JP2004153923A - ワイヤーハーネス固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車のインパネ部等においてワイヤーハーネスの組み付け作業を容易にすると共に組み付け部周辺の設計自由度と組み付け品質の向上、作業者の疾病の可能性の減少等を図るワイヤーハーネス固定構造を提供する。
【解決手段】ワイヤーハーネスを固定するためのワイヤーハーネス固定構造は、ワイヤーハーネスを把持する結合部と、前記結合部が固定される構造物又は部材に設けられていて前記結合部が挿入される細長い係止穴と、前記結合部が固定される構造物又は部材に設けられていて前記係止穴に挿入された前記結合部を固定するための係止片とを具備する。前記結合部は、前記細長い係止穴の一方の第1の端部に挿入されて、その後前記係止穴の長手方向に沿って移動され、前記係止穴のもう一方の第2の端部に当接して停止し、その後前記係止片により固定されることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】ワイヤーハーネスを固定するためのワイヤーハーネス固定構造は、ワイヤーハーネスを把持する結合部と、前記結合部が固定される構造物又は部材に設けられていて前記結合部が挿入される細長い係止穴と、前記結合部が固定される構造物又は部材に設けられていて前記係止穴に挿入された前記結合部を固定するための係止片とを具備する。前記結合部は、前記細長い係止穴の一方の第1の端部に挿入されて、その後前記係止穴の長手方向に沿って移動され、前記係止穴のもう一方の第2の端部に当接して停止し、その後前記係止片により固定されることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハーネスを固定するのに適用される装置又は構造に係り、特別には自動車インパネ(インストルメントパネル)内のワイヤーハーネスを固定するための装置又は構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両において、自動化、高機能化に伴い多くの配線が使用されており、これらの配線の合理的な配置が必要になる。このため配線を束ねたワイヤーハーネスの固定においても、車両の操作上、美感上、ワイヤーハーネス取付作業上等において邪魔にならない、合理的な固定装置及び方法が要求されている。
【0003】
図13から図16に、従来のワイヤーハーネス固定構造の例の概略図を示す。図16を参照すると、車両の運転席前部のインパネ(インストルメントパネル)部のクロスカービーム(リーンフォースメント:補強部材)1にワイヤーハーネス2が固定された状態を示している。図16に示す位置は、ワイヤーハーネス2の取付作業はし易いが、運転者の視界の範囲に存在しており、運転操作、美感の点において問題を生じる可能性がある。図16において斜線で示すクロスカービーム1の陰になる場所が、運転操作、美感上好ましいが、従来の装置では取付作業は困難である。
【0004】
ここで、図13(A)を参照すると、図16に示すワイヤーハーネス2のクロスカービーム1への従来技術の固定構造が分かる。クロスカービーム1には、略円形の係止穴4が設けられている。この例ではワイヤーハーネス2は、結合部3の固定バンド33で密着して囲むように把持されている。結合部3は、固定バンド33が取り付けられる係止部32と、係止部32から突き出る係止部材31とを更に具備する。係止部材31を、係止穴4に挿入することにより、ワイヤーハーネス2はクロスカービーム1に固定される。
【0005】
図14を参照すると、結合部3のクロスカービーム1への組み付け構造の2つの例が図解的に示されている。図14(A)、(B)の例1では係止部材31の形状の断面が矢状であり、弾性のある係止部材31が係止穴4にガイドされて曲がりながら挿入されると、矢状の部分が開いて円筒形のクロスカービーム1の内面を弾性的に押しつけることにより、係止部材31の抜けを防止し、結合部3をクロスカービーム1に固定する。図14(C)、(D)の例2では、係止部材31の形状の断面がネジ状であり、やはり上記の例と類似の原理で、挿入された後にネジ状の部分がクロスカービーム1の内面を弾性的に押しつけることにより、係止部材31の抜けを防止し、結合部3をクロスカービーム1に固定する。上記の例は、挿入穴へ固定する構造として良く知られるものである。
【0006】
図15(A)、(B)には、上記の従来技術の2つの例の寸法関係の一例を示している。
例1の場合において、矢状の係止部材31の幅寸法をL、係止部材31の板厚をt1、係止部材31の胴部35の幅寸法をL1、係止部材31が挿入される係止穴4の直径をL2とすると、これらの寸法関係は、
L1+2x t1<L2<L である。
例2の場合において、ネジ状の係止部材31の幅寸法をL、係止部材31の胴部35の幅寸法をL1、係止部材31が挿入される係止穴4の直径をL2とすると、これらの寸法関係は、
L1<L2<L である。
再度図16を参照すると、上記の従来技術の例の様なワイヤーハーネス固定構造の場合の組み立て不可の範囲が斜線で示されており、この様な範囲にワイヤーハーネス2を組み付けることは、作業スペースである運転席の付近からは、作業者の手首が曲げられる範囲から外れるため非常に難しい。このような構造とした場合、特に自動車インパネ付近においては、組立可能な方向が限定され(図16)、設計自由度を阻害し、また、困難な姿勢による組立作業を行う事で作業者への疫病、固定挿入不足による品質不具合の発生も問題となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、組立作業において手の可動範囲外となる組付位置に対し容易に実現させることを可能にした、ワイヤーハーネス固定構造を提供することである。このことにより、車輌前方側部品の組付を可能にし、製品設計の自由度を向上させるとともに、従来から問題であった作業者への疫病や組立不具合による品質不良を防止する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の形態の、ワイヤーハーネスを固定するためのワイヤーハーネス固定構造は、上述した目的を達成するために、ワイヤーハーネスを把持する結合部と、前記結合部が固定される構造物又は部材に設けられていて前記結合部が挿入される細長い係止穴と、前記結合部が固定される構造物又は部材に設けられていて前記係止穴に挿入された前記結合部を固定するための係止片とを具備する。前記結合部は、前記細長い係止穴の一方の第1の端部に挿入されて、その後前記係止穴の長手方向に沿って移動され、前記係止穴のもう一方の第2の端部に当接して停止し、その後前記係止片により固定されることを特徴とする。
【0009】
この様に構成することにより、ワイヤーハーネスを組付する際、従来クロスカービームに対し垂直方向に侵入させなければ組立不可であったが、ワイヤーハーネスを回転組付することにより車輌前方側への組付を可能にし、また、作業者の手、ワイヤーハーネス固定構造等が必要とする作業範囲の縮小を図ることが出来る。
更に、ワイヤーハーネスの配置位置に対する制約を減少できることにより、ワイヤーハーネス周辺の設計自由度が向上すると共に、ワイヤーハーネスの組み付け作業に従事する作業者の作業を容易にすることにより、作業者に対する疾病の可能性を減少し、組み立て不具合を減少し品質不良を防止する。
【0010】
本発明の請求項2の形態では、上記請求項1の形態において、前記結合部は、ワイヤーハーネスを把持する把持部と、前記把持部が取り付けられる係止部と、前記係止部から突き出ていて前記係止穴に挿入される係止部材とを具備することを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する結合部の構成をより具体化する。
【0011】
本発明の請求項3の形態では、上記請求項2の形態において、前記結合部の前記係止部材は、前記係止部に接続する胴部と、前記胴部に接続していて胴部より大きな直径等の寸法を有する先端部とを具備する。また前記係止穴は、前記第1の端部の付近に第1の開口を有し、前記第1の開口の直径等の寸法は、前記係止穴のそれ以外の部分の開口寸法より大きくて且つ前記先端部より大きな直径等の寸法であり、前記係止穴の第1の開口以外の開口部分は、前記先端部より小さな幅等の寸法で、且つ前記胴部の幅又は直径等の寸法より大きい。従って前記先端部は、前記第1の開口に容易に挿入され、更に前記係止穴に沿って移動されて前記係止穴の第2の端部にある場合に、前記係止穴から抜けないことを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する結合部及び係止穴の構成をより具体化する。
【0012】
本発明の請求項4の形態では、上記請求項3の形態において、前記係止片の前記第1の開口の形状は、実質的に円形であり、前記係止部材の先端部の形状は、実質的に球、半球、円筒状、又は円錐状であることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する結合部及び係止穴をより具体化する。
【0013】
本発明の請求項5の形態では、上記請求項1から4の形態のいずれか一項において、前記係止片は、前記結合部が固定される構造物又は部材の一部を切り起こして一体構造で形成されることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する係止片をより具体化する。
【0014】
また、本発明の請求項6の形態では、上記請求項1から4の形態いずれか一項において、前記係止片は、前記結合部が固定される構造物又は部材とは別体の部材を前記構造物又は部材に取り付けて形成されることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する係止片の別の形態を具体化する。
【0015】
また、本発明の請求項7の形態では、上記請求項2から6の形態いずれか一項において、前記結合部は、前記係止部に形成された掛止部を有しており、前記係止片は、前記係止部の掛止部に当接して前記結合部を前記構造又は部材に固定することを特徴とする。
【0016】
この様に構成することにより、弾性のある係止片が掛止部に当接して押圧することにより、ワイヤーハーネス及びそれを把持する結合部の戻り防止構造となり、更に従来ワイヤーハーネスの着脱が困難であったものを容易に可能にする。
結合部の掛止部とクロスカービームの係止片との間において、弾性のある係止片のスプリングバックにより、それらの間の隙間を0にすることが可能になる。これによりワイヤーハーネスの振動による異音の発生の防止が可能な構造となる。
【0017】
また、本発明の請求項8の形態では、上記請求項1から7の形態いずれか一項において、前記係止片は細長い帯状である。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する係止片をより具体化する。
【0018】
また、本発明の請求項9の形態では、上記請求項7又は8の形態いずれかにおいて、前記掛止部は段差状に形成されることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する結合部の掛止部をより具体化する。
【0019】
また、本発明の請求項10の形態では、上記請求項1から9の形態いずれか一項において、前記結合部は樹脂製であることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する結合部の材質をより具体化する。
【0020】
また、本発明の請求項11の形態では、上記請求項1から10の形態いずれか一項において、前記結合部が固定される前記構造物又は部材は、金属製又は樹脂製であることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する係止片の材質をより具体化する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態のワイヤーハーネス固定構造を詳細に説明する。図1から図6は、本発明に係るワイヤーハーネス固定構造の第1の実施の形態を図解的に示す。ここでは図面、より特別には図1から図6を参照すると、図13から図16に開示される従来技術の実施例の要素部分と同じ又は同様である図1から図6の要素部分は、同じ参照符号により指定されている。
【0022】
まず図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態のワイヤーハーネス固定構造10により、車両用のワイヤーハーネス2がインパネ部のクロスカービーム1に固定された様子が概略立体図で示される。図2を参照すると、ワイヤーハーネス固定構造10は、ワイヤーハーネス2をバンド部33により囲んで把持する結合部3と、クロスカービーム1に設けられた係止穴4と、やはりクロスカービーム1に設けられた係止片5とを具備する。図2及び3により分かるように、本実施の形態の結合部3は、バンド部33と、バンド部33が取り付けられる係止部32と、係止部材31とを具備する。係止部材31は、係止部32から伸張する胴部35と、胴部35に取り付けられた先端部36とを具備する。更に胴部35は、円筒形であり、先端部36は、球形で、胴部35より大きな直径を有している。結合部3は樹脂製であることが好ましいが、別の材料であっても良い。
【0023】
本実施の形態において係止穴4は、クロスカービーム1の円周に沿って細長い開口として設けられており、開口の形状は大部分が長方形であり、一方の端部に円形の挿入穴6が設けられている。挿入穴6の直径は、係止穴4の長方形の部分の幅より大きい直径を有しており、且つ係止部材31の先端部36の直径より大きいので、係止部材31は容易に挿入穴6に挿入できる。係止穴4の位置は、運転者の操作、ワイヤーハーネスの取付作業等を考慮して適当な任意の位置であって良い。係止片5は前述したように、クロスカービーム1の一部を切り起こしてクロスカービーム1に一体に形成されており、図2を参照して分かるように、係止穴4に隣接してその横に平行になるように設けられる。クロスカービーム1、従って係止片5は、弾性を有するように金属製又は樹脂製であることが好ましいが、別の材料であっても良い。
係止片5は、上記とは別にクロスカービーム1に係止片5の一方の端部を貼り付けて形成されても良い。
【0024】
本実施の形態におけるワイヤーハーネス固定構造10の寸法関係について、図4を参照して説明する。図4(A)は、図2のワイヤーハーネス2に結合部3が取り付けられたものの側面図であり、図4(B)は、図4(A)のI−I断面図である。また、図4(C)は、図2のクロスカービーム1の係止穴1aの付近の側面図であり、図4(D)は、図4(C)のI−I断面図である。これらの図により、本実施の形態のワイヤーハーネス固定構造10の各部分の寸法関係及び位置関係が分かる。係止部32の幅の1/2(結合部3の中心線から係止部32の係止片5側の側部までの距離)をW1、係止穴4の中心線から係止片5の係止穴4の反対側の側部までの距離をW2、係止片5の幅をW3とすると、結合部3を係止穴4に挿入した場合に、概略W1−W2=W3 x 1/2である。
【0025】
係止部材31の挿入穴6への挿入時のクリアランスの関係は、b2>b1>L2>L1となる。
ここで、b2は挿入穴6の直径、b1は係止部材31の先端部36の直径、L2は係止穴4の幅、L1は胴部35の直径である。
係止片5による結合部3の固定における寸法関係は、C2>C3−C1=0.2〜0.7となる。
ここで、C3は係止穴4の先端から係止片5の先端までの距離(図4(C)参照)、C1は、図4(B)に示すように、胴部35の側面から掛止部34の角までの距離であり、C2は掛止部34の長さである(図4(B)参照)。
係止片5の弾性による結合部3の掛止部34への固定に関する寸法関係は、d1−d2=−0.1〜−0.7mmである。
ここで、d2はクロスカービーム1の内面と係止片5の上面との間の距離(図4(D)参照)、d1は図4(B)に示す係止部材31の先端部36の上面から掛止部34までの距離である。
また係止部32の掛止部34の側の側面の傾斜角度である、係止傾斜角度D(図4(B)参照)は15度〜50度の範囲である。
【0026】
次に図5を参照して、ワイヤーハーネス2のクロスカービーム1への組付けの方法について概略説明する。図5は、図3と同様に、図2の状態の断面図である。
まず図5(A)では、結合部3の係止部材31を挿入穴6に挿入する。前述のb2>b1の関係より先端部36は挿入穴6に容易に挿入できる。図5(B)に挿入後の状態を示す。更に結合部3をクロスカービーム1の周方向に係止穴4に沿って回転するように移動する。この回転移動の際、クロスカービーム1の係止片5がワイヤーハーネス2の係止部材31の先端部36と係止部32に挟まれることでf1方向に負荷が加わり、係止片5が倒れるように押し下げられる。ここで一気に係止部32を進行方向に向かい滑らせる(図5(C)参照)。クロスカービーム1上の係止穴4の端に当たると同時に係止片5は、係止部32からはずれ弾性でf1′の方向に戻り掛止部34に嵌り、結合部3は固定される(図5(D)参照)。又、係止片5と掛止部34の一対の構成は、数に限定されず、1ヶ以上であれば同様な効果を得ることが出来る。
【0027】
図6は、本第1の実施の形態のワイヤーハーネス固定構造10の組み付け作業に必要な範囲(図4(B)の斜線部)と、前に記述した従来技術の組み付け作業に必要な範囲(図4(A)の斜線部)との比較を示しており、本実施の形態の方が、従来技術の範囲に比べてかなり小さくなっていることが分かる。
【0028】
図7は、本発明の第2の実施の形態を示しており、係止片5の代りに係止穴4に係り爪11が設けられており(図7(A)参照)、図7(C)に示すように係り爪11が、結合部3の挿入回転移動後、胴部35に係合して結合部3を固定する。図7(A)に示す寸法L1については、
L1=L3−(t x 1.2〜1.8)<L2である。
ここで、図7(A)に示すように、L2は係り爪11の先端からその根本側の係止穴4の側面までの距離、L1は係り爪11の先端から係止穴4の対向する側面までの距離であり、L3は胴部35の直径(図7(B)参照)である。
本発明では、係り爪11の数は1ヶ以上で効果を得ることが出来る。
【0029】
図8は、本発明の第3の実施の形態を示しており、係止穴4の挿入穴6の反対側の端部に略半円形状の穴12が設けられており(図8(A)参照)、結合部3の胴部35の両側には薄い板状で弾性があって一対の戻り防止爪13が係止片5の代りに設けられており、図8(C)に示すように、結合部3の挿入回転移動後、前記戻り防止爪13が係止穴4の他方の端部の前記半円形状の穴12の角部に係合して結合部3を固定する。図8(B)に示すように、戻り防止爪13の長さをW1、戻り防止爪13の板厚をW2とすると、寸法関係について、
L1=W3−(2 x W2 x 1.2〜1.8)<L2=W3+1 である。
ここで、図8(A)に示すように、L2は半円形状の穴12の直径、L1は半円形状の穴12の入口の係止穴4の幅であり、図7(B)に示すように、W3は一対の戻り防止爪13のそれぞれの外面の距離である。
本発明では戻り防止爪13の数は1ヶ以上で効果を得ることが出来る。
【0030】
図9は、本発明の第4の実施の形態を示しており、係止穴4の挿入穴6の反対側の端部にやはり略円形状の穴14が設けられており(図9(A)参照)、結合部3の胴部35には係止部材31の傘状の戻り防止爪15が設けられており、図9(C)に示すように、戻り防止爪15は、結合部3の挿入回転移動時にはクロスカービーム1の内部側にあり、移動後、戻り防止爪15が係止穴4の他方の端部の前記円形状の穴14から出て、戻り防止爪15と先端部36の間にクロスカービーム1の板厚を挟むことにより、結合部3を固定する。寸法関係については、
L2<L3<L1
W3<L2<W4<L3<W1<=W2<L1 である。
ここで、図9(A)に示すように、L1は挿入穴6の直径、L2は係止穴4の幅、L3は穴14の直径であり、図9(B)に示すように、W1は戻り防止爪15の直径、W2は先端部36の直径、W3は胴部35の係止部32側の直径、W4は胴部35の先端部36側の直径である。
【0031】
図10は、本発明の第5の実施の形態を示しており、係止穴4の挿入穴6の反対側の端部にやはり略円形状の穴16が設けられており(図10(A)参照)、係止穴4のその円形状の穴16の入口に絞りのように形成された一対の突起17が設けられており、図10(C)に示すように、結合部3の挿入回転移動後、結合部3の胴部35が移動することを防止するように一対の突起17は作用して結合部3を固定する。寸法関係については、
L2<L3<=L1
D=t+0.5 (tはクロスカービーム1の板厚)
W1<W2<W3
L2<L3=W2<=L1<W3 である。
ここで、図10(A)に示すように、L1は係止穴4の幅、L2は一対の突起17の間隔、L3は穴16の直径であり、図10(B)に示すように、W1は胴部35の直径、W3は先端部36の直径、W2は先端部36の引っかかり部分の直径であり、Dは胴部35の長さである。
【0032】
図11は、本発明の第6の実施の形態を示しており、クロスカービーム1において係止穴4の挿入穴6の反対側の端部付近に一対のディンプル18が設けられており(図11(A)参照)、他方で図11(B)に示すように、係止部32には前記ディンプル18が嵌合する一対の窪み19が設けられている。図11(C)に示すように、結合部3の挿入回転移動後、結合部3が係止穴4の端部に達する位置において、前記ディンプル18は前記窪み19に嵌合して、前記の実施の形態と同様に結合部3を固定する。寸法関係については、
d=L+0〜0.4
D=d/2 である。
ここで、図11(A)に示すように、dはディンプル18の高さであり、図11(B)に示すように、Dは窪み19の深さ、Lは胴部35の長さである。
本発明ではディンプル18と窪み19の数がそれぞれ1ヶ以上で効果を得ることが出来る。
【0033】
図12は、本発明の第7の実施の形態を示しており、クロスカービーム1において係止穴4の挿入穴6の反対側の端部付近に一対の穴20及び穴20の周囲の一対の隆起21が形成されており(図12(A)参照)、他方で図12(B)に示すように、係止部32には一対の窪み22とその窪み22に隣接していて前記穴20に嵌合する一対の突起23とが設けられている。図12(C)に示すように、結合部3の挿入回転移動後、結合部3が係止穴4の端部に達する位置において、前記突起23は前記穴20に嵌合して、結合部3を固定する。寸法関係については、
d=L+0〜0.4
D=d x 1.5
φC=φCC−0.2〜0.5 である。
ここで、図12(A)に示すように、φCは穴20の直径、dは隆起21の高さであり、図12(B)に示すように、Dは突起23の高さ、Lは胴部35の長さである。
上記の第2から第7の実施の形態は、第1の実施の形態の結合部3のクロスカービーム1への固定構造部分の各種の変形であり、それぞれ製作上、機能上、強度上、等において特徴を有する。
本発明では穴20と嵌合する一対の突起23の数がそれぞれ1ヶ以上で効果を得ることが出来る。
【0034】
次に上記実施の形態の効果及び作用について説明する。
本発明の第1の実施の形態のワイヤーハーネス固定構造により以下の効果が期待できる。
・ ワイヤーハーネスを組付する際、従来クロスカービームに対し垂直方向に侵入させなければ組立不可であったが、ワイヤーハーネスを回転組付することにより車輌前方側への組付を可能にし、また、作業者の手、ワイヤーハーネス固定構造等が必要とする作業範囲の縮小を図ることが出来る。
・ ワイヤーハーネスの配置位置に対する制約が減少することにより、ワイヤーハーネス周辺の設計自由度が向上すると共に、ワイヤーハーネスの組み付け作業に従事する作業者の作業を容易にすることにより、作業者に対する疾病の可能性を減少し、組み立て不具合による品質不良を防止する。
・ 弾性のある係止片が掛止部に当接して押圧することにより、ワイヤーハーネス及びそれを把持する結合部の戻り防止構造となり、更に従来ワイヤーハーネスの着脱が困難であったものを容易に可能にする。
・ 結合部の掛止部とクロスカービームの係止片との間において、弾性のある係止片のスプリングバックにより、それらの間の隙間を0にすることが可能になる。これによりワイヤーハーネスの振動による異音の発生の防止が可能な構造となる。
【0035】
本発明の第2から第7の実施の形態のワイヤーハーネス固定構造により、第1の実施の形態と同様な効果が期待できる。
【0036】
上記の説明において本発明のワイヤーハーネス固定構造は、車両用として説明されたが、車両用として限定されるものではなく、車両用以外の用途に適用されても良い。
また、上記において記載した、あるいは添付図面に示した実施の形態において、特に係止穴4と結合部3付近の構造について、種々のワイヤーハーネス固定構造の実施の形態が示されたが、これら以外の当業者に既知な形態が適用されても良い。
【0037】
上記の実施の形態は本発明の一例であり、本発明は、該実施の形態により制限されるものではなく、請求項に記載される事項によってのみ規定されており、上記以外の実施の形態も実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第1の実施の形態の立体図であり、該構造が組み立てられた状態を図解的に示す。
【図2】図2は、図1のワイヤーハーネス固定構造のクロスカービームへの組み付け前(A)と組み付け後(B)の状態を示す立体図である。
【図3】図3は、図2のワイヤーハーネス固定構造の構成を示す断面図であり、組み付け前(A)と組み付け後(B)の状態を示す。
【図4】図4は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第1の実施の形態のワイヤーハーネスを把持する結合部(A,B)とクロスカービームに設けられた係止穴及び係止片(C,D)との寸法関係を示す側面図及び断面図である。
【図5】図5は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第1の実施の形態において、ワイヤーハーネスがクロスカービームに組み付けられる手順(A,B,C、D)を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第1の実施の形態の場合の必要となる作業範囲(B)と、従来技術のワイヤーハーネス固定構造の場合の必要となる作業範囲(A)との比較を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第2の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図8】図8は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第3の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図9】図9は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第4の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図10】図10は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第5の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図11】図11は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第6の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図12】図12は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第7の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図13】図13は、従来技術のワイヤーハーネス固定構造の例の立体図であり、該ワイヤーハーネス固定構造のクロスカービームへの組み付け前(A)と組み付け後(B)の状態を示す立体図である。
【図14】図14は、従来技術のワイヤーハーネス固定構造(2つの例)の構成を組み付け前の状態と組み付け後の状態で示す断面図であり、例1(A、B)と例2(C、D)を示す。
【図15】図15は、従来技術のワイヤーハーネス固定構造の2つの例(例1,例2)のワイヤーハーネスを把持する結合部とクロスカービームに設けられた係止穴及び係止部材との寸法関係を示す断面図(例1はA、例2はB)である。
【図16】図16は、従来技術のワイヤーハーネス固定構造の例において、組み付け作業が困難な範囲を示す概要図である。
【符号の説明】
1…クロスカービーム
2…ワイヤーハーネス
3…結合部
4…係止穴
5…係止片
6…挿入穴
10…ワイヤーハーネス固定構造
31…係止部材
32…係止部
33…バンド部
34…掛止部
35…胴部
36…先端部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハーネスを固定するのに適用される装置又は構造に係り、特別には自動車インパネ(インストルメントパネル)内のワイヤーハーネスを固定するための装置又は構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両において、自動化、高機能化に伴い多くの配線が使用されており、これらの配線の合理的な配置が必要になる。このため配線を束ねたワイヤーハーネスの固定においても、車両の操作上、美感上、ワイヤーハーネス取付作業上等において邪魔にならない、合理的な固定装置及び方法が要求されている。
【0003】
図13から図16に、従来のワイヤーハーネス固定構造の例の概略図を示す。図16を参照すると、車両の運転席前部のインパネ(インストルメントパネル)部のクロスカービーム(リーンフォースメント:補強部材)1にワイヤーハーネス2が固定された状態を示している。図16に示す位置は、ワイヤーハーネス2の取付作業はし易いが、運転者の視界の範囲に存在しており、運転操作、美感の点において問題を生じる可能性がある。図16において斜線で示すクロスカービーム1の陰になる場所が、運転操作、美感上好ましいが、従来の装置では取付作業は困難である。
【0004】
ここで、図13(A)を参照すると、図16に示すワイヤーハーネス2のクロスカービーム1への従来技術の固定構造が分かる。クロスカービーム1には、略円形の係止穴4が設けられている。この例ではワイヤーハーネス2は、結合部3の固定バンド33で密着して囲むように把持されている。結合部3は、固定バンド33が取り付けられる係止部32と、係止部32から突き出る係止部材31とを更に具備する。係止部材31を、係止穴4に挿入することにより、ワイヤーハーネス2はクロスカービーム1に固定される。
【0005】
図14を参照すると、結合部3のクロスカービーム1への組み付け構造の2つの例が図解的に示されている。図14(A)、(B)の例1では係止部材31の形状の断面が矢状であり、弾性のある係止部材31が係止穴4にガイドされて曲がりながら挿入されると、矢状の部分が開いて円筒形のクロスカービーム1の内面を弾性的に押しつけることにより、係止部材31の抜けを防止し、結合部3をクロスカービーム1に固定する。図14(C)、(D)の例2では、係止部材31の形状の断面がネジ状であり、やはり上記の例と類似の原理で、挿入された後にネジ状の部分がクロスカービーム1の内面を弾性的に押しつけることにより、係止部材31の抜けを防止し、結合部3をクロスカービーム1に固定する。上記の例は、挿入穴へ固定する構造として良く知られるものである。
【0006】
図15(A)、(B)には、上記の従来技術の2つの例の寸法関係の一例を示している。
例1の場合において、矢状の係止部材31の幅寸法をL、係止部材31の板厚をt1、係止部材31の胴部35の幅寸法をL1、係止部材31が挿入される係止穴4の直径をL2とすると、これらの寸法関係は、
L1+2x t1<L2<L である。
例2の場合において、ネジ状の係止部材31の幅寸法をL、係止部材31の胴部35の幅寸法をL1、係止部材31が挿入される係止穴4の直径をL2とすると、これらの寸法関係は、
L1<L2<L である。
再度図16を参照すると、上記の従来技術の例の様なワイヤーハーネス固定構造の場合の組み立て不可の範囲が斜線で示されており、この様な範囲にワイヤーハーネス2を組み付けることは、作業スペースである運転席の付近からは、作業者の手首が曲げられる範囲から外れるため非常に難しい。このような構造とした場合、特に自動車インパネ付近においては、組立可能な方向が限定され(図16)、設計自由度を阻害し、また、困難な姿勢による組立作業を行う事で作業者への疫病、固定挿入不足による品質不具合の発生も問題となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、組立作業において手の可動範囲外となる組付位置に対し容易に実現させることを可能にした、ワイヤーハーネス固定構造を提供することである。このことにより、車輌前方側部品の組付を可能にし、製品設計の自由度を向上させるとともに、従来から問題であった作業者への疫病や組立不具合による品質不良を防止する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の形態の、ワイヤーハーネスを固定するためのワイヤーハーネス固定構造は、上述した目的を達成するために、ワイヤーハーネスを把持する結合部と、前記結合部が固定される構造物又は部材に設けられていて前記結合部が挿入される細長い係止穴と、前記結合部が固定される構造物又は部材に設けられていて前記係止穴に挿入された前記結合部を固定するための係止片とを具備する。前記結合部は、前記細長い係止穴の一方の第1の端部に挿入されて、その後前記係止穴の長手方向に沿って移動され、前記係止穴のもう一方の第2の端部に当接して停止し、その後前記係止片により固定されることを特徴とする。
【0009】
この様に構成することにより、ワイヤーハーネスを組付する際、従来クロスカービームに対し垂直方向に侵入させなければ組立不可であったが、ワイヤーハーネスを回転組付することにより車輌前方側への組付を可能にし、また、作業者の手、ワイヤーハーネス固定構造等が必要とする作業範囲の縮小を図ることが出来る。
更に、ワイヤーハーネスの配置位置に対する制約を減少できることにより、ワイヤーハーネス周辺の設計自由度が向上すると共に、ワイヤーハーネスの組み付け作業に従事する作業者の作業を容易にすることにより、作業者に対する疾病の可能性を減少し、組み立て不具合を減少し品質不良を防止する。
【0010】
本発明の請求項2の形態では、上記請求項1の形態において、前記結合部は、ワイヤーハーネスを把持する把持部と、前記把持部が取り付けられる係止部と、前記係止部から突き出ていて前記係止穴に挿入される係止部材とを具備することを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する結合部の構成をより具体化する。
【0011】
本発明の請求項3の形態では、上記請求項2の形態において、前記結合部の前記係止部材は、前記係止部に接続する胴部と、前記胴部に接続していて胴部より大きな直径等の寸法を有する先端部とを具備する。また前記係止穴は、前記第1の端部の付近に第1の開口を有し、前記第1の開口の直径等の寸法は、前記係止穴のそれ以外の部分の開口寸法より大きくて且つ前記先端部より大きな直径等の寸法であり、前記係止穴の第1の開口以外の開口部分は、前記先端部より小さな幅等の寸法で、且つ前記胴部の幅又は直径等の寸法より大きい。従って前記先端部は、前記第1の開口に容易に挿入され、更に前記係止穴に沿って移動されて前記係止穴の第2の端部にある場合に、前記係止穴から抜けないことを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する結合部及び係止穴の構成をより具体化する。
【0012】
本発明の請求項4の形態では、上記請求項3の形態において、前記係止片の前記第1の開口の形状は、実質的に円形であり、前記係止部材の先端部の形状は、実質的に球、半球、円筒状、又は円錐状であることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する結合部及び係止穴をより具体化する。
【0013】
本発明の請求項5の形態では、上記請求項1から4の形態のいずれか一項において、前記係止片は、前記結合部が固定される構造物又は部材の一部を切り起こして一体構造で形成されることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する係止片をより具体化する。
【0014】
また、本発明の請求項6の形態では、上記請求項1から4の形態いずれか一項において、前記係止片は、前記結合部が固定される構造物又は部材とは別体の部材を前記構造物又は部材に取り付けて形成されることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する係止片の別の形態を具体化する。
【0015】
また、本発明の請求項7の形態では、上記請求項2から6の形態いずれか一項において、前記結合部は、前記係止部に形成された掛止部を有しており、前記係止片は、前記係止部の掛止部に当接して前記結合部を前記構造又は部材に固定することを特徴とする。
【0016】
この様に構成することにより、弾性のある係止片が掛止部に当接して押圧することにより、ワイヤーハーネス及びそれを把持する結合部の戻り防止構造となり、更に従来ワイヤーハーネスの着脱が困難であったものを容易に可能にする。
結合部の掛止部とクロスカービームの係止片との間において、弾性のある係止片のスプリングバックにより、それらの間の隙間を0にすることが可能になる。これによりワイヤーハーネスの振動による異音の発生の防止が可能な構造となる。
【0017】
また、本発明の請求項8の形態では、上記請求項1から7の形態いずれか一項において、前記係止片は細長い帯状である。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する係止片をより具体化する。
【0018】
また、本発明の請求項9の形態では、上記請求項7又は8の形態いずれかにおいて、前記掛止部は段差状に形成されることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する結合部の掛止部をより具体化する。
【0019】
また、本発明の請求項10の形態では、上記請求項1から9の形態いずれか一項において、前記結合部は樹脂製であることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する結合部の材質をより具体化する。
【0020】
また、本発明の請求項11の形態では、上記請求項1から10の形態いずれか一項において、前記結合部が固定される前記構造物又は部材は、金属製又は樹脂製であることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のワイヤーハーネス固定構造を構成する係止片の材質をより具体化する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態のワイヤーハーネス固定構造を詳細に説明する。図1から図6は、本発明に係るワイヤーハーネス固定構造の第1の実施の形態を図解的に示す。ここでは図面、より特別には図1から図6を参照すると、図13から図16に開示される従来技術の実施例の要素部分と同じ又は同様である図1から図6の要素部分は、同じ参照符号により指定されている。
【0022】
まず図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態のワイヤーハーネス固定構造10により、車両用のワイヤーハーネス2がインパネ部のクロスカービーム1に固定された様子が概略立体図で示される。図2を参照すると、ワイヤーハーネス固定構造10は、ワイヤーハーネス2をバンド部33により囲んで把持する結合部3と、クロスカービーム1に設けられた係止穴4と、やはりクロスカービーム1に設けられた係止片5とを具備する。図2及び3により分かるように、本実施の形態の結合部3は、バンド部33と、バンド部33が取り付けられる係止部32と、係止部材31とを具備する。係止部材31は、係止部32から伸張する胴部35と、胴部35に取り付けられた先端部36とを具備する。更に胴部35は、円筒形であり、先端部36は、球形で、胴部35より大きな直径を有している。結合部3は樹脂製であることが好ましいが、別の材料であっても良い。
【0023】
本実施の形態において係止穴4は、クロスカービーム1の円周に沿って細長い開口として設けられており、開口の形状は大部分が長方形であり、一方の端部に円形の挿入穴6が設けられている。挿入穴6の直径は、係止穴4の長方形の部分の幅より大きい直径を有しており、且つ係止部材31の先端部36の直径より大きいので、係止部材31は容易に挿入穴6に挿入できる。係止穴4の位置は、運転者の操作、ワイヤーハーネスの取付作業等を考慮して適当な任意の位置であって良い。係止片5は前述したように、クロスカービーム1の一部を切り起こしてクロスカービーム1に一体に形成されており、図2を参照して分かるように、係止穴4に隣接してその横に平行になるように設けられる。クロスカービーム1、従って係止片5は、弾性を有するように金属製又は樹脂製であることが好ましいが、別の材料であっても良い。
係止片5は、上記とは別にクロスカービーム1に係止片5の一方の端部を貼り付けて形成されても良い。
【0024】
本実施の形態におけるワイヤーハーネス固定構造10の寸法関係について、図4を参照して説明する。図4(A)は、図2のワイヤーハーネス2に結合部3が取り付けられたものの側面図であり、図4(B)は、図4(A)のI−I断面図である。また、図4(C)は、図2のクロスカービーム1の係止穴1aの付近の側面図であり、図4(D)は、図4(C)のI−I断面図である。これらの図により、本実施の形態のワイヤーハーネス固定構造10の各部分の寸法関係及び位置関係が分かる。係止部32の幅の1/2(結合部3の中心線から係止部32の係止片5側の側部までの距離)をW1、係止穴4の中心線から係止片5の係止穴4の反対側の側部までの距離をW2、係止片5の幅をW3とすると、結合部3を係止穴4に挿入した場合に、概略W1−W2=W3 x 1/2である。
【0025】
係止部材31の挿入穴6への挿入時のクリアランスの関係は、b2>b1>L2>L1となる。
ここで、b2は挿入穴6の直径、b1は係止部材31の先端部36の直径、L2は係止穴4の幅、L1は胴部35の直径である。
係止片5による結合部3の固定における寸法関係は、C2>C3−C1=0.2〜0.7となる。
ここで、C3は係止穴4の先端から係止片5の先端までの距離(図4(C)参照)、C1は、図4(B)に示すように、胴部35の側面から掛止部34の角までの距離であり、C2は掛止部34の長さである(図4(B)参照)。
係止片5の弾性による結合部3の掛止部34への固定に関する寸法関係は、d1−d2=−0.1〜−0.7mmである。
ここで、d2はクロスカービーム1の内面と係止片5の上面との間の距離(図4(D)参照)、d1は図4(B)に示す係止部材31の先端部36の上面から掛止部34までの距離である。
また係止部32の掛止部34の側の側面の傾斜角度である、係止傾斜角度D(図4(B)参照)は15度〜50度の範囲である。
【0026】
次に図5を参照して、ワイヤーハーネス2のクロスカービーム1への組付けの方法について概略説明する。図5は、図3と同様に、図2の状態の断面図である。
まず図5(A)では、結合部3の係止部材31を挿入穴6に挿入する。前述のb2>b1の関係より先端部36は挿入穴6に容易に挿入できる。図5(B)に挿入後の状態を示す。更に結合部3をクロスカービーム1の周方向に係止穴4に沿って回転するように移動する。この回転移動の際、クロスカービーム1の係止片5がワイヤーハーネス2の係止部材31の先端部36と係止部32に挟まれることでf1方向に負荷が加わり、係止片5が倒れるように押し下げられる。ここで一気に係止部32を進行方向に向かい滑らせる(図5(C)参照)。クロスカービーム1上の係止穴4の端に当たると同時に係止片5は、係止部32からはずれ弾性でf1′の方向に戻り掛止部34に嵌り、結合部3は固定される(図5(D)参照)。又、係止片5と掛止部34の一対の構成は、数に限定されず、1ヶ以上であれば同様な効果を得ることが出来る。
【0027】
図6は、本第1の実施の形態のワイヤーハーネス固定構造10の組み付け作業に必要な範囲(図4(B)の斜線部)と、前に記述した従来技術の組み付け作業に必要な範囲(図4(A)の斜線部)との比較を示しており、本実施の形態の方が、従来技術の範囲に比べてかなり小さくなっていることが分かる。
【0028】
図7は、本発明の第2の実施の形態を示しており、係止片5の代りに係止穴4に係り爪11が設けられており(図7(A)参照)、図7(C)に示すように係り爪11が、結合部3の挿入回転移動後、胴部35に係合して結合部3を固定する。図7(A)に示す寸法L1については、
L1=L3−(t x 1.2〜1.8)<L2である。
ここで、図7(A)に示すように、L2は係り爪11の先端からその根本側の係止穴4の側面までの距離、L1は係り爪11の先端から係止穴4の対向する側面までの距離であり、L3は胴部35の直径(図7(B)参照)である。
本発明では、係り爪11の数は1ヶ以上で効果を得ることが出来る。
【0029】
図8は、本発明の第3の実施の形態を示しており、係止穴4の挿入穴6の反対側の端部に略半円形状の穴12が設けられており(図8(A)参照)、結合部3の胴部35の両側には薄い板状で弾性があって一対の戻り防止爪13が係止片5の代りに設けられており、図8(C)に示すように、結合部3の挿入回転移動後、前記戻り防止爪13が係止穴4の他方の端部の前記半円形状の穴12の角部に係合して結合部3を固定する。図8(B)に示すように、戻り防止爪13の長さをW1、戻り防止爪13の板厚をW2とすると、寸法関係について、
L1=W3−(2 x W2 x 1.2〜1.8)<L2=W3+1 である。
ここで、図8(A)に示すように、L2は半円形状の穴12の直径、L1は半円形状の穴12の入口の係止穴4の幅であり、図7(B)に示すように、W3は一対の戻り防止爪13のそれぞれの外面の距離である。
本発明では戻り防止爪13の数は1ヶ以上で効果を得ることが出来る。
【0030】
図9は、本発明の第4の実施の形態を示しており、係止穴4の挿入穴6の反対側の端部にやはり略円形状の穴14が設けられており(図9(A)参照)、結合部3の胴部35には係止部材31の傘状の戻り防止爪15が設けられており、図9(C)に示すように、戻り防止爪15は、結合部3の挿入回転移動時にはクロスカービーム1の内部側にあり、移動後、戻り防止爪15が係止穴4の他方の端部の前記円形状の穴14から出て、戻り防止爪15と先端部36の間にクロスカービーム1の板厚を挟むことにより、結合部3を固定する。寸法関係については、
L2<L3<L1
W3<L2<W4<L3<W1<=W2<L1 である。
ここで、図9(A)に示すように、L1は挿入穴6の直径、L2は係止穴4の幅、L3は穴14の直径であり、図9(B)に示すように、W1は戻り防止爪15の直径、W2は先端部36の直径、W3は胴部35の係止部32側の直径、W4は胴部35の先端部36側の直径である。
【0031】
図10は、本発明の第5の実施の形態を示しており、係止穴4の挿入穴6の反対側の端部にやはり略円形状の穴16が設けられており(図10(A)参照)、係止穴4のその円形状の穴16の入口に絞りのように形成された一対の突起17が設けられており、図10(C)に示すように、結合部3の挿入回転移動後、結合部3の胴部35が移動することを防止するように一対の突起17は作用して結合部3を固定する。寸法関係については、
L2<L3<=L1
D=t+0.5 (tはクロスカービーム1の板厚)
W1<W2<W3
L2<L3=W2<=L1<W3 である。
ここで、図10(A)に示すように、L1は係止穴4の幅、L2は一対の突起17の間隔、L3は穴16の直径であり、図10(B)に示すように、W1は胴部35の直径、W3は先端部36の直径、W2は先端部36の引っかかり部分の直径であり、Dは胴部35の長さである。
【0032】
図11は、本発明の第6の実施の形態を示しており、クロスカービーム1において係止穴4の挿入穴6の反対側の端部付近に一対のディンプル18が設けられており(図11(A)参照)、他方で図11(B)に示すように、係止部32には前記ディンプル18が嵌合する一対の窪み19が設けられている。図11(C)に示すように、結合部3の挿入回転移動後、結合部3が係止穴4の端部に達する位置において、前記ディンプル18は前記窪み19に嵌合して、前記の実施の形態と同様に結合部3を固定する。寸法関係については、
d=L+0〜0.4
D=d/2 である。
ここで、図11(A)に示すように、dはディンプル18の高さであり、図11(B)に示すように、Dは窪み19の深さ、Lは胴部35の長さである。
本発明ではディンプル18と窪み19の数がそれぞれ1ヶ以上で効果を得ることが出来る。
【0033】
図12は、本発明の第7の実施の形態を示しており、クロスカービーム1において係止穴4の挿入穴6の反対側の端部付近に一対の穴20及び穴20の周囲の一対の隆起21が形成されており(図12(A)参照)、他方で図12(B)に示すように、係止部32には一対の窪み22とその窪み22に隣接していて前記穴20に嵌合する一対の突起23とが設けられている。図12(C)に示すように、結合部3の挿入回転移動後、結合部3が係止穴4の端部に達する位置において、前記突起23は前記穴20に嵌合して、結合部3を固定する。寸法関係については、
d=L+0〜0.4
D=d x 1.5
φC=φCC−0.2〜0.5 である。
ここで、図12(A)に示すように、φCは穴20の直径、dは隆起21の高さであり、図12(B)に示すように、Dは突起23の高さ、Lは胴部35の長さである。
上記の第2から第7の実施の形態は、第1の実施の形態の結合部3のクロスカービーム1への固定構造部分の各種の変形であり、それぞれ製作上、機能上、強度上、等において特徴を有する。
本発明では穴20と嵌合する一対の突起23の数がそれぞれ1ヶ以上で効果を得ることが出来る。
【0034】
次に上記実施の形態の効果及び作用について説明する。
本発明の第1の実施の形態のワイヤーハーネス固定構造により以下の効果が期待できる。
・ ワイヤーハーネスを組付する際、従来クロスカービームに対し垂直方向に侵入させなければ組立不可であったが、ワイヤーハーネスを回転組付することにより車輌前方側への組付を可能にし、また、作業者の手、ワイヤーハーネス固定構造等が必要とする作業範囲の縮小を図ることが出来る。
・ ワイヤーハーネスの配置位置に対する制約が減少することにより、ワイヤーハーネス周辺の設計自由度が向上すると共に、ワイヤーハーネスの組み付け作業に従事する作業者の作業を容易にすることにより、作業者に対する疾病の可能性を減少し、組み立て不具合による品質不良を防止する。
・ 弾性のある係止片が掛止部に当接して押圧することにより、ワイヤーハーネス及びそれを把持する結合部の戻り防止構造となり、更に従来ワイヤーハーネスの着脱が困難であったものを容易に可能にする。
・ 結合部の掛止部とクロスカービームの係止片との間において、弾性のある係止片のスプリングバックにより、それらの間の隙間を0にすることが可能になる。これによりワイヤーハーネスの振動による異音の発生の防止が可能な構造となる。
【0035】
本発明の第2から第7の実施の形態のワイヤーハーネス固定構造により、第1の実施の形態と同様な効果が期待できる。
【0036】
上記の説明において本発明のワイヤーハーネス固定構造は、車両用として説明されたが、車両用として限定されるものではなく、車両用以外の用途に適用されても良い。
また、上記において記載した、あるいは添付図面に示した実施の形態において、特に係止穴4と結合部3付近の構造について、種々のワイヤーハーネス固定構造の実施の形態が示されたが、これら以外の当業者に既知な形態が適用されても良い。
【0037】
上記の実施の形態は本発明の一例であり、本発明は、該実施の形態により制限されるものではなく、請求項に記載される事項によってのみ規定されており、上記以外の実施の形態も実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第1の実施の形態の立体図であり、該構造が組み立てられた状態を図解的に示す。
【図2】図2は、図1のワイヤーハーネス固定構造のクロスカービームへの組み付け前(A)と組み付け後(B)の状態を示す立体図である。
【図3】図3は、図2のワイヤーハーネス固定構造の構成を示す断面図であり、組み付け前(A)と組み付け後(B)の状態を示す。
【図4】図4は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第1の実施の形態のワイヤーハーネスを把持する結合部(A,B)とクロスカービームに設けられた係止穴及び係止片(C,D)との寸法関係を示す側面図及び断面図である。
【図5】図5は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第1の実施の形態において、ワイヤーハーネスがクロスカービームに組み付けられる手順(A,B,C、D)を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第1の実施の形態の場合の必要となる作業範囲(B)と、従来技術のワイヤーハーネス固定構造の場合の必要となる作業範囲(A)との比較を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第2の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図8】図8は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第3の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図9】図9は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第4の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図10】図10は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第5の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図11】図11は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第6の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図12】図12は、本発明のワイヤーハーネス固定構造の第7の実施の形態を示す図面であり、それぞれクロスカービーム側(A)、ワイヤーハーネス側(B)、両者の組み付け手順(C)をそれぞれ図解的に示す。
【図13】図13は、従来技術のワイヤーハーネス固定構造の例の立体図であり、該ワイヤーハーネス固定構造のクロスカービームへの組み付け前(A)と組み付け後(B)の状態を示す立体図である。
【図14】図14は、従来技術のワイヤーハーネス固定構造(2つの例)の構成を組み付け前の状態と組み付け後の状態で示す断面図であり、例1(A、B)と例2(C、D)を示す。
【図15】図15は、従来技術のワイヤーハーネス固定構造の2つの例(例1,例2)のワイヤーハーネスを把持する結合部とクロスカービームに設けられた係止穴及び係止部材との寸法関係を示す断面図(例1はA、例2はB)である。
【図16】図16は、従来技術のワイヤーハーネス固定構造の例において、組み付け作業が困難な範囲を示す概要図である。
【符号の説明】
1…クロスカービーム
2…ワイヤーハーネス
3…結合部
4…係止穴
5…係止片
6…挿入穴
10…ワイヤーハーネス固定構造
31…係止部材
32…係止部
33…バンド部
34…掛止部
35…胴部
36…先端部
Claims (11)
- ワイヤーハーネスを固定するためのワイヤーハーネス固定構造において、このワイヤーハーネス固定構造は、
ワイヤーハーネスを把持する結合部と、
前記結合部が固定される構造物又は部材に設けられていて前記結合部が挿入される細長い係止穴と、
前記結合部が固定される構造物又は部材に設けられていて前記係止穴に挿入された前記結合部を固定するための係止片と、
を具備しており、
前記結合部は、前記細長い係止穴の一方の第1の端部に挿入されて、その後前記係止穴の長手方向に沿って移動され、前記係止穴のもう一方の第2の端部に当接して停止し、その後前記係止片により固定されることを特徴とするワイヤーハーネス固定構造。 - 前記結合部は、
ワイヤーハーネスを把持する把持部と、
前記把持部が取り付けられる係止部と、
前記係止部から突き出ていて前記係止穴に挿入される係止部材と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス固定構造。 - 前記結合部の前記係止部材は、前記係止部に接続する胴部と、前記胴部に接続していて胴部より大きな直径等の寸法を有する先端部と、を具備しており、
前記係止穴は、第1の端部の付近に第1の開口を有し、前記第1の開口の直径等の寸法は、前記係止穴のそれ以外の部分の開口寸法より大きくて且つ前記先端部より大きな直径等の寸法であり、
前記係止穴の第1の開口以外の開口部分は、前記先端部より小さな幅等の寸法で、且つ前記胴部の幅又は直径等の寸法より大きく、従って前記先端部は、前記第1の開口に容易に挿入され、更に前記係止穴に沿って移動されて前記係止穴の第2の端部にある場合に、前記係止穴から抜けないことを特徴とする請求項2に記載のワイヤーハーネス固定構造。 - 前記係止片の前記第1の開口の形状は、実質的に円形であり、前記係止部材の先端部の形状は、実質的に球、半球、円筒状、又は円錐状であることを特徴とする請求項3に記載のワイヤーハーネス固定構造。
- 前記係止片は、前記結合部が固定される構造物又は部材の一部を切り起こして一体構造で形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス固定構造。
- 前記係止片は、前記結合部が固定される構造物又は部材とは別体の部材を前記構造物又は部材に取り付けて形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス固定構造。
- 前記結合部は、前記係止部に形成された掛止部を有しており、
前記係止片は、前記係止部の掛止部に当接して前記結合部を前記構造又は部材に固定することを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス固定構造。 - 前記係止片は細長い帯状であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス固定構造。
- 前記掛止部は段差状に形成されることを特徴とする請求項7又は8のいずれかに記載のワイヤーハーネス固定構造。
- 前記結合部は樹脂製であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
- 前記結合部が固定される前記構造物又は部材は、金属製又は樹脂製であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
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JP2002315737A JP2004153923A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | ワイヤーハーネス固定構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018144812A (ja) * | 2018-06-13 | 2018-09-20 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 配線部材の組付構造 |
-
2002
- 2002-10-30 JP JP2002315737A patent/JP2004153923A/ja active Pending
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