JP2004156862A - 火炎の制御方法、小型パルス燃焼器、並びにヒータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼器10は、所定の温度条件で予混合ガスが消炎する形状からなる管11と、管11の一部の領域20を予混合ガスの自発着火温度以上に加熱する加熱装置12と、所定の温度条件からなる管の低温領域21の側から、加熱された領域である管の高温領域20の側に、予混合ガスを流すガス供給装置13とを備える。燃焼器10は、管11内で予混合ガスを振動的に燃焼させる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、火炎の制御方法に関し、特に、燃焼器の小型化に好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱効率が高い火炎の制御方法として、火炎を振動的に燃焼させるパルス燃焼技術がある。パルス燃焼技術は、排気される燃焼ガスの慣性を利用することにより、燃焼器内への吸気及び排気を間欠的に行い、燃焼を振動的に行うものである。その技術は推進機用として開発され、現在はボイラ加熱用バーナやガス化用バーナなど様々な装置に利用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭60−238677号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のパルス燃焼技術では、燃焼器の小型化を図ると、排気ダクト表面の摩擦損失が増大し、作動が困難となりやすい。例えば、プロパンなどの炭化水素燃料を使用した場合、作動限界サイズは燃焼器の容積で100cc程度と言われている。
【0005】
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、熱効率の高い発熱が可能であり、また、燃焼器の小型化を図ることができる火炎の制御方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、小型化が図られ、しかも熱効率の高い発熱が可能な小型パルス燃焼器を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、小型化が容易に図られるとともに、熱効率が高いヒータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の火炎の制御方法は、管内で予混合ガスを振動的に燃焼させる火炎の制御方法であって、前記管は、所定の温度条件で前記予混合ガスが消炎する形状からなり、前記管の一部の領域を前記予混合ガスの自発着火温度以上に加熱し、前記所定の温度条件からなる前記管の低温領域の側から、前記加熱された領域である前記管の高温領域の側に、前記予混合ガスを流すことを特徴とする。
この火炎の制御方法によれば、管の高温領域で予混合ガスが自発着火し、その火炎が低温領域に伝播し、低温領域で消炎する。低温領域で消炎すると、予混合ガスが再び管の高温領域で自発着火する。これにより、高温領域と低温領域との間で、予混合ガスが振動的に燃焼する。振動的な燃焼により、熱効率の高い発熱が可能となる。
なお、上記所定の温度条件は、上記自発着火温度より低い温度であればよい。
【0007】
上記の火炎の制御方法において、前記管は、内径が前記予混合ガスの消炎距離に基づいて定められているとよい。
これにより、上記の方法を小型の燃焼器に好ましく適用できる。
【0008】
また、上記の火炎の制御方法において、前記予混合ガスの管内流速は、前記管の高温領域での前記予混合ガスの燃焼速度に比べて低く設定されるとよい。
これにより、高温領域で自発着火した火炎が低温領域に向けて確実に伝播する。
【0009】
本発明の小型パルス燃焼器は、管内で予混合ガスを振動的に燃焼させる小型パルス燃焼器であって、前記管は、所定の温度条件で前記予混合ガスが消炎する形状からなり、前記管の一部の領域を前記予混合ガスの自発着火温度以上に加熱する加熱装置と、前記所定の温度条件からなる前記管の低温領域の側から、前記加熱された領域である前記管の高温領域の側に、前記予混合ガスを流すガス供給装置とを備えることを特徴とする。
この小型パルス燃焼器によれば、上記の本発明の火炎の制御方法を実施できることから、小型でありながら、熱効率の高い発熱が可能となる。
【0010】
上記の小型パルス燃焼器において、前記管は、内径が前記予混合ガスの消炎距離に基づいて定められていることにより、小型化が確実に図られる。
【0011】
また、上記の小型パルス燃焼器において、前記加熱装置は、他の熱源からの熱を用いて前記加熱を行ってもよく、あるいは、前記予混合ガスの燃焼による熱を用いて前記加熱を行ってもよい。
予混合ガスの燃焼による熱を用いて管の高温領域の加熱を行うことにより、一層の小型化や熱効率の向上が図られる。
【0012】
本発明のヒータは、加熱部を備えるヒータであって、前記加熱部は、上記の小型パルス燃焼器を有することを特徴とする。
このヒータによれば、小型化が容易に図られるとともに、熱効率が高い。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の火炎の制御方法について説明する。
一般に、燃料と必要な量の酸化剤(空気や酸素など)とが混合された予混合ガスは、所定の温度に達するとその後温度が急上昇して燃焼をはじめる。これを自発着火(自己着火、自発火ともいう)といい、そのときの温度を自発着火温度という。また、管内で予混合ガスが燃焼すると、その火炎は周囲の未燃混合ガスに伝播する。その伝播速度が燃焼速度であり、燃焼速度は燃料の種類や環境に応じて変化する。また、管内では、管壁への熱移動速度が発熱速度を上回ると、火炎が維持されず、消炎(quenching)する。
【0014】
本発明者らは、予混合ガスの燃焼及び消炎に関するこの一般的な事実と、管の内径が小さくなることによっても消炎が生じるという事実に着目し、鋭意検討の結果、消炎が生じる小径の管を燃焼容器として使用し、その管の一部を加熱することにより、その管の内部で火炎の伝播を制御できることを解明した。ここで、火炎が伝播しなくなる2つの平行平板の間隙の限界値を消炎距離(quenching distance)といい、円管の場合は消炎径(quenching diameter)ともいう。
【0015】
すなわち、本発明の火炎の制御方法においては、予混合ガスの消炎距離と同程度以下の内径の管を燃焼容器として使用するとともに、その管の一部の領域を上記予混合ガスの自発着火温度以上に加熱し、その管の低温領域の側から高温領域の側に向けて予混合ガスを流す。これにより、低温領域と高温領域との間で予混合ガスを振動的に燃焼させることが可能となる。
【0016】
図1は、本発明の火炎の制御原理を説明するための図である。
図1において、燃焼容器としての管は、その内径が予混合ガスの消炎距離(消炎径)以下に形成されている。また、管の一部(高温領域)が予混合ガスの自発着火温度以上に加熱され、未加熱の低温領域の側から、加熱された高温領域の側に予混合ガスが流れる。なお、自発着火温度は、予混合ガスの組成に応じて変化する。
【0017】
高温領域において、予混合ガスは自発着火温度以上に加熱されることにより、自発着火する。火炎はその部分に定在することなく、予混合ガスの供給側である上流(低温領域)に向けて伝播する。このとき、火炎の伝播に伴い、燃焼による熱の一部が管壁に移動する。火炎が低温領域に達すると、管壁への熱移動量が増え、ついには消炎する。つまり、低温領域においては、消炎距離に基づく冷却効果により、燃焼が維持できない。消炎すると、再び、予混合ガスが高温領域において自発着火し、火炎が上流の低温領域に向けて伝播する。これにより、高温領域と低温領域との間で火炎伝播が繰り返され、例えば数十Hz〜数百Hzの周期で火炎が振動する。
【0018】
予混合ガスの管内流速は、高温領域での予混合ガスの燃焼速度(伝播速度)に比べて低いのが好ましい。これにより、高温領域で自発着火した火炎が上流に向けて確実に伝播する。以下の表1に、数種類の予混合ガスについて、常温常圧環境下における燃焼速度を測定した結果をそれぞれ示す。なお、燃焼速度は、予混合ガスの組成比や、圧力、温度などの環境因子に応じて変化する。高温環境になると、燃焼速度は大きくなる。
【0019】
《表1》
【0020】
管の高温領域は、予混合ガスの着火遅れに応じてその長さ(管の軸方向長さ)が定められるのが好ましい。着火遅れ分を含む自発着火に必要な距離は、予混合ガスの組成や、予混合ガスの管内流速などに応じて変化する。管の高温領域が予混合ガスの自発着火に必要な距離以上の長さを有することにより、予混合ガスが確実に自発着火する。
【0021】
本発明の火炎の制御方法においては、管内で予混合ガスが振動的に燃焼することから、管内での境界層の発達が抑制され、高い熱伝達率で、燃焼による熱が管壁に移動する。つまり、燃焼による熱が少ない損失で効率的に管壁に移動する。そのため、熱効率の高い発熱が可能となる。しかも、火炎が脈動する領域が発熱領域となることから、局所的な熱集中が防止される。これは、発した熱を他の物体に伝達するにあたって有利である。
【0022】
また、本発明の火炎の制御方法においては、燃焼容器として、消炎距離程度以下の内径の管を使用し、この管内で予混合ガスを振動的に燃焼させる。そのため、小型の燃焼器への適用が可能である。以下の表2に、上記数種類の予混合ガスについて、その消炎距離(消炎径)をそれぞれ示す。なお、ここで示す消炎距離は常温常圧環境下のものである。
【0023】
《表2》
【0024】
また、実施例として、本発明の火炎の制御方法に基づいて、メタンと空気とを含む予混合ガスを、内径2mmの円管(石英管)内で燃焼させ、その様子を高速度高感度カメラで観察したところ、先の図1に示した過程からなり、高温領域と低温領域との間を約40Hzで振動する火炎が観察された。
【0025】
次に、本発明のパルス燃焼器について説明する。
図2は、本発明のパルス燃焼器の実施の形態例を模式的に示す図であり、このパルス燃焼器は、上述した本発明の火炎の制御方法に基づいて、予混合ガスを振動的に燃焼させるものである。
【0026】
図2において、パルス燃焼器10は、燃焼容器としての燃焼管11、加熱装置12、及び燃焼管11内に予混合ガスを供給するガス供給装置13等を備えて構成されている。
【0027】
予混合ガスは、燃料と必要な量の酸化剤(空気や酸素など)とを予め混合したものである。燃料としては、例えば、プロパン、ヘキサン、エチレン、アセチレン、及び水素などの可燃気体が挙げられる。ただし、本発明はこれに限定されない。また、燃料は単独で使用してもよいし、異種燃料を組み合わせて使用してもよい。
【0028】
燃焼管11は、本例では円形の一様な流路断面を有する円管からなり、その内径は使用する予混合ガスの消炎距離と同程度以下である。実際には、燃焼管11は、後述する低温領域の温度条件において予混合ガスが消炎する内径を有していればよい。一例として、燃焼管11の内径は、常温環境での消炎距離の10〜120%程度の範囲内に定められる。なお、上記数値は一例であって、燃焼管11の温度条件に応じて変化する。
【0029】
また、例えば、プロパンと空気とを含む予混合ガスを用いる場合、その予混合ガスの消炎距離(消炎径)は約2.7mmであることから、燃焼管11の内径は、2.7mm以下、例えば2.0mm程度に形成される。
【0030】
なお、燃焼管11は円管に限定されず、矩形の流路断面を有する矩形管など、他の形状であってもよい。この場合、消炎距離の値としては、その流路の形状に応じたものを使用するのが好ましい。また、燃焼管11の材質としては、金属などの熱伝導率が高いものが好ましい。異なる材質の部材を組み合わせて使用してもよい。
【0031】
加熱装置12は、燃焼管11の一部の領域を、使用する予混合ガスの自発着火温度以上、例えば自発着火温度の100〜200%程度の範囲内に加熱するものである。なお、上記数値は一例であって、燃焼管11の熱特性などに応じて変化する。加熱温度は、予混合ガスが確実に燃焼管11内で自発着火する温度以上であるのが好ましく、構成部材が耐えられかつエネルギー損失が大きくならない温度以下であるのが好ましい。
【0032】
例えば、プロパンと空気とを含む予混合ガスを用いる場合、その自発着火温度は、450℃程度であることから、加熱温度は例えば450〜900℃程度に定められる。
【0033】
加熱装置12としては、燃焼管11の所定の領域を上記温度以上に加熱できればよく、電熱線を備える電熱ヒータなど、公知の様々な加熱装置が適用可能である。
【0034】
ここで、上記燃焼管11のうち、加熱装置12によって自発着火温度程度以上に加熱される領域を高温領域20、高温領域20の一方の側に配される未加熱の領域を低温領域21と呼ぶことにする。高温領域20と低温領域21とは燃焼管11の軸方向に並べて配される。
【0035】
高温領域20は、使用する予混合ガスの着火遅れに応じてその長さ(管の軸方向長さ)が定められる。また、低温領域21は、高温領域20から伝播する火炎が確実に消炎するようにその長さが定められる。高温領域20から伝わる熱による低温領域21の温度上昇を抑えるために、低温領域21を冷却してもよい。また、燃焼管11の高温領域20と低温領域21とを互いに異なる部材で構成してもよい。あるいは、燃焼管11の高温領域20と低温領域21との間に熱の伝達を防ぐ部材を挟んでもよい。
【0036】
ガス供給装置13は、燃焼管11の低温領域21の側から高温領域20の側に向けて予混合ガスを連続的に流すものである。つまり、燃焼管11の低温領域21の側の端部から燃焼管11の内部に予混合ガスを供給する。予混合ガスの管内流速は、燃焼管11の高温領域20での予混合ガスの燃焼速度に比べて低く、低温領域21での予混合ガスの燃焼速度に比べて高く設定される。なお、前述したように、高温環境になると、燃焼速度は大きくなる。また、燃焼管11に供給された予混合ガス、及び燃焼ガスは燃焼管11の高温領域20の側の端部から適宜排出される。
【0037】
図3は、本例のパルス燃焼器10における燃焼の様子を示す図である。
上記のパルス燃焼器10では、加熱装置12によって燃焼管11の一部の領域が加熱されることにより、使用する予混合ガスの自発着火温度以上の高温領域20と、低温の低温領域21とが形成される。また、ガス供給装置13によって、燃焼管11の低温領域21の側から高温領域20の側に向けて予混合ガスが連続的に供給される。
【0038】
燃焼管11の高温領域20で予混合ガスが自発着火し、その火炎が低温領域21に伝播し、低温領域21で消炎する。低温領域21で消炎すると、予混合ガスが再び管の高温領域20で自発着火する。これにより、燃焼管11の高温領域20と低温領域21との間で、予混合ガスが振動的に燃焼する。振動的な燃焼により、小型でありながら、高い熱効率で発熱する。
【0039】
図4は、本発明のパルス燃焼器の実施の他の形態例を模式的に示す図である。先の図2に示した例と異なり、本例のパルス燃焼器50は、他の熱源からの熱を用いて燃焼管の加熱を行うのではなく、予混合ガスの燃焼による熱(排熱)を用いて燃焼管11の加熱を行う。
【0040】
パルス燃焼器50は、先の例と同様に、燃焼容器としての燃焼管51、加熱装置52、及び燃焼管51内に予混合ガスを供給するガス供給装置53等を備えて構成されている。また、先の例と異なり、加熱装置52は、燃焼ガスの熱を予混合ガスに伝達する板状の部材(以後、中間伝熱板52と称する)からなる。
【0041】
燃焼管51は、予混合ガスの流れの方向に関して、流路がU字状に折り曲げられており、予混合ガスの供給側の流路60と、燃焼ガスの排出側の流路61とが上述した中間伝熱板52を挟んで互いに対向して配されている。なお、燃焼管51の断面積は、円形でも矩形でもよく、他の形状でもよい。中間伝熱板52は、金属などの熱伝導率が高い板状部材からなる。
【0042】
また、予混合ガスの流れの方向に関して、ガス供給側の流路60とガス排出側の流路61との間には、着火位置となる流路(着火部62)が設けられている。この着火部62は、他の流路60,61に比べて断面積が広くなっている。
【0043】
図5は、本例のパルス燃焼器50における燃焼の様子を示す図である。
本例のパルス燃焼器50では、まず、ガス供給装置53によって燃焼管51の流路60側から予混合ガスが供給される。予混合ガスは、流路60を流れた後、着火部62で反転し、流路61を逆方向に向けて流れる。燃焼の始動にあたっては、不図示の始動装置によって着火部62の予混合ガスを着火する。この始動装置は、例えば、燃焼管51の内部を一時的に予混合ガスの自発着火温度以上に加熱するもの、あるいは一時的に点火するものなどが用いられる。
【0044】
着火部62で着火した火炎は、予混合ガスの供給側である上流に向けて流路60内を伝播するとともに、その燃焼ガス(燃焼排ガス)が下流側の流路61内を流れる。燃焼ガスの熱(排熱)は、中間伝熱板52を介して流路61の側から流路60の側に伝えられ、その熱によって流路60を流れる予混合ガスが加熱される。
【0045】
伝達される熱は、着火部62に近いほど多く、離れるほど少ない。そのため、流路60のうち、着火部62に近い側の領域が予混合ガスの自発着火温度に近い高温領域65となり、着火部62に対して遠い側の領域がそれより低温の低温領域66となる。
【0046】
流路60内を上流に向けて伝播する火炎は、低温領域66において、消炎距離に基づく冷却効果により、燃焼が維持できずに消炎する。消炎の後、予混合ガスは高温領域65において自発着火温度に近い温度に加熱され、着火部62において消炎距離の制約から解放されて自発着火する。
【0047】
ここで、前述したように、着火部62は流路60,61に比べて断面積が広い。そのため、その環境下における予混合ガスの自発着火温度は流路60,61に比べて低く、着火部62の温度は、その環境下における予混合ガスの自発着火温度以上となる。つまり、予混合ガスは、着火部62において、流路60に比べて低い温度で自発着火することができる。
【0048】
そして、その火炎が低温領域66に向けて再び伝播する。これにより、高温領域65と低温領域66との間で火炎伝播が繰り返され、予混合ガスが振動的に燃焼する。
【0049】
上記のパルス燃焼器50では、先の実施例と同様に、振動的な燃焼により、小型でありながら、高い熱効率で発熱する。また、先の実施例と異なり、予混合ガスの燃焼ガスの熱、いわゆる排熱を用いて高温領域65の加熱を行う。そのため、熱利用の効率化が図られるとともに、他の熱源を備える必要がないため、装置の小型化や簡素化が図られる。
【0050】
なお、本例では、燃焼管の高温領域の加熱を、燃焼ガスの熱のみを用いて行っているが、他の熱源と組み合わせて高温領域の加熱を行ってもよい。
【0051】
上記本発明の小型パルス燃焼器は、加熱部を備える様々なヒータに適用することができる。本発明の小型パルス燃焼器を加熱部として備えるヒータは、小型化が容易に図られるとともに、熱効率が高く、様々な用途に適用される。用途としては、例えば、半導体デバイスや液晶デバイスなどの電子デバイスの製造装置、成型装置、真空装置などが挙げられるが、本発明はこれに限定されない。また、本発明の小型パルス燃焼器に熱電素子を設置し、小型の発電機としてもよい。
【0052】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の火炎の制御方法によれば、熱効率の高い発熱が可能であり、また、燃焼器の小型化を図ることができる。
【0054】
また、本発明の小型パルス燃焼器によれば、小型化が図られ、しかも熱効率が高い。
【0055】
また、本発明のヒータによれば、小型化が容易に図られるとともに、熱効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の火炎の制御原理を説明するための図である。
【図2】本発明のパルス燃焼器の実施の形態例を模式的に示す図である。
【図3】図2のパルス燃焼器における燃焼の様子を示す図である。
【図4】本発明のパルス燃焼器の実施の他の形態例を模式的に示す図である。
【図5】図4のパルス燃焼器における燃焼の様子を示す図である。
【符号の説明】
10,50…パルス燃焼器、11,51…燃焼管、12,52…加熱装置、13,53…ガス供給装置、20,65…高温領域、21,66…低温領域。
Claims (8)
- 管内で予混合ガスを振動的に燃焼させる火炎の制御方法であって、
前記管は、所定の温度条件で前記予混合ガスが消炎する形状からなり、
前記管の一部の領域を前記予混合ガスの自発着火温度以上に加熱し、
前記所定の温度条件からなる前記管の低温領域の側から、前記加熱された領域である前記管の高温領域の側に、前記予混合ガスを流すことを特徴とする火炎の制御方法。 - 前記管は、内径が前記予混合ガスの消炎距離に基づいて定められていることを特徴とする請求項1に記載の火炎の制御方法。
- 前記予混合ガスの管内流速は、前記管の高温領域での前記予混合ガスの燃焼速度に比べて低く設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の火炎の制御方法。
- 管内で予混合ガスを振動的に燃焼させる小型パルス燃焼器であって、
前記管は、所定の温度条件で前記予混合ガスが消炎する形状からなり、
前記管の一部の領域を前記予混合ガスの自発着火温度以上に加熱する加熱装置と、
前記所定の温度条件からなる前記管の低温領域の側から、前記加熱された領域である前記管の高温領域の側に、前記予混合ガスを流すガス供給装置とを備えることを特徴とする小型パルス燃焼器。 - 前記管は、内径が前記予混合ガスの消炎距離に基づいて定められていることを特徴とする請求項4に記載の小型パルス燃焼器。
- 前記加熱装置は、他の熱源からの熱を用いて前記加熱を行うことを特徴とする請求項5に記載の小型パルス燃焼器。
- 前記加熱装置は、前記予混合ガスの燃焼による熱を用いて前記加熱を行うことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の小型パルス燃焼器。
- 加熱部を備えるヒータであって、
前記加熱部は、請求項4から請求項7のうちのいずれかに記載の小型パルス燃焼器を有することを特徴とするヒータ。
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