JP2004155450A - 燃料容器及びその製造方法 - Google Patents

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Keiichiro Togawa
惠一朗 戸川
Nobutake Kimura
修武 木村
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Abstract

【課題】燃料電池用容器やガソリン容器やメタノール容器のみならず、水分混入ガソリンおよびガスホールに対しても充分な透過防止性能と耐衝撃性を有する燃料容器を得る。
【解決手段】剛性基材からなる外部筐体の内部に無機質被膜したフィルム及び/又はシートが設けられていることを特徴とした容器。
フィルム及び/又はシートはダイヤモンドライクカーボン被膜、変性カーボン被膜、酸化チタン被膜、酸化珪素被膜、セラミック被膜、炭素化珪素被膜又は窒化珪素被膜が施された有機ポリマーであることが好ましい。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は容器に関し、詳しくは含酸素系有機化合物と炭化水素との混合物、例えばメタノール含有ガソリンやメタノールに対する透過防止性能(バリアー性)に優れた燃料容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、自動車等車両の燃料タンクなどのように、その軽量化および成形加工の容易化を計るべくプラスチック製のものが提案され実用化されつつある。プラスチック製燃料タンクは、ポリエチレン製単層型が普及しているが、比較的高い透過性を有する欠点がある。これに対し、従来、ポリエチレン製タンクにスルホン処理や、フロン処理によりバリアー性を向上させる方法や、ポリエチレンにバリアー性を有する物質を混入させる方法、また、一方では、多層構造体にし、バリアー層にナイロンを用い、その両側に接着材層を介して高密度ポリエチレン層を設けた3種5層構造が提案されている。
【0003】
ところが、近年の環境汚染に対する規制強化の中で、大気汚染防止の観点から、さらには、ガソリンの消費節約、オクタン価改良のために米国中心に使用されているメタノール、MTBE(メチル・ターシャル・ブチル・エーテル)等をブレンドしたガソリン(以下ガスホールと略記することがある)やガソリンタンクの使用時に実際上避けることのできない水分混入に対して、タンク全体からのガソリン透過量が増大すると言う欠点を有しており、これらの欠点の改良が望まれている。
【0004】
これを改良する手段として、上記ポリエチレンとナイロンとの積層体では、ピンチオフ部からの透過及び、ガスホールに対するバリアー性さらには、衝撃強度に問題がある。すなわち、衝撃強度を満足するには、バリアー層を薄くする必要があり、そのために、多層構造体全体としてのバリアー性能を大きく低下することとなる。また、ポリエチレンにナイロンを混合して同時に溶融押し出しし、ポリエチレン層中にナイロンを不連続の薄層状に分散する方法では、ガスホールに対するバリアー性が不足し、ポリエチレン単層にスルホン処理や、フッ素処理する方法では、ガスホールに対するバリアー性の不足や、ガソリン中の水分により透過性が増大する問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、燃料電池用容器やガソリン容器やメタノール容器のみならず、水分混入ガソリンおよびガスホールに対しても充分な透過防止性能と耐衝撃性を有する燃料容器を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、容器に無機質被膜が形成させるフィルムやシートを使用することによって上記問題点を解決出来ることを見いだした。
【0007】
すなわち、本発明は、剛性基材からなる外部筐体の内部に無機質被膜したフィルム及び/又はシートが設けられていることを特徴とした容器である。
さらに上記において、フィルム及び/又はシートが有機ポリマーであることができる。
また、無機質被膜が、ダイヤモンドライクカーボン被膜、変性カーボン被膜、酸化チタン被膜、酸化珪素被膜、セラミック被膜、炭素化珪素被膜又は窒化珪素被膜のいずれかでであることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料容器の実施の形態を具体的に説明する。本発明の容器は、容器を所定の形状に成形してなる容器の内面および外面の少なくとも一方に無機質被膜が形成されているフィルムを使用することを特徴としている。
本発明でいう「無機質被膜」とは、非金属質である無機質の薄膜状であれば特に限定されないが、琺瑯などで見られる無機物を高温で熔着させたものではなく、種々の原料物質を用いてイオンビームスパッタ法等の物理的気相合成法(PVD)、減圧化学的気相合成法(CVD)或いはプラズマCVD等により容器壁面に沈着形成されたものであることが好ましい。具体的にはダイヤモンドライクカーボン被膜、変性カーボン被膜などの炭素質被膜、酸化チタン被膜、酸化珪素被膜、炭素化珪素被膜及び窒化珪素被膜、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム−珪素被膜やこれらの混合被膜等の無機質被膜等であり、特に好ましい無機質被膜はダイヤモンドライクカーボン被膜及び変性カーボン被膜等の炭素質皮膜である。これらの無機質被膜はフィルムやプラスチックボトルのガスバリア性等を向上させるために用いる無機質被膜の技術を応用することができる(例えば特開平8−53116、特開平7−41579)。
【0009】
これらの特に好ましい炭素質被膜は、黒鉛、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、モノフルオロエタン、ジフルオロエタン、モノ〜トリフルオロプロパン等のフッ化脂肪族炭化水素、モノフルオロベンゼン、p−フルオロベンゼン、p−フルオロトルエン(FCCH)等のフッ化芳香族炭化水素、炭化水素とフッ素含有炭化水素の混合物、炭化水素とフッ化炭化水素(例えば、ヘキサフルオロエタン、パーフルオロプロパン、ヘキサフルオロベンゼン、パーフルオロトルエン等)との混合物等の原料からPVD、CVD或いはプラズマCVD等により容器壁面に沈着形成された炭素質被膜のことであり、ダイヤモンドライクカーボン、水素化アモルファスカーボン、変性カーボン等と称される物質の膜を意味する(以下DLCと略記する)。
【0010】
本発明の、無機質被膜の膜厚は、0.001〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.01μm以上、さらに好ましくは0.05μm以上、また、50μm以下がより好ましく、特に好ましくは10μm以下である。100μmを超えると対衝撃が低下する傾向にあり、0.001μm未満ではバリアー性が低下する傾向にある。
【0011】
本発明の燃料容器に使用される燃料とは、ガソリン、アルコール含有ガソリン、メタノール、エタノール、軽油、灯油、重油等の燃料に使用されるが、好ましくはガソリン、アルコール含有ガソリン、メタノール、エタノールが好ましい。
【0012】
本発明の無機質被膜は単層でもよく、又、複数種の複層に形成してもよい。例えば、CVDにより炭化水素よりダイヤモンドライクカーボン被膜を形成し、その上に炭化水素と窒素との混合ガス等を用いて変性カーボン被膜を形成したりすることができ、これらの被膜は逆に形成してもよい。更に上記無機質被膜の表面にはコーテング層、多層、潤滑剤層を形成して、無機質被膜の剥落を防止してもよい。
【0013】
本発明で用いられる容器、フィルム、シートに使用されている有機ポリマーとは例えばポリオレフィン系、ハロゲン化ビニール系、ポリ乳酸系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリカーボネート系、ポリエポキシ系、ポリエチレンビニールアルコール系、ポリビニールアルコール系、ポリシリコン系、ポリウレタン系、メラミン系、尿素系、ポリスチレン系、フッ素系、ゴム系等であり、好ましくは、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ乳酸系、ポリエチレンビニールアルコール系、ポリカーボネート系、ゴム系が好ましく、最も好ましくはポリオレフィン系、ポリエステル系、エチレンビニールアルコール系(以下EVOHと略す)、ポリアミド系、ポリ乳酸系が好ましい。
【0014】
得に、シート、フィルムとしても、ポリオレフィン系、ポリエステル系、エチレンビニールアルコール系(以下EVOHと略す)、ポリアミド系、ポリ乳酸系が好ましい。
【0015】
上記有機ポリマーはブレンド、アロイ、多層でも良く、無機質被膜の密着性向上のため接着層を使用しても良い。
【0016】
上記無機質被膜したフィルム及び/又はシートは、複数枚重ねて使用してもよいし、その際に接着層を使用してもよい。
また、難燃性を付与するために公知の難燃剤を使用しても良い。
【0017】
以下、好ましい有機ポリマーをさらに説明する。
ポリオレフィン系樹脂としては、各種のものが使用でき、例えばエチレン,プロピレン,ブチレンなど炭素数2〜8のオレフィンの1種または2種以上の重合体またはこれらのオレフィンと他のコモノマーとの共重合等を包含する。ここで、他のコモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸、アクリル酸塩などがあげられる。特にポリエチレンあるいはエチレンを含有する共重合体が好適であり、具体的には、高、中及び低密度ポリエチレンなどが挙げられる。
【0018】
主として高密度もしくは低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1など、およびエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、などから選ばれたα−オレフィン同士の共重合体であるが、これらα−オレフィンとの共重合成分として、ジオレフィン、N−ビニルカルバゾール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテル、などのビニル化合物、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、そのエステルおよびその酸無水物あるいはこれらにヒドロキシル基またはエポキシ基を付加したものなどがあげられ、例えばグラフト可能なモノマーとポリオレフィンとの共重合体や、α−オレフィン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体とイオン性金属化合物との反応物であるアイオノマー樹脂などのα−オレフィンが50重量%以上の共重合体などがあげられる。これらのポリオレフィン系樹脂はそれぞれ単独で用いることもできるし、また2種以上を混合して用いることもできる。これらのポリオレフィンのうち、高密度ポリエチレン、とくにメルトインデックス(210℃、2160g荷重下)が0.005〜1g/10分、好適には、0.01〜0.5g/10分の高密度ポリエチレンが耐衝撃性を付与することができるので好適である。ここで高密度ポリエチレンとは、たとえば、チグラー触媒を用い、高圧または中圧法により得られるもので、密度0.941〜0.965g/cm、好適には、0.945〜0.96g/cmを示すものである。
【0019】
EVOHとはエチレン−ビニルエステル共重合体鹸化物であり、エチレン含量は20〜80モル%が好ましく、さらに好適には22〜70モル%であり、またビニルエステル成分の鹸化度は80%以上が好ましく、さらに好適には85%以上である。エチレン含量が20モル%未満では溶融成形性が悪く、ガスバリヤー性及び熱安定性が悪くなる。本発明においてEVOHは、エチレン含量および/または鹸化度の異なる1種あるいはそれ以上のEVOHをブレンドして用いる事がより好適な場合がある。ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとしてあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。
【0020】
また、EVOHに共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有する場合にも基材とそのEVOHとの溶融粘性の整合性が改善され、均質な共押し出し多層フィルムの製造が可能なだけでなく、EVOH同士のブレンドに際し分散性が改善され成形性などの改善の面で有効である。ここで、ビニルシラン系化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシランが挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。
【0021】
さらに、本発明の目的が阻害されない範囲で、他の共単量体[例えば、プロピレン、ブチレン、不飽和カルボン酸又はそのエステル{(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルメチル、エチル}など]、ビニルピロリドン(N−ビニルピロリドンなど)を使用することもできる。また、本発明に用いるEVOHの好適なメルトインデックス(MI)(190℃,2160g荷重下で測定した値;融点が190℃付近あるいは190℃を越えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、メルトインデックスを縦軸としてプロットし、190℃に外挿した値)は、0.1〜50g/10min.、最適には0.5〜20g/10min.である。
【0022】
ポリアミド系樹脂としては、アミド結合を有する重合体であって、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン10,ナイロン11,ナイロン12、MXD6ポリアミドさらにはブロー成形可能なグレードとして、耐衝撃性の高い変性ポリアミド、たとえば、ポリオレフィン系エラストマー変性ポリアミド、アイオノマー変性ポリアミド、共重合ポリアミド、接着性ポリアミド等が挙げられ、さらには、非晶性ポリアミド、芳香族ポリアミド(メタキシリレンジアミンとアジピン酸との混合物など)も使用可能である。
【0023】
具体的には、ポリカプロアミド(ナイロン−6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,12)の如き単独重合体、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸共重合体(ナイロン−6/11)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,12)の如き共重合体などがあげられる。これらのポリアミド系樹脂は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
また、異なった種類の樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂とポリアミド系樹脂、具体的にはナイロン−6と低密度ポリエチレン等を、目的に応じて、2種以上混合して用いることもできる。
【0024】
ポリエステルではビスフェノールA型やノボラック型等の不飽和ポリエステル、アルキッド、高分子量の芳香族系ポリエステルや脂肪族系ポリエステルを用いることができる。
芳香族系ポリエステルは、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる結晶性ポリエステルであり、好ましくは芳香族ジカルボン酸成分が酸成分の85モル%以上含む結晶性ポリエステルであり、さらに好ましくは、芳香族ジカルボン酸成分が酸成分の95モル%以上含む結晶性ポリエステルである。典型的な芳香族系ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びそれらの一部に他のジカルボン酸成分又はグリコール成分を共重合した共重合体を例示することができる。
【0025】
本発明で用いる芳香族系ポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが挙げられる。
【0026】
また、芳香族系ポリエステルを構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコールなどが挙げられる。
【0027】
中でも代表的なものは、主としてテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルであり、好ましくは、エチレンテレフタレート単位を85モル%以上含む線状ポリエステル、さらに好ましくはポリエチレンテレフタレートからなる芳香族系ポリエステルである。
【0028】
前記芳香族系ポリエステル中に共重合して使用されるジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが挙げられる。
【0029】
また、前記芳香族系ポリエステル中に共重合するグリコ−ル成分としては、具体的にはエチレングリコル、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール,1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール,2−メチル−1、5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラエチレングリコールなどが挙げられる。脂環族グリコールとしては1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、3,8−ビスビドロキシメチルトリシクロジシカン、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、TCDグリコールなどが挙げられ、これらを単独又は2種類以上併用して使用できる。
【0030】
脂肪族ポリエステルは、下記の脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族二価アルコール及び脂肪族二塩基酸を種々組み合わせて製造できる生分解性を有するポリマーである。
【0031】
脂肪族ポリエステルを製造するために用いられる脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等を挙げることができ、さらに、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状エステル、例えば、グリコール酸の2量体であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトンを挙げることができる。これらは、単独で又は二種以上組合せて使用することができる。
【0032】
脂肪族ポリエステルを製造するために用いられる脂肪族二価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ボリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは、単独で又は二種以上の組合せて使用することができる。
【0033】
脂肪族ポリエステルを製造するために用いられる脂肪族二塩基酸の具体例としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等が挙げられる。これらは、単独で又は二種以上の組合せて使用することができる。
脂肪族ポリエステルは公知の方法で製造することができ、その製法に限定されるものではない。
脂肪族系ポリエステルの中では、ポリ乳酸系樹脂も好ましい。
ポリ乳酸系樹脂は、ポリ乳酸を主成分とする樹脂である。ポリ乳酸の原料である乳酸の具体例としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸又はそれらの混合物、又は、乳酸の環状2量体であるラクタイドを挙げることができる。但し、得られたポリ乳酸は、L−乳酸とD−乳酸を混合して用いる場合、L−乳酸又はD−乳酸いずれかが75重量%以上であることが好ましい。
【0034】
ポリエステル樹脂にはカルボン酸を付与しても良い。カルボキシル基の導入する方法としては、上記ポリエステル樹脂を重合した後に無水トリメリット酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水コハク酸、無水1,8−ナフタル酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸などを後付加して酸価を付与、変性ポリエステルとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等で鎖延長する方法が挙げられる。さらに、本発明で用いる、芳香族系ポリエステル中に共重合して使用されるその他の共重合成分として、多官能化合物として、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができ、グリコール成分として、グリセリン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。以上の共重合成分の使用量は、芳香族系ポリエステルが実質的に線状を維持する程度でなければならない。
【0035】
また、ポリマーには各種添加剤添加剤(可塑剤、熱安定剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、他の樹脂など)を本発明の目的が阻害されない範囲で使用することは、自由である。特にゲル発生防止対策として、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系,ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪酸カルボン酸の金属塩(たとえば、ステアリン酸カルシュウム、ステアリン酸マグネシュウムなど)の一種、または二種以上を0.01〜1重量%添加することは好適である。
【0036】
添加剤の具体的な例としては次の様なものが挙げられる。
酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキシン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−チオビス−(6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4′−チオビス−(6−tert−ブチルフェノール)等。
【0037】
紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキトシキベンゾフェノン等。
【0038】
可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エステル等。
【0039】
帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックス等。
【0040】
滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレート等。
着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等。
【0041】
充填剤:グラスファイバー、アスベスト、バラストナイト、ケイ酸カルシウム等。
また、他の多くの高分子化合物も本発明の作用効果が阻害されない程度にブレンドすることもできる。
【0042】
本発明の燃料容器は多層にすることによって更に信頼性が増す傾向にある。 多層構造体について詳細に説明する。多層構造体を得る際に使用される接着性樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリウレタン系、ポリエステル系一液型あるいは二液型硬化性接着剤、不飽和カルボン酸又はその無水物(無水マレイン酸など)をオレフィン系重合体または共重合体[ポリエチレン{低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SLDPE)}、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステル、またはエチルエステル)共重合体]にグラフトしたものが、好適に用いられる。
【0043】
多層構造体を得る方法およびその構成を、ポリオレフィンとEVOHおよび/またはポリアミドを例に説明する。まず、多層構造体を得る方法としてはこれらポリマーを必要に応じ接着性樹脂を介して無機質被膜がとくに燃料と接触する表面に位置するように成形する方法、たとえば共押出シート成形法、共押出パイプ成形法、共押出成形法、共押出ブロー成形法などがあげられる。多層構造体の厚み構成に関しても、特に限定されるものではないが、成形性およびコスト等を考慮した場合、全厚みに対するEVOHおよび/またはポリアミド層の厚み比率は1〜20%程度が好適である。
【0044】
多層構造体の構成としては、ポリオレフィン/EVOH、ポリオレフィン/ポリアミド、ポリオレフィン/接着性樹脂(以下「AD」と略す)/EVOH、ポリオレフィン/AD/ポリアミド、ポリオレフィン/AD/EVOH/AD/ポリオレフィン、ポリオレフィン/AD/ポリアミド/AD/ポリオレフィン、ポリオレフィン/回収層/AD/EVOH、ポリオレフィン/回収層/AD/ポリアミド、ポリオレフィン/回収層/AD/EVOH/AD/ポリオレフィン、ポリオレフィン/回収層/AD/ポリアミド/AD/ポリオレフィン等が代表的なものとしてあげられる。また成形時発生するトリムなどのスクラップを熱可塑性樹脂層にブレンドしたり、別途回収層を設けて再使用される場合も多い。
【0045】
本発明の有機ポリマーは、必要に応じて他のプラスチック、老化防止剤、加工助剤等の添加剤を配合し、該配合物をインターナルミキサー、ニーダー、ロール、バンバリー、押出機等の公知の混合機を用いて混合する。得られた混合物(組成物)を、射出成形、押出成形、圧縮成形(ミート成形、ブロー成形)等の成形手段によって所望の容器形状に成形することにより燃料容器が製造される。燃料容器の形状は特に限定されるものではない。
【0046】
また、シート、フィルムは同上の有機ポリマーを押し出し機等でシート上に成形してシートまたは無延伸フィルムとするか、シートを1軸または2軸延伸して延伸フィルムとすることができる。延伸方法としては、公知の方法を採用することができ、得に制限を加えるものではない。
【0047】
また、例えば、剛性基材からなる外部筐体の内部に無機質被膜したフィルム及び/又はシートを設けるには、容器と同じ大きさや形にしておいた無機質被膜したフィルム及び/又はシートを設ける方法、容器や無機質被膜したフィルム及び/又はシートに接着層を設け融着させる方法等がある。
また、無機質被覆したフィルム及び/又はシートは必ずしも容器内面全面に設ける必要はなく、角や口部、底部など、設置し難い部分を残し、一部分のみに設置されていても良い。
【0048】
本発明のフィルム及び/又はシートの表面にDLCの被膜を形成する方法としては、イオンビームスパッタ装置を用いてグラファイトのターゲットを500〜1,000eVのArイオンビームでスパッタするPVD法とCVD法或いはプラズマCVD等が用いられる。本発明で使用する無機質被膜の形成法は特に限定されないが、以下ではプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)による無機質被膜の形成法について説明する。
【0049】
CVDは、加熱した基板上に原料ガスを供給し、化学反応で生じた生成物質を基板上に固体として堆積させて被膜を形成させる方法である。プラズマCVDは、CVDをプラズマ中に含まれる中性励起粒子の活性を利用して行うものであり、半導体の分野では多層構造デバイスにおける層間の絶縁或いは外界からの保護を目的とした酸化シリコンや窒化シリコンの被膜の形成等に用いられており、緻密で均一な被膜が得られる特徴がある。
【0050】
プラズマCVDによるダイヤモンドライクカーボンの被膜は、例えば、以下の通り形成することができる。ダイヤモンドライクカーボンの生成原料として、例えば、メタン、エタン、エチレン、イソブタン等の炭化水素ガス等を用い、例えば、平行板型プラズマ反応器において、接地電極(アノード)に対し所定の間隔をおいて対向配設した電極(アノード)に高周波電圧をブロッキングコンデンサを介して印加する。この高周波電圧印加によって電極(カソード)上の暗部(シース)に自己バイアス電圧が生成する。この自己バイアス電圧によってイオンが加速されてダイヤモンドライクカーボンの被膜を形成することができる。装置の一例の概略図1に示す。
【0051】
図1に示す装置は、平行平板型の内部電極型で、下部電極(カソード)1側にセルフバイアス用のブロックコンデンサ2を介して高周波(13.56MHz)を高周波電源4から印加する。印加された下部電極(カソード)には、暗部(シース)の部分が生成し、接地された対向電極(アノード)3に対して負の電位、即ち、自己バイアス電圧が発生する。シース部分に発生するこの自己バイアス電圧を利用してダイヤモンドライクカーボンの被膜を形成させることがこの装置の特徴である。
【0052】
ダイヤモンドライクカーボン被膜を形成させる基体容器を下部電極1上に載置し、減圧状態でダイヤモンドライクカーボン形成原料ガスの存在下に高周波を印加することによって、高密度、硬質、非晶性のダイヤモンドライクカーボン被膜が基体容器の外面又は外面と内面とに形成される。形成されるダイヤモンドライクカーボン被膜の厚さは、印加する高周波の出力、原料ガスの分解時間、自己バイアス電圧、真空度、基体容器の温度等を調節することによってÅオーダーから0.001〜100μm程度に渡って変化させることができる。印加する高周波の出力はコントローラ5で制御可能であり、又、基体容器の温度はヒータ6の温度を制御することによって調節可能である。
【0053】
本発明においては、ダイヤモンドライクカーボン被膜の膜厚は特に制限されないが、通常0.001〜100μmで燃料容器壁のバリアー性が著しく向上する。又、紫外線の透過も抑制される効果も得られる。尚、変性カーボン被膜についても上記のダイヤモンドライクカーボン被膜の形成と同様にして形成させることができる。
【0054】
このように、本発明の有機ポリマー上に無機質被膜したフィルムやシートを無機質被膜した燃料容器に用いることにより、さらにバリアー生が著しく向上する。
この場合、有機ポリマー上に無機質被膜したフィルムやシートを無機質被膜されたガソリン容器に用いることによりガソリンバリアー性が向上するが、好ましくはガソリン容器の内層に使用することが好ましい。また、フィルムやシートを多層にすることによって、更にガソリンバリアー性が向上する。
【0055】
【実施例】
以下本発明を実施例を用いて説明する。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。また、各測定項目は以下の方法に従った。
【0056】
(1)ガソリンバリアー性試験
成形した容器にモデルガソリン(注1)を20ml注ぎ込み、金属製スクリューキャップで蓋をしたこの容器を正立させた状態で、防爆型恒温恒湿槽(40℃、65%RH)中に6週間放置し、重量の経時変化を測定した。(各ガソリンn=10にて測定し、平均値を表1に表示。)
注1 モデルカソリン1:トルエン/イソオクタン=50/50(容量%)
モデルカソリン2:トルエン/イソオクタン/メタノール=42.5/42.5/15(容量%)
モデルカソリン3:トルエン/イソオクタン/MTBE=42.5/42.5/15(容量%)
(MTBE:メチルターシャリーブチルエーテル)
【0057】
(2)落下試験
プラスチック容器に水を充填し、コンクリート上に落下させ、破損する高さを求めた。(n=20)
【0058】
(3)5m落下試験後のガソリンバリアー性試験
プラスチック容器に水を充填し、5mの高さからコンクリート上に落下させ、充填水を抜き上記試験方法(1)で落下試験後のガソリンバリアー性を測定した。
【0059】
無機質被膜フィルムA
二軸延伸ポリプロピレンフイルム(東洋紡製 パイレン P2108 60μ)にダイヤモンドライクカーボン被膜を図1に示したプラズマCVD装置を用いて形成させた。ダイヤモンドライクカーボン被膜形成条件としては、アンプルを下部電極(カソード)1に載置し、印加する高周波電圧の周波数と出力を13.56MHz及び出力200Wにそれぞれ設定した。先ず、前処理として真空度0.1Torr、室温でArガスで10秒間処理し、引き続き真空度0.07Torr、室温、イソブタン/Ar混合ガスで10秒間処理してフィルムの外表面と内表面にダイヤモンドライクカーボン被膜を形成させた(膜厚0.18μm)。得られたダイヤモンドライクカーボン被膜コーティングフィルムを作成した。
【0060】
無機質被膜フィルムB
エステルフィルム(東洋紡製E5200 25μ)にダイヤモンドライクカーボン被膜を図1に示したプラズマCVD装置を用いて形成させた。ダイヤモンドライクカーボン被膜形成条件としては、アンプルを下部電極(カソード)1に載置し、印加する高周波電圧の周波数と出力を13.56MHz及び出力200Wにそれぞれ設定した。先ず、前処理として真空度0.1Torr、室温でArガスで10秒間処理し、引き続き真空度0.07Torr、室温、イソブタン/Ar混合ガスで10秒間処理してフィルムの外表面と内表面にダイヤモンドライクカーボン被膜を形成させた(膜厚0.18μm)。得られたダイヤモンドライクカーボン被膜コーティングフィルムを作成した。
【0061】
無機質被膜フィルムC
二元アルミシリカ蒸着ポリエステルフィルム(東洋紡製エコシアール 18μ)を用いた。
【0062】
無機質被膜フィルムD
ナイロンフイルム(東洋紡製 ハーデン N1200 25μ)にダイヤモンドライクカーボン被膜を図1に示したプラズマCVD装置を用いて形成させた。ダイヤモンドライクカーボン被膜形成条件としては、アンプルを下部電極(カソード)1に載置し、印加する高周波電圧の周波数と出力を13.56MHz及び出力200Wにそれぞれ設定した。先ず、前処理として真空度0.1Torr、室温でArガスで10秒間処理し、引き続き真空度0.07Torr、室温、イソブタン/Ar混合ガスで10秒間処理してフィルムの外表面と内表面にダイヤモンドライクカーボン被膜を形成させた(膜厚0.18μm)。得られたダイヤモンドライクカーボン被膜コーティングフィルムを作成した。
【0063】
(実施例1)
最内層に接着性樹脂として変性ポリエチレン(以下「AD」と略す)(三井石油化学製 アドマー GT−3)、高密度ポリエチレン(以下「HDPE」と略す)ブロー成形により2種2層{AD(50μm)/HDPE(2450μm)}の内容積350mlの容器を得た。この容器の内面に無機質被膜フィルムC(二元蒸着ポリエステルフィルム(東洋紡製エコシアール 18μm))を容器と同じ大きさに切断、容器内面と同じ形にし容器内部に融着させた。なお、フィルム同士の接合は接合部分はバイロンGM900(東洋紡製ポリエステル)を用いてヒートシールし、容器の形状に合わせた。
この容器のガソリンバリアー性試験を実施したところモデルガソリン1、2,3で0.0001g未満、落下試験6mで破損ぜず、5m落下試験後のガソリンバリアー性試験でモデルカソリン1、2,3で0.0001g未満と非常に良好な結果を示した。
結果を表1に示した。
【0064】
(実施例2)
ポリプロピレン樹脂層(三井石油化学 ノ−ブレンPY220)を用いてブロー成形により得た容器の内面に上記の無機質被膜フィルムAを実施例1と同じ方法で設けた。なお、フィルム同士の接合は接合部分にはアドマー GT−3(三井石油化学製)を用いてヒートシールし、容器の形状に合わせた。
ガソリンバリアー性試験を実施したところモデルカソリン1、2,3で0.0001g未満、落下試験6mで破損ぜず、5m落下試験後のガソリンバリアー性試験でモデルカソリン1、2,3で0.0001g未満と非常に良好な結果を示した。結果を表−1に示した。
【0065】
(実施例3)
最内層に接着性樹脂として変性ポリエチレン(以下「AD」と略す)(三井石油化学製 アドマー GT−3)、高密度ポリエチレン(以下「HDPE」と略す)ブロー成形により2種2層{AD(50μ)/HDPE(2450μ)}の容器を得た。この容器の内面に無機質被膜フィルムBを容器と同じ大きさに切断、容器内面と同じ形にし設けた後に融着させた。なお、フィルム同士の接合は接合部分はバイロンGM900(東洋紡製ポリエステル)を用いてヒートシールし、容器の形状に合わせた。
この容器のガソリンバリアー性試験を実施したところモデルガソリン1、2,3で0.0001g未満、落下試験6mで破損ぜず、5m落下試験後のガソリンバリアー性試験でモデルカソリン1、2,3で0.0001g未満と非常に良好な結果を示した。
結果を表1に示した。
【0066】
(実施例4)
最外層に高密度ポリエチレン(以下「HDPE」と略す)(三井石油化学製ハイゼックス HZ8200B)、接着性樹脂として変性ポリエチレン(以下「AD」と略す)(三井石油化学製 アドマー GT−3)、バリアー樹脂としてEVOH(a){エチレン量32モル%、鹸化度99.6%、メルトインデックス1.6g/10分、(190℃、2160g荷重)}を用いてブロー成形により3種5層{HDPE(1169μ)/AD(50μ)/EVOH(a)(63μ)/AD(50μ)/HDPE(1169μ)}の容器を得た。この容器の内面に上記の無機質被膜フィルムBを実施例1と同じ方法で設けた。なお、フィルム同士の接合は接合部分にはアドマー GT−3(三井石油化学製)を用いてヒートシールし、容器の形状に合わせた。
ガソリンバリアー性試験を実施したところモデルカソリン1、2,3で0.0001g未満、落下試験6mで破損ぜず、5m落下試験後のガソリンバリアー性試験でモデルカソリン1、2,3で0.0001g未満と非常に良好な結果を示した。結果を表−1に示した。
【0067】
以下、表1に示す組成により同様にして、表2に実施例2〜7、比較例1〜3の組成物について評価を実施した。結果を表1、表2に示す。
【0068】
【表1】
Figure 2004155450
【0069】
(1 HDPE 三井石油化学製ポリエチレン樹脂 ハイゼックス HZ8200B
AD 変性ポリエチレン (三井石油化学製 アドマー GT−3)
(2 PP 三井石油化学ポリプロピレン樹脂層 ノ−ブレンPY220
(3 HDPE 三井石油化学製ハイゼックス HZ8200B
AD 変性ポリエチレン(三井石油化学製 アドマー GT−3)
EVOH エチレン量32モル%、鹸化度99.6%
(4 バイロンGM900 東洋紡製ポリエステル
PET:ポリエチレンテレフタレートRT553P日本ユニペット製
【0070】
【表2】
Figure 2004155450
【0071】
(1 HDPE 三井石油化学製ハイゼックス HZ8200B
(2 PP 三井石油化学ポリプロピレン樹脂層 ノ−ブレンPY220
(3 HDPE(三井石油化学製ハイゼックス HZ8200B)
AD 変性ポリエチレン (三井石油化学製 アドマー GT−3)
EVOH エチレン量32モル%、鹸化度99.6%
【0072】
【発明の効果】
本発明の無機質被膜が形成は炭化水素と酸素含有有機化合物との混合物、メタノールやMTBE含有ガソリンやメタノールに対する透過防止性能(バリアー性)に優れ、耐衝撃性、更に耐衝撃後のガソリンバリアーに優れており各種シート、フィルム、管、パイプなど成形材料として用いることができ、とくに、前記のガソリンを燃料とする自動車用の燃料タンク、燃料移送パイプ、燃料電池等の素材として高い要求品質にこたえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いたDLC皮膜を付着させるためのプラズマCVD装置。
【符号の説明】
1.下部電極
2.対向電極
3.ヒーター
4.コンデンサ
5.高周波電源
6.コントローラ
7.原料ガス
8.真空
9.水

Claims (3)

  1. 剛性基材からなる外部筐体の内部に無機質被膜したフィルム及び/又はシートが設けられていることを特徴とした容器。
  2. フィルム及び/又はシートが有機ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 無機質被膜が、ダイヤモンドライクカーボン被膜、変性カーボン被膜、酸化チタン被膜、酸化珪素被膜、セラミック被膜、炭素化珪素被膜又は窒化珪素被膜である請求項1又は2に記載の燃料容器。
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