JP2004155074A - 射出成形機の動作スイッチ表示方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タッチパネル3を付設したディスプレイ2に動作スイッチBxa,Bxb…,By…を表示するに際し、タッチにより直ちにスイッチ操作が有効となる第一動作スイッチBxa,Bxb…と、タッチした後、さらにエンタキーKeをタッチしてスイッチ操作が有効となる第二動作スイッチBy…を、スイッチ操作が必要となるファンクションキーKx,Ky…のタッチによりウィンドウ表示するとともに、第一動作スイッチBxa,Bxb…と第二動作スイッチBy…をそれぞれ識別可能に表示する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネルを付設したディスプレイに動作スイッチを表示する際に用いて好適な射出成形機の動作スイッチ表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タッチパネルを付設したディスプレイを備える射出成形機としては、特開平9−244811号公報等で開示される射出成形機が知られており、通常、この種の射出成形機では、タッチパネルを付設したディスプレイの画面上に、機械的スイッチに似せた動作スイッチを表示し、この動作スイッチをタッチすることにより、機械的スイッチと同様の操作、即ち、成形機動作の開始や停止等の操作(オン又はオフ)を行えるようにしていた。
【0003】
また、射出成形機には、圧力,速度,位置及び温度等に対する各種制御項目が数多く存在するため、動作スイッチも種々の設定画面や監視画面において様々な態様で表示され、タッチにより直ちに動作を開始する動作スイッチと、タッチした後、さらにエンタキーをタッチしなければ動作を開始しない動作スイッチが混在している。
【特許文献1】
特開平9−244811号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した射出成形機における従来の動作スイッチ表示方法は、次のような解決すべき課題が存在した。
【0005】
第一に、動作スイッチは様々な態様で表示されるため、タッチにより直ちに動作を開始する動作スイッチであるにも拘わらず、オペレータがエンタキーの必要な動作スイッチと勘違いしてタッチした場合、成形機は直ちに動作が開始することになり、不測の事故を招く虞れもあるなど、安全性において改善すべき余地が残されている。
【0006】
第二に、異なる種々の画面の中で動作スイッチも統一性の無い様々な態様で表示されるため、誤って他のスイッチ(キー)を操作してしまう虞れがあるなど、操作性や利便性に難がある。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、特に、安全性を高めるとともに、加えて、操作性及び利便性を高めることができる射出成形機の動作スイッチ表示方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明に係る射出成形機の動作スイッチ表示方法は、タッチパネル3を付設したディスプレイ2に動作スイッチBxa,Bxb…,By…を表示するに際し、タッチにより直ちにスイッチ操作が有効となる第一動作スイッチBxa,Bxb…と、タッチした後、さらにエンタキーKeをタッチしてスイッチ操作が有効となる第二動作スイッチBy…を、スイッチ操作が必要となるファンクションキーKx,Ky…のタッチによりウィンドウ表示するとともに、第一動作スイッチBxa,Bxb…と第二動作スイッチBy…をそれぞれ識別可能に表示するようにしたことを特徴とする。
【0009】
この場合、好適な実施の態様により、少なくとも第一動作スイッチBxa,Bxb…は、第二動作スイッチBy…に対して色により識別可能に表示、具体的には、第一動作スイッチBxa,Bxb…の周りを色付きの枠表示部11a,11b…により囲むことができる。一方、第二動作スイッチBy…も、第一動作スイッチBxa,Bxb…とは異なる色により識別可能に表示、具体的には、第二動作スイッチBy…の周りを色付きの枠表示部12…により囲むことができる。また、エンタキーKeは、第二動作スイッチBy…をタッチした後、ディスプレイ2における予め設定した定位置Xsに表示することができる。
【0010】
【実施例】
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
まず、本実施例に係る動作スイッチ表示方法の実施に用いる表示装置1の構成及びこの表示装置1を備える射出成形機Mの概略構成について、図2及び図3を参照して説明する。
【0012】
図2中、仮想線で示すMは射出成形機であり、機台Mbと、この機台Mb上に設置された射出装置Mi及び型締装置Mcを備える。射出装置Miは、加熱筒10を備え、この加熱筒10の前端に図に現れない射出ノズルを有するとともに、加熱筒10の後部には材料を供給するホッパ11を備える。一方、型締装置Mcには可動型と固定型からなる金型12を備える。また、機台Mb上には、起設した側面パネル13を利用して表示装置1を配設する。この場合、表示装置1は、タッチパネル3を付設したディスプレイ2を有するディスプレイユニット21と、このディスプレイユニット21に接続する表示制御ユニット22(図3)を含むため、ディスプレイユニット21は側面パネル13に配設するとともに、表示制御ユニット22は機台Mbに内蔵させる。
【0013】
図3は、表示装置1の機能ブロック図を示す。表示制御ユニット22は、図示しないCPU,ROM,RAM等を含むコンピュータにより構成され、HMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)プログラムにより機能する。このHMIプログラムは、射出成形機Mの動作条件の設定や表示及び射出成形機Mの動作監視データの表示等を行うソフトウェアである。この表示制御ユニット22には、画像表示データ処理部(制御部)23、各種センサの検出データ,入出力情報及びアナログ情報等を書き込むプロセスデータメモリ24、各種画像データを記憶する画像データメモリ25、動作条件等の各種設定データを記憶する設定データメモリ26、タッチパネル3に接続した入力処理部27、ディスプレイ2に接続した画像メモリ28等が含まれる。この場合、ディスプレイ2としてはカラー表示可能なカラー液晶ディスプレイを用いることができる。
【0014】
次に、表示装置1を用いた本実施例に係る動作スイッチ表示方法について、図1〜図3及び図5を参照しつつ図4に示すフローチャートに従って説明する。
【0015】
まず、動作スイッチを表示する設定画面の概要について、図1を参照して説明する。図1は、ディスプレイ2に表示された型開閉に係る設定画面Vaを示す。この設定画面Vaにより、型開閉工程における各種動作条件を設定することができる。この設定画面Vaの上段と下段には、各種画面Va…を切換える画面項目毎に設けた複数の画面切換キーK1,K2,K3…を表示する。この画面切換キーK1…は、使用頻度の高さを考慮してランク分けされ、上段に、型開閉画面切換キーK1,エジェクタ画面切換キーK2,射出・計量画面切換キーK3,温度画面切換キーK4,モニタ画面切換キーK5,主要条件画面切換キーK6,条件切換画面切換キーK7を有する成形機の動作条件の設定に係わる第一のグループGaを横一列に配するとともに、下段に、これ以外となる段取り画面切換キーK8,工程監視画面切換キーK9,生産情報画面切換キーK10,波形画面切換キーK11,統計画面切換キーK12,トレンド画面切換キーK13を有する第二のグループGbを横一列に配する。
【0016】
各画面切換キーK1…は、設定画面Vaを他の画面に切換えた場合でも同様に表示される。例えば、図5は、射出・計量画面切換キーK3を選択した場合の射出・計量に係る設定画面Vbを示すとともに、図2は、工程監視画面切換キーK9を選択した場合の工程監視画面Vcの概要を示すが、各画面切換キーK1…は、図1に示した設定画面Vaと同じ位置に同じ形状で表示される。なお、図1に表示される第二のグループGbは、第一階層が表示された状態であるが、画面右端の階層画面切換キーKcをタッチすることにより、第二階層における履歴画面切換キー,プログラム画面切換キー,信号レコーダ画面切換キー,診断画面切換キー等が、画面切換キーK8〜K13と入れ替わる形で同様に表示される。また、表示装置1は、画面切換キーK1…の配列をユーザサイドで任意に変更できる配列変更機能及び変更後の配列を記憶する配列記憶機能を備えている。これにより、ユーザ自身が使い勝手を考慮して画面切換キーK1…の配列(順番)を任意に変更することができる。このようなレイアウト表示により、各画面切換キーK1…に表示される名称表示を変更する場合でも、ソフトウェアにより容易に対処でき、変更に伴う工数の削減及びコストダウンを図れるとともに、各画面切換キーK1…に対する視認性及び操作性を高めることができる。
【0017】
そして、上述した設定画面Va,Vb…に、各設定画面Va,Vb…に対応した動作スイッチが、本実施例に係る動作スイッチ表示方法に従って表示される。今、図1に示す型開閉に係る設定画面Vaにおけるスイッチ操作が必要となる型厚装置キー(ファンクションキー)Kxをタッチした場合を想定する(ステップS1)。この場合、型厚装置キーKxのタッチにより、設定画面Vaの略中央には、第一動作スイッチBxa,Bxbを有する第一スイッチボードWxがウィンドウ表示される(ステップS2,S3)。したがって、第一スイッチボードWxは、型厚装置キーKxがタッチされるまでは表示されない。
【0018】
第一スイッチボードWxは、上端にタイトルバー31を有するとともに、この下側にメッセージ表示欄32を有する。そして、メッセージ表示欄32の下側に、第一動作スイッチBxa,Bxb及びEXITキー(閉キー)Kxrが横方向に配列表示される。この第一動作スイッチBxa,Bxbは、タッチにより直ちにスイッチ操作が有効となる動作スイッチであり、後述する第二動作スイッチByに対して識別可能に表示される。即ち、各第一動作スイッチBxa,Bxbの周りは色付きの枠表示部11a,11bにより囲まれる。この場合の色は、特に、注意を喚起する赤色を用いることが望ましい。
【0019】
このような赤色の枠表示部11a,11bによって、オペレータは、表示された動作スイッチが、タッチにより直ちに動作を開始する第一動作スイッチBxa,Bxbであることを確実に認識できる。特に、第一動作スイッチBxa,Bxbは、色付きの枠表示部11a,11bにより囲まれる表示手法のため、第一動作スイッチBxa,Bxb自身は変更を要しない。したがって、第一動作スイッチBxa,Bxbに表示される図形(矢印)や文字等の視認性が低下する弊害を回避できる。これは、後述する第二動作スイッチByの場合も同様である。
【0020】
よって、オペレータは、左方向の矢印Faが表示された一方の第一動作スイッチBxaをタッチすれば、タッチにより直ちに型厚装置が動作を開始するとともに、タッチしている間だけ型厚装置を動かすことができる(ステップS4,S5)。同様に、右方向の矢印Fbが表示された他方の第一動作スイッチBxbをタッチすれば、タッチにより直ちに型厚装置が動作を開始するとともに、タッチしている間だけ型厚装置を動かすことができる(ステップS4,S5)。なお、EXITキーKxrをタッチすることにより、第一スイッチボードWxを閉じることができる。
【0021】
次に、図5に示す射出・計量に係る設定画面Vbにおけるスイッチ操作が必要となる自動パージキー(ファンクションキー)Kyをタッチした場合を想定する(ステップS1)。この場合、自動パージキーKyのタッチにより、設定画面Vbの略中央には、第二動作スイッチByを有する第二スイッチボードWyがウィンドウ表示される(ステップS2,S6)。したがって、第二スイッチボードWyは、自動パージキーKyがタッチされるまでは表示されない。
【0022】
第二スイッチボードWyは、上端にタイトルバー33を有し、かつこの左下側に、自動パージ工程に係るデータ監視欄34を有するとともに、この右側に、第二動作スイッチBy及びEXITキーKyrが縦方向に表示される。この第二動作スイッチByは、タッチした後、さらにエンタキーをタッチしてスイッチ操作が有効となる動作スイッチである。また、第二動作スイッチByの周りも色付きの枠表示部12により囲まれる。この場合の色は、黄色を用いることが望ましい。このような黄色の枠表示部12によって、オペレータは、表示された動作スイッチが、タッチした後、さらにエンタキーをタッチして動作を開始する第二動作スイッチByであることを確実に認識できる。
【0023】
よって、オペレータが、「OFF」表示されている第二動作スイッチByをタッチすれば(ステップS7)、この後、ディスプレイ2における予め設定した定位置XsにエンタキーKeが表示される(ステップS8)。実施例は、定位置Xsとしてディスプレイ2の右下隅(図5参照)に設定した場合を示す。このエンタキーKeは、設定画面が異なっても常に同一の定位置Xsに表示される。なお、第二動作スイッチByのタッチにより「OFF」表示は「ON」表示に変わるとともに、第二動作スイッチByは点滅状態となる。次いで、エンタキーKeをタッチすることにより、自動パージ動作が開始する(ステップS9,S10)。なお、エンタキーKeと一緒にEXITキーKerが表示されるため、EXITキーKerをタッチすることにより、エンタキーKeを閉じることができる。さらに、第二動作スイッチByを、再度タッチすることにより自動パージ動作を停止させることができるとともに、EXITキーKyrをタッチすることにより第二スイッチボードWyを閉じることができる。
【0024】
このように、本実施例に係る動作スイッチ表示方法によれば、オペレータは、注意が喚起される赤色の枠表示部11a,11b、さらには黄色の枠表示部12により、第一動作スイッチBxa,Bxbと第二動作スイッチByを容易かつ確実に識別できるため、タッチにより直ちに動作を開始する第一動作スイッチBxa,Bxbであるにも拘わらず、エンタキーKeの必要な第二動作スイッチByと勘違いしてタッチしてしまう弊害は回避され、安全性が高められる。
【0025】
また、第一動作スイッチBxa,Bxb及び第二動作スイッチByは、それぞれ第一スイッチボードWx及び第二スイッチボードWyにより画面の略中央にウィンドウ表示されるとともに、エンタキーKeは、第二動作スイッチBy…をタッチした後、ディスプレイ2における予め設定した定位置Xsに表示されるため、統一性が確保される。この結果、誤って他のスイッチ(キー)を操作してしまうなどの不具合も解消され、操作性及び利便性が高められる。
【0026】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,配置,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。例えば、第一動作スイッチBxa,Bxb…と第二動作スイッチBy…を識別する手法として色を用いたが、その他、形状や模様等により識別する場合を排除するものではない。また、色の表示手法として枠表示部11a,11b…,12…を用いたが、他の表示手法を排除するものではない。なお、ディスプレイ2として液晶ディスプレイを例示したが、CRTやプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイを適用できる。
【0027】
【発明の効果】
このように、本発明に係る射出成形機の動作スイッチ表示方法は、タッチにより直ちにスイッチ操作が有効となる第一動作スイッチと、タッチした後、さらにエンタキーをタッチしてスイッチ操作が有効となる第二動作スイッチを、スイッチ操作が必要となるファンクションキーのタッチによりウィンドウ表示するとともに、第一動作スイッチと第二動作スイッチをそれぞれ識別可能に表示するようにしたため、次のような顕著な効果を奏する。
【0028】
(1) オペレータは、第一動作スイッチと第二動作スイッチをそれぞれ容易かつ確実に認識(識別)できるため、動作スイッチの種類に対する勘違いを回避でき、安全性を高めることができる。
【0029】
(2) 動作スイッチの表示に対する統一性が確保されるため、誤って他のスイッチ(キー)を操作してしまうなどの不具合を解消でき、操作性及び利便性を高めることができる。特に、好適な実施の態様により、エンタキーを、第二動作スイッチをタッチした後、ディスプレイにおける予め設定した定位置に表示するようにすれば、更なる操作性及び利便性の向上に寄与できる。
【0030】
(3) 好適な実施の態様により、少なくとも第一動作スイッチを、第二動作スイッチに対して色により識別可能に表示するとともに、第一動作スイッチ及び第二動作スイッチの周りを色付きの枠表示部により囲むようにすれば、各動作スイッチ自身は、変更を要しないため、各動作スイッチに表示される図形(矢印)や文字等に対する視認性が低下する弊害を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る動作スイッチ表示方法により表示される第一動作スイッチの画面図、
【図2】同表示方法の実施に用いる表示装置を備える射出成形機の概要図、
【図3】同表示装置の機能ブロック図、
【図4】同動作スイッチ表示方法を説明するためのフローチャート、
【図5】同表示方法により表示される第二動作スイッチの画面図、
【符号の説明】
2 ディスプレイ
3 タッチパネル
11a 枠表示部
11b 枠表示部
12 枠表示部
Bxa 第一動作スイッチ
Bxb 第一動作スイッチ
By 第二動作スイッチ
Ke エンタキー
Kx ファンクションキー
Ky ファンクションキー
Xs 定位置
Claims (6)
- タッチパネルを付設したディスプレイに動作スイッチを表示する射出成形機の動作スイッチ表示方法において、タッチにより直ちにスイッチ操作が有効となる第一動作スイッチと、タッチした後、さらにエンタキーをタッチしてスイッチ操作が有効となる第二動作スイッチを、スイッチ操作が必要となるファンクションキーのタッチによりウィンドウ表示するとともに、前記第一動作スイッチと前記第二動作スイッチをそれぞれ識別可能に表示することを特徴とする射出成形機の動作スイッチ表示方法。
- 少なくとも前記第一動作スイッチは、前記第二動作スイッチに対して色により識別可能に表示することを特徴とする請求項1記載の射出成形機の動作スイッチ表示方法。
- 前記第一動作スイッチの周りを色付きの枠表示部により囲むことを特徴とする請求項2記載の射出成形機の動作スイッチ表示方法。
- 前記第二動作スイッチは、前記第一動作スイッチとは異なる色により識別可能に表示することを特徴とする請求項2記載の射出成形機の動作スイッチ表示方法。
- 前記第二動作スイッチの周りを色付きの枠表示部により囲むことを特徴とする請求項4記載の射出成形機の動作スイッチ表示方法。
- 前記エンタキーは、前記第二動作スイッチをタッチした後、前記ディスプレイにおける予め設定した定位置に表示することを特徴とする請求項1記載の射出成形機の動作スイッチ表示方法。
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