JP2004161051A - 浮体の動揺低減装置及びこれを備えた浮体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】動揺低減装置11と浮体本体1との間に、これらの間の相対位置を固定または分離する着脱嵌合部14を設ける構成を採用した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水上に浮かぶ浮桟橋、浮倉庫、浮駐車場、作業船、石油生産プラットフォームなどとして適用される浮体構造物において、入射波による動揺を低減するための浮体の動揺低減装置および浮体に関する。
【0002】
【従来の技術】
水上に浮桟橋や浮駐車場などを設置する場合や、作業船を停留して各種の作業を行う場合、これらの浮桟橋や浮駐車場、作業船などの浮体構造物は、波の入射により動揺してしまうことから、この動揺を低減する必要がある。
浮体構造物の動揺を低減する装置として、各種の消波装置が提案されているが、出願人も、下記特許文献1や特許文献2に既に提案している。この特許文献1に記載された浮体の動揺低減装置では、浮体本体の波上側に水面を貫通する鉛直板を設け、浮体の揺れを低減するようにしている。また、特許文献2に記載された耐波型大型浮体では、大型浮体の波上側にL型や逆L型をなす形状の異なる消波構造体を幅方向に交互に並設し、浮体の揺れを低減するようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特願平10−328019号
【特許文献2】
特願2000−12790号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した浮体の動揺低減装置は、それぞれの構造を採用することで、浮体の揺れをかなり低減することができるものの、以下の問題を有していた。すなわち、
(1)船舶や作業船などのように移動する浮体の場合や、現地まで曳航される浮体では、付加した動揺低減装置が流体抵抗となるため、移動の妨げとなる。
(2)動揺低減装置は、浮体が設置される海域の波条件に応じた形状のものを採用するのが好ましいが、船舶や作業船などのように移動する浮体の場合では、場所毎に波条件が異なるため、動揺低減装置の効果を十分に発揮させることが困難である。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、(1)浮体の移動時の妨げにならず、(2)異なる波条件にも柔軟に対応することができる、浮体の動揺低減装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1に記載の浮体の動揺低減装置は、水上に浮かぶ浮体本体の側部に対して設けられる、浮体の動揺低減装置において、該動揺低減装置と前記浮体本体との間には、これらの間の相対位置を固定または分離する着脱部が設けられていることを特徴とする。
上記請求項1に記載の浮体の動揺低減装置によれば、(1)浮体本体を移動させる際には、着脱部において動揺低減装置を予め切り離してから移動させることで、水の抵抗を減らすことができ、浮体本体の移動に要する動力を低減させることができるようになる。そして、浮体本体が移動先に到着した後に、着脱部を介して動揺低減装置を取り付けることで、波による浮体本体の揺動を低減させることができるようになる。また、(2)例えば形状の異なる動揺低減装置を複数備え、これらの中から最適なものを選んで、着脱部を介して浮体本体に接続することにより、この浮体本体を設置する海域の波条件に柔軟に対応することができるようになる。
【0007】
請求項2に記載の浮体の動揺低減装置は、請求項1に記載の浮体の動揺低減装置において、前記着脱部が、前記浮体本体または前記動揺低減装置のいずれか一方側に設けられた第1凹部と、他方側に設けられて前記第1凹部に嵌合する凸部とを備えてなることを特徴とする。
上記請求項2に記載の浮体の動揺低減装置によれば、例えば既設の浮体に対して取り付ける場合には、その浮体本体に対し、第1凹部を形成するか、または凸部を固定するだけで、動揺低減装置を接続することができるようになる。これに対し、従来の浮体の動揺低減装置は、既設の浮体が、もともと、後付で動揺低減装置を取り付けることを考慮していないことが多いため、その取り付けが困難となる場合が多々ある。
【0008】
請求項3に記載の浮体の動揺低減装置は、請求項1に記載の浮体の動揺低減装置において、前記着脱部が、前記浮体本体及び前記動揺低減装置の両方に形成された第2凹部と、これら第2凹部のそれぞれに嵌合して両者間を連結する嵌合部材とを備えてなることを特徴とする。
上記請求項3に記載の浮体の動揺低減装置によれば、例えば既設の浮体に対して取り付ける場合には、その浮体本体に対し、第2凹部を形成するだけで、動揺低減装置を接続することができるようになる。
【0009】
請求項4に記載の浮体は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の浮体の動揺低減装置と、浮体本体とを備えていることを特徴とする。
上記請求項4に記載の浮体によれば、動揺低減装置を備えたことにより、(1)浮体本体の移動時には、取り外すことができるので、移動の妨げになるのを防ぐことができる。また、(2)波条件に適した形状の動揺低減装置を選んで浮体本体に取り付けることができるので、異なる波条件にも柔軟に対応することができる。
【0010】
請求項5に記載の浮体は、請求項4に記載の浮体において、前記動揺低減装置及び前記浮体本体間の接続箇所に、これらを接続する際の鉛直方向または水平方向のいずれか一方もしくは両方の相対位置を一致させる凹凸嵌合部が設けられていることを特徴とする。
上記請求項5に記載の浮体によれば、浮体本体に対する動揺低減装置の連結作業を、より確実かつ迅速に行うことができるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の浮体の動揺低減装置、及びこれを備えた浮体の各実施形態を、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明がこれらのみに限定解釈されるものでないことは勿論である。
各実施形態の浮体は、水上に浮かぶ浮体本体と、該浮体本体の動揺を低減させる動揺低減装置とを備えて構成されている。
前記浮体としては、例えば、水上に浮かぶ浮桟橋、浮倉庫、浮駐車場、作業船、石油生産プラットフォームなどがあるが、各実施形態では、図1に示すように、鋼板によって直方体形状に形成され、内部に密閉された複数の浮き室(図示略)を有する浮体本体1の場合を例に説明する。
なお、以下の説明においては、浮体本体1の長手方向を前後方向(図1のX方向。紙面奥側を前、紙面手前側を後ろとする。)、長手方向に垂直な幅方向を左右方向(図1のY方向。)とし、その右側面1a(波上側)に入射波Wが流れ込む場合を例として、説明を行うものとする。
【0012】
まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態の動揺低減装置11は、水上に浮かぶ浮体本体1の波上側の側部に配置されており、浮体本体1の右側面1aの略真下に向かって張り出した状態で水没するように設けられている。そして、これら浮体本体1及び動揺低減装置11とで、浮体10が構成されている。
【0013】
動揺低減装置11は、前記右側面1aに平行をなす長方板形状の鉛直板13と、該鉛直板13と浮体本体1との間の相対位置を固定または分離する複数の着脱嵌合部14(着脱部)とを備えている。
鉛直板13は、浮体1の長手方向(X方向)に長い長方形平板であり、その上端支持側に、通水可能な貫通部15が複数設けられている。これら貫通部15は、鉛直板13を支持する複数のステイ16間に形成された空間であり、鉛直板13及び浮体本体1間の接続部分における通水の抜けを可能としている。
【0014】
前記着脱嵌合部14は、図2に示すように、浮体本体1側に複数形成された縦溝17(第1凹部)と、動揺低減装置11側に設けられて各縦溝17に嵌合する前記各ステイ16(凸部)と、各縦溝17の上部を覆う蓋体18(図1参照)とを備えて構成されている。
各縦溝17は、前記右側面1aに形成された、長さL1を有する縦長の溝であり、平面視してT字型形状を有している。そして、これら縦溝17は、上部に形成された開口17aと、下部に形成された底面17bとを備えている。
【0015】
各ステイ16は、前記各縦溝17の位置に対応して、鉛直板13の内側面に固定された棒状の支持部材であり、鉛直板13の上縁より鉛直方向真上に向かって突出した状態で、前記長手方向に互いに所定間隔をおいて配置されている。また、これらステイ16の上端から下に向かって長さL1までの部分は、長手方向に垂直な断面形状が、前記縦溝17に嵌合するT字型形状をなしている。
各蓋体18は、浮体本体1の上面1bに対し、例えばボルト固定される板体であり、ボルト(図示せず)の取付け/取外しにより、上面1bより着脱可能となっている。
【0016】
したがって、各縦溝17に対し、その上方から各ステイ16を挿入し、その後、各蓋体18で各開口17aを塞ぐようにボルト固定することで、動揺低減装置11の取り付けが完了する。一方、動揺低減装置11を取り外す場合には、各蓋体18を取り外した後、各縦溝17から真上方向に向かって各ステイ16を引き抜くことで行われる。
【0017】
本実施形態の動揺低減装置11を備えた浮体10によれば、浮体本体1の右側面1aに対して入射波Wが当たって揺動しようとした場合、水中において、動揺低減装置11が抵抗体となり、浮体10のローリングを抑制する。
さらに、この動揺低減装置11では、浮体本体1に対して入射波Wが当たると、この入射波Wの一部が、各貫通部15に通水する。この通水は、各貫通部15がない場合に比較して、入射波Wをせき止めない分、浮体本体1に作用する波力を低減させるので、浮体本体1のローリングをさらに抑制する。
【0018】
以上説明の本実施形態の浮体の動揺低減装置11によれば、浮体本体1との間に着脱嵌合部14を設けたことにより、(1)浮体本体1の移動時に、浮体本体1から動揺低減装置11を切り離すことができるので、移動時の妨げになるのを防ぐことが可能となる。また、(2)鉛直板13や貫通部15の形状が異なるものを用意し、その中から、最適な形状の動揺低減装置11を選んで浮体本体1に接続することにより、異なる波条件にも柔軟に対応することが可能となる。
また、本実施形態の動揺低減装置によれば、浮体本体1側としては、縦溝17を設けるだけで良いので、既設の浮体本体に対しても容易に取り付けることが可能となる。
【0019】
なお、図3に示す変形例のように、前記各ステイ16の長手方向途中にヒンジ19を設けることで、鉛直板13を水中で揺動可能にする構成も採用可能である。このヒンジ19で回転することによる揺動を許容することにより、鉛直板13に作用する流体力による曲げモーメントがステイ16に伝達されないようにすることが可能となる。
【0020】
続いて、図4を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態は、上記第1実施形態の変形例に相当するので、その相違点のみを以下に説明し、その他については、上記第1実施形態と同様であるとして説明を省略する。
【0021】
同図に示すように、本実施形態の動揺低減装置21は、前記鉛直板13の代わりに、水平板22を設けた点が、特に特徴的となっている。
水平板22は、浮体1の長手方向(X方向)に長い長方形平板であり、その上面側に、通水可能な貫通部が複数設けられている。これら貫通部は、水平板22を支持する複数のステイ24間に形成された空間であり、水平板22及び浮体本体1間の接続部分における通水の抜けを可能としている。
【0022】
各ステイ24は、前記各縦溝17の位置に対応して、水平板22の上面に固定された略三角板形状の支持部材であり、前記上面より鉛直方向真上に向かって突出した状態で、前記長手方向に互いに所定間隔をおいて配置されている。また、これらステイ24の、前記右側面1aに対向する測縁部分は、その上端から下に向かって長さL1までの部分の断面形状が、前記縦溝17に嵌合するT字型形状をなしている。
【0023】
したがって、各縦溝17に対し、その上方から各ステイ24を挿入し、その後、各蓋体18で各開口17aを塞ぐようにボルト固定することで、動揺低減装置21の取り付けが完了する。一方、動揺低減装置21を取り外す場合には、各蓋体18を取り外した後、各縦溝17から真上方向に向かって各ステイ24を引き抜くことで行われる。
【0024】
以上説明の、本実施形態の動揺低減装置21を備えた浮体10によれば、浮体本体1の右側面1aに対して入射波Wが当たって揺動しようとした場合、水中において、動揺低減装置11が抵抗体となり、浮体10のローリングを抑制する。
さらに、この動揺低減装置21では、浮体本体1に対して入射波Wが当たると、この入射波Wの一部が、前記各貫通部に通水する。この通水は、前記各貫通部がない場合に比較して、入射波Wをせき止めない分、浮体本体1に作用する波力を低減させることができる。さらに、前記通水は、前記各貫通部を通過した後に渦流を形成し、この渦流が水平板22の揺動を抑える抵抗となるため、浮体本体1の揺動を減衰させる。したがって、浮体本体1のローリングをさらに抑制することが可能となっている。
【0025】
以上説明の本実施形態の浮体の動揺低減装置21によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0026】
続いて、図5を参照しながら、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態は、上記第1実施形態の変形例に相当するので、その相違点のみを以下に説明し、その他については、上記第1実施形態と同様であるとして説明を省略する。
【0027】
同図に示すように、本実施形態の動揺低減装置31は、複数の小浮体32を備えた点と、前記着脱嵌合部14(着脱部)の代わりに新たな着脱嵌合部33を備えた点とが、特に特徴的となっている。
各小浮体32は、鋼板によって直方体形状に形成され、内部に密閉された浮き室(図示略)を有している。そして、これら小浮体32は、複数本のステイ34により、その下方に前記鉛直板13を吊り下げ支持している。
各ステイ34は、各小浮体32の両側面にそれぞれ1本ずつが真下に向かって突出するように固定されており、さらに、これらステイ34の下部に対して、前記鉛直板13の内側面が固定されている。このとき、鉛直板13の上縁と、各小浮体32の下面との間には、通水可能な貫通部35が形成されるようになっている。
【0028】
着脱嵌合部33は、浮体本体1側に形成された前記各縦溝17(第2凹部)及び、動揺低減装置31側の各小浮体32に形成された縦溝36(第2凹部)と、これら縦溝17,36のそれぞれに嵌合して両者間を連結する連結部材37(嵌合部材)と、前記蓋体18とを備えて構成されている。
各縦溝36は、各小浮体32の、前記右側面1aに対向する面側に形成された、長さL1を有する縦長の溝であり、平面視してT字型形状を有している。そして、これら縦溝36は、上部に形成された開口36aと、下部に形成された底面36bとを備えている。
連結部材37は、長手方向に垂直な断面形状が、前記縦溝17,36の双方に同時に嵌合するH型形状をなす、長さL1の縦長部材である。
【0029】
したがって、まず各小浮体32を、各縦溝36及び各縦溝17間の相対位置が一致するように浮体本体1に接近、さらには当接させた後、各縦溝36及び各縦溝17に対し、その上方から各連結部材37を挿入し、その後、各蓋体18で各開口17a,36aを塞ぐようにボルト固定することで、動揺低減装置31の取り付けが完了する。一方、動揺低減装置21を取り外す場合には、各蓋体18を取り外した後、各縦溝17,36から真上方向に向かって各連結部材37を引き抜くことで行われる。
【0030】
以上説明の本実施形態の浮体の動揺低減装置31によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
なお、図6の変形例に示すように、鉛直板13の代わりに水平板42を採用し、この水平板42を、前記各小浮体32の下面に固定して支持する構成も、もちろん採用可能である。
【0031】
なお、上記第1実施形態から第3実施形態では、浮体1の右側面1aのみに動揺低減装置を設けるものとしたが、これに限らず、右側面1a及び左側面1cの双方に設ける構成を採用しても良い。さらには、必要に応じて、長手方向(X方向)における前後のいずれか一方もしくは両方に、設けるものとしても良い。この場合には、浮体本体1のピッチングの揺動を低減させることが可能となる。さらには、幅方向(Y方向)及び長手方向(X方向)の双方に各動揺低減装置を設けるものとしても良い。
【0032】
また、上記第3実施形態のように、小浮体32を備える動揺低減装置を用いる場合には、例えば図7に示すように、浮体本体1と各小浮体32との間に、接続時の縦方向相対位置調整用の凹凸嵌合部50と、干渉部材51と、引っ張り装置52とを備えることが望ましい。
すなわち、鉛直断面において、浮体本体1または各小浮体32の何れか一方に凹部50aを形成するとともに、他方に、凹部50aに嵌合する凸部50bを形成し、これら凹部50a及び凸部50bで前記凹凸嵌合部50を構成する。この凹凸嵌合部50によれば、各小浮体32を浮体本体1に接近、固定する際に、これらの鉛直方向の相対位置を容易かつ正確に固定することが可能となる。したがって、浮体本体1に対する動揺低減装置(各小浮体)の連結作業を、より確実かつ迅速に行うことができるようになる。
【0033】
また、これら凹部50a及び凸部50bのいずれか一方もしくは両方に、前記干渉部材51を設けることで、各小浮体32を浮体本体1に固定する際の衝撃を緩めることが可能となる。
また、前記引っ張り装置52として、例えばウィンチ機構を各小浮体32または浮体本体1のいずれか一方もしくは両方に設け、両者間を、ワイヤー52aの巻き取りにより接近させる構成を採用することで、浮体本体1に対する各小浮体32の接近、固定をより容易にすることが可能となる。
【0034】
さらに好ましくは、例えば図8(a),(b)に示すように、浮体本体1と各小浮体32との間に、前記凹凸嵌合部50に加えて、接続時の横方向相対位置調整用の凹凸嵌合部60を備えることが望ましい。
すなわち、図8(a)に示すように平面視して、浮体本体1または小浮体32の何れか一方に凹部60aを形成するとともに、他方に、凹部60aに嵌合する凸部60bを形成し、これら凹部60a及び凸部60bで前記凹凸嵌合部60を構成する。この凹凸嵌合部60によれば、小浮体32を浮体本体1に接近、固定する際に、鉛直方向に加えて、これらの水平方向の相対位置をも容易かつ正確に固定することが可能となる。したがって、浮体本体1に対する動揺低減装置(小浮体32)の連結作業を、より確実かつ迅速に行うことができるようになる。なお、同図の例では、各小浮体32を連結した一体物とし、その下面に、支持補強部材61を介して水平板42を固定している。図示を省略するが、この凹凸嵌合部60にも前記干渉部材51を設けて、各小浮体32を浮体本体1に固定する際の衝撃を緩めるようにしても良い。
【0035】
また、図9(a),(b)も、接続時の縦方向相対位置調整用の凹凸嵌合部50と横方向相対位置調整用の凹凸嵌合部60を設けたものであるが、水平板42の代わりに、鉛直板70を、小浮体32に一体に収容しておき、固定後に、この鉛直板70を下方にせり出させる構成となっている。この鉛直板70の昇降動作は、鉛直板70に固定されたステー71を、ワイヤー72で牽引することによって行われる。
【0036】
また、図10(a),(b)も、接続時の縦方向相対位置調整用の凹凸嵌合部50と横方向相対位置調整用の凹凸嵌合部60を設けたものであるが、水平板42の代わりに、鉛直板70を、小浮体32に一体に収容しておき、固定後に、この鉛直板80を油圧シリンダや水圧シリンダなどの伸縮装置81によって、延長方向から水平方向に回動させる構成となっている。
【0037】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の浮体の動揺低減装置によれば、浮体本体との間に着脱部を設けたことにより、(1)浮体本体の移動時に浮体本体から動揺低減装置を切り離すことができるので、移動時の妨げになるのを防ぐことが可能となる。また、(2)最適な形状の動揺低減装置を選んで浮体本体に接続することにより、異なる波条件にも柔軟に対応することが可能となる。
【0038】
また、請求項2に記載の動揺低減装置によれば、前記着脱部が、第1凹部及び凸部を備える嵌合構造とすることにより、既設の浮体に対しても容易に取り付けることが可能となる。
【0039】
また、請求項3に記載の浮体動揺低減装置によれば、着脱部が、浮体及び動揺低減装置の両方に形成された第2凹部と、これらに嵌合して両者間を連結する嵌合部材とを備える嵌合構造とすることにより、既設の浮体に対しても容易に取り付けることが可能となる。
【0040】
また、請求項4に記載の浮体によれば、動揺低減装置を備えたことにより、(1)浮体本体の移動時の妨げになるのを防ぐことが可能となる。また、(2)異なる波条件にも柔軟に対応することが可能となる。
【0041】
また、請求項5に記載の浮体は、接続箇所に凹凸嵌合部を設けたことにより、浮体本体に対する動揺低減装置の連結作業を、より確実かつ迅速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮体の動揺低減装置を備えた浮体の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】同動揺低減装置を示す図であって、浮体本体との接合部分の斜視図である。
【図3】同動揺低減装置の変形例を示す斜視図である。
【図4】本発明の浮体の動揺低減装置の第2実施形態を示す図であって、浮体本体との接合部分の斜視図である。
【図5】本発明の浮体の動揺低減装置の第3実施形態を示す図であって、浮体本体との接合部分の斜視図である。
【図6】同動揺低減装置の変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明の浮体の動揺低減装置と、浮体との間の接合部分を示す縦断面図である。
【図8】同接合部分の他の例を示す図であって、(a)が平面図、(b)が(a)のA−A断面図である。
【図9】同接合部分の他の例を示す図であって、(a)が平面図、(b)が(a)のB−B断面図である。
【図10】同接合部分の他の例を示す図であって、(a)が平面図、(b)が(a)のC−C断面図である。
【符号の説明】
1・・・浮体本体
10・・・浮体
11,21,31・・・動揺低減装置
14・・・着脱嵌合部(着脱部)
16・・・ステイ(凸部)
17・・・縦溝(第1凹部、第2凹部)
36・・・縦溝(第2凹部)
37・・・連結部材(嵌合部材)
50,60・・・凹凸嵌合部
Claims (5)
- 水上に浮かぶ浮体本体の側部に対して設けられる、浮体の動揺低減装置において、
該動揺低減装置と前記浮体本体との間には、これらの間の相対位置を固定または分離する着脱部が設けられていることを特徴とする浮体の動揺低減装置。 - 請求項1に記載の浮体の動揺低減装置において、
前記着脱部は、前記浮体本体または前記動揺低減装置のいずれか一方側に設けられた第1凹部と、他方側に設けられて前記第1凹部に嵌合する凸部とを備えてなることを特徴とする浮体の動揺低減装置。 - 請求項1に記載の浮体の動揺低減装置において、
前記着脱部は、前記浮体本体及び前記動揺低減装置の両方に形成された第2凹部と、これら第2凹部のそれぞれに嵌合して両者間を連結する嵌合部材とを備えてなることを特徴とする浮体の動揺低減装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の浮体の動揺低減装置と、浮体本体とを備えていることを特徴とする浮体。
- 請求項4に記載の浮体において、
前記動揺低減装置及び前記浮体本体間の接続箇所に、これらを接続する際の鉛直方向または水平方向のいずれか一方もしくは両方の相対位置を一致させる凹凸嵌合部が設けられていることを特徴とする浮体。
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