JP2004156306A - 海水交換型の護岸堤および防波堤 - Google Patents
海水交換型の護岸堤および防波堤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】海水流出口から遊水室への海水の戻りを少なくし、上部側に設けた海水導入口から護岸堤海底部または港湾内海側への海水の循環・交換量を大幅に増加できるようにした海水交換型護岸堤および防波堤を提供することである。
【解決手段】堤体1の内部に海水の自由な出入りが可能な遊水室2を設け、遊水室2の上部に海水導入口3を設け、遊水室2から海水を導出させる導水孔5を堤体1の下部に設けた海水交換型の護岸堤の前記導水孔5を、その断面積を港湾B側の方が遊水室2側よりも小さくしたオリフィス状に形成したのである。それにより導水孔5を通って港湾B側へ流出する海水量が、港湾B側から遊水室2へ流入する海水量、即ち戻り量よりも大幅に多くなる。この流出入量差を補うように海水導入口3から海水が流入して循環流が形成され、その循環量が大幅に増加する。防波堤についても同様の導水孔により、海水の交換量が大幅に増加する。
【選択図】 図1
【解決手段】堤体1の内部に海水の自由な出入りが可能な遊水室2を設け、遊水室2の上部に海水導入口3を設け、遊水室2から海水を導出させる導水孔5を堤体1の下部に設けた海水交換型の護岸堤の前記導水孔5を、その断面積を港湾B側の方が遊水室2側よりも小さくしたオリフィス状に形成したのである。それにより導水孔5を通って港湾B側へ流出する海水量が、港湾B側から遊水室2へ流入する海水量、即ち戻り量よりも大幅に多くなる。この流出入量差を補うように海水導入口3から海水が流入して循環流が形成され、その循環量が大幅に増加する。防波堤についても同様の導水孔により、海水の交換量が大幅に増加する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、波力による海水の運動を利用して、海水を交換・浄化する機能を有する護岸堤および防波堤に関する。
【0002】
【従来の技術】
埋め立てや浚渫を行なった海岸域、特に水深が深く、平均波高さが低い沿岸では、護岸海底部に海水の移動がほとんど発生しない滞留域が発生し、水質汚染の問題を生じている。このような問題を解消するためには、護岸前面側で、海水を鉛直方向に循環させることで、海水表面の溶存酸素量の多い水を、海底部に移動させ、水質を浄化することが必要である。
【0003】
このため、内部に遊水室を有し、その上部側壁および下部側壁に、遊水室に連通する海水導入用開口部および海水流出用開口部を設けた護岸堤体により、波力による海水の運動を利用して、海水表面の溶存酸素量の多い海水を、前記海水導入用開口部から遊水室に導入してその底部側に移動させ、前記海水排出用開口部から遊水室底部に滞留していた海水を排出して、海水を、その波力による運動により移動・交換、即ち循環させ、その水質を浄化する海水移動・交換型の護岸堤体が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
一方、港湾部では防波堤が設置されており、この防波堤により、港湾外海側からの海水の移動が遮られて、港湾内海側に海水が十分流入しないため、港湾の内海と外海間での海水の循環が不十分となり、港湾内海側での水質汚染の問題を生じている。
【0005】
このような問題を解消するために、防波堤の港湾外海側の壁面に設けた、海水導入用の矩形状開口部または複数のスリット状開口部と、港湾内海側の壁面に設けた、海水流出用の矩形状開口部または海水流通用開口部と、これらの開口部間にそれぞれ形成された遊水室とにより、または貫通透水孔や貫通管路を設けることにより、いずれも波力による海水の運動を利用して、港湾内海側と港湾外海側の海水を交換する海水循環型の防波堤がそれぞれ開示されている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−27141号公報([0006]、[0010]〜[0018])
【特許文献2】
特開2001−159115号公報([0005]、[0012]〜[0018])
【特許文献3】
特開2001−295243号公報([0015]、[0023]〜[0028])
【特許文献4】
特開2001−40632号公報、([0007]〜[0014])
【特許文献5】
特開平9−41341号公報、([0009]〜[0016])
【特許文献6】
特開平7−62665号公報([0005]〜[0007])
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記護岸堤体では、波力による海水の上下運動を利用して、鉛直方向または水平方向に海水を移動させて交換する方法を用いているが、波力による海水の運動は周期的な繰り返し運動であるため、海水流出用開口部から吐出した海水は、次の波の周期で逆に流出口から吸い込まれて遊水室に戻るため、海面から前記遊水室底部に至る海水の移動が十分に起こらない。特に、波周期が短い場合には、海水の吐出と吸い込みの時間がそれぞれ短いために、この短時間の吐出と吸い込みの繰り返しによって、護岸堤体底部の滞留域の海水のみが攪拌されて、海面の溶存酸素が多い海水が海底部の方に運ばれないことになる。
【0008】
一方、前記防波堤についても、波力による海水の運動を利用して、海水を循環させるため、特に、海水の繰り返し運動の周期が短い場合には、前記護岸堤体の場合と同様に、この短時間の海水の吐出と吸い込みの繰り返しによって、海水流出用の開口部の近傍の海水のみが攪拌されて、港湾外海側と港湾内海側間との海水の交換が十分に行われない。
【0009】
このため、遊水室に入った海水の戻りを少なくして、海水排出用の開口部から海水を効果的に導出するために、前記特開2001−159115号公報では、護岸堤体の上部側壁に設けたスリット状の海水導入用開口部を、その前面側から背面側に向かって次第に狭くなるようにテーパ状に形成する工夫も行なっている。また、前記特開平7−62665号公報では、港湾内海側と港湾外海側の海水を交換するために、防波堤に形成した前記貫通管路に狭搾部、即ち絞り部を設けて導入した海水を拡縮し、この拡縮の際に混入された空気を港湾内面側に排出して必要な酸素を供給するように工夫を凝らしている。
【0010】
しかし、このように、スリット状の海水導入用開口部をテーパ状に形成した場合には、遊水室に入った海水の戻りは少なくなるものの、この海水は遊水室内の水面の上昇に使われるのみで、海水排出用開口部への海水の移動が十分行なわれない。また、貫通管路に絞り部を設けるなどした場合にも、港湾外海側から港湾内海側への海水の円滑な移動が十分行なわれなくなる。
【0011】
そこで、この発明の課題は、下部側に設けた海水流出口から遊水室への海水の戻りを少なくし、上部側に設けた海水導入口から護岸堤海底部または港湾内海側への海水の循環・交換量を大幅に増加できるようにした海水交換型護岸堤および防波堤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
【0013】
即ち、堤体の内部に海水の自由な出入りが可能な遊水室を設け、この遊水室に海水を導入する海水導入口を前記堤体の上部に設け、導入した海水を遊水室から導出させる導水孔を前記堤体の下部に設けた海水交換型の護岸堤の前記導水孔を、その港湾側に面する断面積が遊水室側の断面積よりも小さいオリフィス状に形成したのである。
【0014】
前記導水孔は、港湾側から遊水室側へ断面積が広がるオリフィス状に形成されているため、この導水孔の、海水が遊水室側から港湾側へ流れる流路抵抗は、港湾側から遊水室側に流れる場合に比べて小さい。このため、導水孔を通って遊水室から港湾側へ流出する海水量は、港湾側からこの導水孔を通って遊水室側に流入する海水量よりも大幅に多くなる。この海水の流出量および流入量の差を補うために、堤体上部に設けた前記海水導入口から海水が遊水室へ流入する。
【0015】
波の繰り返し運動による、このような海水の流れにより、護岸前面側の海面付近の溶存酸素量の多い海水が遊水室内を通過して下方に移動して堤体下部の導水孔から港湾側へ流出、即ち吐出され、循環流が形成される。そして、港湾側から遊水室側への導水孔の流路抵抗は大きいため、吐出された海水の戻りは少なく、循環量が大幅に増加し、護岸堤前面側の海底部に溶存酸素量が多い海水が供給されて水質が浄化される。
【0016】
前記遊水室内部の海水導入口と導水孔との間に、下部の断面積が上部の断面積よりも小さいオリフィス形状の通水孔を多数有する多孔板を設けることが望ましい。
【0017】
前記多孔板に設けた通水孔は上部の断面積が下部の断面積よりも大きいオリフィス状に形成されているため、前記海水導入口から流入した海水が遊水室内を通過する際の通水孔の流路抵抗は小さく、逆に、導水孔側から海水導入口側への通水孔の流路抵抗は大きい。このため、遊水室内での海水の下方への移動には支障を来たさず、逆に、遊水室内での海水の上方への移動、即ち、海水の戻りが抑制される。そして、この多孔板を遊水室内部に設けることにより、前記堤体の補強効果が得られる。
【0018】
堤体の内部に海水の自由な出入りが可能な遊水室を設け、この遊水室に海水を導入する海水導入口を前記堤体の上部に設け、導入した海水を遊水室から導出させる導水孔を前記堤体の港湾内海側に設けた海水交換型の防波堤の前記導水孔を、その港湾側に面する断面積が遊水室側の断面積よりも小さいオリフィス状に形成したのである。
【0019】
このように、堤体の港湾内海側にオリフィス状の導水孔を設けておけば、この導水孔の、海水が遊水室側から港湾内海側へ流れる流路抵抗小さくなり、逆に、港湾内海側から遊水室側へ流れる流路抵抗は大きくなる。このため、前記護岸堤の場合と同様に、導水孔を通って遊水室から港湾内海側へ流出する海水量は、港湾内海側からこの導水孔を通って遊水室側に流入する海水量よりも多くなる。この海水の流出量と流入量の差、即ち流出入量差を補うために、堤体上部に設けた海水導入口から海水が遊水室へ流入する。
【0020】
このような海水の流れにより、港湾外海側の海水が遊水室内を通過して港湾内海側へ供給され、しかも前記オリフィス状の導水孔の効果により、海水の遊水室内への戻り少なくなる。このようにして、港湾外海側と港湾内海側との海水交換を十分に行なうことができ、海水交換量が大幅に増加する。
【0021】
前記遊水室内部の海水導入口と港湾内海側に設けた導水孔との間に、下部の断面積が上部の断面積よりも小さいオリフィス形状の通水孔が多数有する多孔板を設けることが望ましい。
【0022】
前記多孔板に設けた通水孔は上部の断面積が下部の断面積よりも大きいオリフィス状に形成されているため、前記海水導入口から流入した海水が遊水室内を通過する際の多孔板の流路抵抗は小さく、逆に、導水孔側から海水導入口側への通水孔の流路抵抗は大きい。このため、遊水室内での海水の下方への移動、即ち港湾外海側から港湾内海側への海水の移動には支障を及ぼさず、逆に、遊水室内での海水の上方への移動、即ち、海水の戻りが抑制される。そして、この多孔板を遊水室内部に設けることにより、前記堤体の補強効果が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態を添付の図1から図11に基づいて説明する。
【0024】
図1(a)および(b)は、沿岸に取り付けた裏込み石Sに接するように設けた護岸堤を示したものである。この護岸堤は堤体1が基礎捨石Aの上に固定されたものである。前記堤体1の内部には、海水の自由な出入りが可能な遊水室2が設けられ、堤体1の港湾B側の側壁WRの上部に、この遊水室2に海水を導入するスリット状の複数の海水導入口3が、その高さH内に平均高さの海水面4の位置が収まるように細長く設けられている。また、遊水室2から海水を導出させる導水孔5が、港湾B側の側壁WRの下部に、海水面4よりも下側に位置するように複数設けられている。前記導水孔5は、図2(a)および(b)に示すように、断面形状Cが円形で、遊水室2側から港湾B側にかけて、内周面6が円弧状に縮径したオリフィス状に形成されている。前記堤体の底部には、護岸堤の滑動や転倒を防止するため、中詰材7が充填され、コンクリート蓋8で封入されている。
【0025】
図3(a)および(b)は、防波堤を示したもので、前記護岸堤の場合と同様に、堤体1aが基礎捨石Aの上に固定されている。前記堤体1aの内部には、海水の自由な出入りが可能な遊水室2aが設けられ、堤体1aの港湾外海BR側の側壁WRの上部に、この遊水室2aに海水を導入するスリット状の複数の海水導入口3aが、その高さH内に平均高さの海水面4の位置が収まるように細長く設けられている。また、遊水室2aから海水を導出させる導水孔5aが、港湾内海BL側の側壁WLの下部に、海水面4よりも下側に位置するように複数設けられている。なお、導水孔5aの位置は、必ずしも海水導入口3aよりも下側に設ける必要はないが、海底の滞留域の海水を入れ替えるためには、堤体1aの港湾内海BL側の側壁WLのより下部の位置に設けることが望ましい。
【0026】
前記導水孔5aは、図2(a)および(b)に示したように、断面形状Cが円形で、遊水室2側から港湾内海BL側にかけて、内周面6が円弧状に縮径したオリフィス状に形成されている。このように、内周面6を円弧状に縮径すると、入側から出側にかけての流路抵抗の変化が大きくなり、遊水室2側から港湾側への流路抵抗と、港湾側から遊水室側へ向かう流路抵抗の差を大きくすること、即ち、遊水室2側から港湾側へ海水がより流出しやすく、港湾側から遊水室2側へ海水をより戻りにくくすることができる。前記堤体1aの底部には、護岸堤の滑動や転倒を防止するため、中詰材7が充填され、コンクリート蓋8で封入されている。
【0027】
なお、前記護岸堤の堤体1に設けた導水孔5、および前記防波堤の堤体1aに設けた導水孔5aは、図2(c)に示すように、断面形状Cが円形の内周面6aをテーパ状に縮径したオリフィス状に形成してもよく、また、図2(d)に示すように、その港湾側の端面Eを、堤体1または1aの側壁WR、WLから突出させたオリフィス状に形成することもできる。このように、港湾側の端面Eを突出、即ち延長することにより、上述のように、導水孔5の流路変化が大きくなり、港湾側から遊水室2側へ海水をより戻りにくくすることができる。さらに、この導水孔5または5aの断面形状Cは、図2(e)および(f)に示すように、角形状や矩形形状に形成することもできる。
【0028】
この発明の実施形態の護岸堤および防波堤は以上のような構成であり、以下にその機能について説明する。
【0029】
沖合いから向かってきた波、即ち進行波は、図1に示した護岸堤に衝突後、堤体1の港湾B側の側壁WRおよび遊水室2の裏込み石S側の側壁WLの内壁面に跳ね返されて重複波を形成する。そして、図4(a)に模式的に示すように、遊水室2の海水面Lsよりも護岸堤の前面側の波の高さLhが高い場合には、海水の圧力差により、海水導入口3および導水孔5から海水が遊水室2に流入する。
【0030】
前記導水孔5は、前述のように、遊水室2側から港湾B側へ縮径し、断面積が減少するオリフィス状に形成されているため、海水が遊水室2側へ流れる場合の導水孔5の流路抵抗は、遊水室2から流出する場合の流路抵抗よりも大きい。このため、図4(a)に示した海水が遊水室2に流入する場合、導水孔5からの流入量は少なく、大半が海水導入口3から流入し、遊水室2内の海水面Lsが上昇する。そして、遊水室2と護岸堤前面側の波の高さLhが同じになると、流路抵抗が小さい方向へ、即ち導水孔5から護岸堤前面側へ海水が流出、即ち吐出される。この海水の流出量を補うために、海水導入口3から遊水室2に海水が流入する。
【0031】
このような海水の流れによって、護岸前面側の海面付近の溶存酸素量の多い海水が遊水室2内を通過して下方に移動し、導水孔5から港湾B側へ吐出され、この吐出された海水の遊水室2への戻りは少なく、海水が循環する。それにより、護岸堤前面側の海底部に溶存酸素量が多い海水が供給されて水質が浄化される。
【0032】
一方、図4(b)に模式的に示すように、遊水室2の海水面Lsが護岸堤の前面側の波の高さLhよりも高い場合には、海水導入口3および導水孔5から海水が港湾B側に流出する。そして、遊水室2の海水面Lsが護岸堤の前面側の波の高さLhと等しい高さになっても、前述のように、前記導水孔5の、遊水室2側から港湾B側への流路抵抗が小さいために、導水孔5から護岸堤前面側へ海水が流出する。この海水の流出量を補うために、海水導入口3から遊水室2に海水が流入する。このような海水の流れによって、図4(a)に示した場合と同様に、護岸堤前面側の海面付近の溶存酸素量の多い海水が遊水室2内を通過して下方に移動し、導水孔5から港湾B側へ吐出され、海水が循環する。
【0033】
図3に示した防波堤の場合についても、沖合いから向かってきた進行波は、防波 堤に衝突後、堤体1aの港湾外海BR側の側壁WRおよび遊水室2aの港湾内海BL側壁WLの内壁面に跳ね返されて重複波を形成する。そして、遊水室2の海水面Lsよりも護岸堤の前面側の波の高さLhが高い場合、遊水室2の海水面Lsが護岸堤の前面側の波の高さLhよりも高い場合、のいずれの場合も、護岸堤について、図4(a)および(b)に示したのと同様に、オリフィス状に形成された導水孔5aの流路抵抗の小さい方向へ、即ち、即ち導水孔5aから港湾内海BL側へ海水が流出する。この海水の流出量を補うために、海水導入口3aから遊水室2aに海水が流入する。
【0034】
このような海水の流れによって、港湾外海BRの海面付近の溶存酸素量の多い海水が堤体1aの遊水室2a内を通過して下方に移動し、導水孔5aから港湾内海BL側へ吐出され、そして、港湾内海BL側の海水は、港口等から港湾外海BR側へ戻って、港湾外海BR側の海水と港湾内海BL側の海水とが交換される。
【0035】
図5(a)および(b)は護岸堤の他の実施形態を示したもので、堤体1の遊水室2の内部の、海水導入口3と導水孔5との間に、海水導入口3側の断面積が導水孔5側の断面積よりも大きい、例えば、断面形状Cが円形のオリフィス状の通水孔9を、図6(a)および(b)に示すように、多数配置した多孔板10が設けられている。前記通水孔9は、図6(c)に示すように、断面形状Cが角形状のオリフィス形状であってもよい。
【0036】
前記通水孔9は、海水導入口3側の断面積が導水孔5側の断面積よりも大きいオリフィス状に形成されているため、海水導入口3から流入した海水が遊水室2内を通過する際の通水孔9の流路抵抗は小さく、逆に、導水孔5側から海水導入口3への流路抵抗は大きい。このため、遊水室2内での海水の下方への移動には支障を及ぼさず、導水孔5から多孔板10の上部の遊水室2内への海水の戻りを抑制することができる。このように、導水孔5自体の海水の戻りの抑制効果に、多孔板自体の効果も加わるために、海水の戻りが一段と抑制され、海水導入口3から流入した海水が、遊水室2内を下方へ移動して、導水孔5から吐出される海水の海水の循環がより効率的に行なわれる。さらに、この多孔板10を遊水室2内部に設けることによる堤体1の補強効果も得られる。なお、この多孔板10は、前述の海水交換の効率を上げるために、常に海水中に没する位置に設けることが望ましい。
【0037】
図7および図8は、護岸堤の転倒が問題になる場合の実施形態をそれぞれ示したものである。
【0038】
図7に示した護岸堤は、堤体1内部の遊水室2の底部側を半分にして、中詰材7の充填スペースを増加させ、コンクリート蓋8aを屈曲させて前記中詰材7を封入し、かつ、コンクリート蓋8aと、海水導入口3と導水孔5との間の側壁WL、WRの間に多孔板10が設けられている。
【0039】
このようにすれば、中詰材7の充填量が増加するので、護岸提の安定度が増して転倒防止に有効である。また、この場合にも多孔板10aを設けているため、海水導入口3から導水孔4へ向かう海水の移動に支障を生じず、堤体1の補強効果が得られる。
【0040】
図8に示した護岸堤は、中詰材7の充填スペースを遊水室2の底部側の一部に拡大して中詰材7の充填量を増加させ、遊水室2の底部と導水孔5とを連通するための導水パイプ11が設けられている。
【0041】
このようにしても、中詰材7の充填量が増加するので、護岸提の安定度が増して転倒防止に有効である。また、この場合にも多孔板10を設けているので、海水導入口3から導水孔5へ向かう海水の移動に支障を生じず、海水の循環効率の向上や堤体1の補強効果が得られる。さらに、導水パイプ11を設けたので、遊水室2が高さ方向に狭くなっても、導水孔5の位置を堤体1の側壁WRの下部に設けることができるため、溶存酸素量の多い海面付近の海水を護岸堤前面側の海底に供給することができる。
【0042】
図9から図11は、防波堤の他の実施形態を示したものである。
【0043】
図9に示す防波堤では、図5に示した護岸堤の場合と同様の多孔板10が、堤体1aの遊水室2aの内部の、海水導入口3aと導水孔5aとの間に設けられている。護岸堤の場合と同様に、この多孔板10の設置により、海水導入口3aから導水孔5aへの海水の移動に支障を及ぼさず、逆に、導水孔5から多孔板10の上部の遊水室2内への海水の戻りを抑制することができる。導水孔5自体の海水の戻りの抑制効果に、多孔板自体の効果も加わるために、海水の戻りが一段と抑制され、海水導入口3aから流入した海水が、遊水室2a内を下方へ移動して、導水孔5aから吐出され、港湾外海BR側と港湾内海側BLとの海水の交換がより効率的に行なわれる。また、この多孔板10の配置により、堤体1aの補強効果も得られる。
【0044】
また、図10に示す防波堤では、前記多孔板10と同様の多孔板10bが、遊水室2aを左右に分け隔てるように、その端部を堤体1aの上部壁内面およびコンクリート蓋8にそれぞれ固定され、垂直方向に設けられている。このようにしても、海水導入口3aから導水孔5aへの海水の移動に支障を及ぼさずに、海水の戻りを抑制でき、堤体1aの補強効果が得られる。
【0045】
さらに、図11に示す防波堤では、堤体1aの遊水室2aの内部の、海水導入口3aと導水孔5aとの間に、多孔板10(図9参照)が水平に2段設けられ、かつ、堤体1aの港湾内海BL側の側壁WLに導水孔5aに近接して、同様のオリフィス状の導水孔5bが設けられ、港湾外海BR側の側壁WRにも、導水孔5aと同様のオリフィス状の導水孔5cが、港湾外海BR側に向かって断面積が小さくなる向きに設けられている。
【0046】
このように、港湾内海側に2つの導水孔5a、5bを設けることにより、これらの導水孔5a、5bは遊水室2aから港湾内海BL側へ向かう流路抵抗が小さいため、遊水室2aから港湾内海BL側への海水の流出量が多くなる。また、港湾外海BR側に設けた導水孔5cも、遊水室2aから港湾外海BR側に向かう流路抵抗が小さいため、遊水室2aから港湾外海BR側へも海水が流出する。これらの海水の流出量を補うために、海水導入口3aから遊水室2aに流入する海水量も多くなる。このような海水の流れによって、港湾外海BR側と港湾内海BL側の海水の交換量が増加し、海面付近の溶存酸素量の多い海水が港湾内海BL側に供給され、そして、この溶存酸素量の多い海水は港湾外海BR側の海底部にも供給されるため、港湾内海BL側のみならず、港湾外海BR側の水質も浄化される。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、護岸堤および防波堤の内部の遊水室に設ける、導入した海水を港湾内へ導出するための導水孔を、遊水室側から港湾側へ断面積が縮小するオリフィス状に形成したので、この導水孔を通って、流路抵抗の小さい遊水室側から港湾側へ流出する海水の流量が、流路抵抗の大きい港湾側から遊水室へ流入する流量よりも、格段に多くなる。そして、この海水の流出量を補うために、遊水室上部の海水導入口を経て海水が港湾側から流入し、導水孔から流出した海水の遊水室内への戻りが抑制される。
【0048】
波の繰り返し運動によるこのような海水の流れにより、護岸堤前面側では、海水の循環流が形成されて、海面付近の溶存酸素量の多い海水が、海水の滞留域である海底部に供給される。また、防波堤では、港湾外海側から港湾内海側への海水の移動が促進されて、港湾外海、内海間で海水の交換が効果的に行なわれる。
それにより、港湾内海側、特に護岸堤前面側の海底部の水質の悪化が防止され、生態系などへの悪影響が排除される。そして、これらの海水の流れには、特に可動部や外部からのエネルギーを必要としないため、経済的に水質浄化を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明の実施形態の護岸堤の縦断側面図
(b)同上の正面図
【図2】(a)実施形態の護岸堤に設ける導水孔の縦断面図
(b)同上の導水孔の正面図
(c)実施形態の他の導水孔の縦断面図
(d)同上の他の導水孔の縦断面図
(e)同上の他の導水孔の正面図
(f)同上の他の導水孔の正面図
【図3】(a)この発明の実施形態の防波堤の縦断側面図
(b)同上の正面図
【図4】(a)護岸堤内部の海水の流れを模式的に示す説明図
(b)同上
【図5】(a)他の実施形態の護岸堤の縦断側面図
(b)同上の正面図
【図6】(a)実施形態の護岸堤および防波堤の遊水室に設ける多孔板の斜視図
(b)同上の平面図
(c)同上の他の多孔板の平面図
【図7】他の実施形態の護岸堤の縦断側面図
【図8】他の実施形態の護岸堤の縦断側面図
【図9】(a)他の実施形態の防波堤の縦断側面図(b)同上の正面図
【図10】他の実施形態の防波堤の縦断側面図
【図11】他の実施形態の防波堤の縦断側面図
【符号の説明】
1、1a:堤体 2、2a:遊水室 3、3a:海水導入口
4、4a:海水面 5、5a、5b、5c:導水孔 6:内周面
7:中詰材 8、8a:コンクリート蓋 9:通水孔 10、10a、10b:多孔板 11:導水パイプ A:基礎捨石 B:港湾 BL:港湾内海 BR:港湾外海 C:断面形状
E:端面 S:裏込み石 WL、WR:側壁
【発明の属する技術分野】
この発明は、波力による海水の運動を利用して、海水を交換・浄化する機能を有する護岸堤および防波堤に関する。
【0002】
【従来の技術】
埋め立てや浚渫を行なった海岸域、特に水深が深く、平均波高さが低い沿岸では、護岸海底部に海水の移動がほとんど発生しない滞留域が発生し、水質汚染の問題を生じている。このような問題を解消するためには、護岸前面側で、海水を鉛直方向に循環させることで、海水表面の溶存酸素量の多い水を、海底部に移動させ、水質を浄化することが必要である。
【0003】
このため、内部に遊水室を有し、その上部側壁および下部側壁に、遊水室に連通する海水導入用開口部および海水流出用開口部を設けた護岸堤体により、波力による海水の運動を利用して、海水表面の溶存酸素量の多い海水を、前記海水導入用開口部から遊水室に導入してその底部側に移動させ、前記海水排出用開口部から遊水室底部に滞留していた海水を排出して、海水を、その波力による運動により移動・交換、即ち循環させ、その水質を浄化する海水移動・交換型の護岸堤体が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
一方、港湾部では防波堤が設置されており、この防波堤により、港湾外海側からの海水の移動が遮られて、港湾内海側に海水が十分流入しないため、港湾の内海と外海間での海水の循環が不十分となり、港湾内海側での水質汚染の問題を生じている。
【0005】
このような問題を解消するために、防波堤の港湾外海側の壁面に設けた、海水導入用の矩形状開口部または複数のスリット状開口部と、港湾内海側の壁面に設けた、海水流出用の矩形状開口部または海水流通用開口部と、これらの開口部間にそれぞれ形成された遊水室とにより、または貫通透水孔や貫通管路を設けることにより、いずれも波力による海水の運動を利用して、港湾内海側と港湾外海側の海水を交換する海水循環型の防波堤がそれぞれ開示されている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−27141号公報([0006]、[0010]〜[0018])
【特許文献2】
特開2001−159115号公報([0005]、[0012]〜[0018])
【特許文献3】
特開2001−295243号公報([0015]、[0023]〜[0028])
【特許文献4】
特開2001−40632号公報、([0007]〜[0014])
【特許文献5】
特開平9−41341号公報、([0009]〜[0016])
【特許文献6】
特開平7−62665号公報([0005]〜[0007])
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記護岸堤体では、波力による海水の上下運動を利用して、鉛直方向または水平方向に海水を移動させて交換する方法を用いているが、波力による海水の運動は周期的な繰り返し運動であるため、海水流出用開口部から吐出した海水は、次の波の周期で逆に流出口から吸い込まれて遊水室に戻るため、海面から前記遊水室底部に至る海水の移動が十分に起こらない。特に、波周期が短い場合には、海水の吐出と吸い込みの時間がそれぞれ短いために、この短時間の吐出と吸い込みの繰り返しによって、護岸堤体底部の滞留域の海水のみが攪拌されて、海面の溶存酸素が多い海水が海底部の方に運ばれないことになる。
【0008】
一方、前記防波堤についても、波力による海水の運動を利用して、海水を循環させるため、特に、海水の繰り返し運動の周期が短い場合には、前記護岸堤体の場合と同様に、この短時間の海水の吐出と吸い込みの繰り返しによって、海水流出用の開口部の近傍の海水のみが攪拌されて、港湾外海側と港湾内海側間との海水の交換が十分に行われない。
【0009】
このため、遊水室に入った海水の戻りを少なくして、海水排出用の開口部から海水を効果的に導出するために、前記特開2001−159115号公報では、護岸堤体の上部側壁に設けたスリット状の海水導入用開口部を、その前面側から背面側に向かって次第に狭くなるようにテーパ状に形成する工夫も行なっている。また、前記特開平7−62665号公報では、港湾内海側と港湾外海側の海水を交換するために、防波堤に形成した前記貫通管路に狭搾部、即ち絞り部を設けて導入した海水を拡縮し、この拡縮の際に混入された空気を港湾内面側に排出して必要な酸素を供給するように工夫を凝らしている。
【0010】
しかし、このように、スリット状の海水導入用開口部をテーパ状に形成した場合には、遊水室に入った海水の戻りは少なくなるものの、この海水は遊水室内の水面の上昇に使われるのみで、海水排出用開口部への海水の移動が十分行なわれない。また、貫通管路に絞り部を設けるなどした場合にも、港湾外海側から港湾内海側への海水の円滑な移動が十分行なわれなくなる。
【0011】
そこで、この発明の課題は、下部側に設けた海水流出口から遊水室への海水の戻りを少なくし、上部側に設けた海水導入口から護岸堤海底部または港湾内海側への海水の循環・交換量を大幅に増加できるようにした海水交換型護岸堤および防波堤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
【0013】
即ち、堤体の内部に海水の自由な出入りが可能な遊水室を設け、この遊水室に海水を導入する海水導入口を前記堤体の上部に設け、導入した海水を遊水室から導出させる導水孔を前記堤体の下部に設けた海水交換型の護岸堤の前記導水孔を、その港湾側に面する断面積が遊水室側の断面積よりも小さいオリフィス状に形成したのである。
【0014】
前記導水孔は、港湾側から遊水室側へ断面積が広がるオリフィス状に形成されているため、この導水孔の、海水が遊水室側から港湾側へ流れる流路抵抗は、港湾側から遊水室側に流れる場合に比べて小さい。このため、導水孔を通って遊水室から港湾側へ流出する海水量は、港湾側からこの導水孔を通って遊水室側に流入する海水量よりも大幅に多くなる。この海水の流出量および流入量の差を補うために、堤体上部に設けた前記海水導入口から海水が遊水室へ流入する。
【0015】
波の繰り返し運動による、このような海水の流れにより、護岸前面側の海面付近の溶存酸素量の多い海水が遊水室内を通過して下方に移動して堤体下部の導水孔から港湾側へ流出、即ち吐出され、循環流が形成される。そして、港湾側から遊水室側への導水孔の流路抵抗は大きいため、吐出された海水の戻りは少なく、循環量が大幅に増加し、護岸堤前面側の海底部に溶存酸素量が多い海水が供給されて水質が浄化される。
【0016】
前記遊水室内部の海水導入口と導水孔との間に、下部の断面積が上部の断面積よりも小さいオリフィス形状の通水孔を多数有する多孔板を設けることが望ましい。
【0017】
前記多孔板に設けた通水孔は上部の断面積が下部の断面積よりも大きいオリフィス状に形成されているため、前記海水導入口から流入した海水が遊水室内を通過する際の通水孔の流路抵抗は小さく、逆に、導水孔側から海水導入口側への通水孔の流路抵抗は大きい。このため、遊水室内での海水の下方への移動には支障を来たさず、逆に、遊水室内での海水の上方への移動、即ち、海水の戻りが抑制される。そして、この多孔板を遊水室内部に設けることにより、前記堤体の補強効果が得られる。
【0018】
堤体の内部に海水の自由な出入りが可能な遊水室を設け、この遊水室に海水を導入する海水導入口を前記堤体の上部に設け、導入した海水を遊水室から導出させる導水孔を前記堤体の港湾内海側に設けた海水交換型の防波堤の前記導水孔を、その港湾側に面する断面積が遊水室側の断面積よりも小さいオリフィス状に形成したのである。
【0019】
このように、堤体の港湾内海側にオリフィス状の導水孔を設けておけば、この導水孔の、海水が遊水室側から港湾内海側へ流れる流路抵抗小さくなり、逆に、港湾内海側から遊水室側へ流れる流路抵抗は大きくなる。このため、前記護岸堤の場合と同様に、導水孔を通って遊水室から港湾内海側へ流出する海水量は、港湾内海側からこの導水孔を通って遊水室側に流入する海水量よりも多くなる。この海水の流出量と流入量の差、即ち流出入量差を補うために、堤体上部に設けた海水導入口から海水が遊水室へ流入する。
【0020】
このような海水の流れにより、港湾外海側の海水が遊水室内を通過して港湾内海側へ供給され、しかも前記オリフィス状の導水孔の効果により、海水の遊水室内への戻り少なくなる。このようにして、港湾外海側と港湾内海側との海水交換を十分に行なうことができ、海水交換量が大幅に増加する。
【0021】
前記遊水室内部の海水導入口と港湾内海側に設けた導水孔との間に、下部の断面積が上部の断面積よりも小さいオリフィス形状の通水孔が多数有する多孔板を設けることが望ましい。
【0022】
前記多孔板に設けた通水孔は上部の断面積が下部の断面積よりも大きいオリフィス状に形成されているため、前記海水導入口から流入した海水が遊水室内を通過する際の多孔板の流路抵抗は小さく、逆に、導水孔側から海水導入口側への通水孔の流路抵抗は大きい。このため、遊水室内での海水の下方への移動、即ち港湾外海側から港湾内海側への海水の移動には支障を及ぼさず、逆に、遊水室内での海水の上方への移動、即ち、海水の戻りが抑制される。そして、この多孔板を遊水室内部に設けることにより、前記堤体の補強効果が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態を添付の図1から図11に基づいて説明する。
【0024】
図1(a)および(b)は、沿岸に取り付けた裏込み石Sに接するように設けた護岸堤を示したものである。この護岸堤は堤体1が基礎捨石Aの上に固定されたものである。前記堤体1の内部には、海水の自由な出入りが可能な遊水室2が設けられ、堤体1の港湾B側の側壁WRの上部に、この遊水室2に海水を導入するスリット状の複数の海水導入口3が、その高さH内に平均高さの海水面4の位置が収まるように細長く設けられている。また、遊水室2から海水を導出させる導水孔5が、港湾B側の側壁WRの下部に、海水面4よりも下側に位置するように複数設けられている。前記導水孔5は、図2(a)および(b)に示すように、断面形状Cが円形で、遊水室2側から港湾B側にかけて、内周面6が円弧状に縮径したオリフィス状に形成されている。前記堤体の底部には、護岸堤の滑動や転倒を防止するため、中詰材7が充填され、コンクリート蓋8で封入されている。
【0025】
図3(a)および(b)は、防波堤を示したもので、前記護岸堤の場合と同様に、堤体1aが基礎捨石Aの上に固定されている。前記堤体1aの内部には、海水の自由な出入りが可能な遊水室2aが設けられ、堤体1aの港湾外海BR側の側壁WRの上部に、この遊水室2aに海水を導入するスリット状の複数の海水導入口3aが、その高さH内に平均高さの海水面4の位置が収まるように細長く設けられている。また、遊水室2aから海水を導出させる導水孔5aが、港湾内海BL側の側壁WLの下部に、海水面4よりも下側に位置するように複数設けられている。なお、導水孔5aの位置は、必ずしも海水導入口3aよりも下側に設ける必要はないが、海底の滞留域の海水を入れ替えるためには、堤体1aの港湾内海BL側の側壁WLのより下部の位置に設けることが望ましい。
【0026】
前記導水孔5aは、図2(a)および(b)に示したように、断面形状Cが円形で、遊水室2側から港湾内海BL側にかけて、内周面6が円弧状に縮径したオリフィス状に形成されている。このように、内周面6を円弧状に縮径すると、入側から出側にかけての流路抵抗の変化が大きくなり、遊水室2側から港湾側への流路抵抗と、港湾側から遊水室側へ向かう流路抵抗の差を大きくすること、即ち、遊水室2側から港湾側へ海水がより流出しやすく、港湾側から遊水室2側へ海水をより戻りにくくすることができる。前記堤体1aの底部には、護岸堤の滑動や転倒を防止するため、中詰材7が充填され、コンクリート蓋8で封入されている。
【0027】
なお、前記護岸堤の堤体1に設けた導水孔5、および前記防波堤の堤体1aに設けた導水孔5aは、図2(c)に示すように、断面形状Cが円形の内周面6aをテーパ状に縮径したオリフィス状に形成してもよく、また、図2(d)に示すように、その港湾側の端面Eを、堤体1または1aの側壁WR、WLから突出させたオリフィス状に形成することもできる。このように、港湾側の端面Eを突出、即ち延長することにより、上述のように、導水孔5の流路変化が大きくなり、港湾側から遊水室2側へ海水をより戻りにくくすることができる。さらに、この導水孔5または5aの断面形状Cは、図2(e)および(f)に示すように、角形状や矩形形状に形成することもできる。
【0028】
この発明の実施形態の護岸堤および防波堤は以上のような構成であり、以下にその機能について説明する。
【0029】
沖合いから向かってきた波、即ち進行波は、図1に示した護岸堤に衝突後、堤体1の港湾B側の側壁WRおよび遊水室2の裏込み石S側の側壁WLの内壁面に跳ね返されて重複波を形成する。そして、図4(a)に模式的に示すように、遊水室2の海水面Lsよりも護岸堤の前面側の波の高さLhが高い場合には、海水の圧力差により、海水導入口3および導水孔5から海水が遊水室2に流入する。
【0030】
前記導水孔5は、前述のように、遊水室2側から港湾B側へ縮径し、断面積が減少するオリフィス状に形成されているため、海水が遊水室2側へ流れる場合の導水孔5の流路抵抗は、遊水室2から流出する場合の流路抵抗よりも大きい。このため、図4(a)に示した海水が遊水室2に流入する場合、導水孔5からの流入量は少なく、大半が海水導入口3から流入し、遊水室2内の海水面Lsが上昇する。そして、遊水室2と護岸堤前面側の波の高さLhが同じになると、流路抵抗が小さい方向へ、即ち導水孔5から護岸堤前面側へ海水が流出、即ち吐出される。この海水の流出量を補うために、海水導入口3から遊水室2に海水が流入する。
【0031】
このような海水の流れによって、護岸前面側の海面付近の溶存酸素量の多い海水が遊水室2内を通過して下方に移動し、導水孔5から港湾B側へ吐出され、この吐出された海水の遊水室2への戻りは少なく、海水が循環する。それにより、護岸堤前面側の海底部に溶存酸素量が多い海水が供給されて水質が浄化される。
【0032】
一方、図4(b)に模式的に示すように、遊水室2の海水面Lsが護岸堤の前面側の波の高さLhよりも高い場合には、海水導入口3および導水孔5から海水が港湾B側に流出する。そして、遊水室2の海水面Lsが護岸堤の前面側の波の高さLhと等しい高さになっても、前述のように、前記導水孔5の、遊水室2側から港湾B側への流路抵抗が小さいために、導水孔5から護岸堤前面側へ海水が流出する。この海水の流出量を補うために、海水導入口3から遊水室2に海水が流入する。このような海水の流れによって、図4(a)に示した場合と同様に、護岸堤前面側の海面付近の溶存酸素量の多い海水が遊水室2内を通過して下方に移動し、導水孔5から港湾B側へ吐出され、海水が循環する。
【0033】
図3に示した防波堤の場合についても、沖合いから向かってきた進行波は、防波 堤に衝突後、堤体1aの港湾外海BR側の側壁WRおよび遊水室2aの港湾内海BL側壁WLの内壁面に跳ね返されて重複波を形成する。そして、遊水室2の海水面Lsよりも護岸堤の前面側の波の高さLhが高い場合、遊水室2の海水面Lsが護岸堤の前面側の波の高さLhよりも高い場合、のいずれの場合も、護岸堤について、図4(a)および(b)に示したのと同様に、オリフィス状に形成された導水孔5aの流路抵抗の小さい方向へ、即ち、即ち導水孔5aから港湾内海BL側へ海水が流出する。この海水の流出量を補うために、海水導入口3aから遊水室2aに海水が流入する。
【0034】
このような海水の流れによって、港湾外海BRの海面付近の溶存酸素量の多い海水が堤体1aの遊水室2a内を通過して下方に移動し、導水孔5aから港湾内海BL側へ吐出され、そして、港湾内海BL側の海水は、港口等から港湾外海BR側へ戻って、港湾外海BR側の海水と港湾内海BL側の海水とが交換される。
【0035】
図5(a)および(b)は護岸堤の他の実施形態を示したもので、堤体1の遊水室2の内部の、海水導入口3と導水孔5との間に、海水導入口3側の断面積が導水孔5側の断面積よりも大きい、例えば、断面形状Cが円形のオリフィス状の通水孔9を、図6(a)および(b)に示すように、多数配置した多孔板10が設けられている。前記通水孔9は、図6(c)に示すように、断面形状Cが角形状のオリフィス形状であってもよい。
【0036】
前記通水孔9は、海水導入口3側の断面積が導水孔5側の断面積よりも大きいオリフィス状に形成されているため、海水導入口3から流入した海水が遊水室2内を通過する際の通水孔9の流路抵抗は小さく、逆に、導水孔5側から海水導入口3への流路抵抗は大きい。このため、遊水室2内での海水の下方への移動には支障を及ぼさず、導水孔5から多孔板10の上部の遊水室2内への海水の戻りを抑制することができる。このように、導水孔5自体の海水の戻りの抑制効果に、多孔板自体の効果も加わるために、海水の戻りが一段と抑制され、海水導入口3から流入した海水が、遊水室2内を下方へ移動して、導水孔5から吐出される海水の海水の循環がより効率的に行なわれる。さらに、この多孔板10を遊水室2内部に設けることによる堤体1の補強効果も得られる。なお、この多孔板10は、前述の海水交換の効率を上げるために、常に海水中に没する位置に設けることが望ましい。
【0037】
図7および図8は、護岸堤の転倒が問題になる場合の実施形態をそれぞれ示したものである。
【0038】
図7に示した護岸堤は、堤体1内部の遊水室2の底部側を半分にして、中詰材7の充填スペースを増加させ、コンクリート蓋8aを屈曲させて前記中詰材7を封入し、かつ、コンクリート蓋8aと、海水導入口3と導水孔5との間の側壁WL、WRの間に多孔板10が設けられている。
【0039】
このようにすれば、中詰材7の充填量が増加するので、護岸提の安定度が増して転倒防止に有効である。また、この場合にも多孔板10aを設けているため、海水導入口3から導水孔4へ向かう海水の移動に支障を生じず、堤体1の補強効果が得られる。
【0040】
図8に示した護岸堤は、中詰材7の充填スペースを遊水室2の底部側の一部に拡大して中詰材7の充填量を増加させ、遊水室2の底部と導水孔5とを連通するための導水パイプ11が設けられている。
【0041】
このようにしても、中詰材7の充填量が増加するので、護岸提の安定度が増して転倒防止に有効である。また、この場合にも多孔板10を設けているので、海水導入口3から導水孔5へ向かう海水の移動に支障を生じず、海水の循環効率の向上や堤体1の補強効果が得られる。さらに、導水パイプ11を設けたので、遊水室2が高さ方向に狭くなっても、導水孔5の位置を堤体1の側壁WRの下部に設けることができるため、溶存酸素量の多い海面付近の海水を護岸堤前面側の海底に供給することができる。
【0042】
図9から図11は、防波堤の他の実施形態を示したものである。
【0043】
図9に示す防波堤では、図5に示した護岸堤の場合と同様の多孔板10が、堤体1aの遊水室2aの内部の、海水導入口3aと導水孔5aとの間に設けられている。護岸堤の場合と同様に、この多孔板10の設置により、海水導入口3aから導水孔5aへの海水の移動に支障を及ぼさず、逆に、導水孔5から多孔板10の上部の遊水室2内への海水の戻りを抑制することができる。導水孔5自体の海水の戻りの抑制効果に、多孔板自体の効果も加わるために、海水の戻りが一段と抑制され、海水導入口3aから流入した海水が、遊水室2a内を下方へ移動して、導水孔5aから吐出され、港湾外海BR側と港湾内海側BLとの海水の交換がより効率的に行なわれる。また、この多孔板10の配置により、堤体1aの補強効果も得られる。
【0044】
また、図10に示す防波堤では、前記多孔板10と同様の多孔板10bが、遊水室2aを左右に分け隔てるように、その端部を堤体1aの上部壁内面およびコンクリート蓋8にそれぞれ固定され、垂直方向に設けられている。このようにしても、海水導入口3aから導水孔5aへの海水の移動に支障を及ぼさずに、海水の戻りを抑制でき、堤体1aの補強効果が得られる。
【0045】
さらに、図11に示す防波堤では、堤体1aの遊水室2aの内部の、海水導入口3aと導水孔5aとの間に、多孔板10(図9参照)が水平に2段設けられ、かつ、堤体1aの港湾内海BL側の側壁WLに導水孔5aに近接して、同様のオリフィス状の導水孔5bが設けられ、港湾外海BR側の側壁WRにも、導水孔5aと同様のオリフィス状の導水孔5cが、港湾外海BR側に向かって断面積が小さくなる向きに設けられている。
【0046】
このように、港湾内海側に2つの導水孔5a、5bを設けることにより、これらの導水孔5a、5bは遊水室2aから港湾内海BL側へ向かう流路抵抗が小さいため、遊水室2aから港湾内海BL側への海水の流出量が多くなる。また、港湾外海BR側に設けた導水孔5cも、遊水室2aから港湾外海BR側に向かう流路抵抗が小さいため、遊水室2aから港湾外海BR側へも海水が流出する。これらの海水の流出量を補うために、海水導入口3aから遊水室2aに流入する海水量も多くなる。このような海水の流れによって、港湾外海BR側と港湾内海BL側の海水の交換量が増加し、海面付近の溶存酸素量の多い海水が港湾内海BL側に供給され、そして、この溶存酸素量の多い海水は港湾外海BR側の海底部にも供給されるため、港湾内海BL側のみならず、港湾外海BR側の水質も浄化される。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、護岸堤および防波堤の内部の遊水室に設ける、導入した海水を港湾内へ導出するための導水孔を、遊水室側から港湾側へ断面積が縮小するオリフィス状に形成したので、この導水孔を通って、流路抵抗の小さい遊水室側から港湾側へ流出する海水の流量が、流路抵抗の大きい港湾側から遊水室へ流入する流量よりも、格段に多くなる。そして、この海水の流出量を補うために、遊水室上部の海水導入口を経て海水が港湾側から流入し、導水孔から流出した海水の遊水室内への戻りが抑制される。
【0048】
波の繰り返し運動によるこのような海水の流れにより、護岸堤前面側では、海水の循環流が形成されて、海面付近の溶存酸素量の多い海水が、海水の滞留域である海底部に供給される。また、防波堤では、港湾外海側から港湾内海側への海水の移動が促進されて、港湾外海、内海間で海水の交換が効果的に行なわれる。
それにより、港湾内海側、特に護岸堤前面側の海底部の水質の悪化が防止され、生態系などへの悪影響が排除される。そして、これらの海水の流れには、特に可動部や外部からのエネルギーを必要としないため、経済的に水質浄化を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明の実施形態の護岸堤の縦断側面図
(b)同上の正面図
【図2】(a)実施形態の護岸堤に設ける導水孔の縦断面図
(b)同上の導水孔の正面図
(c)実施形態の他の導水孔の縦断面図
(d)同上の他の導水孔の縦断面図
(e)同上の他の導水孔の正面図
(f)同上の他の導水孔の正面図
【図3】(a)この発明の実施形態の防波堤の縦断側面図
(b)同上の正面図
【図4】(a)護岸堤内部の海水の流れを模式的に示す説明図
(b)同上
【図5】(a)他の実施形態の護岸堤の縦断側面図
(b)同上の正面図
【図6】(a)実施形態の護岸堤および防波堤の遊水室に設ける多孔板の斜視図
(b)同上の平面図
(c)同上の他の多孔板の平面図
【図7】他の実施形態の護岸堤の縦断側面図
【図8】他の実施形態の護岸堤の縦断側面図
【図9】(a)他の実施形態の防波堤の縦断側面図(b)同上の正面図
【図10】他の実施形態の防波堤の縦断側面図
【図11】他の実施形態の防波堤の縦断側面図
【符号の説明】
1、1a:堤体 2、2a:遊水室 3、3a:海水導入口
4、4a:海水面 5、5a、5b、5c:導水孔 6:内周面
7:中詰材 8、8a:コンクリート蓋 9:通水孔 10、10a、10b:多孔板 11:導水パイプ A:基礎捨石 B:港湾 BL:港湾内海 BR:港湾外海 C:断面形状
E:端面 S:裏込み石 WL、WR:側壁
Claims (4)
- 堤体の内部に海水の自由な出入りが可能な遊水室を設け、この遊水室に海水を導入する海水導入口を前記堤体の上部に設け、導入した海水を遊水室から導出させる導水孔を前記堤体の下部に設けた海水交換型の護岸堤であって、前記導水孔を、その港湾側に面する断面積が遊水室側の断面積よりも小さいオリフィス状に形成したことを特徴とする海水交換型の護岸堤。
- 前記遊水室内部の海水導入口と導水孔との間に、下部の断面積が上部の断面積よりも小さいオリフィス状の通水孔を多数有する多孔板を設けたことを特徴とする請求項1に記載の海水交換型の護岸提。
- 堤体の内部に海水の自由な出入りが可能な遊水室を設け、この遊水室に海水を導入する海水導入口を前記堤体の上部に設け、導入した海水を遊水室から導出させる導水孔を前記堤体の港湾内海側に設けた海水交換型の防波堤であって、前記導水孔を、その港湾側に面する断面積が遊水室側の断面積よりも小さいオリフィス状に形成したことを特徴とする海水交換型の防波堤。
- 前記遊水室内部の海水導入口と港湾内海側に設けた導水孔との間に、下部の断面積が上部の断面積よりも小さいオリフィス状の通水孔を多数有する多孔板を設けた請求項3に記載の海水交換型の防波堤。
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KR20210050315A (ko) * | 2019-10-28 | 2021-05-07 | 한국수력원자력 주식회사 | 원자력 발전소의 배출수 방류 장치 |
-
2002
- 2002-11-06 JP JP2002322961A patent/JP2004156306A/ja active Pending
Cited By (3)
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KR102315886B1 (ko) * | 2019-10-28 | 2021-10-20 | 한국수력원자력 주식회사 | 원자력 발전소의 배출수 방류 장치 |
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