JP2004155967A - 抗菌・防カビ性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】シーリング材等に用いられる抗菌性・防カビ性およびその持続性に優れ、かつ耐熱、耐紫外線性等の耐候性および耐変色性に優れたオルガノポリシロキサン組成物を提供すること。
【解決手段】(A)オルガノポリシロキサン: 100重量部
(B)ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物および/またはその部分加水分解縮合物: 0.1〜30重量部、並びに
(C)層状珪酸塩の層間に、チアゾール系化合物および/またはイミダゾール系化合物を担持させた抗菌・防カビ剤: 0.01〜10重量部
を含む、変色が少ない抗菌・防カビ性オルガノポリシロキサン組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)オルガノポリシロキサン: 100重量部
(B)ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物および/またはその部分加水分解縮合物: 0.1〜30重量部、並びに
(C)層状珪酸塩の層間に、チアゾール系化合物および/またはイミダゾール系化合物を担持させた抗菌・防カビ剤: 0.01〜10重量部
を含む、変色が少ない抗菌・防カビ性オルガノポリシロキサン組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシーリング材等に用いられる抗菌性および防カビ性に優れ、かつ耐熱、耐紫外線性等の耐候性および耐変色性に優れたオルガノポリシロキサン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
湿気により架橋するRTVシリコーンゴムは、取り扱いが容易であり、その硬化物が耐侯性、電気特性等に優れるため、建材用のシーリング材、電気・電子分野での接着剤等の様々な分野で利用されている。特に、脱オキシムタイプのRTVシリコーンゴムは、各種の被着体に良好な接者性を有し、しかも耐侯性にも優れるため、水回り用のシーリング材として用いられている。
【0003】
一方、近年、住宅の建設技術が向上するとともに気密性も向上し、カビ等の微生物にとって住宅内の水回りは格好の生息域となっている。特に、カビは、RTVシリコーンゴム内部にまで菌糸を挿入するので、そのふき取りはもとより薬剤による除去も困難であり、外観を損ねることが多い。
【0004】
その解決策として、抗カビ性の薬剤をシーリング材中に混練することが行われている。特に、シリコーンゴム系シーリング材では、抗カビ性および安全性の面から、防カビ剤として、2,3,5,6−テトラクロル−4−メチルスルホニルピリジン(特開昭51−106158号)、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(特開昭54−127960号)、メチルベンズイミダゾール−2−イルカルバメートのようなN−置換ベンズイミダゾリルカルバメート誘導体(特開昭56−38348号)等が提案されている。しかし、これらの防カビ剤を含んだシーリング材は、加熱または紫外線により黄変するという問題があり、このため防カビ剤の添加量は黄変が生じない程度の少量に制限され、確実に防カビ性を発揮することができないという問題があった。
【0005】
また、近年、病原性大腸菌O−157による中毒の問題や、抗菌性を付与した床材、衛生陶器等の抗菌仕様商品の開発販売に伴い、使用するシーリング材にも抗菌仕様が要求されてきている。しかし、上記従来の防カビ性を主目的としたシーリング材では、抗菌性は考慮されていない。そこで、本発明者らは、特開平7−76654号において、N−置換ベンズイミダゾ−ル等の有機系防カビ剤と銀系、錫系、銅系等の無機系抗菌剤とを組み合わせて、抗菌性および防カビ性の両性能を付与したシーリング材を提案した。このシーリング材は、防カビ性および抗菌性はある程度満足するものの、耐変色性の点で未だ不十分なものであった。
【0006】
また、本発明者らは、特開平8−217977号、特開平9−25410号、特開平10−46033号、および特開平10−330618号において、建材用等に用いられる脱オキシムタイプRTVシリコーンゴムの変色防止には、デブコナゾール等のトリアゾール化合物系防カビ剤が有効であり、また、硬化剤として用いられる加水分解性シランは不飽和基を有しないものであることが有効であることを提案した。更に、抗菌性・防カビ性および耐変色性について鋭意検討を行った結果、本発明者らは、特開平11−199777号において、デブコナゾール等のトリアゾール化合物が変色しにくく、この化合物とともに、無機系物質(ゼオライト、アパタイトおよびシリカから選ばれるもの)に銀および/または銀イオンを担持させるか、或いは含有させた無機系抗菌剤を組み合わせると抗菌性能の持続性が良好であり、シーリング材として有用なオルガノポリシロキサン組成物が得られることを提案した。しかしながら、この組成物では、変色を抑制するために、トリアゾール化合物の添加量の範囲を制限する必要があったため、未だ十分な防カビ性の持続性が得られなかった。また、防カビ性・抗菌性を有する組成物とするために、防カビ性を有する(有機系)化合物と抗菌性を有する(無機系)化合物を併用する場合には、抗菌性・防カビ性と耐変色性とを両立させることが困難であった。
【0007】
一方、特開平10−176163号には、層状珪酸塩の層間にトリアゾール系防カビ性有機物質を担持させた防カビ剤およびシーリング基材を含有する防カビ性シーリング組成物が記載されている。しかしながら、トリアゾール系化合物は、耐変色性に優れるものの、水への溶解度が大きいため、前記組成物は防カビ性の持続性が十分なものではなかった。
【0008】
その他、特開平5−155725号、特開平5−39421号、特開平6−40821号、特開平6−256755号、特開2000−256556号、特開2001−98154号等に、防カビ性乃至抗菌性を有する組成物等について記載がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が目的とするところは、上記従来技術の問題点を踏まえ、抗菌性および防カビ性に優れ、かつ耐熱性、耐紫外線性等の耐侯性にも優れた、変色しない抗菌・防カビ性シーリング材として有用なオルガノポリシロキサン組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、トリアゾール系化合物を用いず、チアゾール系化合物および/またはイミダゾール系化合物を層状珪酸塩の層間に担持させた化合物を用いると、抗菌性・防カビ性およびその持続性、並びに耐変色性を兼ね備えたオルガノポリシロキサン組成物が得られるを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
即ち、本発明は、
(A)下記一般式(1):
【0012】
【化4】
(式中、R1は独立に1価炭化水素基であり、R2は独立に水素原子、1価炭化水素基およびアルコキシ基置換1価炭化水素基から成る群から選ばれる基であり、Yは独立に酸素原子および炭素原子数1〜8の2価炭化水素基から成る群から選ばれる基であり、aは1〜3の整数であり、nは25℃における粘度が20〜1,000,000mm2/sとなる数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン、
下記一般式(2):
【0013】
【化5】
(式中、R1、R2、Y、aおよびnは、前記一般式(1)に関して定義のとおりであり、mは1〜10の整数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン、および
下記一般式(3):
【0014】
【化6】
(式中、R1、R2、Y、aおよびnは、前記一般式(1)に関して定義のとおりであり、lは2〜10の整数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン
からなる群から選ばれるオルガノポリシロキサン: 100重量部
(B)ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物および/またはその部分加水分解縮合物: 0.1〜30重量部、並びに
(C)層状珪酸塩の層間に、チアゾール系化合物および/またはイミダゾール系化合物を担持させた抗菌・防カビ剤: 0.01〜10重量部
を含む、変色が少ない抗菌・防カビ性オルガノポリシロキサン組成物を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
[(A)成分]
本発明組成物の(A)成分は、
下記一般式(1):
【0017】
【化7】
(式中、R1は独立に1価炭化水素基であり、R2は独立に水素原子、1価炭化水素基およびアルコキシ基置換1価炭化水素基から成る群から選ばれる基であり、Yは独立に酸素原子および炭素原子数1〜8の2価炭化水素基から成る群から選ばれる基であり、aは1〜3の整数であり、nは25℃における粘度が20〜1,000,000 mm2/sとなる数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン、
下記一般式(2):
【0018】
【化8】
(式中、R1、R2、Y、aおよびnは、前記一般式(1)に関して定義のとおりであり、mは1〜10の整数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン、および
下記一般式(3):
【0019】
【化9】
(式中、R1、R2、R3、Y、aおよびnは、前記一般式(1)に関して定義のとおりであり、lは2〜10の整数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン
からなる群から選ばれるオルガノポリシロキサンである。
【0020】
上記一般式(1)〜(3)中、R1は、独立に、1価炭化水素基、好ましくは非置換または置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;およびこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子等で置換された3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等の基が挙げられる。これらの中で、メチル基、フェニル基、ビニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
【0021】
また、R2は、独立に、水素原子、1価炭化水素基およびアルコキシ基置換1価炭化水素基から成る群から選ばれる基である。前記1価炭化水素基として、好ましくは非置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基であり、上記R1について例示したものの中で、ハロゲン原子等で置換されていないものが挙げられる。 また、アルコキシ基置換1価炭化水素基として、好ましくは炭素原子数1〜8のアルコキシ基で置換された、炭素原子数1〜8の1価炭化水素基であり、例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができる。これらの中で、上記R2としては、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
【0022】
上記Yは、独立に、酸素原子および炭素原子数1〜8の2価炭化水素基から成る群から選ばれる基であり、前記2価炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等を挙げることができる。これらの中で、酸素原子、エチレン基が好ましい。
【0023】
次に、aは1〜3の整数であり、R2が水素原子の場合には1であることが好ましく、R2が1価炭化水素基および/またはアルコキシ置換1価炭化水素基の場合には2または3であることが好ましい。nは上記各一般式で表わされるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が、20〜1,000,000mm2/sの範囲となる数であり、好ましくは25〜500,000mm2/s、より好ましくは1,000〜100,000mm2/sとなる、通常、10以上の数である。
【0024】
上記一般式(2)で表わされるポリマー両末端及び少なくとも側鎖に1つ以上の式:OR2(R2は前記のとおり)で表わされる基を有するオルガノポリシロキサンにおいて、mは1〜10、好ましくは1〜8の整数である。
【0025】
また、上記一般式(3)で表わされるポリマーの側鎖だけに2つ以上の式:OR2(R2は前記のとおり)で表わされる基を有するオルガノポリシロキサンにおいて、lは2〜10、好ましくは2〜8の整数である。
【0026】
上記一般式(1)で表わされるオルガノポリシロキサンの具体例としては、例えば、分子鎖両末端シラノール基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端メチルジメトキシシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端トリエトキシシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端メチルジメトキシシリルエチレン基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシリルエチレン基封鎖ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
【0027】
上記一般式(2)で表わされるオルガノポリシロキサンとして、好ましくは、例えば、下記一般式(4):
【0028】
【化10】
下記一般式(5):
【0029】
【化11】
[上記各式中、R2、a、nおよびmは前記のとおりである]
で表されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0030】
上記一般式(3)で表わされるオルガノポリシロキサンとして、好ましくは、例えば、下記一般式(6):
【0031】
【化12】
下記一般式(7):
【0032】
【化13】
[上記各式中、R2、a、nおよびlは前記のとおりである]
で表されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
上記一般式(1)〜(3)で表わされるオルガノポリシロキサンとして例示したものは、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0033】
[(B)成分]
本発明組成物の(B)成分である、ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物および/またはその部分加水分解縮合物は、硬化剤として作用するものである。
【0034】
前記のシラン化合物としては、下記一般式(8):
R1 4−b−Si−Xb (8)
(式中、R1は上記一般式(1)に関して定義のとおりであり、Xは加水分解可能性基であり、bは2、3または4の整数である。)
上記X(加水分解性基)としては、例えば、アルコキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基、アミノ基、アミノキシ基等が挙げられる。中でも、好ましくは、アルコキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基である。
【0035】
このようなシラン化合物またはその部分加水分解縮合物の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリプロペノキシシラン等のアルコキシ−もしくはアルケノキシシラン;メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアセトキシシラン;メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、プロピルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリス(メチルエチルケトオキシム)、3−クロロプロピルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(ジエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルプロピルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルプロピルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(シクロへキサノキシム)シラン等のケトオキシムシラン;およびこれらの部分加水分解縮合物が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。また、前記シラン化合物にその部分加水分解物を組み合わせて使用しても差し支えない。
【0036】
この(B)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲で、好ましくは1〜15重量部の範囲である。(B)成分の使用量が少なすぎると目的とする十分なゴム弾性を有する架橋・硬化物が得られず、逆に多すぎると機械特性に劣るものとなる。
[(C)成分]
本発明組成物の(C)成分である、層状珪酸塩の層間に、チアゾール系化合物、および/またはイミダゾール系化合物を担持させた抗菌・防カビ剤は、本発明を特徴づける重要な構成要素であり、本発明組成物に耐熱性および耐紫外線性、耐変色性、抗菌性・防カビ性、並びに前記効果の持続性を付与するために配合されるものである。
【0037】
<抗菌・防カビ性有機化合物>
抗菌・防カビ性有機化合物としては、チアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、およびそれらの組み合わせが用いられる。チアゾール系化合物としてはイソチアゾール系化合物が好ましい。具体的には、イソチアゾリン−3−オン化合物、ベンゾチアゾール化合物等が挙げられ、好ましくは、イソチアゾリン−3−オン化合物等を挙げることができる。
【0038】
イソチアゾリン−3−オン化合物としては、例えば、4,5−ベンゾイソチアゾール−3−オン、4−(n−オクチル)イソチアゾリン−3−オン、4−メチル−5−クロロイソチアゾリン−3−オン、4−メチルイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−4−シクロヘキシルイソチアゾリン−3−オン等を挙げることができる。
【0039】
ベンゾチアゾール化合物としては、例えば、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛等を挙げることができる。
【0040】
また、イミダゾール系化合物としては、ベンゾイミダゾール系化合物が好ましく、より好ましくは、ベンゾイミダゾールカルバミン酸化合物、イオウ原子含有ベンゾイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾールの環式化合物誘導体等を挙げることができ、特に好ましくは、ベンゾイミダゾールカルバミン酸化合物、チアゾリルベンゾイミダゾール化合物等が挙げられる。
【0041】
チアゾリルベンゾイミダゾール化合物を例示すると、2,4−ビス(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(TBZ)が挙げられ、ベンズイミダゾールカルバミン酸化合物を例示すると、1H−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル、1−ブチルカルバモイル−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル、6−ベンゾイル−1H−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル、6−(2−チオフェンカルボニル)−1H−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル等が挙げられる。
上記の抗菌・防カビ性有機化合物は、1種単独でも2種以上組合わせても使用することができる。
【0042】
<層状珪酸塩>
本発明において上記抗菌・防カビ性有機化合物は、層状珪酸塩の層間に担持されて(C)成分の抗菌・防カビ剤を形成するものである。
【0043】
前記層状珪酸塩は、従来から公知のものであり、結晶層単位が互いに積み重なって層状構造をなしている珪酸塩であれば、特に制限されることなく使用することが、天然物であっても合成物であってもよい。好ましい層状珪酸塩としては、粘土鉱物があり、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト等のスメクタイト族;バームキュライト族;イライト、白雲母、金雲母、黒雲母等の雲母族;マーガライト、クリントナイト等の脆雲母族;スドーアイト等の緑泥石族;カオリナイト、ハロイサイト等のカオリン類;アンチゴライト等の蛇紋石族等が挙げられる。その他の好ましい層状珪酸塩としては、例えば、マガディアイト、ケニヤアイト、カネマイト、マカタイト、アイラーアイト等の層状ナトリウム珪酸塩;トバモライト等の層状カルシウム珪酸塩;水酸イオン等の陰イオンをフッ素イオンで置換せしめた合成雲母等が挙げられる。
【0044】
これらの中でも、スメクタイト族層状珪酸塩、バイムキュライト族層状珪酸塩、合成マイカ、これらの層状珪酸塩における水酸イオンの一部または全部をフッ素イオンで置換せしめた層状珪酸塩等が好ましい。
【0045】
なお、層状珪酸塩の粒径、含水量、イオン交換容量、色等は特に制限されないが、本発明組成物を、プラスチック、ゴム、繊維等への練り込み加工に使用する場合は、層状珪酸塩の平均粒径が10μm以下、より好ましくは平均粒径0.1〜7μmの粉末であり、更に、粒度分布が狭く、均一な粒径であることがより好ましい。また、防カビ性層状珪酸塩とした場合に充分な防カビ効果を発揮させるために、陽イオン交換容量が0.1 meq/g以上であることが好ましい。これらの層状珪酸塩は1種単独でも、抗菌・防カビ性有機化合物の徐放性をコントロールをするために2種類以上を組合わせても使用することができる。これら層状珪酸塩において、イオン交換可能な金属イオンの一部または全てを他のイオンと置換してもよい。交換するイオンは、イオン交換可能なイオンであれば特に制限はないが、好ましくは水素イオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン等である。
【0046】
本発明組成物の(C)成分における上記抗菌・防カビ性有機化合物の層状珪酸塩の層間への担持量は、層状珪酸塩100重量部当たり0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、特に好ましくは5重量部以上である。この担持量が少なすぎると抗菌・防カビ効果が低下する。前記担持量の上限は特に制限されるものではないが、担持量が多すぎるとシーリング材への混合時に変色を起こしたり、抗菌・防カビ性有機化合物の徐放性をコントロールすることが難しくなる恐れがあるので、層状珪酸塩100重量部当たり、通常、50重量部程度とするのがよい。
【0047】
また、層状珪酸塩への上記抗菌・防カビ性有機化合物の担持方法には、特に制限はなく、基本的には、単に前記化合物と層状珪酸塩を接触させればよい。本(C)成分の調製条件には特に制限はなく、使用する上記抗菌・防カビ性有機化合物および層状珪酸塩の種類、前記化合物の担持量により適宜変化させることができる。
【0048】
本(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部、特に好ましくは0.1〜5重量部の範囲とするのがよい。前記配合量が少なすぎると抗菌・防カビ効果が不十分であり、逆に多すぎても前記効果の更なる向上はなく、熱や紫外線に対する耐変色性が損なわれる危険性がある。
【0049】
[その他の配合成分]
本発明組成物には、上記成分以外に一般に知られている充填剤、添加剤、縮合硬化触媒等を配合しても差し支えない。充填剤としては、粉砕シリカ、煙霧質シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、湿式シリカ等が挙げられる。
【0050】
これらの中でも、特に(D)表面がジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等の有機珪素化合物で疎水化処理された煙霧質シリカを配合することが好ましい。この(D)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して2〜100重量部、特に5〜50重量部である。
【0051】
その他、添加剤としては、チクソ性向上剤としてのポリエーテル;接着助剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランカップリング剤、γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤等があげられる。
【0052】
これらの中でも(E)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランカップリング剤が好ましく、この(E)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部、特に0.2〜5重量部である。
【0053】
縮合硬化触媒としては、ジブチル錫ジオクテート等の有機錫化合物、テトラブトキシチタネート等のアルコキシチタン、チタンキレート化合物、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。この縮合硬化触媒の使用量は、触媒としての有効量でよく特に制限されないが、(A)成分100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、特に0.1〜5重量部程度を配合することが好ましい。
【0054】
また、耐変色性を損なわない程度であれば、他の防カビ剤や銀、銅、亜鉛等の抗菌性を示す金属イオンを、活性炭、アパタイト、ゼオライト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタン等に担持させた無機系抗菌剤を併用してもかまわない。
【0055】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0056】
(実施例1)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部に、表面をジメチルジクロロシランで処理した煙霧質シリカ10重量部、を加え混合機で混合した後、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン6重量部、ジブチル錫ジオクテート0.1重量部を加えて、減圧下で完全に混合し、さらにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.5重量部、イソチアゾリン系/イミダゾール系/層状珪酸塩/酸化亜鉛の抗菌・防カビ剤であるカビノン900(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を加え、減圧下で完全に混合しサンプル1を得た。
【0057】
(実施例2)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部とともに、25℃における粘度が100mm2/sの両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン10重量部を併用すること、および、カビノン900に代えて、イソチアゾリン系/イミダゾール系/層状珪酸塩/酸化亜鉛の抗菌・防カビ剤であるカビノン940(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を用いること以外は、実施例1と同様にしてサンプル2を得た。
【0058】
(実施例3)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端がメチルジメトキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部に、25℃における粘度が100mm2/sの両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン10重量部、表面をジメチルジクロルシランで処理した煙霧質シリカ10重量部、を加え混合機で混合した後、メチルトリメトキシシラン4重量部、テトラブトキシチタネート0.5重量部を加えて、減圧下で完全に混合し、さらにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.2重量部、イソチアゾリン系/イミダゾール系/層状珪酸塩/酸化亜鉛の抗菌・防カビ剤であるカビノン940(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を加え減圧下で完全に混合しサンプル3を得た。
【0059】
(実施例4)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部に、25℃における粘度が100mm2/sの両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン10重量部、表面をジメチルジクロロシランで処理した煙霧質シリカ10重量部、を加え混合機で混合した後、メチルトリアセトキシシラン4重量部、ジブチル錫ジオクテート0.1重量部を加えて、減圧下で完全に混合し、さらにイソチアゾリン系/イミダゾール系/層状珪酸塩/酸化亜鉛の抗菌・防カビ剤であるカビノン940(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を加え減圧下で完全に混合しサンプル4を得た。
【0060】
(実施例5)
メチルトリアセトキシシラン4重量部を、ビニルトリス(ジメチルケトキシム)シラン6重量部に、ジブチル錫ジオクテート0.1重量部を、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5重量部に変更すること、更にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.5重量部を追加すること以外は、実施例4と同様にしてサンプル5を得た。
【0061】
(実施例6)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端が下式(a)で表わされるメチルジメトキシシリルエチレン基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部に、25℃における粘度が100mm2/sの両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン10重量部、表面をジメチルジクロルシランで処理した煙霧質シリカ10重量部、を加え混合機で混合した後、メチルトリメトキシシラン4重量部、テトラブトキシチタネート0.5重量部を加えて、減圧下で完全に混合し、さらにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.2重量部、イソチアゾリン系/イミダゾール系/層状珪酸塩/酸化亜鉛の抗菌・防カビ剤であるカビノン940(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を加え減圧下で完全に混合しサンプル6を得た。
【0062】
【化14】
(式中、Meはメチル基である)
【0063】
<オルガノポリシロキサンDの合成>
25℃における粘度が30,000mmであり、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、かつ側鎖に2個のビニル基を有するα,ω−メチルビニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体100重量部、トリメトキシシラン7重量部、および付加反応触媒として塩化白金酸の1重量%−イソプロパノール溶液1重量部を、窒素ガス気流下で80℃×8時間混合した。その後、10mmHgの減圧下で50℃に加熱し、未反応のトリメトキシシラン等をストリップして留去した。
【0064】
得られたポリマーは、25℃における粘度が31,000mm2/sであり、また、前記ポリマーとテトラブチルチタネートとを100:1の重量比で混合したところ、直ちには増粘しなかったが、1日後には硬化していた。このことから、ポリマー末端および側鎖のビニル基にトリメトキシシランが付加していることが確認された。このポリマーを、オルガノポリシロキサンDとし、その構造を下記一般式(9)に示す。
【0065】
【化15】
【0066】
<オルガノポリシロキサンEの合成>
25℃における粘度が30,000mmであり、1分子中に1つの分岐鎖を有するとともに、1つの分子鎖末端がトリメチルシロキシ基で、また、他の2つの分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されており、かつ、ビニル基含有量が0.006モル/100gであるジメチルポリシロキサン100重量部、トリメトキシシラン7重量部、および付加反応触媒として塩化白金酸の1重量%−イソプロパノール溶液1重量部を、窒素ガス気流下で80℃×8時間混合した。その後、10mmHgの減圧下で50℃に加熱し、未反応のトリメトキシシラン等をストリップして留去した。
【0067】
得られたポリマーは、25℃における粘度が31,000mm2/sであり、また、前記ポリマーとテトラブチルチタネートとを100:1の重量比で混合したところ、直ちには増粘しなかったが、1日後には硬化していた。このことから、ポリマー末端のビニル基にトリメトキシシランが付加していることが確認された。このポリマーを、オルガノポリシロキサンEとし、その構造を下記一般式(10)に示す。
【0068】
【化16】
[式中、p、qおよびrの和は、約800〜900である]
【0069】
(実施例7)
上記実施例6に記載のポリジメチルシロキサン90重量部に代えて、上記オルガノシロキサンD90重量部を用いること以外は、実施例6と同様にして、サンプル7を得た。
【0070】
(実施例8)
上記実施例6に記載のポリジメチルシロキサン90重量部に代えて、上記オルガノシロキサンE90重量部を用いること以外は、実施例6と同様にして、サンプル8を得た。
【0071】
(比較例1)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部に、25℃における粘度が100mm2/sの両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン10重量部、表面をジメチルジクロルシランで処理した煙霧質シリカ10重量部、を加え混合機で混合した後、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン6重量部、ジブチル錫ジオクテート0.1重量部を加えて、減圧下で完全に混合し、さらにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.5重量部、トリアゾール系/層状珪酸塩の抗菌・防カビ剤であるカビノン100(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を加え減圧下で完全に混合しサンプル9を得た。
【0072】
(比較例2)
カビノン100を、トリアゾール系/銀系/層状珪酸塩の抗菌・防カビ剤であるカビノン200(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部に変更すること以外は、比較例1と同様して、サンプル10を得た。
【0073】
(比較例3)
カビノン100を、銀系抗菌剤であるゼオミック ZAW−10D(商品名、)シナネン(株)製)1.0重量部に変更すること以外は、比較例1と同様して、サンンプル11を得た。
【0074】
(比較例4)
カビノン100を、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル−エタノール(慣用名:デブコナゾール)1.0重量部およびゼオミック ZAW−10D(商品名、シナネン(株)製)1.0重量部に変更すること以外は、比較例1と同様して、サンンプル12を得た。
【0075】
(比較例5)
カビノン100を、メチルベンズイミダゾール−2−イルカルバメート1.0重量部およびゼオミック ZAW−10D(商品名、シナネン(株)製)1.0重量部に変更すること以外は、比較例1と同様して、サンンプル13を得た。
【0076】
上記各実施例1〜6および比較例1〜5における各サンプルの組成について表1および表3にまとめて掲げた。なお、表中の「組成」の欄の数字は重量部を意味する。
【0077】
[評価手法]
上記各実施例および比較例におけるサンプル1〜13について各々試験用試料を作成し、下記の方法で変色試験および防カビ性試験・抗菌性試験を行った。その結果を表1〜表3に示した。
【0078】
(変色試験)
得られたサンプルを2mm厚のシートに成形し23±2℃、50±5%RHの雰囲気で一週間放置して硬化させ、その硬化シートを用いて下記の変色試験を行った。
【0079】
1:熱変色試験
硬化シートについて、ミノルタカメラ社製色差計:CR−300を用いて、初期の色差を測定した後、90℃の乾燥機中に200間放置した。熱処理後のサンプルの色差を測定し、初期の色差と比較して黄変度合い値(△b)を算出した。(なお、△bの値が大きいほど変色が激しいことを意味する。)
【0080】
2:紫外線変色試験
硬化シートについて、上記と同様にして、初期の色差を測定した後、医療用殺菌灯を用い殺菌灯から試料までの距離が10cmになるよう調整し、24時間紫外線を照射して劣化させた。照射後のサンプルについて、上記と同様にして黄変度合い値(△b)を算出した。
【0081】
(防カビ性能試験)
上記各試験に用いたものと同じ硬化シートを試験サンプルとして用い、JISZ 2911:2000A法に準じて防カビ性を測定した。防カビ性の測定結果は、目視により下記の基準に従って表示した。
0:肉眼および顕微鏡下でカビの発育は認められない。
1:肉眼ではカビの発育が認められないが、顕微鏡下で確認できる。
2:菌糸の発育が肉眼で認められるが、発育部分の面積は試料の全面積の25%未満である。
3:菌糸の発育が肉眼で認められ、かつ、発育部分の面積は試料の全面積の25%以上である。
【0082】
(抗菌性能試験)
上記と同じ試験サンプルを使用し、JIS L1902(繊維製品の抗菌性試験)に準じて測定し、測定結果(対象:黄色ブドウ球菌、大腸菌)を下記に従って表示した。
−:効果有り
+:効果なし
【0083】
(持続性試験)
▲1▼上記硬化シートを、水道水に200時間浸漬させた後、上記防カビ性試験、抗菌性試験を実施した。
▲2▼上記硬化シートを、70℃の温水に24時間浸漬させた後、上記防カビ性試験、抗菌性試験を実施した。
▲3▼上記硬化シートを、サンシャインウエザーメーターを用いて耐候加速試験を200時間を行った後、上記防カビ性試験、抗菌性試験を実施した。
上記▲1▼〜▲3▼の結果を、防カビ性試験については上記0〜3の基準で、また、抗菌性試験(黄色ブドウ球菌、大腸菌)については上記−または+で、表1〜表3に示した。
【0084】
【表1】
【0085】
(注)
・オルガノポリシロキサンA:両末端シラノール基封鎖ポリジメチルシロキサン(粘度:20,000mm2/s、25℃)
・オルガノポリシロキサンB:両末端メチルジメトキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン(粘度:20,000mm2/s、25℃)
・オルガノポリシロキサンC:両末端メチルジメトキシシリルエチレン基封鎖ポリジメチルシロキサン(粘度:20,000mm2/s、25℃)
・オルガノポリシロキサンF:両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン(粘度:100mm2/s、25℃)
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【発明の効果】
本発明の抗菌・防カビ性オルガノポリシロキサン組成物によれば、抗菌性および防カビ性に優れ、防カビ効果の持続性かつ耐熱・耐紫外線性等の耐候性(耐変色性)に優れた抗菌・防カビ性シリコーンゴムが得られる。このシリコーンゴムは、特に水回りに用いるシーリング材、建材用シーリング材等に最適であり、例えば、建築物の外壁や目地、浴室や浴槽周辺の目地、プール、トイレ、洗面所、窓、道路、桟橋、水槽、サイロ等の用途に有効である。
【発明の属する技術分野】
本発明はシーリング材等に用いられる抗菌性および防カビ性に優れ、かつ耐熱、耐紫外線性等の耐候性および耐変色性に優れたオルガノポリシロキサン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
湿気により架橋するRTVシリコーンゴムは、取り扱いが容易であり、その硬化物が耐侯性、電気特性等に優れるため、建材用のシーリング材、電気・電子分野での接着剤等の様々な分野で利用されている。特に、脱オキシムタイプのRTVシリコーンゴムは、各種の被着体に良好な接者性を有し、しかも耐侯性にも優れるため、水回り用のシーリング材として用いられている。
【0003】
一方、近年、住宅の建設技術が向上するとともに気密性も向上し、カビ等の微生物にとって住宅内の水回りは格好の生息域となっている。特に、カビは、RTVシリコーンゴム内部にまで菌糸を挿入するので、そのふき取りはもとより薬剤による除去も困難であり、外観を損ねることが多い。
【0004】
その解決策として、抗カビ性の薬剤をシーリング材中に混練することが行われている。特に、シリコーンゴム系シーリング材では、抗カビ性および安全性の面から、防カビ剤として、2,3,5,6−テトラクロル−4−メチルスルホニルピリジン(特開昭51−106158号)、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(特開昭54−127960号)、メチルベンズイミダゾール−2−イルカルバメートのようなN−置換ベンズイミダゾリルカルバメート誘導体(特開昭56−38348号)等が提案されている。しかし、これらの防カビ剤を含んだシーリング材は、加熱または紫外線により黄変するという問題があり、このため防カビ剤の添加量は黄変が生じない程度の少量に制限され、確実に防カビ性を発揮することができないという問題があった。
【0005】
また、近年、病原性大腸菌O−157による中毒の問題や、抗菌性を付与した床材、衛生陶器等の抗菌仕様商品の開発販売に伴い、使用するシーリング材にも抗菌仕様が要求されてきている。しかし、上記従来の防カビ性を主目的としたシーリング材では、抗菌性は考慮されていない。そこで、本発明者らは、特開平7−76654号において、N−置換ベンズイミダゾ−ル等の有機系防カビ剤と銀系、錫系、銅系等の無機系抗菌剤とを組み合わせて、抗菌性および防カビ性の両性能を付与したシーリング材を提案した。このシーリング材は、防カビ性および抗菌性はある程度満足するものの、耐変色性の点で未だ不十分なものであった。
【0006】
また、本発明者らは、特開平8−217977号、特開平9−25410号、特開平10−46033号、および特開平10−330618号において、建材用等に用いられる脱オキシムタイプRTVシリコーンゴムの変色防止には、デブコナゾール等のトリアゾール化合物系防カビ剤が有効であり、また、硬化剤として用いられる加水分解性シランは不飽和基を有しないものであることが有効であることを提案した。更に、抗菌性・防カビ性および耐変色性について鋭意検討を行った結果、本発明者らは、特開平11−199777号において、デブコナゾール等のトリアゾール化合物が変色しにくく、この化合物とともに、無機系物質(ゼオライト、アパタイトおよびシリカから選ばれるもの)に銀および/または銀イオンを担持させるか、或いは含有させた無機系抗菌剤を組み合わせると抗菌性能の持続性が良好であり、シーリング材として有用なオルガノポリシロキサン組成物が得られることを提案した。しかしながら、この組成物では、変色を抑制するために、トリアゾール化合物の添加量の範囲を制限する必要があったため、未だ十分な防カビ性の持続性が得られなかった。また、防カビ性・抗菌性を有する組成物とするために、防カビ性を有する(有機系)化合物と抗菌性を有する(無機系)化合物を併用する場合には、抗菌性・防カビ性と耐変色性とを両立させることが困難であった。
【0007】
一方、特開平10−176163号には、層状珪酸塩の層間にトリアゾール系防カビ性有機物質を担持させた防カビ剤およびシーリング基材を含有する防カビ性シーリング組成物が記載されている。しかしながら、トリアゾール系化合物は、耐変色性に優れるものの、水への溶解度が大きいため、前記組成物は防カビ性の持続性が十分なものではなかった。
【0008】
その他、特開平5−155725号、特開平5−39421号、特開平6−40821号、特開平6−256755号、特開2000−256556号、特開2001−98154号等に、防カビ性乃至抗菌性を有する組成物等について記載がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が目的とするところは、上記従来技術の問題点を踏まえ、抗菌性および防カビ性に優れ、かつ耐熱性、耐紫外線性等の耐侯性にも優れた、変色しない抗菌・防カビ性シーリング材として有用なオルガノポリシロキサン組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、トリアゾール系化合物を用いず、チアゾール系化合物および/またはイミダゾール系化合物を層状珪酸塩の層間に担持させた化合物を用いると、抗菌性・防カビ性およびその持続性、並びに耐変色性を兼ね備えたオルガノポリシロキサン組成物が得られるを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
即ち、本発明は、
(A)下記一般式(1):
【0012】
【化4】
(式中、R1は独立に1価炭化水素基であり、R2は独立に水素原子、1価炭化水素基およびアルコキシ基置換1価炭化水素基から成る群から選ばれる基であり、Yは独立に酸素原子および炭素原子数1〜8の2価炭化水素基から成る群から選ばれる基であり、aは1〜3の整数であり、nは25℃における粘度が20〜1,000,000mm2/sとなる数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン、
下記一般式(2):
【0013】
【化5】
(式中、R1、R2、Y、aおよびnは、前記一般式(1)に関して定義のとおりであり、mは1〜10の整数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン、および
下記一般式(3):
【0014】
【化6】
(式中、R1、R2、Y、aおよびnは、前記一般式(1)に関して定義のとおりであり、lは2〜10の整数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン
からなる群から選ばれるオルガノポリシロキサン: 100重量部
(B)ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物および/またはその部分加水分解縮合物: 0.1〜30重量部、並びに
(C)層状珪酸塩の層間に、チアゾール系化合物および/またはイミダゾール系化合物を担持させた抗菌・防カビ剤: 0.01〜10重量部
を含む、変色が少ない抗菌・防カビ性オルガノポリシロキサン組成物を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
[(A)成分]
本発明組成物の(A)成分は、
下記一般式(1):
【0017】
【化7】
(式中、R1は独立に1価炭化水素基であり、R2は独立に水素原子、1価炭化水素基およびアルコキシ基置換1価炭化水素基から成る群から選ばれる基であり、Yは独立に酸素原子および炭素原子数1〜8の2価炭化水素基から成る群から選ばれる基であり、aは1〜3の整数であり、nは25℃における粘度が20〜1,000,000 mm2/sとなる数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン、
下記一般式(2):
【0018】
【化8】
(式中、R1、R2、Y、aおよびnは、前記一般式(1)に関して定義のとおりであり、mは1〜10の整数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン、および
下記一般式(3):
【0019】
【化9】
(式中、R1、R2、R3、Y、aおよびnは、前記一般式(1)に関して定義のとおりであり、lは2〜10の整数である)
で表わされるオルガノポリシロキサン
からなる群から選ばれるオルガノポリシロキサンである。
【0020】
上記一般式(1)〜(3)中、R1は、独立に、1価炭化水素基、好ましくは非置換または置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;およびこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子等で置換された3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等の基が挙げられる。これらの中で、メチル基、フェニル基、ビニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
【0021】
また、R2は、独立に、水素原子、1価炭化水素基およびアルコキシ基置換1価炭化水素基から成る群から選ばれる基である。前記1価炭化水素基として、好ましくは非置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基であり、上記R1について例示したものの中で、ハロゲン原子等で置換されていないものが挙げられる。 また、アルコキシ基置換1価炭化水素基として、好ましくは炭素原子数1〜8のアルコキシ基で置換された、炭素原子数1〜8の1価炭化水素基であり、例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができる。これらの中で、上記R2としては、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
【0022】
上記Yは、独立に、酸素原子および炭素原子数1〜8の2価炭化水素基から成る群から選ばれる基であり、前記2価炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等を挙げることができる。これらの中で、酸素原子、エチレン基が好ましい。
【0023】
次に、aは1〜3の整数であり、R2が水素原子の場合には1であることが好ましく、R2が1価炭化水素基および/またはアルコキシ置換1価炭化水素基の場合には2または3であることが好ましい。nは上記各一般式で表わされるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が、20〜1,000,000mm2/sの範囲となる数であり、好ましくは25〜500,000mm2/s、より好ましくは1,000〜100,000mm2/sとなる、通常、10以上の数である。
【0024】
上記一般式(2)で表わされるポリマー両末端及び少なくとも側鎖に1つ以上の式:OR2(R2は前記のとおり)で表わされる基を有するオルガノポリシロキサンにおいて、mは1〜10、好ましくは1〜8の整数である。
【0025】
また、上記一般式(3)で表わされるポリマーの側鎖だけに2つ以上の式:OR2(R2は前記のとおり)で表わされる基を有するオルガノポリシロキサンにおいて、lは2〜10、好ましくは2〜8の整数である。
【0026】
上記一般式(1)で表わされるオルガノポリシロキサンの具体例としては、例えば、分子鎖両末端シラノール基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端メチルジメトキシシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端トリエトキシシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端メチルジメトキシシリルエチレン基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシリルエチレン基封鎖ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
【0027】
上記一般式(2)で表わされるオルガノポリシロキサンとして、好ましくは、例えば、下記一般式(4):
【0028】
【化10】
下記一般式(5):
【0029】
【化11】
[上記各式中、R2、a、nおよびmは前記のとおりである]
で表されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0030】
上記一般式(3)で表わされるオルガノポリシロキサンとして、好ましくは、例えば、下記一般式(6):
【0031】
【化12】
下記一般式(7):
【0032】
【化13】
[上記各式中、R2、a、nおよびlは前記のとおりである]
で表されるオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
上記一般式(1)〜(3)で表わされるオルガノポリシロキサンとして例示したものは、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0033】
[(B)成分]
本発明組成物の(B)成分である、ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物および/またはその部分加水分解縮合物は、硬化剤として作用するものである。
【0034】
前記のシラン化合物としては、下記一般式(8):
R1 4−b−Si−Xb (8)
(式中、R1は上記一般式(1)に関して定義のとおりであり、Xは加水分解可能性基であり、bは2、3または4の整数である。)
上記X(加水分解性基)としては、例えば、アルコキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基、アミノ基、アミノキシ基等が挙げられる。中でも、好ましくは、アルコキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基である。
【0035】
このようなシラン化合物またはその部分加水分解縮合物の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリプロペノキシシラン等のアルコキシ−もしくはアルケノキシシラン;メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアセトキシシラン;メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、プロピルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリス(メチルエチルケトオキシム)、3−クロロプロピルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(ジエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルプロピルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルプロピルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(シクロへキサノキシム)シラン等のケトオキシムシラン;およびこれらの部分加水分解縮合物が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。また、前記シラン化合物にその部分加水分解物を組み合わせて使用しても差し支えない。
【0036】
この(B)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲で、好ましくは1〜15重量部の範囲である。(B)成分の使用量が少なすぎると目的とする十分なゴム弾性を有する架橋・硬化物が得られず、逆に多すぎると機械特性に劣るものとなる。
[(C)成分]
本発明組成物の(C)成分である、層状珪酸塩の層間に、チアゾール系化合物、および/またはイミダゾール系化合物を担持させた抗菌・防カビ剤は、本発明を特徴づける重要な構成要素であり、本発明組成物に耐熱性および耐紫外線性、耐変色性、抗菌性・防カビ性、並びに前記効果の持続性を付与するために配合されるものである。
【0037】
<抗菌・防カビ性有機化合物>
抗菌・防カビ性有機化合物としては、チアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、およびそれらの組み合わせが用いられる。チアゾール系化合物としてはイソチアゾール系化合物が好ましい。具体的には、イソチアゾリン−3−オン化合物、ベンゾチアゾール化合物等が挙げられ、好ましくは、イソチアゾリン−3−オン化合物等を挙げることができる。
【0038】
イソチアゾリン−3−オン化合物としては、例えば、4,5−ベンゾイソチアゾール−3−オン、4−(n−オクチル)イソチアゾリン−3−オン、4−メチル−5−クロロイソチアゾリン−3−オン、4−メチルイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−4−シクロヘキシルイソチアゾリン−3−オン等を挙げることができる。
【0039】
ベンゾチアゾール化合物としては、例えば、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛等を挙げることができる。
【0040】
また、イミダゾール系化合物としては、ベンゾイミダゾール系化合物が好ましく、より好ましくは、ベンゾイミダゾールカルバミン酸化合物、イオウ原子含有ベンゾイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾールの環式化合物誘導体等を挙げることができ、特に好ましくは、ベンゾイミダゾールカルバミン酸化合物、チアゾリルベンゾイミダゾール化合物等が挙げられる。
【0041】
チアゾリルベンゾイミダゾール化合物を例示すると、2,4−ビス(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(TBZ)が挙げられ、ベンズイミダゾールカルバミン酸化合物を例示すると、1H−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル、1−ブチルカルバモイル−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル、6−ベンゾイル−1H−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル、6−(2−チオフェンカルボニル)−1H−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル等が挙げられる。
上記の抗菌・防カビ性有機化合物は、1種単独でも2種以上組合わせても使用することができる。
【0042】
<層状珪酸塩>
本発明において上記抗菌・防カビ性有機化合物は、層状珪酸塩の層間に担持されて(C)成分の抗菌・防カビ剤を形成するものである。
【0043】
前記層状珪酸塩は、従来から公知のものであり、結晶層単位が互いに積み重なって層状構造をなしている珪酸塩であれば、特に制限されることなく使用することが、天然物であっても合成物であってもよい。好ましい層状珪酸塩としては、粘土鉱物があり、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト等のスメクタイト族;バームキュライト族;イライト、白雲母、金雲母、黒雲母等の雲母族;マーガライト、クリントナイト等の脆雲母族;スドーアイト等の緑泥石族;カオリナイト、ハロイサイト等のカオリン類;アンチゴライト等の蛇紋石族等が挙げられる。その他の好ましい層状珪酸塩としては、例えば、マガディアイト、ケニヤアイト、カネマイト、マカタイト、アイラーアイト等の層状ナトリウム珪酸塩;トバモライト等の層状カルシウム珪酸塩;水酸イオン等の陰イオンをフッ素イオンで置換せしめた合成雲母等が挙げられる。
【0044】
これらの中でも、スメクタイト族層状珪酸塩、バイムキュライト族層状珪酸塩、合成マイカ、これらの層状珪酸塩における水酸イオンの一部または全部をフッ素イオンで置換せしめた層状珪酸塩等が好ましい。
【0045】
なお、層状珪酸塩の粒径、含水量、イオン交換容量、色等は特に制限されないが、本発明組成物を、プラスチック、ゴム、繊維等への練り込み加工に使用する場合は、層状珪酸塩の平均粒径が10μm以下、より好ましくは平均粒径0.1〜7μmの粉末であり、更に、粒度分布が狭く、均一な粒径であることがより好ましい。また、防カビ性層状珪酸塩とした場合に充分な防カビ効果を発揮させるために、陽イオン交換容量が0.1 meq/g以上であることが好ましい。これらの層状珪酸塩は1種単独でも、抗菌・防カビ性有機化合物の徐放性をコントロールをするために2種類以上を組合わせても使用することができる。これら層状珪酸塩において、イオン交換可能な金属イオンの一部または全てを他のイオンと置換してもよい。交換するイオンは、イオン交換可能なイオンであれば特に制限はないが、好ましくは水素イオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン等である。
【0046】
本発明組成物の(C)成分における上記抗菌・防カビ性有機化合物の層状珪酸塩の層間への担持量は、層状珪酸塩100重量部当たり0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、特に好ましくは5重量部以上である。この担持量が少なすぎると抗菌・防カビ効果が低下する。前記担持量の上限は特に制限されるものではないが、担持量が多すぎるとシーリング材への混合時に変色を起こしたり、抗菌・防カビ性有機化合物の徐放性をコントロールすることが難しくなる恐れがあるので、層状珪酸塩100重量部当たり、通常、50重量部程度とするのがよい。
【0047】
また、層状珪酸塩への上記抗菌・防カビ性有機化合物の担持方法には、特に制限はなく、基本的には、単に前記化合物と層状珪酸塩を接触させればよい。本(C)成分の調製条件には特に制限はなく、使用する上記抗菌・防カビ性有機化合物および層状珪酸塩の種類、前記化合物の担持量により適宜変化させることができる。
【0048】
本(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部、特に好ましくは0.1〜5重量部の範囲とするのがよい。前記配合量が少なすぎると抗菌・防カビ効果が不十分であり、逆に多すぎても前記効果の更なる向上はなく、熱や紫外線に対する耐変色性が損なわれる危険性がある。
【0049】
[その他の配合成分]
本発明組成物には、上記成分以外に一般に知られている充填剤、添加剤、縮合硬化触媒等を配合しても差し支えない。充填剤としては、粉砕シリカ、煙霧質シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、湿式シリカ等が挙げられる。
【0050】
これらの中でも、特に(D)表面がジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等の有機珪素化合物で疎水化処理された煙霧質シリカを配合することが好ましい。この(D)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して2〜100重量部、特に5〜50重量部である。
【0051】
その他、添加剤としては、チクソ性向上剤としてのポリエーテル;接着助剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランカップリング剤、γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤等があげられる。
【0052】
これらの中でも(E)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランカップリング剤が好ましく、この(E)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部、特に0.2〜5重量部である。
【0053】
縮合硬化触媒としては、ジブチル錫ジオクテート等の有機錫化合物、テトラブトキシチタネート等のアルコキシチタン、チタンキレート化合物、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。この縮合硬化触媒の使用量は、触媒としての有効量でよく特に制限されないが、(A)成分100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、特に0.1〜5重量部程度を配合することが好ましい。
【0054】
また、耐変色性を損なわない程度であれば、他の防カビ剤や銀、銅、亜鉛等の抗菌性を示す金属イオンを、活性炭、アパタイト、ゼオライト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタン等に担持させた無機系抗菌剤を併用してもかまわない。
【0055】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0056】
(実施例1)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部に、表面をジメチルジクロロシランで処理した煙霧質シリカ10重量部、を加え混合機で混合した後、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン6重量部、ジブチル錫ジオクテート0.1重量部を加えて、減圧下で完全に混合し、さらにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.5重量部、イソチアゾリン系/イミダゾール系/層状珪酸塩/酸化亜鉛の抗菌・防カビ剤であるカビノン900(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を加え、減圧下で完全に混合しサンプル1を得た。
【0057】
(実施例2)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部とともに、25℃における粘度が100mm2/sの両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン10重量部を併用すること、および、カビノン900に代えて、イソチアゾリン系/イミダゾール系/層状珪酸塩/酸化亜鉛の抗菌・防カビ剤であるカビノン940(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を用いること以外は、実施例1と同様にしてサンプル2を得た。
【0058】
(実施例3)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端がメチルジメトキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部に、25℃における粘度が100mm2/sの両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン10重量部、表面をジメチルジクロルシランで処理した煙霧質シリカ10重量部、を加え混合機で混合した後、メチルトリメトキシシラン4重量部、テトラブトキシチタネート0.5重量部を加えて、減圧下で完全に混合し、さらにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.2重量部、イソチアゾリン系/イミダゾール系/層状珪酸塩/酸化亜鉛の抗菌・防カビ剤であるカビノン940(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を加え減圧下で完全に混合しサンプル3を得た。
【0059】
(実施例4)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部に、25℃における粘度が100mm2/sの両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン10重量部、表面をジメチルジクロロシランで処理した煙霧質シリカ10重量部、を加え混合機で混合した後、メチルトリアセトキシシラン4重量部、ジブチル錫ジオクテート0.1重量部を加えて、減圧下で完全に混合し、さらにイソチアゾリン系/イミダゾール系/層状珪酸塩/酸化亜鉛の抗菌・防カビ剤であるカビノン940(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を加え減圧下で完全に混合しサンプル4を得た。
【0060】
(実施例5)
メチルトリアセトキシシラン4重量部を、ビニルトリス(ジメチルケトキシム)シラン6重量部に、ジブチル錫ジオクテート0.1重量部を、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.5重量部に変更すること、更にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.5重量部を追加すること以外は、実施例4と同様にしてサンプル5を得た。
【0061】
(実施例6)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端が下式(a)で表わされるメチルジメトキシシリルエチレン基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部に、25℃における粘度が100mm2/sの両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン10重量部、表面をジメチルジクロルシランで処理した煙霧質シリカ10重量部、を加え混合機で混合した後、メチルトリメトキシシラン4重量部、テトラブトキシチタネート0.5重量部を加えて、減圧下で完全に混合し、さらにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.2重量部、イソチアゾリン系/イミダゾール系/層状珪酸塩/酸化亜鉛の抗菌・防カビ剤であるカビノン940(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を加え減圧下で完全に混合しサンプル6を得た。
【0062】
【化14】
(式中、Meはメチル基である)
【0063】
<オルガノポリシロキサンDの合成>
25℃における粘度が30,000mmであり、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、かつ側鎖に2個のビニル基を有するα,ω−メチルビニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体100重量部、トリメトキシシラン7重量部、および付加反応触媒として塩化白金酸の1重量%−イソプロパノール溶液1重量部を、窒素ガス気流下で80℃×8時間混合した。その後、10mmHgの減圧下で50℃に加熱し、未反応のトリメトキシシラン等をストリップして留去した。
【0064】
得られたポリマーは、25℃における粘度が31,000mm2/sであり、また、前記ポリマーとテトラブチルチタネートとを100:1の重量比で混合したところ、直ちには増粘しなかったが、1日後には硬化していた。このことから、ポリマー末端および側鎖のビニル基にトリメトキシシランが付加していることが確認された。このポリマーを、オルガノポリシロキサンDとし、その構造を下記一般式(9)に示す。
【0065】
【化15】
【0066】
<オルガノポリシロキサンEの合成>
25℃における粘度が30,000mmであり、1分子中に1つの分岐鎖を有するとともに、1つの分子鎖末端がトリメチルシロキシ基で、また、他の2つの分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されており、かつ、ビニル基含有量が0.006モル/100gであるジメチルポリシロキサン100重量部、トリメトキシシラン7重量部、および付加反応触媒として塩化白金酸の1重量%−イソプロパノール溶液1重量部を、窒素ガス気流下で80℃×8時間混合した。その後、10mmHgの減圧下で50℃に加熱し、未反応のトリメトキシシラン等をストリップして留去した。
【0067】
得られたポリマーは、25℃における粘度が31,000mm2/sであり、また、前記ポリマーとテトラブチルチタネートとを100:1の重量比で混合したところ、直ちには増粘しなかったが、1日後には硬化していた。このことから、ポリマー末端のビニル基にトリメトキシシランが付加していることが確認された。このポリマーを、オルガノポリシロキサンEとし、その構造を下記一般式(10)に示す。
【0068】
【化16】
[式中、p、qおよびrの和は、約800〜900である]
【0069】
(実施例7)
上記実施例6に記載のポリジメチルシロキサン90重量部に代えて、上記オルガノシロキサンD90重量部を用いること以外は、実施例6と同様にして、サンプル7を得た。
【0070】
(実施例8)
上記実施例6に記載のポリジメチルシロキサン90重量部に代えて、上記オルガノシロキサンE90重量部を用いること以外は、実施例6と同様にして、サンプル8を得た。
【0071】
(比較例1)
25℃における粘度が20,000mm2/sの両末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン90重量部に、25℃における粘度が100mm2/sの両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン10重量部、表面をジメチルジクロルシランで処理した煙霧質シリカ10重量部、を加え混合機で混合した後、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン6重量部、ジブチル錫ジオクテート0.1重量部を加えて、減圧下で完全に混合し、さらにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.5重量部、トリアゾール系/層状珪酸塩の抗菌・防カビ剤であるカビノン100(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部を加え減圧下で完全に混合しサンプル9を得た。
【0072】
(比較例2)
カビノン100を、トリアゾール系/銀系/層状珪酸塩の抗菌・防カビ剤であるカビノン200(商品名、東亞合成(株)製)1.0重量部に変更すること以外は、比較例1と同様して、サンプル10を得た。
【0073】
(比較例3)
カビノン100を、銀系抗菌剤であるゼオミック ZAW−10D(商品名、)シナネン(株)製)1.0重量部に変更すること以外は、比較例1と同様して、サンンプル11を得た。
【0074】
(比較例4)
カビノン100を、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル−エタノール(慣用名:デブコナゾール)1.0重量部およびゼオミック ZAW−10D(商品名、シナネン(株)製)1.0重量部に変更すること以外は、比較例1と同様して、サンンプル12を得た。
【0075】
(比較例5)
カビノン100を、メチルベンズイミダゾール−2−イルカルバメート1.0重量部およびゼオミック ZAW−10D(商品名、シナネン(株)製)1.0重量部に変更すること以外は、比較例1と同様して、サンンプル13を得た。
【0076】
上記各実施例1〜6および比較例1〜5における各サンプルの組成について表1および表3にまとめて掲げた。なお、表中の「組成」の欄の数字は重量部を意味する。
【0077】
[評価手法]
上記各実施例および比較例におけるサンプル1〜13について各々試験用試料を作成し、下記の方法で変色試験および防カビ性試験・抗菌性試験を行った。その結果を表1〜表3に示した。
【0078】
(変色試験)
得られたサンプルを2mm厚のシートに成形し23±2℃、50±5%RHの雰囲気で一週間放置して硬化させ、その硬化シートを用いて下記の変色試験を行った。
【0079】
1:熱変色試験
硬化シートについて、ミノルタカメラ社製色差計:CR−300を用いて、初期の色差を測定した後、90℃の乾燥機中に200間放置した。熱処理後のサンプルの色差を測定し、初期の色差と比較して黄変度合い値(△b)を算出した。(なお、△bの値が大きいほど変色が激しいことを意味する。)
【0080】
2:紫外線変色試験
硬化シートについて、上記と同様にして、初期の色差を測定した後、医療用殺菌灯を用い殺菌灯から試料までの距離が10cmになるよう調整し、24時間紫外線を照射して劣化させた。照射後のサンプルについて、上記と同様にして黄変度合い値(△b)を算出した。
【0081】
(防カビ性能試験)
上記各試験に用いたものと同じ硬化シートを試験サンプルとして用い、JISZ 2911:2000A法に準じて防カビ性を測定した。防カビ性の測定結果は、目視により下記の基準に従って表示した。
0:肉眼および顕微鏡下でカビの発育は認められない。
1:肉眼ではカビの発育が認められないが、顕微鏡下で確認できる。
2:菌糸の発育が肉眼で認められるが、発育部分の面積は試料の全面積の25%未満である。
3:菌糸の発育が肉眼で認められ、かつ、発育部分の面積は試料の全面積の25%以上である。
【0082】
(抗菌性能試験)
上記と同じ試験サンプルを使用し、JIS L1902(繊維製品の抗菌性試験)に準じて測定し、測定結果(対象:黄色ブドウ球菌、大腸菌)を下記に従って表示した。
−:効果有り
+:効果なし
【0083】
(持続性試験)
▲1▼上記硬化シートを、水道水に200時間浸漬させた後、上記防カビ性試験、抗菌性試験を実施した。
▲2▼上記硬化シートを、70℃の温水に24時間浸漬させた後、上記防カビ性試験、抗菌性試験を実施した。
▲3▼上記硬化シートを、サンシャインウエザーメーターを用いて耐候加速試験を200時間を行った後、上記防カビ性試験、抗菌性試験を実施した。
上記▲1▼〜▲3▼の結果を、防カビ性試験については上記0〜3の基準で、また、抗菌性試験(黄色ブドウ球菌、大腸菌)については上記−または+で、表1〜表3に示した。
【0084】
【表1】
【0085】
(注)
・オルガノポリシロキサンA:両末端シラノール基封鎖ポリジメチルシロキサン(粘度:20,000mm2/s、25℃)
・オルガノポリシロキサンB:両末端メチルジメトキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン(粘度:20,000mm2/s、25℃)
・オルガノポリシロキサンC:両末端メチルジメトキシシリルエチレン基封鎖ポリジメチルシロキサン(粘度:20,000mm2/s、25℃)
・オルガノポリシロキサンF:両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン(粘度:100mm2/s、25℃)
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【発明の効果】
本発明の抗菌・防カビ性オルガノポリシロキサン組成物によれば、抗菌性および防カビ性に優れ、防カビ効果の持続性かつ耐熱・耐紫外線性等の耐候性(耐変色性)に優れた抗菌・防カビ性シリコーンゴムが得られる。このシリコーンゴムは、特に水回りに用いるシーリング材、建材用シーリング材等に最適であり、例えば、建築物の外壁や目地、浴室や浴槽周辺の目地、プール、トイレ、洗面所、窓、道路、桟橋、水槽、サイロ等の用途に有効である。
Claims (4)
- (A)下記一般式(1):
で表わされるオルガノポリシロキサン、
下記一般式(2):
で表わされるオルガノポリシロキサン、および
下記一般式(3):
で表わされるオルガノポリシロキサン
からなる群から選ばれるオルガノポリシロキサン: 100重量部
(B)ケイ素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物および/またはその部分加水分解縮合物: 0.1〜30重量部、並びに
(C)層状珪酸塩の層間に、チアゾール系化合物および/またはイミダゾール系化合物を担持させた抗菌・防カビ剤: 0.01〜10重量部
を含む、変色が少ない抗菌・防カビ性オルガノポリシロキサン組成物。 - 前記(C)成分のチアゾール系化合物が、イソチアゾール系化合物である請求項1に記載の組成物。
- 更に、(D)表面が疎水化処理された煙霧質シリカ: 2〜100重量部
を含む、請求項1または2に記載の組成物。 - 更に、(E)アミノシランカップリング剤: 0.1〜10重量部
を含む、請求項1〜3いずれか1項に記載の組成物。
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JP (1) | JP2004155967A (ja) |
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- 2002-11-07 JP JP2002324547A patent/JP2004155967A/ja active Pending
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