され、前記内歯ギヤ内に配置された駆動ギヤと、
    その駆動ギヤと前記内歯ギヤとの間に介在されたギヤ伝達機構と、
    前記内歯ギヤと同一軸線上に位置するとともに、前記装置ケースから突出するように同内歯ギヤに一体形成された出力軸と
    を備え、
    前記内歯ギヤをその外周面において軸受を介して回転可能に支持し
    前記内歯ギヤの外周面と、前記出力軸と、前記装置ケースとで取り囲むようにオイルシールを配設したことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記駆動ギヤを前記内歯ギヤの軸線上に配置された太陽ギヤにより構成し、
    前記ギヤ伝達機構を、前記太陽ギヤと内歯ギヤとの間に介在された遊星ギヤと、太陽ギヤの軸線上に回転可能に支持され、前記遊星ギヤのキャリアと一体回転される第1伝達ギヤと、前記装置ケースに回転可能に支持され、前記第1伝達ギヤと内歯ギヤとの間に介在された第2伝達ギヤとより構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記内歯ギヤを有底状に形成し、前記駆動ギヤをその軸端部において内歯ギヤの底部に相対回転可能に支持したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記出力軸にギヤを形成したことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  5. 装置ケースに支持された内歯ギヤと、
    駆動源に連結され、前記内歯ギヤ内に配置された駆動ギヤと、
    その駆動ギヤと前記内歯ギヤとの間に介在されたギヤ伝達機構と、
    前記内歯ギヤと同一軸線上に位置するように同内歯ギヤに一体形成された出力軸と
    を備え、
    前記内歯ギヤをその外周面において軸受を介して回転可能に支持し、
    前記出力軸と装置ケースとの間にオイルシールを介在させ、
    前記内歯ギヤを、出力軸が下側に位置した状態でその軸線が上下方向に延びるように配置し、内歯ギヤの底部には透孔を形成し、さらに、前記透孔よりも内歯ギヤの軸線側において前記オイルシールの周囲を包囲するように、前記装置ケースの底部内面には隔壁を形成し、その隔壁と内歯ギヤの底部との間には微少間隙を形成したことを特徴とする動力伝達装置。
  6. 装置ケースに支持された内歯ギヤと、
    駆動源に連結され、前記内歯ギヤ内に配置された駆動ギヤと、
    その駆動ギヤと前記内歯ギヤとの間に介在されたギヤ伝達機構と、
    前記内歯ギヤと同一軸線上に位置するように同内歯ギヤに一体形成された出力軸と
    を備え、
    前記内歯ギヤをその外周面において軸受を介して回転可能に支持し、
    前記内歯ギヤを有底状に形成し、前記駆動ギヤをその軸端部において内歯ギヤの底部に相対回転可能に支持し、
    前記装置ケース内のオイルを抜くためのドレーンコックを、前記内歯ギヤの軸受及び内歯ギヤの底部に対する駆動ギヤの支持部よりも下方の位置に配置したことを特徴とする動力伝達装置。
  7. 第1フレームと、その第1フレームに対して相対回転可能な第2フレームとを備え、請求項4〜のうちのいずれか一項に記載の動力伝達装置を前記第2フレームに固定するとともに、前記出力軸のギヤを前記第1フレームの被動ギヤに噛合させ、出力軸の回転により第1、第2フレーム間に相対回転を生じさせるように構成したことを特徴とする建設機械。
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