JP2004158706A - 高吸熱塗装をした電子機器用基板及び電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装(以下、高放熱塗装)をプリント配線基板表面に施し、局所的放熱を分散させ均一放熱させるプリント配線基板。プリント配線基板表面に塗布するソルダーレジストに熱吸収性顔料を含有させたプリント配線基板。T−BGA基板等のプリント配線テープ基板の裏面に高放熱塗装を塗布し、実装後の放熱特性を高めたT−BGA基板等のプリント配線テープ基板。ICモールド樹脂表面に高放熱塗装を塗布し、パーケージ化したICチップ。ICモールド樹脂表面に高放熱塗装を施した鋼板を搭載し、パッケージ化したICチップ。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高吸熱塗料を塗布することにより、電子部品の発熱を局所的から均一化することを可能にした、電子機器用プリント基板、T−BGA用テープ基板などの電子基板、電子部品、半導体電子素子などの電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器用プリント基板、T−BGA用テープ基板などの電子基板に搭載されるICその他の電子部品は、発熱が大きいが、プリント配線基板は部品からの放熱がほとんどないため、局所的に加熱されて電子部品の動作速度が遅くなるという問題があった。
また、ICチップなどの電子部品それ自体にあっても発熱が大きいものは、電子部品の動作速度が遅くなるという問題がある。
【特許文献1】
特開平5−121846号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
加熱されて動作速度が遅くなると困る電子部品については、放熱手段を搭載して放熱性を高めたり、電子基板あるいは電子部品をファンあるいは冷却流体の循環で強制冷却する方法などが採用されているが、コストがかさむし、嵩張るなどの欠点があり、全ての電子基板あるいは電子部品に採用されるわけではない。
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題に鑑み、電子部品からの放熱をプリント配線基板の表面で吸収、均一放熱させ、また電子部品のモールド表面から均一に熱を吸収させ、部品温度の局所的上昇を抑制することを可能にする電子基板あるいは電子部品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、電子基板全体が均一吸熱し易いように高放熱塗装を施すことにより、局所的発熱を均一化し、当該電子部品の局所的温度上昇を抑制することが可能であり、また電子部品表面に高放熱塗装を施すことにより、当該部品の不均一発熱を均一化することが可能であることを見出し、本発明を完成したものである。こうして、本発明によれば、下記が提供される。
【0006】
(1)プリント配線基板表面に80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装を施し、局所的放熱を分散させ均一放熱させることを特徴とするプリント配線基板。
(2)プリント配線基板表面に塗布するソルダーレジストにブラックカーボン等の高放熱材料を含有させ、80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率を0.70以上として、プリント配線基板表面を均一放熱するようにしたことを特徴とするプリント配線基板。
【0007】
(3)T−BGA基板等のプリント配線テープ基板の裏面に80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装を施し、実装後の放熱特性を高めたことを特徴とするT−BGA基板等のプリント配線テープ基板。
(4)ICモールド樹脂表面に80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装を施し、パーケージ化したことを特徴とするICチップ。
(5)ICモールド樹脂表面に80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装を施した鋼板を搭載し、パッケージ化したことを特徴とするICチップ。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明者は、プリント配線基板表面では搭載されているICなどの発熱部品の発熱で、部分的発熱による温度上昇が起きるが、プリント配線基板表面に高放熱塗料を塗布しておくことにより、放熱効率が高まり、温度分布を均一化し、局所的加熱を抑制する効果があることを見出した。
本発明において、高放熱塗料とは80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上、より好ましくは0.80以上、さらには0.90以上であるものをいう。
【0009】
熱放射に関するキルヒホッフの法則によれば、一定温度では物体の吸収率と放射率は同じになる(例えば、西川、藤田共著の「機械工学基礎講座 電熱工学」、発行:理工学社)。従って、放射率が高いものは熱吸収性も高いので、熱線である赤外線領域の放射率の高い物質(高放熱塗料)をプリント配線基板表面に塗布すると、高放熱塗料は発熱部品からの熱をよく吸収しかつよく放熱することが可能であるので、発熱部品の熱が高放熱塗料で高い効率で吸収及び放射されることで、発熱部品からの局所的な放熱がプリント配線基板表面全体からの均一放熱性に変化し、放熱効率が高められ、電子部品の温度上昇が抑制される効果が奏されると考えられる。
【0010】
波数600cm−1未満、もしくは、3000cm−1超の波数領域の放射線吸収は、カバー内における皮膜の熱吸収性に与える影響が非常に小さいため、これらの波数領域の放射線を含めた放射率は不適である。また、波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70未満の吸熱皮膜層を被覆した場合は、熱吸収性効果が小さいため、不適である。
周波数600cm−1未満、もしくは、3000cm−1超の波数領域の放射線吸収は、温度低下効果が非常に小さいため、これらの波数領域の放射線を含めた放射率は不適である。また、波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70未満の熱吸収性皮膜層を被覆した場合は、温度低下効果が小さいため、不適である。
【0011】
熱吸収性に優れた高放熱塗料は、例えば、a)バインダー固形分100質量部、b)熱吸収性顔料10〜150質量部から構成される。熱吸収性顔料として、カーボン、炭、黒鉛など、一般的に公知のものを使用でき、市販のものを用いてもよい。上記熱吸収性顔料の中でもカーボンブラックは粒径が非常に小さくて、皮膜中に広く分散するので好適な顔料であり、特に、数平均分子量が1〜100nmのものが好適である。
【0012】
バインダーとして、樹脂やゾルゲル法によって形成される無機被膜や、ゾルゲル法によって形成される無機有機複合被膜など、一般に公知の皮膜用バインダーを使用することができる。樹脂を塗料のような形態で用いることは、取り扱い、皮膜形成方法の容易さなどから好適である。
【0013】
樹脂としては、一般に公知のもの、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂などを用いることができ、熱可塑タイプ、熱硬化タイプのいずれのタイプであってもよい。これらの樹脂は、必要に応じて数種のものを併用してもよい。
【0014】
本発明の好適な高放熱塗料としては、バインダー固形分100質量部に対して粒径0.1μm未満のカーボンを1〜20質量部と粒径0.1μm以上30μm以下のカーボンを1〜140質量部含み、且つ粒径0.1μm未満のカーボンと粒径0.1μm以上50μm未満のカーボンとの合計が10〜150質量部である高放熱塗料がある。微粒系カーボンの粒径の下限は特に規定するものではないが、0.1μmを超えるとカーボンとカーボンの間に隙間ができやすく、微粒子カーボンとしての役割を発揮しないため不適である。微粒系カーボンの添加量は1質量部未満であると、金属板の隠蔽効果に劣り熱吸収性が劣るため不適であり、20質量部超では塗液の粘度が高くなったり、経時でゲル状になったりするため不適である。大粒径カーボンの粒径が0.1μm未満であると大粒径カーボンとしての役割を発揮せずに、微粒子カーボンと同じ挙動を示す、ため不適である。大粒径カーボンの粒径が50μm超であると、これを含む塗液を塗布する際に塗布性が低下したり、塗布後の皮膜外観が悪くなったりするため不適である。大粒径カーボンの添加量は、1質量部未満であると熱吸収性が劣り、140質量部超では皮膜が脆くなり、皮膜の加工性に劣るため不適である。更に、微粒子カーボンと大粒径カーボンの合計添加量が10質量部未満であると熱吸収性が劣り、150質量部超では皮膜が脆くなり皮膜の加工性に劣る、塗液が増粘して塗布作業性が劣るため不適である。
【0015】
本発明の高放熱塗料には必要に応じて着色材、導電材などを添加することができる。
高放熱皮膜の膜厚は1〜1000μmであることが望ましい。皮膜が1μm未満であると、皮膜の熱吸収性が劣るため不適である。皮膜が1000μm超であると、皮膜の熱吸収性が劣るため不適である。皮膜が1000μm超であると熱吸収性が飽和して、経済性に意味を持たないので好適でない。より好ましくは10〜500μmである。
【0016】
本発明の1つの側面では、プリント配線基板表面に塗布するソルダーレジストに熱吸収顔料を含有させることで、プリント配線基板表面に高放射層を形成することができる。この場合も、熱吸収顔料を含有するソルダーレジストが80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上、より好ましくは0.80以上、さらには0.90以上である高放熱性を示すことがことが望ましい。
【0017】
ソルダーレジストは、基板に配線及びランドを除いてソルダーレジストを塗布して全面をマスクして、溶融ハンダ槽に浸漬し、配線及びランドのみにハンダを付加させるために用いられるコーティングであるが、ソルダーレジストはハンダ付加後除去されることなく、プリント基板表面に残存する場合には、ソルダーレジストに高熱吸収性顔料を添加しておくことにより、プリント基板の高放熱性を達成することができる。ソルダーレジストには、密着性、耐ハンダ性、耐溶剤性、耐薬品性などが求められ、一般にポリイミド系、エポキシ系が用いられるが、限定されない。
【0018】
本発明のもう1つの側面によれば、T−BGA基板等のプリント配線テープ基板の裏面に80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装を塗布し、実装後の放熱特性を高めたことを特徴とするT−BGA基板等のプリント配線テープ基板が提供される。T−BGA基板等のプリント配線テープ基板には、発熱性電子部品が搭載されるので、プリント配線テープ基板の裏面に予め高放熱塗装を塗布しておくことで、実装後の放熱特性を高めるものである。
【0019】
本発明によれば、高放熱塗装による熱吸収・放射性は、基板の裏面側でも、特にテープ基板の裏面側では、有効に機能することが確認された。
テープ基板の裏面側に塗布する高放熱塗装は上記と同様でよい。
本発明の別の側面によれば、ICモールド樹脂表面に80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装を塗布し、パーケージ化したことを特徴とするICチップが提供される。
【0020】
ICチップ表面は、部分的発熱による温度上昇があるが、本発明の高放熱塗料をモールド表面に塗布することにより、放熱効率が高まり、温度分布を均一化し、モールドされたICチップの温度上昇を抑制できる効果があることを見出した。
また、本発明のもう1つの側面によれば、ICモールド樹脂表面に80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装を施した鋼板を搭載し、パッケージ化したことを特徴とするICチップも提供される。
【0021】
ICチップ表面は、部分的発熱による温度上昇があるが、本発明の高放熱塗料をICチップ側に塗布した金属板をモールド表面に実装することにより、放熱効率が高まり、温度分布を均一化し、モールドされたICチップの温度上昇を抑制できる効果があることも見出した。同金属板をモールドの際、併せて実装することにより、放熱特性を高めることができ素子の動作を安定することが可能となる。更に加えて、α線、宇宙船との高エネルギー粒子により誤動作も抑制でき、高い信頼性を有するICチップ素子を提供できる。
【0022】
この高放熱塗料を塗布する金属板の表面は、変面もしくは放熱効率を高める為、波型、凹凸等を施すことにより、更なる効率が得られる。
図面を参照して本発明のプリント基板、プリント配線テープ基板、ICチップを説明する。
図1は本発明を実施したプリント基板の例であり、プリント基板1の表面にはICチップなどの電子部品2、配線3が形成されているが、プリント基板表面の電子部品2、配線3が形成されていない領域4には本発明に従い高放熱塗料4が塗布されている。
【0023】
図2はプリント基板1の表面のハンダ領域5以外の領域にはソルダーレジスト6が施されているが、本発明に従いソルダーレジスト6には熱吸収性顔料が含有されている。
図3はプリント配線テープ基板の例であるT−BGA基板7を示し、その表面には本発明の高放熱塗料4が塗布されている。基板7の所定位置に電子部品2を搭載する。
【0024】
図4は本発明を実施したICチップの例を示し、シリコンチップ9は基材10に搭載され、基材10の裏面にバンプ11が形成されて、ICチップ8を構成しているが、本発明に従いシリコンチップ9及び基材10の表面に高放熱塗料4が塗布されている。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
以下、実験に用いた高放熱性膜塗料の作成方法について詳細を説明する。
市販の常温乾燥型の溶剤系クリヤー塗料中に、次に示すカーボンを添加し、撹拌することで熱吸収性皮膜塗料を得た。作成した塗料の明細を表1に示す。なお、表中のカーボン添加量は、樹脂固形分100質量部に対する添加顔料の質量部を表す。
【0026】
[微粒子カーボン]
粒径28nmの東海カーボン社製「トナーカーボン#7350F」を使用。
[大粒径カーボンA]
最大粒径5μmの協同組合ラテスト製「備長炭パウダー」を使用。
[大粒径カーボンB]
試薬として市販されている黒鉛を粉砕し、ふるい分け分級機にて平均粒径を40μmとしたものを使用。
[大粒径カーボンC]
試薬として市販されている黒鉛を乳鉢にて擦り潰し、フルイにて大きな粒径のものを取り除き、平均粒径を60μmとしたものを使用。
【0027】
以下、実験に用いた高放熱性塗装板の作成方法について詳細に説明する。
ガラスエポキシ樹脂からなるプリント基板表面に、表1に示した高放熱性皮膜塗料を100μmの乾燥厚さで塗布し、常温にて約24時間乾燥した。そのプリント基板の中央部にIC素子(5Wクラス)を設置した。
【0028】
以下、作成した表面処理プリント基板の評価試験について詳細を説明する。
1)表面塗装プリント基板の放射率測定
日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計「VALOR−III 」を用いて、表面塗装プリント基板の温度を80℃にしたときの波数600〜3000cm−1の領域における赤外発光スペクトルを測定し、これを標準黒体の発光スペクトルと比較することで、表面塗装プリント基板の全放射率を測定した。なお、標準黒体は鉄板にタコスジャパン社販売(オキツモ社製造)の「THI−1B黒体スプレー」を30±2μmの膜厚でスプレー塗装したものを用いた。
【0029】
2)表面塗装プリント基板の熱測定試験
プリント基板に搭載された電子部品に通電し、発熱する電子部品の温度をデジタル温度計で測定して試験を行った。表面塗装プリント基板及び表面無塗装プリント基板の両方について測定を行い、測定値を比較して、以下の基準で評価した。
[{(未処理基板の測定値)−(評価する表面処理基板での測定値)}≧4℃]のとき:○
[4℃>{(未処理基板の測定値)−(評価する表面処理基板での測定値)}≧2℃]のとき:△
[2℃>{(未処理基板の測定値)−(評価する表面処理基板での測定値)}]のとき:×
【0030】
3)塗膜の耐衝撃性試験
JIS K 5400 8.3.2のデュポン式耐衝撃性試験を実施した。なお、試験実施時の打ち型のサイズは1/2インチ(12.7mm)、重りの質量は500g、重りの高さは20cmとした。そして、試験後のサンプル表面を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
塗膜の割れや剥離が確認できない場合:○
塗膜の割れや剥離が確認できる場合:×
【0031】
4)吸熱塗料の経時の状態観察
プリント基板に塗装した各吸熱性皮膜塗料を常温で1ヶ月放置した、塗液の状態を目視で観察し、次のように評価した。
塗液を作成した時の状態と比べて変化無し:○
塗液を作成した時の状態と比べて粘度が増加している:△
塗液がゲル状になっている、又は、固まっている:×
【0032】
5)吸熱性皮膜の外観
プリント基板上に被覆した皮膜の外観を目視にて観察し、次のように評価した。
平滑な表面である:○
添加顔料が皮膜厚より僅かに大きいため、皮膜表面に僅かな凹凸がある:△
添加顔料が皮膜厚より非常に大きいため、皮膜表面に激しい凹凸がある:×
6)塗膜密着性試験
表面処理シリコンウエハーの高放熱性皮膜層に、1mm角の碁盤目状の切れ目をカッターナイフで入れた後に、テープ剥離試験を行った。
碁盤目状の切れ目の入れ方、テープ剥離方法についてはJIS−K5400.8.5に準じて実施した。また、テープ剥離後の評価は、JIS−K5400.8.5記載の評価の例の図に従って行い、評点10点の時に○、8点以上10点未満の時に△、8点未満の時に×と評価した。
【0033】
以下、作成した表面塗装板の評価結果について詳細を説明する。
表1に示したように、本発明の表面塗装プリント基板は、樹脂固形分100質量部に対して、粒径0.1μm未満のカーボンを1〜20質量部と粒径0.1μm以上30μm以下のカーボンを1〜140質量部を含み、かつ、粒径0.1μm未満のカーボンと粒径0.1μm以上50μm未満のカーボンとの合計が10〜150質量部である熱吸収性皮膜層を乾燥膜厚で1μm以上被覆することで、放熱性の高いプリント基板を得ることができた。
【0034】
【表1】
【0035】
(実施例2)
ガラスエポキシ樹脂からなるプリント基板表面に、実施例1で作成した塗料102を高放熱性皮膜として100μmの乾燥厚さで塗装し、常温にて約24時間乾燥した。そのプリント基板の中央部にIC素子(5Wクラス)を設置した。
それらを一定のケース(10cm×10cm×3cm)にセットし、無塗装基板と塗装した基板で一定時間保持した。その後、発熱する電子部品の温度、基板各コーナー部位の温度を熱伝対で測定した。結果を表2に示す。
【表2】
T−BGA用テープでも同様の効果が確認された。
(実施例3)
市販のソルダーレジスト(ポリイミド系樹脂)に高放熱顔料として実施例1で用いた微粒子カーボンを10質量%及び大粒径カーボンAを10質量%添加し、よく混合して高放熱顔料を含むソルダーレジスト組成物を調整した。
この高放熱顔料を含むソルダーレジストを乾燥厚100μmに塗布したガラスエポキシ樹脂からなるプリント配線基板を準備し、その中央部に高発熱のIC素子(例5Wクラス)を設置した。
【0036】
それらを一定のケース(10cm×10cm×3cm)にセットし、(1)高放熱顔料を含まないソルダーレジスト塗布基板と、(2)放熱顔料を含むソルダーレジストを塗布した基板を、一定時間(10h)保持した。その後、発熱する電子部品の温度、基板の各コーナー部位の温度を熱伝対で測定した。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
(実施例4)
(1)ICモールド樹脂表面に実施例1で調整した塗料2を施しパーケージ化したことをICチップ(1.5W)と、(2)同表面に高放熱塗装を施していない同ICチップを用意し、10h後の表面温度を熱伝対で測定した。
当該ICチップ表面温度測定結果は、(1)75℃、 (2)80℃であった。高放熱塗装を施しパーケージ化したことをICチップは、放熱特性が良い為、温度上昇が抑制できた。
【0039】
当該ICチップ表面は、部分的発熱による温度上昇があるが、本発明の高放熱塗料をモールド表面に塗布することにより、放熱効率が高まり、温度分布を均一化し、モールドされたICチップの温度上昇を抑制できる。
【0040】
(実施例5)
ICモールド樹脂表面に実施例1で調整した高放熱塗装を施した鋼板を搭載し、パーケージ化したICチップ(1.5W)と、(2)同表面に高放熱塗装を施した鋼板を搭載していない同ICチップを用意し、10h後の表面温度を熱伝対で測定した。
当該ICチップ表面温度測定結果は、(1)65℃、(2)78℃であった。ICモールド樹脂表面に高放熱塗装を施した鋼板を搭載し、パーケージ化したことをICチップは、放熱特性が良い為、温度上昇が抑制できた。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、電子部品からの放熱をプリント配線基板の表面で吸収、均一放熱させ、また電子部品のモールド表面から均一に熱を吸収させ、部品温度の局所的上昇を抑制することを可能にする電子基板あるいは電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従い高吸熱性塗装を施したプリント基板の例を示す。
【図2】本発明に従い高吸熱性顔料を含むソルダーレジストを施したプリント基板の例を示す。
【図3】本発明を実施したプリント配線テープ基板であるICT−BGA基板の例を示す。
【図4】本発明を実施したパーケージ化したICチップの例を示す。
【符号の説明】
1…プリント基板
2…電子部品
3…配線
4…高放熱塗膜
5…ハンダ
6…ソルダーレジスト
7…T−BGA基板
8…ICチップ
9…シリコンチップ
10…基材
11…バンプ
Claims (5)
- プリント配線基板表面に80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装を施し、局所的放熱を分散させ均一放熱させることを特徴とするプリント配線基板。
- プリント配線基板表面に塗布するソルダーレジストに熱吸収性顔料を含有させ、80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率を0.70以上とし、プリント配線基板表面を均一放熱するようにしたことを特徴とするプリント配線基板。
- T−BGA基板等のプリント配線テープ基板の裏面に80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装を施し、実装後の放熱特性を高めたことを特徴とするT−BGA基板等のプリント配線テープ基板。
- ICモールド樹脂表面に80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装を施し、パーケージ化したことを特徴とするICチップ。
- ICモールド樹脂表面に80℃で測定した波数600〜3000cm−1の領域における全放射率が0.70以上である高放熱塗装を施した鋼板を搭載し、パッケージ化したことを特徴とするICチップ。
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