JP2019109143A - 光走査装置及び測距装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走査領域内の正確な光走査を行うことが可能な光走査装置及び当該走査領域内の対象物の正確な測距を行うことが可能な測距装置を提供する。【解決手段】出射光を出射する光源部と、出射光によって複数の単位領域を含む所定の領域を所定の周期で周期的に走査する走査部と、出射光が対象物で反射された反射光を受光する受光部と、を有し、光源部は、走査部が所定の領域を走査する際の複数の単位領域の各々に対する出射光の出射態様を所定の周期毎に変化させる。【選択図】図4

Description

本発明は、光走査を行う光走査装置、及び光学的な測距を行う測距装置に関する。
例えば、測距装置は、光を走査領域内の物体に照射し、当該物体によって反射された光を検出することで、当該物体までの距離を測定するように構成されている。また、例えば、2次元的に走査を行う光走査部を有し、当該走査領域内における2次元的な測距結果を得る測距装置が知られている。
当該光走査型の測距装置は、例えば、光走査部として、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーと、当該ミラーに光を照射する光源と、測定対象物からの反射光を受光する受光部と、を有する。当該光走査部は、当該ミラーによって反射された光を使用し、当該走査領域を2次元的に走査する。例えば、特許文献1には、送信波を所定範囲に放射する走査手段を有し、物標までの距離及び方向を検出するレーダ装置が開示されている。
特開2003-28960号公報
測距装置の光走査部は、例えば、パルス状のレーザ光を走査領域に順次照射し、対象物からの反射光を受光することで光学的な走査情報(以下、光走査情報と称する)を取得する。また、例えば、測距装置は、当該光走査情報、例えばレーザ光の照射から反射光の受光するまでにかかった時間に基づいて当該対象物までの距離を測定する。
ここで、測距装置は、種々の環境下に置かれた場合を考慮し、走査領域の走査及び対象物の測距を正確に行うように構成されていることが好ましい。例えば、正確な測距情報を得にくい環境としては、対象物の光の反射率が極端に低い若しくは高い場合、対象物が測距装置から非常に遠い位置若しくは近い位置に存在する場合、又は照射する光とは別の環境光、例えば太陽光の強度が大きい場合が挙げられる。
このような環境では、対象物からの反射光の強度が低下して当該環境光に埋もれ、信号対雑音比が低下するおそれがある。また、反射光の強度が大きくなりすぎ、受光信号が飽和するおそれがある。
光走査装置は、例えばこのような環境に置かれた場合でも正確に走査領域内の光走査情報を取得できることが好ましい。また、同様に、測距装置は、走査領域内において正確に測距動作を行い、正確な測距情報を取得できることが好ましい。
一方、例えば、光走査装置又は測距装置が移動体に搭載される場合、対象物が人体や動物などの生物となり、当該生物にレーザ光が照射されることが想定される。従って、光走査装置には、安全に光走査を行うことが求められ、例えば、JIS C 6802 / IEC60825-1に定められたレーザ製品の安全基準を満たす必要がある。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、対象物への安全を確保しつつ走査領域内の正確な光走査を行うことが可能な光走査装置及び当該走査領域内の対象物の正確な測距を行うことが可能な測距装置を提供することを課題の1つとしている。
請求項1に記載の発明は、出射光を出射する光源部と、出射光によって複数の単位領域を含む所定の領域を所定の周期で周期的に走査する走査部と、出射光が対象物で反射された反射光を受光する受光部と、を有し、光源部は、走査部が所定の領域を走査する際の複数の単位領域の各々に対する出射光の出射態様を所定の周期毎に変化させることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、出射光を出射する光源部と、出射光によって複数の単位領域を含む所定の領域を所定の周期で周期的に走査する走査部と、出射光が対象物で反射された反射光を受光する受光部と、反射光に基づいて対象物までの距離を測定する測距部と、を有し、光源部は、走査部が所定の領域を走査する際の複数の単位領域の各々に対する出射光の出射態様を所定の周期毎に変化させることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、出射光を出射する光源部と、出射光の出射方向を連続的に変化させることで所定の領域を所定の周期で周期的に走査する走査部と、出射光が対象物で反射された反射光を受光する受光部と、を有し、所定の領域は出射光の出射方向に応じて複数の単位領域に区画され、光源部は、複数の単位領域の各々に向けて出射される出射光の出射態様を、所定の周期毎に変化させることを特徴とする。
実施例1に係る測距装置の配置図である。 実施例1に係る測距装置における制御部のブロック図である。 実施例1に係る測距装置における走査部の上面図である。 実施例1に係る測距装置における走査部の断面図である。 実施例1に係る測距装置の走査部に印加される駆動信号の波形及び当該走査部の可動ミラーによって反射された走査光の軌跡を示す図である。 実施例1に係る測距装置における走査周期毎の測距点の構成例を示す図である。
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。
図1Aは、実施例1に係る測距装置10の模式的な配置図である。測距装置10は、所定の領域(以下、走査領域と称する)R0の光走査を行い、その走査結果に基づいて走査領域R0内に存在する測距対象物OBまでの距離を測定する光測距装置である。図1Aを用いて、測距装置10の全体構成について説明する。なお、図の明確さのため、図1Aには、走査領域R0及び測距対象物OBを模式的に示している。
測距装置10は、パルス化されたレーザ光(以下、パルス光と称する)L1によって走査領域R0を周期的に走査し、走査領域R0内の測距対象物OBからの反射光を受光することで走査領域R0内の光走査情報を取得する光走査情報取得部SCを有する。
光走査情報取得部SCは、パルス光である出射光L1を生成及び出射する光源部11を有する。本実施例においては、光源部11は、出射光L1として、赤外領域にピーク波長を有するパルス化されたレーザ光を生成するレーザ装置を有する。
また、光走査情報取得部SCは、出射光L1を用いて走査領域R0を周期的に走査する走査部12を有する。走査部12は、出射光L1を走査領域R0に向けて反射させる可動式の光反射面12Aを有する。本実施例においては、走査部12は、光反射面12Aが設けられた可動ミラーを有する。
走査部12は、光反射面12Aの向きを変化させることで、出射光L1が反射する方向を連続的かつ周期的に変化させる。走査部12は、この光反射面12Aによって反射された出射光L1を走査光L2として用い、走査領域R0の光走査を行う。
なお、図1Aに示すように、走査領域R0は、光反射面12Aの可動範囲に対応する幅及び高さを有し、走査光L2が到達及び反射したときに所定強度の反射光を受光可能な距離に対応する奥行を有する仮想の3次元空間である。図1Aにおいては、走査領域R0の外縁を破線で示した。
例えば、図1Aに示すように、走査領域R0内における走査光L2の光路上に測距対象物OBが存在する場合、走査光L2が対象物OBに照射される。また、測距対象物OBが走査光L2を反射する特性を持った物体である場合、走査光L2は測距対象物OBによって反射される。
また、光走査情報取得部SCは、走査光L2が測距対象物OBに照射されることで測距対象物OBによって反射された光(以下、反射光と称する)L3を受光して検出する受光部13を有する。受光部13は、例えば、出射光L1のピーク波長を含む波長帯域の光を検出する光検出器を含む。受光部13は、受光した反射光L3に対して光電変換を行い、反射光L3に応じた電気信号(以下、受光信号と称する)SRを生成する。
なお、本実施例の光走査情報取得部SCにおいては、光源部11と走査部12の光反射面12Aとの間の出射光L1の光路上には、ビームスプリッタBSが設けられている。走査光L2は、測距対象物OBによって反射されて反射光L3となり、光反射面12Aに向かって戻る。そして、反射光L3は、光反射面12Aによって反射され、ビームスプリッタBSによって分離された後、受光部13によって受光される。なお、光源部11によって出射された出射光L1は、ビームスプリッタBSを透過して走査部12に向かって進む。
測距装置10は、受光信号SRに基づいて、測距対象物OBまでの距離を測定する測距部14を有する。本実施例においては、測距部14は、受光信号SRから反射光L3のパルスを検出し、出射光L1の出射からの時間差に基づくタイムオブフライト法によって測距対象物OB(及びその一部の表面領域)までの距離を測定する。測距部14は、測定した距離情報を示すデータ(以下、測距データと称する)を生成する。
測距装置10は、当該測距データに基づいて走査領域R0の画像化を行う測距画像生成部15を有する。測距画像生成部15は、走査光L2の出射方向(すなわち走査部12における光反射面12Aの向き(角度))と測距部14が生成した測距データとを対応付けた測距画像データを生成する。
本実施例においては、測距画像生成部15は、走査部12の走査周期毎に1つの測距画像データを生成する。なお、走査周期とは、例えば、走査領域R0に対する走査を周期的に行う場合において、任意の走査状態(例えば走査光L2を出射する光反射面12Aの向き)の時点から、その後に再度当該走査状態に戻る時点までの期間をいう。また、1つの走査周期内における測距装置10の動作及びこれによって得られる1つの測距画像データをフレームと称する。なお、測距画像生成部15は、複数の測距画像データを時系列に沿って動画として表示する表示部(図示せず)を有していてもよい。
また、本実施例においては、測距部14は、走査領域R0内の所定の領域を有効走査領域(又は測距領域)とし、この有効走査領域内に向けて出射された走査光L2に対応する反射光L3の受光信号SRに基づいて、測距対象物OBまでの距離を測定する。
なお、本明細書においては、説明上、走査領域R0内における走査部12から所定の距離だけ離れた仮想の面を走査面(被走査面)R1と称する。また、本実施例においては、有効走査領域は、走査領域R0の外縁部分を除いた領域(空間)であり、図1Aには、走査面R1の外縁部分を除いた内側の領域である有効走査面R2として例示した。測距部14の測距動作は、この仮想の被走査面の一部である有効走査面R2に向けて出射される走査光L2を用いて行われる。
測距装置10は、光走査情報取得部SC(光源部11、走査部12、受光部13を含む)、測距部14及び測距画像生成部15の動作制御を行う制御部16を有する。まず、図1Aに示すように、本実施例においては、制御部16は、光源部11に駆動信号(光源駆動信号)DLを供給し、光源部11の駆動及びその制御を行う。駆動信号DLは、測距部14にも供給され、測距部14が出射光L1の出射タイミングを知ることに利用される。また、制御部16は、走査部12に駆動信号(第1及び第2のMEMS駆動信号)DX及びDYを供給し、走査部12の駆動及びその制御を行う。
次に、図1Bは、制御部16のブロック図である。本実施例においては、制御部16は、光走査情報取得部SCから、走査部12の走査状況を示す情報を取得して、走査光L2の実際の軌道を判定する走査軌道判定部16Aを有する。
走査軌道判定部16Aは、例えば走査部12内又は走査部12に接続された揺動位置センサ(図示せず)の出力値を取得し、走査光L2がどの方向を向いているか(有効走査面R2内のどの位置に照射されているか)を判定する。なお、走査軌道判定部16Aは、当該揺動位置センサの出力値に代えて、走査部12のMEMS駆動信号DX及びDYを取得することで、走査光L2の軌道を判定してもよい。
制御部16は、光走査情報取得部SCによる走査光L2の走査方向に応じて走査領域R0を複数の単位領域に区画する走査領域区画部16Bを有する。例えば、走査領域区画部16Bは、あらかじめ把握している光走査情報取得部SCによる走査光L2の照射範囲に基づいて、有効走査面R2を格子状に分割するように、走査領域R0を区画する。
制御部16は、光走査情報取得部SCにおける光源部11の出射態様を切替える制御を行う光源制御部16Cを有する。光源制御部16Cは、例えば、走査領域区画部16Bによって区画された複数の単位領域の各々に対する出射光L1の出射強度又は頻度を走査周期毎に切替えるように、光源部11を制御する。また、例えば、光源制御部16Cは、1の走査周期中において、走査光L2の出射強度及び出射頻度を切替える単位領域を周期的に変化させる。
図2Aは、走査部12の模式的な上面図である。図2Bは、走査部12の断面図である。図2Bは、図2AのV−V線に沿った断面図である。図2A及び図2Bを用いて、走査部12の構成例について説明する。
本実施例においては、ミラー部12は、光反射面12Aを有する光反射膜(可動ミラー)24を含み、この光反射膜24が揺動するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーである。また、本実施例においては、走査部12は、電磁気的に光反射膜24を揺動させるように構成されている。
より具体的には、走査部12は、固定部(ベース部)21、可動部(揺動部)22、駆動力生成部23及び光反射膜24を有する。また、本実施例においては、走査部12は、互いに直交する2つの揺動軸(第1及び第2の揺動軸)AX及びAYを中心に光反射膜24が揺動するように構成されている。
本実施例においては、固定部21は、固定基板B1及び固定基板B1上に形成された環状の固定枠B2を含む。可動部22は、各々の一端が固定枠B2の内側に固定された一対のトーションバー(第1のトーションバー)TXを含む。一対のトーションバーTXの各々は、少なくとも周方向の弾性を有する棒状の弾性部材からなり、揺動軸AXに沿って整列している。また、可動部22は、外周部側面が一対のトーションバーTXの各々の他端に接続された環状の揺動枠(可動枠)SXを有する。
また、可動部22は、各々の一端が可動枠SXの内周部側面に接続され、一対のトーションバーTXに直交する方向(揺動軸AYに沿った方向)に整列した一対のトーションバー(第2のトーションバー)TYと、外周部側面が一対のトーションバーTYの各々の他端に接続された揺動板(可動板)SYと、を有する。一対のトーションバーTYの各々は、少なくとも周方向の弾性を有する棒状の弾性部材からなる。
本実施例においては、揺動枠SXは揺動軸AXを中心に(揺動中心として)揺動し、揺動板SYは揺動軸AX及びAYを中心に揺動する。また、揺動板SY上には光反射膜24が形成されている。従って、光反射膜24の光反射面24Aは、揺動板SYと共に、互いに直交する揺動軸AX及びAYを中心に揺動する。
駆動力生成部23は、固定基板B1上に配置された永久磁石MGと、揺動枠SX上において揺動枠SXの外周に沿って配線された金属配線(第1のコイル)CXと、揺動板SY上において揺動板SYの外周に沿って配線された金属配線(第2のコイル)CYと、を含む。
本実施例においては、永久磁石MGは、固定基板B1上における固定枠B2の外側領域に設けられた複数の磁石片からなる。本実施例においては、4つの磁石片が、それぞれ、揺動軸AX及びAYの各々に沿ってかつ一対のトーションバーTX及びTYの外側の位置に配置されている。
また、揺動軸AXに沿った方向において互いに対向する2つの磁石片は、互いに反対の極性を示す部分が対向するように配置されている。同様に、揺動軸AYに沿った方向において互いに対向する2つの磁石片は、互いに反対の極性を示す部分が対向するように配置されている。
本実施例においては、金属配線CXに電流が流れると、揺動軸AYに沿った方向に並んだ永久磁石MGの2つの磁石片によって生じた磁界との相互作用により、一対のトーションバーTXが周方向にねじれ、揺動枠SXが揺動軸AXを中心に揺動する。同様に、金属配線CYに流れた電流による電界と揺動枠AXに沿った方向に並んだ永久磁石MGの2つの磁石片による磁界とによって一対のトーションバーTYがねじれ、揺動板SYが揺動軸AYを中心に揺動する。
また、図2Aに示すように、金属配線CX及びCYは、制御部16に接続されている。制御部16は、金属配線CX及びCYにMEMS駆動信号DX及びDYを供給する。駆動力生成部23は、当該MEMS駆動信号DX及びDYの印加によって、可動部22及び光反射膜24を揺動させる電磁気力を生成する。
なお、本実施例においては、光反射膜24は、円板形状を有する。また、光反射膜24は、揺動軸AX及びAYに直交する中心軸ACを有する。可動部22及び光反射膜24は、光反射膜24の中心軸ACに関して90度回転対称に形成されている。
また、図2Bを参照すると、本実施例においては、固定部21の固定基板B1は、凹部を有する。また、固定枠B2は、固定基板B1の当該凹部に可動部22を懸架するように固定基板B1に固定されている。また、固定枠B2及び可動部22(揺動枠SX、揺動板SY並びにトーションバーTX及びTY)は、例えば半導体基板を加工することで形成された当該半導体基板の部分である。
光反射膜24は、揺動板SYと共に、固定基板B1の凹部に揺動可能に懸架(支持)されている。また、永久磁石MGは、固定基板B1上における凹部の外側に形成されている。また、本実施例においては、トーションバーTX及びTYがねじれることで、固定枠B2の内側において、トーションバーTX及びTYを挟んだ可動部22の両端部が固定基板B1の凹部に向かう方向及び離れる方向に揺動する。また、光反射膜24は、中心軸AC上の1点を揺動中心とし、固定枠B2に対して傾斜するように揺動する。
光反射膜24(光反射面24A)が揺動することで、出射光L1の反射方向、すなわち走査光L2の出射方向が変化する。このようにして、光走査情報取得部SCは、走査光L2を用いて走査領域R0の走査を行う。すなわち、本実施例においては、走査部12は、出射光L1の出射方向を連続的に変化させることで走査領域R0を所定の周期で周期的に走査する。
図3は、制御部16が生成するMEMS駆動信号(以下、単に駆動信号と称する)DX及びDYと、これに基づいた光反射膜24の揺動状態の変化及び走査光L2の走査軌道と、の関係を模式的に示す図である。図3を用いて、走査部12による走査領域R0の走査態様について説明する。
まず、制御部16が生成する駆動信号DXは、A1及びB1を定数とし、θ1を変数としたとき、DX(θ1)=A1sin(θ1+B1)の式で示される正弦波の信号である。また、駆動信号DYは、A2及びB2を定数とし、θ2を変数としたとき、DY(θ2)=A2sin(θ2+B2)の式で示される正弦波の信号である。
また、変数θ1は、駆動信号DXが、走査部12のトーションバーTX、揺動枠SX、トーションバーTY及び揺動板SYの共振周波数に対応する周波数の正弦波となるように設定される。また、変数θ2は、駆動信号DYが、走査部12のトーションバーTY及び揺動板SYの共振周波数に対応する周波数の正弦波となるように設定される。
従って、光反射膜24(揺動板SY)は、揺動軸AXを中心に共振し、かつ揺動軸AYを中心に共振する。従って、図3に示すように、走査領域R0の走査面R1を見たとき、光反射膜24に反射された出射光L1である走査光L2は、リサージュ曲線を描くような軌跡TR(L2)を示す。
換言すれば、本実施例においては、走査部12は、出射光L1を反射させかつ互いに直交する第1及び第2の揺動軸AX及びAYを中心に揺動する光反射面12Aを有し、リサージュ曲線に従った軌跡TRを描くように走査領域R0を走査する走査態様を有する。
また、図3に示すように、本実施例においては、制御部16の走査領域区画部16Bは、有効走査面R2を4つの単位領域URに区画する。光源制御部16Cは、当該4つの単位領域URの各々に向けて出射される走査光L2(すなわち出射光L1)の出射態様を走査周期毎に切替えるように構成されている。
次に、図4を用いて、測距部14が測距を行うポイントである測距点MP、すなわち有効走査面R2内における走査光L2の被照射点について説明する。図4は、4つの連続した走査周期P1〜P4における測距点MPの構成を模式的に示す図である。なお、以下においては、走査領域区画部16Bによって区画された走査領域R0内の4つの単位領域URのそれぞれを単位領域UR1〜UR4と称する場合がある。
まず、測距点MPの概略について説明する。例えば、図4に示すように、有効走査面R2内には、出射光L1の出射間隔と光反射面12Aの変位速度とに応じた間隔に応じて、走査光L2の被照射点である複数の測距点MPが設けられる。なお、図3及び4に示す光走査情報取得部SCの走査軌跡TRは、走査面R1内に設けられ得る全ての測距点MPの位置を示すものである。
次に、光源制御部16Cは、4つの単位領域UR1〜UR4のうちのいずれかの単位領域(以下、選択単位領域と称する)RCを選択し、この選択単位領域RCに対してその他の単位領域とは異なる出射態様で出射光L1を出射するように、光走査情報取得部SCの光源部11を制御する。また、光源制御部16Cは、走査周期毎に選択単位領域RCを切替える。
例えば、本実施例においては、光源制御部16Cは、4つの単位領域UR1〜UR4から、1つの単位領域を、走査周期毎に順次選択単位領域RCとして選択する。すなわち、単位領域UR1〜UR4の各々は、走査周期毎に、単位領域UR1、UR2、UR3及びUR4の順に、1つずつ選択単位領域RCとなる。また、単位領域UR4が選択単位領域RCとなった後の走査周期においては、再度単位領域UR1が選択単位領域RCとなる。また、光源制御部16Cは、選択単位領域RCに対して他の領域よりも高い頻度で出射光L1を出射するように、光源部11を制御する。
また、例えば、光源部11は、選択単位領域RC以外の単位領域(以下、非選択領域と称する)に対しては、第1の出射頻度(以下、基準出射頻度と称する)かつ第1の出射強度(以下、基準出射強度と称する)で出射光L1を出射する。一方、光源部11は、選択単位領域RCに対しては当該基準出射頻度よりも高い第2の出射頻度で出射光L1を出射する。
従って、例えば、図4に示すように、まず、第1の走査周期P1では、第1の単位領域UR1が選択単位領域RCとして選択され、第1の単位領域UR1に対して当該第2の出射頻度で走査光L2が出射される。従って、第1の走査周期P1では、第1の単位領域UR1には、他の単位領域UR2〜UR4(すなわち非選択単位領域)よりも高い密度の測距点MPが設けられる。すなわち、第1の単位領域UR1には、他の単位領域UR2〜UR4に比べて、単位時間当たりに照射される光量が大きくなる。
次に、第2の走査周期P2では、第2の単位領域UR1が選択単位領域RCとなり、第2の単位領域UR2には第2の出射頻度で走査光L2が出射される。従って、第2の走査周期P2では、第2の単位領域UR2に高密度の測距点MPが設けられる。同様に、第3及び第4の走査周期P3及びP4では、それぞれ第3及び第4の単位領域UR3及びUR4が選択単位領域RCとなる。従って、第3の走査周期P3では第3の単位領域UR3に、第4の走査周期P4では第4の単位領域UR4に、それぞれ高密度の測距点MPが設けられる。
光源制御部16Cは、この4つの走査周期P1〜P4を1つの制御周期とし、光源部11に対して繰り返し出射光L1の出射制御を行う。従って、例えば、第4の走査周期P4の直後の走査周期を第5の走査周期とすると、当該第5の走査周期は、第1の走査周期P1と同様の制御態様となる。従って、当該第5の走査周期では、第1の走査周期P1と同様に第1の単位領域UR1に高密度の走査光L2が出射される。
このように、本実施例においては、選択単位領域RC、すなわち高密度の測距点MPが設けられる領域が走査周期毎にローテーションする。また、選択単位領域RCでは、高密度の測距点MPが設けられることで、非選択単位領域よりも高い空間分解能で測距対象物OBに対する測距情報を得ることができる。また、例えば、近傍の他の測距点MPに関する測距情報を考慮することで、信頼性の高い測距情報を得ることもできる。例えば、複数の受光信号SRを加算又は平均することで、受光信号SRの信号対雑音比が改善されることが期待でき、測距情報の信頼性が高まる。
従って、1つの走査周期内においては、走査領域R0内の1つの単位領域で高い空間分解能又は高い信頼性の測距情報を得ることができる。一方、その前後の走査周期内では、別の1つの単位領域で高い空間分解能又は高い信頼性の測距情報を得ることができる。そして、一定周期毎(本実施例においては4つの走査周期毎)に、同一の単位領域が選択され、当該単位領域で高い空間分解能又は高い信頼性の測距情報を得ることができる。
また、選択単位領域RCに比較的高い頻度で走査光L2が出射される一方で、非選択単位領域には、比較的低い頻度で走査光L2が出射される。従って、得られる測距情報の正確さが向上することに加え、1つの走査周期中において走査領域R0に対して走査光L2の総光量が抑制される。
具体的には、高分解能な測距情報を得ることを考慮すると、走査領域R0内の全体に対して高頻度で走査光L2を出射すればよい。しかし、走査光L2の出射頻度を上げることで、走査領域R0には大光量のレーザ光が照射されることとなる。
ここで、測距装置10は、例えば車両などの移動体に搭載される場合、光走査情報取得部SCは、例えば、当該車両の周辺領域を走査領域R0とした光走査を行う。換言すれば、走査領域R0内には、道路や交差点の他、歩行者及び他車両の運転者などが測距対象物OBとして存在することが想定され、これらに走査光L2であるレーザ光が照射されることとなる。
従って、測距装置10は、走査光L2が人体などの生物に照射された場合でも当該生物に影響が及ばないように、出射光L1の出射量の制御するように構成されていることが好ましい。例えば、1つの対処方法として走査周期を長くすることが考えられるが、その場合、測距画像を得るまでの時間が増加することとなる。また、走査部12を機械的な共振で揺動させるMEMSによって構成する場合、揺動周期を変化させるのは困難である場合が多い。これに対し、光源制御部16Cは、走査領域R0の一部の領域を選択単位領域RCとし、走査周期内においては選択単位領域RCに対する出射光L1の出射頻度を高くする。また、算出単位領域RCは、周期的に変化する。従って、測距画像を得るまでの時間を増加させることなく、また測距対象物OBへの安全を確保しつつ正確な測距動作を行うことができる。
なお、制御部16は、例えば1つの走査周期内に走査領域R0に対して出射される出射ス光L1の総光量が所定値未満となるように、出射光L1の出射頻度及び強度を制御してもよい。
例えば、日本工業規格(JIS)には、レーザの安全基準が定められている。例えば、制御部16は、この安全基準の試験条件(例えばレーザ光の照射量を測定する時間や領域サイズ)などを考慮して光量制御の閾値を設定する。例えば、制御部16は、安全基準のレーザ光の光量の上限値及びその試験時間から、走査周期当たりの出射光L1の光量の閾値を設定する。
そして、光源制御部16Cは、走査周期内に出射される出射光L1の光量が閾値を超えないように、走査周期における出射光L1の出射量、例えば選択単位領域RCに対する出射光L1の頻度又は強度の上昇量を抑制する。
なお、この光量の閾値は、当該閾値をその後一定時間超えた場合でも安全基準の上限値を超えないように、当該上限値となる光量の走査周期分の値よりも十分に小さい値に設定されることができる。
換言すれば、光源部11は、例えば、走査領域R0に向けて出射される出射光L1の走査周期毎の総光量が所定値未満となるように、出射光L1の出射態様を調節する。従って、確実に安全な測距を行うことができる。
なお、本実施例においては、光走査情報取得部SC(光源部11)が選択単位領域RCに対して非選択単位領域よりも高い出射頻度で出射光L1を出射する場合について説明した。しかし、選択単位領域RCに対する出射光L1の出射態様の制御はこれに限定されない。
例えば、光走査情報取得部SCは、選択単位領域RCに対して、出射光L1の出射強度を高くするように構成されていてもよい。走査光L2の強度が大きいほど、反射光L3の強度が大きくなり、受光信号SRにおける信号対雑音比が大きくなる。従って、非選択単位領域に比べ、測距点MPでの測距信頼性が向上する。
すなわち、選択単位領域RCにおける測距精度及び測距信頼性を向上することを考慮すると、光走査情報取得部SCは、選択単位領域RCに対して、非選択単位領域よりも高い出射頻度及び/又は出射強度で出射光L1を出射するように構成されていればよい。
また、選択単位領域RCに対しては、出射光L1の出射頻又は出射強度を低くしてもよい。例えば、測距対象物OBが予めわかっている場合などにおいては、基準出射頻度及び基準出射強度で十分所望の測距情報を得られることが想定される。この場合、例えば、走査領域R0の一部で走査光L2の出射頻度を低くすることで、求められる測距情報を得つつ、装置への負荷を抑制し、また測距対象物OBへの安全を確保することができる。
また、本実施例においては、走査領域区画部16Bが走査領域R0内に4つの単位領域UR1〜UR4を区画する場合について説明した。また、これら単位領域UR1〜UR4の各々が1つずつ順次かつ周期的に選択単位領域RCとなる場合について説明した。しかし、単位領域URの区画数、区画方法、選択単位領域RCの選択数、また選択方法はこれに限定されない。
走査領域区画部16Bは、走査領域R0をより多くの単位領域URに区画してもよい。また、光源制御部16Cは、当該区画された複数の単位領域URのうちの1又は複数の単位領域を選択単位領域RCとして選択してもよい。例えば、16つの単位領域UR1〜UR16のうちの4つの単位領域、例えば単位領域UR1、UR3、UR9及びUR11が同時に選択単位領域RCとして選択されてもよい。また、区画された単位領域URのうち、選択単位領域RCとして選択されない単位領域URがあってもよい。
換言すれば、例えば、光走査情報取得部SCは、1つの走査周期内(単位周期内)において、走査領域区画部16Bによって区画された複数の単位領域URのうちの1又は複数の単位領域URである選択単位領域RCに対し、その他の単位領域URとは異なる出射態様で出射光L1を出射するように構成されていればよい。
また、選択単位領域RCを周期的に切り替える場合には、例えば、単位領域URの各々のうちの選択単位領域RCとなる単位領域URが走査周期(所定の周期)毎に変化し、選択単位領域RCとなる当該単位領域URが周期的に選択単位領域RCとなればよい。
また、本実施例においては、1つの走査周期内において、非選択単位領域となる全ての単位領域URに対して同一の出射頻度及び出射強度で出射光L1が出射される場合について説明した。しかし、非選択単位領域となる単位領域URの各々間においても出射頻度及び出射強度が異なっていてもよい。すなわち、光走査情報取得部SCは、単位領域URの各々に対する出射光L1の出射態様を、走査周期毎に切替えられるように構成されていればよい。
また、本実施例においては、制御部16の走査領域区画部16Bが単位領域URを区画設定し、光源制御部16Cが単位領域UR毎の出射光L1の出射制御を行う場合について説明した。しかし、単位領域URの区画及び出射光L1の出射制御は、例えば制御部16の制御又はその制御プログラムのインストールによって、光走査情報取得部SCが行うように構成されていてもよい。
例えば、光走査情報取得部SC(例えば光源部11及び走査部12)は、単位領域UR及び選択単位領域RCに関する情報を取得し、これに基づいて走査周期毎の出射光L1の出射態様を切替れてもよい。従って、例えば、走査領域R0が出射光L1(走査光L2)の出射方向に応じて複数の単位領域URに区画されればよく、光源部11は、当該複数の単位領域URの各々に向けて出射される出射光L1の出射態様を、単位周期(所定の周期)毎に変化させればよい。
また、本実施例においては、走査部12が電磁気的に光反射面12Aを揺動させるMEMSミラーを有し、走査軌跡TRがリサージュ曲線を描くような走査態様を有する場合について説明した。しかし、走査部12の構成及びその動作態様は、上記に限定されない。
例えば、走査部12の駆動力は電磁気力に限定されず、静電気力であってもよいし、圧電力であってもよい。例えば静電気力によって光反射面12Aを揺動させる場合、駆動力生成部23は、永久磁石MG及び金属配線CX及びCYではなく、それぞれ固定枠B2上、揺動枠SX上及び揺動板SY上において互いに離間して配置された電極対であればよい。
また、光走査情報取得部SCは、リサージュ曲線に従った軌道で走査領域R0を走査する場合に限定されない。例えば、走査部12は、ラスタースキャンを行う軌道を有していてもよいし、走査周期毎にその走査軌道が異なっていてもよい。走査部12は、出射光L1(走査光L2)によって走査領域R0を走査するように構成されていればよい。
このように、測距装置10は、出射光L1を出射する光源部11と、出射光L1によって複数の単位領域URを含む走査領域R0を所定の周期で周期的に走査する走査部12と、光L1が測距対象物OBで反射された反射光L3を受光する受光部13と、反射光L3に基づいて測距対象物OBまでの距離を測定する測距部14と、を有する。また、光源部11は、走査部12が当該所定の領域を走査する際の複数の単位領域URの各々に対する出射光L1の出射態様を当該所定の周期毎に変化させる。従って、測距対象物OBへの安全を確保しつつ走査領域R0内の正確な測距を行うことが可能な測距装置10を提供することができる。
なお、例えば、光源部11、走査部12及び受光部13は、測距部14以外の機能回路に接続されることができ、受光信号SR(光走査情報)は、測距以外の用途に用いられることができる。すなわち、光源部11、走査部12及び受光部13は、例えば、制御部16と共に、光走査装置を構成する。この場合、測距対象物OBは走査対象物となる。
換言すれば、例えば、当該光走査装置は、出射光L1を出射する光源部11と、出射光L1によって複数の単位領域URを含む走査領域R0を所定の周期で周期的に走査する走査部12と、出射光L1が走査対象物OBで反射された反射光L3を受光する受光部13と、を有する。また、光源部11は、走査部12が当該所定の領域を走査する際の複数の単位領域URの各々に対する出射光L1の出射態様を当該所定の周期毎に変化させる。これによって、走査対象物OBへの安全を確保しつつ走査領域R0内の正確な光走査を行うことが可能な光走査装置を提供することができる。
10 測距装置
SC 光走査情報取得部
11 光源部
12 走査部
13 受光部
14 測距部
16 制御部

Claims (7)

  1. 出射光を出射する光源部と、
    前記出射光によって複数の単位領域を含む所定の領域を所定の周期で周期的に走査する走査部と、
    前記出射光が対象物で反射された反射光を受光する受光部と、を有し、
    前記光源部は、前記走査部が前記所定の領域を走査する際の前記複数の単位領域の各々に対する前記出射光の出射態様を前記所定の周期毎に変化させることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記光源部は、前記所定の周期内において、前記複数の単位領域のうちの1又は複数の単位領域である選択単位領域に対し、前記複数の単位領域のうちの前記選択単位領域の他の単位領域とは異なる出射態様で前記出射光を出射することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記複数の単位領域の各々のうちの前記選択単位領域となる前記単位領域は、前記所定の周期毎に変化し、
    前記選択単位領域となる当該単位領域は、周期的に前記選択単位領域となることを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  4. 前記光源部は、前記選択単位領域に対して前記他の単位領域よりも高い出射頻度又は出射強度で前記出射光を出射することを特徴とする請求項2又は3に記載の光走査装置。
  5. 前記光源部は、前記所定の周期内に前記所定の領域に対して出射される前記出射光の総光量が所定値未満となるように、前記出射光を出射することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の測距装置。
  6. 出射光を出射する光源部と、
    前記出射光によって複数の単位領域を含む所定の領域を所定の周期で周期的に走査する走査部と、
    前記出射光が対象物で反射された反射光を受光する受光部と、
    前記反射光に基づいて前記対象物までの距離を測定する測距部と、を有し、
    前記光源部は、前記走査部が前記所定の領域を走査する際の前記複数の単位領域の各々に対する前記出射光の出射態様を前記所定の周期毎に変化させることを特徴とする測距装置。
  7. 出射光を出射する光源部と、
    前記出射光の出射方向を連続的に変化させることで所定の領域を所定の周期で周期的に走査する走査部と、
    前記出射光が対象物で反射された反射光を受光する受光部と、を有し、
    前記所定の領域は前記出射光の出射方向に応じて複数の単位領域に区画され、
    前記光源部は、前記複数の単位領域の各々に向けて出射される前記出射光の出射態様を、前記所定の周期毎に変化させることを特徴とする光走査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023153212A1 (ja) * 2022-02-09 2023-08-17 株式会社小糸製作所 投光器、及び測定装置

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