JP6136654B2 - 予混合燃焼装置、及び、その火炎制御方法 - Google Patents
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Description
本発明はロケットエンジンやガスタービンエンジンなどの高圧連続燃焼を行う予混合燃焼装置及び、その火炎制御方法に関する。
近年、ロケットエンジンやガスタービンエンジンなどでは、排出される窒素酸化物(NOx)が酸性雨や光化学スモッグ等の原因となるので、NOx等の有害排出物を低減するために、予混合燃焼方式が採用されている。
予混合燃焼方式は、火炎温度を抑えながら燃焼が可能なため有害排出物を低減できるのであるが、燃焼の安定範囲の幅が狭く、失火や逆火など不安定な燃焼が問題となる。
火炎の吹き飛びは、予混合気の流速が燃焼速度を上回り、火炎が伝播できないために発生する現象である。したがって、吹き飛びを抑制するためには、予混合気に対し、低速の領域を形成させることが必要不可欠である.
そこで、従来の燃焼器では、例えば、燃料と酸化剤の予混合気にスワーラで強旋回を加えることで生じる逆流領域で保炎している(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の開示技術のように、燃料と酸化剤の予混合気にスワーラで強旋回を加えることで生じる逆流領域で保炎するのでは、燃焼安定性が向上する一方で、未燃ガスがスワーラを通過するために、圧力損失が生じるという問題がある。圧力損失は、ガスタービン機関にとって、効率に大きく影響するため、できる限り小さい方が望ましい。
また、航空機のアフターバーナ等では保炎器を用いて、保炎器の下流側で生じる再循環領域内で保炎をしている。
このように保炎器を用いる場合、保炎器が火炎にさらされるため、熱による強度の低下などの熱疲労が問題となる。
また、火炎上流の流れ場に振動励起を与えることにより、浮き上がり噴流火炎を変化させ、噴流型燃焼器における燃焼制御を行うことが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2の開示技術では、逆流領域を作らず、また火炎制御を目的としており、流速が速いと保炎できない。
近年、ロケットエンジンやガスタービンエンジンなどの高圧連続燃焼を行う噴流型燃焼装置では、高温化にともなう有害排出物の低減と安定燃焼の両特性の確保が必要とされる。
そこで、本件発明者等は、空気と燃料とを予め混合して得た予混合気を燃焼する予混合燃焼装置において、有害排出物の低減と安定燃焼の両特性を確保するために、円筒状の燃焼室内に一対のスピーカを用いた定在音場形成手段により定在音場を形成し、上記燃焼室内で火炎に対して上記定在音場を印加することにより、上記定在音場の速度振動の腹において発生する圧力波の進行方向に対して垂直方向への二次流れと、火炎に形成される皺を用いて、火炎の保炎を行うことを先に提案している(例えば、特許文献3参照。)。
この特許文献3の開示技術では、火炎に直接定在音場を作用させ、火炎に対し乱れを与えることによって吹き飛びを抑制することで、圧力損失を抑えた燃焼を行うことができる。
ところで、特許文献3の開示技術では、火炎に直接定在音場を作用させることにより、火炎に非接触で保炎を行うことができるのであるが、燃焼器に対してスピーカを配置する必要がある。
スピーカは熱に弱く、ロケットエンジンやガスタービンエンジンなどの高圧連続燃焼を行う噴流型燃焼装置において、熱的な負荷を低減して、スピーカにより火炎に直接定在音場を作用させて保炎を行うのは困難であることが判明した。
また、スピーカにより火炎に直接定在音場を作用させて保炎を行うには、スピーカを駆動するのに電気的なエネルギーを別途必要とする。
さらに、一対のスピーカを用いた定在音場形成手段により円筒状の燃焼室内に形成される定在音場は、円筒状の燃焼室の共鳴周波数が燃焼温度によって変化することにより、不安定であるので、温度の変化を検出するセンサや周波数を制御する機器などを用いて安定化する必要がある。
そこで、本発明の目的は、電気的なエネルギーを必要とすることなく、 構造が単純で、少ない部品で簡単に製造することができ、しかも、高音条件下で安定に動作可能な予混合燃焼装置、及び、その火炎制御方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
本発明では、少なくとも1つの共鳴管を加熱手段で局所的に加熱することにより自励振動を発生させ、燃焼空間に定在音場を形成し、燃焼空間における火炎に直接定在音場を作用させることによって、火炎に対し乱れを与えることによって吹き飛びを抑制することで、圧力損失を抑えた燃焼を行う。
すなわち、本発明は、空気と燃料とを予め混合して得た予混合気を燃焼する予混合燃焼装置において、少なくとも1つの共鳴管を加熱手段で局所的に加熱することにより自励振動を発生させ、燃焼空間に定在音場を形成する定在音場形成手段を備え、上記燃焼空間で火炎に対して上記定在音場を印加することにより、上記定在音場の速度振動の腹において発生する圧力波の進行方向に対して垂直方向への二次流れと、火炎に形成される皺を用いて、火炎の保炎を行うことを特徴とする。
本発明に係る予混合燃焼装置において、上記定在音場形成手段は、それぞれ加熱手段で局所的に加熱される一対の共鳴管を備え、上記一対の共鳴管の開口部を対向させた空間を上記燃焼空間とし、上記一対の共鳴管を局所的に加熱することにより自励振動を発生させて、上記一対の共鳴管を共鳴させることにより、上記燃焼空間に定在音場を形成するものとすることができる。
また、本発明に係る予混合燃焼装置は、上記加熱手段として、上記共鳴管内に設けられたバーナーを備えるものとすることができる。
さらに、本発明に係る予混合燃焼装置は、上記加熱手段として、上記燃焼空間で予混合気を燃焼させることにより発生した熱を上記共鳴管の局所的な加熱領域に伝達する熱伝達部材を備えるものとすることができる。
本発明は、空気と燃料とを予め混合して得た予混合気を燃焼する予混合燃焼装置における火炎制御方法であって、少なくとも1つの共鳴管を局所的に加熱することにより自励振動を発生させ、上記共鳴管を共鳴させることにより、燃焼空間に定在音場を形成し、上記燃焼空間で火炎に対して上記定在音場を印加することにより、上記定在音場の速度振動の腹において発生する圧力波の進行方向に対して垂直方向への二次流れと、火炎に形成される皺を用いて、火炎の保炎を行うことを特徴とする。
本発明によれば、空気と燃料とを予め混合して得た予混合気を燃焼する予混合燃焼装置において、少なくとも1つの共鳴管を加熱手段で局所的に加熱することにより自励振動を発生させ、燃焼空間に定在音場を形成し、燃焼空間における火炎に直接定在音場を作用させて火炎に対し乱れを与えることによって吹き飛びを抑制することで、圧力損失を抑えた燃焼を行うことができ、有害排出物の低減と安定燃焼の両特性を確保できる。
また、本発明によれば、電気的なエネルギーを必要とすることなく、また、自励振動を利用しているので、共鳴状態も温度の変化に合わせて自動的に維持されるので、共鳴状態を制御する必要がないばかりでなく、従来のスワーラや保炎器のように予混合気流の流れを妨げないので、圧力低下を抑制することができる。したがって、構造が単純で、少ない部品で簡単に製造することができ、しかも、火炎に晒されるのは、自励音であるので、熱的な負荷も小さく、高音条件下で安定に動作可能な予混合燃焼装置を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、例えば図1に示すような構成の燃焼装置100に適用される。
この燃焼装置100は、空気と燃料とを予め混合して得た予混合気を燃焼する予混合燃焼装置であり、燃焼用空気と燃料を混合する予混合室10と、この予混合室10において燃焼用空気と燃料とを混合した予混合気を噴射する主バーナーノズル20と、上記主バーナーノズル20から噴射された予混合気を燃焼させる燃焼空間30を備える。
上記予混合室10に供給される燃焼用空気と燃料の各供給路には、上記燃焼用空気と燃料の各流量を計測する流量計11,12が設けられている。
なお、燃料用空気は、サージタンク13を介して上記予混合室10に供給されるようになっている。
また、この燃焼装置100は、上記燃焼空間30における火炎に直接定在音場を作用させることによって、火炎に対し乱れを与えることによって吹き飛びを抑制することで、圧力損失を抑えた燃焼を行う機能を有するものであって、上記燃焼空間30に定在音場を形成する定在音場形成手段として、局所的に加熱される一対の共鳴管41,42を備える。上記一対の共鳴管41,42は、例えば、それぞれ略L字状に屈曲させた直径(Φ1)32mm、高さ(L1)940mmのステンレス円筒管からなり、上端側に位置する各一方の開口部41A,42Aを対向させた間隔(L2)50mmの空間を上記燃焼空間30としてある。また、上記一対の共鳴管41,42を局所的に加熱する加熱手段として、例えば、ノズル径(Φ2)15mmの励起バーナー51,52が、上記共鳴管41,42の下端側にある各他方の開口部41B,42Bから挿入され、上記共鳴管41,42内に設置されている。上記励起バーナー51,52は、上記共鳴管41,42の4分の1の長さの付近を局所的に加熱する加熱手段として機能する。
このような構成の燃焼装置100において、上記開口部41A,42Aを対向させた空間を上記燃焼空間30とした上記一対の共鳴管41,42と、上記一対の共鳴管41,42を局所的に加熱する励起バーナー51,52は、ヒギンズの方法に基づく自励振動発生器を構成しており、上記励起バーナー51,52で上記一対の共鳴管41,42を局所的に加熱することにより上記一対の共鳴管41,42内に自励振動を発生させて、上記開口部41A,42Aを対向させた空間を上記燃焼空間30とした上記一対の共鳴管41,42による音響空間を共鳴させることにより、上記燃焼空間30に定在音場を形成する定在音場形成手段として機能する。
ここで、定在音場の速度振動の腹に密度変化を与えると、図2に示すように、圧力波の進行方向に対して垂直方向に二次流れが発生する。また、強い音圧の下では音響振動により火炎に皺が形成される。
本件発明者等は、上記特許文献3(特開2012−225515号公報)にも開示されているように、バーナーノズルから噴射された予混合気を燃焼させる円筒状の燃焼室内で火炎に対して一対のスピーカにより形成される定在音場を印加することにより、上記定在音場の速度振動の腹において発生する圧力波の進行方向に対して垂直方向への二次流れと、音による圧力勾配と燃焼による密度勾配によって生じるバロクリニックトルクに起因して火炎に形成される皺を用いて、火炎の保炎を行うことにより、希薄予混合火炎の吹き飛び等の不安定な燃焼を解消し、安定燃焼を実現できることを確認している。具体的には、プロパンガスの予混合気を燃焼し、155dB以上の定在音場により保炎を行うことにより、吹き飛び限界が改善でき、周波数480Hz、実効音圧1.8kpa(SPL=159dB)の条件の下で、予混合気流速が50m/s程度の流速まで、プロパンの可燃限界付近(当量比0.5付近)まで、火炎の吹き飛びを生じさせずに保炎することができることを確認している。
また、上記特許文献3に示した構造の希薄予混合燃焼装置における火炎の安定化メカニズムを確認するために、燃焼室における予混合気流が低速度(Uu=3.0m/s)で火炎を保炎器で固定して単純なV型の火炎が形成される状態で、予混合気流の燃料の混合状態と定在音場(f=495Hz)の有無による火炎の変化を観察(露光時間:1/250s)したところ、図3及び図4に示すような結果が得られた。
図3は、当量比1.1の燃料が豊富な状態における火炎の状態を示している。
図3の(A)は、定在音場を形成しない場合での火炎の状態を示す。
この状態から定在音場を形成して、音圧を印加すると、燃料が豊富な場合、火炎は音圧により変形して、図3の(B)に示すように、0.3kPaの音圧でバーナー縁に固定された状態となる。
定在音場を形成して、0.3kPaの音圧を火炎に印加した状態では、図3の(C)に示すように、保炎器を取り除いても、火炎は、吹き飛ばされることなく、バーナー縁に固定された状態で安定している。
これに対し、図4は、当量比0.9の燃料が希薄な状態における火炎の状態を示している。
図4の(A)は、定在音場を形成しない場合での火炎の状態を示す。
燃料が希薄な場合、定在音場を形成して、音0.3kPaの音圧を印加しても、図4の(B)に示すように、火炎は音圧により少し変形するだけで、バーナー縁に固定された状態となることはなかった。
また、定在音場を形成して、0.3kPaの音圧を火炎に印加した状態で保炎器を取り除くと、火炎は、吹き飛ばされてしまった。
また、当量比と音圧をパラメータとして火炎の保炎の状態を観察した結果、火炎を形成する燃料の当量比φを横軸、火炎に印加される音圧Ps[kPa]を縦軸とする図5に示すような結果が得られた。
すなわち、図5には、火炎に音圧を印加することにより、燃料が豊富な状態における火炎が、保炎器なしで、吹き飛ばされることなく、バーナー縁に固定された状態で安定している最小限の音圧を○印にして示し、燃料が希薄な状態における火炎が、保炎器なしでは、吹き飛ばされ消火されてしまう最小限の音圧を×印にして示してある。
当量比1.1以上の燃料が豊富な状態における火炎は、○印にて示す音圧以上の定在波を印加することにより、安定に保炎することができる。
当量比1.1未満の燃料が希薄な状態における火炎は、×印にて示す音圧以上の定在波を印加することにより、保炎器なしでは、吹き飛ばされ消火されてしまう。
さらに、音圧を徐々に増やした場合のプロパン火炎の変形の状態を観察(露光時間:1/247μs)して得られた順次画像を図6に示す。
図6において、白色線はバーナーノズル位置を示す、そして、白丸は保炎器を代表する。
画像(a)は、音圧を増やす前の火炎を示し、音圧は、0.3kPaの画像(f)まで、徐々に増やされる
図6において、V型の予混合炎は、係留点である保炎器の下流につくられ、その下流に拡散火炎を伴う。
音圧の印加により火炎の外縁は、折られて、画像(b),(c),(d),(e)のように徐々に下方に延び、0.3kPaの音圧で、画像(f)のようにバーナー縁の方へ動かされ、最後に、この部分が新しい係留点になる。
ここで、燃料希薄混合気の場合、図7の(A)に示すように、燃料残留油がないので予混合炎は生じず、拡散火炎が下流に存在しない。これに対し、燃料の豊富な混合の場合、図7の(B)に示すように、余剰燃料によって拡散火炎がつくられ、燃料成分は、火炎端の下流の空気に接触することにより、その外縁は予備混合されて拡散火炎がつくられる。
本実施の形態における燃焼装置100は、本件発明者等が先に提案している円筒状の燃焼室内に一対のスピーカを用いて定在音場を形成する定在音場形成手段に代えて、上記開口部41A,42Aを対向させた空間を上記燃焼空間30とした上記一対の共鳴管41,42と、上記一対の共鳴管41,42を局所的に加熱する励起バーナー51,52による定在音場形成手段を採用することにより、電気的なエネルギーを必要とすることなく、構造が単純で、少ない部品で簡単に製造することができ、しかも、高音条件下で安定に動作可能な予混合燃焼装置を実現したものである。
すなわち、上記予混合燃焼装置100では、開口部41A,42Aを対向させた空間を燃焼空間30とした一対の共鳴管41,42を励起バーナー51,52により局所的に加熱することで、自励振動が始まり、燃焼空間30における火炎は自励音に晒され、例えば図8に示すように、吹き飛びなど生じさせずに安定した火炎とすることができる。
図8は、上記予混合燃焼装置100の燃焼空間30における火炎を329μsの露光時間で撮影したもので、(A)はその瞬時画像を示し、(B)は85msに亘る平均画像を示している。
上記予混合燃焼装置100では、プロパンを燃料として供給し、1.5の混合当量比で、主バーナーノズル20からの出口流速で5m/sとした場合でも安定した火炎を得ることができた。
すなわち、この燃焼装置100では、一対の共鳴管41,42を局所的に加熱することにより自励振動を発生させ、上記共鳴管41,42を共鳴させることで上記燃焼空間30に定在音場を形成し、その定在波を火炎に対して直接印加することで生じる二次流れによる逆流領域、及び、それに伴う皺によって火炎の吹き飛びを抑制することができる。
このように、上記開口部41A,42Aを対向させた空間を上記燃焼空間30とした上記一対の共鳴管41,42と、上記一対の共鳴管41,42を局所的に加熱する励起バーナー51,52による定在音場形成手段は、電気的なエネルギーを必要とすることなく、また、自励振動を利用しているので、共鳴状態も温度の変化に合わせて自動的に維持されるので、共鳴状態を制御する必要がないばかりでなく、従来のスワーラや保炎器のように予混合気流の流れを妨げないので、圧力低下を抑制することができる。したがって、構造が単純で、少ない部品で簡単に製造することができ、しかも、火炎に晒されるのは、自励音であるので、熱的な負荷も小さく、高音条件下で安定に動作可能な予混合燃焼装置を実現することができる。
ここで、上記予混合燃焼装置100では、上記共鳴管41,42の下端側にある各他方の開口部41B,42Bから挿入され、上記共鳴管41,42内に設置された励起バーナー51,52により、上記共鳴管41,42を局所的に加熱するようにしたが、上記共鳴管41,42を局所的に加熱する加熱手段として、例えば、図9に示す燃焼装置100Aのように、燃焼空間30で予混合気を燃焼させることにより発生した熱を共鳴管41,42の局所的な加熱領域に伝達する熱伝達部材例えばヒートパイプ151,152を備えるものとすることもできる。
また、例えば、図10に示す燃焼装置100Bのように、共鳴管41,42を逆さに配置して、燃焼空間30で予混合気を燃焼させることにより発生した熱Qを上記共鳴管41,42の局所的な加熱領域に直接伝達することにより、自励振動を発生させ、上記共鳴管41,42を共鳴させることができる。この燃焼装置100Bでは、上記共鳴管41,42の外側に冷却用の空気を流す通路161、162を設けて、上記共鳴管41,42の外側を空冷することにより、上記共鳴管41,42の上側よりも下側の方が温度が下がるような温度勾配を与えるとともに、上記燃焼空間30で予混合気を燃焼させることにより発生した熱Qを上記共鳴管41,42の局所的な加熱領域に直接伝達して、自励振動を発生させるようにしている。
また、上記予混合燃焼装置100では、一対の共鳴管41,42を局所的に加熱することにより、自励振動を発生させ、上記共鳴管41,42を共鳴させることで燃焼空間30に定在音場を形成するようにしたが、1つの共鳴管だけでも局所的に加熱することにより自励振動を発生させることができので、例えば、上記一対の共鳴管41,42の一方を反射板に置き換えて、1つの共鳴管とその開口と所定の間隔をもっての配置した反射板との間の空間を燃焼空間とすることもできる。
すなわち、本発明では、空気と燃料とを予め混合して得た予混合気を燃焼する予混合燃焼装置において、少なくとも1つの共鳴管を局所的に加熱することにより自励振動を発生させ、上記共鳴管を共鳴させることにより、燃焼空間に定在音場を形成し、上記燃焼空間で火炎に対して上記定在音場を印加することにより、上記定在音場の速度振動の腹において発生する圧力波の進行方向に対して垂直方向への二次流れと、火炎に形成される皺を用いて、火炎の保炎を行い、圧力損失を抑えた燃焼を行うことができ、有害排出物の低減と安定燃焼の両特性を確保できる。
また、本発明によれば、電気的なエネルギーを必要とすることなく、また、自励振動を利用しているので、共鳴状態も温度の変化に合わせて自動的に維持されるので、共鳴状態を制御する必要がないばかりでなく、従来のスワーラや保炎器のように予混合気流の流れを妨げないので、圧力低下を抑制することができる。したがって、構造が単純で、少ない部品で簡単に製造することができ、しかも、火炎に晒されるのは、自励音であるので、熱的な負荷も小さく、高音条件下で安定に動作可能な予混合燃焼装置を実現することができる。
なお、本発明は、ガスタービンエンジン、ラムジェットエンジン、スクラムジェットエンシン等の定在火炎を用いるエンジンの燃焼器内における火炎の吹き飛びの抑制、ジェットエンジンのアフターバーナの保炎、ボイラー類、ガスコンロ等定在火炎を用いる燃焼装置全般に適用することができる。
10 予混合室、11,12 流量計、13 サージタンク、20 主バーナーノズル、30 燃焼空間、41,42 共鳴管、41A,42A,41B,42B 開口、51,52 励起バーナー、100,100A 予混合燃焼装置、151,152 ヒートパイプ
Claims (5)
- 空気と燃料とを予め混合して得た予混合気を燃焼する予混合燃焼装置において、
少なくとも1つの共鳴管を加熱手段で局所的に加熱することにより自励振動を発生させ、燃焼空間に定在音場を形成する定在音場形成手段を備え、
上記燃焼空間で火炎に対して上記定在音場を印加することにより、上記定在音場の速度振動の腹において発生する圧力波の進行方向に対して垂直方向への二次流れと、火炎に形成される皺を用いて、火炎の保炎を行うことを特徴とする予混合燃焼装置。 - 上記定在音場形成手段は、それぞれ加熱手段で局所的に加熱される一対の共鳴管を備え、上記一対の共鳴管の開口部を対向させた空間を上記燃焼空間とし、上記一対の共鳴管を局所的に加熱することにより自励振動を発生させて、上記一対の共鳴管を共鳴させることにより、上記燃焼空間に定在音場を形成することを特徴とする請求項1記載の予混合燃焼装置。
- 上記加熱手段として、上記共鳴管内に設けられたバーナーを備えることを特徴とする請求項2記載の予混合燃焼装置。
- 上記加熱手段として、上記燃焼空間で予混合気を燃焼させることにより発生した熱を上記共鳴管の局所的な加熱領域に伝達する熱伝達部材を備える請求項2記載の予混合燃焼装置。
- 空気と燃料とを予め混合して得た予混合気を燃焼する予混合燃焼装置における火炎制御方法であって、
少なくとも1つの共鳴管を局所的に加熱することにより自励振動を発生させ、上記共鳴管を共鳴させることにより、燃焼空間に定在音場を形成し、上記燃焼空間で火炎に対して上記定在音場を印加することにより、上記定在音場の速度振動の腹において発生する圧力波の進行方向に対して垂直方向への二次流れと、火炎に形成される皺を用いて、火炎の保炎を行うことを特徴とする火炎制御方法。
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