JP2004155443A - 半導体集積回路用トレー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】底面に多数の端子8、8を備えるボールグリッドアレイ型の半導体集積回路7を収納するためのトレー1において、上端部が略半球状に形成された多数の突起6、6をトレー上面に備え、前記半導体集積回路をその底面が下向きとなるようにトレー上面に載せると、前記各突起6、6まわりに前記半導体集積回路の端子8、8が入り込み、突起の上端部が半導体集積回路本体9の底面に接触して半導体集積回路を支持し、かつ、半導体集積回路が動揺して水平方向に移動すると突起の側面に端子の側面が当接して半導体集積回路の水平方向の動きが規制されるように構成した。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールグリッドアレイ端子を有する集積回路を収納するためのトレーに関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
一般的にICと呼ばれる半導体集積回路には、プリント基板等の外部の配線回路と接続するための略球状(ボール状)に形成された端子を底面に多数備えるBGA(Ball Grid Array)タイプのものがあり、各端子の直径は0.6〜1.0mm程度のものであって、0.5〜1.27mm程度のピッチで数百個配設されている。
【0003】
上述したBGAタイプの集積回路は、各端子が半田よりなり、集積回路を配線回路に搭載(実装)する際には、集積回路を配線回路上に載せた状態で加熱装置に入れて半田を融かし、その後温度を下げて半田を固化することによって集積回路の端子と外部の配線回路とを溶着させて接続する構成となっている。
【0004】
ところで、集積回路はその端子が外部からの衝撃等の外力によって脱落すると商品価値がなくなり、特にBGAタイプのものでは端子が配線回路への溶着手段を兼ねているので、端子に傷が付いたり不純物が付着したりしただけでも配線回路への接続不良(実装不良)の原因となる場合がある。
【0005】
したがって、BGAタイプの集積回路用の保管や運搬に使用されるトレーでは、端子がトレーに接触しない状態で集積回路を収納できるものを要求されることが多い。
【0006】
このような要求に対し、従来のトレーでは図13に示されるようにトレー31の壁32に段差32aを形成し、この段差によって集積回路本体36の端子側の面における端子よりも外側の部分を支持し、端子を底33の上方に浮かせた状態で収納して壁32や底33が集積回路34の端子35、35に接触しないようにしている。
【0007】
すなわち、BGAタイプの半導体集積回路を収納するトレーにおいては、半導体集積回路の実装不良を解消するには半導体集積回路の端子をトレーの構成部分に接触させないように収納しなければならないというのが従来の技術的常識である。
【0008】
しかし、集積回路の高密度化が進むにつれて集積回路全体の寸法は小型化する反面、端子の数は増大し、最も外側に位置する端子と集積回路本体36の外周辺部との間すなわちトレーの段差32aによる被支持部分のスペースが殆どないというケースが多くなっており、端子の下端部にある程度の傷が付くことを承知で、端子の下端を、前記壁で囲まれる平坦面で直接支持するタイプのトレーも実用に供されている。
【0009】
また、従来のトレーは壁32によって区画された複数のポケット37を有し、1つのポケットに1つの集積回路を収容して壁32によって半導体集積回路の水平方向の動きを規制する構成となっており、各ポケットの形状すなわち壁や段差の高さおよび縦横寸法などは、縦横寸法や端子の配設間隔が異なる個別の集積回路に合わせて専用のものに設計しなければならず、複数種類の集積回路に共用できるトレーはない。
【0010】
【目的】
本発明の目的とするところは、ボールグリッドアレイ端子を有する集積回路の実装不良の原因となる端子の損傷や塵埃の付着を防止でき、しかも寸法の異なる複数種類の集積回路を収容することができるトレーを提供することにある。
【0011】
【発明の構成】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るトレーは、底面に多数の端子を備えるボールグリッドアレイ型の半導体集積回路を収納するためのトレーにおいて、上端部が略半球状に形成された多数の突起をトレー上面に備え、前記半導体集積回路をその底面が下向きとなるようにトレー上面に載せると、前記各突起まわりに前記半導体集積回路の端子が入り込み、突起の上端部が半導体集積回路本体の底面に接触して半導体集積回路を支持し、かつ、半導体集積回路が動揺して水平方向に移動すると突起の側面に端子の側面が当接して半導体集積回路の水平方向の動きが規制されるように構成したものとしてある。
【0012】
本発明の請求項2に係るトレーは、上面に半導体集積回路を個別に収容するためのエリアを有し、かつこれらのエリアを囲むガイドリブを備え、各ガイドリブは少なくともエリアの中央に臨む内側面が内側に向って下傾するテーパー状に形成され、上記エリア内に前記突起を設けた構成のものとしてある。
【0013】
本発明の請求項3に係るトレーは、前記突起の配設間隔PPとトレーに収容されるトレーの端子の配設間隔PTとの関係が、PP=nPT(nは2以上の整数)である構成のものとしてある。
【0014】
【実施例】
以下、本発明に係るトレーの実施例を添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
トレー1は平面形状が略矩形を呈する合成樹脂材製のものとしてあり、この合成樹脂材は表面電気抵抗値を大ならしめるための例えばカーボンブラック等の導電性粉末を含有せしめたものとしてある。
【0015】
トレー1の上面における外周辺部には、平面形状がトレーの外形に倣う略矩形の立ち上がり枠辺2が形成されており、かつトレーの下面における外周辺部には立ち下がり枠辺3とその内側に沿う周溝4が形成されていて、複数のトレーを上下に積み重ねた際に、立ち上がり枠辺2の上端部が周溝4に嵌入するとともに立ち上がり枠辺の外周面が立ち下がり枠辺3の内周面に嵌入するようになっていて、両枠辺間の嵌合には若干の遊びを持たせてあり、上記立ち上がり枠辺2の高さと周溝4の深さの関係により、複数のトレーを上下に積み重ねた際の下側トレー上面と上側トレーの下面との間の距離が設定される。
【0016】
しかして、トレー1のベース5は下面が平坦に形成されているが、上面に多数の突起6、6が形成されていて、これら多数の突起6、6にて集積回路を支持するようになっている。
【0017】
上記突起6、6はベース5と一体に形成され、それぞれ略円錐状で頂部が半球状に形成されていて、各突起は上半部が集積回路7の端子8、8間に入り込んで突起の上端で集積回路本体9の底面を支持できる配設間隔および寸法のものとしてある。
【0018】
具体的には、突起6、6がベース5上の前後左右方向に等間隔で配設され、その配設間隔PPと、収容される集積回路7のボール端子8、8の配設間隔PTとの関係が、
PP=nPT (nは2以上の整数)
となるように構成してあり、本実施例では突起の配設間隔PPが端子の配設間隔PTの2倍となるように構成してある。
【0019】
なお、突起は等間隔に設けない場合もあり、例えば一部の突起を省いたり、あるいは一部の突起を端子の配設間隔の整数倍分前後または左右方向にずらして設けたりする場合もある。
【0020】
また突起6、6の寸法は、半導体集積回路をトレー上に載せた際に、正方形状に近接する4つ端子間に突起が入り込み、図5のように突起6、6の上端が半導体集積回路本体9の底面に接触して支持できるようにしてあり、かつ、トレー上において半導体集積回路が水平方向に移動した場合、上記近接する4つの端子間から突起が抜け出さない径としてある。
【0021】
具体的には、図5に示されるように、突起の高さHPが端子の高さHTよりも充分に大であり、かつ図4に示されるように端子の中心Oを通る水平面Aにおいて、突起の直径DPが正方形状に近接する4つの端子の対角方向における隙間αよりも小であって、これらの条件により半導体集積回路の底面を突起上端で支持することができるようになっている。
【0022】
また上記水平面Aにおいて、突起の直径DPが正方形状に近接する4つの端子の前後、左右の端子間の隙間βよりも大であって、半導体集積回路が水平方向に移動した場合、その移動が突起の側面と端子の外周面との接触によって規制されるようになっている。
【0023】
上述のように構成されたトレー1上面に半導体集積回路7を収容して他のトレーを積み重ねた状態において、本実施例のトレーは半導体集積回路の上面と上側のトレー下面との間には、図3に示されるように隙間γが形成されるように前記立ち上がり枠辺2の高さと周溝4の深さを設定してある。
【0024】
上記隙間γは、上下のトレー間に半導体集積回路を収納して多数のトレーを積み重ねた状態において、上方からの荷重が半導体集積回路に掛からないようにするための遊びである。
【0025】
また、上記隙間γは少なくともトレーに収容される端子の高さHTよりも小なるものとしてあって、トレー間に収容された半導体集積回路の端子がトレーの突起を乗り越えて移動するのを防止している。
【0026】
上述のように構成したトレーにおいては、トレーの上面に半導体集積回路7をその端子8、8側の面が下向きとなるようにして載せると、端子8、8の表面が突起の上端部の曲面に案内されて端子が突起の側部に入り込み、半導体集積回路本体9の底面が突起6、6の上端に支持される。
【0027】
なお、半導体集積回路をトレー上面に載せる際に、端子の下端部が突起の上端面に接触する可能性はあるが、突起の上端部は略半球状の曲面に形成されており、しかも突起上端部との接触は瞬間的なものであって長時間あるいは繰り返し摺接することはあり得ないので、端子の下端部に実装不良の原因となるような傷が付くようなおそれはない。
【0028】
その後、上記トレーの立ち上がり枠辺2まわりに別のトレーの立ち下り枠辺3を嵌合せしめて積み重ねると、上側のトレーの下面が半導体集積回路7の上面に非接触で臨み、半導体集積回路は上下のトレー間に収納される。
【0029】
しかして半導体集積回路をトレー間に収納した状態において、外部からの振動や衝撃で半導体集積回路が水平方向に動揺した場合、突起の側面に端子の側面が当接するので、半導体集積回路の水平方向の移動が規制され、また半導体集積回路が上下方向に動揺した場合、上側トレーの下面が半導体集積回路の上面に非接触で臨んでおり、しかも上側トレーの下面と半導体集積回路の上面との間の隙間γが端子の高さHTよりも小であるので、端子が突起の上方を乗り越えて移動するのが防止される。
【0030】
上述のようにトレー間に収納された半導体集積回路の端子は、その側面が突起の側面に当接するが、半導体集積回路をプリント基板等の配線回路に実装する際の接続部分となる端子の下端部は突起およびその他のトレーの構成部分に接触しない。
【0031】
したがって、端子の下端部に傷が付いたり、塵埃等の不純物が付着したりするおそれはまずなく、半導体集積回路の実装不良を防止することができる。
【0032】
また、本実施例のトレーにおいては、半導体集積回路を個別に収容するための壁等の仕切がないので、半導体集積回路をトレー上の任意の位置に収容することができ、さらに端子の配設間隔が同じものであれば集積回路本体の縦横寸法の異なる他の仕様の半導体集積回路を収容することもできる。
【0033】
次ぎに、本発明に係るトレーの第2実施例を図6〜12に基づいて以下に説明する。
上述した第1実施例のトレーにおいては、トレーの上面、下面ともに半導体集積回路を個々に収容するための仕切がなく、半導体集積回路の収容位置を任意に設定することができる構成としてあるが、第2実施例のものはトレーの上面および下面に半導体集積回路を収容する際のガイドを備え所定のエリア内に個々の半導体集積回路を収容できるようにしたものとしてある。
【0034】
しかして、トレー10は上面に個々の半導体集積回路を収容するためのエリア11を有し、これらのエリアの各4隅は略L字状の上向きガイドリブ12によって囲まれており、各上向きガイドリブは少なくともエリアの中央に臨む内側面12aが内側に向って下傾するテーパー状に形成されている。
【0035】
上記エリア11内におけるトレー上面には、第1実施例のものと同様に多数の突起6、6が形成されていて、これら突起の配設間隔や寸法も第1実施例ものと同じである。
【0036】
なお、本第2実施例のものではエリア中央部分のいくつかの突起が省略され、配設間隔も等間隔ではない点が第1実施例のものと異なるが、突起の配設間隔は端子の配設間隔のn倍(nは2以上の整数)であれば事が足り、したがって一部分における突起の配設間隔が例えば2倍で、他の部分における突起の配設間隔が例えば3倍あるいは4倍というように異なる配設間隔にすることができる。
【0037】
また、トレー10下面には上面の収容エリア11に対応する位置に同じく収容エリア13を有し、これらのエリアの各4辺に下向きガイドリブ14を備えていて、各下向きガイドリブは少なくともエリアの中央に臨む内側面14aが内側に向って下傾するテーパー状に形成されている。
【0038】
なお、第2実施例のものも第1実施例のものと同様に上面に立ち上がり枠辺2と下面に立ち下り枠辺3および周溝4を備え、トレーどうしを上下に積み重ねた際に下側トレーの立ち上がり枠辺2まわりに上側トレーの立ち下り枠辺3が嵌合するようになっている。
【0039】
しかして、上述したトレー10上面の上向きガイドリブ12はトレー上面に半導体集積回路を載せる際に、半導体集積回路の位置が所定の位置からずれていてもガイドリブの内側面12aによって適正位置に案内するためのガイドであり、またトレー下面の下向きガイドリブ14は、上下のトレー間に半導体集積回路を収容して上下を反転させた場合に、ガイドリブの内側面14aによって適正位置に案内するためのガイドである。
【0040】
すなわち、これらのガイドリブ12、14は半導体集積回路の水平方向の動きを規制するためのものではなく、半導体集積回路を適正位置に導入するためのものとしてあり、半導体集積回路の水平方向の動きは第1実施例のものと同様に突起の側面に端子の側面が当接することによって規制される。
【0041】
したがって、ガイドリブにて囲まれるスペースよりも小なる寸法で、かつ端子の配設間隔が同じものであれば集積回路本体の縦横寸法の異なる他の仕様の半導体集積回路を収容することもできる。
【0042】
なお、本第2実施例のものにおいては、複数のトレーを上下に積み重ねた際に、図12に示されるようにトレー上面の上向きガイドリブ12の間に上側トレー下面の下向きガイドリブ14が入り込む構成としてあるが、上下のトレー間は下側トレー上面の立ち上がり枠辺2と上側トレー下面の立ち下り枠辺3との係合により位置合わせが行なわれるようになっているので、前記上向きガイドリブと下向きガイドリブは上下のトレーの位置合わせには関係がなく、これらのガイドリブは互いの端面が接触あるいは隙間をあけて対峙する形状、寸法とする場合もあり、このような場合には両ガイドリブを各エリアの4隅または4辺を囲む形状のものにしたり、あるいは一方または両方のガイドリブを略正方形状のものにしたりすることもできる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、トレー上面に設けた多数の突起によって半導体集積回路の端子を有する底面を直接支持し、かつ突起の側面に端子の側面を当接させることによって半導体集積回路の水平方向の動きを規制するという全く新規な技術的発想により、半導体集積回路の実装不良の原因となる端子下端部の損傷や不純物の付着が防止され、半導体集積回路の信頼性を低下させることなく収納できるトレーを提供することができる。
【0044】
また、本発明のトレーは突起側面と端子側面との接触によって半導体集積回路の水平方向の動きを規制するので、従来のトレーにおいて半導体集積回路の水平方向の動きを規制するための壁に相当する構成が不要であり、したがって端子の配設間隔が同じものであれば集積回路本体の縦横寸法の異なる他の仕様の半導体集積回路を収容することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトレーの第1実施例を示す平面図。
【図2】本発明に係るトレーの第1実施例を示す底面図。
【図3】本発明の第1実施例のトレーを積み重ねた状態の拡大縦断面図。
【図4】端子の中心を通る水平面における突起と端子との位置関係を示す横断面図。
【図5】図4のV−V線上における突起と端子との位置関係を示す横断面図。
【図6】本発明に係るトレーの第2実施例を示す平面図。
【図7】本発明に係るトレーの第2実施例を示す底面図。
【図8】本発明に係るトレーの第2実施例の一部を拡大して示す平面図。
【図9】本発明に係るトレーの第2実施例の一部を拡大して示す底面図。
【図10】本発明に係る第2実施例のトレーのX−X線拡大縦断面図。
【図11】本発明に係る第2実施例のトレーのXI−XI線拡大縦断面図。
【図12】本発明の第2実施例のトレーを積み重ねた状態の拡大縦断面図。
【図13】従来のトレーを積み重ねた状態を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 トレー
2 立ち上がり枠辺
3 立ち下がり枠辺
4 周溝
5 ベース
6 突起
7 半導体集積回路
8 端子
9 集積回路本体
10 トレー
11 収容エリア
12 上向きガイドリブ
13 収容エリア
14 下向きガイドリブ
Claims (3)
- 底面に多数の端子を備えるボールグリッドアレイ型の半導体集積回路を収納するためのトレーにおいて、上端部が略半球状に形成された多数の突起をトレー上面に備え、前記半導体集積回路をその底面が下向きとなるようにトレー上面に載せると、前記各突起まわりに前記半導体集積回路の端子が入り込み、突起の上端部が半導体集積回路本体の底面に接触して半導体集積回路を支持し、かつ、半導体集積回路が動揺して水平方向に移動すると突起の側面に端子の側面が当接して半導体集積回路の水平方向の動きが規制されるように構成してなる半導体集積回路用トレー。
- 上面に半導体集積回路を個別に収容するためのエリアを有し、かつこれらのエリアを囲むガイドリブを備え、各ガイドリブは少なくともエリアの中央に臨む内側面が内側に向って下傾するテーパー状に形成され、上記エリア内に、前記突起を設けてなる請求項1に記載の半導体集積回路用トレー。
- 前記突起の配設間隔PPとトレーに収容されるトレーの端子の配設間隔PTとの関係が、
PP=nPT (nは2以上の整数)
である請求項1、2に記載の半導体集積回路用トレー。
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2002
- 2002-11-05 JP JP2002321352A patent/JP2004155443A/ja active Pending
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