JP3532227B2 - 火炉の燃焼振動監視装置 - Google Patents

火炉の燃焼振動監視装置

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JP3532227B2 JP10285893A JP10285893A JP3532227B2 JP 3532227 B2 JP3532227 B2 JP 3532227B2 JP 10285893 A JP10285893 A JP 10285893A JP 10285893 A JP10285893 A JP 10285893A JP 3532227 B2 JP3532227 B2 JP 3532227B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス燃料を用いて燃焼
を行う事業用又は産業用の火炉で発生する共鳴振動を予
測する火炉の燃焼振動監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、油燃料の価格が不安定であること
から、石炭焚きやガス焚きボイラの需要が急増してい
る。国内の新設発電用ボイラは、年間の平均出力でみる
と、昭和50年に500MW/缶であったものが、平成
元年には600MW/缶になり、さらに年々増大傾向に
ある。このうち、石炭焚きボイラは燃料中に灰分や硫黄
分を含んでいるので後処理に大がかりな設備が必要であ
り、大都市の周囲にこのような発電設備を建造するのは
環境問題の点からも困難である。これに対してガス焚き
ボイラは燃料中に上記のような不純物が少なくて低公害
であることから今後も都市近郊での設置が順調に伸びて
ゆくことが期待される。
【0003】しかし、上記ガス焚きボイラは、燃焼中に
火炉内の圧力脈動(以下、燃焼振動という)を起こし易
く、この燃焼振動が起こると、火炉内の伝熱管やTVカ
メラ等ボイラ火炉に直接付属する構造物や機器の破損を
招くおそれがある。ここで、火炉構造とこれに関連する
燃焼振動現象について説明する。
【0004】図8はガス燃焼用火炉の系統図である。こ
の図で、1は火炉、2は風箱、3はLNG貯蔵タンク、
4はパイプライン、5はLNGを気化するベーパライ
ザ、6は流量調整弁、10は火炉1に複数設けられたガ
スバーナである。ベーパライザ5で気化されたガスは流
量調整弁6で圧力を調整された後、火炉1の各ガスバー
ナ10に供給される。
【0005】図9はガスバーナ10の断面図である。こ
の図で、101は保炎器、102は軸流旋回器、103
は二次レジスタ、104は三次レジスタ、105は一次
ダンパである。110はガス燃料の流れ、111は一次
空気の流れ、112は二次空気の流れ、113は三次空
気の流れを示す矢印である。114は副燃料、115は
副燃料火炎、116は主燃料火炎を示す。117はガス
バーナ10で形成される火炎全体を示す。
【0006】図8および図9において、通常、ガスバー
ナ10の入口ガス圧は、最大負荷時において1atg〜
3atgの範囲に設定される。このガス圧については、
特に規制値は設けられていないが、燃焼振動抑制の観点
からは、火炉1内の圧力脈動が燃料側にフィードバック
しにくいようにできるだけ高い圧力に設定することが望
ましい。しかし、1atgを超えるとガスバーナノズル
出口部においてガス流速は音速に達し、火炉1の圧力脈
動が燃料の圧力変動に直接影響するとは考えにくいの
で、ガスバーナ10の入口圧力をあまり高くしてもそれ
ほど燃焼振動抑制の効果はないと考えられている。
【0007】一方、燃焼用空気は、押し込み通風機(F
DF)で加圧し、空気予熱器で約330℃まで昇温した
後、火炉1の風箱2に供給される。各ガスバーナ段に供
給される空気は風箱2の入口に設けられたダンパで流量
調整され、その後各ガスバーナ10に送られる。ガスバ
ーナ10に送られた空気は3つの流路に分割されて火炉
1内に供給される。このうち、二次空気112は軸流旋
回器102で、三次空気113は三次レジスタ104で
それぞれ旋回せしめられ、それら旋回効果により、ガス
バーナ10の後方には大きな循環領域が形成され、ガス
燃料の着火安定性に貢献する。しかし、バーナ負荷が変
化したり、NOx低減や火炉1での熱吸収をコントロー
ルするため、ボイラ排ガスを燃焼用空気に混入する場
合、ガスバーナ10のバーナスロート部分における流速
が増加するので火炎に吹き飛び現象がみられ、これが原
因で燃焼振動を引き起こすことがある。
【0008】燃焼振動は、上記ガスバーナ10の入口圧
力や火炎吹き飛び現象以外にも、一般に、火炉1の内部
の発熱分布が炉壁近傍で局所化する(燃料の燃焼速度が
大きくてガスバーナ出口近傍で燃え尽きる)場合、又、
火炎が不安定で絶えず変動している(保炎器に付着した
り吹き飛び現象を繰り返す)場合等に起こり易いと云わ
れている。又、空気流速と燃料の噴出速度のギャップが
大きくガスバーナ10の近傍に高発熱領域が存在するよ
うな、火炎不安定が直接原因ではない場合も燃焼振動を
誘発し易い。これらの原因に対して、従来の燃焼振動抑
制は、ガスバーナ10の火炎の安定性を向上させ、か
つ、急速燃焼の抑制(緩慢燃焼、即ち長炎化)を行うよ
うにガスバーナ10の構造を変更して対応していた。
【0009】ところで、通常、燃焼振動はボイラや燃焼
装置が新設された場合、又はボイラの定期点検後の試運
転時に起こり易い。しかし、いずれの場合も早急に営業
運転を開始しなければならないため、燃焼調整のための
時間は短く、したがって、一旦燃焼振動が起こってしま
うと、短時間でその原因を究明して燃焼振動を抑制する
ための対策を施さなければならず、これに多くの人手を
要することとなる。
【0010】そこで、燃焼振動が火炉1の気柱共鳴現象
であり、燃焼振動は時間軸上でみれば燃焼操作に対して
かなりの遅れがあることに着目して、燃焼振動を未然に
防止する手段が特公昭62−9845号公報で提案され
ている。これを図10および図11により説明する。
【0011】図10は上記公報により提案された火炉の
燃焼振動監視装置のブロック図である。この図で、図8
および図9に示す部分と同一又は等価な部分には同一符
号が付してある。11はガスバーナ10の保炎器101
の近辺の火炉1内圧力を連続的に検出する圧力センサ、
11pは保炎器101の近傍に挿入された圧力センサ1
1のプローブである。12は検出圧力を電気信号に変換
して増幅する増幅器、13は増幅器12の出力信号をデ
ィジタル値に変換するA/D変換器、14はディジタル
信号の時間領域における自己相関関数を求める自己相関
演算器、15は自己相関演算器14からの信号をフーリ
エ変換する高速フーリエ変換(FFT)装置、16はF
FT装置15で得られた周波数特性に基づいて燃焼振動
を予測する振動評価装置、17は評価の結果等を表示す
る表示装置である。
【0012】圧力センサ11で検出された圧力は増幅器
12、A/D変換器13、自己相関演算器14を経てF
FT装置15に入力される。FFT装置15は入力され
た信号をフーリエ変換により周波数解析して図11に示
すような周波数特性を得る。即ち、図11は圧力信号の
周波数特性図であり、横軸に周波数が、縦軸に振幅(振
動エネルギ)がとってある。この図で、f1 は気柱共鳴
周波数、I1 は周波数f1 の振動エネルギ、I0 は全振
動エネルギを示す。
【0013】振動評価装置16は、振動エネルギI1
全振動エネルギI0 との比(I1 /I0 )を演算してこ
れを燃焼振動指数とし、この振動燃焼指数を時々刻々表
示装置17に表示し、監視員がこれを観察することによ
り燃焼振動発生の傾向を判断できるようにするととも
に、当該燃焼振動指数を定められた設定値と比較し、設
定値を超えたとき表示又は警報を行って、監視員が燃焼
振動を防止する処置を採ることができるようにする。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記図10に示す監視
装置は、低負荷時で圧力脈動が小さい場合でも共鳴周波
数の振幅が存在するので燃焼振動指数が高くなって誤判
断を招くことがある。又、ガスバーナ10の点火時等、
過渡的に火炉1内圧力が増加する場合燃焼振動指数が増
加して誤判断を招くこともある。さらに、燃焼振動指数
が一定である場合、火炉1の形状と火炉1内への投入熱
量の大小によって正確な判断ができなくなるおそれもあ
る。
【0015】ところで、火炎の不安定による燃焼振動
は、火炎が吹き飛ぶことによりガスバーナ10の近傍の
発熱率が変化して炉内圧力が変化して発生するものであ
り、又、空気流速と燃料の噴出速度の差による燃焼振動
は、両者の急速な混合を生じて火炎が変動し、特に火炎
の揺らぎが大きくなり、これにより、火炎の吹き飛びの
場合と同様、ガスバーナ10の近傍の発熱率が変化して
炉内圧力が変化して発生するものである。このように、
燃焼振動は、火炎の発熱量(発熱率)の変動と圧力の変
動とが、図12に示すように相互に影響しあって自励振
動を起こして発生するものであり、この点に着目し、こ
れらの振動状態から燃焼振動に至る状態を評価するパラ
メータとして、次式で示すレーリの判定式がある。 Fb=∫P(t)・Q(t)dt ここで、Fbは判定値を表し、P(t)は圧力変動を表
し、Q(t)は発熱率変動を表す。そして、判定値Fb
が0以上のとき燃焼振動が発生するとされている。図1
0に示す装置は圧力変動のみが考慮され、発熱率が考慮
されていない点で上述のように正確な判断ができない場
合が生じるものと考えられる。
【0016】しかしながら、上記圧力変動および発熱率
変動の2つのパラメータのうち、圧力変動は直接計測可
能であるが、発熱率は直接計測は不可能であり、結局、
図10に示すと同様、圧力の変動のみの測定となり、燃
焼振動の正確な予測はできないこととなる。
【0017】本発明の目的は、上記従来技術における課
題を解決し、燃焼振動の発生をより一層正確に判断する
ことができる火炉の燃焼振動監視装置を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、複数のガスバーナにより火炎が形成され
る火炉において、当該火炉内部の圧力を検出する圧力検
出手段と、前記火炎の輝度を検出する輝度検出手段と、
前記圧力検出手段および前記輝度検出手段の各検出値の
時間軸についての相互相関関数を求める演算手段と、こ
の演算手段の演算値をフーリエ変換してクロスパワース
ペクトルを求める高速フーリエ変換装置と、前記クロス
パワースペクトルの周波数のうち火炉の共鳴周波数の振
動エネルギと全振動エネルギとの比を求めこの比に基づ
いて燃焼振動発生の有無の予測を行う振動評価装置とを
設けたことを特徴とする。
【0019】
【作用】圧力検出手段で検出された圧力および輝度検出
手段で検出された輝度は、ともに演算手段に入力され、
時間軸についての両者の相互相関関数が求められる。こ
のようにして求められた値は高速フーリエ変換装置によ
るフーリエ変換により周波数解析され、この結果クロス
パワースペクトルが得られる。振動評価装置は、このク
ロスパワースペクトルにおける共鳴周波数の振動エネル
ギと全振動エネルギとの比を演算し、これに基づいて燃
焼振動発生の有無を予測するためのデータを出力する。
監視員はこのデータをみることにより燃焼振動発生の傾
向を判断するか、又は、振動評価装置が上記の比を定め
られた設定値と比較し、設定値を超えたとき表示又は警
報を行った場合、燃焼振動を防止する処置を採る。
【0020】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。図1は本発明の実施例に係る火炉の燃焼振動監視
装置のブロック図である。この図で、図10に示す部分
と同一又は等価な部分には同一符号を付して説明を省略
する。21は火炎117の光を効率よく集める集光装
置、21pはガスバーナ10の保炎器101の近傍に挿
入された集光装置21の光プローブ、22は特定の波長
の光だけを通過させる干渉フィルタ、23は入力した光
をこれに比例する電気信号に変換する光センサである。
集光装置21、光プローブ21p、干渉フィルタ22お
よび光センサ23により輝度検出装置20が構成され
る。本実施例では、発熱率に相当するファクタとして火
炎117の輝度の変動を利用する。24は光センサ23
からの信号を増幅する増幅器、18はA/D変換器13
から入力されたディジタル信号の時間領域における相互
相関関数を求める相互相関演算器である。
【0021】圧力センサ11で検出された圧力信号、お
よび輝度検出装置20で検出された特定波長の光の輝度
信号は、共にA/D変換器13によりディジタル値に変
換され、相互相関演算器18により、時間領域で相互相
関関数に変換され、この変換されたデータはFFT装置
15で高速フーリエ変換により周波数領域のクロスパワ
ースペクトルに変換される。この変換されたクロスパワ
ースペクトルを図2により説明する。
【0022】図2は圧力信号と輝度信号とに基づくクロ
スパワースペクトル、およびこのクロスパワースペクト
ルに対応して示される両信号の位相差を示す図である。
図2において、上部にクロスパワースペクトルを示す図
が、その下部に位相差を示す図が記載されている。クロ
スパワースペクトルを示す図で、横軸には周波数が、縦
軸には振幅(振動エネルギ)がとってある。f1 は共鳴
周波数、I11は共鳴周波数f1 における圧力および輝度
の相互相関関数の振動エネルギ、I00は全振動エネルギ
を示す。又、位相差を示す図で、横軸にはクロスパワー
スペクトルを示す図と同一スケールで周波数がとってあ
り、縦軸には位相差がとってある。
【0023】図2に示す例は、共鳴周波数f1 の近傍の
周波数において、圧力信号と輝度信号との位相差θ1
0に近く、位相がほぼ一致しており、共鳴周波数f1
ら外れた周波数において、両者の位相差が大きくなって
いるモードの例である。このような場合は全体の振動が
不安定であり、燃焼振動発生の可能性が大きい。この例
を他のモードの例と比較した場合を図3に示す。
【0024】図3は圧力信号と輝度信号との位相差を説
明する図である。図3においては、各信号が時間領域と
周波数領域に分けて示されている。時間領域では、横軸
に時間、縦軸に各信号の振幅がとってあり、実線は圧力
信号、破線は輝度信号を表す。周波数領域における図
は、図2に示す場合と同一態様、即ち、クロスパワース
ペクトルと位相差とに分けて記載されている。図3で、
区分Iは図2に示す場合と同一モードの例であり、区分
II、区分IIIに示す例は他のモードの例である。
【0025】区分IIに示すモードは、両信号の振幅が
いずれも大きく、位相が逆位相で変動するモードであ
り、この場合、共鳴周波数f1 近傍の周波数における位
相差は−180度となり、前述のレーリの判定式に置け
る判定値Fbは負の値になり燃焼振動は発生しない。区
分IIIに示すモードは圧力信号の振幅は大きいが輝度
信号の振幅は小さく、両信号が同位相で変動するモード
であり、この場合、共鳴周波数f1 近傍の周波数におけ
る位相差はほぼ0であるが、共鳴周波数f1 における振
動エネルギは小さくなり、燃焼振動には発達しにくい。
【0026】上記のように、FFT装置15でクロスパ
ワースペクトルが得られると、このクロスパワースペク
トルは振動評価装置16で評価される。即ち、振動評価
装置16は、共鳴振動周波数f1 における振動エネルギ
11と全振動エネルギI00との比(I11/I00)を演算
し、これを振動評価指数とする。振動評価装置16は、
算出された振動評価指数を時々刻々表示装置17に表示
し、監視員がこれを観察することにより燃焼振動発生の
傾向を判断できるようにし、又は、当該燃焼振動指数を
定められた設定値と比較し、設定値を超えたとき表示又
は警報を行って、監視員が燃焼振動を防止する処置を採
ることができるようにする。
【0027】上記振動評価装置16の振動評価指数の演
算(I11/I00)は、圧力と輝度の両者の位相差が任意
の場合の演算である。しかし、例えば、圧力と輝度が図
3に示す区分IIの関係、即ち、両者の位相差が180
度又はこれに近い位相差である場合、これを燃焼振動に
は至らないと確実に評価するには、共鳴振動周波数f1
における両者の位相差を振動評価指数に反映させること
が望ましい。このため、振動評価装置16は、図2に示
す位相差の特性図から共鳴振動周波数f1 における両者
の位相差θ1 を求め、上記の比(I11/I00)に位相差
の余弦値cosθ1 を乗じた値(cosθ1 ・I11/I
00)を振動評価指数とする。この振動評価指数を用いれ
ば、圧力と輝度がどのような位相関係にあっても、より
一層確実に燃焼振動の評価を行うことができる。
【0028】なお、上記全振動エネルギI00は、図2に
おける周波数領域で、各周波数の振動エネルギを積分す
ることにより算出されるが、これ以外に、時間領域にお
けるデータを2乗平均する方法や相互相関関数において
時間遅れ0における値をとる方法もある。
【0029】以上のように、本実施例では、圧力と輝度
による評価を行うようにしたので、燃焼振動の発生を、
手間も時間も要することなく、より一層正確に判断する
ことができる。本発明者等は、これを実験により確認し
た。この実験結果を図4に示す。
【0030】図4は当該実験結果を示すグラフであり、
横軸に空気比、縦軸に振動評価指数がとってある。この
実験は、直径25mmの保炎器を備えたガスバーナを用
い、燃料としてC38 ガスを使用した。曲線Aは本実
施例により得られた振動評価指数、曲線Bは図10に示
す従来装置により得られた振動評価指数である。このグ
ラフから、本実施例による振動評価指数の方が従来装置
による振動評価指数に比較して振動領域が格段に明確に
なっていることが判る。即ち、本実施例では、火炉1内
で化学式どおりの反応が生じている空気比1の近傍で振
動評価指数が高い値になるとともにその他の空気比の領
域では振動評価指数が急激に低下するので、従来装置の
ように誤判断を生じるおそれはほとんどない。
【0031】図5は本発明の他の実施例に係る火炉の燃
焼振動監視装置のブロック図である。この図で、図1に
示す部分と同一又は等価な部分には同一符号を付して説
明を省略する。30はフレーム検出器である。さきの実
施例が集光装置21、光プローブ21p、干渉フィルタ
22および光センサ23により輝度検出装置20を構成
するのに対して本実施例では集光装置21、光プローブ
21p、および既設のフレーム検出器30で輝度検出装
置を構成する。他の構成はさきの実施例の構成と同じで
ある。本実施例の動作および主たる効果はさきの実施例
の動作および効果と同じであり、本実施例では既設のフ
レーム検出器を利用するのでコストおよび占有面積を抑
制できるという付加的効果を有する。
【0032】図6は本発明のさらに他の実施例に係る火
炉の燃焼振動監視装置のブロック図である。この図で、
図1に示す部分と同一又は等価な部分には同一符号を付
して説明を省略する。40はC2 ラジカルの発光のみを
通過させる干渉フィルタ、50はCHラジカルの発光の
みを通過させる干渉フィルタである。60はC2 ラジカ
ルの発光強度(輝度)とCHラジカルの発光強度(輝
度)との比を演算する比較装置、61は増幅器である。
【0033】上記各実施例において、採取する発光強度
は主にOHラジカルの発光強度である。しかし、光学系
統に汚れが生じた場合等、OHラジカルの発光強度を効
果的に測定できない場合、評価の確実性が低下するおそ
れがある。このような場合、C2 ラジカルとOHラジカ
ルの発光強度の比を用いることにより、OHラジカルの
発光強度を用いる場合と同様の評価を行うことができ
る。その理由を以下に説明する。
【0034】燃焼振動が発生した場合、炉内の圧力変動
が大きいときには、当該圧力が1000mmAqを超え
ることがあり、このような大きな圧力のため燃焼用空気
の流量が容易に変化する。このため、空気比も燃焼振動
の圧力脈動と同じ周波数で変動し、OHラジカルの発光
強度の変化(発熱率に相当する)と同じレベルの空気比
の変動が得られるものと思われる。そこで、空気比の情
報を与えるC2 ラジカルの発光強度とCHラジカルの発
光強度との比を用いれば、OHラジカルの発光強度を用
いた場合と同様の結果を得ることができることとなる。
【0035】上述のとおり、本実施例では、各集光装置
21で集められた光は干渉フィルタ40でC2 ラジカル
の発光のみ、干渉フィルタ50でCHラジカルの発光の
み、それぞれ選択されて各光センサ23に導入され、各
発光強度に比例した電気信号に変換されて比較装置60
に入力される。比較装置60はC2 ラジカルの発光強度
とCHラジカルの発光強度との比を演算し、その演算値
は増幅器61で増幅されてA/D変換器13に入力され
る。以下の動作は先の各実施例の動作と同じである。
【0036】このように、本実施例では、C2 ラジカル
とCHラジカルの発光強度の比を用いるようにしたの
で、さきの実施例と同じ効果を奏するばかりでなく、光
学系統に汚れが生じていても、支障なく評価を行うこと
ができるという効果も奏する。
【0037】図7は上記各実施例で用いられる圧力セン
サのプローブ11pの斜視図である。このプローブ11
pは中空の管体より成り、一方の開口端が圧力センサ1
1に連結され、他方の開口端が火炉1内に挿入されてい
る。火炉1内の圧力はプローブ11p内部を通って圧力
センサ11に伝達される。
【0038】ところで、この伝達の際、プローブ11p
の管体の固有音響的振動数が外乱になって火炉1内の圧
力が圧力センサ11に正確に伝達されない場合がある。
このため、本実施例では、プローブ11pの固有音響的
振動数が燃焼振動監視装置の分析周波数から外れるよう
に、プローブ11pの管壁に複数の貫通孔hを形成す
る。そして、これら貫通孔hの数や位置を適宜に選定す
ることにより、プローブ11pで発生する外乱を排除す
ることができ、火炉1内の圧力を正確に圧力センサ11
に伝達することができ、ひいては、燃焼振動発生の予測
をより正確に行うことができる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、火炉内
部の圧力と火炎の輝度とを用いて燃焼振動の評価を行う
ようにしたので、燃焼振動の発生を、手間も時間も要す
ることなく、より一層正確に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る火炉の燃焼振動監視装置
のブロック図である。
【図2】図1に示す装置で得られるクロスパワースペク
トラムおよび圧力と輝度の位相差を示す特性図である。
【図3】圧力と輝度の関係を示す特性図である。
【図4】振動評価指数を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施例に係る火炉の燃焼振動監視
装置のブロック図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例に係る火炉の燃焼振
動監視装置のブロック図である。
【図7】圧力センサおよびそのプローブの斜視図であ
る。
【図8】ガス燃焼用火炉の系統図である。
【図9】ガスバーナの断面図である。
【図10】従来の火炉の燃焼振動監視装置のブロック図
である。
【図11】図1に示す装置で得られるクロスパワースペ
クトラムである。
【図12】圧力変動と発熱率変動の関連を説明する図で
ある。
【符号の説明】
1 火炉 10 ガスバーナ 11 圧力センサ 13 A/D変換器 15 FFT装置 16 振動評価装置 20 輝度検出装置 21 集光装置 22 干渉フィルタ 23 光センサ 101 保炎器 117 火炎
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 茂樹 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 津村 俊一 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 正路 一紀 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日 立株式会社 呉研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−126732(JP,A) 特開 昭56−23629(JP,A) 特開 平4−244922(JP,A) 特開 平4−186014(JP,A) 特開 平6−11138(JP,A) 特公 昭62−9845(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23M 11/04 F22B 37/38 F23N 5/24 106

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のガスバーナにより火炎が形成され
    る火炉において、当該火炉内部の圧力を検出する圧力検
    出手段と、前記火炎の輝度を検出する輝度検出手段と、
    前記圧力検出手段および前記輝度検出手段の各検出値の
    時間軸についての相互相関関数を求める演算手段と、こ
    の演算手段の演算値をフーリエ変換してクロスパワース
    ペクトルを求める高速フーリエ変換装置と、前記クロス
    パワースペクトルの周波数のうち火炉の共鳴周波数の振
    動エネルギと全振動エネルギとの比を求めこの比に基づ
    いて燃焼振動発生の有無の予測を行う振動評価装置とを
    設けたことを特徴とする火炉の燃焼振動監視装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記圧力検出手段お
    よび前記輝度検出手段は、少なくとも1つのバーナに対
    して設けられていることを特徴とする火炉の燃焼振動監
    視装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記圧力検出手段
    は、中空管の管壁に所定の貫通穴を複数設けたプローブ
    を備えていることを特徴とする火炉の燃焼振動監視装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記輝度検出手段
    は、OHラジカルの発光を選択する干渉フィルタ、およ
    びCHラジカルの発光とC2 ラジカルの発光をそれぞれ
    選択する各干渉フィルタのうちの少なくとも一方を備え
    ていることを特徴とする火炉の燃焼振動監視装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記振動評価装置
    は、前記圧力と前記輝度との間の位相角が0として前記
    比を評価することを特徴とする火炉の燃焼振動監視装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記振動評価装置
    は、前記圧力と前記輝度との間の位相角の余弦値を前記
    比に乗じて評価を行うことを特徴とする火炉の燃焼振動
    監視装置。
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