JP2004160075A - 膝サポータ - Google Patents
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Abstract
【課題】膝頭上下部を圧迫して膝関節の疼痛を緩和する膝サポータで、疼痛緩和効果が高いものを提供する。
【解決手段】本発明の膝サポータは、膝部に捲回する2つの膝巻き部材と該2つの膝巻き部材を並列に配置して結合する結合部材とで構成されている。膝巻き部材は、伸縮性布片から成る帯状片と、帯状片の一端部に固定された硬質材料から成る横長形状の圧迫片と、帯状片の他端部と圧迫部とのを着脱自在に係合する係合手段と、を含み、結合部材は、軟質材料から成り、膝巻き部材の帯状片を横方向移動可能に挿通する2つの挿通部と該2つの挿通部を連結する連結部とを備えている。本発明の膝サポータは、圧迫片が硬質材料から成るので、使用時に圧迫片の変形が適度に抑制されて、膝頭上下部への圧迫力が大きくでき、且つ膝頭上部と下部とを異なる力で圧迫して、痛みの症状に合わせて適切な圧迫をすることができる。
【選択図】図5
【解決手段】本発明の膝サポータは、膝部に捲回する2つの膝巻き部材と該2つの膝巻き部材を並列に配置して結合する結合部材とで構成されている。膝巻き部材は、伸縮性布片から成る帯状片と、帯状片の一端部に固定された硬質材料から成る横長形状の圧迫片と、帯状片の他端部と圧迫部とのを着脱自在に係合する係合手段と、を含み、結合部材は、軟質材料から成り、膝巻き部材の帯状片を横方向移動可能に挿通する2つの挿通部と該2つの挿通部を連結する連結部とを備えている。本発明の膝サポータは、圧迫片が硬質材料から成るので、使用時に圧迫片の変形が適度に抑制されて、膝頭上下部への圧迫力が大きくでき、且つ膝頭上部と下部とを異なる力で圧迫して、痛みの症状に合わせて適切な圧迫をすることができる。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、膝頭上部および下部を締付け圧迫して膝関節の痛みを緩和する膝サポータに関し、特に、膝頭上部および下部を個々に圧迫できる膝サポータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、筒状に編成された膝サポータのずれを防止するための、ずれ落ち防止用のゴムベルトが知られている(例えば、特許文献1および2参照。)。これらのゴムベルトは、生ゴムから成形された1対の長片と、該一対の長片のほぼ中央部に固定され一対の長片を一体と成した接続部と、各長片の両端部に固定された面テープと、を備えている。その膝部への装着は、接続部を膝裏に配置して、一方の長片を膝部直上に、他方の長片を膝部直下に捲回して、各長片の両端部を面テープで係合してなされる。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案第3023684号公報
【特許文献2】
登録実用新案第3056527号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のゴムベルトは、サポータなしで直接に、又はサポータの代わりに薄手の生地を介して装着すれば、膝頭上下部を圧迫することができるので、膝関節の疼痛を緩和するために使用されることがある。上記のゴムベルトには、膝頭およびその側部が完全に露出されて膝関節の動きを阻害しないという特徴があるので、特に膝関節の動きが多いスポーツ時に、サポータ代わりとして好んで利用されている。
【0005】
しかし、上記の生ゴムベルトは、膝頭上下部を適切に圧迫する工夫がされていないので、高い疼痛緩和効果が得られなかった。また、上記のゴムベルトは、膝部に直接に装着すると、皮膚が引きつれたり体毛が絡みついたりして、装着部に痛みを伴うことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、膝頭上下部を圧迫して膝関節の疼痛を緩和する膝サポータで、疼痛緩和効果が高いものを提供することを目的とする。
本発明は、直接に膝部に装着する時に、快適な装着感が得られる膝サポータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の膝サポータは、膝部に捲回する2つの膝巻き部材と、該2つの膝巻き部材を上下に並列して結合する結合部材と、から構成されている。上記膝巻き部材は、伸縮性布片から成る帯状片と、該帯状片の一端部に固定された硬質材料から成る横長形状の圧迫片と、帯状片の他端部と圧迫部とを着脱自在に係合する係合手段と、を含んでいる。上記結合部材は、軟質材料から成り、膝巻き部材の帯状片を横方向移動可能に挿通する2つの挿通部と、該2つの挿通部を連結する連結部と、を備えている。
【0008】
本発明の膝サポータは、使用時には、2つの膝巻き部材の各圧迫片が、横長方向に、一方は膝頭直上に、他方は膝頭直下に、それぞれ当てがわれて、膝回りに帯状片を巻きつけてそれぞれ固定される。また、上下の帯状片は、膝裏部で結合部材により結合されている。そこで、本発明の膝サポータは、2本の膝巻き部材が、膝裏で接合されて、膝側部で上下方向に分岐し、膝頭の上部と下部とにより個々に固定される。
【0009】
本発明の膝サポータは、圧迫片を硬質材料から成形するので、使用時に圧迫片の変形が適度に抑制されて、膝頭上下部への圧迫力が大きくなる。また、本発明の膝サポータは、2つの圧迫片を2つの帯状片で個別に係合するので、膝頭上部と下部とを異なる力で圧迫することができる。
本発明の膝サポータは、ゴム素材を露出させて使用していないので、膝部に直接に装着しても皮膚が引きつれたり、体毛が絡まることがなく、快適に装着できる。
【0010】
本発明の膝サポータは、2つの膝巻き部材の帯状片を、結合部材に挿通して結合した状態で使用されるので、締付け装着時に、それぞれの膝巻き部材が干渉して互いがずれるのを防止して、サポータが位置ずれしにくい。詳しくは、膝頭の突出により、膝頭直上に配置した上側膝巻き部材は、上方向にずり上がりやすく、反面、膝頭直下に配置した下側膝巻き部材は、下方向にずり落ちやすいが、上側および下側の膝巻き部材を膝裏部で結合部材により連結することにより、ずれの力が相殺されて、上下に位置ずれしにくいサポータになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の膝サポータは、帯状片の一端部に圧迫片を固定して成る膝巻き部材と、2つの膝巻き部材を、そのほぼ中央で並列に接合する結合部材と、から構成される。
【0012】
帯状片は、膝回りを捲回して締め付けるものであるが、軟質でゴム弾性を有する幅狭の帯状布片で形成される。また、皮膚に接触する裏面側に、肌触りがよく伸縮性のある生地を取着することができる。
【0013】
圧迫片は、帯状片の一端部に固定され、圧迫片は、横長形状とされ、横長形状には、長方形、長円形、楕円形、角部を切除した長辺形などを含み、特に、一方の長辺が他方の長片より長い台形状で、角部を切除して丸くされた形状が好ましい。
【0014】
膝巻き部材は、使用時には僅かに斜め掛けにされるので、圧迫片の膝頭側が僅かに突出し反対側が僅かにへこむが、これにより該反対側、特に、反対側の角部が、強い締結や転倒時の衝撃により脚部に強く食い込む惧れがある。そこで、一方の長辺を長くして膝頭側に配置して十分な幅に亘って圧迫し、他方の長辺をいくらか短くして脚部への食い込みの緩和をするのが好ましい。
また、上記台形状の圧迫片を備えた膝巻き部材では、膝巻き部材の辺縁部の長さが、圧迫片の長辺の長短によっていくらか差異ができて、上述のように圧迫片を配置すると、長い辺縁部側を、周囲長さが比較的長い膝頭直上側または直下側に巻くことができる。
【0015】
圧迫片は、表面側に突出して湾曲しているのが好ましく、圧迫片が膝頭上下部の曲面に合うので、圧迫片全体で適切な圧迫ができると共に、装着感が良好になる。
【0016】
圧迫片は、硬質材料から、剛性があり且つ適度な可撓性を備える厚み形状に成形されるのが好ましく、薄肉のゴムなどの軟質材料に比べて変形しにくいので膝頭上下を強く圧迫することができ、且つ、圧迫片が脚部の丸みに合わせて撓むので圧迫片全体でほぼ均一に圧迫できる。
圧迫片には、硬質プラスチック、例えばポリプロピレンなどで形成した板状体や、金属薄板、例えばステンレス鋼板やアルミ板などを用いることができる。
【0017】
本発明の膝サポータは、膝巻き部材の圧迫片が、その裏面に固定された弾性部材を含むのが好ましく、弾性部材は、圧迫片からの圧迫力を適度に拡散できるので、膝または脛に対して圧迫力が部分的に集中するのを防止できる。また、弾性部材は衝撃吸収能をを備えているので、圧迫片が外部から衝撃を受けた場合に、その衝撃が膝関節部に伝播するのを抑えて膝関節部を保護することができる。
【0018】
弾性部材は、圧迫片とほぼ同じ寸法形状で形成されて、圧迫片の裏面に接着剤等を用いて接着固定される。弾性部材は、厚肉の弾性材料から形成されるのがよい。弾性部材は、転倒して膝を地面などに打っても衝撃が緩和できる程度の厚みと弾性強度を有するものが好ましく、織布の積層体や不織繊維層、ゴム、特に厚地軟質の板状ゴム、発泡性ゴムから成るものが利用できる。
【0019】
膝巻き部材の帯状片と圧迫片との固定は、詳しくは、圧迫片の側部に、帯状片を挿通可能なスロットを形成し、そのスロットに帯状片の一端部を挿通して帯状片の本体側に折り返して、該本体にその一端部を縫合することにより、帯状片に圧迫片を固定している。
【0020】
膝巻き部材は、膝前部に圧迫片を配置し、帯状片の他端部を膝裏に捲回し、その他端部を圧迫片に着脱可能に係合して使用されるが、その着脱可能な係合手段として面ファスナを用いるのが好ましい。面ファスナは着脱自在で係合力も比較的強いので、膝サポータの装着取外しを簡単、容易にでき、強い圧迫固定が可能になる。面ファスナの取付け例としては、圧迫片の表面に面ファスナを取着し、帯状片の他端部に圧迫片の面ファスナと係合する面ファスナを取り付けることができる。
【0021】
結合部材は、側部中央に切欠き部を形成して、部分的に幅狭にされているのが好ましく、幅狭部を連結部とし、その上下側の幅広部を並列に配列された2つの挿通部とすることができる。
【0022】
挿通部は、帯状片より幅広で、且つ帯状片を固定しやすいように挿通方向に長くされているのが好ましく、挿通部が膝両側部にまで亘る挿通方向の長さに成形されるのがより好ましい。また、上下2つの挿通部は、連結部と結合した連結位置で最も接近し、端部に向かって互いが離れるように、ゆるく反った円弧状に形成するのが好ましい。サポータを装着すると、膝巻き部材が上下に分岐するので、結合部材の連結部には引張り応力がかかり、特に連結部の側部に強い応力がかかるが、上記のように挿通部を反って形成することにより、サポータ装着前であっても、挿通された帯状片が膝巻き部材の巻付け方向に向き、装着時に連結部の側部にかかる応力が緩和できる。
【0023】
一方、結合部材の連結部は、装着時に膝裏の横幅からはみ出さないように形成されているのが好ましく、そのような連結部を備えた膝サポータは、2つの膝巻き部材が、膝裏部で結合されるが膝側部から膝前部まで上下に分岐可能となって、それぞれの締結が阻害されず圧迫力が低下しない。
【0024】
挿通部には、膝巻き部材を挿通係合する形状を有しており、例えば、帯状片を挿通するスロットないし切り込みを、その挿通方向とほぼ垂直に複数形成した形状が採用でき、それらのスロットに帯状片を、結合部材の表側から裏側へ、裏側から表側へと交互に挿通することにより、膝巻き部材と横方向移動可能にして係合している。
【0025】
スロット間の間隔は、交互に広くするのが好ましく、その間隔の広い部分で帯状片が結合部材の表面側に配置されるように挿通すると、膝巻き部材を強く締付けて装着しても、膝裏部および膝側部は弾力性のある結合部材によって圧迫力を緩和できるので、膝頭上下部のみを効果的に圧迫することができる。
【0026】
また、別の形状としては、挿通部に、複数の細布片を挿通方向とほぼ垂直に配置して、細布片の両端を挿通部に縫合することにより複数の挿通孔を形成することができる。この例では、細布片を挿通部の表側に装着するのが好ましく、上述の挿通部と同様に、膝頭上下部のみを効果的に圧迫することができる。
【0027】
連結部には、くり抜き部を形成することができ、膝裏部の汗が乾きやすく装着時の不快感を減らすことができると共に、膝裏部のもたつき感が減り、装着時の違和感を低減することができる。
【0028】
結合部材は、弾性材料から形成されるのが好ましく、膝裏部の屈伸に合わせて弾性変形するので、膝裏がつっぱったりもたついたりすることがないか、比較的少ない。さらに、結合部材が、膝裏の薄い皮膚を傷付けない程度の柔軟性を備えるのが好ましい。結合部材には、薄地軟質の伸縮性の生地や厚地軟質の発泡性ゴムから成るものが利用できる。
結合部材の裏面側に、伸縮性があり肌触りが良い布地、例えば綿メリヤス地などを取着すれば、接合部材の弾性を阻害せず、膝関節部に直接に装着したときに装着感のよい膝サポータとなる。
【0029】
【実施例】
本発明の膝サポータ1は、図1の展開正面図、図2の展開裏面図に示すように、一対の膝巻き部材21、22が結合部材6により結合されており、膝巻き部21、22は、帯状片31、32の一端部33、34と、圧迫片41、42とを固定している。帯状片31、32は、ゴム弾性を示す帯状布片から成り、その他端部35、36にはフック側の面ファスナ37、38が固定されている。
【0030】
圧迫片41、42は、厚さ2mmのポリプロピレン板から角部を切除した台形状に形成されており、2つの長辺のうち長い辺部47、48が膝頭側に、短い辺部49、40が太腿側又は脛側に使用される。また、圧迫片41、42は、中央が表面43、44側に突出するように湾曲して成形されている。
【0031】
圧迫片41、42の裏面45、46には、厚さ6mmのウレタンフォームから成る弾性部材51、52が接着固定されており、また、圧迫片41、42の表面43、44には、ほぼ全面にループ側の面ファスナ71、72が接着されている。
【0032】
圧迫片41、42は、側部にスロット73、74が形成されており、帯状片31、32の一端部33、34が挿通されている。スロット73、74に挿通した一端部33、34は、帯状片31、32の本体側に折り畳んで縫合されて、圧迫片41、42に固定される。
スロット73、74は、この例のように、長辺に対して僅かに傾いて形成されていると、帯状片31、32の長手方向に対して圧迫片が傾斜するが、この傾斜が、サポータ装着時に膝巻き部材21、22の僅かな斜め掛けと協働して、膝巻き部材を、なだらかに傾斜した膝頭周囲に、無理なく密着させることができる。
【0033】
結合部材6については、両側部中央に切欠き部60を形成して、上下部の幅広部である挿通部61、62と、中央の幅狭部である連結部67とを成形している。挿通部61、62の横幅は、膝裏部から両膝側部まで覆うことができる程度の長さとされ、連結部67の横幅は、膝裏部からはみ出さない程度の長さとされている。
結合部材6は、厚さ4mmのウレタンフォームに、表面側にはナイロンパイル地が、裏面側には綿メリヤス地が取着されたラミネート地から成形されている。
【0034】
挿通部61、62には、帯状片31、32の挿通可能な複数のスロット63、64が形成されており、そのスロット63、64には、帯状片の他端部35、36を結合部材6の表側から裏側へ、裏側から表側へと交互に挿通されている。スロット63、64の間隔が交互に広くされており、間隔の広い部分では帯状片が結合部材の表面側になるように、帯状片が挿通されている。
また、上下の挿通部61、62は、その両端部65、66に近づくに従って、互いに離れるようにゆるく反った形状に成形されており、挿通された帯状片31、32もゆるく反った状態になっている。
連結部67のほぼ中央には、楕円形のくり抜き部68が形成されている。
【0035】
結合部材6の挿通部61、62では、帯状片31、32は、固着されず動くようにされており、個々の人の膝横部の長さに合わせて結合部材6と圧迫片41、42との間隔を調節して、結合部材6と圧迫片41、42とを膝部の適切な位置に配置できる。
【0036】
上側の膝巻き部材21は、下側の膝巻き部材22より若干長くされており、膝関節部より上位の太股部側に好都合に巻き回すことができる。下側の膝巻き部材22は、短くされているが、膝関節より下位の細目の脛部側に捲回するのに適合している。
【0037】
本発明の膝サポータ1を装着した膝部の側面では、図3に示すように、膝裏部で結合部材6により結合された2つの膝巻き部材21、22は、膝側部で分岐されており、それぞれわずかに斜め掛けされて膝頭上部および下部に向かっている。上側の圧迫片41は、その表面43が、わずかに斜め上方に向いて、膝頭上部の膝部形状に合っているので、圧迫片全体で圧迫力をほぼ均一にすることができる。同様に、下側の圧迫片42は、その表面44が、わずかに斜め下方に向いて、膝頭下部の膝部形状に合っているので、圧迫片全体で圧迫力をほぼ均一にすることができる。
【0038】
結合部材6は膝裏部に配置されており、その挿通部61、62は、膝裏部から膝側部に突出しており、膝裏側にある腱などに余剰な圧迫力がかかるのを防止している。結合部材6の連結部67は、膝裏部の屈曲位置に配置されて安定しており、激しい運動をしても位置ずれにくくなっているので、膝サポータ1全体がずり上がったりずり落ちたりするのを効果的に防ぐことができる。
【0039】
本発明の膝サポータ1の装着では、図4に示すように、結合部材6を膝裏部に配置して仮押さえし、次に、この例では、上側の圧迫片41を膝頭直上に当てがい、上側の帯状片31の他端部35を伸張して膝前部に捲き回して、他端部35に取着されたフック側の面ファスナ37を、圧迫片41の表面43に固定されたループ側の面ファスナ71に係合することにより、上側の膝巻き部材21が固定される。このとき、圧迫片41の面ファスナ71の任意の位置で他端部35の面ファスナ37を係合でき、その位置を変えることにより膝頭上部の圧迫力を調節する。
【0040】
その後、図5に示すように、上側の膝巻き部材21の固定と同様に、下側の膝巻き部材22も固定する。このとき、下側の圧迫片42は、膝頭直下に当てがって、下側の帯状片32の他端部36を圧迫片42の表面44に係合して固定される。圧迫片42の表面44に固定されたループ側の面ファスナ72には、その任意の位置に、帯状片32の他端部36に取着された面ファスナ38が係合され、その位置を変えることにより膝頭下部の圧迫力を調節する。
【0041】
この例は、2つの膝捲き部材21、22を、上側、下側の順に固定して膝サポータ1を装着した例であるが、下側、上側の順に固定して装着することもでき、個々の人の装着しやすさに合わせて固定順序を選択することができる。
また、本発明の膝サポータ1は、帯状片31、32の他端部35、36の係合を剥がして、圧迫片41、42の表面43、44の別の位置に再係合することにより、いつでも容易に膝巻き部材21、22の圧迫強度を変えることができる。また、上側または下側の膝巻き部材21、22のみを係合しなおすことにより、膝頭の上部または下部の圧迫強度を個別に変えることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の膝サポータは、伸縮性布片から成る帯状片と硬質材料から成る横長形状の圧迫片とから構成される膝巻き部材を2つと、その2つの膝巻き部材を結合する結合部材と、を備えているので、膝頭上下部を効果的に圧迫できて、疼痛緩和効果が高い。また、本発明の膝サポータは、膝頭上部と膝頭下部とを異なる力で圧迫することができるので、症状に応じて適切に疼痛を緩和できる。本発明のサポータは、皮膚に接触する部材にゴムが用いられていないので、皮膚が引きつれたり体毛が絡みつくことがない。
【0043】
本発明の膝サポータは、圧迫片の裏面に弾性部材を固定されていると、硬質部材から成る圧迫片の圧迫力を適度に拡散して圧迫力が部分的に集中するのを防止して、長時間の装着により膝部を痛めるのを防ぐことができ、また、外部から圧迫片に衝撃を受けても、その衝撃を吸収緩和して、膝関節部を保護することができる。
【0044】
本発明の膝サポータは、結合部材が弾性材料から成り、側部中央に切欠き部を形成されていると、膝巻き部材を強固に締結た場合にも膝裏部および膝側部を保護できるので、膝頭上下部のみを的確に圧迫することができる。
【0045】
本発明の膝サポータは、圧迫片が表面側に突出して湾曲して成形されていると、膝頭上下部の形状に合うので圧迫片全体でほぼ均一に圧迫でき、また、装着感もよくなる。
【0046】
本発明の膝サポータは、帯状片の他端部と圧迫片表面とに面ファスナで着脱自在に係合可能とすると、膝サポータの着脱が簡単、容易で、比較的強い圧迫力を発生することができ、また、圧迫強度の調節も簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる膝サポータの展開正面図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる膝サポータの展開裏面図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる装着された膝サポータの側面図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる装着時の膝サポータの斜視図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる装着された膝サポータの斜視図である。
【符号の説明】
1 膝サポータ
21、22 膝巻き部材
31、32 帯状片
33、34 帯状片の一端部
35、36 帯状片の他端部
37、38 面ファスナ
41、42 圧迫片
51、52 弾性部材
6 結合部材
71、72 面ファスナ
【発明の属する技術分野】
本発明は、膝頭上部および下部を締付け圧迫して膝関節の痛みを緩和する膝サポータに関し、特に、膝頭上部および下部を個々に圧迫できる膝サポータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、筒状に編成された膝サポータのずれを防止するための、ずれ落ち防止用のゴムベルトが知られている(例えば、特許文献1および2参照。)。これらのゴムベルトは、生ゴムから成形された1対の長片と、該一対の長片のほぼ中央部に固定され一対の長片を一体と成した接続部と、各長片の両端部に固定された面テープと、を備えている。その膝部への装着は、接続部を膝裏に配置して、一方の長片を膝部直上に、他方の長片を膝部直下に捲回して、各長片の両端部を面テープで係合してなされる。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案第3023684号公報
【特許文献2】
登録実用新案第3056527号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のゴムベルトは、サポータなしで直接に、又はサポータの代わりに薄手の生地を介して装着すれば、膝頭上下部を圧迫することができるので、膝関節の疼痛を緩和するために使用されることがある。上記のゴムベルトには、膝頭およびその側部が完全に露出されて膝関節の動きを阻害しないという特徴があるので、特に膝関節の動きが多いスポーツ時に、サポータ代わりとして好んで利用されている。
【0005】
しかし、上記の生ゴムベルトは、膝頭上下部を適切に圧迫する工夫がされていないので、高い疼痛緩和効果が得られなかった。また、上記のゴムベルトは、膝部に直接に装着すると、皮膚が引きつれたり体毛が絡みついたりして、装着部に痛みを伴うことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、膝頭上下部を圧迫して膝関節の疼痛を緩和する膝サポータで、疼痛緩和効果が高いものを提供することを目的とする。
本発明は、直接に膝部に装着する時に、快適な装着感が得られる膝サポータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の膝サポータは、膝部に捲回する2つの膝巻き部材と、該2つの膝巻き部材を上下に並列して結合する結合部材と、から構成されている。上記膝巻き部材は、伸縮性布片から成る帯状片と、該帯状片の一端部に固定された硬質材料から成る横長形状の圧迫片と、帯状片の他端部と圧迫部とを着脱自在に係合する係合手段と、を含んでいる。上記結合部材は、軟質材料から成り、膝巻き部材の帯状片を横方向移動可能に挿通する2つの挿通部と、該2つの挿通部を連結する連結部と、を備えている。
【0008】
本発明の膝サポータは、使用時には、2つの膝巻き部材の各圧迫片が、横長方向に、一方は膝頭直上に、他方は膝頭直下に、それぞれ当てがわれて、膝回りに帯状片を巻きつけてそれぞれ固定される。また、上下の帯状片は、膝裏部で結合部材により結合されている。そこで、本発明の膝サポータは、2本の膝巻き部材が、膝裏で接合されて、膝側部で上下方向に分岐し、膝頭の上部と下部とにより個々に固定される。
【0009】
本発明の膝サポータは、圧迫片を硬質材料から成形するので、使用時に圧迫片の変形が適度に抑制されて、膝頭上下部への圧迫力が大きくなる。また、本発明の膝サポータは、2つの圧迫片を2つの帯状片で個別に係合するので、膝頭上部と下部とを異なる力で圧迫することができる。
本発明の膝サポータは、ゴム素材を露出させて使用していないので、膝部に直接に装着しても皮膚が引きつれたり、体毛が絡まることがなく、快適に装着できる。
【0010】
本発明の膝サポータは、2つの膝巻き部材の帯状片を、結合部材に挿通して結合した状態で使用されるので、締付け装着時に、それぞれの膝巻き部材が干渉して互いがずれるのを防止して、サポータが位置ずれしにくい。詳しくは、膝頭の突出により、膝頭直上に配置した上側膝巻き部材は、上方向にずり上がりやすく、反面、膝頭直下に配置した下側膝巻き部材は、下方向にずり落ちやすいが、上側および下側の膝巻き部材を膝裏部で結合部材により連結することにより、ずれの力が相殺されて、上下に位置ずれしにくいサポータになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の膝サポータは、帯状片の一端部に圧迫片を固定して成る膝巻き部材と、2つの膝巻き部材を、そのほぼ中央で並列に接合する結合部材と、から構成される。
【0012】
帯状片は、膝回りを捲回して締め付けるものであるが、軟質でゴム弾性を有する幅狭の帯状布片で形成される。また、皮膚に接触する裏面側に、肌触りがよく伸縮性のある生地を取着することができる。
【0013】
圧迫片は、帯状片の一端部に固定され、圧迫片は、横長形状とされ、横長形状には、長方形、長円形、楕円形、角部を切除した長辺形などを含み、特に、一方の長辺が他方の長片より長い台形状で、角部を切除して丸くされた形状が好ましい。
【0014】
膝巻き部材は、使用時には僅かに斜め掛けにされるので、圧迫片の膝頭側が僅かに突出し反対側が僅かにへこむが、これにより該反対側、特に、反対側の角部が、強い締結や転倒時の衝撃により脚部に強く食い込む惧れがある。そこで、一方の長辺を長くして膝頭側に配置して十分な幅に亘って圧迫し、他方の長辺をいくらか短くして脚部への食い込みの緩和をするのが好ましい。
また、上記台形状の圧迫片を備えた膝巻き部材では、膝巻き部材の辺縁部の長さが、圧迫片の長辺の長短によっていくらか差異ができて、上述のように圧迫片を配置すると、長い辺縁部側を、周囲長さが比較的長い膝頭直上側または直下側に巻くことができる。
【0015】
圧迫片は、表面側に突出して湾曲しているのが好ましく、圧迫片が膝頭上下部の曲面に合うので、圧迫片全体で適切な圧迫ができると共に、装着感が良好になる。
【0016】
圧迫片は、硬質材料から、剛性があり且つ適度な可撓性を備える厚み形状に成形されるのが好ましく、薄肉のゴムなどの軟質材料に比べて変形しにくいので膝頭上下を強く圧迫することができ、且つ、圧迫片が脚部の丸みに合わせて撓むので圧迫片全体でほぼ均一に圧迫できる。
圧迫片には、硬質プラスチック、例えばポリプロピレンなどで形成した板状体や、金属薄板、例えばステンレス鋼板やアルミ板などを用いることができる。
【0017】
本発明の膝サポータは、膝巻き部材の圧迫片が、その裏面に固定された弾性部材を含むのが好ましく、弾性部材は、圧迫片からの圧迫力を適度に拡散できるので、膝または脛に対して圧迫力が部分的に集中するのを防止できる。また、弾性部材は衝撃吸収能をを備えているので、圧迫片が外部から衝撃を受けた場合に、その衝撃が膝関節部に伝播するのを抑えて膝関節部を保護することができる。
【0018】
弾性部材は、圧迫片とほぼ同じ寸法形状で形成されて、圧迫片の裏面に接着剤等を用いて接着固定される。弾性部材は、厚肉の弾性材料から形成されるのがよい。弾性部材は、転倒して膝を地面などに打っても衝撃が緩和できる程度の厚みと弾性強度を有するものが好ましく、織布の積層体や不織繊維層、ゴム、特に厚地軟質の板状ゴム、発泡性ゴムから成るものが利用できる。
【0019】
膝巻き部材の帯状片と圧迫片との固定は、詳しくは、圧迫片の側部に、帯状片を挿通可能なスロットを形成し、そのスロットに帯状片の一端部を挿通して帯状片の本体側に折り返して、該本体にその一端部を縫合することにより、帯状片に圧迫片を固定している。
【0020】
膝巻き部材は、膝前部に圧迫片を配置し、帯状片の他端部を膝裏に捲回し、その他端部を圧迫片に着脱可能に係合して使用されるが、その着脱可能な係合手段として面ファスナを用いるのが好ましい。面ファスナは着脱自在で係合力も比較的強いので、膝サポータの装着取外しを簡単、容易にでき、強い圧迫固定が可能になる。面ファスナの取付け例としては、圧迫片の表面に面ファスナを取着し、帯状片の他端部に圧迫片の面ファスナと係合する面ファスナを取り付けることができる。
【0021】
結合部材は、側部中央に切欠き部を形成して、部分的に幅狭にされているのが好ましく、幅狭部を連結部とし、その上下側の幅広部を並列に配列された2つの挿通部とすることができる。
【0022】
挿通部は、帯状片より幅広で、且つ帯状片を固定しやすいように挿通方向に長くされているのが好ましく、挿通部が膝両側部にまで亘る挿通方向の長さに成形されるのがより好ましい。また、上下2つの挿通部は、連結部と結合した連結位置で最も接近し、端部に向かって互いが離れるように、ゆるく反った円弧状に形成するのが好ましい。サポータを装着すると、膝巻き部材が上下に分岐するので、結合部材の連結部には引張り応力がかかり、特に連結部の側部に強い応力がかかるが、上記のように挿通部を反って形成することにより、サポータ装着前であっても、挿通された帯状片が膝巻き部材の巻付け方向に向き、装着時に連結部の側部にかかる応力が緩和できる。
【0023】
一方、結合部材の連結部は、装着時に膝裏の横幅からはみ出さないように形成されているのが好ましく、そのような連結部を備えた膝サポータは、2つの膝巻き部材が、膝裏部で結合されるが膝側部から膝前部まで上下に分岐可能となって、それぞれの締結が阻害されず圧迫力が低下しない。
【0024】
挿通部には、膝巻き部材を挿通係合する形状を有しており、例えば、帯状片を挿通するスロットないし切り込みを、その挿通方向とほぼ垂直に複数形成した形状が採用でき、それらのスロットに帯状片を、結合部材の表側から裏側へ、裏側から表側へと交互に挿通することにより、膝巻き部材と横方向移動可能にして係合している。
【0025】
スロット間の間隔は、交互に広くするのが好ましく、その間隔の広い部分で帯状片が結合部材の表面側に配置されるように挿通すると、膝巻き部材を強く締付けて装着しても、膝裏部および膝側部は弾力性のある結合部材によって圧迫力を緩和できるので、膝頭上下部のみを効果的に圧迫することができる。
【0026】
また、別の形状としては、挿通部に、複数の細布片を挿通方向とほぼ垂直に配置して、細布片の両端を挿通部に縫合することにより複数の挿通孔を形成することができる。この例では、細布片を挿通部の表側に装着するのが好ましく、上述の挿通部と同様に、膝頭上下部のみを効果的に圧迫することができる。
【0027】
連結部には、くり抜き部を形成することができ、膝裏部の汗が乾きやすく装着時の不快感を減らすことができると共に、膝裏部のもたつき感が減り、装着時の違和感を低減することができる。
【0028】
結合部材は、弾性材料から形成されるのが好ましく、膝裏部の屈伸に合わせて弾性変形するので、膝裏がつっぱったりもたついたりすることがないか、比較的少ない。さらに、結合部材が、膝裏の薄い皮膚を傷付けない程度の柔軟性を備えるのが好ましい。結合部材には、薄地軟質の伸縮性の生地や厚地軟質の発泡性ゴムから成るものが利用できる。
結合部材の裏面側に、伸縮性があり肌触りが良い布地、例えば綿メリヤス地などを取着すれば、接合部材の弾性を阻害せず、膝関節部に直接に装着したときに装着感のよい膝サポータとなる。
【0029】
【実施例】
本発明の膝サポータ1は、図1の展開正面図、図2の展開裏面図に示すように、一対の膝巻き部材21、22が結合部材6により結合されており、膝巻き部21、22は、帯状片31、32の一端部33、34と、圧迫片41、42とを固定している。帯状片31、32は、ゴム弾性を示す帯状布片から成り、その他端部35、36にはフック側の面ファスナ37、38が固定されている。
【0030】
圧迫片41、42は、厚さ2mmのポリプロピレン板から角部を切除した台形状に形成されており、2つの長辺のうち長い辺部47、48が膝頭側に、短い辺部49、40が太腿側又は脛側に使用される。また、圧迫片41、42は、中央が表面43、44側に突出するように湾曲して成形されている。
【0031】
圧迫片41、42の裏面45、46には、厚さ6mmのウレタンフォームから成る弾性部材51、52が接着固定されており、また、圧迫片41、42の表面43、44には、ほぼ全面にループ側の面ファスナ71、72が接着されている。
【0032】
圧迫片41、42は、側部にスロット73、74が形成されており、帯状片31、32の一端部33、34が挿通されている。スロット73、74に挿通した一端部33、34は、帯状片31、32の本体側に折り畳んで縫合されて、圧迫片41、42に固定される。
スロット73、74は、この例のように、長辺に対して僅かに傾いて形成されていると、帯状片31、32の長手方向に対して圧迫片が傾斜するが、この傾斜が、サポータ装着時に膝巻き部材21、22の僅かな斜め掛けと協働して、膝巻き部材を、なだらかに傾斜した膝頭周囲に、無理なく密着させることができる。
【0033】
結合部材6については、両側部中央に切欠き部60を形成して、上下部の幅広部である挿通部61、62と、中央の幅狭部である連結部67とを成形している。挿通部61、62の横幅は、膝裏部から両膝側部まで覆うことができる程度の長さとされ、連結部67の横幅は、膝裏部からはみ出さない程度の長さとされている。
結合部材6は、厚さ4mmのウレタンフォームに、表面側にはナイロンパイル地が、裏面側には綿メリヤス地が取着されたラミネート地から成形されている。
【0034】
挿通部61、62には、帯状片31、32の挿通可能な複数のスロット63、64が形成されており、そのスロット63、64には、帯状片の他端部35、36を結合部材6の表側から裏側へ、裏側から表側へと交互に挿通されている。スロット63、64の間隔が交互に広くされており、間隔の広い部分では帯状片が結合部材の表面側になるように、帯状片が挿通されている。
また、上下の挿通部61、62は、その両端部65、66に近づくに従って、互いに離れるようにゆるく反った形状に成形されており、挿通された帯状片31、32もゆるく反った状態になっている。
連結部67のほぼ中央には、楕円形のくり抜き部68が形成されている。
【0035】
結合部材6の挿通部61、62では、帯状片31、32は、固着されず動くようにされており、個々の人の膝横部の長さに合わせて結合部材6と圧迫片41、42との間隔を調節して、結合部材6と圧迫片41、42とを膝部の適切な位置に配置できる。
【0036】
上側の膝巻き部材21は、下側の膝巻き部材22より若干長くされており、膝関節部より上位の太股部側に好都合に巻き回すことができる。下側の膝巻き部材22は、短くされているが、膝関節より下位の細目の脛部側に捲回するのに適合している。
【0037】
本発明の膝サポータ1を装着した膝部の側面では、図3に示すように、膝裏部で結合部材6により結合された2つの膝巻き部材21、22は、膝側部で分岐されており、それぞれわずかに斜め掛けされて膝頭上部および下部に向かっている。上側の圧迫片41は、その表面43が、わずかに斜め上方に向いて、膝頭上部の膝部形状に合っているので、圧迫片全体で圧迫力をほぼ均一にすることができる。同様に、下側の圧迫片42は、その表面44が、わずかに斜め下方に向いて、膝頭下部の膝部形状に合っているので、圧迫片全体で圧迫力をほぼ均一にすることができる。
【0038】
結合部材6は膝裏部に配置されており、その挿通部61、62は、膝裏部から膝側部に突出しており、膝裏側にある腱などに余剰な圧迫力がかかるのを防止している。結合部材6の連結部67は、膝裏部の屈曲位置に配置されて安定しており、激しい運動をしても位置ずれにくくなっているので、膝サポータ1全体がずり上がったりずり落ちたりするのを効果的に防ぐことができる。
【0039】
本発明の膝サポータ1の装着では、図4に示すように、結合部材6を膝裏部に配置して仮押さえし、次に、この例では、上側の圧迫片41を膝頭直上に当てがい、上側の帯状片31の他端部35を伸張して膝前部に捲き回して、他端部35に取着されたフック側の面ファスナ37を、圧迫片41の表面43に固定されたループ側の面ファスナ71に係合することにより、上側の膝巻き部材21が固定される。このとき、圧迫片41の面ファスナ71の任意の位置で他端部35の面ファスナ37を係合でき、その位置を変えることにより膝頭上部の圧迫力を調節する。
【0040】
その後、図5に示すように、上側の膝巻き部材21の固定と同様に、下側の膝巻き部材22も固定する。このとき、下側の圧迫片42は、膝頭直下に当てがって、下側の帯状片32の他端部36を圧迫片42の表面44に係合して固定される。圧迫片42の表面44に固定されたループ側の面ファスナ72には、その任意の位置に、帯状片32の他端部36に取着された面ファスナ38が係合され、その位置を変えることにより膝頭下部の圧迫力を調節する。
【0041】
この例は、2つの膝捲き部材21、22を、上側、下側の順に固定して膝サポータ1を装着した例であるが、下側、上側の順に固定して装着することもでき、個々の人の装着しやすさに合わせて固定順序を選択することができる。
また、本発明の膝サポータ1は、帯状片31、32の他端部35、36の係合を剥がして、圧迫片41、42の表面43、44の別の位置に再係合することにより、いつでも容易に膝巻き部材21、22の圧迫強度を変えることができる。また、上側または下側の膝巻き部材21、22のみを係合しなおすことにより、膝頭の上部または下部の圧迫強度を個別に変えることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の膝サポータは、伸縮性布片から成る帯状片と硬質材料から成る横長形状の圧迫片とから構成される膝巻き部材を2つと、その2つの膝巻き部材を結合する結合部材と、を備えているので、膝頭上下部を効果的に圧迫できて、疼痛緩和効果が高い。また、本発明の膝サポータは、膝頭上部と膝頭下部とを異なる力で圧迫することができるので、症状に応じて適切に疼痛を緩和できる。本発明のサポータは、皮膚に接触する部材にゴムが用いられていないので、皮膚が引きつれたり体毛が絡みつくことがない。
【0043】
本発明の膝サポータは、圧迫片の裏面に弾性部材を固定されていると、硬質部材から成る圧迫片の圧迫力を適度に拡散して圧迫力が部分的に集中するのを防止して、長時間の装着により膝部を痛めるのを防ぐことができ、また、外部から圧迫片に衝撃を受けても、その衝撃を吸収緩和して、膝関節部を保護することができる。
【0044】
本発明の膝サポータは、結合部材が弾性材料から成り、側部中央に切欠き部を形成されていると、膝巻き部材を強固に締結た場合にも膝裏部および膝側部を保護できるので、膝頭上下部のみを的確に圧迫することができる。
【0045】
本発明の膝サポータは、圧迫片が表面側に突出して湾曲して成形されていると、膝頭上下部の形状に合うので圧迫片全体でほぼ均一に圧迫でき、また、装着感もよくなる。
【0046】
本発明の膝サポータは、帯状片の他端部と圧迫片表面とに面ファスナで着脱自在に係合可能とすると、膝サポータの着脱が簡単、容易で、比較的強い圧迫力を発生することができ、また、圧迫強度の調節も簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる膝サポータの展開正面図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる膝サポータの展開裏面図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる装着された膝サポータの側面図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる装着時の膝サポータの斜視図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる装着された膝サポータの斜視図である。
【符号の説明】
1 膝サポータ
21、22 膝巻き部材
31、32 帯状片
33、34 帯状片の一端部
35、36 帯状片の他端部
37、38 面ファスナ
41、42 圧迫片
51、52 弾性部材
6 結合部材
71、72 面ファスナ
Claims (5)
- 膝部に捲回する2つの膝巻き部材と、該2つの該膝巻き部材を上下に並列して結合する結合部材と、から構成された膝サポータであって、
上記の各膝巻き部材が、伸縮性布片から成る帯状片と、該帯状片の一端部に固定された硬質材料から成る横長形状の圧迫片と、帯状片の他端部と圧迫部とを着脱自在に係合する係合手段と、を含み、
上記結合部材が、軟質材料から成り、各膝巻き部材の中央部位を横方向移動可能に挿通する2つの挿通部と、該2つの挿通部を連結する連結部と、を備えた膝サポータ。 - 圧迫片が、その裏面に固定された弾性部材を含む請求項1に記載の膝サポータ。
- 結合部材が、軟質の弾性材料から成り、側部中央に切欠き部を形成されている請求項1又は2に記載の膝サポータ。
- 圧迫片が表面側に突出して湾曲した請求項1ないし3のいずれかに記載の膝サポータ。
- 係合手段が、帯状片の当該他端部と圧迫片表面とに備えた面ファスナを含み、帯状片の当該他端部と圧迫片とを着脱自在に係合可能とした請求項1ないし4のいずれかに記載の膝サポータ。
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