JP2004157796A - 投光タイミング算出プログラム、光走査装置、及びこれを利用した侵入者検出装置 - Google Patents
投光タイミング算出プログラム、光走査装置、及びこれを利用した侵入者検出装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】各目標投光位置の近傍にある非線形な走査線上の複数の候補走査点を取得し(S402)、いずれか一つを代表走査点として設定し、この代表走査点の通過時刻を投光タイミングとする(S403)。ここで、全ての目標投光位置の近傍に候補走査点がなければ、計算失敗として計算を終了する(S405)。また、各代表走査点の投光タイミングの時間差が最小投光間隔Lmin以上であれば、計算成功として計算を終了する(S407)。いずれかの時間差がLmin未満であれば、代表走査点を他の候補走査点に変更し、走査線が変更後の代表走査点を通過するタイミングを投光タイミングとする(S408〜S412)。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルス光を二次元的に非線形走査する光走査装置に用いられる投光タイミングを算出する投光タイミング算出プログラム、当該プログラムによって作成された投光タイミングに基づいてパルス光を投光する光走査装置、及びこの光走査装置を利用した侵入者検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業の様々な分野において、レーザパルスを走査する光走査装置が利用されている。例えば、対象物までの距離や対象物の速度を測定するためのレーダ装置などである。また、このような光走査装置を侵入者の検出に利用した侵入者検出装置が提案されている(特開2002−208073)。この場合、二次元光走査装置にて監視範囲の複数の目標投光位置に対してパルス光を投光し、投光から物体による反射光の受光までの時間差により物体までの距離を測定しており、その距離変化を監視することで侵入者の判定を行っている。
【0003】
このような光走査装置では、ガルバノミラーやポリゴンミラーを用いて、レーザパルスを偏向させ、走査している。このうちガルバノミラーを用いる場合、一般に、次の二つの偏向角度を制御する方法が知られている。
【0004】
第一の方法は、ガルバノミラーの偏向角度と駆動電流が一定の関係を持つことを利用して、駆動電流を制御することで、所望の偏向角度を得て、走査軌跡上の所望の走査点に投光する方法である。第二の方法は、ガルバノミラーの共振周波数近傍の交流電流を供給することで、ガルバノミラーを共振させる方法である。第一の方法では偏向角度の制御は容易であるが、偏向角度を大きくとれない。それに対して、第二の方法では偏向角度を大きくとることができる。
【0005】
上記の方法を利用して二次元的な光走査を行う場合、次のような例が挙げられる。一つの例では、ガルバノミラーを上記の第二の方法によりX軸方向の走査手段とし、Y軸方向の走査手段として回転するポリゴンミラーを用いることにより、光を二次元的にラスター走査可能な装置を構成することができる。また、別の例では、ガルバノミラーを同じく上記第二の方法によりX軸方向の走査手段とし、Y軸方向の走査手段としてガルバノミラーを上記の第一の方法で用いることにより、同様の装置を構成することができる。
【0006】
しかし、これらの方法で二次元光走査装置を構成すると、最初の例では、回転するポリゴンミラーを用いることから光走査装置は大型化し、また、ポリゴンミラーを長期間に渡って安定して駆動するには装置は高価にならざるを得ない。二つ目の例では、Y軸方向の走査手段のガルバノミラーの偏向範囲は、共振周波数近傍で駆動するX軸方向の走査手段と比べて狭くなる。
【0007】
二次元光走査装置を侵入者検出に利用する場合には、広い監視範囲を確保すること、監視範囲を高速に走査し距離測定を行うこと、装置が大型化しないこと、安定した測定が可能であること、などが重要な要因となる。したがって、上述の例で示したような二次元光走査装置の構成を採ると、これらの要因を満足する侵入者検出装置を得ることができない。
【0008】
そこで、X軸、Y軸方向共に大きな偏向角度を持ち、且つ、小型な二次元共振型光走査装置を得るための方法として、X軸、Y軸方向を共に共振周波数近傍で駆動するガルバノミラーを用いることが考えられる。なお、ここでいう二次元光走査装置には、1軸について回動を行うガルバノミラーを2つ使用するものと、2つのガルバノミラーをジンバル構造に一体に形成したものを含む。
【0009】
しかし、この場合には以下の問題点を生じる。
【0010】
二次元共振型ガルバノミラーを用いた場合に走査装置が描く走査線は図13に示すリサジュ図形を描くため、一周期で描かれる走査線が走査領域の端部では密、中心部では疎となる。このため、一定時間間隔にてパルス光を投光すると、図14に示すように、距離測定を行う点を監視範囲内において等間隔に得ることができない。測定位置が監視範囲内で等間隔であると、得られた距離情報は一般的な画像と同等に扱うことが可能である。しかし、測定位置が不等間隔の場合には、一般的な画像処理手法を適用する前に、測定位置を擬似的に等間隔にするための前処理が必要となる。また、この前処理を行うためにはデータを一度記憶装置に保管し、その後処理を行わなければならないため、迅速な処理を行うことができない。また、一般的な画像処理手法を用いない場合には、不等間隔のデータを処理可能な新たな画像処理手法の考案が必要となってしまう。さらに不等間隔のまま距離などの測定を行おうとすれば走査領域の端部に発生した必要以上の情報によって、処理装置やメモリに余計な負荷をかけることになってしまう。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−208073号公報
【特許文献2】
特開2001−356273号公報
【特許文献3】
特開平7−175005号公報
【特許文献4】
特開平9−42928号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題を解決するためには、走査領域に等間隔に投光することが可能な二次元共振型光走査装置が必要となる。二次元共振型光走査装置において等間隔に投光しようとした場合、投光目標位置付近に走査軌跡が通るタイミングで投光することが考えられる。
【0013】
しかし、光走査装置の光源は、その特性により決定される最小投光間隔より小さな時間間隔で、連続して投光することができない。このように光源が連続して投光可能な時間間隔には限界があるため、時間的に隣接した投光タイミングが最小投光間隔より小さい場合には後者の投光タイミングでは光源を点灯することができないといった問題があった。なお、以上の説明では、二次元共振型ガルバノミラーを用いてリサジュ図形の走査をする場合について説明したが、このような問題は走査線が非線形図形となる走査方法で一般的に生じ得る。
【0014】
また、光走査装置を侵入者検出に利用する場合には、監視範囲内において短時間で密に距離測定を行うことを必要とするが、高速走査により描かれるリサジュ図形の1周期の間に全ての測定位置へ投光することはできない。よって、全測定に複数周期かけるか、低速で走査することになり、長時間を要して距離測定を行うことになる。しかし、監視範囲内における侵入者の走り抜けを検出する場合や、他の侵入判定との相関によって侵入者を検出する場合等を考慮すると、監視範囲内における距離測定の完了までに長時間を要することは好ましくなく、常に一定の周期で完了させられることが望ましい。
【0015】
上述の課題に鑑みて、本発明は、最小投光間隔を考慮して走査領域に等間隔に投光するための投光タイミングデータを得ることを目的とする。また、この投光タイミングデータを利用した光走査装置及び侵入者検出装置を得ることを目的とする。
【0016】
また、本発明は、短時間に監視範囲内の走査を行う侵入者検出装置を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る投光タイミング算出プログラムは、走査領域内にある複数の目標投光位置の近傍に投光するために、二次元方向に非線形走査する光走査装置により用いられる投光タイミングデータを算出する投光タイミング算出プログラムであって、前記各目標投光位置の近傍にある走査線上の候補走査点を取得する基礎データ取得工程と、各目標投光位置について、前記候補走査点を代表走査点として選択し、前記走査線が各代表走査点を通過するタイミングを、各目標投光位置に対する投光タイミングとする投光タイミング設定工程と、前記目標投光位置に対する投光タイミングと、この投光タイミングに時間的に隣接する他の目標投光位置に対する投光タイミングとの時間差が、前記光走査装置の最小投光間隔より小さい場合に、前記代表走査点を他の候補走査点に変更し、前記走査線が前記変更後の代表走査点を通過するタイミングを目標投光位置に対する投光タイミングとする投光タイミング変更工程と、を含むものである。
【0018】
これにより、各目標投光位置への投光タイミングが、光走査装置の最小投光間隔以上の時間間隔で設定された投光タイミングデータを得ることができる。そして、パルス光の非線形走査を行う走査装置において、このプログラムで得られた投光タイミングデータを参照してパルス光の投光を行うことにより、最小投光間隔を考慮したうえで、所定の目標投光位置にパルス光を投光することが可能となる。
【0019】
また、上記プログラムでは、前記投光タイミング変更工程において、前記複数の目標投光位置に優先順位を設定し、この優先順位の順に代表走査点を変更することが好ましい。代表走査点の変更が困難である順に優先順位を設定することにより、優先順位の変更が困難な代表走査点を先に変更し、後の処理を確実に行うことができる。
【0020】
また、上記プログラムでは、前記投光タイミング変更工程において、前記代表走査点を、前記投光タイミングの時間差が最小投光間隔以上であり、且つ、目標投光位置に最も近い他の候補走査点に変更することが好ましい。
【0021】
なお、一態様においては、前記走査線は、侵入者判定に必要な時間以内である周期にて形成されるリサジュ図形である。
【0022】
また、本発明に係る、パルス光を二次元的に非線形走査する光走査装置は、最小投光間隔以上の時間間隔で前記パルス光を投光可能な投光手段と、パルス光が投光される方向を非線形に走査する走査手段と、走査領域内にある複数の目標投光位置の夫々について、目標投光位置の近傍にある走査線上の候補走査点を取得して代表走査点を選択し、該代表走査点を走査線が通過するタイミングを投光タイミングとし、時間的に隣接する投光タイミングの時間差が光走査装置の最小投光間隔より小さい場合に代表走査点を他の候補走査点に変更して、走査線が変更後の代表走査点を通過するタイミングを投光タイミングとして変更し、全ての投光タイミングについて、時間的に隣接する投光タイミングとの時間差が最小投光間隔以上となる投光タイミングデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された投光タイミングデータに応じて前記投光手段の投光を制御する制御手段と、を備えるものである。
【0023】
また、本発明に係る侵入者検出装置は、パルス光を所定周期にてリサジュ図形を形成するように非線形走査する光走査装置を用い、監視領域内に均等に分布した目標投光位置の近傍の走査点を走査線が通過するタイミングにてパルス光を投光する侵入者検出装置であって、最小投光間隔以上の時間間隔で前記パルス光を投光可能な投光手段と、前記パルス光が投光される方向を非線形に走査する走査手段と、時間的に隣接する走査点に対する投光タイミングの時間差が前記光走査装置の最小投光間隔以上であり、前記所定周期内であって侵入者判定に必要な時間以内に全ての目標投光位置に対する投光を完了する投光タイミングデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された投光タイミングに応じて前記投光手段の投光を制御する制御手段と、走査領域中の物体による反射光を受光する受光手段と、受光データにより侵入者を判定する判定手段と、を備えるものである。
【0024】
これにより、最小投光間隔を考慮して目標投光位置にパルス光を投光することができる。また、この光走査装置を、投光されたパルス光の反射波を受信して距離、速度などの計測を行う装置に適用した場合には、計測位置が走査領域内で等間隔であり、画像データと同じ形式のデータを得ることができるため、得られた情報は一般的な画像データと同等に扱うことができ、様々な画像処理手法を容易に用いることができる。
【0025】
また、二次元共振型ガルバノミラーを侵入者検出装置に適用した場合には、光を走査するための機械的機構を簡略化することができ、よって侵入者検出装置を小型化することができる。このため、侵入者検出装置があることを侵入者に気付かれる可能性が低く、侵入者に侵入者検出装置の監視領域を回避して侵入されることを防止することができる。また、装置が小型であるため、様々な場所に侵入者検出装置を設置でき、その設置の作業も容易となる。
【0026】
また、二次元共振型ガルバノミラーは、偏向角度が大きいため監視領域を広く設定でき、また、走査速度が速いため短時間で監視領域内の距離測定を完了することができる。このように、二次元共振型ガルバノミラーを用いることにより、侵入者検出装置の監視能力を向上させることができる。
【0027】
また、光走査装置がリサジュ図形上を走査する際に、最小投光間隔を考慮した投光タイミングデータにしたがって均等に配置された目標投光位置に投光して検出を行うため、走査領域内の場所ごとに投光位置の偏りが生じず、侵入検知ロジックに悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、[1]「投光タイミングの計算」において、最小投光間隔を考慮して投光タイミングを計算する方法について説明し、[2]「投光タイミングの計算の変形例」において、計算方法の変形例について説明する。また、[3]「光走査装置を利用した侵入者検出装置」において、計算処理により得られた投光タイミングデータを利用した光走査装置及び侵入者検出装置について説明する。
【0029】
[1]「投光タイミングの計算」
非線形走査に応じてレーザパルスを投光するための投光タイミングのデータを算出する投光タイミング計算プログラムについて説明する。
【0030】
以下に説明するプログラムは、図1に示す計算装置10で実行される。計算装置10は、キーボード等の入力装置12と、演算処理装置(CPU)14と、投光タイミング計算プログラムを記憶し、またプログラムを実行することにより得られたデータを記憶する記憶装置(メモリ)16とを含んで構成される。また、計算装置10に外部記憶装置18を接続し、CD−R、MO、ディスケットなどに計算により得られたデータを記憶し、このデータを光走査装置に移してもよい。なお、このような計算装置10としては、一般的なコンピュータを用いればよい。
【0031】
本実施形態のプログラムを説明するにあたり、まず、理解が必要となる概念、変数などについて説明する。図2は、光走査装置20が平面上(仮想的な平面でもよい)にレーザパルスを走査するときの斜視図である。レーザパルスは長方形の走査領域A1内をx軸方向、y軸方向の二次元方向に走査される。このときx軸方向に走査される最大の角度がx軸方向の最大偏向角度θx_maxであり、y軸方向に走査される最大の角度がy軸方向の最大偏向角度θy_maxである。走査線がリサジュ図形を描く場合には、走査線は各軸方向に所定周期の正弦波振動を行っているが、このx軸方向の周期が振動周期Txであり、y軸方向の周期が振動周期Tyである。なお、走査線がリサジュ図形を1回描く周期であるリサジュ周期Tは、2つの周期Tx,Tyの最小公倍数である。時刻tにおける各軸方向の偏向角度θx(t),θy(t)は次式で計算できる。
【数1】
【0032】
また、平面上には所定間隔で配置された格子状の目標投光位置P1が設定される。この目標投光位置P1は、x軸方向に配列数Nx個、y軸方向に配列数Ny個で配列される。よって、目標投光位置P1の総数NはNx×Nyである。各目標投光位置P1を格子点(i,j)で表す。ここで、iは0〜Nx−1の整数であり、jは0〜Ny−1の整数である。目標投光位置(i,j)には左上隅から順に番号k{=i+j×Nx}が割り振られている。kは0〜N−1の整数である。目標投光位置(i,j)に向けて投光されるレーザパルスの偏向角度(θx_ideal,θy_ideal)は次式で計算できる。
【数2】
【0033】
図3は、図2の平面を拡大した正面図である。計算処理で走査線L1を求める場合、実際にはクロック回路58のクロック間隔に基づいて離散化された点の座標を式1を用いて求めている。このように計算処理により得られた走査線L1上の各点が走査点P2である。そして、これらの走査点P2のうち、目標投光位置P1の近傍領域A2に存在する走査点P2が候補走査点P3である。候補走査点P3には、目標投光位置P1に近い順に番号mが付されている。以下の説明では、k番目の目標投光位置P1の近傍にある候補走査点P3であって、目標投光位置P1にm番目に近い候補走査点P3をP(m,k)で表す。また、非線形走査が開始されてから、走査線L1が走査点P(m,k)を通過するまでの時間をt(m,k)で表す。なお、走査点P2が目標投光位置P1の近傍領域A2内にあることを判定するためには、各方向について、走査点P2の偏向角度と目標投光位置P1の偏向角度の差分を計算し、この計算値が所定の閾値以下であることを確認すればよい。
【0034】
以下に、本実施形態に係る投光タイミング計算プログラムを説明する。この投光タイミング計算プログラムのフローチャートを図4に示す。
【0035】
投光タイミング計算プログラムでは、始めに、作業者が入力手段を用いて、以下のパラメータの具体的な数値を設定する(S401)。
Tx:発振器(x軸)の周期
Ty:発振器(y軸)の周期
T :リサジュ図形の周期
Nx:x軸方向の目標投光位置数
Ny:y軸方向の目標投光位置数
θx_max:x軸方向の最大偏向角度
θy_max:y軸方向の最大偏向角度
Lmin:光源の最小投光間隔
本実施例では、リサジュ図形の周期T以内で全ての目標投光位置に対する投光タイミングを算出する。
【0036】
次に、演算処理装置14は、設定されたパラメータに基づき、式2を用いて、目標投光位置の偏向角度(θx_ideal,θy_ideal)と、目標投光位置の近傍に位置する複数の候補走査点P(m,k)、走査線が各候補走査点を通過する通過時刻t(m,k)、及び目標投光位置の近傍に位置する候補走査点の総数M(k)を計算し、メモリ16に格納する(S402)。
【0037】
次に、各目標投光位置について、候補走査点Pの中からいずれか一つを代表走査点SP(k)として選択し、その代表走査点の通過時刻を、目標投光位置におけるレーザパルスの投光タイミングtsp(k)として設定する(S403)。本実施形態では、代表走査点として、目標投光位置に最も近い候補走査点P(0,k)を選択し、その通過時刻t(0,k)を設定している。
【0038】
次に、各目標投光位置について、候補走査点の総数M(k)が1以上であるか否かを判定する(S404)。全ての総数M(k)が1以上である場合には、ステップS406に進む。一方、いずれかの総数M(k)が0である場合には、総数M(k)が0である目標投光位置にレーザパルスを投光することは不可能であるため、計算は失敗であると判断し、計算を終了する(S405)。
【0039】
ステップS406では、一連の各目標投光位置への投光タイミングの時間間隔を計算し、時間間隔が最小投光間隔Lmin以上であるか否かを判定する(S406)。全ての時間間隔がLmin以上である場合には、投光タイミングを設定された初期値で確定し、計算を終了する(S407)。一方、いずれかの時間間隔がLminより小さい場合には、代表走査点を変更して、時間間隔をLmin以上に修正すべくステップS408に進む。
【0040】
ステップS408では、各目標投光位置に対して優先順位の設定を行う。ここで優先順位とは、Lmin未満となった時間間隔を修正する順番である。この優先順位の定め方としては、複数の方法がある。その一つの方法は、走査領域の端から順に定める方法、すなわち、優先順位=目標投光位置番号kとする方法である。また、別の方法は、候補走査点の総数が少ない順に優先順位を定める方法である。候補走査点の総数が少ない方が代表走査点を変更するときの選択肢が少ないので代表走査点の変更が困難となるが、この方法で優先順位を設定すると、このような問題を回避することができる。また、別の方法は、ランダムに優先順位を割り当てる方法などである。当該プログラムでは、これらの方法を適宜選択して計算を行う。
【0041】
次に、以降の処理で用いる優先順位を表す変数nに初期値0を設定する。また、処理の繰り返し回数を表す変数loopに初期値0を設定する(S409)。
【0042】
そして、優先順位nの代表走査点SPの変更を行う(S410)。この処理については後に図5を参照して詳しく説明する。
【0043】
次に、優先順位nの代表走査点の変更は成功したか否かを判定する(S411)。代表走査点の変更が成功した場合にはステップS412に進み、失敗した場合にはステップS414,ステップS415に進む。
【0044】
ステップS412では、変数nがN−1に等しいか否かを判定する(S412)。変数nがN−1に等しければ、全ての代表走査点の変更が成功したと判断し、計算を終了する(S413)。変数nがN−1に等しくなければ変数nをインクリメントし、次の優先順位の代表走査点の変更を行う(S410)。
【0045】
ステップS415では、優先順位の変更を行う。具体的には、代表走査点の変更に失敗した優先順位がnの目標投光位置の優先順位を0とし、優先順位がnより小さい目標投光位置の優先順位をそれぞれ1増加させることにより行う。その後、再度変数nを初期値0に設定し、繰り返し回数loopをインクリメントする(S416)。そして、代表走査点の変更処理を行う(S410)。
【0046】
なお、ステップS411とステップS415の間では、繰り返し回数loopが所定の定数、ここでは例えば100より大きいか否かを判定する処理を行っており(S414)、この処理で繰り返し回数loopが100より大きいと判定された場合には、代表走査点の計算は失敗したとして計算を終了することにより、優先順位の変更が無限に行われることを防いでいる。
【0047】
次に、図5を参照して、上述した図4のステップS410の処理、すなわち「優先順位nの代表走査点の変更」について説明する。図5は、ステップS410の変更処理のフローチャートである。
【0048】
まず、処理の中で用いるフラグとして、flag#beforeとflag#afterを準備し、いずれも初期値0を設定する(S501)。
【0049】
次に、代表走査点SP(k)と、この代表走査点SP(k)より一つ前に発光する代表走査点SP(kbefore)の投光タイミングの時間差{=tsp(k)−tsp(kbefore)}を求める(S502)。代表走査点SP(k)とSP(kbefore)は投光タイミングが時間的に隣接しているため、この時間差で光源は連続して点灯しなければならない。ここで、投光タイミングtsp(k)が全ての代表走査点の中で最も早い場合には、投光タイミングtsp(k)と、代表走査点の投光タイミングのうちで最も遅い投光タイミングとの差をリサジュ図形の周期Tから引いたものを投光タイミングの時間差とする。
【0050】
次に、ステップS503では、求められた時間差が最小投光間隔Lmin以上であるか否かを判定する。ここで、時間差が最小投光間隔Lmin未満であれば、flag#beforeを1とする(S504)。また、時間差が最小投光間隔Lmin以上であれば、そのままステップS505に進み、代表走査点SP(k)と、代表走査点SP(k)より一つ後に発光する代表走査点SP(kafter)の投光タイミングの時間差{=tsp(k)−tsp(kafter)}を求める(S505)。ここで投光タイミングtsp(k)が全ての代表走査点の中で最も遅い場合には、投光タイミングtsp(k)と代表走査点の投光タイミングのうちで最も早い投光タイミングとの差をリサジュ図形の周期Tから引いたものを時間差とする。
【0051】
次に、ステップS506では、求められた時間差が最小投光間隔Lmin以上であるか否かを判定する。ここで、時間差が最小投光間隔Lmin未満であれば、flag#afterを1とする(S507)。また、時間差が最小投光間隔Lmin以上であれば、そのままステップS508に進む。
【0052】
次に、ステップS508,ステップS509では、フラグflag#beforeが1であるか否かを判定し、flag#afterが1であるか否かを判定する。2つのフラグがともに0である場合には、代表走査点SP(k)と、その前後に発光する代表走査点SP(kbefore),SP(kafter)の時間差は最小投光間隔Lmin以上であるため、代表走査点の変更は必要ないので、優先順位nの代表走査点の変更を終了する(S510)。
【0053】
また、ステップS508においてflag#beforeが1である場合には、代表走査点SP(k)と、その前に発光する代表走査点SP(kbefore)の時間差は最小投光間隔Lminより小さいため、代表走査点を再選択して変更する処理を行う。この処理を行うにあたり、引数k1に走査点番号kを代入し、引数k2に走査点番号kbeforeを代入し(S511)、モジュール化された代表走査点の再選択関数に渡す。この代表走査点SP(k)の再選択関数では、2つの代表走査点の投光タイミングの時間差が光源の最小投光間隔以上となるように、代表走査点を再選択する処理が行われる(S512)。その具体的な動作については後述する。代表走査点の再選択が終了すると、次に代表走査点の再選択が成功したか否かを判定する(S513)。
【0054】
ここで、再選択が失敗したと判定されると、優先順位nの代表走査点SP(k)の変更に失敗したとして計算を終了する(S514)。一方、再選択に成功したと判定されると、ステップS509に進む。
【0055】
ステップS509でも、ステップS508の処理と同様に、flag#afterが1である場合には、代表走査点SP(k)と、その後に発光する代表走査点SP(kafter)の時間差は最小投光間隔Lminより小さいため、代表走査点を再選択する処理を行う。この処理を行うにあたり、引数k1に走査点番号kを代入し、引数k2に走査点番号kafterを代入し(S515)、代表走査点の再選択関数に渡す。代表走査点の再選択が終了すると、次に代表走査点の再選択が成功したか否かを判定する(S517)。ここで、代表走査点の再選択に失敗したと判定されると、優先順位nの走査点SP(k)の変更に失敗したとして計算を終了する(S514)。一方、代表走査点の再選択に成功したと判定されると、優先順位nの代表走査点の変更処理を終了する(S510)。
【0056】
次に、上述した代表走査点の再選択関数(図5のステップS512及びステップS516の処理)について説明する。走査点の再選択とは、代表走査点SP(k1)の投光タイミングと代表走査点SP(k2)の投光タイミングの時間差がLmin未満であるとき、投光タイミングの時間差をLmin以上とすることが可能な別の候補走査点を選択する処理のことである。その具体的な処理を、図6,7の代表走査点の再選択処理のフローチャートに示す。
【0057】
この再選択処理では、まず、代表走査点SP(k1)を別の候補走査点に変更して、時間差を最小投光間隔Lmin以上とできるか否かを調べる(S601)。次に、代表走査点SP(k2)を別の候補走査点に変更して、時間差を最小投光間隔Lmin以上とできるか否かを調べる(S602)。
【0058】
ステップS601,ステップS602の処理は、モジュール化された関数であり、引数kを受け取り、図7に示される処理を行う。この別の候補走査点の選択処理では、代表走査点SP(k)の候補走査点から、投光時間差が最小投光間隔Lminより大きく、且つ、目標投光位置に最も近い最適な候補走査点P(m,k)を選択する。
【0059】
この処理では、まず、変数mに0を設定し(S701)、候補走査点P(m,k)を走査線が通過する通過時刻t(m,k)と、現在設定されている代表走査点SP(k)の優先順位nより優先順位の小さい各代表走査点の通過時刻の時間差をそれぞれ求める(S702)。そして、時間差がすべて最小投光間隔Lmin以上となっているか否かを判定する(S703)。全ての時間差が最小投光間隔Lmin以上であると判定された場合には、ステップS704に進み、いずれかの時間差が最小投光間隔Lmin未満であると判定された場合には、ステップS706,S707に進む。
【0060】
ステップS704では、その候補走査点P(m,k)が最適であるとして、この候補走査点P(m,k)を記憶して、最適な候補走査点の選択処理を終了する(S705)。
【0061】
ステップS707では、変数mをインクリメントし、再度、ステップS702以降の処理を行う。なお、ステップS706では、mがM(k)−1より大きいか否か、すなわち全ての候補走査点について選択処理が行われたか否かが判定され、大きい場合には、選択すべき候補走査点はないため、最適な候補走査点の選択処理は失敗と判断し、処理を終了する(S708)。
【0062】
次に、最適な候補走査点の選択後、ステップS603において、代表走査点SP(k1)と代表走査点SP(k2)の両方について、最適な候補走査点が選択されたか否かが判定される。両方で選択されたと判定された場合にはステップS604に進み、いずれか一方又は両方で選択されないと判定された場合にはステップS609に進む。
【0063】
ステップS604では、それぞれの最適な候補走査点と、各候補走査点に対応する目標投光位置との距離を求める。次に、候補走査点P(m1,k1)と目標投光位置の距離の方が、候補走査点P(m2,k2)と目標投光位置の距離より小さいか否かを判定し(S605)、候補走査点P(m1,k1)の方が距離が小さい場合あるいは距離が等しい場合には、代表走査点SP(k1)の投光タイミングtsp(k1)としてt(m1,k1)を代入して設定し(S606)、処理を終了する。また、候補走査点P(m1,k1)の方が距離が大きい場合には、代表走査点SP(k2)の投光タイミングtsp(k2)としてt(m2,k2)を代入して設定し(S607)、処理を終了する。
【0064】
ステップS609では、最適な候補走査点P(m1,k1)が選択されたか否かを判定し、選択された場合には、代表走査点SP(k1)の投光タイミングtsp(k1)としてt(m1,k1)を代入して設定し(S606)、処理を終了する。
【0065】
また、最適な候補走査点P(m1,k1)が選択されなかった場合には、次に、最適な候補走査点P(m2,k2)が選択されたか否かを判定し、選択された場合には、代表走査点SP(k2)の投光タイミングtsp(k2)としてt(m2,k2)を設定し(S607)、処理を終了する。選択されなかった場合には、代表走査点の再選択処理は失敗したとして、再選択処理を終了する(S611)。
【0066】
本実施形態では、以上に説明した投光タイミング計算プログラムで投光タイミングの計算を行うことにより、各目標投光位置への投光タイミングが、光走査装置の最小投光間隔Lmin以上の時間間隔で設定された投光タイミングデータを得ることができる。また、リサジュ図形の1周期の中で全ての目標投光位置に投光可能な投光タイミングデータを得ることができる。レーザパルスの非線形走査を行う走査装置において、このプログラムで得られた投光タイミングデータを参照してレーザパルスの投光を行うことにより、最小投光間隔Lminを考慮したうえで、走査領域に均等に配置された目標投光位置にレーザパルスを投光することが可能となる。
【0067】
また、この走査装置を、投光されたレーザパルスの反射波を受信し距離を測定するレーダ装置などに適用した場合には、測距位置が走査領域内で等間隔であり、画像データと同じ形式のデータを得ることができるため、得られた情報は一般的な画像データと同等に扱うことができ、様々な画像処理手法を容易に用いることができる。
【0068】
また、侵入者検出に用いる光走査装置にこの投光タイミング計算プログラムを用いた場合には、侵入者判定に必要な時間以内、例えば1秒以内で全ての目標投光位置に対して投光できる投光タイミングデータを計算できる。このため、精度が高く、かつデータ処理が容易に侵入者検出が行える。なお、例示した侵入者判定に必要な時間は、監視範囲が狭くなればその領域を侵入者が横切るのにかかる時間も短くなるため、監視範囲の広さによって当然変わるものである。
【0069】
[2]「投光タイミングの計算の変形例」
以上の実施例では、リサジュ図形の1周期で所望の目標投光位置に対して投光するための投光タイミングデータを求めた。このような投光タイミングデータを侵入者を検出する装置に用いた場合、以下のような問題が生じる場合がある。
【0070】
例えば、リサジュ図形の4分の1周期の間に投光される投光位置は、図9のようにまばらとなり、走査領域A1内で偏りが生じる。したがって、この投光タイミングデータを侵入者を検出する場合に用いた場合には、4分の1周期のうちに移動物体が通過した範囲A3に投光されないと、移動物体は検出されないこととなってしまう。そこでこのような問題を回避するために、リサジュ図形の周期を短くし、複数の周期を用いて所望の目標投光位置に対して投光するための投光タイミングデータを求める方法について、図8を参照して説明する。
【0071】
例えば、所望の目標投光位置が図8(a)に示すように、x軸方向に64点、y軸方向に64点であるとする。この場合、図8(b)〜(e)に示すように、実際の目標投光位置を抜き出した点を、仮の目標投光位置として設定する。この4つの仮の目標投光位置は、互いに位置をずらして設定されており、x軸方向に32点、y軸方向に32点となる。これらの各仮の目標投光位置について、上述した投光タイミングの計算を行う。そして、図8(b)〜(e)の仮の目標投光位置に対して得られた投光タイミングを、リサジュ図形の1〜4周期目の投光タイミングとし、これらの4周期分の投光タイミングを結合することにより、一つの投光タイミングのデータを生成することができる。
【0072】
このようにして得られた投光タイミングデータによって投光される投光位置は、リサジュ図形の1周期で所望の目標投光位置に投光する投光タイミングデータによって投光される投光位置と同様である。しかし、例えば最初の1周期の間に投光される投光位置は図8(b)のように走査領域内で偏りがない。したがって、この投光タイミングデータを侵入者を検出する装置に用いた場合でも、侵入者を確実に検出できる。したがって、例えば上述したようにリサジュ図形の4つの周期で目標投光位置に投光する場合のリサジュ図形の周期が、リサジュ図形の1周期で目標投光位置に対して投光するときのリサジュ図形の周期の4分の1程度であれば、リサジュ図形の4つの周期で投光タイミングデータを求めるほうが好ましい。
【0073】
また、リサジュ図形の4つの周期で所望の目標投光位置に対して投光するための投光タイミングデータを用いた光走査装置では、リサジュ図形の4つの周期をあわせた投光タイミングデータで投光を行う場合と、リサジュ図形の1つの周期に対する投光タイミングデータで投光を行う場合のいずれかを選択するための切替スイッチを設ければ、状況によって、使用する投光タイミングデータを選択して、好適に物体を検出することができる。例えば、比較的長い時間を要しても細かな走査を行いたい場合は、リサジュ図形の4つの周期をあわせた投光タイミングデータで投光を行い、また、比較的走査は粗くても短い時間で走査を行いたい場合には、リサジュ図形の1つの周期に対する投光タイミングデータで投光を行えばよい。
【0074】
なお、以上はリサジュ図形の4つの周期で投光する例を示したが、リサジュ周期は4つに限らず、2つ以上であれば同様のことが実現可能である。また、リサジュ図形の1周期の中を複数の期間に分割して、各期間において仮の投光位置に投光することも可能である。例えば、リサジュ図形の1つの周期を4つの期間に分割し、各期間においてそれぞれ図8(b)〜(e)に示される目標投光位置について投光タイミングを計算すれば良い。このようにしても上述した計算と同様な投光タイミングデータを得ることができる。
【0075】
なお、以上の投光タイミングデータの計算においては、目標投光位置は走査領域内に等間隔に配置していたが、本発明においては、目標投光位置は走査領域内に任意に配置しても、投光タイミングデータの計算は可能である。
【0076】
[3]「光走査装置を利用した侵入者検出装置」
次に、上記計算処理により得られた投光タイミングデータを利用した光走査装置及び侵入者検出装置について説明する。
【0077】
図10は、家屋やビルに設置され、犯罪者などの侵入を防止する侵入者検出装置の概略を示す全体構成図である。本装置は撮像部22、レーザ測距部24、侵入検知処理部26、出力部28、制御部30を含んで構成される。
【0078】
撮像部22は、例えばCCDイメージセンサ及びこれに光学像を結像するレンズ等の光学系を用いて、監視対象領域の光学画像を撮影し、画像情報を出力する。画像情報は侵入検知処理部26にて侵入者検知のために利用される他、制御部30にて撮像部22の制御のために利用される。
【0079】
レーザ測距部24は、レーザパルスを出射する光源32、二次元共振型ガルバノミラーで構成された走査機構34、走査機構34を駆動するための走査駆動部36、反射したレーザパルスを受光する受光部38、対象物までの距離を計測する測距部40を含んで構成される。走査駆動部36は、制御部30から走査開始指令が入力されると、走査機構34が有するミラーの姿勢を制御し、レーザパルスが投光される方向を走査する。測距部40は、制御部30から走査開始指令が入力されると、光源32に投光タイミングデータに従ってレーザパルスを走査機構34に向けて出射させる。受光部38は、監視領域に存在する物体によって反射されたレーザパルスを受光し検知して測距部40へ通知する。そして、測距部40は、レーザパルスの出射タイミングと反射光の受光タイミングとの時間差等に基づいて、レーザ光を反射した対象物までの距離を計測する。測距部40は、この距離情報を侵入検知処理部26に出力する。
【0080】
侵入検知処理部26は、光学画像の変化領域の形状や大きさ、差分画像を算出し、その差分画像に対応する時刻における距離差分値と前記差分画像との相関を利用して、監視領域に検知された変化の原因の「人らしさ」を判定し、監視領域内に侵入者が出現したか否かを判定する。
【0081】
次に、上記侵入者検出装置において利用している光走査装置について説明する。図11は、上記侵入者検出装置から抽出された光走査装置の構成図である。本実施形態では、この光走査装置を、距離を測定するために使用しているが、光走査装置の用途はこれに限らず、走査が必要な様々な装置に適用可能である。
【0082】
この光走査装置は、大別して、レーザパルスを走査するための構成34,36と、レーザパルスを投光するための構成32,40と、これらを制御するための制御部30とで構成されている。このうち、レーザパルスを走査するための構成は、走査機構であるガルバノミラー34と、ガルバノミラー34の偏向角度をx軸,y軸について変化させる2つのガルバノミラー駆動回路42,46と、ガルバノミラー34の共振周波数近傍の周波数の発振信号を出力する2つの発振器44,48とを含み構成されている。また、レーザパルスを投光するための構成は、レーザパルスを出射する光源32と、光源32に信号を出力して発光させる光源駆動部50と、光源32がレーザパルスを出射する投光タイミングデータを記憶した投光タイミング記憶回路(メモリ)52と、を含み構成されている。
【0083】
本実施形態では、ガルバノミラー34として、x軸、y軸を回転軸として揺動可能な全反射ミラー60がシリコン基板62上に配置されたジンバル構造をもつ電磁駆動小型スキャナーを用いている。このスキャナーでは、シリコン基板62からy軸方向に延びる2本のトーションバー64で中間可動板66が接続され、中間可動板66からx軸方向に延びる2本のトーションバー68で可動板70が接続されている。中間可動板66と、可動板70の上面周縁部には、トーションバー64,68を介して外部に接続したコイル(不図示)が配置されている。中間可動板66上に形成されたコイルに通電すると、発生する磁界が磁石(不図示)の磁界と作用し、中間可動板66が可動板とともにトーションバー64を回転軸として回動する。また、可動板70上に形成されたコイルに通電すると、可動板70がトーションバー68を回転軸として回動する。 このようにガルバノミラーは2軸を回転軸として揺動可能であるため、光源32で発生するレーザパルスは二次元的に走査される。なお、本実施形態では、一つの基板62上に形成された2方向のトーションバー64,68を回転軸として揺動可能なガルバノミラー34を用いているが、別の実施形態では、1軸について回動を行うガルバノミラーを2つ使用することで、二次元的に走査可能なガルバノミラーを構成してもよい。
【0084】
走査駆動部36のx軸用の発振器44は、共振周波数近傍の周波数の発振信号をガルバノミラー駆動回路42に出力する。ガルバノミラー駆動回路42は、この発振信号を増幅し、ガルバノミラー34の可動板70上に形成されたコイルに通電する。y軸用の発振器48も同様に、共振周波数近傍の周波数の発振信号をガルバノミラー駆動回路46に出力し、ガルバノミラー駆動回路46は、この発振信号を増幅し、ガルバノミラー34の中間可動板66上に形成されたコイルに通電する。このように各軸を所定の周波数で振動させることにより、レーザパルスはリサジュ図形上を走査され、特に共振周波数近傍の周波数の交流電流を通電することにより、トーションバー64,68のねじりは大きくなり、ガルバノミラー34の偏向角を大きくすることができる。なお、このガルバノミラー34による走査の一周期は、2つの共振周波数の逆数の最小公倍数となる。
【0085】
光源駆動部50は、光源32の投光を制御する投光制御回路56と、一定周期のクロック信号を発生し出力するクロック回路58と、このクロック信号が入力されるとカウンタ値を減数するカウンタ回路54とで構成されている。投光制御回路56は、投光タイミング記憶回路52と接続しており、投光タイミングデータを読み出し可能となっている。この投光タイミング記憶回路52には、投光タイミングデータが記憶されている。
【0086】
光源駆動部50が行う処理を図12のフローチャートを参照して説明する。制御部30は、ガルバノミラー34に走査を開始させるための開始信号を走査駆動部36に出力すると同時に、光源駆動部50の投光制御回路56にも投光を開始させるための開始信号を出力する。投光制御回路56は、この開始信号が入力されると(S801)、送信タイミングを読み出すための投光タイミング記憶回路52のアドレスをリセットし0とする(S802)。そして、投光タイミング記憶回路52のアドレス0に記憶された投光タイミングデータを読み込む(S803)。
【0087】
読み込まれた投光タイミングデータが0であるか否かを判定し(S804)、0である場合には投光を停止する(S805)。これは、ガルバノミラー34の走査が終了したときに投光を停止するための処理である。
【0088】
投光タイミングデータが0でない場合には、この時間間隔である投光タイミングデータをカウンタ回路54にセットし(S806)、カウンタ値の減数処理を開始する(S807)。このカウンタ回路54は、カウンタ値が0となるとカウント終了信号を出力するよう構成されており、減数を開始してから投光タイミングが経過した時点でカウント終了信号を出力する(S808)。投光制御回路56は、カウント終了信号が入力されると、カウントを終了するためのカウンタストップ信号をカウンタ回路54に出力し(S809)、同時に光源32に対して信号を出力し、光源32を点灯させ、レーザパルスを出射させる(S810)。その後、投光制御回路56は、投光タイミング記憶回路52のアドレスをインクリメントし(S811)、ステップS803の処理に戻る。ステップS803からステップS811までの処理が繰り返されることにより、ガルバノミラー34の一走査周期を通じて、光源の発光制御が行われる。
【0089】
上述した本実施形態の侵入者検出装置では、光走査装置がリサジュ図形上を走査する際に、最小投光間隔を考慮した投光タイミングデータにしたがって等間隔に配置された目標投光位置に投光して検出を行うため、走査領域内の場所ごとに投光位置の偏りが生じず、侵入検知ロジックに悪影響を及ぼすことを防止できる。従来の投光タイミングを一定周期とした投光方法では、投光位置が不等間隔となるため、一般的な画像処理手法を用いることができなかった。これに対して、本実施形態では、等間隔に投光することができるため、そのような問題が生じることもない。
【0090】
また、光走査装置として二次元共振型のガルバノミラーを用いたことにより、レーザパルスを走査するための機械的機構を簡略化することができ、よって侵入者検出装置を小型化することができる。このため、侵入者検出装置があることを侵入者に気付かれる可能性が低く、侵入者に侵入者検出装置の監視領域を回避して侵入されることを防止することができる。また、装置が小型であるため、様々な場所に侵入者検出装置を設置でき、その設置の作業も容易となる。
【0091】
また、二次元共振型ガルバノミラーは、偏向角度が大きいため監視領域を広く設定でき、また、走査速度が速いため侵入者が監視領域内を走り抜けるのに要する時間よりも短時間で監視領域内の距離測定を完了することができる。このように、二次元共振型ガルバノミラーを用いることにより、侵入者検出装置の監視能力を向上させることができる。
【0092】
また、機械的機構が簡略化されることにより、装置の価格を低減させることができる。さらに、装置の摩耗等もないため、侵入者検出装置の寿命を長くすることができ、安定して侵入者の検出を行うことができる。これは、侵入者検出装置の使用年数がある程度経過した場合に重要なことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】投光タイミングの計算を行う計算装置の概略構成図である。
【図2】投光タイミング計算プログラムで用いられる概念を説明するための説明図である。
【図3】投光タイミング計算プログラムで用いられる概念を説明するための説明図である。
【図4】投光タイミング計算プログラムの処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】代表走査点の変更処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】代表走査点の再選択処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】最適な候補走査点を選択するためのフローチャートである。
【図8】投光タイミングの計算の変形例を説明するための説明図である。
【図9】投光タイミングの計算の変形例を説明するための説明図である。
【図10】投光タイミングデータを用いた侵入者検出装置の概略構成を示す説明図である。
【図11】侵入者検知装置から抽出された光走査装置の概略構成を示す説明図である。
【図12】投光制御回路の処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】走査線が描くリサジュ図形を示す説明図である。
【図14】二次元共振型ガルバノミラーに一定周期でレーザパルスを当て走査した場合の走査領域の投光位置を示す説明図である。
【符号の説明】
10 計算装置、12 入力装置、14 演算処理装置(CPU)、16 記憶装置、18 外部記憶装置、20 光走査装置、22 撮像部、24 レーザ測距部、26 侵入検知処理部、28 出力部、30 制御部、32 光源、34 ガルバノミラー、36 走査駆動部、38 受光部、40 測距部、42 x軸用のガルバノミラー駆動回路、44 x軸用の発振器、46 y軸用のガルバノミラー駆動回路、48 y軸用の発振器、50 光源駆動部、52 投光タイミング記憶回路、54 カウンタ回路、56 投光制御回路、58 クロック回路。
Claims (5)
- 走査領域内にある複数の目標投光位置の近傍に投光するために、二次元的に非線形走査する光走査装置により用いられる投光タイミングデータを算出する投光タイミング算出プログラムであって、
前記各目標投光位置の近傍にある走査線上の候補走査点を取得する基礎データ取得工程と、
各目標投光位置について、前記候補走査点を代表走査点として選択し、前記走査線が各代表走査点を通過するタイミングを、各目標投光位置に対する投光タイミングとする投光タイミング設定工程と、
前記目標投光位置に対する投光タイミングと、この投光タイミングに時間的に隣接する他の目標投光位置に対する投光タイミングとの時間差が、前記光走査装置の最小投光間隔より小さい場合に、前記代表走査点を他の候補走査点に変更し、前記走査線が前記変更後の代表走査点を通過するタイミングを目標投光位置に対する投光タイミングとする投光タイミング変更工程と、
を含む投光タイミング算出プログラム。 - 請求項1に記載の投光タイミング算出プログラムであって、
前記基礎データ取得工程では、前記光走査装置により形成される所定周期の走査線上の候補走査点を取得することを特徴とする投光タイミング算出プログラム。 - 請求項2に記載の投光タイミング算出プログラムであって、
前記走査線は、侵入者判定に必要な時間以内である周期にて形成されるリサジュ図形であることを特徴とする投光タイミング算出プログラム。 - パルス光を二次元的に非線形走査する光走査装置であって、
最小投光間隔以上の時間間隔で前記パルス光を投光可能な投光手段と、
パルス光が投光される方向を非線形に走査する走査手段と、
走査領域内にある複数の目標投光位置の夫々について、目標投光位置の近傍にある走査線上の候補走査点を取得して代表走査点を選択し、該代表走査点を走査線が通過するタイミングを投光タイミングとし、時間的に隣接する投光タイミングの時間差が光走査装置の最小投光間隔より小さい場合に代表走査点を他の候補走査点に変更して、走査線が変更後の代表走査点を通過するタイミングを投光タイミングとして変更し、全ての投光タイミングについて、時間的に隣接する投光タイミングの時間差が最小投光間隔以上となる投光タイミングデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された投光タイミングデータに応じて前記投光手段の投光を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする光走査装置。 - パルス光を所定周期にてリサジュ図形を形成するように非線形走査する光走査装置を用い、監視領域内に均等に分布した目標投光位置の近傍の走査点を走査線が通過するタイミングにてパルス光を投光する侵入者検出装置であって、
最小投光間隔以上の時間間隔で前記パルス光を投光可能な投光手段と、
前記パルス光が投光される方向を非線形に走査する走査手段と、
時間的に隣接する走査点に対する投光タイミングの時間差が前記光走査装置の最小投光間隔以上であり、前記所定周期内であって侵入者判定に必要な時間以内に全ての目標投光位置に対する投光を完了する投光タイミングデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された投光タイミングに応じて前記投光手段の投光を制御する制御手段と、
走査領域中の物体による反射光を受光する受光手段と、
受光データにより侵入者を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする侵入者検出装置。
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