JP2004154721A - ロータ識別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータに多数の識別子を配置し、その配置パターンによりロータの種類を識別するロータ識別装置において、識別子センサの数を少なくすることができると共に、識別の誤動作を検出すること。
【解決手段】ロータ3に設けられた複数の識別子4と、前記識別子4を検出する第1及び第2の識別子センサ6A,6Bと、回転軸2の回転に応じてパルス信号を発生するエンコーダ7とを備え、上記第1の識別子センサ6Aが出力した信号と、後に第2の識別子センサ6Bが出力する信号とを比較し、それらが一致するとき誤動作していないと判断し、ロータの種類を識別するロータ識別装置とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心分離機に装着されるロータの種類を識別するロータ識別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遠心分離機は、遠心分離する試料を装着した各種のロータを高速で回転させるための装置であり、用途によってロータを頻繁に取り替えて目的に合ったロータを使用するという使われ方をする。
【0003】
この場合の遠心分離機の制御方法としては、ロータの種類が変わればそのロータに許容された最高回転数や加速特性、減速特性などの駆動条件に合った制御を行わなければならないことから、自動的に装着したロータを識別し得る機能を有する遠心分離機とすることが望ましく、このためにロータ識別装置が種々提案されている。
【0004】
例えば、特開平6−198219号公報に開示されたロータ識別装置では、ロータ軸と同心に多数の磁石を配置する。その際、磁石の有無のパターンによりロータの種類をコード化している。その磁石の有無を等間隔に配置された多数の磁石センサで検出している。
【0005】
また、実開平6−41852号公報には、やはり多数の磁気センサを配置したロータ識別装置を開示している。この発明においては、ロータ軸と同心に配置される多数の磁石の中の一つの磁石の極性を他の磁石の極性と異ならせ、該極性を異ならせた磁石を検知した磁気センサから時計回り(或いはその逆)に常に磁気センサの検出信号を並べ、磁石の有無のパターンによりコード化されたロータの種類を識別している。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−198219号公報
【特許文献2】
実開平6−41852号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−198219号公報、実開平6−41852号公報に開示されたロータ識別装置では、いずれも多数の磁気センサが必要であり、費用及び実装の観点において問題がある。また多数の磁気センサの中の一つが誤作動すると、ロータ識別装置が誤った信号を出力するという問題がある。本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【0008】
また、遠心分離機の停止時にモータを減速する方法として、逆転制動方式を採用することがある。逆転しているかどうかを判断できないシステムで、いったん逆転が開始すると、回転数をゼロにしようとブレーキが掛かり、さらに逆転してしまう可能性があった。このため、本発明は、逆回転の開始後、1回転以内でモータの電圧を遮断することができる、逆回転検出装置を提案することも課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、装着されるロータに回転軸を中心として同心且つ等角度間隔で設けられたn箇所(nは整数)の識別子設置位置の全部又は一部に配置された複数の識別子と、遠心分離機の本体側に設けられ、上記各識別子設置位置に識別子が存在するか否かを検出する複数の識別子センサと、上記回転軸の回転に対応する信号を発生するエンコーダと、上記識別子センサの出力信号と上記エンコーダの出力信号に基づいてロータの種類を識別する信号処理部とを備え、上記識別子の中の第1種の識別子は他の第2種の識別子の有する特性とは異なる特性を有し、上記第1種の識別子の位置を基準として残りのn−1箇所の設置位置における上記第2種の識別子の配置パターンによりロータの種類がコード化されることと、上記複数の識別子センサが上記回転軸を中心として同心且つ所定の角度間隔で上記本体に配置されていることと、上記信号処理部が、上記エンコーダの出力によりどの識別子設置位置が上記各識別子センサに近接しているかを判断することと、上記各識別子センサが、それに近接している識別子設置位置に識別子が存在するか否か及びその識別子の特性を検出することと、上記信号処理部が、上記一つの識別子センサが出力した信号と、後に他の識別子センサが上記所定の角度間隔に対応する時間遅れで出力する信号と比較し、それらが一致するとき誤動作していないと判断し、上記識別子センサの出力に基づき上記各識別子設置位置に上記第2種の識別子が存在するか否かにより形成されているコードを読み取り、そのコードによりロータの種類を識別するロータ識別装置によって解決された。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のロータ識別装置を備えた遠心分離機の一実施の形態を示した概念的垂直一部断面図である。この実施の形態では、識別子センサとして本発明においては必要最小限である第1と第2の二つの識別子センサを用いている。
【0011】
この遠心分離機のモータ1の回転軸2には、ロータ3が着脱自在に装着されている。モータ1が回転軸2を介してロータ3を回転駆動し、遠心分離機として機能する。
【0012】
上記ロータ3の底部には、上記回転軸2を中心として同心に且つ等角度間隔で、識別子4としての複数の磁石が配置されている。この識別子4としての磁石は、ロータ底面上の、回転軸2を中心とする円周をn(整数)等分したn箇所の識別子設置位置に配置されている。それらの磁石の中の一つの磁石(以下、第1種の識別子と呼ぶ)の極性は他の磁石(以下、第2種の識別子と呼ぶ)の極性とは異なる。例えば、第1種の識別子の極性だけがS極であり、第2種の識別子の極性はN極である。あるいは、その逆である。以下、その第1種の識別子の極性はS極であるとして説明する。この場合、本発明において言う「識別子の特性」とは、磁石がS極であるかN極であるかを意味する。
【0013】
磁石が配置される位置がn箇所の場合、以下の説明で、S極の磁石が配置されている識別子設置位置を位置Sと呼び、N極が配置される識別子設置位置を位置Sの隣りから回転軸の正転方向とは逆順に位置N1、N2、・・・、Nn−1と呼ぶ。
【0014】
図2は、識別子4の配置の一例を示す。この例では回転軸2を中心とする円周上の45度間隔の8箇所(n=8)の位置に、4個の磁石が配置されている。位置Sの磁石の極性はS極であり、この配置例では、位置N1、N3、N5にN極の磁石が配置され、位置N2、N4、N6、N7には磁石が配置されていない。この例では、N極の磁石の数は最小ゼロ個から最大7個である。本実施の形態においては、これらのN極の磁石の存在の有無の配置によってロータの種類が2進数でコード化される。例えば図2の配置の場合は1010100(或いは010010100)とコード化される。
【0015】
各位置S,N1、N2、・・・、N7に識別子4としての磁石が存在するか否かを検出する識別基板5が、遠心分離機の本体側、即ちモータ1が取り付けられている側に、上記回転軸2を中心として同心に、上記複数の識別子4と対向する位置に設けられている。識別基板5には、第1と第2の識別子センサ6A,6Bが設けられている。この識別子センサ6A,6Bはホール素子で実現することが好ましい。しかし他の磁気センサ、例えば、電磁誘導による磁気センサ等で実現することも可能である。
【0016】
図3は、識別基板5の上面図である。識別基板5には、第1と第2の識別子センサ6A、6Bとしての二つのホール素子が、回転軸2を中心として同心に45度の角度間隔で配置されている。以下、回転軸2の正転方向に関して上流側に第1の識別子センサ6Aが配置されているとして説明する。即ち、回転軸2が正転している場合、ロータ3上の各識別子4は第1の識別子センサ6Aに検出されてからロータ3が45度だけ回転したときに第2の識別子センサ6Bで検出されるように配置されている。
【0017】
一般に、ロータ3の識別子設置位置の角度間隔と、上記第1と第2の識別子センサ6A,6Bの角度間隔は、等しいことが好ましい。しかし等しいことは必要条件ではない。等しくなければ、信号処理が複雑になるだけである。
【0018】
また、上記モータ1の回転軸2には、エンコーダ7が取り付けられていて、回転軸2の回転に応じてパルス信号を発生する。このエンコーダ7はフォトインタラプタ型エンコーダで実現することが好ましい。しかし、エンコーダ7はこの型のものに限らず、スリット幅が異なるスリット列の複数の組を用いて回転角の相対位置でなく絶対位置を検出できるタイプのものを用いても実現できる。
【0019】
図4は、フォトインタラプタ型エンコーダ7の一例の概念図である。また図5は、このフォトインタラプタ型エンコーダ7に使用される円板8の一例の上面図である。
【0020】
フォトインタラプタ型エンコーダ7においては、円板8に半径方向に延在するスリット9を等角度間隔で配置したものを、上記モータ1の回転軸2に取り付け、その円板8の一方側に発光素子10を設け、他方の側に受光素子11を設け、上記回転軸2の回転に応じて発光素子10からの光が上記スリット9によって断続されることを上記受光素子11で検出してパルス信号を発生する。
【0021】
この例では、半径方向に延在する24本のスリット9が回転軸2を中心として等角度間隔で配置されている。この場合、エンコーダ7は、回転軸2の15度の回転毎にパルス信号を発生する。
【0022】
ロータ3にn個の識別子設置位置が設けられているとき、エンコーダ7は回転軸2が一回転する毎に発生するパルスの数mは、m=nの整数(k)倍であることが好ましい。すなわち、円板8のスリット9の角度間隔の整数倍が、ロータ3の識別子設置位置の角度間隔になるように角度間隔を設定することが好ましい。しかしこれは必要条件ではない。そうでなければ、信号処理が複雑になるだけである。この実施例では、n=8、k=3、m=24である。
【0023】
またこの例では、発光素子10としてLEDを、受光素子11としてフォトトランジスタを採用している。発光素子10と受光素子11の間に上記円板8を配置し、円板8のスリット9による光伝達の断続を検出し、回転軸2の回転に応じてパルス信号12を発生している。
【0024】
本発明の好ましい実施例では、上記パルス信号12の立ち上がりエッジにおいて、ロータ識別過程が開始する。しかし、他の時点、例えば立下りエッジで開始させることも可能である。
【0025】
識別子センサ6A,6Bとしてホール素子を採用したとき、ホール素子の近傍をN極の磁石が通過する場合と0S極の磁石が通過する場合では、互いに逆極性の信号をホール素子が出力する。
【0026】
図6の(a)はホール素子を用いる識別子センサ6A,6Bのブロックダイアグラムである。識別子センサ6A,6Bの各々はホール素子と第1と第2の比較器13A,13Bを備える。
【0027】
図6の(b)は、ホール素子の近傍をS極の磁石が通過するときとN極の磁石が通過する時の、ホール素子の出力の概念的波形である。ある正の閾値14Sを超える正の信号が現れると、第1の比較器13AがS極が存在すると判断し、図6の(c)のようにS極検出信号Sを発生し、ある負の閾値14Nを超える負の信号が現れると、第2の比較器13BがN極が存在すると判断し、図6の(d)のようにN極検出信号Nを発生する。
【0028】
図7は、図2のように識別子4がロータ3に配置され、図3のように第1と第2の識別センサ6A、6Bが識別基板5に配置され、図5のように24本のスリット9が円板8に配置されている場合に、回転軸2が一回転する時の、上記エンコーダ7と、識別子センサ6A、6Bの出力波形SとNを概念的に示す。
【0029】
エンコーダ7は回転軸2の一回転毎に24個のパルスを発生する。即ち、回転軸2の15度の回転毎に1個のパルスを発生する。
【0030】
ホール素子である第1の識別子センサ6Aは、回転軸2の一回転毎に一回だけS極の磁石が近傍に接近するので、それを検出し保存し出力する。即ち、位置Sが第1の識別子センサ6Aに近接すると、S極の磁石の存在を検出し出力する。位置Sは、ロータ識別用の2進数コードの基準の位置となる。
【0031】
同様に、ホール素子である第2の識別子センサ6Bも、回転軸2の一回転毎に一回だけS極の磁石が近傍に存在することを検出し出力する。即ち、位置Sが第2の識別子センサ6Bに近接すると、S極の磁石の存在を検出し出力する。
【0032】
第1の識別子センサ6Aは、N極の磁石が近傍に存在することも検出する。図2の例では、位置N1、N3、N5が識別子センサ6Aの近傍に近接するとN極検出信号Nを発生する。また、第2の識別子センサ6Bも、N極の磁石が近傍に存在することも検出しN極検出信号Nを発生する。図2の例では、位置N1、N3、N5が識別子センサ6A,6Bの近傍に近接すると信号Nを発生する。しかし、位置N2、N4、N6、N7が識別子センサ6A,6Bの近傍に近接しても信号Nを発生しない。
【0033】
第2の識別子センサ6Bと第1の識別子センサ6Aは45度の角度間隔で配置されているので、これらの第1と第2の識別子センサ6A、6Bが正常に動作していると、それらの出力は波形は同じであり、検出時刻に時間差があるだけである。
【0034】
エンコーダ7の出力パルスは回転軸2の15度の回転毎に発生し、第1の識別子センサ6Aと第2の識別子センサ6Bは45度の角度間隔があるので、第1と第2の識別子センサ6A、6Bが正常に動作していると、検出時刻にエンコーダ7の出力パルス3個分の位相差がある。
【0035】
ロータ3の種類の識別はマイクロコンピュータ15及びそれの制御プログラムを含む信号処理部において、次のようにして行われる。
【0036】
図1のモード選択信号が、ロータ識別過程を選択しているとする。この場合マイクロコンピュータ15はロータ識別のための信号処理部として機能する。
【0037】
例えば、ロータ3を手動で回転する場合、ロータ識別スイッチを押す場合、あるいはロータ回転開始直後にロータ識別過程が選択される。
【0038】
エンコーダ7の出力パルスがマイクロコンピュータ15のI/Oインターフェースに送られ、出力パルスの立ち上がりエッジで割り込み信号が発生する。マイクロコンピュータ15から割り込み許可信号が出力されていると、割り込み信号によりロータ識別過程が開始する。
【0039】
ロータ識別過程が開始すると、第1の識別子センサ6AがS極の磁石(第1種の識別子)の存在を検出するまで待つ。即ち、第1の識別子センサ6AがS極の存在を検出しないと、直ちにロータ識別過程は終了し、次の割り込み信号の発生を待つ。第1の識別子センサ6AがS極の存在を検出すると、ロータ識別過程が進行する。
【0040】
第1の識別子センサ6AがS極の存在を検出してからエンコーダ7の出力パルス3個毎に識別子センサ6Aの出力を保存する。この時点で、次の識別子設置位置が識別子センサに接近するからである。
【0041】
一般的には、識別子を設置可能な等角度間隔に設けられた位置の数がn、回転軸2が一回転する時のエンコーダ7の出力パルスの数がmである場合、k=m÷nとするとき、第1の識別子センサ6AがS極の存在を検出してからエンコーダ7の出力パルスk個毎に識別子センサ6Aの出力を保存する。
【0042】
図7は、図2、図3、図5の場合の、ロータ識別過程における、エンコーダ7の出力、第1の識別子センサ6AのS極検出信号SとN極検出信号Nと、第2の識別子センサ6BのS極検出信号SとN極検出信号Nと、得られる識別コードを示す。
【0043】
第1の識別子センサ6AがS極の存在を検出してからエンコーダ7の出力パルス3個毎に、第2の識別子センサ6Bの今回の出力と第1の識別子センサ6Aの前回の出力が比較される。即ち、第1の識別子センサ6Aの出力は、エンコーダ7の出力パルス3個分の時間遅れで出力される第2の識別子センサ6Bの出力と比較される。両者が一致しないときは、誤動作していると判断して、ロータ識別過程は終了する。両者が一致するときは、誤動作していないと判断して、第2種の識別子(N極磁石)の存在の有無に関する第2の識別子センサ6Bの出力を識別コードの一つのビット信号としてセットする。
【0044】
この過程を全ての識別子設置位置について行い2進数コードが得られる。ロータ3にn個の識別子設置位置が設けられ、第2種の識別子は最大(n−1)個設けることができる場合、(n−1)ビットの2進数コードが得られる。この実施例ではn=8であるので、7ビットの2進数コードが得られる。これは、図7に示すように、第1ビットが常に0である8ビットの2進数コードとも言える。
【0045】
一旦、上記2進数コードが得られると、その旨の信号を発生し、再びロータ識別過程が開始しないようにすることが好ましい。
【0046】
例えば、図2、図3、図5の例においては、位置SにはS極の磁石が、位置N1,N3,N5にはN極の磁石が配置されて、位置N2,N4,N6,N7には磁石が配置されていないので、2進数コード1010100(或いは、01010100)がセットされる。16進数では54となる。S極の位置は信号の頭出しとして機能している。
【0047】
ロータ3の特性についての2進数コードが得られると、そのコードに対応してメモリの所定位置からそのロータ3の特性等の制御パラメータを呼び出し、遠心分離機をそのパラメータに従って制御するために使うことができる。
【0048】
ロータ3を停止させるとき、図1のモード選択信号がロータ逆転検出過程を選択する。このとき図1のマイクロコンピュータ15は、ロータ逆転検出過程のための信号処理部として機能する。
【0049】
図1から図7までの実施の形態をロータ逆転検出装置として機能させる場合は、第2の識別子センサ6Bが第1種の識別子(S極の磁石)を検出してから、エンコーダ7が3パルスを出力するだけの時間遅れで第1の識別子センサ6Aが該第1種の識別子を検出するか否かを信号処理部(マイクロコンピュータ)が判断し、検出した場合には、ロータ3が逆転していると判断し、ロータ逆転信号を発生する。そして、ロータ逆転信号が発生すると、モータ1の出力電圧をゼロにする。
【0050】
以上、本発明にかかるロータ識別装置の実施の形態を説明したが、本発明は何ら既述の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
例えば、上記実施の形態の識別子は磁石であるとして説明してきたが、これに限らない。例えば、光学的識別子及び光学的センサを用いて実現することもできる。即ち、第1種の識別子を赤印、第2種の識別子が存在することを青印、第2の識別子が存在しないことを白印として実現することもできる。
また、識別子センサの数は上記した実施の形態の如く第1と第2の二つの識別子センサを用いた場合に限らず、例えば3つ用い、その3つの識別センサの識別情報を比較するものとしても良い。
【0051】
【発明の効果】
以上、説明した請求項1の本発明によると、ロータ識別装置を最小限2個の識別子センサで実現でき、また、この複数の識別子センサの出力結果が一致するか否かによって誤動作しているか否かを判断しているので、少ない識別子センサでありながら誤作動を回避できるロータ識別装置となる。
【0052】
また、請求項2の本発明によると、回転軸の回転速度に関係なく、識別子(磁石)の存在及びその極性(S極又はN極)を検出できるので、回転軸を手で回しても、あるいはモータで低速又は高速で回転させても動作させることができるロータ識別装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロータ識別装置を備える遠心分離機の概念的垂直断面図である。
【図2】ロータに配置された識別子の配置の一例を示した図である。
【図3】識別基板に配置された識別子センサの配置の一例を示した図である。
【図4】フォトインタラプタ型エンコーダの一例を示した概念図である。
【図5】フォトインタラプタ型エンコーダに使用される円板のスリットの配置の一例を示した図である。
【図6】ホール素子の出力の概念的波形などを示した図である。
【図7】回転軸が一回転する時のエンコーダ、第1,第2の識別子センサの各々の出力波形を概念的に示した図である。
【符号の説明】
1 モータ
2 回転軸
3 ロータ
4 識別子
5 識別基板
6A,6B 識別子センサ
7 エンコーダ
8 円板
9 スリット
10 発光素子
11 受光素子
12 パルス
13A 13B 比較器
14S 14N 閾値
15 マイクロコンピュータ

Claims (2)

  1. 複数種のロータを交換可能に装着できる遠心分離機のロータの種類を識別するロータ識別装置において、装着されるロータに回転軸を中心として同心且つ等角度間隔で設けられたn箇所(nは整数)の識別子設置位置の全部又は一部に配置された複数の識別子と、上記遠心分離機の本体側に設けられ、上記各識別子設置位置に識別子が存在するか否かを検出する複数の識別子センサと、上記回転軸の回転に対応する信号を発生するエンコーダと、上記識別子センサの出力信号と上記エンコーダの出力信号に基づいてロータの種類を識別する信号処理部とを備え、上記識別子の中の第1種の識別子は他の第2種の識別子の有する特性とは異なる特性を有し、上記第1種の識別子の位置を基準として残りのn−1箇所の設置位置における上記第2種の識別子の配置パターンによりロータの種類がコード化されることと、上記複数の識別子センサが上記回転軸を中心として同心且つ所定の角度間隔で上記本体に配置されていることと、上記信号処理部が、上記エンコーダの出力によりどの識別子設置位置が上記各識別子センサに近接しているかを判断することと、上記各識別子センサが、それに近接している識別子設置位置に識別子が存在するか否か及びその識別子の特性を検出することと、上記信号処理部が、上記一つの識別子センサが出力した信号と、後に他の識別子センサが上記所定の角度間隔に対応する時間遅れで出力する信号と比較し、それらが一致するとき誤動作していないと判断し、上記識別子センサの出力に基づき上記各識別子設置位置に上記第2種の識別子が存在するか否かにより形成されているコードを読み取り、そのコードによりロータの種類を識別することを特徴とするロータ識別装置。
  2. 上記複数の識別子センサが第1と第2の二つの識別子センサであり、上記複数の識別子が磁石であり、上記第1種の識別子はS極(又はN極)が上記識別子センサに対向している磁石であり、上記第2種の識別子はN極(又はS極)が上記識別子センサに対向している磁石であることと、上記識別子センサがホール素子であることと、上記エンコーダが発光部と受光部及び該発光部と該受光部の間に配置され上記回転軸と共に回転するスリット付き円板を備え該スリットにより光が断続することによりパルス信号を発生する光インタラプタ型エンコーダであることと、上記信号処理部がマイクロコンピュータ及びその制御プログラムを備えることを特徴とする、請求項1記載のロータ識別装置。
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