JP2004159787A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の吸収性物品は、液体保持力を有する吸収体を備えるものであり、該吸収体と直接接触する部位以外における構成部材どうしの接合部位に、吸湿剤を含有するホットメルト粘着剤が用いられている。接合状態において該吸湿剤はその一部が該ホットメルト粘着剤の表面に露出している。構成部材の一方が肌に直接接触する部材であり、その肌と接触する面と反対側の面に前記ホットメルト粘着剤が施されていることが好ましい。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸湿性が高く、装着中における蒸れやべたつき等の不快感の発生、及び肌のカブレの発生が防止された吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
吸収性物品の着用中における蒸れやべたつきを防止するための技術が種々提案されている。例えば、トップシートとして疎水性の微細繊維集合体からなる不織布を用い、身体と吸収性物品との間に疎水雰囲気の空間を形成することで、排泄された液の透過性を損なわずに液戻りの発生を防止した吸収性物品が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この吸収性物品は身体と液との接触に起因するべたつき感を低減させることは出来るものの、吸収体に吸収された液から発生する水蒸気や、身体から発生する水蒸気に起因する蒸れを防止することはできない。また、着用者の肌と直接接する部位は特に蒸れやすいことから、当該部位においては肌のカブレが特に起こりやすい。
【0003】
本出願人は先に、特定の値以上の透湿度を有する透湿性バックシートを用いると共に吸収性物品に吸湿剤を具備させることでその吸湿量を特定の値以上とした吸収性物品を提案した(特許文献2参照)。この吸収性物品によれば、吸収体に吸収された液から発生する水蒸気や、身体から発生した水蒸気が吸湿剤の作用によって積極的に捕捉されるので、蒸れ防止の効果が十分に発現する。しかし、吸湿剤が吸液部として機能してしまうので、吸液後は十分に高い吸湿効果が望めないことがある。そのため、吸湿性能を維持するには、多量の吸湿剤を含有させる必要がある。また、吸湿剤は、着用者の身体から離れた位置である吸収体内に含まれている。この位置は効率的な吸湿の観点からは不利な位置である。
【0004】
【特許文献1】
特開昭58−180602号公報
【特許文献2】
特開平7−132126号公報
【0005】
従って、本発明は、吸湿性が高く、装着中における蒸れやべたつき等の不快感の発生、及び肌のカブレの発生が防止された吸収性物品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液体保持力を有する吸収体を備え、該吸収体と直接接触する部位以外における構成部材どうしの接合部位に、吸湿剤を含有するホットメルト粘着剤が用いられており、接合状態において該吸湿剤はその一部が該ホットメルト粘着剤の表面に露出している吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の吸収性物品の一例としての使い捨ておむつをそのトップシート側から見た平面図が記載されている。図1に示すように、本実施形態の使い捨ておむつ1は、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート3と、トップシート2及びバックシート3間に介在された液保持性の吸収体4とを有して構成されている。吸収体4は、おむつ1の股下領域に対応する領域がくびれた砂時計形状に湾曲形成され、トップシート2及びバックシート3も、吸収体4の形状に即しておむつ1の股下領域に対応する領域が湾曲形成されている。そして、吸収体4は、トップシート2及びバックシート3によって挟持固定されている。
【0008】
吸収体4の前後から外方に延出するトップシート2及びバックシート3によって形成される背側及び腹側のウエストフラップ5,5’には、おむつ1を着用した際に、ウエストフラップ5,5’を着用者の身体にフィットさせるための帯状の弾性伸縮部材5a,5a’が配されている。該弾性伸縮部材5a,5a’はトップシート2及びバックシート3によって固定されている。また吸収体4の左右側縁部から側方に延出するトップシート2及びバックシート3によって形成される一対のレッグフラップ6,6には、糸状の3本の弾性伸縮部材6a,6aが配されている。該弾性伸縮部材6aはトップシート2及びバックシート3によって固定されている。そして、これらの弾性伸縮部材5a,6aが収縮することで、ウエストギャザー部W及びレッグギャザー部Lが形成される。
【0009】
おむつ1の左右両側部それぞれには、トップシート2の側部を覆うように立体ギャザー形成用シート7,7が配されている。各立体ギャザー形成用シート7は、その外側部及び前後端部がトップシート2に固着されていると共にその内側部が自由状態となっている。そして、該内側部の側縁に、その長手方向に沿って弾性伸縮部材7a,7aが固定されている。そして弾性伸縮部材7aが収縮することで、立体ギャザー形成用シート7の前記内側部が立ち上がり、おむつ1における着用者の身体側に起立した立体ギャザー部Rが形成される。
【0010】
背側のウエストフラップ5の幅方向両側縁にはそれぞれテープファスナー等からなる一対の止着具8が取り付けられており、また、腹側のウエストフラップ5’におけるバックシート3上には矩形状のランディングテープ等からなる被着具(図示せず)が貼付されている。そして、本実施形態の使い捨ておむつ1が着用される際に、止着具8,8が被着具上に止着するようになされている。止着具8の配置部位におけるおむつ幅方向内側には、複数の胴回り弾性部材9が伸張状態でおむつ幅方向に亘って配されている。この弾性部材が収縮することで、胴回りギャザー部Dが形成される。
【0011】
おむつ1を構成するこれらの部材のうち、例えばトップシート2としては各種不織布や開孔フィルムを用いることができ、バックシート3としては熱可塑性樹脂のフィルムを用いることができる。このフィルムは透湿性を有していてもよい。吸収体4としては、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーの粒子の混合体をティッシュペーパー等の紙で包んだものを用いることができる。
【0012】
図2には、おむつ1を着用者に装着させた状態が模式的に示されている。図2から明らかなように、おむつ1の装着状態においては、レッグギャザー部Lがバックシート3側へ屈曲して、レッグギャザー部Lの内面、即ちトップシート2側の面が着用者の大腿部に密接している。また、起立した立体ギャザー部Rの自由端及びその近傍が、着用者の鼠蹊部に密接している。従って、着用者におけるこれらの身体部位は蒸れやすく、その蒸れに起因して肌のカブレが起こりやすい状態となっている。また図示していないが、胴回りギャザー部Dも同様の状態となっている。
【0013】
この蒸れやカブレを防止するために本実施形態のおむつ1においては、バックシート3、立体ギャザー形成用シート7及び弾性伸縮部材6aは、それらの部位のうち吸収体4と直接接触していない部位において、吸湿剤を含有したホットメルト粘着剤によって互いに接合されて、レッグギャザー部Lを形成している。また、立体ギャザー形成用シート7及び弾性伸縮部材7aは、それらの部位のうち吸収体4と直接接触していない部位において、吸湿剤を含有したホットメルト粘着剤によって互いに接合されて、立体ギャザー部Rを形成している。更に、表面シート2、バックシート3及びこれらシート間に挟持固定されている胴回り弾性部材9は、それらの部位のうち吸収体4と直接接触していない部位において、吸湿剤を含有したホットメルト粘着剤によって互いに接合されて、胴回りギャザー部Dを形成している。これらの接合状態においては、ホットメルト粘着剤に多数の吸湿剤の粒子が含まれており、該吸湿剤はその一部がホットメルト粘着剤の表面に露出した状態で該ホットメルト粘着剤に保持されている。これによって、おむつ1を装着した場合に蒸れが非常に起こり易い身体部位である大腿部、鼠蹊部及び胴回り部の間近に吸湿剤が吸湿可能な状態で位置することになる。その結果、発生した湿気が吸湿剤によって効率よく吸収され着装内の湿度が低下し、当該部位における肌のカブレが効果的に防止される。また、吸湿剤は、着用者の排泄部位及びおむつ1の吸収体4から離れた場所に位置しているので、吸湿剤と排泄された尿等との接触が最小限にとどめられ、吸湿剤が本来有している吸湿性が尿等によって損なわれにくい(失活しにくい)という利点もある。
【0014】
前述したレッグギャザー部L、立体ギャザー部R及び胴回りギャザー部Dにおいては、これらを構成する部材には肌に直接接触する部材が少なくとも一つ含まれている。肌に直接接触する部材は透湿性を有している。そして、その肌に直接接触する部材においては、該部材のうち肌接触面と反対側の面に、吸湿剤を含有したホットメルト粘着剤が施されている。つまり、ホットメルト粘着剤は、着用者の肌と直接接触しないように施されている。肌に直接接触する部材を構成する材料としては、透湿性で且つ疎水性である不織布を用いることが好ましい。なお、各ギャザー部においては、透湿性が不十分にならない程度であれば、肌に直接接触する部材の上に、透湿性で且つ親水性であるシート部材が配されていて差し支えない。例えば、胴回りギャザー部Dの形成においては、胴回り弾性部材を透湿性で且つ疎水性であるシートに前記ホットメルト粘着剤を用いて伸張状態で固定し、該シートをバックシートに固定した状態下に、該シート上に前記シート部材としてのトップシートを配してもよい。尤もコストの点や着用者の肌にさらっとした快適感を与える点からは、そのようなシート部材は配さない方が好ましい。
【0015】
レッグギャザー部L、立体ギャザー部R及び胴回りギャザー部Dにおいては、これらを構成する部材は疎水性であることが好ましい。つまり、吸湿剤を含有したホットメルト粘着剤によって接合される部材は何れも疎水性であり、液を透過させづらいものであることが好ましい。これによってホットメルト粘着剤に含まれている吸湿剤の吸湿性が損なわれにくくなる。
【0016】
ホットメルト粘着剤に含まれる吸湿剤としては、従来公知のものを特に制限なく用いることができる。吸湿剤は、人体に対して有害又は刺激性のある成分を含まないことが好ましい。特に、吸湿剤が水に可溶な成分を含む場合には、該成分が排泄された尿等に接触すると、溶解して肌に接触するおそれがあるので、該吸湿剤は実用上水不溶性のものであることが好ましい。水可溶性である場合には不溶化処理を施したものであることが好ましい。水不溶性の吸湿剤としては例えば次の(1)〜(5)のものが挙げられる。(1)ポリアクリル酸ソーダ架橋体;デンプン−ポリアクリル酸グラフト重合体;親水性ポリウレタン;カルボキシレート、スルホネート若しくはサルフェート基を有するモノマーと、ホスフェート若しくはホスホネート基を有するモノマーとの共重合体等の高吸水性ポリマーの粒子。(2)活性炭、天然又は合成シリカ、合成ゼオライト等の水分をその表面に物理化学的に吸着する無機/有機多孔体。(3)ポリビニルアルコールの粒子。(4)ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム等の多糖類の粒子。(5)羊毛、レーヨン、テンセル、ポリビニルアルコール繊維等の天然又は合成の親水性繊維を粉体にしたもの。
【0017】
前記の吸湿剤のうち、軟質である有機物系の吸湿剤が好ましく、特に高吸水性ポリマーの粒子を用いることが好ましい。この理由は次の通りである。即ち、吸湿剤はホットメルト粘着剤に含有され、各ギャザー部の形成に用いられる。従って、硬質の吸湿剤、例えば無機物系の吸湿剤を用いた場合には、これが着用者の肌に刺激を与える可能性がある。これに対して、軟質の吸湿剤、例えば高吸水性ポリマーの粒子を用いれば、そのような刺激を与えるおそれが少ない。また高吸水性ポリマーはホットメルト粘着剤との相溶性が低いことから、ホットメルト粘着剤の塗工後に高吸水性ポリマーの粒子の表面がホットメルト粘着剤で被覆されにくく、該粒子が表面に露出しやすくなり、吸湿性が損なわれにくいという利点もある。
【0018】
吸湿剤はその平均粒径が106μm以下、特に53μm以下であることが好ましい。つまり、吸湿剤は小粒径のものであることが好ましい。小粒径のものは大粒径のものと比べて単位重量当たりの表面積が大きくなるため同量で比較した場合小粒径のものの方が吸湿性に優れている。従って、ホットメルト粘着剤の使用量を低減させることができる。また粒状感が少なく、おむつ1の手触りが柔らかくなり、着用者に不快感を与えることが少ない。更に、液の透過性阻害や、ホットメルト粘着剤の接着阻害が起こりにくくなる。特に、吸湿剤として高吸水性ポリマーの粒子を用いる場合には次のような利点もある。即ち、吸収性物品の吸収体に用いられる高吸水性ポリマーは、その粒径が数百μmのものが篩い分けして用いられており、小粒径のものは不要なものとして用いられていなかった。この理由は、小粒径の粒子は吸収体から脱落しやすく、また粒子どうしが付着しやすくゲルブロッキングが起こりやすかったからである。これに対して本実施形態においては、平均粒径が106μm以下の粒子を用いることで、今まで不要とされていた小粒径の高吸水性ポリマーを有効活用できるようになる。尚、吸湿剤の粒径の下限値に特に制限はない。粒径はJIS Z 8115「ふるい分け試験方法通則」に記載の「乾式ふるい分け法」に準拠して測定する。平均粒径が106μm以下の粒子とは、この方法に準拠し、106μmのメッシュを用いて粒子を篩い分けたときに、メッシュを通過した粒子をいう。同様に、平均粒径が53μm以下の粒子とは、この方法に準拠し、53μmのメッシュを用いて粒子を篩い分けたときに、メッシュを通過した粒子をいう。
【0019】
吸湿剤は各々が分散してホットメルト粘着剤上に存在していても良く、或いは複数個の粒子が凝集して吸湿剤の凝集体を形成し、該凝集体がホットメルト内に多数分散していると共にホットメルト粘着剤の表面に一部が露出して存在する形態であってもよい。このような形態の場合、複数個の吸湿剤のうち一部はホットメルト粘着剤と接触して固定されており、残りはホットメルト粘着剤と接触していないか或いは僅かにしか接触しておらず、単に周囲を取り囲む吸湿剤によって間接的にホットメルト粘着剤に固定されている。従って、ホットメルト粘着剤の表面に存在する吸湿剤の面積が、見かけ上同じ粒径を有する1個の吸湿剤よりも大きくなり吸湿性能が高くなるという利点がある。このような凝集体を形成するには、ホットメルト粘着剤との相溶性が低い吸湿剤(例えば、高吸水性ポリマー)であって、特に粒径が小さいもの(最大粒径が106μm以下)を使用することが好ましい。
【0020】
吸湿剤の種類にもよるが、吸湿剤の使用量は、ホットメルト粘着剤100重量部に対して5〜100重量部、特に10〜50重量部であることが、ホットメルト粘着剤からの吸湿剤の脱落の防止及びホットメルト粘着剤の接着阻害の防止の点から好ましい。また粒状感を受けにくく、肌が損傷を受けるおそれもない。
【0021】
ホットメルト粘着剤としては、従来この種の吸収性物品の製造に用いられてきたものと同様のものを用いることができる。そのようなホットメルト粘着剤としては、例えばスチレン系のホットメルト粘着剤、オレフィン系のホットメルト粘着剤等が挙げられる。吸湿剤への影響の大きい、溶剤系粘着剤や水系粘着剤の使用がなるべく避けた方がよい。
【0022】
ホットメルト粘着剤は、一般にベースポリマー、常温で固体の粘着付与成分、軟化剤成分及び酸化防止剤を構成成分として具備してなる。
【0023】
ベースポリマーとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられ、粘着付与成分及び軟化剤成分の合計量を100重量部とした時、30〜130重量部、特に40〜120重量部の範囲で用いられることが好ましい。
【0024】
粘着付与成分としては、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ロジン系石油樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられ、粘着付与成分及び軟化剤成分の合計量100重量部中、60〜99重量部、特に70〜95重量部の範囲で用いられることが好ましい。
【0025】
軟化剤成分としては、軟化点が10℃以下で平均分子量が200〜700のプロセスオイル、鉱油、各種可塑剤、ポリブテン、及び液状粘着付与樹脂等が挙げられ、粘着付与成分及び軟化剤成分の合計量100重量部中、1〜40重量部、特に5〜30重量部の範囲で用いられることが好ましい。
【0026】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤等が用いられ、ベースポリマー、粘着付与成分及び軟化剤成分の合計量を100重量部とした時、0.5〜3重量部の範囲で用いられることが好ましい。
【0027】
ホットメルト粘着剤には、これらの成分の他に、紫外線吸収剤等の通常粘着剤に用いられる成分を適宜添加することもできる。
【0028】
本実施形態においては前述した通り、立体ガード形成用シート7及びバックシート3はそれぞれ透湿性であり、それに加えて疎水性であることが好ましい。この理由は、不慮の事態によって排泄物が立体ギャザー部Rの外に到達してしまった場合でも、吸湿剤が濡れてしまうことを防げるのでその吸湿性能が保てるからである。このことは特に、吸湿剤として高吸水性ポリマーのように吸水性能が高いものを用いた場合に有効である。
【0029】
吸湿剤をホットメルト粘着剤に含ませる方法としては練り込みが好ましい。練り込む場合には、通常の塗工装置(アプリケータ)のタンク内に粘着剤を投入し、これをその軟化点以上に加熱して溶融状態とし、その状態下に吸湿剤を投入し、両者を混合する。この加熱によって吸湿剤に付着している水分が除去され、吸湿剤の吸湿効果が一層高まる。このようにして吸湿剤が練り込まれたホットメルト粘着剤は、所定の塗工方法によって塗工される。塗工方法としては、接着剤を霧状にして点状に塗工する、いわゆるスロットスプレー法、カーテンスプレー法及びメルトブローン法、スパイラルスプレー法、グラビア法、接着剤を線状に塗工する方法並びに接着剤を面状に塗工するコーター法等がある。これらの塗工方法のうち、吸湿剤を表面に露出させやすいことから、スロットスプレー法、スパイラルスプレー法、メルトブローン法、線状に塗工する方法などが好ましく用いられる。吸湿剤をホットメルト粘着剤に含ませる場合には、各種界面活性剤、好ましくは非イオン系の界面活性剤を適宜混合すると、吸湿剤の分散性がコントロールできるので好ましい。
【0030】
本実施形態のおむつ1は図3に示す形態とすることもできる。図3に示すおむつ1においては、吸湿剤を含むホットメルト粘着剤による接合部位よりも吸収体寄りの位置に更にホットメルト粘着剤による接合部位が設けられている。詳細には、レッグギャザー部Lのおむつ幅方向内側に、立体ギャザー形成用シート7、トップシート2及びバックシート3の三者を固定する固定部10が形成されている。固定部10はこれら三者をホットメルト粘着剤によって固定することで形成されている。このホットメルト粘着剤は、これまで述べてきたホットメルト粘着剤と異なり吸湿剤を含まないものである。この固定部10が存在することによって、吸収体4の側部やトップシート2から尿がしみ出したりにじみ出したりすることが阻止され、レッグギャザー部Lにまで到達することが効果的に防止される。その結果、レッグギャザー部Lに施されているホットメルト粘着剤に含まれている吸湿剤の吸湿性能が失われることが防止される。このことから明らかなように、固定部10を構成するホットメルト粘着剤には吸湿剤が含まれていても差し支えない。例えば、場合によっては吸収体4中に含まれる高吸水性ポリマーの粒子がこぼれ落ちて固定部10に達して、結果的に固定部10を構成するホットメルト粘着剤が吸湿剤を含むことがあるが、そのことには何らの支障もない。
【0031】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においてはレッグギャザー部L、立体ギャザー部R及び胴回りギャザー部Dの形成に、吸湿剤を含有するホットメルト粘着剤を用いたが、これらの部位以外、例えばウエストギャザー部Wの形成に、吸湿剤を含有するホットメルト粘着剤を用いてもよい。もちろん、おむつの製造全体に、吸湿剤を含有するホットメルト粘着剤を用いてもよい。
【0032】
また、本発明の吸収性物品は、前述した使い捨ておむつに限られず、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー、おりものシート等の他の吸収性物品にも同様に適用できる。
【0033】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。以下の例中、特に断らない限り「部」は「重量部」を意味する。
【0034】
〔実施例1〕
粉砕パルプ100部及び高吸水性ポリマー100部(平均粒径350μm)を気流中で均一混合し、長さ400mm、幅120mmの砂時計形の積繊体を得た。長手方向中央部のくびれ部分の幅は幅90mmであった。積繊体の坪量は480g/m2であった。得られた積繊体を、坪量16g/m2のティッシュペーパで包み込み吸収体を得た。
【0035】
トップシートとして、ポリエチレン/ポリプロピレンの芯鞘型複合繊維(2.2dtex、繊維長51mm)からなるエアスルー不織布(坪量25g/m2、繊維表面は界面活性剤で親水処理されている)を用いた。バックシートとして、ポリエチレン/炭酸カルシウムからなる透湿性で且つ疎水性である延伸開孔フィルムを用いた。立体ガード形成用シートとして、ポリプロピレンのスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)不織布(坪量15g/m2)を用いた。このSMS不織布は透湿性で且つ疎水性であった。また胴回り弾性部材を、立体ガード形成用シートと同じ材料のシートで包み、後述するホットメルト粘着剤を用いて伸張状態下に接合し、次いでこれをバックシート上に固定して胴回りギャザー部を形成した。これらのシートと、先に得られた吸収体とを用いて図3に示す構造を有する使い捨ておむつを得た。これら以外の部材には公知の材料を用いた。なお、胴回りギャザー部においては、トップシートの長手方向端部が吸収体の長手方向端部を越えて延在して、胴回り弾性部材を包むシートの一部を覆っていた。しかし、該シートにおける胴回り弾性部材を包む部分はトップシートに覆われておらず表面に露出していた。また、該シートの長手方向端部は、吸収体の長手方向端部を若干越えて延在して該吸収体上に位置し、該吸収体とトップシートとの間に配されていた。このおむつにおいては、レッグギャザー部L、胴回りギャザー部D及びウエストギャザー部W並びに固定部10の形成に用いられるホットメルト粘着剤として高吸水性ポリマーの粒子を含むものを用いた。塗工方法及び塗工量は図4に示す通りである。高吸水性ポリマーを含むホットメルト粘着剤は、予め120℃に加熱して溶融状態となしたホットメルト粘着剤(ME−135)100部に、粒径106μmアンダーの高吸収性ポリマー100重量部を攪拌しつつ混合して調製した。
【0036】
〔実施例2〕
立体ギャザー部Rの形成にも高吸水性ポリマーを含むホットメルト粘着剤を用いた以外は実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。塗工にはスパイラルスプレーを用い、坪量は3g/m2とした。
【0037】
〔比較例1〕
ホットメルト粘着剤に高吸水性ポリマーを含有させない以外は実施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。
【0038】
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた使い捨ておむつについて、以下の方法でおむつ内の湿度を測定した。結果を表1に示す。
【0039】
〔おむつ内の湿度の測定〕
25℃/65%RH環境下で測定した。各おむつをモデルに装着し、レッグギャザー部とモデルとの間に湿度センサーを仕込んだ。37℃に加温した40gの生理食塩水を、トップシート側から吸収体の中央部に注入し、レッグギャザー部の湿度変化をモニターした。生理食塩水の注入位置からセンサーまでの距離は25mmに設定した。湿度の値が平衡に達したときの値を測定した。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示す結果から明らかなように、各実施例のおむつ(本発明品)は、おむつ内の湿度が低いものであることが判る。なお、表に示していないが、顕微鏡観察の結果から、実施例のおむつにおいては、高吸水性ポリマーを含むホットメルト粘着剤を用いた接合状態において、高吸水性ポリマーの粒子はその一部が該ホットメルト粘着剤の表面に露出していたことが確認された。また一部が表面に露出した高吸収性ポリマーの一部は、複数個の粒子が凝集した凝集体として存在し、該凝集体がホットメルト粘着剤内に多数分散していたことも確認された。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の吸収性物品は吸湿性が高いものであり、また排泄された尿等との接触に起因する失活のおそれも少ない。従って、本発明の吸収性物品を装着することで、装着中における蒸れやべたつき等の不快感の発生、及び肌のカブレの発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の一例としての使い捨ておむつをトップシート側から見た一部破断平面図である。
【図2】図1に示す使い捨ておむつの装着状態を示す模式図である。
【図3】図1に示す使い捨ておむつの別の形態を示す股下部での幅方向断面図である。
【図4】実施例1におけるホットメルト粘着剤の塗工方法及び塗工量を示す説明図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収体
D 胴回りギャザー部
L レッグギャザー部
R 立体ギャザー部
Claims (6)
- 液体保持力を有する吸収体を備え、該吸収体と直接接触する部位以外における構成部材どうしの接合部位に、吸湿剤を含有するホットメルト粘着剤が用いられており、接合状態において該吸湿剤はその一部が該ホットメルト粘着剤の表面に露出している吸収性物品。
- 前記構成部材の一方が肌に直接接触する部材であって、その肌と接触する面と反対側の面に前記ホットメルト粘着剤が施されている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品はその所定部位に、弾性部材を2枚のシートで挟持固定して形成されたギャザー領域を有し、該ギャザー領域に前記ホットメルト粘着剤が施されている請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 接合される前記構成部材が何れも疎水性である請求項1〜3何れか記載の吸収性物品。
- 一部が表面に露出した吸湿剤の少なくとも一部は、複数個の粒子が凝集した凝集体として存在し、該凝集体がホットメルト粘着剤内に多数分散している請求項1〜4の何れか記載の吸収性物品。
- 吸湿剤を含む前記ホットメルト粘着剤による接合部位よりも前記吸収体寄りの位置に更にホットメルト粘着剤による接合部位が設けられている請求項1〜5の何れか記載の吸収性物品。
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