JP2004157414A - 画像形成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】プリンタコントローラやスキャナが接続可能に構成されたタンデム方式の画像形成装置に色ずれ補正を行わせるにあたり、当該画像形成装置のコストアップや大型化を回避することのできる画像形成システムを提供する。
【解決手段】スキャナ50は、画像形成装置10を複写機として機能させるための処理プログラムや画像読取部から送信される画像データ等を記憶する記憶部52を備え、プリンタコントローラ60は、画像形成装置10をプリンタとして機能させるための処理プログラムや画像データを生成するためのコード情報を記憶するとともに、そのコード情報から画像データを生成(展開)するための記憶部62を備えている。記憶部52,62を、レジストマークの画像を生成するためのコード情報を記憶する記憶部及びパターンジェネレータがそのコード情報をレジストマークの画像データに展開するための記憶部として兼用した。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー画像を形成する画像形成ユニットを複数の色毎に備えて所定の方向に配列され、その配列方向に搬送される用紙に各色のトナー画像を重ねて転写する画像形成装置と、この画像形成装置に通信可能に接続されるプリンタコントローラやスキャナとを備えてなる画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シアン、マゼンタ、イエローなどの各色のトナー画像を形成する複数の画像形成ユニットが1方向に並べて配設され、その配列方向に搬送される用紙に各色のトナー画像を重ねて転写する、所謂タンデム構造の画像形成装置が知られている。
【0003】
また、このような画像形成装置においては、画像形成ユニットや露光部内に備えられるLEDプリントヘッド等の取付誤差、あるいは感光体ドラム等の動作上の誤差などに起因する、各色のトナー画像の形成位置の位置ずれ、所謂色ずれが発生するため、例えば、転写ベルトの表面に画像形成ユニットにより各色の線状パターンからなるレジストマークを形成すると共に、このレジストマークの位置を下流側に設置したマーク検出手段で検出し、このマーク検出手段で検出したレジストマークの位置情報に基づいて色ずれを補正する色ずれ補正処理を行う機能を備えた画像形成装置がある(特許文献1参照)。
【0004】
一方、近年では、上記のような画像形成ユニット等を備える画像形成装置をプリンタとして機能させる制御部を搭載したプリンタコントローラや、原稿の画像を例えばCCD等の撮像素子により読み取るスキャナが、画像形成装置に接続可能に構成された画像形成システムがある。
【0005】
この種の画像形成システムは、画像形成装置にプリンタコントローラとともにパーソナルコンピュータが接続された場合には、パーソナルコンピュータから画像を生成するためのコード情報がプリンタコントローラに送出され、プリンタコントローラにおいてそのコード情報に基づいて画像データが生成(展開)された後、その画像データが画像形成装置に送信される。これにより、画像形成装置において上記画像データに係る画像が記録紙に形成される。
【0006】
また、画像形成装置にスキャナが接続された場合には、撮像素子により読み取られた画像の画像データがスキャナから画像形成装置に送出される。これにより、画像形成装置において上記画像データに係る画像が記録紙に形成される。
【0007】
【特許文献1】
特開平13−171170号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、タンデム構造を有する画像形成装置に色ずれ補正を行わせるにあたり、画像形成装置には、色ずれ補正を実行するためのレジストマークを画像形成ユニットに形成させるために、レジストマークの画像を生成するためのコード情報を記憶するメモリや、そのメモリからコード情報を読み出して画像データに展開するためのメモリ等を備えたパターンジェネレータと呼ばれる回路が備えられている。
【0009】
ところが、このように、パターンジェネレータは、画像データをはじめとする比較的情報量の大きなデータを記憶するメモリを備えることで比較的大きな回路構成を有するため、パターンジェネレータを画像形成装置に搭載すると、画像形成装置が大型化するという問題がある。この問題は、上述した画像形成システムにおける画像形成装置にパターンジェネレータを備える場合にも同様に発生する。
【0010】
しかしながら、この画像形成システムにおける画像形成装置に色ずれ補正を行わせるにあたっては、画像形成装置に接続されるプリンタコントローラやスキャナには、上記のようにパーソナルコンピュータから送出されるコード情報に基づいて画像データに展開するためのメモリや、撮像素子により得られた画像データを一時的に記憶するメモリが備えられていることから、これらのメモリをレジストマークの画像データを記憶するメモリとして兼用すれば、画像形成装置のコストアップや構成の大型化を回避することができると考えられる。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、プリンタコントローラやスキャナが接続可能に構成されたタンデム方式の画像形成装置に色ずれ補正を行わせるにあたり、当該画像形成装置のコストアップや大型化を回避することのできる画像形成システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、像担持体の周回方向に沿って配設された互いに異なる色のトナー画像を形成する複数の画像形成ユニットと、前記配列方向に記録紙を搬送させ、前記各画像形成ユニット及び前記像担持体を介して前記記録紙にトナー画像を順次重ねて転写する画像形成制御部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成制御部と通信可能に接続され、前記画像形成ユニットに所定の画像形成処理を行わせる外部機器とからなる画像形成システムであって、前記画像形成装置は、前記像担持体に形成される各色のトナー画像間のずれ量を検出するためのレジストマークを検出するマーク検出部を前記像担持体に対面する位置に備え、前記外部機器は、前記レジストマークの画像データを記憶する記憶部、前記記憶部からレジストマークの画像データを前記画像形成装置へ読み出して前記像担持体へのレジストマークの形成動作を前記画像形成ユニットに指示するマーク形成指示部、及び前記像担持体に形成されたレジストマークを前記マーク検出部で検出させ、検出信号を用いて前記ずれ量を算出し、算出したずれ量から前記画像形成ユニットに色ずれ補正を行わせる色ずれ補正制御部のうち、少なくとも前記記憶部を備えることを特徴とするものである。
【0013】
この発明によれば、外部機器は、レジストマークの画像データを記憶する記憶部を少なくとも備えたので、外部機器に元来備えられている記憶部をレジストマークの画像データを記憶する記憶部として兼用することが可能となる。これにより、当該画像形成システムにおける画像形成装置に色ずれ補正を行わせるように構成する場合に、画像形成装置、延いては画像形成システムのコストアップや大型化を回避することができる。
【0014】
その際、請求項2に記載の発明のように、外部機器として、たとえば画像データを読出可能に記憶するプリンタコントローラ、あるいは原稿の画像を光学的に読み取るスキャナのうち少なくとも一方が採用可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおける画像形成装置の内部構成を概略的に示す図である。この図において、画像形成装置10は、タンデム型のカラープリンタを構成するものであり、記録紙(転写紙)にカラー画像をプリントする本体部12と、本体部12の上方に配設され、本体部12でカラー画像のプリントされた記録紙が排出される記録紙排出部14とから構成されている。
【0016】
本体部12は、筺体16内の下部に配設された給紙カセット18と、筺体16内の上部に配設された画像形成部22と、筺体16内における画像形成部22の下方に配設された転写搬送部24と、筺体16内における転写搬送部24の下流側に配設された定着ユニット26と、給紙カセット18と転写搬送部24との間に配設された第1の搬送路28と、定着ユニット26と記録紙排出部14との間に配設された第2の搬送路30とが備えられている。
【0017】
給紙カセット18は、筺体16の外部に引き出すことで記録紙20の補給が可能となるように構成されたもので、内部に集積された記録紙20が図略の給紙ローラにより1枚ずつ第1の搬送路28側に繰り出されるようになっている。なお、この給紙カセット18は、記録紙のサイズに対応して所定個数が配設される。
【0018】
画像形成部22は、記録紙上に複数のトナー画像を重ねて転写するようにしたもので、マゼンタのトナー画像を形成する第1の画像形成ユニット221、シアンのトナー画像を形成する第2の画像形成ユニット222、イエローのトナー画像を形成する第3の画像形成ユニット223及びブラックのトナー画像を形成する第4の画像形成ユニット224が記録紙の搬送方向に沿って所定間隔をおいて配置されてなるものである。
【0019】
画像形成ユニット221乃至224は、感光体ドラム225と、感光体ドラム225の周面に対向して配設された帯電部226と、帯電部226の下流側であって感光体ドラム225の周面に対向して配設されたLEDプリントヘッド(例えば、ライン方向に7168の画素数を有する)からなる露光部227と、露光部227の下流側であって感光体ドラム225の周面に対向して配設された現像部228と、現像部228の下流側であって感光体ドラム225の周面に対向して配設されたクリーニング部229とを備えている。また、感光体ドラム225の周面であって現像部228とクリーニング部229との間に後述する転写ローラ244が対向配置されることで転写部230が形成される。
【0020】
なお、画像形成ユニット221乃至224の各感光体ドラム225は、図略の駆動モータにより図示の時計周り方向に回転するようになっている。また、第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224の現像部228には、それぞれ上部にトナーボックスを備えている。第1の画像形成ユニット221のトナーボックスにはマゼンタトナーが、第2の画像形成ユニット222のトナーボックスにはシアントナーが、第3の画像形成ユニット223のトナーボックスにはイエロートナーが、第4の画像形成ユニット224のトナーボックスにはブラックトナーがそれぞれ収納されている。
【0021】
転写搬送部24は、第1の画像形成ユニット221の近傍位置に配設された従動ローラ241と、第4の画像形成ユニット224の近傍位置に配設された駆動ローラ242と、従動ローラ241と駆動ローラ242とに跨って配設された無端状画像担持体である転写ベルト243と、画像形成ユニット221乃至224の各感光体ドラム225の現像部227の下流側における位置に転写ベルト243を介して圧接可能に配設された4つの転写ローラ244と、駆動ローラ242の下方における転写ベルト243に近接した位置に配設された一対の反射型フォトセンサ245,245´(図2)と、反射型フォトセンサ245,245´の下流側における転写ベルト243に接する位置に配設されたブレード246とを備える。
【0022】
この転写搬送部24では、第1の搬送路28から搬送されてきた記録紙を図略の駆動モータにより図示の反時計周り方向に回転する転写ベルト243上に静電吸着して下流側に搬送すると共に、画像形成ユニット221乃至224の各転写部230の位置で記録紙に対してトナー像が転写されるようになっている。この転写ベルト243は、例えばシリコーン等で表面をコーティングしたポリイミド樹脂等の耐熱性を有する合成樹脂材料により構成されている。
【0023】
また、この転写搬送部24に設けられた一対の反射型フォトセンサ245,245´は、転写ベルト243の移送方向と直交する幅方向(主走査方向)の両端部に配設され、転写ベルト243の両端部領域に画像形成ユニット221乃至224により形成される後述するレジストマークを検出するためのレジストセンサを構成するものである。この一対の反射型フォトセンサ245,245´は、図2に示すように、その一方の反射型フォトセンサ245が本体部12の前側に配設され、他方の反射型フォトセンサ245´が本体部12の後側に配設されている。
【0024】
この一対の反射型フォトセンサ245,245´は、それぞれ転写ベルト243上の後述するレジストマーク位置に向けて送光する発光ダイオード等で構成された発光部(送光部)と、転写ベルト243上の後述するレジストマーク位置で反射された反射光を受光するフォトトランジスタ等で構成された受光部と、この受光部で受光した反射光量を電圧値に変換する検出回路部とを備えている。また、この一対の反射型フォトセンサ245,245´は、それぞれブラックトナー画像に対して大きな出力が得られるP波出力と、マゼンタトナー、シアントナー及びイエロートナーのカラートナー画像に対して大きな出力が得られるS波出力とが検出可能となっている。
【0025】
また、ブレード246は、転写ベルト243上のトナー等の付着物を掻き取るためのもので、転写ベルト243の幅方向寸法と略同等の長さに形成され、その先端部が常に転写ベルト243表面に当接した状態で配設されている。なお、このブレード246は、付着物の掻き取り動作を実行する必要のないときは転写ベルト243から離反させておき、付着物の掻き取り動作を実行する必要が生じたときにのみ転写ベルト243表面に当接させる構成としてもよい。
【0026】
定着ユニット26は、画像形成部22の感光体ドラム225の表面に形成された各トナー像が多重転写された記録紙を加熱することにより定着処理するものであり、熱遮蔽ボックス261と、熱遮蔽ボックス261内の上部に配設され、ヒータが内蔵された定着ローラ262と、熱遮蔽ボックス261内の下部において定着ローラ262に圧接して配設された加圧ローラ263と、熱遮蔽ボックス261内の定着ローラ262及び加圧ローラ263の前部に配設され、転写搬送部24から搬送されてきた記録紙を定着ローラ262及び加圧ローラ263間に案内する前搬送路264と、熱遮蔽ボックス261内の定着ローラ262及び加圧ローラ263の後部に配設され、定着処理された記録紙を第2の搬送路30に案内する後搬送路265とを備えている。
【0027】
第1の搬送路28は、給紙カセット18から繰り出されてきた記録紙20を転写搬送部24側に搬送するものであり、所定位置に配設された複数の搬送ローラ対281と、転写搬送部24の手前に配設され、画像形成部22の画像形成動作と給紙動作とのタイミングを取るためのレジストローラ対282とを備えている。これらの複数の搬送ローラ対281とレジストローラ対282とは、図略の駆動モータによりそれぞれ電磁クラッチを介して回転駆動される。なお、レジストローラ対282の手前にフォトインタラプタ等で構成されたレジストセンサ283が配設されており、記録紙の先端がレジストローラ対282にまで搬送されてくると、レジストセンサ283からの出力信号に基づいて記録紙の搬送が一旦停止される。
【0028】
第2の搬送路30は、定着ユニット26で定着処理された記録紙を記録紙排出部14に搬送するものであり、所定位置に複数の搬送ローラ対301が配設されると共に、出口側に排出ローラ対302が配設されている。これらの搬送ローラ対301及び排出ローラ対302は、図略の駆動モータにより電磁クラッチを介して回転駆動されるようになっている。
【0029】
記録紙排出部14は、本体部12を構成する筺体16の上面に本体部12と一体に形成されたもので、第2の搬送路30から搬送されてきた定着処理の終了した記録紙を画像の形成された面が裏側になるようにして順次集積する。
【0030】
以上の構成を有する画像形成装置10は次のように動作する。すなわち、各感光体ドラム225では、帯電部226で表面に静電領域が形成され、この静電領域に露光部227からの出力光により露光されることで、後述のプリンタコントローラ60(図3参照)またはスキャナ50から送信される画像データに基づく静電潜像が形成され、その後に現像部228でトナー像が形成される。また、定着ユニット26の定着ローラ262では、図略の電圧供給部により内蔵ヒータに電圧が印加されることで通電され、定着ローラ262の表面が定着可能な温度になるように加熱制御される。
【0031】
一方、給紙カセット18から指定サイズの記録紙が繰り出され、第1の搬送路28によりレジストローラ対282の手前まで搬送され、一旦停止される。そして、レジストローラ対282の手前にまで搬送されてきた記録紙は、画像形成部22の画像形成動作とのタイミングが図られたうえで転写搬送部24に搬送され、画像形成ユニット221乃至224で記録紙にトナー像が順次転写される。すなわち、記録紙に対しマゼンタトナー、シアントナー、イエロートナー及びブラックトナーの順で互いに重ねられた状態で画像が転写される。
【0032】
そして、このトナー像の転写された記録紙は、定着ユニット26内に搬送され、定着ローラ262により加熱されつつ定着ローラ262と加圧ローラ263とで挟持されて下流側に搬送され、第2の搬送路30により記録紙排出部14に排出される。トナー像を記録紙に転写した各感光体ドラム225は、クリーニング部229により表面上の残留トナーが除去される。この動作が順次繰り返されて、所定枚数の記録紙に対するプリントが実行される。
【0033】
画像形成装置10は、パーソナルコンピュータ40(以下、パソコン40という)及び原稿の画像を撮像素子により読み取るスキャナ50が接続可能に構成されているとともに、当該画像形成装置10をプリンタとして機能させる制御部を搭載したプリンタコントローラ60が装着可能に構成されている(図3参照)。
【0034】
スキャナ50は、詳細には図示しないが、例えば、露光ランプやミラー等を備えてなる光学系を搭載した走行枠、レンズ及びCCDを有し、露光ランプにより光を照射した原稿からの反射光をミラー等を介してCCDに導く画像読取部を備えて構成されたもので、図略の駆動部により走行枠を所定の方向に所定の速度で往復動させつつ、コンタクトガラス上に載置された原稿からの反射光をCCDに導くことで、原稿全面の画像情報を読み取るものである。
【0035】
画像形成装置10にスキャナ50が接続されている場合には、当該スキャナ50に対してスキャン開始指示操作がなされると、スキャナ50により原稿の画像が読み取られ、画像形成装置10はその画像データを受信して記録用紙給紙部3から給紙された用紙Pに画像形成を行う。すなわち、画像形成装置10は、スキャナ50が接続されることで複写機として機能する。
【0036】
一方、画像形成装置10に、パソコン40及びプリンタコントローラ60が接続されている場合には、紙サイズ情報、プリント部数情報等の種々のプリント情報を含むプリント指示信号とプリントすべき画像を生成するためのコード情報がパソコン40からプリンタコントローラ60に送信される。プリンタコントローラ60は、そのコード情報に基づいて画像データを生成(展開)し、画像形成装置10は、その画像データを受信して該画像データに基づいて記録用紙給紙部3から給紙された用紙Pに画像形成を行う。すなわち、画像形成装置10は、プリンタコントローラ60及びパソコン40が接続されることで、プリンタとして機能する。
【0037】
画像形成装置10は、スキャナ50又はプリンタコントローラ60が接続された場合に、LEDプリントヘッドからなる露光部227の取り付け誤差等により生じる主走査方向(転写ベルト243の移送方向と直交する方向又は記録紙の搬送方向と直交する方向)の色ずれ、第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224の取り付け誤差や各感光体ドラム225を回転駆動する駆動モータの回転速度誤差等により生じる副走査方向(転写ベルト243の移送方向と同一方向又は記録紙の搬送方向と同一方向)の色ずれ、及び、第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224の取り付け誤差(傾き)や転写ベルト243の斜行等により生じる斜め方向(主走査方向と副走査方向間の方向)の色ずれを検出し、それに基づく色ずれ補正(レジスト補正)を実行するように構成されている。
【0038】
図3は、画像形成装置10にスキャナ50及びプリンタコントローラ60の両方が接続された場合の制御構成を示すブロック図である。
【0039】
スキャナ50は、画像形成装置10をプリンタとして機能させるための制御部51を有する。制御部51は、画像形成装置10を複写機として機能させるための所定の処理プログラムや、撮像素子を含む図略の画像読取部から送信される画像データ等を記憶する記憶部52を備えている。また、スキャナ50は、転写ベルト243表面に後述のレジストマークを形成するためのパターンジェネレータ53を備える。
【0040】
本実施形態においては、記憶部52は、レジストマークの画像データを記憶する記憶部として兼用される。
【0041】
プリンタコントローラ60は、スキャナ50と同様、画像形成装置10をプリンタとして機能させるための制御部61を有する。制御部61は、画像形成装置10をプリンタとして機能させるための所定の処理プログラム、パソコン40から送信される、画像データを生成するためのコード情報を記憶するとともに、そのコード情報から画像データを生成(展開)するための記憶部62を備えている。また、プリンタコントローラ60は、転写ベルト243表面にレジストマークを形成するためのパターンジェネレータを備える。
【0042】
本実施形態においては、上記スキャナ50と同様、記憶部62は、レジストマークの画像を生成するためのコード情報を記憶する記憶部及びパターンジェネレータがそのコード情報をレジストマークの画像データに展開するための記憶部として兼用される。
【0043】
このようにスキャナ50及びプリンタコントローラ60に備えられている記憶部52,62を、レジストマークの画像を生成するためのコード情報を記憶する記憶部及びパターンジェネレータ53,63がそのコード情報をレジストマークの画像データに展開するための記憶部として兼用しているのは、次の理由による。
【0044】
すなわち、レジストマークの画像データ等は比較的情報量が多いため、これに対応して比較的大きな記憶容量を有する記憶部が必要となる。その際、画像形成装置10は、後述の記憶部326を備えているものの、この記憶部326は、処理プログラム等を記憶するための記憶部であって、記憶容量はそれほど大きくない。したがって、仮に、画像形成装置10内にレジストマークの画像データを格納させるものとすると、画像形成装置10において、記憶部(記憶容量)の大幅な増設や別途記憶部を設けることが必要となり、画像形成システムのコストアップや大型化を招く。
【0045】
一方、スキャナ50やプリンタコントローラ60には、図略の撮像素子により読み取った画像データを記憶する、またはコード情報を画像データに展開する、比較的容量の大きな記憶部52,62を元来備えている。したがって、この記憶部52,62を上記のようにレジストマークの画像データ等を記憶する記憶部として兼用することで、記憶部の大幅な増設等を行う必要がなくなり、画像形成システムのコストアップや大型化を抑制することができる。
【0046】
画像形成装置10において、第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224は、図略のインターフェイス回路を介して制御部32に接続されており、これら第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224により転写ベルト243上への画像形成動作が制御部32からの制御信号に基づいて実行される。また、駆動ローラ242を回転させる駆動モータ34が図略のインターフェイス回路を介して制御部32に接続されており、この駆動モータ34により転写ベルト243上への画像形成動作時における転写ベルト243の移送動作が制御部32からの制御信号に基づいて実行される。
【0047】
画像形成装置10の制御部32には、記録紙にプリントすべきカラー画像を形成する各色ごとの画像データを画像形成装置10に送出すると共に、記録紙サイズやプリント枚数等のプリントデータを送出するパーソナルコンピュータ40、原稿の画像を撮像素子を用いて読み取りその画像データを画像形成装置10に送出するスキャナ50及びプリンタコントローラ60が図略のインターフェイス回路を介して接続されている。
【0048】
画像形成装置10の制御部32は、演算処理を実行するCPU、所定の処理プログラムやデータ等を記憶するROM及びデータを一時的に保存するRAMから構成されている。制御部32は、色ずれ補正処理を実行するために、マーク形成制御部321、マーク計測制御部322、重心演算制御部323、色ずれ補正量演算制御部324、色ずれ補正部305、露光制御部325及び記憶部306を有する。
【0049】
マーク形成制御部321は、スキャナ50のパターンジェネレータ53またはプリンタコントローラ60のパターンジェネレータ63からの出力信号に基づいて、第1乃至第4の画像形成ユニット221乃至224を動作させることにより、色ずれの検出を行うための4色の線状パターンの組み合わせからなるレジストマーク(位置ずれ検出用マーク)を形成するためのものである。
【0050】
このレジストマークは、図4に示すように、転写ベルト243の幅方向(主走査方向)の一方端部(本体部12の前側)に、所定幅を有する4色の線状パターンからなる斜め線L1と、この斜め線L1の上流側(図の右側)に配設された所定幅を有する4色の線状パターンからなる横線L2とが所定の間隔をおいて交互に形成されると共に、転写ベルト243の幅方向(主走査方向)の他方端部(本体部12の後側)に、所定幅を有する4色の線状パターンからなる斜め線L1´と、この斜め線L1´の上流側(図の右側)に配設された所定幅を有する4色の線状パターンからなる横線L2´とが所定の間隔をおいて交互に形成されてなるものである。
【0051】
ここで、斜め線L1と斜め線L1´とは転写ベルト243の幅方向(主走査方向)の互いに対向する位置に形成され、横線L2と横線L2´とは転写ベルト243の幅方向(主走査方向)の互いに対向する位置に形成されている。また、一方端部側の1つの斜め線L1とそれに続く1つの横線L2とで1つの組を構成すると共に、他方端部側の1つの斜め線L1´とそれに続く1つの横線L2´とで1つの組を構成している。なお、本実施形態では、4組の斜め線L1及び横線L2と、4組の斜め線L1´及び横線L2´とが形成されている。
【0052】
また、各斜め線L1,L1´は、転写ベルト243の移送方向の下流側(図の左側)から上流側(図の右側)にかけて、第4の画像形成ユニット224により形成されたブラックトナー画像である第1の線状パターンK1、第3の画像形成ユニット223により形成されたイエロートナー画像である第2の線状パターンY1、第2の画像形成ユニット222により形成されたシアントナー画像である第3の線状パターンC1、及び、第1の画像形成ユニット221で形成されたマゼンタトナー画像である第4の線状パターンM1がその順序でそれぞれ副走査方向(あるいは主走査方向)に対し45°の角度で所定の間隔をおいて形成されたものである。
【0053】
また、各横線L2,L2´は、斜め線L1,L1´と同様に、転写ベルト243の移送方向の下流側(図の左側)から上流側(図の右側)にかけて、第4の画像形成ユニット224により形成されたブラックトナー画像である第1のラインK2、第3の画像形成ユニット223により形成されたイエロートナー画像である第2のラインY2、第2の画像形成ユニット222により形成されたシアントナー画像である第3のラインC2、及び、第1の画像形成ユニット221で形成されたマゼンタトナー画像である第4のラインM2がその順序でそれぞれ主走査方向に沿って形成されたものである。
【0054】
なお、一対の反射型フォトセンサ245,245´のうち、一方の反射型フォトセンサ245は、一方端部のレジストマークの斜め線L1及び横線L2の主走査方向の略中央位置を検出可能となる位置に配設され、他方の反射型フォトセンサ245´は、他方端部のレジストマークの斜め線L1´及び横線L2´の主走査方向の略中央位置を検出可能となる位置に配設されている。
【0055】
マーク計測制御部322は、一対の反射型フォトセンサ245,245´によるレジストマークの計測動作を制御するものであり、例えば同期信号の立下りが検出されることでカウント開始指示が行われたのち、第1の画像形成ユニット221の感光体ドラム225に対する露光位置から反射型フォトセンサ245,245´によるレジストマークの検出位置までの距離(mm)と転写ベルト243の周速(mm/s)とに基づいて求めた計測開始タイミング(ms)に達したときから4組の斜め線L1,L1´及び横線L2,L2´が反射型フォトセンサ245,245´の検出位置を通過し終わるまでの間、反射型フォトセンサ245,245´からの出力を所定時間毎(例えば、1ms毎)に得るようにしたものである。
【0056】
この反射型フォトセンサ245,245´からは、図5に示すように、4色の線状パターンに対応して反射光のP波出力及びS波出力が得られるようになっている。ここで、ブラックトナー画像である第1の線状パターンK1,K2についてはP波出力の方がS波出力よりも大きな出力値が得られるため、第1の線状パターンK1,K2の位置算出時にはP波出力が用いられ、カラートナー画像である第2,第3及び第4の線状パターンY1,Y2、C1,C2及びM1,M2についてはS波出力の方がP波出力よりも大きな出力値が得られるため、第2,第3及び第4の線状パターンY1,Y2、C1,C2及びM1,M2の位置算出時にはS波出力が用いられる。
【0057】
重心演算制御部323は、反射型フォトセンサ245,245´から所定時間毎(例えば、1ms毎)に得た各線状パターンの複数の出力値に基づいて各線状パターンの転写ベルト243上の位置を算出するためのものである。なお、反射型フォトセンサ245,245´からの出力は、各線状パターンにつき、ブラックトナーの線状パターンのP波出力については下側に凸となる波形を有するものとなり、カラートナーの線状パターンのS波出力については上側に凸となる波形を有するものとなる。
【0058】
ここで、線状パターンの色ムラや転写ベルトの移送ムラ等が生じない場合には波形の最小値(ブラックトナー画像の場合)あるいは最大値(カラートナー画像の場合)を求めることで所定幅を有する各線状パターンの位置を求めることができるが、レジストマークの色ムラや転写ベルトの移送ムラ等に起因して波形に歪が生じた場合は波形の最小値あるいは最大値によっては正確な位置を求めることができないことになる。このため、本実施形態では、常に各線状パターンの正確な位置を求めるようにすべく各波形の重心を求め、この重心をその線状パターンの位置とするようにしている。なお、各線状パターンの位置は、本実施形態ではカウント開始指示が行われてからの経過時間(ms)で表わすようにしている。
【0059】
この重心は、例えばP波出力では図6に示すような下に凸となる波形となるため、所定時間毎(例えば、1ms毎)に得た出力値P[n]のうちの予め設定した閾値Pth以下のもの(P[n]≦Pth)について(すなわち、カウント値m〜p(ms)の範囲内のもの)、カウント値とそのカウント値に対応する出力値との積を各カウント値毎に合算し、この合算値を各カウント値の出力値を合算した値で除したものとして求めることができる。すなわち、P波出力の重心GPは、下記の数1で示す式により求めることができる。
【0060】
【数1】
Figure 2004157414
【0061】
なお、S波出力では上に凸となる波形となるため、所定時間毎(例えば、1ms毎)に得た出力値S[n]のうちの予め設定した閾値Sth以上のもの(S[n]≧Sth)について(すなわち、カウント値m〜p(ms)の範囲内のもの)、カウント値とそのカウント値に対応する出力値との積を各カウント値毎に合算し、この合算値を各カウント値の出力値を合算した値で除したものとして求めることができる。すなわち、S波出力の重心GSは、下記の数2で示す式により求めることができる。これらの求めた重心GP,GSは、算出する毎に記憶部326に記憶される。このため、出力値P[n],S[n]のすべてを記憶部326に記憶させ、その後に重心GP,GSを算出する場合に比べて記憶部326は記憶容量の小さいものでよいことになる。
【0062】
【数2】
Figure 2004157414
【0063】
色ずれ補正量演算制御部324は、各線状パターンの色ずれ(位置ずれ)に対する補正値を算出するものである。すなわち、各線状パターンの色ずれについては、対向する左右両側の横線L2,L2´の各線状パターンK2,Y2,C2,M2の位置を検出することで斜め方向(傾き方向)の色ずれ量を検出することができ、対向する左右両側の横線L2,L2´の各線状パターンK2,Y2,C2,M2の副走査方向の間隔を検出することで副走査方向の色ずれ量を検出することができ、対向する左右両側の少なくともいずれか一方の一組の斜め線L1(又はL1´)の各線状パターンK1,Y1,C1,M1及び横線L2(又はL2´)の各線状パターンK2,Y2,C2,M2の同色同士の間隔を検出することで主走査方向の色ずれ量を検出することができ、これら検出された色ずれ量(ライン数乃至は画素数)から色ずれ補正量(ライン数乃至は画素数)を求めるものである。
【0064】
なお、本実施形態では、斜め方向の色ずれ補正をする場合及び副走査方向の色ずれ補正をする場合については、色ずれ補正により生じる画像の不具合を抑制するため、第4の画像形成ユニット224により形成されるブラックトナー画像は補正せず、第1乃至第3の画像形成ユニット221乃至223により形成されるカラートナー画像をブラックトナー画像の位置に合わせるような色ずれ補正を行うようにしている。
【0065】
最初に、斜め方向の色ずれ補正について説明する。斜め方向の色ずれ量(ライン数乃至は画素数)は、対向する左右両側の横線L2,L2´のブラックトナー画像である第2の線状パターンK2の色ずれ量の総和KAと、カラートナー画像である第2の線状パターンY2,C2,M2の色ずれ量の総和YA,CA,MAとをそれぞれ求め、この求めたブラックトナー画像の色ずれ量の総和KAに対する各カラートナー画像の色ずれ量の総和YA,CA,MAの差を求め、これら各差を各カラートナー画像の色ずれ補正値(ライン数乃至は画素数)としている。
【0066】
すなわち、LEDプリントヘッドからなる露光部227の主走査方向(ライン方向)の画素数をN(例えば、N=7168)、一対の反射型フォトセンサ245,245´間の距離(画素数)をD(例えば、D=5184画素)、転写ベルト243の周速をS(mm/s)(例えば、S=116mm/s)、1画素の幅をG(mm)(例えば、G=0.0423mm)とする一方、一方端部側のブラックトナー画像である4本の第2の線状パターンK2の位置を下流側から上流側に向けて順にK21F,K22F,K23F,K24Fとすると共に、他方端部側のブラックトナー画像である4本の第2の線状パターンK2の位置を下流側から上流側に向けて順にK21R,K22R,K23R,K24Rとすると、ブラックトナー画像である第2の線状パターンK2の色ずれ量の総和KAは、下記の数3で示す式により求めることができる。
【0067】
【数3】
Figure 2004157414
【0068】
また、一方端部側のイエロートナー画像である4本の第2の線状パターンY2の位置を下流側から上流側に向けて順にY21F,Y22F,Y23F,Y24Fとすると共に、他方端部側のイエロートナー画像である4本の第2の線状パターンY2の位置を下流側から上流側に向けて順にY21R,Y22R,Y23R,Y24Rとすると、イエロートナー画像である第2の線状パターンY2の色ずれ量の総和YAは、下記の数4で示す式により求めることができる。
【0069】
【数4】
Figure 2004157414
【0070】
また、一方端部側のシアントナー画像である4本の第2の線状パターンC2の位置を下流側から上流側に向けて順にC21F,C22F,C23F,C24Fとすると共に、他方端部側のシアントナー画像である4本の第2の線状パターンC2の位置を下流側から上流側に向けて順にC21R,C22R,C23R,C24Rとすると、シアントナー画像である第2の線状パターンC2の色ずれ量の総和CAは、下記の数5で示す式により求めることができる。
【0071】
【数5】
Figure 2004157414
【0072】
さらに、一方端部側のマゼンタトナー画像である4本の第2の線状パターンM2の位置を下流側から上流側に向けて順にM21F,M22F,M23F,M24Fとすると共に、他方端部側のマゼンタトナー画像である4本の第2の線状パターンM2の位置を下流側から上流側に向けて順にM21R,M22R,M23R,M24Rとすると、シアントナー画像である第2の線状パターンM2の色ずれ量の総和MAは、下記の数6で示す式により求めることができる。
【0073】
【数6】
Figure 2004157414
【0074】
従って、ブラックトナー画像に対するイエロートナー画像の色ずれ量YA´、シアントナー画像の色ずれ量CA´、及び、マゼンタトナー画像の色ずれ量MA´は、それぞれ下記の数7で示す式により求めることができる。この数7で示す式により求めたYA´、CA´及びMA´が各カラートナー画像の色ずれ補正量となる。なお、今までにすでに色ずれ補正を行っている場合は、今回の色ずれ補正量と前回の色ずれ補正量とから実際に補正を行うべき色ずれ補正量を再算出するようにすればよい。
【0075】
【数7】
Figure 2004157414
【0076】
次に、副走査方向の色ずれ補正について説明する。副走査方向の色ずれ量(ライン数乃至は画素数)は、上述したように、対向する左右両側の横線L2,L2´の各線状パターンK2,Y2,C2,M2の副走査方向の間隔を検出することにより副走査方向の色ずれ量を検出することができるが、本実施形態ではカラートナー画像の各線状パターンY2,C2,M2のブラックトナー画像の線状パターンK2に対する間隔により各線状パターンY2,C2,M2の各色ずれ量を検出するようにしている。すなわち、カラートナー画像の線状パターンY2についていえば、その線状パターンY2の位置とブラックトナー画像の線状パターンK2の位置とから求めた間隔の基準値(初期設定値)との差により色ずれ量を求めるようにしている。
【0077】
他のカラートナー画像の各線状パターンC2,M2についても、その線状パターンC2,M2の位置とブラックトナー画像の線状パターンK2の位置とから求めた間隔の各基準値(初期設定値)との差により色ずれ量を検出することができる。但し、この求めた色ずれ量は斜め方向の色ずれ量を含んだものであるため、斜め方向の色ずれ量を補正したものが副走査方向の色ずれ補正量となる。このため、予めカラートナー画像の線状パターンY2,C2,M2につき、上記の数7に示す数式により斜め方向の色ずれ補正量を求めておく必要がある。
【0078】
最後に、主走査方向の色ずれ補正について説明する。主走査方向の色ずれ量(画素数)は、本実施形態では一方端部側の各組の同色の斜め線L1及び横線L2の線状パターン(ブラックトナー画像については同じ組のK1とK2、イエロートナー画像については同じ組のY1とY2、シアントナー画像については同じ組のC1とC2、マゼンタトナー画像については同じ組のM1とM2)の間隔の基準値(初期設定値)との差により求めるようにしている。
【0079】
すなわち、転写ベルト243の周速をS(mm/s)(例えば、S=116mm/s)、1画素の幅をG(mm)(例えば、G=0.0423mm)、各組の同色の斜め線L1の線状パターンと横線L2の線状パターンの間隔の基準値(ライン数)をQ(例えば、Q=864ライン)とする一方、一方端部側のブラックトナー画像である各4本の第1の線状パターンK1及び第2の線状パターンK2の位置をそれぞれ下流側から上流側に向けて順にK11F,K12F,K13F,K14F及びK21F,K22F,K23F,K24Fとすると、ブラックトナー画像の各組の色ずれ量KH[0],KH[1],KH[2],KH[3]は、下記の数8で示す式により求めることができる。この数8で示す式により求めた各組の色ずれ量KH[0],KH[1],KH[2],KH[3]の平均値がブラックトナー画像の色ずれ補正量(画素数)となる。
【0080】
【数8】
Figure 2004157414
【0081】
また、一方端部側のイエロートナー画像である各4本の第1の線状パターンY1及び第2の線状パターンY2の位置をそれぞれ下流側から上流側に向けて順にY11F,Y12F,Y13F,Y14F及びY21F,Y22F,Y23F,Y24Fとすると、イエロートナー画像の各組の色ずれ量YH[0],YH[1],YH[2],YH[3]は、下記の数9で示す式により求めることができる。この数9で示す式により求めた各組の色ずれ量YH[0],YH[1],YH[2],YH[3]の平均値がイエロートナー画像の色ずれ補正量(画素数)となる。
【0082】
【数9】
Figure 2004157414
【0083】
また、一方端部側のシアントナー画像である各4本の第1の線状パターンC1及び第2の線状パターンC2の位置をそれぞれ下流側から上流側に向けて順にC11F,C12F,C13F,C14F及びC21F,C22F,C23F,C24Fとすると、シアントナー画像の各組の色ずれ量CH[0],CH[1],CH[2],CH[3]は、下記の数10で示す式により求めることができる。この数10で示す式により求めた各組の色ずれ量CH[0],CH[1],CH[2],CH[3]の平均値がシアントナー画像の色ずれ補正量(画素数)となる。
【0084】
【数10】
Figure 2004157414
【0085】
さらに、一方端部側のマゼンタトナー画像である各4本の第1の線状パターンM1及び第2の線状パターンM2の位置をそれぞれ下流側から上流側に向けて順にM11F,M12F,M13F,M14F及びM21F,M22F,M23F,M24Fとすると、マゼンタトナー画像の各組の色ずれ量MH[0],MH[1],MH[2],MH[3]は、下記の数11で示す式により求めることができる。この数11で示す式により求めた各組の色ずれ量MH[0],MH[1],MH[2],MH[3]の平均値がマゼンタトナー画像の色ずれ補正量(画素数)となる。
【0086】
【数11】
Figure 2004157414
【0087】
露光制御部325は、色ずれ補正量演算制御部324で求めた色ずれ補正量に基づき、各色の色ずれ補正が行われるように露光部227の露光動作を制御するものである。すなわち、斜め方向の色ずれ補正をする場合は、ブラックトナー画像を除いたカラートナー画像につき上記の数7で示す式により求めた色ずれ補正量YA´、CA´及びMA´の補正を行うことになる。この場合、主走査方向の領域を補正量YA´、CA´及びMA´の値に応じて略等間隔の複数に分割し、この分割した領域を単位として斜め方向に階段状に補正を行うことになる。なお、今までにすでに色ずれ補正を行っている場合は、上述の再算出した色ずれ補正量に基づいて補正を行うようにすればよい。
【0088】
例えば、主走査方向の画素数が7168で、色ずれ補正量が副走査方向に2ライン分(あるいは2画素分)あったとすると、図7に概念的に示すように、スキャナ50の記憶部52またはプリンタコントローラ60の記憶部62に記憶されている画像データの読み出し位置が7168×1/2の位置にきたとき、その傾き方向に応じて前のラインあるいは後のラインのアドレスに読み出しアドレスを切り換えるようにすればよい。
【0089】
また、主走査方向の画素数が7168で、色ずれ補正量が副走査方向に4ライン分(あるいは4画素分)あったとすると、図8に概念的に示すように、スキャナ50の記憶部52またはプリンタコントローラ60の記憶部62に記憶されている画像データの読み出し位置が7168×1/4、7168×2/4及び7168×3/4の各位置にきたとき、その傾き方向に応じて前のラインあるいは後のラインのアドレスに順次読み出しアドレスを切り換えるようにすればよい。
【0090】
また、副走査方向の色ずれ補正をする場合は、ブラックトナー画像を除いたカラートナー画像につき、色ずれ補正量演算制御部324で算出した色ずれ補正量に基づいて画像データの書き出しタイミングを調整するようにすればよい。例えば、図9に示すタイムチャートに基づいて説明すると、マゼンタトナー画像(M)については、基準となる副走査方向の画像有効区間信号の立下りから時間aが経過したときに画像データの書き出しが実行され、シアントナー画像(C)については、マゼンタトナー画像(M)の副走査方向の画像有効区間信号の立下りから時間bが経過したときに画像データの書き出しが実行される。
【0091】
また、イエロートナー画像(Y)については、シアントナー画像(C)の副走査方向の画像有効区間信号の立下りから時間cが経過したときに画像データの書き出しが実行され、ブラックトナー画像(K)については、イエロートナー画像(Y)の副走査方向の画像有効区間信号の立下りから時間dが経過したときに画像データの書き出しが実行される。これらの時間a,b,c,dは、ブラックトナー画像の画像データの書き出し時間を基準にして設定されたものである。
【0092】
また、主走査方向の色ずれ補正をする場合は、ブラックトナー画像及び各カラートナー画像につき、LEDプリントヘッドからなる露光部227の主走査方向(ライン方向)の左右両側の端部に挿入する余白部分を形成するための白画素量(白画素の個数)を色ずれ補正量演算制御部324で算出した色ずれ補正量に応じて調整するようにしている。例えば、図10に示すタイムチャートに基づいて説明すると、読み出しクロック信号に同期して設定される露光部227の主走査方向における有効画像区間(有効画像区間信号(P)のON区間)内の端部(例えば、符号tで示す区間)に挿入する白画素量を色ずれ補正量演算制御部324で算出した色ずれ補正量に応じて調整することで、スキャナ50の記憶部52またはプリンタコントローラ60の記憶部62から読み出された画像データを主走査方向に移動させ、これにより色ずれ補正を行うようにしている。なお、露光部227の主走査方向の端部に挿入する白画素量は、色ずれ補正量演算制御部324で算出した色ずれ補正量と、画像のセンター位置を調整するために露光部227の主走査方向の端部に挿入される白画素量とから設定されることになる。この白画素は、露光部227に“0”の画像データを送出することで生成されるものである。
【0093】
記憶部326は、所定の処理プログラムや重心演算制御部323により算出された重心情報等を記憶するものである。
【0094】
次に、本実施形態に係る画像形成システムの動作について説明する。なお、説明の簡単化のため、画像形成装置10にスキャナ50のみが接続されている場合について説明する。図11は、画像形成システムの動作を示すフローチャートである。
【0095】
図11に示すように、図略の電源ボタンがONされる(ステップS1)と、色ずれ補正処理が行われる(ステップS2)。そして、スキャナ50に備えられる図略のスキャンボタンの押圧操作が行われる(ステップS3でYES)と、原稿の画像が読み取られ(ステップS4)、スキャナ50から画像形成装置10に画像データ等が送信される(ステップS5)。
【0096】
その後、色ずれ補正量演算制御部324により算出された補正値が記憶部326から読み出され(ステップS6)、この補正値と上記画像データとに基づき、画像形成ユニット221乃至224及び露光制御部325により色ずれ補正を行いつつ記録紙20に画像が形成される(ステップS7)。
【0097】
図12は、図11に示すフローチャートにおけるステップS2の色ずれ補正処理の具体的な処理を示すフローチャートである。
【0098】
図12に示すように、ステップ2における色ずれ補正処理は、先ず、駆動モータ32により駆動ローラ242を回転駆動させて転写ベルト243を所定の速度で副走査方向に移動させ、転写ベルト243表面の付着物をブレード246で掻き取ることでクリーニングが実行される(ステップS21)。その後、マーク形成制御部321により、スキャナ50の記憶部52に記憶されたレジストマークの画像データが取り込まれ、転写ベルト243が所定の周速で移動している転写ベルト243の主走査方向における両端部表面に各画像形成ユニット221乃至224により図4に示す線状パターンからなるレジストマークが形成される(ステップS22)。
【0099】
引き続き、転写ベルト243が移動することで転写ベルト243上のレジストマークが下流側に移動し、マーク計測制御部322による制御動作により反射型フォトセンサ245,245´から順次検出信号が出力され、この検出信号に基づいて各線状パターンK1,Y1,C1,M1及びK2,Y2,C2,M2の位置が検出される(ステップS13)。すなわち、重心演算制御部323の制御動作により反射型フォトセンサ245,245´からの出力信号に基づいて各線状パターンK1,Y1,C1,M1及びK2,Y2,C2,M2の重心が算出され、この算出された重心が各線状パターンの位置データとして記憶部326に記憶される。
【0100】
次いで、色ずれ補正量演算制御部324の制御動作によりブラックトナー画像に対する各カラートナー画像の斜め方向の色ずれ補正量が算出され(ステップS14)、引き続いてブラックトナー画像に対する各カラートナー画像の副走査方向の色ずれ補正量が算出され(ステップS15)、その後にブラックトナー画像及び各カラートナー画像の主走査方向の色ずれ補正量が算出される(ステップS16)。
【0101】
さらに、色ずれ補正制御部325の制御動作により各カラートナー画像の斜め方向の色ずれ補正が実行され(ステップS17)、引き続き各カラートナー画像の副走査方向の色ずれ補正が実行され(ステップS18)、その後にブラックトナー画像及び各カラートナー画像の主走査方向の色ずれ補正が実行される(ステップS19)。
【0102】
このように、スキャナ50及びプリンタコントローラ60に備えられている、画像データを記憶する記憶部52,62を、レジストマークの画像データを記憶する記憶部及びパターンジェネレータがコード情報をレジストマークの画像データに展開するための記憶部として兼用したので、記憶容量の大幅な増設等を行う必要がなくなり、画像形成システムのコストアップや大型化を抑制することができる。
【0103】
なお、本発明は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、例えば以下に述べるような種々の変形態様を必要に応じて採用することができる。
【0104】
(1)上記実施形態では、色ずれ補正量演算制御部324は、所定の計算式に基づいて色ずれ補正量を算出するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、制御部32を構成するROM等の記憶部に記憶させたテーブルを用いて色ずれ補正量を求めるようにすることも可能である。要は、色ずれ補正量演算制御部324は、計算式やテーブル等から色ずれ補正量を導出する機能を有しておればよい。
【0105】
(2)上記実施形態では、露光部227はLEDプリントヘッドから構成されたものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、レーザ光走査型のものであってもよい。
【0106】
(3)上記実施形態では、主走査方向、副走査方向及び斜め方向の各色ずれ補正処理を実行するようにしたが、これに限られず、上記3種類の色ずれ補正処理のうち少なくとも1の色ずれ補正処理を行うようにしてもよい。
【0107】
(4)上記実施形態では、画像形成装置10の動作を制御する外部機器として、スキャナ50とプリンタコントローラ60とを一例に挙げたが、本発明はこれに限られず、他の外部機器が画像形成装置10に接続可能であって、その外部機器に画像データ等、比較的情報量の多いデータを記憶する記憶部を備えている場合には、該記憶部をレジストマークの画像データを記憶する記憶部として兼用するとよい。
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、像担持体の周回方向に沿って配設された互いに異なる色のトナー画像を形成する複数の画像形成ユニットと、前記配列方向に記録紙を搬送させ、前記各画像形成ユニット及び前記像担持体を介して前記記録紙にトナー画像を順次重ねて転写する画像形成制御部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成制御部と通信可能に接続され、前記画像形成ユニットに所定の画像形成処理を行わせる外部機器とからなる画像形成システムにおいて、外部機器に、少なくとも、像担持体に形成される各色のトナー画像間のずれ量を検出するためのレジストマークの画像データを記憶する記憶部を備えたので、外部機器に元来備えられている記憶部をレジストマークの画像データを記憶する記憶部として兼用することができ、その結果、当該画像形成システムにおける画像形成装置に色ずれ補正を行わせるように構成する場合に、画像形成システムのコストアップや大型化を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおける画像形成装置の内部構成を概略的に示す図である。
【図2】反射型フォトセンサの配置構成を説明するための図である。
【図3】画像形成システムの制御構成を示す図である。
【図4】レジストマークの構成を説明するための図である。
【図5】反射型フォトセンサの出力波形を説明するための図である。
【図6】反射型フォトセンサのP波出力の重心を求める説明をするための図である。
【図7】斜め方向の色ずれ補正を説明するための図である。
【図8】斜め方向の色ずれ補正を説明するための図である。
【図9】副走査方向の色ずれ補正動作を説明するためのタイムチャートである。
【図10】主走査方向の色ずれ補正動作を説明するためのタイムチャートである。
【図11】画像形成装置とスキャナとが接続された場合の画像形成システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11に示すフローチャートの各ステップS2の色ずれ補正処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 画像形成装置
221〜224 画像形成ユニット
225 感光体ドラム
227 露光部
32 制御部
325 露光制御部
326 記憶部
40 パーソナルコンピュータ
50 スキャナ
51 制御部
52 記憶部
53 パターンジェネレータ
60 プリンタコントローラ
61 制御部
62 記憶部
63 パターンジェネレータ

Claims (2)

  1. 像担持体の周回方向に沿って配設された互いに異なる色のトナー画像を形成する複数の画像形成ユニットと、前記配列方向に記録紙を搬送させ、前記各画像形成ユニット及び前記像担持体を介して前記記録紙にトナー画像を順次重ねて転写する画像形成制御部とを備えた画像形成装置と、前記画像形成制御部と通信可能に接続され、前記画像形成ユニットに所定の画像形成処理を行わせる外部機器とからなる画像形成システムであって、
    前記画像形成装置は、前記像担持体に形成される各色のトナー画像間のずれ量を検出するためのレジストマークを検出するマーク検出部を前記像担持体に対面する位置に備え、
    前記外部機器は、前記レジストマークの画像データを記憶する記憶部、前記記憶部からレジストマークの画像データを前記画像形成装置へ読み出して前記像担持体へのレジストマークの形成動作を前記画像形成ユニットに指示するマーク形成指示部、及び前記像担持体に形成されたレジストマークを前記マーク検出部で検出させ、検出信号を用いて前記ずれ量を算出し、算出したずれ量から前記画像形成ユニットに色ずれ補正を行わせる色ずれ補正制御部のうち、少なくとも前記記憶部を備えることを特徴とする画像形成システム。
  2. 前記外部機器は、画像データを読出可能に記憶するプリンタコントローラ、及び原稿の画像を光学的に読み取るスキャナのうち、少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
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