JP2004161831A - 硬化性組成物、シーリング材及び接着剤 - Google Patents

硬化性組成物、シーリング材及び接着剤 Download PDF

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Akihiko Bando
明彦 坂東
Masaya Kobayashi
正也 小林
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Abstract

【課題】耐候性に優れた硬化物を与えることを可能とする硬化性組成物、該硬化性組成物からなるシーリング材及び接着剤を提供する。
【解決手段】架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体100重量部と、カルボジイミド基を分子中に有する化合物0.1〜30重量部とを含み、カルボジイミド基を有する化合物の配合により硬化物の耐候性が高められ、さらに、層状珪酸塩を0.1〜100重量部含むことにより、より耐候性が高められ、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤をさらに含むことにより、耐候性がより一層高められる硬化性組成物、該硬化性組成物からなるシーリング材及び接着剤。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気中の湿気等と反応して硬化する硬化性組成物に関し、特に、硬化後の硬化物の耐候性に優れた硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いたシーリング材及び接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の硬化性組成物を硬化させることにより得られるシーリング材として、反応性珪素基を含有する有機重合体をベースとしたシーリング材用硬化性組成物に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びヒンダードフェノール系酸化防止剤がそれぞれ0.3〜3重量部含有されてなる硬化性組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながらその硬化性組成物を硬化させることにより得られたシーリング材の耐候性は、サンシャインウエザロメーターで測定された値で、2000時間程度が限界であり、屋根構造体や外壁構造体などの屋外に露出する部分に用いた場合には、十分な耐候性を得ることはできなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−287186号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した硬化性組成物に関する従来技術の現状に鑑み、耐候性に優れた硬化物を得ることを可能とする硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いたシーリング材及び接着剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体100重量部と、カルボジイミド基を分子中に有する化合物0.1〜30重量部とを含む硬化性組成物を提供する。
【0006】
また、請求項2記載の発明は、さらに層状珪酸塩を0.1〜100重量部含む請求項1記載の硬化性組成物を提供する。
【0007】
また、請求項3記載の発明は、さらに紫外線吸収剤が0.1〜20重量部、及び/又は光安定剤が0.1〜20重量部の割合で配合されている請求項1又は2記載の硬化性組成物を提供する。
【0008】
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3いずれか一項に記載の硬化性組成物からなるシーリング材を提供する。
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜3いずれか一項に記載の硬化性組成物からなる接着剤を提供する。
【0009】
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明において用いられる有機重合体は、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る加水分解性シリル基を少なくとも1個有し、このシロキサン結合は例えば、珪素原子に結合した水酸基もしくは加水分解性基により形成される。
珪素原子に結合した加水分解性基とは、例えば、水素、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アミノオキシ基、アルケニルオキシド基などが挙げられる。
【0010】
上記加水分解性シリル基としては、メトキシシリル基やエトキシシリル基などのアルコキシシリル基が、反応後に有害な副生成物を生成しない点で、好ましく用いられる。
【0011】
上記シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基、すなわち架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体の主鎖は特に限定されず、ポリエーテル系重合体、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリオレフィン系重合体などが挙げられ、好ましくは、ポリエーテル系重合体及び/またはビニル系重合体からなる。すなわち、主鎖がポリエーテル系重合体部分及びビニル系重合体部分の双方を有していてもよい。
【0012】
以下、主鎖が本質的にポリエーテル系重合体からなる有機重合体(a)及び主鎖が本質的にビニル系重合体からなる有機重合体(b)を説明する。
【0013】
(主鎖がポリエーテル系重合体からなる有機重合体(a))
主鎖が本質的にポリエーテル系重合体からなり、加水分解性シリル基を有する有機重合体(a)の主鎖構造としては、例えばポリオキシエチレン重合体、ポリオキシプロピレン重合体、ポリオキシブチレン重合体が挙げられる。
【0014】
中でも、硬化性組成物の硬化物の耐水性が良く、かつシーリング材として用いた際に、より高い弾性を確保し得るという点で、ポリオキシプロピレン重合体が好ましい。
【0015】
上記有機重合体(a)の分子量が小さすぎると、硬化物の伸びが十分でなくなり、シーリング材として用いた際に、例えば、目地面に対する追従性が低下することがある。逆に、分子量が大きすぎると、硬化前の粘度が高くなりすぎて、各種添加剤を配合してシーリング材を調製する配合工程の作業性が低下することがある。
【0016】
そのため、数平均分子量が好ましくは1万〜3万であって、分子量分布Mw/Mn(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下の有機重合体(a)が、作業性と硬化物の伸びとのバランスに優れているため好ましい。
【0017】
上記有機重合体(a)は、一般に変成シリコーンポリマーと呼ばれ、例えば、商品名「MSポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、MSポリマーS−203、S−303など、商品名「サイリルポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、サイリルSAT−200、SAT−350、SAT−400や、商品名「エクセスター」(旭硝子社製)として、エクセスターESS−3620、ESS−3430、ESS−2420、ESS−2410などが市販されている。
【0018】
(主鎖がビニル系重合体からなる有機重合体(b))
主鎖が本質的にビニル系重合体からなり、加水分解性シリル基を有する上記有機重合体(b)は、例えば、ビニルモノマーと加水分解性シリル基含有モノマーとを共重合することにより得られるが、主鎖または 鎖の一部として全体の50%以下の範囲でウレタン結合あるいはシロキサン結合からなる単位を含んでいてもよい。
【0019】
本発明で用いられる有機重合体(b)は、例えば以下のような方法により得られる。
【0020】
(1)特開昭54−36395号公報に記載されているように、アリル基を有する(メタ)アクリル基エステル系共重合体をVIII族遷移金属の存在下で、下記の一般式(1)で表わされるヒドロシリコン化合物と反応させる方法。
【0021】
【化1】
Figure 2004161831
【0022】
式中、Rは1価の炭化水素基及びハロゲン化された1化の炭化水素基の中から選ばれた基、aは0、1または2をそれぞれ示し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基及びケトキシメート基より選ばれた基または原子を示す。
【0023】
(2)特開昭57−179210号公報に記載されているように、ビニルモノマーを、アルコキシシリル基を含有するアルキル(メタ)アクリレート及びメルカプト基を含有する連鎖移動剤の存在下で共重合させる方法。
【0024】
(3)特開昭59−78222号公報に記載されいてるように、ビニルモノマーを、2官能ラジカル重合性化合物及び連鎖移動剤としてのアルコキシシリル基を含有するメルカプタンの存在下で共重合させる方法。
【0025】
(4)特開昭60−23405号公報に記載されているように、ビニルモノマーを、重合開始剤としてアルコキシシリル基を含有するアゾビスニトリル化合物を使用して重合する方法。
【0026】
(5)特開平11−130931号公報に記載されているように、リビングラジカル重合法により、ビニル系重合体を製造する方法。
有機重合体(b)を製造する際に用いられるビニルモノマーとしては特に限定されないが、その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシプロピルフタル酸、メチルジメトキシプロピル(メタ)アクリレート、
[化合物1]
CH=CH−C(O)O−CHCHO−[C(O)CHCHCHCHCHO]−H
(n=1〜10)
[化合物2]
CH=C(CH)−C(O)O−CHCHO−[C(O)CHCHCHCHCHO]−H
(n=1〜10)
[化合物3]
CH=CH−C(O)O−(CHCHO)−H
(n=1〜12)
[化合物4]
CH=C(CH)−C(O)O−(CHCHO)−H
(n=1〜12)
[化合物5]
CH=CH−C(O)O−[CHCH(CH)O]−H
(n=1〜12)
[化合物6]
CH=C(CH)−C(O)O−[CHCH(CH)O]−H
(n=1〜12)
[化合物7]
CH=C(CH)−C(O)O−(CHCHO)−[CHCH(CH)O]−H
(m,n=1〜12)
[化合物8]
CH=CH−C(O)O−(CHCHO)−[CHCH(CH)O]−H
(m,n=1〜12)
[化合物9]
CH=C(CH)−C(O)O−(CHCHO)−(CHCHCHCHO)
(m,n=1〜12)
[化合物10]
CH=CH−C(O)O−(CHCHO)−(CHCHCHCHO)
(m,n=1〜12)
[化合物11]
CH=CH−C(O)O−(CHCHO)−CH
(n=1〜10)
[化合物12]
CH=C(CH)−C(O)O−(CHCHO)−CH
(n=1〜30)
[化合物13]
CH=CH−C(O)O−[CHCH(CH)O]−CH
(n=1〜10)
[化合物14]
CH=C(CH)−C(O)O−[CHCH(CH)O]−CH
(n=1〜10)
[化合物15]
CH=C(CH)−C(O)O−(CHCHO)−[CHCH(CH)O]−H
(m,n=1〜10)
[化合物16]
CH=CH−C(O)O−(CHCHO)−[CHCH(CH)O]−H
(m,n=1〜10)
[化合物17]
CH=CH−C(O)O−[CHCH(CH)O]−C(O)−CH=CH
(n=1〜20)
[化合物18]
CH=C(CH)−C(O)O−[CHCH(CH)O]−C(O)−C(CH)=CH
(n=1〜20)
[化合物19]
CH=CH−C(O)O−(CHCHO)−C(O)−CH=CH
(n=1〜20)
[化合物20]
CH=C(CH)−C(O)O−(CHCHO)−C(O)−C(CH)=CH
(n=1〜20)
スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン誘導体;無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニルなどのビニルエステル基を持つ化合物;n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシル、ビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテルなどのビニロキシ基を持つ化合物を挙げることができる。
【0027】
具体的な商品としては、ビニルモノマーに含まれる東亜合成化学工業(株)製のアロニクスM−5700、東亜合成化学工業(株)のマクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5、ダイセル化学工業(株)製のPlaccel FA−1、Placcel FM−1、Placcel FM−4などが挙げられる。
【0028】
これらの重合体の中でも、主鎖がアクリル酸とアルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからなる(メタ)アクリレート系共重合体が、柔軟性の点から好ましく、さらに好ましくはアクリル酸とアルキル基の炭素数が2〜8のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体である。また、架橋可能な加水分解性シリル基としては、メトキシシリル基及びエトキシシリル基などのアルコキシシリル基が反応後有害な副生成物を生成しないので好適である。
【0029】
有機重合体(b)の分子量は特に限定されないが、数平均分子量が好ましくは5000〜20万、さらに好ましくは1万〜6万であって、分子量分布Mw/Mnが1.6以下の有機重合体(b)が、作業性と硬化物の伸びとのバランスに優れているため好ましい。
【0030】
(有機重合体(a)及び有機重合体(b)の併用)
架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する、主鎖が本質的にポリエーテル系重合体からなる有機重合体(a)と、架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有し、主鎖が本質的にビニル系重合体からなる有機重合体(b)の双方を本発明において併用してもよい。有機重合体(a)及び(b)を併用することにより、硬化性組成物の硬化物の耐水性を高めたり、シーリング材を構成した場合のゴム弾性を高めることができる。
【0031】
有機重合体(a)及び(b)を併用する場合、その配合割合は、有機重合体(b)100重量部に対し、有機重合体(a)0.1〜200重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜100重量部である。
【0032】
有機重合体(a)の配合割合が0.1重量部未満では、接着性改善効果が小さくなることがあり、200重量部を越えると、耐候性が低くなることがあり、かつ接着性向上効果がそれ程高くならないからである。
【0033】
更に、上記主鎖がポリエーテル系とアクリル系からなる重合体の市販品としては、例えば鐘淵化学社製の商品名MSポリマーとしては、「MSX−908」、「MSX−911」、「MSX−943」等が挙げられ、同社製の商品名サイリルポリマーとしては、「サイリルMA−430」、「サイリルMAX−447」等が挙げられる。
【0034】
本発明で用いられるカルボジイミド基を有する化合物は、分子中に−N=C=N−で表されるカルボジイミド基を有している。
【0035】
カルボジイミド基は、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等の活性水素基を持つ化合物と高い反応性を持ち、また、多官能であるため優れた架橋効果を示す。このため、活性水素基を有している樹脂の架橋剤、耐加水分解安定剤として優れた効果を発揮し、耐候性に優れた硬化物を提供することができる。
【0036】
本発明で用いられるカルボジイミド基を分子中に有する化合物のNCN当量(カルボジイミド基1molあたりの化学式量)は、100〜1000好ましくは200〜500のものが、カルボキシル基との反応性及び樹脂との相溶性の点で好ましく用いられる。
【0037】
カルボジイミド基を分子中に有する化合物としては下記式(2)〜(7)で示される構造を有する化合物等が挙げられる。これらの化合物は単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。なかでも市販品として知られている「ElaststabH01」、「HMV−8CA」(ともに日清紡社製)がより好ましい。
【0038】
【化2】
Figure 2004161831
【0039】
これらのカルボジイミド基を有する化合物の添加量は有機重合体100重量部に対して0.1〜30重量部が望ましい。さらに好ましくは2〜10重量部である。0.1重量部より少ないと配合した効果が発現され難く、30重量部より多いと有機重合体との相溶性が低下する。
【0040】
本発明で用いられる層状珪酸塩とは、層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。本発明で用いられる層状珪酸塩としては特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げられる。なかでも、モンモリロナイト、膨潤性マイカが好ましい。上記層状珪酸塩は天然物または合成物のいずれであってもよく、これらの1種または2種以上を用い得る。
【0041】
上記層状珪酸塩としては、下記式により定義される形状異方性効果が大きいスメクタイト類や膨潤性マイカを用いることが、硬化性組成物の機械強度向上やガスバリヤ性向上の点からより好ましい。なお、層状珪酸塩の結晶表面(A)及び結晶端面(B)を図1に模式的に示す。
形状異方性効果=結晶表面(A)の面積/結晶端面(B)の面積
【0042】
上記層状珪酸塩の層間に存在する交換性陽イオンとは、結晶表面上のナトリウム、カルシウム等のイオンであり、これらのイオンは、カチオン性物質とイオン交換性を有するので、カチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の層間に捕捉(インターカレート)することができる。
【0043】
上記層状珪酸塩の陽イオン交換容量としては特に限定されないが、50〜200ミリ当量/100gであるのが好ましい。50ミリ当量/100g未満であると、イオン交換により結晶層間に捕捉(インターカレート)できるカチオン性界面活性剤の量が少なくなるので、層間が十分に非極性化されないことがある。一方、200ミリ当量/100gを超えると、層状珪酸塩の層間の結合力が強固となり、結晶薄片が剥離し難くなることがある。
【0044】
上記層状珪酸塩は、上記有機重合体100重量部に対して、0.1〜100重量部配合され、さらに好ましくは、0.5〜50重量部である。0.1重量部未満では硬化物の耐候性向上や難燃化などの作用が発現され難く、100重量部を越えると、硬化性組成物の粘度が高くなり作業性、生産性が低下することがある。
【0045】
上記層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で存在しているものを含んで分散しているものが好ましい。平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で分散していると、硬化性組成物の耐候性、難燃性の性能発現に有利となる。
【0046】
なお、本明細書において、層状珪酸塩の平均層間距離とは、微細薄片状結晶を層とした場合の平均の層間距離であり、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影により、すなわち、広角X線回折測定法により算出できるものである。3nm以上に層間が開裂し、5層以下で存在しているものを含んで分散している状態は、層状珪酸塩の積層体の一部または全てが分散していることを意味しており、層間の相互作用が弱まっていることによる。
【0047】
さらに、層状珪酸塩の平均層間距離が6nm以上であると、難燃性、機械物性、耐熱性等の機能発現に特に有利である。平均層間距離が6nm以上であると、層状珪酸塩の結晶薄片層が層毎に分離し、層状珪酸塩の相互作用がほとんど無視できるほどに弱まるので、層状珪酸塩を構成する結晶薄片の硬化性組成物中での分散状態が剥離安定化の方向に進行する。すなわち、層状珪酸塩が1枚づつ薄片状に乖離した状態で硬化性組成物中に安定化されて存在することとなる。
【0048】
層状珪酸塩の分散状態としては、上記有機重合体中で、層状珪酸塩の10重量%以上が5層以下で存在している状態に分散されていることが好ましく、より好ましくは、層状珪酸塩の20重量%以上が5層以下の状態で存在していることが望ましい。さらに、分散している薄片状結晶の積層数が5層以下であれば、層状珪酸塩の添加による効果が良好に得られるが、3層以下であればより好ましく、単層状に分散していることがさらに望ましい。
【0049】
本発明の層状珪酸塩としては、炭素数6以上のアルキル鎖またはポリオキシアルキレン鎖を有するアルキルアンモニウムイオンを含有する層状珪酸塩であることが、良好な分散性が得られることからより好ましい。
【0050】
層状珪酸塩の分散には各種攪拌機を用いることができるが、分散しにくい場合には3本ロール等の高剪断がかかる装置を用いて分散を行うと所望の分散状態を得やすい場合がある。
【0051】
本発明の硬化性組成物は、その硬化物を50kW/m の輻射加熱条件下で30分間加熱(ASTM E 1354に準拠)して得られた燃焼残渣の0.1cm/秒で圧縮したときの降伏点応力が4.9kPa以上であることが好ましい。4.9kPa未満であると、火災発生時に形状保持力が得られず、本発明の硬化性組成物をタイル等の接着に使用した場合には、支持物の落下につながることがある。
【0052】
本発明の硬化性組成物には、耐候性を向上させるために各種紫外線吸収剤や光安定剤を配合することが好ましい。層状珪酸塩との併用により、層状珪酸塩が各種紫外線吸収剤や光安定剤のブリードアウトを抑制するように作用するため、硬化物中にこれらが長期にわたって保持されるためである。
【0053】
上記紫外線吸収剤や光安定剤を配合する場合には、上記有機重合体100重量部に対して、0.1〜20重量部配合されているのが好ましい。0.1重量部よりも少ないと耐候性の向上効果が十分でないことがあり、20重量部を越えると、呈色によりシーリング材としての外観を損なう等の問題を生じることがある。
【0054】
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等があり、中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が紫外線吸収性能が高いので好ましい。上記光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が用いられ、一般に紫外線吸収剤と併用すると優れた効果があるという点で好ましい。
【0055】
上記ヒンダードアミン系光安定剤(以下光安定剤)の中でも、下記一般式(8)で示される構造を有する基を分子中に有するものが、層状珪酸塩と併用すると特に著しい効果がある。例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}]等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
【0056】
【化3】
Figure 2004161831
【0057】
層状珪酸塩との併用による耐候性効果は、光安定剤のブリード防止効果が主であると考えられる。すなわち層状珪酸塩が組成物中で光安定剤と相互作用し、光安定剤が系から散逸するのを防いでいる為であると考えられる。光安定剤の中でも上記一般式(8)で示される構造を有する基を分子中に有するものが特にその効果が著しいのは、N原子に結合したH原子が関与しているものと推察される。
【0058】
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて他の添加剤が配合されていてもよい。通常は、各種添加剤が配合されて硬化性組成物として調製され、シーリング材や接着剤として用いられる。
【0059】
なお、本発明のシーリング材及び接着剤は、本質的に上述の本発明硬化性組成物からなるものである。
【0060】
上記他の添加剤としては、可塑剤、1分子中にアミノ基及びアルコキシシリル基を有する化合物、シラノール縮合触媒、脱水剤、充填剤及びタレ防止剤、アミン系触媒、エポキシ硬化剤などが挙げられ、さらに必要に応じて、老化防止剤、顔料、香料、溶剤等が配合され得る。
【0061】
上記可塑剤は、シーリング材等の硬化物の伸びを高めたり、低モジュラス化するため使用される。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、セバシン酸ジブチルなどの脂肪族二塩基酸エステル類、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどのグリコールエステル類、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチルなどの脂肪族エステル類、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニルなどのリン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ可塑剤類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、塩素化パラフィン、ポリブタジエン、イソパラフィンなどが挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられ得る。特に、数平均分子量500〜3万のポリプロピレングリコールが、安全性や耐ブリードアウト等の安全性の点から好ましい。
【0062】
上記可塑剤の配合量としては、上記有機重合体100重量部に対して、80重量部以下が望ましい。80重量部より多いと、塗装性に問題を生じる場合がある。
【0063】
上記の、1分子中にアミノ基及びアルコキシシリル基を有する化合物は、特に上記有機重合体が配合される硬化性組成物に対して接着性付与剤として添加されるものであり、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N−ビス−〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N−ビス−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N−ビス−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N−ビス−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アミン、N,N−ビス−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕アミン、N,N−ビス−〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アミン等が挙げられ、これらの1種が用いられてもよく、または2種以上が併用して用いられてもよい。
【0064】
上記シラノール縮合触媒は、上記有機重合体が配合される硬化性組成物に対して湿気硬化反応を促進するために使用されるものであり、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物;テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物;ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等のアミン塩;及び、その他の酸性触媒や塩基性触媒が挙げられる。これらの1種または2種以上が併用して用いられる。
【0065】
また、硬化速度をさらに速めるためには、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジアリールジアルコキシシランを用いることができる。
【0066】
上記脱水剤は、上記有機重合体が配合される本発明の硬化性組成物の保存時における侵入水分を除去するために使用されるものであり、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメチルシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のシラン化合物類、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等の加水分解性エステル化合物類が挙げられ、これらの1種または2種以上が併用して用いられる。
【0067】
上記充填剤は、硬化物の補強を目的として使用されるものであり、例えば、炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、含水ケイ酸、無水ケイ酸、微粉末シリカ、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、雲母粉末、クレー、タルク、カーボンブラック、有機及び無機バルーン、ゴム粉末、ウォラストナイト、炭素繊維、また、接着耐久性を付与するためのセメントなどが挙げられ、これらの1種または2種以上が併用して用いられる。
【0068】
上記タレ防止剤は、例えば、水添ひまし油、脂肪酸ビスアマイド、ヒュームドシリカ等が挙げられる。
【0069】
上記溶剤としては、引火点が40℃以上の合成イソパラフィン系溶剤等が挙げられる。
【0070】
(作用)
従来、硬化性組成物は、シーリング材や接着剤として長期にわたって使用された場合、クラックの発生や伸びの低下など、耐候性に関する問題があった。
本発明者等は、これらの原因として、硬化性組成物を構成する有機重合体の分子鎖が、劣化要因である熱、光等によって切断され、このために発生したカルボキシル基又は水酸基等の活性水素を有する化合物が生成され、さらにこれが分子鎖の切断を誘引し、劣化が促進していくと推定した。
【0071】
このため、劣化で発生するカルボキシル基や水酸基等の活性水素を有する化合物と反応し、一旦切断された分子鎖を再度結合させることにより劣化を防止する方法を検討し、本発明におけるカルボジイミド基を有する化合物を用いることによって、上記問題を解決し得ることを見出した。すなわち、上記カルボジイミド基を有する化合物は、劣化によって切断された分子鎖を再結合する架橋剤として作用することにより、有機重合体の分子量の低下を防止することができ、その結果クラックの発生や伸びの低下を防止することが可能になったと考えられる。
【0072】
さらに、硬化性組成物において良好に分散された層状珪酸塩により、紫外線吸収剤及び光安定剤のブリードアウトが抑制され、さらに耐候性が向上するものとなる。
【0073】
また、硬化性組成物の燃焼残渣の降伏点応力がある一定以上である場合には、火災発生時にも形状保持力が得られ、本発明の硬化性組成物をタイル等の接着に使用した場合に支持物の落下が起こりにくいといった効果を発現し得る。
【0074】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」は特に断らない限り「重量部」を示す。
【0075】
〔硬化性組成物の調製〕
(実施例1〜4及び比較例1〜3)
表1の配合組成に従って各材料を配合し、外部から湿気が入らないように密封された混合攪拌機を用い、減圧下で均一に混合し硬化性組成物を得た。
なお、使用材料の詳細は下記の通りである。
【0076】
・架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体として、変成シリコーンポリマー「MSX−943」(数平均分子量2万、鐘淵化学工業社製)
・カルボジイミド基を分子中に有する化合物として、カルボジイミド系樹脂「Elaststab H01」(日清紡社製)、「HMV−8CA」(日清紡社製)
・充填剤として炭酸カルシウム「白艶華A」(白石工業社製、110℃で減圧乾燥したものを使用)及び酸化チタン(110℃で減圧乾燥したものを使用)
・可塑剤としてポリプロピレングリコール「ジオール3000」(数平均分子量3000、三井化学社製)
・脱水剤としてビニルトリメトキシシラン「サイラエースS210」(チッソ社製)
・接着性付与剤としてN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン「KBM−603」(信越化学工業社製)
・シラノール縮合触媒としてジブチル錫ジラウレート
・ヒンダードアミン系光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート「チヌビン770」(チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物「チヌビン765」(チバスペシャリティーケミカルズ社製)
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として「チヌビン327」(チバスペシャリティーケミカルズ社製)
・層状珪酸塩としてポリオキシプロピレンジエチル4級アンモニウム塩で有機処理した膨潤性フッ素雲母「ソマシフMEE−100」(コープケミカル社製)
【0077】
〔層状珪酸塩の平均層間距離の測定〕
得られた硬化性組成物における層状珪酸塩の平均層間距離を以下のようにして測定した。
【0078】
X線回折測定装置(リガク社製、RINT1100)により、層状珪酸塩の積層面の回折により得られる回折ピークの2θを測定し、下記のブラックの回折式を用いて層状珪酸塩の(001)面間隔を算出した。以下のdを平均層間距離とし、平均層間距離が3nm以上の場合を○と判定した。
λ=2dsinθ
なお、式中において、λ(nm)=0.154、d(nm)は層状珪酸塩の面間隔、θ(degree)は回折角である。
【0079】
〔層状珪酸塩の分散状態の確認〕
透過型電子顕微鏡(TEM 日本電子社製「JEM−1200EX II」)写真により、硬化物中の層状珪酸塩の分散状態を観察して、5層以下で存在しているものを○と判定した。
【0080】
〔評価〕
上記実施例及び比較例で得られた硬化性組成物の硬化物の耐候性を以下の方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0081】
各配合組成物を50mm×150mm(厚み1mm)のステンレス板に0.5mm厚みで塗布し、20℃×60%RHの雰囲気下で7日間(144時間)放置して養生硬化させた後、下記条件で、1500時間及び2000時間光照射を行い、表面状態を目視で確認し、クラックの無いものを○と判定した。
【0082】
・光照射条件
試験装置:アイスーパーUVテスター(SUV−F11型)、岩崎電気(株)製
照射強度:100mW/cm 限定波長:295nm〜450nm
ブラックパネル温度:63℃ 照射距離:235mm(光源と試料間)
【0083】
【表1】
Figure 2004161831
【0084】
【発明の効果】
本発明に係る硬化性組成物では、架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体100重量部と、カルボジイミド基を分子中に有する化合物0.1〜30重量部とを含むため、硬化物において耐候性の向上効果がある。
【0085】
上記本発明の硬化性組成物がさらに層状珪酸塩を0.1〜100重量部含む場合は、層状珪酸塩自体の紫外線吸収作用により、さらに硬化物の耐候性が高められる。
【0086】
さらに、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤が特定量配合された場合は、層状珪酸塩の作用と相俟ってさらに優れた長期の耐候性を発現し得る。
【0087】
さらに、本発明による硬化性組成物により、耐候性に優れたシーリング材や接着剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】層状珪酸塩の薄片状結晶の結晶表面(A)及び結晶端面(B)を説明するための模式図。

Claims (5)

  1. 架橋可能な加水分解性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体100重量部と、カルボジイミド基を分子中に有する化合物0.1〜30重量部とを含むことを特徴とする硬化性組成物。
  2. さらに層状珪酸塩を0.1〜100重量部含むことを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. さらに紫外線吸収剤が0.1〜20重量部、及び/又は光安定剤が0.1〜20重量部配合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物からなることを特徴とするシーリング材。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物からなることを特徴とする接着剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018076513A (ja) * 2017-11-30 2018-05-17 積水フーラー株式会社 硬化性組成物及びこれを用いてなる目地構造

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