JP2019074329A - 測距装置及び光走査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】交差する軌跡を描くような走査方式を有し、対象領域内で効率的な光走査を行うことが可能な光走査装置及び効率的な測距動作を行うことが可能な測距装置を提供する。【解決手段】投射した光が対象物で反射した反射光を受光して対象物までの距離を測定する測距装置であって、パルス光を出射する光源部と、パルス光が照射される所定の領域内の仮想の面に対して、パルス光による走査の軌跡が第1の方向に沿った複数の第1の軌跡線及び第1の方向とは異なる第2の方向に沿ってかつ複数の第1の軌跡線と交差する複数の第2の軌跡線を含む走査態様が可能な光走査部と、を有し、光走査部が複数の第1の軌跡線に沿って光走査を行う期間では対象物までの距離を測定し、光走査部が複数の第2の軌跡線に沿って光走査を行う期間では対象物までの距離を測定しない。【選択図】図5A
Description
本発明は、光走査を行う光走査装置、及び光学的な測距を行う測距装置に関する。
例えば、測距装置は、光を対象領域内の物体に照射(投射)し、当該物体によって反射された光を検出することで、当該物体までの距離を計測するように構成されている。また、例えば、光スキャナによって当該対象領域の光走査を行うことで、2次元的又は3次元的に測距を行う測距装置が知られている。
光走査型の測距装置には、例えば、光走査装置として、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーが搭載されている。例えば、当該MEMS装置には光反射面が設けられ、当該光反射面は2次元的に揺動(振動)する。この光反射面に光を照射することで、当該光反射面によって反射された光によって、対象領域を走査することができる。例えば、特許文献1には、光反射面を有する可動部が揺動することで光反射面に入射される光を対象領域内でリサージュ走査できる光走査部を有する光測距装置が開示されている。
光走査型の測距装置においては、走査軌道内の複数の点の各々を測距点とし、当該測距点の各々について測距動作が行われる。ここで、例えばリサージュ曲線に沿った軌道で走査を行う場合、その走査軌跡は交差することとなる。
この場合、1つの走査周期(測距周期)内において、同一の測距点に対して複数回の測距動作を行う場合が想定される。従って、例えば、当該同一の測距点に対して1回目の測距時に正確な測距結果を得られた場合、2回目の測距動作は冗長となる場合がある。換言すれば、交差する軌道に従った走査方式を用いた測距装置においては、測距の対象となる領域に対して冗長な測距動作(無駄な測距動作)を行う場合が想定される。
また、例えば、リサージュ曲線に沿った走査を行う光走査装置の走査軌道は、ラスタースキャンを採用する光走査装置の走査軌道に比べて複雑なものとなる。従って、例えばリサージュ曲線に沿って設けられる測距点の各々は、測距対象の領域内において複雑に配置されることとなる。従って、測距データを利用しにくいという課題が1例として挙げられる。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、交差する軌跡を描くような走査態様を有し、対象領域内で効率的な光走査を行うことが可能な光走査装置及び効率的な測距動作を行うことが可能な測距装置を提供することを課題の1つとしている。
請求項1に記載の発明は、投射した光が対象物で反射した反射光を受光して対象物までの距離を測定する測距装置であって、パルス光を出射する光源部と、パルス光が照射される所定の領域内の仮想の面に対して、パルス光による走査の軌跡が第1の方向に沿った複数の第1の軌跡線及び第1の方向とは異なる第2の方向に沿ってかつ複数の第1の軌跡線と交差する複数の第2の軌跡線を含む走査態様が可能な光走査部と、を有し、光走査部が複数の第1の軌跡線に沿って光走査を行う期間では対象物までの距離を測定し、光走査部が複数の第2の軌跡線に沿って光走査を行う期間では対象物までの距離を測定しないことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、パルス光を出射する光源部と、パルス光を反射させる光反射面を有するスキャナと、スキャナを駆動してパルス光の反射方向を連続的に変化させる駆動回路と、を有する光走査装置であって、駆動回路は、1の走査周期内において、スキャナによるパルス光の反射方向が第1の方向に変化する第1の期間及び第1の方向と交差する第2の方向に変化する第2の期間をそれぞれ複数有するようにスキャナを駆動し、光源部は、第1の期間及び第2の期間のいずれか一方においては、パルス光を出射しないことを特徴とする。
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。
図1は、実施例1に係る測距装置10のブロック図である。測距装置10は、光学的に対象物までの距離を計測する光測距装置である。図1を用いて、測距装置10の全体構成について説明する。
まず、本実施例においては、測距装置10は、光源11A及び光源11Aを駆動する光源駆動回路11Bを含む光源部11を有する。光源11Aは、パルス化されたレーザ光(以下、パルス光と称する)を生成及び出射する。光源駆動回路11Bは、光源11Aがパルス光を出射するための駆動信号を生成し、光源11Aに印加する。
測距装置10は、光源部11の光源11Aから出射されたパルス光を用いて測距の対象となる領域(以下、有効走査領域と称する)を含む領域(以下、走査対象領域と称する)を走査する光走査部12を有する。本実施例においては、光走査部12は、当該パルス光を用いて走査対象領域の光走査を実行するスキャナ(光走査手段)12Aと、スキャナ12Aを駆動するスキャナ駆動回路12Bと、を含む。スキャナ駆動回路12Bは、スキャナ12Aを駆動する駆動信号を生成し、スキャナ12Aに印加する。
測距装置10は、光走査部12のスキャナ12Aの動作によって得られた光を受光して有効走査領域内に存在する対象物までの距離を測定する測距部13を有する。本実施例においては、測距部13は、パルス光が当該対象物によって反射された光(以下、反射光と称する)を受光して検出する受光部13Aと、受光部13Aが受光した反射光に基づいて測距装置10と当該対象物との間の距離を計測する計測部13Bとを有する。
本実施例においては、測距部13の計測部13Bは、測距結果(対象物との間の距離)を示す測距データを生成する。また、例えば、測距部13は、光走査部12による走査周期毎に1つの測距データを生成する。なお、走査周期とは、例えば、走査対象領域に対する走査を繰り返す場合において、任意の時点の走査対象位置を走査してから、再度当該走査対象位置に戻るまでの期間をいう。
また、測距装置10は、測距部13による測距結果に対して種々の処理を行う情報処理部14を有する。本実施例においては、情報処理部14は、測距部13によって生成された測距データを2次元又は3次元のマップとして画像化する画像データを生成する画像生成部14Aと、当該画像データを表示する表示部14Bを有する。
本実施例においては、画像生成部14Aは、光走査部12の走査周期毎に測距部13が生成した測距データの各々を画像データに変換する。表示部14Bは、これら複数の画像データを時系列に沿って動画として表示する。
測距装置10は、光源部11、光走査部12、測距部13及び情報処理部14の動作制御を行う制御部15を有する。本実施例においては、制御部15は、光走査部13から光走査部13の走査状況を示す情報(走査状況情報)を取得して、光走査部13の実際の走査軌道を判定(推定)する実走査軌道判定部15Aと、当該走査状況情報に基づいて光源部11の動作制御を行う光源制御部15Bと、を有する。
図2Aは、光走査部12のスキャナ12Aの模式的な上面図である。図2Bは、スキャナ12Aの断面図である。図2Bは、図2AのV−V線に沿った断面図である。図2A及び図2Bを用いて、スキャナ12Aの構成例について説明する。
本実施例においては、スキャナ12Aは、光(電磁波)を反射させる光反射面24Aを有する光反射膜(ミラー)24を含み、この光反射膜24が揺動するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーである。また、本実施例においては、スキャナ12Aは、電磁気的に光反射膜24を揺動させるように構成されている。
より具体的には、スキャナ12Aは、固定部(ベース部)21、可動部(揺動部)22、駆動力生成部23及び光反射膜24を有する。また、本実施例においては、スキャナ12Aは、互いに直交する2つの揺動軸(第1及び第2の揺動軸)AX及びAYを中心に光反射膜24が揺動するように構成されている。
本実施例においては、固定部21は、固定基板B1及び固定基板B1上に形成された環状の固定枠B2を含む。可動部22は、各々の一端が固定枠B2の内側に固定された一対のトーションバー(第1のトーションバー)TXを含む。一対のトーションバーTXの各々は、少なくとも周方向の弾性を有する棒状の弾性部材からなり、揺動軸AXに沿って整列している。また、可動部22は、外周部側面が一対のトーションバーTXの各々の他端に接続された環状の揺動枠(可動枠)SXを有する。
また、可動部22は、各々の一端が可動枠SXの内周部側面に接続され、一対のトーションバーTXに直交する方向(揺動軸AYに沿った方向)に整列した一対のトーションバー(第2のトーションバー)TYと、外周部側面が一対のトーションバーTYの各々の他端に接続された揺動板(可動板)SYと、を有する。一対のトーションバーTYの各々は、少なくとも周方向の弾性を有する棒状の弾性部材からなる。
本実施例においては、揺動枠SXは揺動軸AXを中心に(揺動中心として)揺動し、揺動板SYは揺動軸AX及びAYを中心に揺動する。また、揺動板SY上には光反射膜24が形成されている。従って、光反射膜24の光反射面24Aは、揺動板SYと共に、互いに直交する揺動軸AX及びAYを中心に揺動する。
駆動力生成部23は、固定基板B1上に配置された永久磁石MGと、揺動枠SX上において揺動枠SXの外周に沿って引き回された金属配線(第1のコイル)CXと、揺動板SY上において揺動板SYの外周に沿って引き回された金属配線(第2のコイル)CYとを含む。
本実施例においては、永久磁石MGは、固定基板B1上における固定枠B2の外側領域に設けられた複数の磁石片からなる。本実施例においては、4つの磁石片が、それぞれ、揺動軸AX及びAYの各々に沿って一対のトーションバーTX及びTYの外側に配置されている。
また、揺動軸AXに沿った方向において互いに対向する2つの磁石片は、互いに反対の極性を示す部分が対向するように配置されている。同様に、揺動軸AYに沿った方向において互いに対向する2つの磁石片は、互いに反対の極性を示す部分が対向するように配置されている。
本実施例においては、金属配線CXに電流が流れると、金属配線CXに生じた電界と、揺動軸AYに沿った方向に並んだ永久磁石MGの2つの磁石片によって生じた磁界との相互作用により、一対のトーションバーTXが周方向にねじれ、揺動枠SXが揺動軸AXを中心に揺動する。同様に、金属配線CYに流れた電流による電界と揺動枠AXに沿った方向に並んだ永久磁石MGの2つの磁石片による磁界とによって一対のトーションバーTYがねじれ、揺動板SYが揺動軸AYを中心に揺動する。
金属配線CX及びCYは、スキャナ駆動回路12Bに接続されている。スキャナ駆動回路12Bは、金属配線CX及びCYに電流(駆動信号)を供給する。駆動力生成部23は、当該駆動信号の印加によって、可動部22及び光反射膜24を揺動させる電磁気力を生成する。
なお、本実施例においては、光反射膜24は、円板形状を有する。また、光反射膜24の中心軸CAは、揺動軸AX及びAYに直交する位置に設けられている。なお、光反射膜24、揺動枠SX及び揺動板SYは同軸をなすように構成及び配置されている。可動部22及び光反射膜24は、光反射膜24の中心軸CAに関して回転対称に配置されている。
図2Bに示すように、本実施例においては、固定部21の固定基板B1は、凹部を有する。また、固定枠B2は、固定基板B1の当該凹部に可動部22を懸架するように固定基板B1に固定されている。また、固定枠B2及び可動部22(揺動枠SX、揺動板SY並びにトーションバーTX及びTY)は、例えば半導体基板を加工することで形成された当該半導体基板の部分である。
光反射膜24は、揺動板SYと共に、固定基板B1の凹部に揺動可能に懸架(支持)されている。また、永久磁石MGは、固定基板B1上における凹部の外側に形成されている。また、本実施例においては、トーションバーTX及びTYがねじれることで、固定枠B2の内側において、トーションバーTX及びTYを挟んだ可動部22の両端部が固定基板B1の凹部に向かう方向及び離れる方向に揺動する。また、光反射膜24は、中心軸CA上の1点を揺動中心とし、固定枠B2に対して傾斜するように揺動する。
次に、図3A及び図3Bを用いて、測距装置10の動作について説明する。図3A及び図3Bは、光源11A及びスキャナ12Aの模式的な配置例を示す図である。図3Aは、光源11Aから出射されたパルス光L1が対象物OBに照射される際のパルス光L1の進路を模式的に示す図である。また、図3Bは、対象物OBから反射された反射光L3が測距部13の受光部13Aに受光される際の反射光L3の進路を模式的に示す図である。
まず、図3Aに示すように、光源11Aは、パルス光L1を生成し、スキャナ12Aの光反射膜24(光反射面24A)に向けて出射する。本実施例においては、光源11Aとスキャナ12Aとの間のパルス光L1の光路上には、ビームスプリッタBSが設けられている。パルス光L1の出射時においては、パルス光L1はビームスプリッタBSを透過し、スキャナ12Aに向けて進む。
なお、光源11Aは、光源駆動回路11Bから供給される駆動信号(光源駆動信号)DLに基づいてパルス光L1を生成及び出射する。具体的には、光源11Aは、駆動信号DLに基づいたタイミングで、パルス光L1としてのレーザパルスを出射する。
スキャナ12Aの光反射膜24は、パルス光L1を反射させて走査光(測距光)L2を生成し、走査光L2を走査対象となる領域である走査対象領域R0に向けて出射する。走査対象領域R0の走査光L2の光路上に対象物OB(パルス光L1を反射する性質を持った物体又は流体)が存在する場合、走査光L2が対象物OBに照射される。
また、スキャナ12Aは、光反射膜24(光反射面24A)が揺動することで、パルス光L1の反射方向を変化させる。より具体的には、スキャナ駆動回路12Bは、光反射膜24がそれぞれ揺動軸AX及びAYを中心として揺動するための駆動信号(第1及び第2のスキャナ駆動信号)DX及びDYを生成する。本実施例においては、駆動信号DX及びDYは、それぞれスキャナ12Aの金属配線CX及びCYに供給される。これによって光反射膜24が揺動し、パルス光L1の反射方向、すなわち走査光L2の出射方向が変化する。
なお、走査対象領域R0は、光反射膜24の揺動軸AX及びAYを中心とした揺動可能範囲(走査光L2の方向の可変範囲)に対応する幅及び高さを有し、走査光L2の到達可能距離に対応する奥行を有する仮想の3次元空間である。図3Aにおいては、走査対象領域R0を破線で囲まれた空間として例示した。
次に、図3Bに示すように、本実施例においては、対象物OBによって反射された走査光L2である反射光L3は、光反射膜24(光反射面24A)に戻る。そして、反射光L3は、光反射面24Aによって反射され、ビームスプリッタBSによって分離された後、測距部13の受光部13Aによって受光される(検出される)。例えば、受光部13Aは、反射光L3の強度に基づいた電気信号(受光信号)を生成する。
測距部13の計測部13Bは、受光部13Aが受光した反射光L3に基づいて、例えば受光部13Aと対象物OBとの間の距離を計測する。例えば、計測部13Bは、タイムオブフライト法を用いて、対象物OBの測距を行う。このようにして、測距装置10は、所定領域内の対象物に対して測距動作を行う。
なお、以下においては、説明上、走査対象領域R0内におけるスキャナ30から所定の距離だけ離れた仮想の面を走査対象面R1と称する場合がある。また、本実施例においては、測距装置10における測距の対象となる領域である有効走査領域は、走査対象領域R0(走査対象面R1)の外縁部分を除いた領域(空間)である。図3Aには、走査対象面R1の外縁を除いた内側の領域(有効走査面)R2として例示した。従って、有効走査面R2に向けて出射される走査光L2が測距に用いられることとなる。なお、走査対象面R1及び有効走査面R2は、現実に存在するものではなく、走査光L2の出射方向上に存在すると仮定した場合の走査光L2の仮想の被照射面である。
情報処理部14の画像生成部14Aは、有効走査領域(有効走査面R2)内に向けて出射された走査光L2(パルス光L1)の各々についての測距データを取得し、これらの測距データを画素データとした画像データを生成する。
図4は、スキャナ駆動回路12Bが生成する駆動信号DX及びDYと、これに基づいたスキャナ12Aの揺動状態の変化及び走査光L2の走査軌道と、の関係を模式的に示す図である。図4を用いて、スキャナ12Aの動作態様及び走査光L2による走査対象領域R0の走査態様について説明する。
まず、スキャナ駆動回路12Bが生成する駆動信号(第1の駆動信号)DXは、A1及びB1を定数とし、θ1を変数としたとき、DX(θ1)=A1sin(θ1+B1)の式で示される正弦波の信号である。また、駆動信号(第2の駆動信号)DYは、A2及びB2を定数とし、θ2を変数としたとき、DY(θ2)=A2sin(θ2+B2)の式で示される正弦波の信号である。
また、変数θ1は、駆動信号DXが、スキャナ12AのトーションバーTX、揺動枠SX、トーションバーTY及び揺動板SYの共振周波数に対応する周波数の正弦波となるように設定される。また、変数θ2は、駆動信号DYが、スキャナ12AのトーションバーTY及び揺動板SYの共振周波数に対応する周波数の正弦波となるように設定される。
従って、光反射膜24(揺動板SY)は、駆動信号DXによって揺動軸AXを中心に共振し、かつ駆動信号DYによって揺動軸AYを中心に共振する。従って、スキャナ12Aの光反射膜24に反射されたパルス光L1である走査光L2は、光反射膜24の揺動角度位置に応じて出射方向(光軸方向)を変化させつつ走査対象領域R0に出射される。従って、例えば、走査対象領域R0の走査対象面R1を見たとき、走査光L2のスポット位置の軌跡TR(L2)は、リサージュ曲線を描くような軌跡とすることができる。
換言すれば、本実施例においては、スキャナ12A(光走査部12)は、パルス光L1を反射させかつ互いに直交する第1及び第2の揺動軸AX及びAYを中心に揺動する光反射面24Aを有し、リサージュ曲線に従った走査軌跡TRに沿って走査対象領域R0を走査することが可能なように構成されている。
次に、図5A及び図5Bを用いて、測距部13が測距する有効走査面R2内の測距点MP、及び制御部15によるパルス光L1の出射制御について説明する。図5Aは、図4の破線で囲まれた有効走査面R2内の一部の領域R21を拡大して示す図である。
まず、図5Aを用いて、有効走査面R2内におけるスキャナ12Aが走査可能な走査軌道、すなわち走査光L2の軌跡TRについて説明する。有効走査面R2内においては、1の走査周期内においてパルス光L1を出射し続けた場合の走査光L2の軌跡TRは、第1の方向DR1に沿った複数の第1の軌跡線TR1からなる第1の軌跡線群G1と、第1の方向DR1とは異なる第2の方向DR2に沿った複数の第2の軌跡線TR2からなる第2の軌跡線群G2とからなる。
また、本実施例においては、光源駆動回路11Bは、光源12Aに対し、所定の時間間隔でパルス光L1を出射するような駆動信号DLを光源12Aに供給する。従って、例えば図5Aに示すように、測距部13が測距を行うことが可能なポイントである測距点MPは、パルス光L1の走査軌跡TR上に点在する。なお、図5Aにおいては、第1の軌跡線TR1を実線で示し、第2の軌跡線TR2を破線で示している。
また、本実施例においては、測距点MPは、第1及び第2の軌跡線TR1及びTR2が交差する測距点である交差測距点MP1と、第1及び第2の軌跡線TR1及びTR2が交差しない測距点である非交差測距点MP2とに分類される。換言すれば、光走査部12は、有効走査面R2上において交差する走査軌跡TRをなぞるように、走査対象領域R0に向けて走査光L2を出射するように構成されている。
なお、第1の軌跡線TR1に沿った走査時に交差測距点MP1にパルス光L1を出射可能なタイミングと、第2の軌跡線TR2に沿った走査時に交差測距点MP1にパルス光L1を出射可能なタイミングとでは、スキャナ12Aの揺動角度位置が同一である。また、非交差測距点MP2は、第1の軌跡線TR1上の測距点MPである。
なお、光走査部12は、例えば、第1の軌跡線群G1の複数の第1の軌跡線TR1に沿って光走査を行う場合、第1の方向DR1における一方の方向DR11(図の右下)に向かって光走査を行うか、又は他方の方向DR12(図の左上)に向かって光走査を行う。
次に、図5Bは、制御部15によるパルス光L1の出射制御の態様を示す制御テーブルを示す図である。本実施例においては、制御部15は、光源部11に対し、光走査部12の走査周期内において、その一部のタイミングでパルス光L1を出射させ、他のタイミングでパルス光L1の出射を停止させる制御を行う。
より具体的には、まず、本実施例においては、光走査部12のスキャナ駆動回路12Bは、DX(θ1)=A1sin(θ1+B1)の式で示される駆動信号(第1の駆動信号)DXと、DY(θ2)=A2sin(θ2+B2)の式で示される駆動信号(第2の駆動信号)DYと、を生成する。スキャナ12Aの光反射膜24(光反射面24A)は、駆動信号DXによって揺動軸AXを中心に揺動し、駆動信号DYによって揺動軸AYを中心に揺動するように構成されている。
この場合において、制御部15は、m及びnを整数とし、駆動信号DX及びDYが(2mπ+π/2)<(θ1+B1)<(2mπ+3π/2)でありかつ(2nπ+3π/2)<(θ2+B2)<(2(n+1)π+π/2)の関係を満たす期間TP1、及び、(2mπ+3π/2)<(θ1+B1)<(2(m+1)π+π/2)でありかつ(2mπ+π/2)<(θ2+B2)<(2mπ+3π/2)の関係を満たす期間TP2においてのみ、パルス光L1を出射するように光源部11を制御する。また、本実施例においては、制御部15は、上記関係を満たす期間TP1及びTP2以外の期間ではパルス光L1を出射しないように、光源部11を制御する。
なお、期間TP1は、光走査部12が第1の軌跡線TR1に沿って第1の方向DR1のうちの一方の方向DR11に向かって光走査を行う期間に対応する。また、期間TP2は、光走査部12が第1の軌跡線TR1に沿って第1の方向DR1のうちの他方の方向DR12に向かって光走査を行う期間に対応する。一方、その他の期間TP3としては、光走査部12が第2の軌跡線TR2に沿って光走査を行う期間に対応する。
換言すれば、本実施例においては、制御部15は、第1の軌跡線TR1に沿って光走査部12が走査を行う期間TP1及びTP2ではパルス光L1を出射させ、第2の軌跡線TR2に沿って光走査を行う期間TP3ではパルス光L1の出射を停止させる。従って、図5Aに示すように、光源部11は、第1の軌跡線TR1に沿った走査期間TP1及びTP2でのみパルス光L1を出射する。また、測距部13は、第1の軌跡線TR1に沿った測距点MPのみについての測距を行う。
より詳細には、走査対象領域R0に向けて出射される走査光L2によって走査対象面R1上に軌跡TRを形成可能なタイミングのうち、有効走査面R2内の第1の軌跡線TR1上を走査するタイミング(走査期間TP1及びTP2)にのみ、光源部11がパルス光L1を出射するのである。
測距装置10がこのような測距動作を行うことで、所定領域内(例えば測距対象領域R2内)におけるパルス光L1(走査光L2)の軌跡TRのうち、互いに交差しない軌跡線(例えば第1の軌跡線TR1)上の測距点MPにおいてのみ測距を行うことができる。これによって、全ての測距結果が有用な(所定周期内において必要な)データとなる。これに対し、例えば、軌跡TR上の全ての測距点MPにおいて測距を行う場合、交差測距点MP1に対応する測距データの一部が重複し、重複した(冗長な)データとなる場合がある。換言すれば、交差する軌跡TRを描くような走査方式を有し、対象領域R2内で効率的な測距動作を行うことが可能な測距装置10を提供することができる。
また、本実施例においては、走査光L2が第1の軌跡線TR1に向けてのみ出射されるため、測距点MPの軌跡は、概ね一定の方向(第1の方向DR1)に沿ったものとなる。従って、複雑な走査軌跡を描くリサージュスキャンを用いながら、ラスタースキャンのような比較的単純な軌跡(走査態様)に従った測距結果を得ることができる。従って、測距装置10が取得した測距結果(各測距点の測距情報)は、種々の用途(処理)に容易に利用されることができる。
図6Aは、測距部13の受光部13Aの模式的な平面図である。図6Aは、対象物OBからの反射光L3の光軸LAに沿った方向から受光部13Aを見たときの受光部13Aの受光面RSを示す図である。
本実施例においては、受光部13Aは、基板13S及び基板13S上に形成された光電変換層13Rを含む光検出素子REを有する。例えば、光検出素子REは、半導体層を光電変換層13Rとして有する半導体素子である。例えば、光検出素子REの光電変換層13Rは、受光面RSとして機能する上面を有し、当該受光面RSに反射光L3が入射されることで、反射光L3に応じた光電変換を行う(電気信号を生成する)。
本実施例においては、受光部13Aの受光面RSは、第1の軌跡線TR1が延びる方向である第1の方向DR1に沿った方向を長辺方向とする矩形の形状を有する。具体的には、受光面RSは、長方形の形状を有し、その中心CPが設計上の反射光L3の光路上に配置されている。また、受光面RSの長辺は第1の軌跡線TR1に沿った第1の方向DR1に対応する方向に沿って配置されている。
例えば、図6Aに示すように、受光面RSの長辺方向の長さは、設計上の反射光L3のスポット径の数倍に設定されている。また、受光面RSの短辺方向の長さは、設計上の反射光L3のスポット径程度に設定されている。
本実施例においては、受光部13Aは、第1の軌跡線TR1に沿った方向を長辺方向とする矩形の受光面RSを有する。これによって、受光部13Aは、反射光L3の受光感度の低下を抑制しつつ正確に反射光L3を受光(検出)することができる。
具体的には、一般的に、外部環境や動作時間などによってスキャナ12Aの揺動状態(共振状態)がわずかに変化し、これによって受光部13Aに入射する反射光L3の位置がわずかにズレる場合がある。また、走査対象領域R0内の状況及びその変化によっても、受光部13A上における反射光L3の入射位置はズレる場合がある。従って、受光面RSは、最適な形状及びサイズで形成されていることが好ましい。
特に、本実施例においては、測距装置10は、反射光L3がスキャナ12Aによって反射された後に受光部13Aに受光されるような光路構成を有する。この場合、走査光L2がスキャナ12Aから出射されてから対象物OBに反射されて反射光L3としてスキャナ12Aに戻って来るまでの間に(すなわち走査光L2の往復時間の前後で)、スキャナ12Aの光反射面24Aの揺動状態がわずかに変化(進行)する。
従って、設計上の対象物OBの位置及びこの位置までの走査光L2の往復時間を考慮して受光面RSの中心CPを配置した場合でも、反射光L3の受光面RS上の入射位置(スポット中心)は、実際の対象物OBの位置に応じてズレることとなる。
これに対し、本実施例においては、上記したように、第1の軌跡線TR1に沿った測距点MPでのみ測距を行う。従って、対象物OBが比較的近距離に存在していた場合には受光面RSの中心CPから第1の方向DR1に沿った比較的近い位置で反射光L3が受光され、また対象物OBが比較的遠距離に存在していた場合には中心CPから第1の方向DR1に沿った比較的遠い位置で反射光L3が受光される。
また、測距点MP(光反射面24Aの揺動状態)が第1の方向DR1における一方の方向DR11に向かって変化する場合と、他方の方向DR12に向かって変化する場合との間で、その反射光L3の受光位置は、受光面RSの中心CPに対して対称的にズレることとなる。
従って、本実施例のように、受光部13Aの受光面RSは、第1の方向DR1に対応する方向には反射光L3の受光位置が一定量ズレることを考慮した形状及びサイズを有することが好ましい。
一方、他の方向、例えば第1の方向DR1に垂直な方向については、反射光L3の受光位置は、比較的ズレにくいことが予想される。従って、受光面RSは、例えば第1の方向DR1に垂直な方向については、比較的小さな形状及びサイズを有していても、確実に反射光L3を受光することができる。
従って、例えば略円形状のスポット形状で反射光L3が受光される場合、受光部13Aは、第1の方向DR1に対応する方向においては比較的大きく、他の方向においては比較的小さい受光面RSを有していること、例えば第1の方向DR1に対応する方向に細長い形状を有することが好ましい。例えば、図6Aに示すように、受光部13Aは、第1の方向DR1に沿った方向を長辺方向とする矩形の受光面RSを有することが好ましい。これによって、確実に(高感度で)反射光L3を受光することができる。
図6Bは、実施例1の変形例に係る測距装置10Aにおける受光部13A1の模式的な平面図である。図6Bは、受光部13A1における図6Aと同様の平面図である。測距装置10Aは、測距部10における受光部13Aが受光部13A1に置換された構成を有する。
本変形例においては、受光部13A1は、第1の方向DR1に対応する方向を長軸方向とする長円形(楕円形)の受光面RS1を有する。本実施例においては、受光部13A1は、基板13S及び基板13S上に形成された光電変換層13R1を含む光検出素子RE1を有する。光電変換層13R1の上面は受光面RS1として機能し、この光電変換層13R1の上面は第1の方向DR1を長軸方向(長さ方向)とする長円形を有する。
本変形例においては、受光部13A1が長円形の受光面RS1を有し、受光面RS1は、その長軸方向が走査光L2の軌跡TRにおける第1の軌跡線TR1の第1の方向DR1に対応する方向に沿うように配置されている。このように、受光部13A1が長円形の受光面RS1を有する場合であっても、その長軸方向の配置を第1の方向DR1に対応するように配置することで、受光面RS1への反射光L3の位置ズレに対応しつつ正確に反射光L3を受光することができる。なお、上記した受光部13A及び13A1の構成は一例に過ぎない。
なお、本実施例においては、測距装置10は、上記した第1の軌跡線TR1に沿った走査期間TP1及びTP2ではパルス光L1を出射して測距を行い、他の第2の軌跡線TR2に沿った走査期間TP3ではパルス光L1の出射を停止して測距を行わないように構成されている。しかし、パルス光L1の出射切替態様及びこれによる測距動作の切替態様はこれに限定されない。
例えば、測距装置10の制御部15は、第1の軌跡TR1に沿った走査期間TP1及びTP2ではパルス光L1の出射を停止し、第2の軌跡線TR2に沿った走査期間TP3ではパルス光L1を出射するように光源部11を制御してもよい。
この場合、例えば、制御部15は、上記した式で駆動信号DX及びDYが示される場合、m及びnを整数とし、駆動信号DX及びDYが(2mπ+3π/2)<(θ1+B1)<(2(m+1)π+π/2)でありかつ(2nπ+3π/2)<(θ2+B2)<(2(n+1)π+π/2)の関係を満たす期間(期間TP31)、及び、(2mπ+π/2)<(θ1+B1)<(2mπ+3π/2)でありかつ(2mπ+π/2)<(θ2+B2)<(2mπ+3π/2)の関係を満たす期間(期間TP32)以外の期間では、パルス光L1を出射しないように光源部11を制御すればよい。
また、本実施例においては光走査部12が有効走査面R2(仮想の面)にリサージュ曲を描くようにパルス光L1の出射方向(反射方向)を変化させることが可能な構成を有する場合について説明した。しかし、光走査部12の走査態様はこれに限定されない。光走査部12は、走査対象領域Rの一部の領域内に光源部11からの距離が一定となるような仮想の被照射面を置いたとき、当該被照射面に描かれ得るパルス光L1の軌跡TRが第1の方向DR1に沿った複数の軌跡線TR1と第1の軌跡線TR1に交差する第2の軌跡線TR2を含むような走査態様を有していればよい。
また、本実施例においては、光源部11が制御部15によって所定の期間ではパルス光L1の出射を停止するように構成されている場合について説明した。しかし、測距部13が当該所定の期間では測距を行わないように構成されていてもよい。換言すれば、例えば、パルス光L1が出射されるか否かに関わらず、光走査部12が第1の軌跡線TR1に沿って走査する期間TP1及びTP2では測距を行い、他の期間では測距を行わない(受光しても計測は行わない)ように構成されていればよい。
すなわち、測距装置10は、例えば、光走査部12が第1の軌跡線TR1に沿って光走査を行う期間TP1では対象物OBまでの距離を測定し、光走査部12が第2の軌跡線TR2に沿って光走査を行う期間TP3では対象物OBまでの距離を測定しないように構成されていればよい。
このように、本実施例においては、測距装置10は、投射した光(走査光L2)が対象物OBで反射した反射光L3を受光して、対象物OBまでの距離を測定する測距装置であって、パルス光L1を出射する光源部11と、パルス光L1が照射される所定の領域(走査対象領域R0)内の仮想の面(有効走査面R2又はその一部の領域R21)に対して、パルス光L1による走査の軌跡TRが第1の方向DR1に沿った複数の第1の軌跡線TR1及び第1の方向DR1とは異なる第2の方向DR2に沿ってかつ複数の第1の軌跡線TR1と交差する複数の第2の軌跡線TR2を含む走査態様が可能な光走査部12と、を有する。
また、測距装置10は、光走査部12が当該複数の第1の軌跡線TR1に沿って光走査を行う期間(期間TP1及びTP2)では対象物OBまでの距離を測定し、光走査部12が当該複数の第2の軌跡線TR2に沿って光走査を行う期間(期間TP3)では対象物OBまでの距離を測定しないように構成されている。従って、交差する軌跡TRを描くような走査態様を有し、対象領域R0内で効率的な測距動作を行うことが可能な測距装置10を提供することができる。
また、例えば光源部11、光走査部12、受光部13A及び制御部15は、測距装置10における光走査装置を構成する。当該光走査装置においては、スキャナ駆動回路12Bは、スキャナ12A(光走査手段)を駆動して、パルス光L1の反射方向を連続的に変化させ、1の走査周期内において、パルス光L1の反射方向が第1の方向DR1に変化する第1の期間TP1及びTP2並びに第1の方向DR1と交差する第2の方向DR2に変化する第2の期間TP3をそれぞれ複数有するようにスキャナ12Aを駆動する。
当該光走査装置においても、光源部11が第1の期間TP1及びTP2と第2の期間TP3とのいずれか一方においてはパルス光L1を出射しないことで、交差する軌跡TRを描くような走査態様を有し、対象領域R0内で効率的な光走査を行うことが可能な光走査装置を提供することができる。
図7Aは、実施例2に係る測距装置20の制御部16のブロック図である。測距装置20は、制御部16の構成を除いては、測距装置10と同様の構成を有する。制御部16は、光走査部12のスキャナ12Aの揺動状態(共振状態)を制御するスキャナ制御部16Aを有する。
スキャナ制御部16Aは、光走査部12による走査周期(スキャナ12Aの揺動周期)を決定する走査周期決定部16A1と、スキャナ駆動回路12Bが生成するスキャナ12Aの駆動信号DX及びDYの位相を制御する位相制御部16A2と、を有する。
また、制御部16は、測距部10の制御部15と同様に、スキャナ12Aの実際の走査軌道を判定及び監視する実走査軌道判定部15Aと、スキャナ12Aの走査状態に基づいて光源部11によるパルス光L1の出射制御を行う光源制御部15Bを有する。
また、本実施例においては、制御部16は、スキャナ制御部16Aによるスキャナ12Aの制御状態及び光源制御部15Bによる光源部11の制御状態に基づいて、測距部13による測距動作を制御する測距制御部16Bを有する。
測距制御部16Bは、走査周期決定部16A1によって決定された光走査部12の走査周期及び位相制御部16A2によって制御される駆動信号DX及びDYの位相制御条件に基づいて、測距部13による測距周期を決定する測距周期決定部16B1を有する。
測距周期決定部16B1は、光走査部12の走査周期に対する測距部13の測距周期の割り当てを決定及び変更する。また、測距制御部16Bは、測距周期決定部16B1が決定した測距周期毎に、測距結果を統合した測距データを生成するように測距部13を制御するデータ生成制御部16B2を有する。
図7Bは、制御部16による光走査部12の駆動信号DX及びDYの位相制御例及び測距周期RPの割り当て例を示す図である。本実施例においては、駆動信号DXがDX(θ1)=A1sin(θ1+B1)の式で示され、駆動信号DYがDY(θ2)=A2sin(θ2+B2)の式で示される場合について説明する。なお、図には、各走査周期中におけるパルス光L1(走査光L2)の軌跡TRにおける第1の方向DR1に沿った第1の軌跡線TR1のみを示している。
まず、例えば、制御部16の走査周期決定部16A1は、駆動信号DYの振幅の変化周期又はその整数倍の期間を光走査部12の走査周期として決定する。そして、制御部16の位相制御部16A1は、上記した駆動信号DX及びDYの位相値B1及びB2を当該走査周期毎に変化させる。
具体的には、本実施例においては、位相制御部16A2は、駆動信号DYの位相値B2を固定(ゼロに設定)した上で、当該走査周期毎に、駆動信号DXの位相値B1を2つの値(例えば値+α及び値−α、αは固定値)間で交互に切り替える。
これによって、例えば図7Bに示すように、第1の走査周期F1では、第1の軌跡線TR1(F1)の位置は、位相値B1が+αの場合に対応する位置に設けられる。また、光源部11は、制御部16によって、第1の軌跡線TR1(F1)に沿った走査期間のみでパルス光L1を出射する。また、測距部13は、制御部16によって、第1の軌跡線TR1(F1)上における所定の測距点MP(F1)での距離情報を得る。
一方、第2の走査周期F2では、第1の軌跡線TR1(F2)の位置は、図7Bに示すように、位相値B1が−αの場合に対応する位置、すなわち第1の走査周期F1での第1の軌跡線TR1(F1)とは異なる位置に設けられる。従って、第1の軌跡線TR1(F2)上の測距点MP(F2)は、第1の走査周期F1における測距点MP(F1)とは異なる点に設けられる。測距部13はこの測距点MP(F2)での距離情報を得る。その結果、第1の走査周期F1及び第2の走査周期F2の両方において、第1の方向DR1に沿った第1の軌跡線TR1上の測距点MPの測距情報を得ることができる。
また、本実施例においては、測距制御部16Bの測距周期決定部16B1は、第1及び第2の走査周期F1及びF2の全体を1つの測距周期RPとして決定する。そして、データ生成制御部16B2は、第1の走査周期F1の開始から第2の走査周期F2の終了までの全ての測距結果(距離データ)を1つの測距データとして生成するように、測距部13を制御する。
このように、本実施例においては、実施例1と同様に互いに交差する走査軌跡TRの一方の軌跡線(例えば第1の軌跡線TR1)に沿った走査期間(例えば期間TP1及びTP2)での測距を行う。さらに、本実施例においては、駆動信号DX及びDYの位相を周期的に切り替えることで、第1の軌跡線TR1の位置(スキャナ12Aにおける光反射面24Aの揺動角度位置)を周期的にオフセットする。
換言すれば、制御部16は、測距部13による測距周期RP内における光走査部12の走査期間を複数の走査周期F1及びF2に分け、当該走査周期F1及びF2毎に駆動信号DX及びDYの位相を切替える。従って、1つの測距周期RP内おける測距可能なポイントである測距点MPの個数が増加し、これによって多くの測距点MPで測距を行うことで、高分解能な測距情報を得ることができる。
なお、駆動信号DX及びDYの位相値B1及びB2は、図7Bに示すように、第1の方向DR1に垂直な方向において、第2の走査周期F2における第1の軌跡線TR1(F2)の位置が第1の走査周期F1における第1の軌跡線TR1(F2)の中間に配されるように、設定されていることが好ましい。これによって、1つの測距周期RP内で、全ての第1の軌跡線TR1(F1)及びTR1(F2)が互いに等間隔で配置される。
このように位相制御を行うことで、第1の走査周期F1の第1の軌跡線TR1(F1)の各々から最も離れた位置に第2の走査周期F2の第1の軌跡線TR1(F2)が配置されることとなる。従って、第1の走査周期F1で測距しなかった点(領域)を均等に網羅するように、測距を行うことができる。従って、測距情報の少なくなり得るポイント、例えば第2の軌跡線TR2のみに沿った測距点MPが集中する領域での測距情報を失うことを効率的に抑制し、かつ高分解能な測距情報を得ることができる。
なお、走査周期の決定条件(1つの測距周期RP内の走査周期の個数)、及び切り替える位相の条件については、上記に限定されない。例えば、1つの測距周期RPが3つ以上の走査周期に分けられていてもよい。また、駆動信号DX及びDYの位相は、3つ以上の段階で切替られていてもよい。
上記したように、本実施例においては、制御部16は、1つの測距周期RP内における光走査部12の走査期間を複数の走査周期F1及びF2に分け、当該複数の走査周期F1及びF2毎に光走査部12に印加される駆動信号DX及びDYの位相を切り替えるように光走査部12を制御する。従って、交差する軌跡TRを描くような走査態様を有し、対象領域R0内で効率的な測距動作を行うことが可能な測距装置20を提供することができる。
10、10A、20 測距装置
11 光源部
12 光走査部
13 測距部
13A、13A1 受光部
15、16 制御部
11 光源部
12 光走査部
13 測距部
13A、13A1 受光部
15、16 制御部
Claims (8)
- 投射した光が対象物で反射した反射光を受光して前記対象物までの距離を測定する測距装置であって、
パルス光を出射する光源部と、
前記パルス光が照射される所定の領域内の仮想の面に対して、前記パルス光による走査の軌跡が第1の方向に沿った複数の第1の軌跡線及び前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿ってかつ前記複数の第1の軌跡線と交差する複数の第2の軌跡線を含む走査態様が可能な光走査部と、を有し、
前記光走査部が前記複数の第1の軌跡線に沿って光走査を行う期間では前記対象物までの距離を測定し、
前記光走査部が前記複数の第2の軌跡線に沿って光走査を行う期間では前記対象物までの距離を測定しないことを特徴とする測距装置。 - 前記光走査部が前記第1の軌跡線に沿って光走査を行う期間では前記パルス光を出射し、前記光走査部が前記第2の軌跡線に沿って光走査を行う期間では前記パルス光の出射を停止するように、前記光源部を制御する制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
- 前記光走査部は、前記仮想の面にリサージュ曲線を描くように前記パルス光の出射方向を変化させることが可能な構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の測距装置。
- 前記光走査部は、A1、A2、B1及びB2を定数とし、θ1及びθ2を変数としたとき、A1sin(θ1+B1)の式で示される第1の駆動信号によって第1の揺動軸を中心として揺動し、かつA2sin(θ2+B2)の式で示される第2の駆動信号によって前記第1の揺動軸に直交する第2の揺動軸を中心として揺動する光反射面を有するスキャナを有し、
前記制御部は、m及びnを整数とし、前記第1及び第2の駆動信号が(2mπ+π/2)<(θ1+B1)<(2mπ+3π/2)でありかつ(2nπ+3π/2)<(θ2+B2)<(2(n+1)π+π/2)の関係を満たす期間、及び、(2mπ+3π/2)<(θ1+B1)<(2(m+1)π+π/2)でありかつ(2mπ+π/2)<(θ2+B2)<(2mπ+3π/2)の関係を満たす期間以外の期間では、前記パルス光を出射しないように前記光源部を制御することを特徴とする請求項2に記載の測距装置。 - 前記光走査部は、A1、A2、B1及びB2を定数とし、θ1及びθ2を変数としたとき、A1sin(θ1+B1)の式で示される第1の駆動信号によって第1の揺動軸を中心として揺動し、かつA2sin(θ2+B2)の式で示される第2の駆動信号によって前記第1の揺動軸に直交する第2の揺動軸を中心として揺動する光反射面を有するスキャナを有し、
前記制御部は、m及びnを整数とし、前記第1及び第2の駆動信号が(2mπ+3π/2)<(θ1+B1)<(2(m+1)π+π/2)でありかつ(2nπ+3π/2)<(θ2+B2)<(2(n+1)π+π/2)の関係を満たす期間、及び、(2mπ+π/2)<(θ1+B1)<(2mπ+3π/2)でありかつ(2mπ+π/2)<(θ2+B2)<(2mπ+3π/2)の関係を満たす期間以外の期間では、前記パルス光を出射しないように前記光源部を制御することを特徴とする請求項2に記載の測距装置。 - 前記制御部は、1つの測距周期内における前記光走査部の走査期間を複数の走査周期に分け、前記複数の走査周期毎に前記第1及び第2の駆動信号の位相を切り替えるように前記光走査部を制御することを特徴とする請求項4又は5に記載の測距装置。
- 前記反射光を受光する受光部を含む測距部を有し、
前記受光部は、前記第1の方向に対応する方向を長辺方向とする矩形の受光面を有するか、又は前記第1の方向に対応する方向を長軸方向とする長円形の受光面を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の測距装置。 - パルス光を出射する光源部と、
前記パルス光を反射させる光反射面を有するスキャナと、
前記スキャナを駆動して前記パルス光の反射方向を連続的に変化させる駆動回路と、を有する光走査装置であって、
前記駆動回路は、1の走査周期内において、前記スキャナによる前記パルス光の反射方向が第1の方向に変化する第1の期間及び前記第1の方向と交差する第2の方向に変化する第2の期間をそれぞれ複数有するように前記スキャナを駆動し、
前記光源部は、前記第1の期間及び第2の期間のいずれか一方においては、前記パルス光を出射しないことを特徴とする光走査装置。
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