JP2004158377A - 回路保護素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶断部に流れる瞬間的な突入電流による溶断部の溶断を抑制して、遅延型のヒューズとして適用できる回路保護素子を提供することを目的とする。
【解決手段】内部に空間部2aが形成された耐熱絶縁材料からなる基材部2と、両端部が基材部2内に埋設され、中間部が溶断部3aとして空間部2aの内部に配置された導電膜3と、基材部2の端面において導電膜3の端部に接続されている電極部4とを備えた回路保護素子において、導電膜3に流れる過電流により溶断部3aに発生するジュール熱を放熱するフィン5等の放熱体または、渦電流を発生させる導体板または電流をバイパスさせるコンデンサを構成する2枚の電極板等の突入電流抑制要素を設けた回路保護素子。
【選択図】 図1
【解決手段】内部に空間部2aが形成された耐熱絶縁材料からなる基材部2と、両端部が基材部2内に埋設され、中間部が溶断部3aとして空間部2aの内部に配置された導電膜3と、基材部2の端面において導電膜3の端部に接続されている電極部4とを備えた回路保護素子において、導電膜3に流れる過電流により溶断部3aに発生するジュール熱を放熱するフィン5等の放熱体または、渦電流を発生させる導体板または電流をバイパスさせるコンデンサを構成する2枚の電極板等の突入電流抑制要素を設けた回路保護素子。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータやコンデンサ、ハードディスクドライブ、DVDドライブ、ゲーム機、携帯電話機などの電気機器、電子機器に用いられ、設定電流以上の電流が流れると金属部が溶断して回路を遮断する回路保護素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電気機器、電子機器は小型化が進み、電気回路部も小型化、高密度化が要求されている。この中で、漏電や発熱といった予期せぬ事態を未然に防止して安全性を確保するために使用される回路保護素子、いわゆるヒューズも、小型化とともに安全かつ確実に作動すること要請されている。
【0003】
特に、現在のコンピュータおよび周辺機器には、これまで以上に過電流保護が必要になっている。高速のICチップは非常に過電流の影響を受けやすく、製品の全コストに対して高価である。これらのICチップは、回路の故障や、外部の障害によって生じる過電流から保護する必要がある。
【0004】
このような過電流保護のために、例えば、特許文献1(特開平1−287905号公報)には、積層体の層間に内部導体を形成した一体焼結型のインダクタンス素子において、内部導体に、所定以上の電流が流れることにより溶断するヒューズ部を一体的に設けると共に、溶断するヒューズ部の周囲の積層体に空洞部を設けたインダクタンス素子が開示されている。
【0005】
また、特許文献2(特開平7−105824号公報)には、複数の耐熱絶縁材料からなる基板の積層により構成された内部に空間を有する本体と、基板間に挟まれた金属薄膜からなる可溶体と、本体の両端に備えられ可溶体と電気的に接続された電極とで構成された超小型チップヒューズが開示されている。
【0006】
これらの特許文献1および2においては、ヒューズ部(可溶体)の周囲に空洞部(空間)を設けたことにより、ヒューズ部に流れる電流によるジュール熱が効率的にヒューズ部の溶断に作用し、また溶断した金属の粒子が空洞部内で分散して電極間が再接続しないようになる。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−287905号公報
【特許文献2】
特開平7−105824号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
IC等の半導体回路では、瞬間的にも規定以上の電流が流れると破壊する恐れがあるため、ヒューズの遮断特性として速断型が適用される。これに対し、モータ等では、通常は、投入時にのみ瞬間的に規定以上の起動電流が流れ、運転時には電流値が小さくなる。このような機器については、その都度ヒューズが切れると支障があるため、瞬間的に加わる大きな電流については感応せず、継続して規定以上の電流が流れるときのみ感応して巻線の焼損を防止する遅延型のヒューズが適用される。
【0009】
前掲の(特許文献1)および2に記載された回路保護素子においては、ヒューズ部に突入電流が流れると、ヒューズ部が空間部に浮いており、熱を拡散する機能がないため速断し、遅延型ヒューズとしては適用できないという問題がある。
【0010】
本発明は、溶断部に流れる瞬間的な突入電流による溶断部の溶断を抑制して、遅延型のヒューズとして適用できる回路保護素子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の回路保護素子においては、導電膜に流れる過電流により溶断部に発生するジュール熱を放熱する放熱体を設けるか、導電膜に流れる電流の時間的変化を抑制する突入電流抑制要素を設けたものである。
【0012】
この発明によれば、溶断部に流れる瞬間的な突入電流による溶断部の溶断を抑制して、遅延型のヒューズとして適用できる回路保護素子が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、絶縁材料で構成された基材部と、前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、前記基材部中に伝熱部材を設けるとともに前記伝熱部材を前記導電体に接触させたことを特徴とする回路保護素子であり、突入電流による発熱が伝熱部材により放熱され、その後電流が規定値以下になれば、溶断部が溶断することなく通常の通電状態に戻り、引き続いて規定電流以上の電流が流れ続ければ、溶断部が溶断して機器を保護するという作用を有する。
【0014】
請求項2記載の発明は、前記導電体の一部は前記基材部中に設けられており、この基材部に挟まれた部分において前記導電体が前記伝熱部材と接触していることを特徴とする請求項1記載の回路保護素子であり、伝熱部材を基材部中に設けることができ、伝熱部材の変形などを抑制できる。
【0015】
請求項3記載の発明は、前記基材部中に空間部を設け、前記導電体において、前記空間部内に位置する部分に前記溶断部が配置され、前記空間部以外の部分は基材部中に設けられたことを特徴とする請求項2記載の回路保護素子であり、溶断部を空間部に配置することで、溶断特性を向上させることができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、前記空間部内において前記溶断部は湾曲していることを特徴とする請求項3記載の回路保護素子であり、素子に衝撃が加わったとしても、溶断自体が撓んで、衝撃を吸収し、溶断部が衝撃によって破損することを防止できる。
【0017】
請求項5記載の発明は、絶縁材料で構成された基材部と、前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、前記導電膜に流れる電流の時間的変化を抑制する突入電流抑制要素を前記基材部に設けたことを特徴とする回路保護素子であり、突入電流が電極部に流れると、その流れを阻止するように突入電流抑制要素が働き、その後電流が規定値以下になれば、溶断部が溶断することなく通常の通電状態に戻り、引き続いて規定電流以上の電流が流れ続ければ、溶断部が溶断して機器を保護するという作用を有する。
【0018】
請求項6記載の発明は、前記突入電流抑制要素は、前記導電膜と平行に前記基材部内に埋設された導体板である請求項5記載の回路保護素子であり、導体板には導電膜に流れる電流が定常電流であるときは渦電流は発生しないが、突入電流のような過渡的な電流変動に対しては電磁誘導による渦電流が発生し、導体板で熱としてエネルギーが消費される結果、溶断部に流れる突入電流が抑制され、遅延型の回路保護素子を提供できるという作用を有する。
【0019】
請求項7記載の発明は、前記突入電流抑制要素は、前記基材部内に埋設された2枚の電極板からなるコンデンサである請求項5記載の回路保護素子であり、コンデンサは定常電流は流さず、電流変化については通過させる性質があるので、導電膜に流れる突入電流がバイパスされる結果、溶断部に流れる突入電流が抑制され、遅延型の回路保護素子を提供できるという作用を有する。
【0020】
請求項8記載の発明は、絶縁材料で構成された基材部と、前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、前記基材部中に前記導電体と前記電極部それぞれと非接触の導電部材を設けたことを特徴とする回路保護素子であり、機器の電源投入時等に短期間に大きな電流が流れる突入電流が発生したとしても、導電体で発生した磁界がこの導電部材を横切ることで導電部材に渦電流が発生し、エネルギーを消費するので、溶断部に投入されたエネルギーが集中するのを防止でき、突入電流などでは溶断しにくい素子を得ることができる。
【0021】
請求項9記載の発明は、絶縁材料で構成された基材部と、前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、前記基材部中に伝熱良導体部材を設けるとともに前記伝熱良導体部材は前記導電体に接触しており、しかも前記伝熱良導体部材は前記導電体と略直交する接続部と前記導電体に沿って設けられた延設部とを有し前記接続部が前記導電体と接触していることを特徴とする回路保護素子であり、この様な構成とすることで、突入電流による発熱が伝熱良導体部材により放熱され、しかも機器の電源投入時等に短期間に大きな電流が流れる突入電流が発生したとしても、導電体で発生した磁界が延設部を横切ることでこの延設部に渦電流が発生し、エネルギーを消費するので、溶断部に投入されたエネルギーが集中するのを防止でき、突入電流などでは溶断しにくい素子を得ることができる。
【0022】
請求項10記載の発明は、前記伝熱良導体部材は前記溶断部を挟んで一対設けられ、前記各伝熱良導体部の延設部が互いに対向して非接触となっていることを特徴とする請求項9記載の回路保護素子であり、コンデンサは定常電流は流さず、電流変化については通過させる性質があるので、導電膜に流れる突入電流がバイパスされる結果、溶断部に流れる突入電流が抑制され、遅延型の回路保護素子を提供できるという作用を有する。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図11を用いて説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る回路保護素子の構成を示す図で、(a)は透視図、(b)は断面図、図2は本発明の実施の形態1におけるグリーンシートの構成を示す分解斜視図、図3は本発明の実施の形態1における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図、図4は本発明の実施の形態1に係る回路保護素子の製造工程を示すフローチャート、図5は本発明の実施の形態1における導電膜の形成工程を示す工程図である。
【0025】
図1において、回路保護素子1Aは、セラミック材料からなる基材部2と、基材部2の内部に形成された空間部2aの内部に溶断部3aが収納された導電膜3と、基材部2の両端において導電膜3の両端に導通するように形成された電極部4と、放熱体としてのフィン5から構成されている。
【0026】
基材部2の材料としては、導電膜3の材質をAgとしたとき、Agの融点約961℃よりも低い温度(約900℃)で焼結するAl−Si−B系の低温焼結セラミックス、フェライト系セラミックス、BaTiO3系、CaTiO3系、SnTiO3等の誘電体材料、ガラスエポキシ樹脂等を使用することができる。
【0027】
導電膜3の材料も、Agのほか、Cu,Ni,Al合金等の導電材料が使用できる。なお、本実施の形態では、溶断部3aを構成する部分は導電膜3という膜状体としたが、ある程度の可撓性を有する板状体,線状体,シート状体などの導電体を用いても良い。
【0028】
図1に示す構造の回路保護素子1Aは、基本的には、図2に示すように5枚のグリーンシート(薄板状に成形したセラミックスの未焼成体であり、セラミックス原料粉末、有機結合剤、可塑剤、溶剤などの混合スラリをドクターブレード法またはカレンダー法で薄板状に成形したもの)11〜15を積層して製造する。グリーンシート11は、中央部に所定形状の穴11aを形成したものであり、グリーンシート12はスルーホール12aを予め形成した上に導電膜3を形成したものであり、グリーンシート14はスルーホール14aを設けたものであり、グリーンシート13は必要に応じて印刷13aを施したプレーンの板であり、グリーンシート15は回路保護素子1Aの下層となるプレーンの板である。このとき、スルーホール12a,14a中に金属などの導電性の材料を埋め込み更にその各スルーホール中に設けられた導電性の材料同士を電気的に接合させる。更に、その導電性の材料は、スルーホール12aを形成したグリーンシート12上の導電膜3と電気的に接続され、フィン5が形成されることになる。
【0029】
フィン5は、図1(b)に示すように溶断部3aとなる部分以外の部分において導電膜3と接触している。すなわち、図1(a),(b)に示す構成では、溶断部3aを空間部2a中に設けているので、フィン5は、導電膜3が基材部2に挟まれた部分に設けられている。スルーホール12a,14aの形状は、断面円形や断面多角形状や、角錐型、円錐型などの形を採用可能であり、なお、グリーンシート14に設けるスルーホール14aの代わりに有底の穴や溝を設けることにより、グリーンシート15を省略することもできる。有底穴の具体的形状としては断面円形や断面多角形状のものや、角錐型、円錐型などの形を採用可能であり、溝の場合にも同様に断面多角形状や断面円形状のものが採用可能である。
【0030】
本実施の形態の場合、図1(b)に示すように溶断部3aを挟んで導電膜3が基材部2に埋設された部分にそれぞれ2カ所ずつフィン5を設けた。この場合、フィン5は断面が円形の有底穴の中に銅,銀などの金属を埋め込んだ構成とした。なお、本実施の形態では、溶断部3aを挟んでそれぞれ2カ所ずつフィン5を設けたが、それぞれ1カ所でも良いし、それぞれ3カ所以上設けても良い。更に、溶断部3aを挟んでそれぞれ同一数のフィン5を設けたが、仕様などによっては、一方の側にフィン5を3カ所設け、他方に2カ所設けるなどの異なる数を設けても良いし、溶断部3aを挟んで一方の側のみにフィン5を設けても良い。
【0031】
また、本実施の形態では、溶断部3aを挟んでそれぞれ有底穴に金属などの熱伝導部材を埋め込んだ構成としてが、溶断部3aを挟んで一方を有底穴形状のフィン5とし、他方を溝状のフィン5としても良い。
【0032】
以上の様に、フィン5を設けることで、機器への電源投入時に発生する可能性のある瞬間的な異常電流(突入電流)によって溶断部3aが発熱しても、その熱はフィン5を伝わって、回路保護素子1Aの、より多くの部分に熱を逃がすことができる。従って、電源投入時などの時には、溶断部3aは溶断しにくく、通常の使用時に生じる異常電流が所定時間以上連続した場合、溶断させることができる。
【0033】
なお、本実施の形態では、溶断部3aを基材部2の空間部2a内に設けた構成であるので、フィン5は溶断部3a以外の部分に接触させたが、絶縁性の板状基板上に溶断部3aを設けた導電膜3を備えたプレート型の回路保護素子(時には、導電膜を覆うようにカバーがなされる)の場合には、溶断部3aやその他の部分にフィン5を接触させても良い。すなわち図3(a)に示すように、溶断部3aとなる中央部分に板状のフィンを取り付けたり、或いは図3(b)に示すように柱状のフィン5を立設させ、この場合においても、フィン5は、できれば基材部2中に埋設させることが好ましい。
【0034】
なお、図2には、回路保護素子1Aの1個分の構成を示しているが、実際には、広いグリーンシートに多数個分を同時に形成して途中で回路保護素子単体に切断する。
【0035】
以下、図4および図5を用いて、本回路保護素子1Aの製造方法を説明する。
【0036】
ステップS1:まず、グリーンシートを所定の寸法に切断する。
【0037】
ステップS2:グリーンシート11については穴開けを行う。穴の形状は、図示の四角形に限らず、円形、その他の任意の形状でもよい。
【0038】
ステップS3:グリーンシート13については、必要に応じて印刷を行う。
【0039】
ステップS4:グリーンシート12については写真工程を行う。すなわち、図5(a)に示すようにステンレス等のベース板20にレジスト21を塗布し、その上に図5(b)に示すようにマスク22を載せる。次いで、図5(c)に示すように紫外線露光を行い、マスク22のかかっていない部分のレジスト21を除去する。次に、マスク22を除去する。
【0040】
ステップS5:図5(e)に示すようにステンレスのベース板20にメッキによりAg23を析出させる。次いでレジスト21を除去すると、図5(f)に示すように所定のパターンのAg23の膜がベース板20上に形成される。このベース板20上に形成されたAg23を図5(g)に示すようにグリーンシート12上に載せ、押し付けると、グリーンシート12上にAg23がめり込んだ状態に転写され、導電膜3が形成される。この工程で、図2および図3に示したフィン5を取り付けるためのスルーホールの形成、金属の埋め込み等を行う。
【0041】
ステップS6:以上のように形成されたグリーンシート13,11,12、14、15を所定の圧力を掛けて積層し、一体化する。
【0042】
ステップS7:各グリーンシート11〜15には多数個分の回路保護素子用のチップが形成されているので、これを1個ずつ分に切断する。
【0043】
ステップS8:電気炉に入れて、例えばAg23の融点より低い900℃で焼成する。この焼成の過程で、グリーンシート11〜15の素材は約20%ほど、体積が収縮する。導電膜3はAg23であり、収縮しないので、相対的に導電膜3が空間部内において伸びて湾曲した状態の溶断部3aが形成される。
【0044】
ステップS9:冷却工程後、電気炉から取り出し、容器内で所定時間撹拌すると、各回路保護素子用のチップの角が取れて面取りされる。この面取りは、後の工程で回路保護素子用のチップを搬送する際に、引っかかりをなくすために必要な工程である。
【0045】
ステップS10:チップの両端から露出している導電膜3の端部に電極材、例えば銀ペーストを、塗布し、その表面にNiメッキを施して外部電極を形成する。
【0046】
ステップS11:外部電極の表面に半田コートによる仕上げ塗布を行う。
【0047】
ステップS12:出来上がった回路保護素子の各種特性の測定を行う。
【0048】
以上のようにして、図1に示す回路保護素子1Aが得られる。
【0049】
なお、空間部2aの高さを高くしたい場合は、穴11aを設けたグリーンシート11を2枚以上積層すればいい。
【0050】
なお、本実施の形態においては、空間部2a内において溶断部3aが湾曲するような構成としたが、湾曲しない構造のものにもフィン5を設けることができる。
【0051】
(実施の形態2)
図6〜図8は本発明の実施の形態2に係る回路保護素子1Bの構成を示すものであり、図6(a)は透視図、(b)は断面図、図7は製造工程を示す分解斜視図、図8は本発明の実施の形態2における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図である。この実施の形態2は、導電膜3に流れる電流の時間的変化を抑制する突入電流抑制要素として、導体板6を導電膜3と平行に基材部2内に埋設したものである。
【0052】
なお、本実施の形態では、導体板6等の板状の良導体を用いたが、シート状体のものや、鍍金等で構成された膜状体のものでよい。更に、この導体板6はアルミ,銅などの金属で構成することが好ましい。また、本実施の形態では、この導体板6は電極部4や導電膜3等とは電気的に非接触となっている。すなわち、導体板6は基材部2に設けられるが、他の部材とは電気的に接続されていない。
【0053】
この構造の回路保護素子1Bを製造するためには、図7に示すように、基本的には3枚のグリーンシート11〜13を用いる。グリーンシート11は穴11aを形成したものであり、グリーンシート13は必要に応じて印刷13aとそれとは電気的に非接触状態にある導電体6を施したプレーンのシートである。
【0054】
これらを積層し、前述の図4の工程を適用することで、図6に示す回路保護素子1Bが得られる。
【0055】
以上の様に導体板6を用いることによって、機器への電源投入時に発生する可能性ある瞬間的な異常電流(突入電流)が発生しても、溶断しにくくできる。
【0056】
すなわち、突入電流によって導電膜3の周りに磁界が発生するが、この磁界が導体板6に入り込んで導体板6に渦電流を発生させ、エネルギーを導体板6で熱などの形で消費できるので、素子への投入エネルギーを溶断部3aに集中しない構成とできる。すなわち、急激な電流変化を短時間に伴う突入電流によって溶断部3aは溶断しにくいが、急激な電流変化が短時間で生じにくい通常動作中は、所定の時間異常電流が流れると、溶断部3aは溶断する。従って、遅延型の回路保護素子を得ることができる。
【0057】
なお、最も好ましくは、図8(a),(b)に示すように導体板6の配置位置を導電膜3で発生する磁界が最も横切りやすい、導電膜3の両側部に導体板6を設けること、すなわち、導電膜3が設けられた面と略同一面内に導体板6を設けることが好ましい。この実施の形態の場合、導電膜3と導体板6は一体に形成することで、導体板6を放熱用のフィンの役目も担わせることができる。更に、導電膜3と導体板6を略同一平面内に設ける構成とすることで、導電膜3と導体板6を同一工程で製造でき、生産性をも向上させることができる。この時、導電膜3を膜の転写で構成する場合には、当然導電膜3と導体板6は転写された膜で構成され、導電膜3を板状体で構成する場合には、当然導電膜3と導体板6は板状体で構成される。更に、図8(a),(b)に示す実施の形態では、導電膜3と導体板6を接続させた構成としたが、非接続構成とすることもできる。図8(a)は溶断部3aを含む狭幅部のほぼ全側方に渡って導体板6が長く配置されており、図8(b)は狭幅部の内でも特に溶断部3aとなる部分の側方に円形状に導体板6が設けられている。
【0058】
また、図8(a),(b)の実施の形態の場合、導電膜3の両側方に導体板6を設けたが、仕様などによっては一方の側方にのみに導体板6を設けても良い。
【0059】
(実施の形態3)
図9〜図11は本発明の実施の形態3に係る回路保護素子1Cの構成を示すものであり、図9(a)は透視図、(b)は断面図、図10は製造工程を示す分解斜視図、図11は本実施の形態における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図である。この実施の形態3は、導電膜3に流れる電流の時間的変化を抑制する突入電流抑制要素として、基材部2内に埋設された2枚の電極板7,8からなるコンデンサとしたものである。電極板7,8は端部が電極部4により接続されている。
【0060】
この構造の回路保護素子1Cを製造するためには、図10に示すように、基本的には5枚のグリーンシート11,12,13,16,17を用いる。グリーンシート11は穴11aを形成したものであり、グリーンシート12は図5の工程で導電膜3を形成したものであり、グリーンシート16,17はシート材の上に電極板7,8を形成したものであり、グリーンシート13は必要に応じて印刷13aを施したプレーンのシートである。
【0061】
これらを積層し、前述の図4の工程を適用することで、図9に示す回路保護素子1Cが得られる。
【0062】
電極板7,8としては、銅、アルミ等の良導電体の板,シートないし膜を使用することができる。これらの電極板7,8の端部が電極部4の形成時に両側の電極部4にそれぞれ接続されることにより、2つの電極板7,8によるコンデンサが形成される。
【0063】
なお、電極板7,8は素子の端面における電極部4とそれぞれ接合されており、この構成によって、コンデンサは定常電流は流さず、電流変化については通過させる性質があるので、導電膜3に流れる突入電流がバイパスされる結果、溶断部3aに流れる突入電流が抑制され、遅延型の回路保護素子を提供できる。また、電極板7,8は溶断部3aの近傍に設けられているので、突入電流の際に発生する磁界がその電極板7,8を横切るので、電極板7,8に渦電流が発生してエネルギーを溶断部以外で消費できる。
【0064】
また、図11(a),(b)に示すように電極板7,8を電極部4と接合させずに、導電膜3に直接接合させることで、上記コンデンサの作用に加えて更に図1に示す放熱用のフィンの効果をも持たせることができる。具体的には、図11(b)に示すようにグリーンシート12にスルーホール100を設け更にグリーンシート16にスルーホール101を設ける。この時スルーホール100,101中に金属などの導電性の材料を埋め込み更にその各スルーホール中に設けられた導電性の材料同士を電気的に接合させる。更に、スルーホール101のグリーンシート17上の電極板7と電気的に接続され、結果的に電極板7と導電膜3の一方の端部が電気的に接続されることになる。また同様にグリーンシート12にスルーホール102を設け、そのスルーホール102中に金属などの導電性材料を埋め込むことで、電極板8と導電膜3が電気的に接続される。
【0065】
図11(a)で示される導電膜3に接続され導電膜3に略垂直に設けられている接続部7a,8aは前述の各スルーホール100〜102の中に埋設された導電性材料で構成され、導電膜3に対して略平行にしかも互いに対向するように延設部7b,8bが設けられている。すなわち、この実施の形態の場合、電極板7,8はそれぞれ接続部と延設部で構成される。
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、導電膜に流れる過電流により溶断部に発生するジュール熱を放熱する放熱体を設けたことにより、突入電流による発熱が放熱体により放熱され、その後電流が規定値以下になれば、溶断部が溶断することなく通常の通電状態に戻る。これにより、遅延性能に優れた回路保護素子を得ることができる。
【0067】
また、導電膜に流れる電流の時間的変化を抑制する突入電流抑制要素を基材部に設けたことにより、突入電流が電極部に流れると、その流れを阻止するように突入電流抑制要素が働き、その後電流が規定値以下になれば、溶断部が溶断することなく通常の通電状態に戻る。これにより、遅延性能に優れた回路保護素子を得ることができる。
【0068】
更に、突入電流抑制要素を、導電膜と平行に基材部内に埋設された導体板としたことにより、導体板には導電膜に流れる電流が定常電流であるときは渦電流は発生しないが、突入電流のような過渡的な電流変動に対しては電磁誘導による渦電流が発生し、導体板で熱としてエネルギーが消費される結果、溶断部に流れる突入電流を抑制することができる。これにより、遅延性能に優れた回路保護素子を得ることができる。
【0069】
また、突入電流抑制要素を、基材部内に埋設された2枚の電極板からなるコンデンサとしたことにより、導電膜に流れる突入電流はコンデンサによりバイパスされる結果、溶断部に流れる突入電流を抑制することができる。これにより、遅延性能に優れた回路保護素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る回路保護素子の構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1におけるグリーンシートの構成を示す分解斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図
【図4】本発明の実施の形態1に係る回路保護素子の製造工程を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1における導電膜の形成工程を示す工程図
【図6】本発明の実施の形態2に係る回路保護素子の構成を示す図
【図7】本発明の実施の形態2におけるグリーンシートの構成を示す分解斜視図
【図8】本発明の実施の形態2における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図
【図9】本発明の実施の形態3に係る回路保護素子の構成を示す図
【図10】本発明の実施の形態3におけるグリーンシートの構成を示す分解斜視図
【図11】本発明の実施の形態3における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図
【符号の説明】
1A,1B,1C 回路保護素子
2 基材部
2a 空間部
3 導電膜
3a 溶断部
4 電極部
5 フィン
6 導体板
7,8 電極板
11〜17 グリーンシート
11a 穴
12a スルーホール
13a 印刷
14a スルーホール
20 ベース板
21 レジスト
22 マスク
23 Ag
100,101,102 スルーホール
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータやコンデンサ、ハードディスクドライブ、DVDドライブ、ゲーム機、携帯電話機などの電気機器、電子機器に用いられ、設定電流以上の電流が流れると金属部が溶断して回路を遮断する回路保護素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電気機器、電子機器は小型化が進み、電気回路部も小型化、高密度化が要求されている。この中で、漏電や発熱といった予期せぬ事態を未然に防止して安全性を確保するために使用される回路保護素子、いわゆるヒューズも、小型化とともに安全かつ確実に作動すること要請されている。
【0003】
特に、現在のコンピュータおよび周辺機器には、これまで以上に過電流保護が必要になっている。高速のICチップは非常に過電流の影響を受けやすく、製品の全コストに対して高価である。これらのICチップは、回路の故障や、外部の障害によって生じる過電流から保護する必要がある。
【0004】
このような過電流保護のために、例えば、特許文献1(特開平1−287905号公報)には、積層体の層間に内部導体を形成した一体焼結型のインダクタンス素子において、内部導体に、所定以上の電流が流れることにより溶断するヒューズ部を一体的に設けると共に、溶断するヒューズ部の周囲の積層体に空洞部を設けたインダクタンス素子が開示されている。
【0005】
また、特許文献2(特開平7−105824号公報)には、複数の耐熱絶縁材料からなる基板の積層により構成された内部に空間を有する本体と、基板間に挟まれた金属薄膜からなる可溶体と、本体の両端に備えられ可溶体と電気的に接続された電極とで構成された超小型チップヒューズが開示されている。
【0006】
これらの特許文献1および2においては、ヒューズ部(可溶体)の周囲に空洞部(空間)を設けたことにより、ヒューズ部に流れる電流によるジュール熱が効率的にヒューズ部の溶断に作用し、また溶断した金属の粒子が空洞部内で分散して電極間が再接続しないようになる。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−287905号公報
【特許文献2】
特開平7−105824号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
IC等の半導体回路では、瞬間的にも規定以上の電流が流れると破壊する恐れがあるため、ヒューズの遮断特性として速断型が適用される。これに対し、モータ等では、通常は、投入時にのみ瞬間的に規定以上の起動電流が流れ、運転時には電流値が小さくなる。このような機器については、その都度ヒューズが切れると支障があるため、瞬間的に加わる大きな電流については感応せず、継続して規定以上の電流が流れるときのみ感応して巻線の焼損を防止する遅延型のヒューズが適用される。
【0009】
前掲の(特許文献1)および2に記載された回路保護素子においては、ヒューズ部に突入電流が流れると、ヒューズ部が空間部に浮いており、熱を拡散する機能がないため速断し、遅延型ヒューズとしては適用できないという問題がある。
【0010】
本発明は、溶断部に流れる瞬間的な突入電流による溶断部の溶断を抑制して、遅延型のヒューズとして適用できる回路保護素子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の回路保護素子においては、導電膜に流れる過電流により溶断部に発生するジュール熱を放熱する放熱体を設けるか、導電膜に流れる電流の時間的変化を抑制する突入電流抑制要素を設けたものである。
【0012】
この発明によれば、溶断部に流れる瞬間的な突入電流による溶断部の溶断を抑制して、遅延型のヒューズとして適用できる回路保護素子が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、絶縁材料で構成された基材部と、前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、前記基材部中に伝熱部材を設けるとともに前記伝熱部材を前記導電体に接触させたことを特徴とする回路保護素子であり、突入電流による発熱が伝熱部材により放熱され、その後電流が規定値以下になれば、溶断部が溶断することなく通常の通電状態に戻り、引き続いて規定電流以上の電流が流れ続ければ、溶断部が溶断して機器を保護するという作用を有する。
【0014】
請求項2記載の発明は、前記導電体の一部は前記基材部中に設けられており、この基材部に挟まれた部分において前記導電体が前記伝熱部材と接触していることを特徴とする請求項1記載の回路保護素子であり、伝熱部材を基材部中に設けることができ、伝熱部材の変形などを抑制できる。
【0015】
請求項3記載の発明は、前記基材部中に空間部を設け、前記導電体において、前記空間部内に位置する部分に前記溶断部が配置され、前記空間部以外の部分は基材部中に設けられたことを特徴とする請求項2記載の回路保護素子であり、溶断部を空間部に配置することで、溶断特性を向上させることができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、前記空間部内において前記溶断部は湾曲していることを特徴とする請求項3記載の回路保護素子であり、素子に衝撃が加わったとしても、溶断自体が撓んで、衝撃を吸収し、溶断部が衝撃によって破損することを防止できる。
【0017】
請求項5記載の発明は、絶縁材料で構成された基材部と、前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、前記導電膜に流れる電流の時間的変化を抑制する突入電流抑制要素を前記基材部に設けたことを特徴とする回路保護素子であり、突入電流が電極部に流れると、その流れを阻止するように突入電流抑制要素が働き、その後電流が規定値以下になれば、溶断部が溶断することなく通常の通電状態に戻り、引き続いて規定電流以上の電流が流れ続ければ、溶断部が溶断して機器を保護するという作用を有する。
【0018】
請求項6記載の発明は、前記突入電流抑制要素は、前記導電膜と平行に前記基材部内に埋設された導体板である請求項5記載の回路保護素子であり、導体板には導電膜に流れる電流が定常電流であるときは渦電流は発生しないが、突入電流のような過渡的な電流変動に対しては電磁誘導による渦電流が発生し、導体板で熱としてエネルギーが消費される結果、溶断部に流れる突入電流が抑制され、遅延型の回路保護素子を提供できるという作用を有する。
【0019】
請求項7記載の発明は、前記突入電流抑制要素は、前記基材部内に埋設された2枚の電極板からなるコンデンサである請求項5記載の回路保護素子であり、コンデンサは定常電流は流さず、電流変化については通過させる性質があるので、導電膜に流れる突入電流がバイパスされる結果、溶断部に流れる突入電流が抑制され、遅延型の回路保護素子を提供できるという作用を有する。
【0020】
請求項8記載の発明は、絶縁材料で構成された基材部と、前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、前記基材部中に前記導電体と前記電極部それぞれと非接触の導電部材を設けたことを特徴とする回路保護素子であり、機器の電源投入時等に短期間に大きな電流が流れる突入電流が発生したとしても、導電体で発生した磁界がこの導電部材を横切ることで導電部材に渦電流が発生し、エネルギーを消費するので、溶断部に投入されたエネルギーが集中するのを防止でき、突入電流などでは溶断しにくい素子を得ることができる。
【0021】
請求項9記載の発明は、絶縁材料で構成された基材部と、前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、前記基材部中に伝熱良導体部材を設けるとともに前記伝熱良導体部材は前記導電体に接触しており、しかも前記伝熱良導体部材は前記導電体と略直交する接続部と前記導電体に沿って設けられた延設部とを有し前記接続部が前記導電体と接触していることを特徴とする回路保護素子であり、この様な構成とすることで、突入電流による発熱が伝熱良導体部材により放熱され、しかも機器の電源投入時等に短期間に大きな電流が流れる突入電流が発生したとしても、導電体で発生した磁界が延設部を横切ることでこの延設部に渦電流が発生し、エネルギーを消費するので、溶断部に投入されたエネルギーが集中するのを防止でき、突入電流などでは溶断しにくい素子を得ることができる。
【0022】
請求項10記載の発明は、前記伝熱良導体部材は前記溶断部を挟んで一対設けられ、前記各伝熱良導体部の延設部が互いに対向して非接触となっていることを特徴とする請求項9記載の回路保護素子であり、コンデンサは定常電流は流さず、電流変化については通過させる性質があるので、導電膜に流れる突入電流がバイパスされる結果、溶断部に流れる突入電流が抑制され、遅延型の回路保護素子を提供できるという作用を有する。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図11を用いて説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る回路保護素子の構成を示す図で、(a)は透視図、(b)は断面図、図2は本発明の実施の形態1におけるグリーンシートの構成を示す分解斜視図、図3は本発明の実施の形態1における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図、図4は本発明の実施の形態1に係る回路保護素子の製造工程を示すフローチャート、図5は本発明の実施の形態1における導電膜の形成工程を示す工程図である。
【0025】
図1において、回路保護素子1Aは、セラミック材料からなる基材部2と、基材部2の内部に形成された空間部2aの内部に溶断部3aが収納された導電膜3と、基材部2の両端において導電膜3の両端に導通するように形成された電極部4と、放熱体としてのフィン5から構成されている。
【0026】
基材部2の材料としては、導電膜3の材質をAgとしたとき、Agの融点約961℃よりも低い温度(約900℃)で焼結するAl−Si−B系の低温焼結セラミックス、フェライト系セラミックス、BaTiO3系、CaTiO3系、SnTiO3等の誘電体材料、ガラスエポキシ樹脂等を使用することができる。
【0027】
導電膜3の材料も、Agのほか、Cu,Ni,Al合金等の導電材料が使用できる。なお、本実施の形態では、溶断部3aを構成する部分は導電膜3という膜状体としたが、ある程度の可撓性を有する板状体,線状体,シート状体などの導電体を用いても良い。
【0028】
図1に示す構造の回路保護素子1Aは、基本的には、図2に示すように5枚のグリーンシート(薄板状に成形したセラミックスの未焼成体であり、セラミックス原料粉末、有機結合剤、可塑剤、溶剤などの混合スラリをドクターブレード法またはカレンダー法で薄板状に成形したもの)11〜15を積層して製造する。グリーンシート11は、中央部に所定形状の穴11aを形成したものであり、グリーンシート12はスルーホール12aを予め形成した上に導電膜3を形成したものであり、グリーンシート14はスルーホール14aを設けたものであり、グリーンシート13は必要に応じて印刷13aを施したプレーンの板であり、グリーンシート15は回路保護素子1Aの下層となるプレーンの板である。このとき、スルーホール12a,14a中に金属などの導電性の材料を埋め込み更にその各スルーホール中に設けられた導電性の材料同士を電気的に接合させる。更に、その導電性の材料は、スルーホール12aを形成したグリーンシート12上の導電膜3と電気的に接続され、フィン5が形成されることになる。
【0029】
フィン5は、図1(b)に示すように溶断部3aとなる部分以外の部分において導電膜3と接触している。すなわち、図1(a),(b)に示す構成では、溶断部3aを空間部2a中に設けているので、フィン5は、導電膜3が基材部2に挟まれた部分に設けられている。スルーホール12a,14aの形状は、断面円形や断面多角形状や、角錐型、円錐型などの形を採用可能であり、なお、グリーンシート14に設けるスルーホール14aの代わりに有底の穴や溝を設けることにより、グリーンシート15を省略することもできる。有底穴の具体的形状としては断面円形や断面多角形状のものや、角錐型、円錐型などの形を採用可能であり、溝の場合にも同様に断面多角形状や断面円形状のものが採用可能である。
【0030】
本実施の形態の場合、図1(b)に示すように溶断部3aを挟んで導電膜3が基材部2に埋設された部分にそれぞれ2カ所ずつフィン5を設けた。この場合、フィン5は断面が円形の有底穴の中に銅,銀などの金属を埋め込んだ構成とした。なお、本実施の形態では、溶断部3aを挟んでそれぞれ2カ所ずつフィン5を設けたが、それぞれ1カ所でも良いし、それぞれ3カ所以上設けても良い。更に、溶断部3aを挟んでそれぞれ同一数のフィン5を設けたが、仕様などによっては、一方の側にフィン5を3カ所設け、他方に2カ所設けるなどの異なる数を設けても良いし、溶断部3aを挟んで一方の側のみにフィン5を設けても良い。
【0031】
また、本実施の形態では、溶断部3aを挟んでそれぞれ有底穴に金属などの熱伝導部材を埋め込んだ構成としてが、溶断部3aを挟んで一方を有底穴形状のフィン5とし、他方を溝状のフィン5としても良い。
【0032】
以上の様に、フィン5を設けることで、機器への電源投入時に発生する可能性のある瞬間的な異常電流(突入電流)によって溶断部3aが発熱しても、その熱はフィン5を伝わって、回路保護素子1Aの、より多くの部分に熱を逃がすことができる。従って、電源投入時などの時には、溶断部3aは溶断しにくく、通常の使用時に生じる異常電流が所定時間以上連続した場合、溶断させることができる。
【0033】
なお、本実施の形態では、溶断部3aを基材部2の空間部2a内に設けた構成であるので、フィン5は溶断部3a以外の部分に接触させたが、絶縁性の板状基板上に溶断部3aを設けた導電膜3を備えたプレート型の回路保護素子(時には、導電膜を覆うようにカバーがなされる)の場合には、溶断部3aやその他の部分にフィン5を接触させても良い。すなわち図3(a)に示すように、溶断部3aとなる中央部分に板状のフィンを取り付けたり、或いは図3(b)に示すように柱状のフィン5を立設させ、この場合においても、フィン5は、できれば基材部2中に埋設させることが好ましい。
【0034】
なお、図2には、回路保護素子1Aの1個分の構成を示しているが、実際には、広いグリーンシートに多数個分を同時に形成して途中で回路保護素子単体に切断する。
【0035】
以下、図4および図5を用いて、本回路保護素子1Aの製造方法を説明する。
【0036】
ステップS1:まず、グリーンシートを所定の寸法に切断する。
【0037】
ステップS2:グリーンシート11については穴開けを行う。穴の形状は、図示の四角形に限らず、円形、その他の任意の形状でもよい。
【0038】
ステップS3:グリーンシート13については、必要に応じて印刷を行う。
【0039】
ステップS4:グリーンシート12については写真工程を行う。すなわち、図5(a)に示すようにステンレス等のベース板20にレジスト21を塗布し、その上に図5(b)に示すようにマスク22を載せる。次いで、図5(c)に示すように紫外線露光を行い、マスク22のかかっていない部分のレジスト21を除去する。次に、マスク22を除去する。
【0040】
ステップS5:図5(e)に示すようにステンレスのベース板20にメッキによりAg23を析出させる。次いでレジスト21を除去すると、図5(f)に示すように所定のパターンのAg23の膜がベース板20上に形成される。このベース板20上に形成されたAg23を図5(g)に示すようにグリーンシート12上に載せ、押し付けると、グリーンシート12上にAg23がめり込んだ状態に転写され、導電膜3が形成される。この工程で、図2および図3に示したフィン5を取り付けるためのスルーホールの形成、金属の埋め込み等を行う。
【0041】
ステップS6:以上のように形成されたグリーンシート13,11,12、14、15を所定の圧力を掛けて積層し、一体化する。
【0042】
ステップS7:各グリーンシート11〜15には多数個分の回路保護素子用のチップが形成されているので、これを1個ずつ分に切断する。
【0043】
ステップS8:電気炉に入れて、例えばAg23の融点より低い900℃で焼成する。この焼成の過程で、グリーンシート11〜15の素材は約20%ほど、体積が収縮する。導電膜3はAg23であり、収縮しないので、相対的に導電膜3が空間部内において伸びて湾曲した状態の溶断部3aが形成される。
【0044】
ステップS9:冷却工程後、電気炉から取り出し、容器内で所定時間撹拌すると、各回路保護素子用のチップの角が取れて面取りされる。この面取りは、後の工程で回路保護素子用のチップを搬送する際に、引っかかりをなくすために必要な工程である。
【0045】
ステップS10:チップの両端から露出している導電膜3の端部に電極材、例えば銀ペーストを、塗布し、その表面にNiメッキを施して外部電極を形成する。
【0046】
ステップS11:外部電極の表面に半田コートによる仕上げ塗布を行う。
【0047】
ステップS12:出来上がった回路保護素子の各種特性の測定を行う。
【0048】
以上のようにして、図1に示す回路保護素子1Aが得られる。
【0049】
なお、空間部2aの高さを高くしたい場合は、穴11aを設けたグリーンシート11を2枚以上積層すればいい。
【0050】
なお、本実施の形態においては、空間部2a内において溶断部3aが湾曲するような構成としたが、湾曲しない構造のものにもフィン5を設けることができる。
【0051】
(実施の形態2)
図6〜図8は本発明の実施の形態2に係る回路保護素子1Bの構成を示すものであり、図6(a)は透視図、(b)は断面図、図7は製造工程を示す分解斜視図、図8は本発明の実施の形態2における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図である。この実施の形態2は、導電膜3に流れる電流の時間的変化を抑制する突入電流抑制要素として、導体板6を導電膜3と平行に基材部2内に埋設したものである。
【0052】
なお、本実施の形態では、導体板6等の板状の良導体を用いたが、シート状体のものや、鍍金等で構成された膜状体のものでよい。更に、この導体板6はアルミ,銅などの金属で構成することが好ましい。また、本実施の形態では、この導体板6は電極部4や導電膜3等とは電気的に非接触となっている。すなわち、導体板6は基材部2に設けられるが、他の部材とは電気的に接続されていない。
【0053】
この構造の回路保護素子1Bを製造するためには、図7に示すように、基本的には3枚のグリーンシート11〜13を用いる。グリーンシート11は穴11aを形成したものであり、グリーンシート13は必要に応じて印刷13aとそれとは電気的に非接触状態にある導電体6を施したプレーンのシートである。
【0054】
これらを積層し、前述の図4の工程を適用することで、図6に示す回路保護素子1Bが得られる。
【0055】
以上の様に導体板6を用いることによって、機器への電源投入時に発生する可能性ある瞬間的な異常電流(突入電流)が発生しても、溶断しにくくできる。
【0056】
すなわち、突入電流によって導電膜3の周りに磁界が発生するが、この磁界が導体板6に入り込んで導体板6に渦電流を発生させ、エネルギーを導体板6で熱などの形で消費できるので、素子への投入エネルギーを溶断部3aに集中しない構成とできる。すなわち、急激な電流変化を短時間に伴う突入電流によって溶断部3aは溶断しにくいが、急激な電流変化が短時間で生じにくい通常動作中は、所定の時間異常電流が流れると、溶断部3aは溶断する。従って、遅延型の回路保護素子を得ることができる。
【0057】
なお、最も好ましくは、図8(a),(b)に示すように導体板6の配置位置を導電膜3で発生する磁界が最も横切りやすい、導電膜3の両側部に導体板6を設けること、すなわち、導電膜3が設けられた面と略同一面内に導体板6を設けることが好ましい。この実施の形態の場合、導電膜3と導体板6は一体に形成することで、導体板6を放熱用のフィンの役目も担わせることができる。更に、導電膜3と導体板6を略同一平面内に設ける構成とすることで、導電膜3と導体板6を同一工程で製造でき、生産性をも向上させることができる。この時、導電膜3を膜の転写で構成する場合には、当然導電膜3と導体板6は転写された膜で構成され、導電膜3を板状体で構成する場合には、当然導電膜3と導体板6は板状体で構成される。更に、図8(a),(b)に示す実施の形態では、導電膜3と導体板6を接続させた構成としたが、非接続構成とすることもできる。図8(a)は溶断部3aを含む狭幅部のほぼ全側方に渡って導体板6が長く配置されており、図8(b)は狭幅部の内でも特に溶断部3aとなる部分の側方に円形状に導体板6が設けられている。
【0058】
また、図8(a),(b)の実施の形態の場合、導電膜3の両側方に導体板6を設けたが、仕様などによっては一方の側方にのみに導体板6を設けても良い。
【0059】
(実施の形態3)
図9〜図11は本発明の実施の形態3に係る回路保護素子1Cの構成を示すものであり、図9(a)は透視図、(b)は断面図、図10は製造工程を示す分解斜視図、図11は本実施の形態における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図である。この実施の形態3は、導電膜3に流れる電流の時間的変化を抑制する突入電流抑制要素として、基材部2内に埋設された2枚の電極板7,8からなるコンデンサとしたものである。電極板7,8は端部が電極部4により接続されている。
【0060】
この構造の回路保護素子1Cを製造するためには、図10に示すように、基本的には5枚のグリーンシート11,12,13,16,17を用いる。グリーンシート11は穴11aを形成したものであり、グリーンシート12は図5の工程で導電膜3を形成したものであり、グリーンシート16,17はシート材の上に電極板7,8を形成したものであり、グリーンシート13は必要に応じて印刷13aを施したプレーンのシートである。
【0061】
これらを積層し、前述の図4の工程を適用することで、図9に示す回路保護素子1Cが得られる。
【0062】
電極板7,8としては、銅、アルミ等の良導電体の板,シートないし膜を使用することができる。これらの電極板7,8の端部が電極部4の形成時に両側の電極部4にそれぞれ接続されることにより、2つの電極板7,8によるコンデンサが形成される。
【0063】
なお、電極板7,8は素子の端面における電極部4とそれぞれ接合されており、この構成によって、コンデンサは定常電流は流さず、電流変化については通過させる性質があるので、導電膜3に流れる突入電流がバイパスされる結果、溶断部3aに流れる突入電流が抑制され、遅延型の回路保護素子を提供できる。また、電極板7,8は溶断部3aの近傍に設けられているので、突入電流の際に発生する磁界がその電極板7,8を横切るので、電極板7,8に渦電流が発生してエネルギーを溶断部以外で消費できる。
【0064】
また、図11(a),(b)に示すように電極板7,8を電極部4と接合させずに、導電膜3に直接接合させることで、上記コンデンサの作用に加えて更に図1に示す放熱用のフィンの効果をも持たせることができる。具体的には、図11(b)に示すようにグリーンシート12にスルーホール100を設け更にグリーンシート16にスルーホール101を設ける。この時スルーホール100,101中に金属などの導電性の材料を埋め込み更にその各スルーホール中に設けられた導電性の材料同士を電気的に接合させる。更に、スルーホール101のグリーンシート17上の電極板7と電気的に接続され、結果的に電極板7と導電膜3の一方の端部が電気的に接続されることになる。また同様にグリーンシート12にスルーホール102を設け、そのスルーホール102中に金属などの導電性材料を埋め込むことで、電極板8と導電膜3が電気的に接続される。
【0065】
図11(a)で示される導電膜3に接続され導電膜3に略垂直に設けられている接続部7a,8aは前述の各スルーホール100〜102の中に埋設された導電性材料で構成され、導電膜3に対して略平行にしかも互いに対向するように延設部7b,8bが設けられている。すなわち、この実施の形態の場合、電極板7,8はそれぞれ接続部と延設部で構成される。
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、導電膜に流れる過電流により溶断部に発生するジュール熱を放熱する放熱体を設けたことにより、突入電流による発熱が放熱体により放熱され、その後電流が規定値以下になれば、溶断部が溶断することなく通常の通電状態に戻る。これにより、遅延性能に優れた回路保護素子を得ることができる。
【0067】
また、導電膜に流れる電流の時間的変化を抑制する突入電流抑制要素を基材部に設けたことにより、突入電流が電極部に流れると、その流れを阻止するように突入電流抑制要素が働き、その後電流が規定値以下になれば、溶断部が溶断することなく通常の通電状態に戻る。これにより、遅延性能に優れた回路保護素子を得ることができる。
【0068】
更に、突入電流抑制要素を、導電膜と平行に基材部内に埋設された導体板としたことにより、導体板には導電膜に流れる電流が定常電流であるときは渦電流は発生しないが、突入電流のような過渡的な電流変動に対しては電磁誘導による渦電流が発生し、導体板で熱としてエネルギーが消費される結果、溶断部に流れる突入電流を抑制することができる。これにより、遅延性能に優れた回路保護素子を得ることができる。
【0069】
また、突入電流抑制要素を、基材部内に埋設された2枚の電極板からなるコンデンサとしたことにより、導電膜に流れる突入電流はコンデンサによりバイパスされる結果、溶断部に流れる突入電流を抑制することができる。これにより、遅延性能に優れた回路保護素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る回路保護素子の構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1におけるグリーンシートの構成を示す分解斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図
【図4】本発明の実施の形態1に係る回路保護素子の製造工程を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1における導電膜の形成工程を示す工程図
【図6】本発明の実施の形態2に係る回路保護素子の構成を示す図
【図7】本発明の実施の形態2におけるグリーンシートの構成を示す分解斜視図
【図8】本発明の実施の形態2における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図
【図9】本発明の実施の形態3に係る回路保護素子の構成を示す図
【図10】本発明の実施の形態3におけるグリーンシートの構成を示す分解斜視図
【図11】本発明の実施の形態3における他の回路保護素子の導電膜を示す斜視図
【符号の説明】
1A,1B,1C 回路保護素子
2 基材部
2a 空間部
3 導電膜
3a 溶断部
4 電極部
5 フィン
6 導体板
7,8 電極板
11〜17 グリーンシート
11a 穴
12a スルーホール
13a 印刷
14a スルーホール
20 ベース板
21 レジスト
22 マスク
23 Ag
100,101,102 スルーホール
Claims (10)
- 絶縁材料で構成された基材部と、
前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、
前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、
前記基材部中に伝熱部材を設けるとともに前記伝熱部材を前記導電体に接触させたことを特徴とする回路保護素子。 - 前記導電体の一部は前記基材部中に設けられており、この基材部に挟まれた部分において前記導電体が前記伝熱部材と接触していることを特徴とする請求項1記載の回路保護素子。
- 前記基材部中に空間部を設け、前記導電体において、前記空間部内に位置する部分に前記溶断部が配置され、前記空間部以外の部分は基材部中に設けられたことを特徴とする請求項2記載の回路保護素子。
- 前記空間部内において前記溶断部は湾曲していることを特徴とする請求項3記載の回路保護素子。
- 絶縁材料で構成された基材部と、
前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、
前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、
前記導電膜に流れる電流の時間的変化を抑制する突入電流抑制要素を前記基材部に設けたことを特徴とする回路保護素子。 - 前記突入電流抑制要素は、前記導電膜と平行に前記基材部内に埋設された導体板であることを特徴とする請求項5記載の回路保護素子。
- 前記突入電流抑制要素は、前記基材部内に埋設された2枚の電極板からなるコンデンサであることを特徴とする請求項5記載の回路保護素子。
- 絶縁材料で構成された基材部と、
前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、
前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、
前記基材部中に前記導電体と前記電極部のそれぞれに非接触の導電部材を設けたことを特徴とする回路保護素子。 - 絶縁材料で構成された基材部と、
前記基材部に設けられ、溶断部を有する導電体と、
前記基材部の端面において前記導電体の端部に接続されている電極部とを備えた回路保護素子であって、
前記基材部中に伝熱良導体部材を設けるとともに前記伝熱良導体部材は前記導電体に接触しており、しかも前記伝熱良導体部材は前記導電体と略直交する直交部と前記導電体に沿って設けられた延設部とを有し前記直交部が前記導電体と接触していることを特徴とする回路保護素子。 - 前記伝熱良導体部材は前記溶断部を挟んで一対設けられ、前記各伝熱良導体部の延設部が互いに対向して非接触となっていることを特徴とする請求項9記載の回路保護素子。
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