JP2004153018A - 近接センサの封止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気抜きのために専用の空気排出経路を設けずとも、外殻ケース内の隅々まで緊密に流動樹脂を注入して、内蔵回路部品等を確実に封止できる近接センサの封止方法を提供すること。
【解決手段】検知コイル組立体並びに部品搭載回路基板を外殻ケース内に組み込んでなる近接センサ中間品に対して、外殻ケース先端方向へと遠心力を印加させながら、外殻ケース後部に設けられた開口から流動樹脂を注ぎ込むことにより、流動樹脂と空気との質量差を利用して、外殻ケース内の空隙を満たす空気と注ぎ込まれた流動樹脂との交換を強制的に行わせ、同時に、交換により空隙から退けられた空気を、流動樹脂の注ぎ込みに使用された開口それ自体から自然に排出させるように構成する。
【選択図】 図13

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、近接センサの封止方法に係り、特に、回路部品等を収容する外殻ケース内に油水等が侵入して特性劣化を来すことを防止するための封止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属体の接近を感知する誘導型の近接センサは、しばしば、油水に晒されるような劣悪環境下に設置される。そのため、この種の近接センサの外殻ケースと内蔵回路部品等との空隙には油水等からの封止のために樹脂が充填される。完璧な封止性能を得るためには、封止用樹脂は外殻ケース内に隙間なく満たされねばならない。しかし、組立工程完了状態における外殻ケース内には複雑な形状の微細空隙が多数存在するため、外殻ケース内に流動樹脂を隙間なく充填して、回路部品等を完璧に封止することはなかなか容易なことではない。
【0003】
従来の封止方法としては、コイルケースと外殻ケースとの間に迷路状の空気抜き通路を形成する一方、センサハウジングを減圧環境下に置くことで、外殻ケース内の空気を外殻ケース先端から外部に吸引しながら、外殻ケース内への流動樹脂注入を行うものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
他の封止方法としては、外殻ケースの後端部から引き出された電気コードの留め具であるケーブル押さえに、漏斗型の樹脂注入治具を一体的に形成し、この治具内に流動樹脂を一旦溜めてから、外殻ケース内への樹脂注入を真空吸引を伴いつつ行い、注入完了後に樹脂注入治具を切除するものが知られている(特許文献2参照)。
【0005】
さらに、他の封止方法としては、外殻ケースの後端部を塞ぐエンドプラグ部材に、樹脂を注入するための注入ダクトと樹脂並びに空気を排出する排出ダクトとを設け、近接センサを遠心力印加ロータに固定して外殻ケースの先端方向へと遠心力を印加しつつ、注入ダクトから流動樹脂注入と排気ダクトからの排気並びに樹脂溢れ出しを行わせ、流動樹脂が硬化するまで遠心力を印加し続けるものが知られている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3279187号公報
【特許文献2】
特開平06−060763号公報
【特許文献3】
特開平05−157500号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1〜3に係る封止方法にあっては、樹脂注入経路とは別に専用の空気の排出経路を設ける構成を採用していたため、構造が複雑となりコストアップを来すと言う問題点が指摘されている。また、特許文献1及び2に係る封止方法は外殻ケース内の空気を吸引しながら流動樹脂を充填するものであるが、そのようにしても、樹脂の注入部と排気部との位置関係や全体の形状によっては空気が残留する場合があり、空気の圧力や樹脂の注入速度などの工程の条件を適切に設定するにも試行錯誤を要し、空気の残留をなくすことが容易ではなかった。さらに、特許文献3に係る封止方法は、遠心力印加中に樹脂を供給する構造が複雑であった。
【0008】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、空気抜きのために専用の空気排出経路を設けずとも、外殻ケース内の隅々まで緊密に流動樹脂を注入して、内蔵回路部品等を確実に封止できる近接センサの封止方法を提供することにある。
【0009】
この発明の他の目的は、遠心力を印加して空気の排出を行う場合に、遠心力印加工程やそれに用いる装置を簡素化することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的並びに作用効果については、以下の明細書の記載を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の近接センサの封止方法は、検知コイル組立体並びに部品搭載回路基板を外殻ケース内に組み込んでなる近接センサ中間品に対して、外殻ケース先端方向へと遠心力を印加させながら、外殻ケース後部に設けられた開口から流動樹脂を注ぎ込むことにより、流動樹脂と空気との質量差を利用して、外殻ケース内の空隙を満たす空気と注ぎ込まれた流動樹脂との交換を強制的に行わせ、同時に、交換により空隙から退けられた空気を、流動樹脂の注ぎ込みに使用された開口それ自体から自然に排出させるようにしている。
【0012】
このような構成によれば、外殻ケース内に注入された流動樹脂は、遠心力で外殻ケース内の先端方向へと強制的に移送されるので、流動樹脂を外殻ケース内の隅々まで緊密に注入して、内蔵回路部品等を確実に封止できる。一方、外殻ケース内の空隙を満たす空気と注ぎ込まれた流動樹脂との交換により空隙から退けられた空気を、流動樹脂の注ぎ込みに使用された開口それ自体から自然に排出されるため、空気抜きのために専用の空気排出経路を設けることが不要となり、その分だけ関連部品の構造が簡素化されて、製品のコストダウンに貢献する。
【0013】
通常、遠心力の印加は、回転運動の伴う遠心力印加装置にて行われるから、樹脂注入段階で電気コートが付属されると邪魔になる虞がある。この点からすると、本発明方法は電気コード着脱方式の近接センサであれば無理なく適用することができる。もっとも、電気コード固定方式の近接センサであっても、樹脂注入段階が終了したのちに、電気コードの接続を行うような工程を採用すれば、適用に問題はない。
【0014】
本発明を、外殻ケース側に固定されたレセプタクルと電気コード側に固定されたプラグとを介して接離自在とされる電気コード着脱方式の近接センサに適用すれば、一実施形態としては、次のようになる。
【0015】
すなわち、好ましい実施の形態においては、近接センサの中間品は、筒状の外殻ケースと、外殻ケースの先端部開口を塞ぐ検知コイル組立体と、外殻ケースの後端部開口を塞ぐ端子ピン内蔵レセプタクルと、外殻ケース内にあって検知コイル組立体と端子ピン内蔵レセプタクルとの間に配置される部品搭載回路基板と、を含み、かつ前記端子ピン内蔵レセプタクルには、樹脂注ぎ口と空気逃し口とに兼用される開口が設けられる。
【0016】
このような構造の近接センサ中間品を前提として、次の第1乃至第4ステップにしたがって、処理が行われる。すなわち、第1ステップでは、近接センサ中間品の後端部に樹脂溜め用ホッパが位置するようにして両者を所定の治具にて結合させ、樹脂溜め用ホッパの流出側の開口と端子ピン内蔵レセプタクルの注入排気兼用の開口とを連通させる。続く第2ステップでは、先端部を下にして近接センサ中間品がほぼ直立する状態において、外殻ケース内空隙の容量を幾分超える程度の量だけ、樹脂溜め用ホッパ内に流動樹脂を吐出させる。続く第3ステップでは近接センサ中間品と樹脂溜め用ホッパとの結合体を遠心力印加装置に取り付けて、近接センサ中間品の先端方向へと遠心力を印加する。続く第4ステップでは、近接センサ中間品と樹脂溜め用ホッパとの結合体を遠心力印加装置から取り外して、外殻ケース内に注入充填された樹脂を硬化させる。
【0017】
このとき、前記端子ピン内蔵レセプタクルとして、外殻ケースの後端部に圧入される筒状のレセプタクルケースと、レセプタクルケース内に先端側から後端側へ向けて挿入されかつレセプタクルケース内周の段部に当接して前進を阻止される端子ピン組立体とを含み、かつ端子ピン組立体が、レセプタクルピンとなる平行な複数本のピンと、それら複数本のピンを束ねて貫通保持するピンホルダと、ピンホルダ中央の貫通孔に連結される切除予定の樹脂注入パイプ部とを一体成型してなる構造を有するものを採用し、さらに前記第1ステップにおいては、樹脂注入パイプの先端開口と樹脂溜め用ホッパの流出側開口とが接合されるようにして、近接センサ中間品の後端部に樹脂溜め用ホッパが所定の治具にて結合し、前記第3ステップにおいては、近接センサ中間品と樹脂溜め用ホッパとの結合体を遠心力印加装置に取り付けて遠心力を印加した際に、端子ピン組立体は樹脂注入パイプを介して遠心力印加装置に一体的に固定される一方、外殻ケースと一体とされたレセプタクルケースは端子ピン組立体に対してスライド可能とすれば、それにより、遠心力を印加した際に、端子ピン組立体のピンホルダとレセプタクルケース内周の段部との間に形成される樹脂漏れ隙間が狭まる方向へと遠心力が作用するから、遠心力印加装置にて遠心力を印加する間に、流動樹脂が漏れ出すことを防止できる。
【0018】
また、本発明の近接センサの封止方法は、検知コイル組立体並びに部品搭載回路基板を外殻ケース内に組み込んでなる近接センサ中間品に対して、外殻ケース後部に設けられた第1の開口から流動樹脂を加圧しながら注ぎ込みつつ、外殻ケース後部に設けられた第2の開口から退けられた空気を逃すことにより、外殻ケース内に流動樹脂を満たし、しかるのち、流動樹脂で満たされた近接センサ中間品に対して外殻ケース先端方向へと遠心力を印加させることより、流動樹脂と空気との質量差を利用して、外殻ケース内の細隙を満たす空気と流動樹脂との位置交換を強制的に行わせ、同時に、位置交換により細隙から退けられた空気を、外殻ケース後部に設けられた第1及び第2の開口から自然に排出させるようにしている。
【0019】
このような構成によれば、外殻ケース後部に設けられた第1の開口から流動樹脂を加圧しながら注ぎ込みつつ、外殻ケース後部に設けられた第2の開口から退けられた空気を逃すことにより、外殻ケース内へ流動樹脂を取りあえず充填する作業については加圧注入装置を使用して迅速に行うことができる。一方、外殻ケースの隅々にまで流動樹脂を入り込ませる工程については、これを遠心力印加装置を使用して確実に行わせることができる。このとき、外殻ケース内の空隙を満たす空気と注ぎ込まれた流動樹脂との交換により空隙から退けられた空気は、流動樹脂の注ぎ込みに使用された開口並びに樹脂の排出のために使用された開口の双方から自然に排出されるため、外殻ケース内の空気の吸引を行うよりも簡単な工程でより確実に空気を排出することができる。また、遠心力を印加する工程においては、大型のホッパのような流動樹脂を注入するための構造を必要としない。
【0020】
通常、遠心力の印加は、回転運動の伴う遠心力印加装置にて行われるから、樹脂注入段階で電気コートが付属されると邪魔になる虞がある。この点からすると、本発明方法は電気コード着脱方式の近接センサであれば無理なく適用することができる。もっとも、電気コード固定方式の近接センサであっても、樹脂注入段階が終了したのちに、電気コードの接続を行うような工程を採用すれば、適用に問題はない。
【0021】
本発明を、外殻ケースの後端部開口を塞ぐエンドプラグから電気コードが直接に引き出されたコード固定方式の近接センサに適用すれば、一実施形態としては、次のようになる。
【0022】
すなわち、好ましい実施の形態においては、近接センサの中間品は、部品搭載回路基板の後端部に設けられた接続用パッド部を外殻ケースの後端開口を塞ぐエンドプラグから突出させる一方、電気コードから引き出された芯線の導体を接続用パッド部に接続し、しかるのちに、エンドプラグの後端面と電気コードの外皮先端部との間を包囲するコードプロテクタを樹脂成型してなるコード固定方式の近接センサに対応するものとなる。
【0023】
具体的には、この近接センサの中間品は、筒状の外殻ケースと、外殻ケースの先端部開口を塞ぐ検知コイル組立体と、外殻ケースの後端部開口を塞ぐエンドプラグと、外殻ケース内にあってその後端部に設けられた接続用パッド部がエンドプラグを貫通して外部に突出する部品搭載回路基板と、を含み、かつ前記エンドプラグには、樹脂注ぎ口と空気逃し口とにそれぞれ対応する第1及び第2の開口と、それらの開口のそれぞれに連接される第1及び第2の樹脂溜め用ホッパとが一体的成型されたものとなる。
【0024】
このような構造の近接センサ中間品を前提として、次の第1乃至第4ステップにしたがって、処理が行われる。すなわち、第1ステップでは、先端部を下にして近接センサ中間品がほぼ直立する状態において、第2の樹脂溜め用ホッパから流動樹脂が溢れ出すまで、第1の樹脂溜め用ホッパから流動樹脂を外殻ケース内へと加圧注入する。続く第2ステップでは、外殻ケース内が流動樹脂にて満たされかつ第1及び第2の樹脂溜め用ホッパに流動樹脂が溜まった状態にある近接センサ中間品を遠心力印加装置に取り付けて、近接センサ中間品の先端方向へと遠心力を印加する。続く第3ステップでは、近接センサ中間品を遠心力印加装置から取り外して、外殻ケース内に注入充填された樹脂を硬化させる。続く第4ステップでは、外殻ケース内に注入充填された樹脂が硬化するのを待って、第1及び第2の樹脂溜め用ホッパを切除する。
【0025】
このような構成によれば、先端部を下にして近接センサ中間品がほぼ直立する状態において、第2の樹脂溜め用ホッパから流動樹脂が溢れ出すまで、第1の樹脂溜め用ホッパから流動樹脂を外殻ケース内へと加圧注入することにより、外殻ケース内に流動樹脂を取り敢えず迅速に注入することができる。しかるのち、遠心力が印加されることにより、流動樹脂は外殻ケース内の隅々にまで行き渡ることとなる。同時に、第1並びに第2の樹脂溜め用ホッパに貯留された樹脂は、外殻ケース内における流動樹脂の硬化収縮に連れて外殻ケース内へと戻されるので、外殻ケース内において流動樹脂の不足により隙間が生ずることもない。最後に、それら樹脂溜め用ホッパは切除されるので、後の組み立て工程を阻害することもない。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の好適な実施の一形態を添附図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面に示される実施形態は、言うまでもないが、本発明の一例を示すもものに過ぎず、本発明の範囲はあくまでも特許請求の範囲の記載により規定されるものである。
【0027】
周知のように、この種の近接センサには、図21(a)に示される電気コード着脱方式のものと、図21(b)に示される電気コード固定方式のものとが知られている。
【0028】
図21(a)において、100は近接センサ、101,102は締め付けナット、103は歯付座金、200は電気コード、201はコードプロテクタ、202はプラグホルダ、203はプラグ、204は袋ナットである。なお、1は近接センサ100のハウジングを構成する円筒状の外殻ケース、20は外殻ケース1の先端から突出するコイルケースである。電気コード着脱方式の近接センサにあっては、外殻ケース1側に固定されたレセプタクル(図示せず)と電気コード200側に固定されたプラグ203とを介して接離自在とされる。プラグとレセプタクルとの接続状態は、袋ナット204を外殻ケース1の外周ねじ部にねじ込むことで保持される。
【0029】
図21(b)において、300は近接センサ、301,302は締め付けナット、303は歯付座金、400は電気コード、401はコードプロテクタである。なお、1は近接センサ300の外殻ケースである。電気コード固定方式の近接センサにあっては、外殻ケース1の後端部を塞ぐエンドプラグ(図示せず)から電気コード400が引き出されたままの状態とされ、電気コード400を着脱することはできない。
【0030】
本発明の封止方法は、上述した電気コード着脱方式の近接センサと電気コード固定方式の近接センサとのいずれにも適用が可能である。そこで、先ず、電気コード着脱方式の近接センサにおける適用例を図1〜17を参照して詳細に説明する。
【0031】
本発明の封止方法が適用される近接センサの全体構成が図1の分解斜視図並びに図2乃至図4の各断面図により示されている。尚、図2(a)は図1に示される近接センサ100を組み立てた状態における縦断面図、図2(b)は近接センサ100の背面図(センサ後方から見た形状)、図3は図2(b)に示される近接センサ100のB−B線断面図、図4は図2(b)に示される近接センサ100のC−C線断面図である。
【0032】
図1に示されるように、この近接センサ100は、金属製の円筒状外殻ケース1内に、検出端モジュール2と、接続部材3と、出力回路組立体4と、コネクタを構成する端子ピン組立体5並びにレセプタクルケース6とを収容してなるものである。
【0033】
検出端モジュール2は、図2乃至図4に示されるように、コイル(コイルスプール)22aとフェライトコア22bとを含む検知コイル組立体22と、この検知コイル組立体22と電気的に接続される検知回路組立体21とを合成樹脂製の有底円筒状コイルケース20内に収容してなる。
【0034】
検知コイル組立体22のコイルスプール22aには更に、一対の金属製端子片23a、23bが突設されている(図4参照)。検知回路組立体21は、コイル22aを共振回路要素とする発振回路を含んで当該発振回路の発振状態に応じた一定形態の物体検知信号を生成する検知回路が長方形基板に実装された検知回路搭載基板であり、図4に示される端子部21a,21bに検知コイル組立体22の金属製端子片23a,23bがそれぞれ半田付けされることで、検知回路組立体に支持されるとともに電気的接続が施されている。検出端モジュール2は、上述のような構成とされ、コイルケース20を介して外殻ケース1の前端部に圧入内嵌される。
【0035】
尚、図中符号24で示されるのは、コイルケース20の前端周縁部に圧入外嵌されたマスク部材であり、この例では、このマスク部材20が取り付けられることにより、外殻ケース1の有無が検知特性にあまり影響しないようにした(特性完結した)検出端モジュール2が実現されている。尚、この特性完結については本発明の要部と直接関係しないため、ここでの詳細説明は省略する。
【0036】
次に、接続部材3は、ポリイミドを基材とし、その上に検知回路組立体21と出力回路組立体4とを電気的に接続するために必要な本数の平行な配線パターンが形成されたフレキシブル基板である。接続部材3は、この例では、検知回路組立体21並びに出力回路組立体4にそれぞれ設けられた図示しない端子パッド部に半田又は導電性接着材を使用して熱圧着され、双方を橋渡しして電気的に接続し、それにより検知回路組立体21と出力回路組立体4との間の電源の供・受給並びに物体検知信号の入出力を可能としている。
【0037】
次に、出力回路組立体4は、接続部材3を介して検知回路組立体21から入力される物体検知信号に基づいて出力素子を駆動する出力回路が長方形硬質基板に実装された出力回路搭載基板である。より具体的には、この出力回路組立体には、論理回路と、出力制御回路と、出力トランジスタとが組み込まれており、入力された物体検知信号を論理回路を介して論理処理した後、出力制御回路を介して出力トランジスタを動作させることにより、後に詳細に説明する端子ピン組立体5から物体検知信号に基づく所望形式の信号が外部へと出力されるように構成されている。
【0038】
尚、図1又は図4において符号41で示されるのは、端子ピン組立体5の端子ピンが半田付けされる端子パッド部であり、図には明示されていないが、端子ピン組立体5の端子ピンの数(この例では4本)に対応して表裏にそれぞれ2つずつ(計4つ)設けられている。
【0039】
次に、電気コード側のプラグとの着脱に使用されるレセプタクルの構成について順を追って説明する。本発明の近接センサに適用されるレセプタクルは、図1乃至図4に示されるように、端子ピン組立体5と筒状のレセプタクルケース6とから構成されている。
【0040】
端子ピン組立体の詳細が図5の全体斜視図、図6の平面図並びに図7の断面図により示されている。尚、図5乃至図7には、後述するパイプ切り離し前におけるパイプ付きの端子ピン組立体5が示されている。また、図6(a)はパイプ付きの端子ピン組立体5の前端面の形状(出力回路組立体4に向けられる面の形状)を、図6(b)はパイプ付きの端子ピン組立体5の後端面の形状(レセプタクルケース6に向けられる面の形状)を、図7は図5に示されるパイプ付きの端子ピン組立体5におけるD−D断面図をそれぞれ示している。
【0041】
図1に示されるように、端子ピン組立体5は、同一形状の4本の端子ピン51を円盤状基部であるピンホルダ部50に挿通してなるものである。図5乃至図7に示される端子ピン組立体5は、後述するパイプ切り離し前の状態のものであり、レセプタクル内蔵の端子ピンとなる4本のピン51と、それら4本のピン51を束ねて貫通保持するピンホルダ部50と、ピンホルダ部50の中央貫通孔500に連結される切除予定の樹脂注入パイプ部52とを有する。尚、ピンホルダ部50とパイプ部52とは、樹脂一体成型品として製造されるものである。
【0042】
図6(a)に示されるように、ピンホルダ部50の前端面には、それぞれ縦方向並びに横方向に一列に並ぶ二対の嵌合溝501−501,502−502が設けられている。センサ組立時には、いずれか一対の嵌合溝(501−501又は502−502)に出力回路組立体4の基板42の側縁部(図2参照)が嵌めこまれ、これにより、ピンホルダ部50(端子ピン組立体5)が出力回路組立体4に対しておおよそ位置決めされる。その後、後述するように、端子ピン51を出力回路組立体4に半田付けすることで、端子ピン組立体5が出力回路組立体4に固定される。
【0043】
また、図6(b)に示されるように、ピンホルダ部50の後端面には、後に詳細に説明するレセプタクルケース6との接合部となる一組の切り欠き503−503が設けられている。
【0044】
図7に示されるように、樹脂注入パイプ部52は、ピンホルダ部50の貫通孔500に連設され、後述する樹脂充填時の樹脂流入経路を形成する貫通孔(中空部)520を有すると共に、外周面には後述する治具に係止するための一対の突起52a,52bが設けられている。図7において拡大して示されるように、ピンホルダ部50とパイプ部52との連結部53は肉厚が薄く、ピンホルダ部50を固定した状態でこの突起52a,52bをつまんでパイプ52を軸周りに回転させれば(捻れば)、ピンホルダ部50からパイプ52を容易に切り離すことが可能とされている。
【0045】
4本の端子ピン51は、電気コード側に接続される図示しない外部プラグと出力回路組立体5とを電気的に接続するものであり、ピンホルダ部50により互いに平行に整列保持されている。この例では、外部プラグとの接続端部51bよりも検知回路組立体5との接続端部51aを若干細く成形して、途中に段部(図4参照)を設けることで、ピンホルダ部50に端子ピン51を挿通して端子ピン組立体5を組み立てる際の端子ピンの抜け止めが図られている。尚、各端子ピン51の接続端部51aは、先に説明した出力回路組立体4の端子部41に半田付けされ、これにより出力回路組立体4と端子ピン組立体5との電気的接続がなされる。
【0046】
レセプタクルケース6の詳細が図8の断面図、図9の斜視図、図10の平面図より示されている。尚、図8は図1に示されるレセプタクルケースの拡大図、図9(a)はレセプタクルケースを斜め後方から見た形状を、図9(b)はレセプタクルケース6を斜め前方から見た形状を、図10(a)はレセプタクルケースを後方から見た形状を、図10(b)はレセプタクルケース6を前方から見た形状をそれぞれ示している。
【0047】
レセプタクルケース6は、後端部に鍔部60を有する円筒体であり、外殻ケース1の後端部に圧入されて外部プラグと端子ピン組立体5とを外殻ケース1に支持する。鍔部60の一部分は、外殻ケース1に圧入される際、外殻ケース1の後端部に設けられた切り欠き11(図1参照)に嵌合される嵌合部60aを構成しており、この嵌合部60aを使用して圧入時の外殻ケースへの位置決めがなされる。また、レセプタクルケース6には、中央部内周を一回りするように設けられた隆起部61を有し、この隆起部61の内周面に囲まれる空間がピンホルダ部50が圧入される接合部としての収容スペース64(図8参照)を構成している。すなわち、隆起部61は、収容スペース64の内径がピンホルダ部50の外径とほぼ等しくなるように形成されており、また、この隆起部61の内周面には、互いに対峙する一対の突片61a,61bが設けられ、この突片61a,61bをピンホルダ部50の切り欠き503,503に嵌め合わせると同時にピンホルダ部50を収容スペース64に圧入することで、レセプタクルケース6に対してピンホルダ部50(端子ピン組立体4)が一体化される(図1等参照)。
【0048】
また、レセプタクルケース6の内部空洞は、隆起部61(収容スペース64)を挟んで、前方空洞62と後方空洞63とに区画されている。後方空洞63はプラグの差込口を構成しており、端子ピン組立体4の端子ピン51が配置される(図1参照)。尚、図8乃至図10において符号65で示されるのは、プラグ差込口63内に差し込まれたプラグの軸廻りの動きを防止するためのレール状突部であり、図示しないプラグに設けられた所定溝と嵌合される。
【0049】
本実施形態における近接センサの組立手順が図11のフローチャートに示されている。同フローチャートに示されるように、本実施形態においては、まず、出力回路組立体4と端子ピン組立体5(パイプ付)が電気的に接続される(工程1101)。その際には、先述したように、先ず、ピンホルダ部50に設けられた一対の嵌合溝(501,501又は502,502(図6参照))に出力回路組立体4の基板42の側縁部(図2参照)を嵌めこみ、ピンホルダ部50(端子ピン組立体5)を出力回路組立体4に対しておおよそ位置決めする。その後、端子ピン51の各接続端部51a(図5参照)を、出力回路組立体4に設けられた各端子部41に半田付けする。これにより、端子ピン組立体5が出力回路組立体4に対してぐらつくことなく取り付けられ、かつ電気的に接続される。
【0050】
次に、検出端モジュール2と出力回路組立体4を、接続部材3により橋渡しして接続する(工程1102)。この接続は、接続部材3の両縁部を、検知回路組立体21並びに出力回路組立体4にそれぞれ設けられた図示しない端子パッド部に半田又は導電性接着材を使用して熱圧着することで行われる。これにより、検出端モジュール2、接続部材3、出力回路モジュール4、並びにパイプ付端子ピン組立体5が一連に接続された電気的接続完了品(組立途中品)が得られる。
【0051】
次に、上述の電気的接続完了品を、パイプ付端子ピン組立体5を先頭にして外殻ケース1の前端開口から外殻ケース1内に挿入するとともに、検出端モジュール2を外殻ケース1に圧入し、電気的接続完了品を外殻ケースに取り付ける(工程1103)。尚、この状態にあっては、電気的接続完了品は、検出端モジュールの側で外殻ケース1に取り付けられたのみであるため、もう一方側の端子ピン組立体5は、接続部材3の伸縮許容範囲内で、外殻ケース1に対して自由な位置に動かすことができる。
【0052】
次に、外殻ケース1の後端開口から、パイプ付端子ピン組立体5のパイプ52を引き出し、このパイプ52をレセプタクルケース6の前端開口から挿入する(工程1104)。尚、図1と図7を参照して明らかなように、パイプ52の長手方向の全長は、レセプタクルケース6の長手方向の全長の2倍程度とされている。従って、この例では、ピンホルダ部50をレセプタクルケース6の収容スペース64に圧入する前の状態で、パイプ52の突起片52a−52bをレセプタクルケース6の後端開口から引き出すことができる。
【0053】
次いで、レセプタクルケース6をパイプ52が挿入されたままの状態で外殻ケース1の後端開口から挿入し、外殻ケース1に圧入する(工程1105)。これにより、検出端モジュール2、接続部材3、出力回路組立体4、端子ピン組立体5並びにレセプタクルケース6が外殻ケース1内に収容される。
【0054】
次いで、レセプタクルケース6の後端開口から突出されたパイプ52を操作して、外殻ケース内に収容されたピンホルダ部50を、レセプタクルケース6の収容スペース40にあてがって、引っ張ることで、端子ピン組立体5がレセプタクルケース6に圧入され(工程1106)、これにより、すべてのセンサ部品が外殻ケース1に対して位置決めして取り付けられた状態の完成途中品(近接センサの中間品)が得られる。
【0055】
次いで、この完成途中品の外殻ケース1内に樹脂を充填する封止処理が行われる(工程1107)。この封止処理は、先に説明したように、パイプ52の貫通孔520とピンホルダ部50の貫通孔500とにより形成される樹脂流入経路を通じて行われる。より具体的には、パイプ52の貫通孔520に、樹脂受け口と樹脂流出ノズルとからなるロート型の樹脂注入用ホッパ(図示せず)のノズルを差し込み、この樹脂注入用ホッパの樹脂受け口に所定量の充填樹脂を注ぎ込む。その後、このホッパ一体型完成途中品を徐々に傾けて水平状態に移行させつつ、ホッパを中心側へと向けて垂直軸廻りに回転させる。これにより、遠心力が加わり、ホッパ並びに端子ピン組立体5の樹脂流入経路を通じて、外殻ケース1内に樹脂が流入されると共に、外殻ケース1内の空気が排出され、これにより外殻ケース1内にほとんど空気を残留させずに樹脂を充填させることができる。このため、本実施形態に示される外殻ケース1には樹脂充填のための空気排出用ダクト等が不要とされている。
【0056】
次に、電気コード着脱方式の近接センサにおける封止方法を図12〜図16を参照して詳細に説明する。コード着脱方式の近接センサに適用された封止処理を示すフローチャートが図12に示されている。同図に示されるように、本発明の封止方法においては、まず組立が完了した近接センサの中間品に対して所定の治具を装着し(ステップ1201)、続いてこの治具を利用して近接センサの中間品と樹脂溜め用ホッパとを連結する(ステップ1202)。
【0057】
近接センサと、ホッパと、それらを結合保持する治具との関係を説明する分解斜視図が図13に示されている。同図において、100は組立が完了した中間品である近接センサ、7は樹脂溜め用ホッパ、8は治具の第1ハーフ、9は治具の第2ハーフであり、それらの2つのハーフ8,9を向かい合わせに結合することで、近接センサ100と樹脂溜め用ホッパ7とを連結するための治具が構成される。
【0058】
すなわち、この治具はそれぞれ半割円筒形状をなす第1ハーフ8と第2ハーフ9とを含んでいる。治具の第1ハーフ8には、上から順に、円筒状内壁81と、円錐状内壁82と、開口83と、小径溝84と、透孔85と、大径溝88とが設けられている。同様にして、治具の第2ハーフ9にも、同様な円筒状内壁91と、円錐状内壁92と、開口93と、小径溝94と、透孔95と、大径溝98とが設けられている。加えて、第1ハーフ8の側にはピン86,87が突出して設けられ、これと対向する治具の第2ハーフ9には、それらのピン86,87が挿入される透孔96,97が設けられる。
【0059】
更に、第1ハーフ8及び第2ハーフ9の互いに対向する位置には、薄板状規制片10を挿入するための透孔85,95がそれぞれ設けられている。薄板状規制片10は、樹脂注入パイプ82の突起52b,52bと係合して、近接センサ100の抜け止めを行うものである。この薄板状規制片10には、切込み溝10aを挟んで、左側分岐指部10b及び右側分岐指部10cが形成されている。切込み溝10aの幅は、樹脂注入パイプ52の外径よりも僅かに大きく設定されている。
【0060】
また、小径溝84,94の幅は、樹脂注入パイプ52の外径よりも僅かに大きく設定され、同時に大径溝88,98の幅は、近接センサ100の後部大径部分の外径よりも僅かに大きく設定されている。そのため、近接センサ100の中間品において、樹脂注入パイプ52が小径溝84,94に、また近接センサ100の外殻ケース1の大径部分が大径溝88,98に嵌り込むようにして、第1ハーフ8と第2ハーフ9とを向かい合わせの状態で結合すれば、第1ハーフ8側から突出するピン86,87が、第2ハーフ9側の透孔96,97に挿入されることによって、両者はしっかりと位置決め固定される。
【0061】
しかる後、第2ハーフ9側から第1ハーフ8側へと、透孔95,85の中に、薄板状規制片10を差し込めば、左側分岐指部10bと右側分岐指部10cとの間に形成された切込み溝10a内に樹脂注入パイプ52が挿入されると同時に、樹脂注入パイプ52の突起52b,52bが薄板状規制片10の左側分岐指部10bと右側分岐指部10cとに係合して、樹脂注入パイプ52は近接センサ100の先端方向への動きを規制され、抜け止め固定される。
【0062】
この状態においては、第1ハーフ8側の円筒状内壁81と第2ハーフ9側の円筒状内壁91とが対向し、さらに第1ハーフ8側の円錐状内壁82と第2ハーフ9側の円錐状内壁92とが対向することによって、樹脂溜め用ホッパ7を収容するための空所が形成される。
【0063】
一方、樹脂溜め用ホッパ7は、上から順に、円筒部71と、円錐部72と、直管部73と、開口74とを有する。このような漏斗状ホッパ7は、先ほど述べた両円筒状内壁81,91及び円錐状内壁82,92とで形成される空所にぴったりと嵌り込む。樹脂溜め用ホッパ7が嵌り込んだ状態では、直管部73の下端開口74は、樹脂注入パイプ52の上端開口520とぴったりと整合し両者はしっかりと嵌合する。これにより、樹脂溜め用ホッパ7から樹脂注入パイプ82を経由して、近接センサ100の外殻ケース1内へ通ずる樹脂の流入経路が完成する。
【0064】
図12のフローチャートに戻って、次の工程では、樹脂溜め用ホッパ7内に樹脂の注ぎ込みが行われる。注ぎ込まれる流動樹脂の量は、近接センサ100の内部に形成される空所の容量よりも僅かに多めの量とされる。これは、樹脂が硬化して収縮した際に、その収縮分をホッパ7内に溜まった流動樹脂で補うことができるためである。また、流動樹脂としては、この例では、熱硬化性樹脂(例えば、熱硬化性ウレタン樹脂等)が採用される。注ぎ込む樹脂の量はラフでよいため、樹脂抽出装置のノズルからおおよその量を樹脂溜め用ホッパ7内に吐出すればよいので、さほど工程を精密に管理する必要はない。もちろん、樹脂溜め用ホッパ7内に流動樹脂を吐出する際には、近接センサ100並びに樹脂溜め用ホッパ7は直立もしくはほぼ直立した状態に支持することが好ましい。
【0065】
次の工程では、図14及び図15に示されるように、治具8,9を介して近接センサ100と樹脂溜め用ホッパ7とを結合してなる組立体を遠心力印加装置にセットする(ステップ1204)。図15に示されるように、遠心力印加装置100は、モータ131と、モータ131の回転力により軸を垂直にして回転する回転軸132と、回転軸132の上端部に取り付けられた水平な旋回アーム133と、旋回アーム133の両端部に揺動自在に吊り下げられた揺動容器110とを含んでいる。揺動容器110の支軸111は、旋回アーム133の描く回転軌跡の接線方向へ向けられている。そのため、モータ131が起動されて回転軸132が回転すると、図中仮想線で示されるように、揺動容器110は次第に遠心力で傾き始め、規定の最高回転速度においては、符号11aに示されるように水平な姿勢のまま回転を継続することとなる。
【0066】
一方、図14に示されるように、揺動容器110内には、近接センサ100がその先端部を垂直下向きとした状態で、装着される。なお、図において、120は支軸111の回転中心線である。また、この図からは、先ほど説明したように、樹脂注入パイプ52の突起52b,52bが、左側分岐指部10b,右側分岐指部10cに係合して、樹脂注入パイプ52が抜け止め固定されている状態が示されている。
【0067】
次の工程では、遠心力印加装置130においてモータ131が起動され、近接センサ100並びに樹脂溜め用ホッパ7内の流動樹脂に対し、近接センサ100の先端方向への遠心力の印加が行われる(ステップ1205)。先に説明したように、治具8,9を介して近接センサ100と樹脂溜め用ホッパ7とを結合してなる組立体を、揺動容器110内に近接センサ100の先端が下を向くようにして装着し、しかる後、モータ131が起動されて、旋回アーム133が所定速度で旋回すると、図15に示されるように、揺動容器110は回転数の増加と共に次第に水平方向へと姿勢を変えて高速回転を行い、その結果、樹脂溜め用ホッパ7に吐出された流動樹脂は、図16に示されるように、樹脂注入用パイプ52並びにピンホルダ部50の貫通孔500を通って外殻ケース1内へと強制的に注入される。すると、外殻ケース1内においては、流動樹脂と空気の質量差の関係から、外殻ケース1内の空隙を満たす空気と注ぎ込まれた流動樹脂との交換が強制的に行われ、同時に、交換により空隙から退けられた空気は、流動樹脂の注ぎ込みに使用された経路を逆にたどって、樹脂溜め用ホッパ7から大気へと放出される。
【0068】
すなわち、本発明によれば、検知コイル組立体22並びに部品搭載回路基板(検知回路組立体21及び出力回路組立体4)を外殻ケース1内に組み込んでなる近接センサ中間品に対して、外殻ケース先端方向へと遠心力を印加させながら、外殻ケース1の後部に設けられた開口500から流動樹脂を注ぎ込むことにより、流動樹脂と空気との質量差を利用して、外殻ケース1内の空隙を満たす空気と注ぎ込まれた流動樹脂との交換を強制的に行わせ、同時に、交換により空隙から退けられた空気を、流動樹脂の注ぎ込みに使用された開口500それ自体から自然に排出させるようにしているのである。
【0069】
このような構成によれば、外殻ケース1内に注入された流動樹脂は、遠心力で外殻ケース1内の先端方向へと強制的に移送されるので、流動樹脂を外殻ケース内の隅々まで緊密に注入して、内蔵回路部品等を確実に封止できる。一方、外殻ケース1内の空隙を満たす空気と注ぎ込まれた流動樹脂との交換により空隙から退けられた空気は、流動樹脂の注ぎ込みに使用された開口500それ自体から自然に排出されるため、空気抜きのために専用の空気排出経路を設けることが不要となり、その分だけ関連部品の構造が簡素化されて、製品のコストダウンに資するものである。
【0070】
さらに、図16に示されるように、レセプタクルケース6内において、中心方向へ突出する隆起部61の先端突部61aと、樹脂注入用パイプ52の基部に位置するピンホルダ部50から半径方向外方へ突出する先端突部50aとが係合して両者の抜け止めが行われるのであるが、その際に、レセプタクルケース6側の内周突部61aとピンホルダ部50側の外周突部50aとが当接する段部の当接面には、遠心力F1の作用と共に、図中矢印A1,A2に示されるように、両突部61a,50a間の隙間を狭める方向へと力が作用するため、これらの隙間から樹脂は漏れ出すことがない。つまり、遠心力印加装置の回転数が増大して、遠心力F1が増大すればするほど、矢印A1,A2に示されるように、両者の隙間が一層狭められる方向へ作用するため、特別なシール構造等を採用せずとも、それらの隙間から流動樹脂が漏れ出す虞れを未然に防止することができる。なお、本発明の円心力を利用した樹脂注入方法にあって、外殻ケース1内へ注入された樹脂に加えられる遠心力は、1.4N〜32.7N程度が好ましいとの結果が得られた。また、遠心力を印加する時間は、外殻ケース1内に注ぎ込まれた流動樹脂が、外殻ケース1内の予定された空隙に充填される時間であれば足りる。
【0071】
続いて、図12に戻って、遠心力の印加工程が終了したならば、遠心力印加装置130から近接センサ100並びに樹脂溜め用ホッパ7の組立体を取り出し(ステップ1206)、しかる後、近接センサ100と樹脂溜め用ホッパ7とが結合されたまま、組立体を所定の高温槽に挿入して、熱を与えることにより、硬化するのを待つ(ステップ1207)。先に説明したように、流動樹脂としては、熱硬化性ウレタン樹脂が採用されているため、高温槽における加熱によって、所定時間後に、流動樹脂を硬化させることができる。
【0072】
こうして、流動樹脂が硬化されたならば、樹脂溜め用ホッパ7と共に樹脂注入パイプ52をねじることによって、樹脂注入パイプ52の基部の脆弱部分において、樹脂注入パイプ52ごとホッパ7をねじ切ることができる(ステップ1208)。これにより、外殻ケース1内へ樹脂を注入しこれを硬化することによって、封止工程が完了する。
【0073】
次に、本発明の封止方法をコード固定式近接センサの封止処理に適用された例を図17〜図20を参照しながら詳細に説明する。コード固定式近接センサの封止処理を示すフローチャートが図17に示されている。同図に示されるように、まず最初の工程では、ホッパ内に樹脂を加圧注入する(ステップ1701)。
【0074】
図19に示されるように、この例に示されたコード固定式近接センサにあっては、外殻ケース1の後端部開口はエンドプラグ部160で塞がれると共に、このエンドプラグ部160からは出力回路基板43の後端部43aが突出されている。そしてこの突出部には、後述するように、電気コードから引き出された芯線の導体を接続するための接続用パッド部41が設けられている。また、このエンドプラグ部160には、基板後端部43aを挟んで対向するようにして、第1の開口160aと第2の開口160bとが設けられている。さらに、第1の開口160aにはこれと連通する第1ホッパ部141が一体成形されると共に、第2の開口160bにもこれと連通する第2ホッパ部142が一体成形されている。つまり、このエンドプラグ部160には、第1ホッパ部141と第2ホッパ部142とが一体的に形成されている。これらホッパ部141,142の容量は、この例では外殻ケース1内の空隙を満たすには不十分なサイズとされている。なお、同図において、図1〜図16に示された各部材と同一構成箇所については同符号を付して説明は省略する。
【0075】
以上の構成において、樹脂射出装置の射出ノズル150を第1ホッパ141に密着させて、樹脂を第1ホッパ141内へと送り込むと、送り込まれた流動樹脂は、矢印A3に示されるように第1の開口160aを通って、外殻ケース1内へと強制的に注ぎ込まれる。同時に、外殻ケース1内に存在した空気は、矢印A4に示されるように、第2の開口160bを通って、第2ホッパ部142から大気へと放出される。尤も、この加圧注入によっては、外殻ケース1内の微細な空隙に対して樹脂を緊密に注入することはできない。すなわち、射出ノズル150からの圧力のみで、外殻ケース1内の細かな隙間にも緊密に樹脂をまんべんなく注入することはなかなか困難である。殊に、外殻ケース1とコイルケースとの隙間や、回路基板と各種の電子部品の隙間などにまんべんなく樹脂を行き渡らせることはなかなか難しく、これを放置した場合、封止不十分によって、油や水の浸入を招き、特性劣化の原因となる。なお、射出ノズル150からの樹脂の加圧注入に際しては、第1ホッパ部141から注入された樹脂が、第2ホッパ部142から溢れ出すのを待って、樹脂の注入を完了する。
【0076】
続いて、図17に示されるように、こうして外殻ケース1内に樹脂が一応満たされた近接センサを遠心力印加装置にセットする(ステップ1702)。ここで、遠心力印加装置の構成については、図14及び図15を介して先に十分に説明したため重複説明は省略する。
【0077】
続いて、次の工程では、遠心力印加装置を起動してセットされた近接センサに遠心力を印加する(ステップ1703)。すると、先の例と同様にして、外殻ケース1内に満たされた樹脂に対して、近接センサの先端方向へと遠心力が印加され、注入された樹脂は外殻ケース1内の細かな隙間に入り込み、同時にそれら隙間から退けられた空気は、樹脂と空気の質量差によって外殻ケース1の後端側へと移動し、第1の開口160a又は第2の開口160bを通って第1ホッパ部141又は第2ホッパ部142から大気へと放出される。つまり、この例にあっては、樹脂の加圧注入時にあっては、第1ホッパ部141は樹脂の注入のために、第2ホッパ部142は空気の排出のために利用される一方、遠心力を印加して外殻ケース1内に樹脂をまんべんなく行き渡らせる工程においては、第1ホッパ部141並びに第2ホッパ部142はいずれも排気用に供されることとなり、外殻ケース1内から生じた空気を大気中へと自然排気させることができる。
【0078】
しかる後、図17に示されるように、遠心力印加装置から近接センサを取り出し(ステップ1704)、それを高温槽に挿入して注入された樹脂を硬化させ(ステップ1705)、硬化が完了するのを待って、第1ホッパ部141,第2ホッパ部142を、その基部から切除して(ステップ1706)、封止処理を完了する。
【0079】
しかる後、図20に示されるように、電気コード400から引き出された芯線400−1,400−2の導体400−1a,400−2aを、出力回路基板43の後端部43aに設けられた接続用パッド部41に半田付けし、最後にコードプロテクタ401を樹脂成形技術を用いて形成すれば、コード固定方式の近接センサが完成する。
【0080】
ところで、図18および図19に示された第1ホッパ部141および第2ホッパ部142の容量は、外郭ケース1内の空隙を満たすには不十分なサイズであったが、両ホッパの合計容量を外郭ケース1内の空隙を満たすのに十分な大きさとすれば、コード固定式近接センサについても、図1〜16を用いて説明したのと同様に、遠心力を印加する前に両ホッパに流動樹脂を溜めておき、遠心力を印加してホッパ内の樹脂を外郭ケース内に注入する方法を実施することができる。2つのホッパを用いる代わりに、外郭ケース1内の空隙を満たすのに十分な容量を有する単一のホッパを用いることもできる。この近接センサの封止方法は次のように記述される。
【0081】
すなわち、検知コイル組立体並びに部品搭載回路基板を外殻ケース内に組み込んでなる近接センサ中間品に対して、外殻ケース先端方向へと遠心力を印加させながら、外殻ケース後部に設けられた開口から流動樹脂を注ぎ込むことにより、流動樹脂と空気との質量差を利用して、外殻ケース内の空隙を満たす空気と注ぎ込まれた流動樹脂との交換を強制的に行わせ、同時に、交換により空隙から退けられた空気を、流動樹脂の注ぎ込みに使用された開口それ自体から自然に排出させるようにしている。
【0082】
近接センサの中間品は、部品搭載回路基板の後端部に設けられた接続用パッド部を外殻ケースの後端開口を塞ぐエンドプラグから突出させる一方、電気コードから引き出された芯線の導体を接続用パッド部に接続し、しかるのちに、エンドプラグの後端面と電気コードの外皮先端部との間を包囲するコードプロテクタを樹脂成型してなるコード固定方式の近接センサに対応するものとなる。
【0083】
具体的には、この近接センサの中間品は、筒状の外殻ケースと、外殻ケースの先端部開口を塞ぐ検知コイル組立体と、外殻ケースの後端部開口を塞ぐエンドプラグと、外殻ケース内にあってその後端部に設けられた接続用パッド部がエンドプラグを貫通して外部に突出する部品搭載回路基板と、を含み、かつ前記エンドプラグには、開口と、その開口に連接される樹脂溜め用ホッパとが一体的成型されたものとなる。
【0084】
このような構造の近接センサ中間品を前提として、次の第1乃至第4ステップにしたがって、処理が行われる。すなわち、第1ステップでは、先端部を下にして近接センサ中間品がほぼ直立する状態において、外殻ケース内空隙の容量を幾分超える程度の量だけ、樹脂溜め用ホッパ内に流動樹脂を吐出させる。続く第2ステップでは近接センサ中間品を遠心力印加装置に取り付けて、近接センサ中間品の先端方向へと遠心力を印加する。続く第3ステップでは、近接センサ中間品を遠心力印加装置から取り外して、外殻ケース内に注入充填された樹脂を硬化させる。続く第4ステップでは、外殻ケース内に注入充填された樹脂が硬化するのを待って、樹脂溜め用ホッパを切除する。
【0085】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の近接センサの封止方法によれば、外殻ケース内に注入された流動樹脂は、遠心力で外殻ケース内の先端方向へと強制的に移送されるので、流動樹脂を外殻ケース内の隅々まで緊密に注入して、内蔵回路部品等を確実に封止できる。一方、外殻ケース内の空隙を満たす空気と注ぎ込まれた流動樹脂との交換により空隙から退けられた空気を、流動樹脂の注ぎ込みに使用された開口それ自体から自然に排出されるため、空気抜きのために専用の空気排出経路を設けることが不要となり、その分だけ関連部品の構造が簡素化されて、製品のコストダウンに貢献する。
【0086】
また、本発明の近接センサの封止方法によれば、外殻ケース後部に設けられた第1の開口から流動樹脂を加圧しながら注ぎ込みつつ、外殻ケース後部に設けられた第2の開口から退けられた空気を逃すことにより、外殻ケース内へ流動樹脂を取りあえず充填する作業については加圧注入装置を使用して迅速に行うことができる。一方、外殻ケースの隅々にまで流動樹脂を入り込ませる工程については、これを遠心力印加装置を使用して確実に行わせることができる。このとき、外殻ケース内の空隙を満たす空気と注ぎ込まれた流動樹脂との交換により空隙から退けられた空気は、流動樹脂の注ぎ込みに使用された開口並びに樹脂の排出のために使用された開口の双方から自然に排出されるため、外殻ケース内の空気の吸引を行うよりも簡単な工程でより確実に空気を排出することができる。また、遠心力を印加するときにはすでに外殻ケース内に流動樹脂が充填されているので、遠心力を印加する工程においては、大型のホッパのような流動樹脂を注入するための構造を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コード着脱式近接センサの分解斜視図である。
【図2】コード着脱式近接センサの内部構造を示す図である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】図2のC−C線断面図である。
【図5】端子ピン組立体(パイプ付)の構造を示す全体斜視図である。
【図6】端子ピン組立体(パイプ付)の端面図である。
【図7】図5のD−D線断面図である。
【図8】レセプタクルの構造を示す断面図である。
【図9】レセプタクルの構造を示す斜視図である。
【図10】レセプタクルの構造を示す図である。
【図11】近接センサの生産方法を示すフローチャートである。
【図12】コード着脱式近接センサの封止処理を示すフローチャートである。
【図13】近接センサと、ホッパと、それらを結合保持する治具との関係を説明する分解斜視図である。
【図14】遠心力印加装置の揺動容器内にホッパ付近接センサを収容した状態の説明図である。
【図15】遠心力印加装置の構成を説明するための概念図である。
【図16】遠心力印加時の樹脂漏れ阻止作用の説明図である。
【図17】コード固定式近接センサの封止処理を示すフローチャートである。
【図18】コード固定式近接センサの組立完成(封止直前)の状態を示す図である。
【図19】コード固定式近接センサの組立完成(封止直前)の状態を示す断面図である。
【図20】コード固定式近接センサのコードプロテクタ成形後の状態を示す図である。
【図21】近接センサの電気コード形式種別の説明図である。
【符号の説明】
1 外殻ケース
2 検出端モジュール
3 接続部材
4 出力回路組立体
5 端子ピン組立体
6 レセプタクルケース
7 樹脂溜め用ホッパ
8 治具の第1ハーフ
9 治具の第2ハーフ
10 薄板状規制片
10a 切込み溝
10b 左側分岐指部
10c 右側分岐指部
11 切り欠き
20 コイルケース
21 検知回路組立体
22 検知コイル組立体
22a コイル
22b フェライトコア
23 端子片
24 マスク導体
41 端子部
42 側縁部
43 出力回路基板
43a 出力回路基板の後端部
50 ピンホルダ部
50a ピンホルダの外周突部
51 端子ピン
51a,51b 接続端部
52 樹脂注入用パイプ
52b 係止突起
60 鍔部
60a 嵌合部
61 隆起部
61a 隆起部の内周突部
62 前方空洞
63 後方空洞(プラグ差込口)
64 収容スペース
65 シール状突部
71 円筒部
72 円錐部
73 直管部
74 開口
81 円筒状内壁
82 円錐状内壁
83 開口
84 小径溝
85 透孔
86,87 ピン
88 大径溝
91 円筒状内壁
92 円錐状内壁
93 開口
94 小径溝
95 透孔
96,97 透孔
98 大径溝
110 揺動容器
111 支軸
120 中心線
130 遠心力印加装置
131 モータ
132 回転軸
133 旋回アーム
141 第1ホッパ部
142 第2ホッパ部
150 射出ノズル
160 エンドプラグ部
160a 第1の開口
160b 第2の開口
400 電気コード
400−1,400−2 芯線
400−1a,400−2a 導体
401 コードプロテクタ
500 貫通孔
501,502 嵌合溝
520 貫通孔(開口)
F1 遠心力を示す矢印
A1,A2 樹脂漏れ隙間に作用する力を示す矢印
A5 排気される空気を示す矢印

Claims (5)

  1. 検知コイル組立体並びに部品搭載回路基板を外殻ケース内に組み込んでなる近接センサ中間品に対して、外殻ケース先端方向へと遠心力を印加させながら、外殻ケース後部に設けられた開口から流動樹脂を注ぎ込むことにより、流動樹脂と空気との質量差を利用して、外殻ケース内の空隙を満たす空気と注ぎ込まれた流動樹脂との交換を強制的に行わせ、同時に、交換により空隙から退けられた空気を、流動樹脂の注ぎ込みに使用された開口それ自体から自然に排出させる、ことを特徴とする近接センサの封止方法。
  2. 検知コイル組立体並びに部品搭載回路基板を外殻ケース内に組み込んでなる近接センサ中間品に対して、外殻ケース後部に設けられた第1の開口から流動樹脂を加圧しながら注ぎ込みつつ、外殻ケース後部に設けられた第2の開口から退けられた空気を逃すことにより、外殻ケース内に流動樹脂を満たし、しかるのち、流動樹脂で満たされた近接センサ中間品に対して外殻ケース先端方向へと遠心力を印加させることより、流動樹脂と空気との質量差を利用して、外殻ケース内の細隙を満たす空気と流動樹脂との位置交換を強制的に行わせ、同時に、位置交換により細隙から退けられた空気を、外殻ケース後部に設けられた第1及び第2の開口から自然に排出させる、ことを特徴とする近接センサの封止方法。
  3. 前記近接センサ中間品が、外殻ケース側に固定されたレセプタクルと電気コード側に固定されたプラグとを介して接離自在とされた電気コード着脱方式の近接センサに対応するものであって、
    筒状の外殻ケースと、外殻ケースの先端部開口を塞ぐ検知コイル組立体と、外殻ケースの後端部開口を塞ぐ端子ピン内蔵レセプタクルと、外殻ケース内にあって検知コイル組立体と端子ピン内蔵レセプタクルとの間に配置される部品搭載回路基板と、を含み、かつ前記端子ピン内蔵レセプタクルには、樹脂注ぎ口と空気逃し口とに兼用される開口が設けられており、
    前記方法が、
    近接センサ中間品の後端部に樹脂溜め用ホッパが位置するようにして両者を所定の治具にて結合させ、樹脂溜め用ホッパの流出側の開口と端子ピン内蔵レセプタクルの注入排気兼用の開口とを連通させる第1ステップと、
    先端部を下にして近接センサ中間品がほぼ直立する状態において、外殻ケース内空隙の容量を幾分超える程度の量だけ、樹脂溜め用ホッパ内に流動樹脂を吐出させる第2ステップと、
    近接センサ中間品と樹脂溜め用ホッパとの結合体を遠心力印加装置に取り付けて、近接センサ中間品の先端方向へと遠心力を印加する第3ステップと、
    近接センサ中間品と樹脂溜め用ホッパとの結合体を遠心力印加装置から取り外して、外殻ケース内に注入充填された樹脂を硬化させる第4ステップと、を有することを特徴とする請求項1に記載の近接センサの封止方法。
  4. 前記端子ピン内蔵レセプタクルが、外殻ケースの後端部に圧入される筒状のレセプタクルケースと、レセプタクルケース内に先端側から後端側へ向けて挿入されかつレセプタクルケース内周の段部に当接して前進を阻止される端子ピン組立体とを含み、かつ
    端子ピン組立体が、レセプタクル内蔵の端子ピンとなる平行な複数本のピンと、それら複数本のピンを束ねて貫通保持するピンホルダと、ピンホルダ中央の貫通孔に連結される切除予定の樹脂注入パイプ部とを一体成型してなる構造を有し、
    前記第1ステップにおいては、樹脂注入パイプの先端開口と樹脂溜め用ホッパの流出側開口とが接合されるようにして、近接センサ中間品の後端部に樹脂溜め用ホッパが所定の治具にて結合され、
    前記第3ステップにおいては、近接センサ中間品と樹脂溜め用ホッパとの結合体を遠心力印加装置に取り付けて遠心力を印加した際に、端子ピン組立体は樹脂注入パイプを介して遠心力印加装置に一体的に固定される一方、外殻ケースと一体とされたレセプタクルケースは端子ピン組立体に対してスライド可能とされ、それにより、遠心力を印加した際に、端子ピン組立体のピンホルダとレセプタクルケース内周の段部との間に形成される樹脂漏れ隙間が狭まる方向へと遠心力が作用する、ことを特徴とする請求項3に記載の近接センサの封止方法。
  5. 前記近接センサ中間品が、部品搭載回路基板の後端部に設けられた接続用パッド部を外殻ケースの後端開口を塞ぐエンドプラグから突出させる一方、電気コードから引き出された芯線の導体を接続用パッド部に接続し、しかるのちに、エンドプラグの後端面と電気コードの外皮先端部との間を包囲するコードプロテクタを樹脂成型してなるコード固定方式の近接センサに対応するものであって、
    筒状の外殻ケースと、外殻ケースの先端部開口を塞ぐ検知コイル組立体と、外殻ケースの後端部開口を塞ぐエンドプラグと、外殻ケース内にあってその後端部に設けられた接続用パッド部がエンドプラグを貫通して外部に突出する部品搭載回路基板と、を含み、かつ前記エンドプラグには、樹脂注ぎ口と空気逃し口とにそれぞれ対応する第1及び第2の開口と、それらの開口のそれぞれに連接される第1及び第2の樹脂溜め用ホッパとが一体的成型されており、
    前記方法が、
    先端部を下にして近接センサ中間品がほぼ直立する状態において、第2の樹脂溜め用ホッパから流動樹脂が溢れ出すまで、第1の樹脂溜め用ホッパから流動樹脂を外殻ケース内へと加圧注入する第1ステップと、
    外殻ケース内が流動樹脂にて満たされかつ第1及び第2の樹脂溜め用ホッパに流動樹脂が溜まった状態にある近接センサ中間品を遠心力印加装置に取り付けて、近接センサ中間品の先端方向へと遠心力を印加する第2ステップと、
    近接センサ中間品を遠心力印加装置から取り外して、外殻ケース内に注入充填された樹脂を硬化させる第3ステップと、
    外殻ケース内に注入充填された樹脂が硬化するのを待って、第1及び第2の樹脂溜め用ホッパを切除する第4ステップと、を有することを特徴とする請求項2に記載の近接センサの封止方法。
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