JP2004155624A - フッ化金属用単結晶引き上げ装置 - Google Patents

フッ化金属用単結晶引き上げ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】単結晶の引き上げ中において、坩堝の底部分において、原料融液の部分的な固化が発生し難く、坩堝径に対して大口径の単結晶育成を安定化し、坩堝内の原料融液の単結晶化の収率を大幅に高めることができる単結晶引き上げ装置を提供すること。
【解決手段】チャンバー内における、坩堝の装着が、支持軸の上端に設けられた受け台に、坩堝の底面周縁部が直接又は間接的に支持され、坩堝の底面中央部と受け台の上面中央部とが少なくとも一部離間、好適には3mm以上の間隔で離間した態様で載置されることにより行われてなるフッ化金属用単結晶引き上げ装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、引き上げ法によりフッ化カルシウム等のフッ化金属用の単結晶引き上げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フッ化カルシウムや、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム等のフッ化金属の単結晶体は、広範囲の波長帯にわたって高い透過率を有し、低分散で化学的安定性にも優れることから、紫外波長または真空紫外波長のレーザを用いた各種機器、カメラ、CVD装置等のレンズ、窓材等の光学材料として需要が広がってきており、とりわけ、フッ化カルシウム単結晶体は、光リソグラフィー技術において次世代の短波長光源として開発が進められているFレーザ(157nm)での投影レンズとして期待が寄せられている。
【0003】
従来、こうしたフッ化金属の単結晶体は、坩堝降下法(ブリッジマン法)及び引き上げ法(チョクラルスキー法)により製造することが知られている。このうち、引き上げ法は、単結晶育成中に坩堝からの拘束を受けない方法であるため、結晶体に歪が比較的生じ難く、また、育成中の偏析現象による不純物の低減が可能であるため、有利な方法である。ここで、引き上げ法は、坩堝中の単結晶製造原料の融液に、目的とする単結晶体からなる種結晶を接触させ、次いで、その種結晶体を坩堝の加熱域から徐々に引き上げて緩やかな温度勾配で冷却することにより、該種結晶体の下方に単結晶を育成させて実施される。
【0004】
かかる方法を実施するための製造装置の基本構造を、図5に示す。チャンバー(1)内において、回転可能な支持軸(2)に支えられた受け台(3)上には、内部に単結晶製造原料の融液(10)が収容される坩堝(4)が載置されており、該坩堝(4)の周囲には、溶融ヒーター(5)が設けられ、さらに、溶融ヒーター(5)を取り囲むように断熱壁(6)が設けられている。一方、坩堝(4)の中心軸上には、先端に種結晶体(7)の保持具(8)が取り付けられた回転可能な単結晶引き上げロッド(9)が吊設されている。この種結晶体(7)は、坩堝(4)内の原料融液(10)に接触されて引き上げられ、下方に単結晶体(11)が育成する。また、上記支持軸(2)の下端は、チャンバー(1)の底壁を貫通してチャンバー外へ伸びており、冷却された支持部材(12)と接した後、坩堝(4)を回転および上下動させるための機構(13)に接続されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記構造の単結晶引き上げ装置において、坩堝(4)、支持軸(2)及び受け台(3)等は、通常、黒鉛や金、白金−ロジウム合金、イリジウム等の高融点金属で製作されている。
【0006】
ところが、かかる構造の単結晶引き上げ装置を用いて、フッ化金属の単結晶体を製造した場合、引き上げ中において、坩堝(4)の底部分において、原料融液の一部が固化して多結晶の塊状物が発生し易く、これが引き上げの終盤において原料融液(10)の量が少なくなると単結晶体(11)と接触して付着したり、坩堝(4)中の原料融液(10)の加熱状態が不均一になり融液表面にも固化層が形成されるなど、単結晶体の安定的な製造を困難にしていた。上記の現象は特に、製造する単結晶体(11)が、口径が坩堝(4)の最大内径の50%以上である大口径のものである場合や、坩堝(4)内の原料融液(10)の60%以上を単結晶化させたものである場合に起こりやすく、結晶の大口径化や原料収率の向上を阻害していた。
【0007】
この原因は、前記支持軸(2)や受け台(3)の材質は熱伝導性が高いため、坩堝(4)の底部分では、溶融ヒーター(5)により加熱された熱の多くが、受け台(3)を介して支持軸(2)に伝わり、下方へ伝熱してチャンバー(1)外へ逃失するためと考えられる。そして、フッ化カルシウムを初めとしてフッ化金属の多くは、シリコン等の引き上げ法により単結晶体が製造されている他の金属類に比較して、比熱が小さいものが多いため、上記により坩堝(4)の底部分が局部的に僅かでも温度低下すると、前記原料融液(10)の固化を引き起こすものと推定される。
【0008】
しかして、この問題の解決には、溶融ヒーター(5)による坩堝(4)の底部分の加熱を、その上方部よりも強めにすること等も考えられるが、温度制御が難しく、簡単な方法により、これを解決することが望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を続けてきた。その結果、坩堝を受け台に、坩堝の底面中央部と受け台の上面中央部とが少なくとも一部離間した態様で載置することにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、〔1〕チャンバー内における、坩堝の装着が、支持軸の上端に設けられた受け台に、坩堝の底面周縁部が直接又は間接的に支持され、坩堝の底面中央部と受け台の上面中央部とが少なくとも一部離間した態様で載置されることにより行われてなるフッ化金属用単結晶引き上げ装置である。
【0011】
また、本発明は、〔2〕坩堝の底面中央部と受け台の上面中央部との離間距離が、3mm以上である上記フッ化金属用単結晶引き上げ装置も提供する。
【0012】
さらに、本発明は、坩堝の底面中央部と受け台の上面中央部との離間部分に断熱材を充填してなる上記フッ化金属用単結晶引き上げ装置も提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に準じて本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の単結晶引き上げ装置における、坩堝(4)の受け台(3)への載置構造の代表的態様を示した概略図である。図1の単結晶引き上げ装置において、坩堝(4) 、支持軸(2)及び受け台(3)等は、前記したように通常、黒鉛や金、白金−ロジウム合金、イリジウム等の高融点金属で製作されている。また、坩堝(4)は、最大内径が11cm以上の大型装置であるのが好ましい。
【0015】
この単結晶引き上げ装置において、坩堝(4)は、その底面周縁部(14)が、受け台(3)に支持され、坩堝の底面中央部(15)と受け台の上面中央部(16)とは離間している。こうした構造であれば、坩堝(4)の底面と受け台(3)の上面との接触面積は大幅に少なくなるため、坩堝(4)から、該受け台(3)を介して支持軸(2)に伝熱されチャンバー(1)外へ逃失する熱量は激減する。その結果、上記引き上げ装置では、単結晶引き上げ時における坩堝底部での原料融液(10)の固化の問題が大きく改善される。特に、製造する単結晶体(11)が、口径が坩堝(4)の最大内径の50%以上である大口径のものである場合や、坩堝(4)内の原料融液(10)の60%以上を単結晶化させたものである場合において、上記改善効果は顕著である。
【0016】
本発明において、坩堝の底面周縁部(14)とは、一般に、坩堝底面における周端から、該周端から坩堝の底面の中心までの距離の1/4までの領域をいう。他方、坩堝の底面中央部(15)とは、該底面周縁部(14)よりも内側の領域をいう。さらに、受け台の上面中央部(16)とは、該坩堝の底面中央部(15)に対面する部分である。
【0017】
本発明において、受け台(3)による、坩堝の底面周縁部(14)の半径方向の支持は、前記対象領域の全てに及んで実施しても良いが、坩堝(4)の支持が確実に行われる限りにおいて坩堝の底面中央部(15)と受け台の上面中央部(16)との接触面積はできるだけ小さいほうが好ましいため、その一部で実施しても良い。また、底面周縁部(14)の周方向の支持は、全周にわたって実施しても良いが、上記坩堝(4)の支持が確実に行われる限りにおいて、適当な間隔で間断部を設けて実施しても良い。
【0018】
底面周縁部(14)の支持方法は、図1に示すように坩堝の底面周縁部(14)と受け台(3)上面の対面部とが直接接することにより実施しても良く、また、坩堝の底面周縁部(14)または受け台(3)上面の対面部に凸部を設け、該凸部を介して間接的に実施しても良い。図2に示されるように、この凸部(17)は、坩堝(4)や受け台(3)とは別部材として設けても良い。
【0019】
坩堝の底面中央部(14)と受け台の上面中央部(16)とを離間させる方法は、図1に示すように受け台(3)の上面中央部(16)を凹部として実施しても良く、逆に、坩堝の底面中央部を凹部として実施しても良い。前記の如く凸部(17)を別部材として設ける場合は、坩堝の底面も受け台の上面も、特にこうした加工を施さなくても、それぞれ平板状である底面中央部(15)と上面中央部(16)とを離間させることが可能である。
【0020】
坩堝の底面中央部(15)と受け台の上面中央部(16)とは、その全面において離間しているのが最も効果的であるが、以下のような場合には、坩堝の底面中央部(15)と受け台の上面中央部(16)の少なくとも一部が離間した態様として実施しても良い。即ち、受け台(3)による、坩堝の底面周縁部(14)の支持が不十分である場合には、この底面中央部(15)の周縁にまで及んで、受け台(3)により支持しても良い。また、坩堝(4)が大口径である場合等において、前記受け台(3)により、坩堝の底面周縁部(14)のみを支持したのでは、坩堝の底面中央部(15)の強度が不十分になる際には、図3に示すように、該底面中央部の所望の位置に必要数、必要面積で中央部支持部(18)を設けて、該底面中央部の一部を支持しても良い。こうした場合、坩堝の底面中央部(15)と受け台の上面中央部(16)とは、坩堝(4)の底面全体の投影面において、その少なくとも20%、より好適には少なくとも30%が、受け台(3)の上面と離間するように設けるのが好ましい。特に、坩堝の底面の中心点から放射状に上記面積を満足して離間している場合において、効果が顕著である。
【0021】
本発明において、坩堝の底面中央部(15)と受け台の上面中央部(16)との離間距離は、特に制限されるものではないが、坩堝からの熱の逃失防止効果を十分に発揮させるためには、3mm以上、より好適には5〜50mmであるのが好ましい。
【0022】
さらに、本発明において、坩堝(4)からの熱の逃失をより高度に防止する観点からは、図4に示すように、坩堝の底面中央部(15)と受け台の上面中央部(16)との離間部分に断熱材(19)を充填するのが好ましい。ここで、断熱材は、熱伝導率が1000℃において5W/m・K以下の材質からなるものを使用するのが好ましく、具体的にはピッチ系炭素繊維やレーヨン系炭素繊維、およびそれらの成型体やフェルト状のもの、多孔質の黒鉛等が好適に使用される。このように坩堝(4)からの熱の逃失をより高度に防止することにより、例えば、使用する坩堝の最大内径に対して、70%以上の口径を有する大口径の単結晶体(11)の安定な育成が可能になり、さらに、坩堝(4)内に投入した原料の70%以上の単結晶化が可能になるなど、単結晶育成の生産性が大きく向上する。
【0023】
なお、受け台(3)には、載置される坩堝(4)の水平方向の移動を防止するために、該坩堝(4)の周壁に接して坩堝固定用の凸部(20)を、周方向の全周にわたって又は適当な間断部を設けて形成するのが好ましい。
【0024】
以上の構造により、チャンバー(1)内に坩堝(4)が装着される本発明の引き上げ装置は、抵抗加熱炉であるのが好ましい。誘導加熱炉の場合、炉内の温度分布が急峻になり易く、高品質の結晶を得る上では、上記抵抗過熱炉が有利である。装置に備えられる引き上げロッド(6)、支持軸(2)及び覗き窓(21)は、Oリングや磁性流体シールなどで気密化されることが好ましい。原料フッ化金属の溶融工程や結晶の育成工程において、これらの部分からリークが発生すると、単結晶の着色や透明度の低下などの品質の著しい低下をもたらす。
【0025】
坩堝(4)に投入した原料フッ化金属は、溶融させるに先立って減圧下で加熱処理を施して吸着水分を除去するのが好ましく、そのための装置を真空引きするための真空ポンプは、公知のものを用いることができるが、ロータリーポンプと油拡散ポンプ、あるいはロータリーポンプと分子ポンプの組合せが好ましい。
【0026】
溶融ヒータ(5)や断熱壁(6)の材質は、通常、黒鉛、硝子状黒鉛、炭化珪素蒸着黒鉛等が使用される。
【0027】
本発明の引き上げ装置は、前記単結晶引き上げ時における坩堝底部における原料融液の固化の問題が生じ易いフッ化金属類の単結晶体の製造に用いることにより効果が発揮される。ここで、フッ化金属とは、具体的には、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、フッ化アルミニウム、LiCaALF等が挙げられる。このうち特に、フッ化カルシウム単結晶体の製造に適用した場合に最も顕著に効果が発揮される。
【0028】
引き上げ法の具体的操作方法も、前記した図5の概略図に示されるような引き上げ装置を用いて実施されている公知の方法が制限なく実施できる。坩堝に投入する原料フッ化金属は、十分に精製処理、特に水分除去処理を施したものを使用するのが好ましい。かかる原料フッ化物の溶融および単結晶の育成は、不活性ガスの雰囲気下で行うのが好ましい。
【0029】
単結晶の引き上げは、原料フッ化物の坩堝底部の測定温度において融点〜融点+100℃に加熱した条件、例えばフッ化金属がフッ化カルシウムであれば1380〜1480℃の温度で実施するのが好ましく、該温度への昇温速度は50〜500℃/Hrであるのが好ましい。
【0030】
上記引き上げ法の実施は、残留する水分の影響をなくすため、スカベンジャーの存在下で実施するのが好ましい。スカベンジャーとしては、原料フッ化金属と共に仕込まれる、フッ化亜鉛、フッ化鉛、ポリ四フッ化エチレン等の固体スカベンジャーや、チャンバー内に雰囲気として導入される、四フッ化炭素等の気体スカベンジャーが使用される。
【0031】
引き上げ法に用いる種結晶は、育成するフッ化金属と同組成の単結晶体を用いるのが好ましい。種結晶体の育成面は任意に選択することができるが、フッ化カルシウムの種結晶を用いる場合は、(111)面を好適に用いることができる。結晶の育成中において、これら種結晶は、引き上げ軸を中心として回転させることが好ましく、他方、これに併せて坩堝も、上記種結晶の回転方向と反対方向に回転させるのが好ましい。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
実施例1
図1に示される単結晶引き上げ装置を用いて、フッ化カルシウム単結晶体の製造を行った。図1の装置において、坩堝(4)は、底面周縁部(14)の全てが受け台(3)に直接に支持されていた。また、坩堝(4)の底面において、その中心点から放射状に、該底面全体の投影面に対して40%の面積になる領域は、受け台の上面中央部(16)に凹部が形成されすることにより、該受け台の上面中央部(16)と離間していた。その離間距離は、20mmであった。
【0034】
チャンバー (1)において、高純度グラファイト製の坩堝(4)内(外直径40cm、内直径38cm、高さ30cm)に、十分な精製処理及び水分除去処理を施した高純度の原料フッ化カルシウム塊50kgと、スカベンジャーとして0.1%の高純度フッ化亜鉛を投入し、チャンバー内を真空引きした。次いで、溶融ヒーター(5)に通電し原料の過熱を開始し、徐々に250℃まで昇温し、この温度に2時間保持した。上記保持後再び昇温を開始し、600℃に達した時点で、真空排気ラインを遮断し、高純度アルゴンをチャンバー(1)内に供給し、内圧を106.4KPaに保った。
【0035】
原料が完全に溶融した1480℃で40分間保持した後、ヒータ出力を低下させて1440℃で120分間保持した後、前記単結晶引き上げロッド(9)を垂下させて、種結晶体(7)の下端面を原料融液(10)の表面に接触させ、単結晶の育成を開始した。種結晶体(7)は、15回/分で回転させ、他方、坩堝(4)も、これと逆方向に4回/分で回転させた状態で、2mm/Hrにて100時間引き上げを行ったところ、単結晶体(11)への多結晶塊状物の付着や坩堝(4)内の原料融液(10)表面の固化も全く生じず順調に単結晶の育成が行えた。育成終了後、常温まで降温した。
【0036】
以上により、最大直径が坩堝内径の約60%である23cm、重量は原料の64%である32kgのフッ化カルシウム単結晶体が得られた。
【0037】
実施例2
実施例1で用いた図1の単結晶引き上げ装置において、坩堝の底面中央部(15)と受け台の上面中央部(16)との離間部分に、断熱材(19)として熱伝導率が1000℃において0.4W/m・Kであるピッチ系炭素繊維の成型体(株式会社ドナック製ドナカーボDON−2000)を充填し図4に示される装置とする以外は、実施例1と同様の条件でフッ化カルシウムの製造を行った。
【0038】
その結果、引き上げる単結晶体(11)の大口径化が容易であり、最大直径が坩堝内直径の約74%である28cm、重量は原料の約70%である35kgのフッ化カルシウム単結晶体が得られた。また、この単結晶体には、多結晶塊状物の付着はなく、引き上げ時において、坩堝(4)内の原料融液(10)表面の固化も全く生じなかった。
【0039】
比較例1
図5に示されるように、坩堝(4)の底面が受け台(3)の上面と全面で接触している単結晶引き上げ装置を用いる以外は、実施例1と同様の条件でフッ化カルシウムの製造を行った。
【0040】
その結果、直径22cmの単結晶を育成中、結晶重量28kgの時点で単結晶に多結晶塊状物が付着し、育成を中断した。
【0041】
【発明の効果】
本発明において、〔1〕の単結晶引き上げ装置によれば、引き上げ中において、坩堝の底部分において、原料融液の一部に固化が発生することが高度に抑制される。その結果、坩堝径に対して大口径の単結晶育成を著しく安定化し、坩堝内の原料融液の単結晶化の収率を大幅に高めることができる。
【0042】
また、〔2〕及び〔3〕の引き上げ装置によれば、坩堝の底部分における、原料融液の固化の問題が、一層に高度に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の単結晶引き上げ装置における、坩堝の受け台への載置構造の代表的態様を示した概略図である。
【図2】図2は、本発明の単結晶引き上げ装置における、坩堝の受け台への載置構造の別の態様を示した概略図である。
【図3】図3は、本発明の単結晶引き上げ装置における、坩堝の受け台への載置構造の別の態様を示した概略図である。
【図4】図4は、本発明の単結晶引き上げ装置における、坩堝の受け台への載置構造の別の態様を示した概略図である。
【図5】図5は、従来の単結晶引き上げ装置を示した概略図である。
【符号の説明】
1;チャンバー
2;支持軸
3;受け台
4;坩堝
5;溶融ヒーター
6;断熱壁
7;種結晶体
8;保持具
9;単結晶引き上げロッド
10;原料融液
11;単結晶体
12;冷却された支持機構
13;坩堝を回転および上下動させるための機構
14;坩堝の底面周縁部
15;坩堝の底面中央部
16;受け台の上面中央部
17;凸部
18;中央部支持部
19;断熱材
20;坩堝固定用凸部
21;覗き窓

Claims (3)

  1. チャンバー内における、坩堝の装着が、支持軸の上端に設けられた受け台に、坩堝の底面周縁部が直接又は間接的に支持され、坩堝の底面中央部と受け台の上面中央部とが少なくとも一部離間した態様で載置されることにより行われてなるフッ化金属用単結晶引き上げ装置。
  2. 坩堝の底面中央部と受け台の上面中央部との離間距離が、3mm以上である請求項1記載のフッ化金属用単結晶引き上げ装置。
  3. 坩堝の底面中央部と受け台の上面中央部との離間部分に断熱材を充填してなる請求項1又は請求項2記載のフッ化金属用単結晶引き上げ装置。
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