JP2004152910A - 積層型圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁破壊、機械的破壊が生じにくく高信頼性で寿命が長い、積層型圧電素子を提供する。
【解決手段】複数の圧電体13と複数の内部電極15とを交互に積層してなる素子本体11と、該素子本体11の側面に設けられ、かつ内部電極15の一端部が交互に接続する一対の外部電極17とを具備するとともに、内部電極15の他端部が素子本体11の側面に設けられた凹溝19内の絶縁体21により外部電極17と絶縁されている積層型圧電素子であって、凹溝19内表面に圧電体13を構成するセラミック粒子による凹凸が形成され、かつ凹溝19の積層方向開口幅をW、内部電極15の積層方向厚みをte、圧電体13の積層方向厚みをtとしたとき、1≦(W−te)/tの関係を満足する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層型圧電素子に係わり、例えば、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止用の駆動素子、自動車エンジンの燃料噴射用の駆動素子等に使用される積層型圧電素子に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、圧電体と内部電極を交互に複数枚積層し、各圧電体を挟む電極間に電圧を印加し、圧電体に生じる逆圧電効果を利用して、大きな変位を得る積層型圧電アクチュエータが提案されている。
【0003】
積層型圧電アクチュエータを作製する方法としては、同時焼成による方法がある。この同時焼成による方法では、圧電体の厚みを薄くすることが比較的容易であり、低電圧で印加電界を高くできるため、大きな変位量が得られる。
【0004】
従来から、同時焼成による積層型圧電アクチュエータの構造としては、内部電極がアクチュエータ本体の圧電体面積より小さい、部分電極構造の積層型圧電アクチュエータが知られており、この積層型圧電アクチュエータの概略断面図を図15に示す。
【0005】
この積層型圧電アクチュエータでは、圧電体1と複数の内部電極2(2a、2b)が交互に積層された状態で同時焼成され、アクチュエータ本体3が形成されており、内部電極2aは、アクチュエータ本体3の他方の側面に形成された外部電極4aに、内部電極2bは、アクチュエータ本体3の一方の側面に形成された外部電極4bに電気的に接続されている。内部電極2aと内部電極2bで挟まれた圧電体は、図15の矢印の方向に分極されている。
【0006】
しかしながら、図15に示したような部分電極構造の積層型圧電アクチュエータでは、内部電極2aと内部電極2bが相互に重なり合う部分(圧電体1が内部電極2a、2bにより挟持された部分)に位置する圧電体1は逆圧電効果によって歪みが発生するが、アクチュエータ本体3の側面近傍では、圧電体1が内部電極2a、2bにより挟持されていないため逆圧電効果が発生せず、積層型圧電アクチュエータ全体としての変位量が低いという問題があった。
【0007】
また、同一圧電体1中にて逆圧電効果によって発生する歪みが不均一になることより、内部電極2a、2bの先端付近に大きな応力集中が発生し、このような応力集中により、内部電極2a、2b先端から圧電体1にクラックが進展して、圧電体1の破壊に至るという問題があった。
【0008】
このような問題を解決するため、アクチュエータ本体の側面に凹溝を形成し、この凹溝内に絶縁体を充填し、これにより、内部電極の一端部と外部電極との絶縁を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
しかしながら、この特許文献1に開示された積層型圧電アクチュエータでは、凹溝の形状、寸法の効果により生じる圧電体内での電界集中、および応力集中が定量的に測定または評価されていなかったため、溝の形状、寸法が最適なものとされておらず、電界集中に起因する応力集中、および形状に起因する応力集中を充分に低減することができなかった。
【0010】
特に、外部電極と凹溝内の絶縁体で絶縁されている内部電極先端付近では電界分布が大きく集中し、圧電体や圧電体と内部電極との界面で応力集中が発生し機械的破壊が生じたり、凹溝内の絶縁体が絶縁破壊し、寿命が短くなるという問題があった。
【0011】
この問題に対して、ダイヤモンド円板砥石等の機械加工により、圧電体の積層方向に平行な平坦状底面を有する凹溝を形成し、該平坦状底面の積層方向における長さをL、前記内部電極層の厚みをt1、前記圧電体層の厚みをt2とした時、0.2≦(L−t1)/t2<1の関係を満足する積層型圧電アクチュエータが知られている(特許文献2参照)。
【0012】
【特許文献1】
特開平1−147880号公報
【特許文献2】
特開2001−77436号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このような積層型圧電アクチュエータでは、絶縁破壊、機械的破壊が生じにくく、高信頼性の積層型アクチュエータが得られるものの、自動車エンジンの燃料噴射用の駆動素子等に使用される積層型圧電アクチュエータでは、さらなる信頼性向上が求められていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層型圧電素子は、複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に積層してなる素子本体と、該素子本体の側面に設けられ、かつ前記内部電極の一端部が交互に接続する一対の外部電極とを具備するとともに、前記内部電極の他端部が前記素子本体の側面に設けられた凹溝内の絶縁体により前記外部電極と絶縁されている積層型圧電素子であって、前記凹溝内表面に前記圧電体を構成するセラミック粒子による凹凸が形成され、かつ前記凹溝の積層方向開口幅をW、前記内部電極の積層方向厚みをte、前記圧電体の積層方向厚みをtとしたとき、1≦(W−te)/tの関係を満足することを特徴とする。
【0015】
本発明では、従来の機械的切削の凹溝加工では、除去される部分の方が残される部分よりも大きくなり、強度が低下するため、凹溝加工が困難となる1≦(W−te)/tの関係を満足する凹溝を形成できるため、凹溝内の絶縁体で外部電極と絶縁された内部電極の先端付近の圧電体内での電界集中をさらに抑制でき、その圧電体および凹溝内の絶縁体の絶縁破壊を防止できるとともに、内部電極先端付近での電界集中に起因する圧電体および内部電極における応力集中をさらに抑制することができ、機械的破壊を防止して積層型圧電素子の信頼性を高め、長寿命化を図ることができる。
【0016】
また、凹溝内表面には圧電体を構成するセラミック粒子による凹凸が形成されているため、凹溝内に充填される絶縁体を、アンカー効果により凹溝内に確実に保持固定できる。
【0017】
本発明の積層型圧電素子は、圧電体の分極方向誘電率をε1、凹溝内の絶縁体の誘電率をε2とした時、ε2/ε1<1の関係を満足することを特徴とする。このような構成を採用することにより、凹溝内の絶縁体で外部電極と絶縁された内部電極先端付近での電界集中をさらに抑制できる。
【0018】
また、本発明の積層型圧電素子は、圧電体の分極方向の縦弾性率をE1、凹溝内の絶縁体の縦弾性率をE2とした時、E2/E1<1の関係を満足することを特徴とする。このような構成を採用することにより、内部電極先端付近および凹溝の底面隅部付近での応力集中を更に抑制できるとともに、積層型圧電素子の変位量を大きくできる。
【0019】
さらに、本発明の積層型圧電素子は、凹溝の深さをD、圧電体の抵抗率をρp、絶縁体の抵抗率をρiとした時、D≧(ρi/ρp)・tの関係を満足することを特徴とする。このような構成を採用することにより、凹溝底面に露出した内部電極と外部電極との絶縁性が高くなり、絶縁破壊を抑制できる。
【0020】
さらに、本発明の積層型圧電素子は、凹溝内表面の凹凸を構成するセラミック粒子の粒径が2μm以上であることを特徴とする。このような構成を採用することにより、凹溝の底面角部での応力集中を緩和できるので、寿命を長くすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一形態である積層型圧電アクチュエータを示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’線に沿う縦断面図である。図1において、符号11は四角柱状の素子本体を示すもので、この素子本体11は、複数の圧電体13と複数の内部電極15を交互に積層して構成されている。
【0022】
内部電極15の端部は素子本体11の3側面に露出しており、また、内部電極15の上下両側に位置する圧電体13は、向きが反対となるように分極処理され、図1(b)に示す矢印の方向に分極処理されている。
【0023】
内部電極15は積層順に交互に第1内部電極15aまたは第2内部電極15bとされ、第1内部電極15aと第2内部電極15bに異なる電位を与えることによって、圧電体13に厚さ方向の電界を印加できる。
【0024】
素子本体11は四角柱状であり、その4側面のうち対向する側面が外部電極形成用側面16a、16bとされ、これらの外部電極形成用側面16a、16bに外部電極17a、17bがそれぞれ形成されている。外部電極17aには第1内部電極層15aの端部が接続され、第2内部電極層15bの端部とは絶縁され、また外部電極17bには第2内部電極層15bが接続され、第1内部電極層15aの端部とは絶縁されている。
【0025】
即ち、第1内部電極層15aの一端部は外部電極形成用側面16aに露出し、第2内部電極層15bの他端部は、外部電極形成用側面16aに形成された凹溝19内に充填された絶縁体21により、外部電極形成用側面16aには露出していない。このため、外部電極形成用側面16aに外部電極17aを形成した際には、第1内部電極層15aの一端部のみが外部電極17aと接続されることになる。
【0026】
一方、第2内部電極層15bの一端部は外部電極形成用側面16bに露出し、第1内部電極層15aの他端部は、外部電極形成用側面16bに形成された凹溝19内に充填された絶縁体21により、外部電極形成用側面16bには露出していない。このため、外部電極形成用側面16bに外部電極17bを形成した際には、第2内部電極層15bの一端部のみが外部電極17bと接続されることになる。
【0027】
即ち、外部電極形成用側面16aに形成された凹溝19の底面23の中央部には、第2内部電極層15bの他端部が露出し、外部電極17aとは絶縁体21により絶縁され、外部電極形成用側面16bに形成された凹溝19の底面23の中央部には、第1内部電極層15aの他端部が露出し、外部電極17bとは絶縁体21により絶縁されている。
【0028】
そして、本発明の積層型圧電アクチュエータでは、図2に示すように、圧電体13と内部電極15が交互に積層された積層方向における、凹溝19の開口幅をW、圧電体13の厚さをt、内部電極15の厚さをteとしたとき、1≦(W−te)/tを満足している。
【0029】
このような関係を満足せしめたのは、(W−te)/tの値が1よりも小さい場合には、凹溝19の底面23に露出する内部電極15先端部近傍の圧電体13に応力が集中し易く、この部分にクラック等が入り、破損し易くなるからである。
【0030】
一方、(W−te)/t>1.8であると、凹溝19間に残存する圧電体13の強度が不足し、アクチュエータ駆動時に凹溝19の底面角部付近で残存した圧電体13が折れ易くなる傾向があるため、(W−te)/t≦1.8であることが望ましい。
【0031】
以上のように構成された積層型圧電アクチュエータは、従来の製法では、(W−te)/tの値を、凹溝機械加工時に破損する危険性が高いため設定するはずのない、1以上とすることができ、この場合には、応力集中を更に緩和することができるので、疲労寿命をいっそう向上させることができる。また、この積層型圧電アクチュエータの場合、応力集中する個所が内部電極先端付近の圧電磁器と、凹溝底面角部付近の圧電磁器であるが、(W−te)/tの値を1以上とすることにより、応力集中部の距離を離すことができ、応力集中部周辺の高応力部の重なり部分を減らすことができ、内部電極15先端と凹溝底面角部の間の圧電磁器における応力値を低下させることができる。
【0032】
また、圧電体13の分極方向の誘電率ε1と絶縁体21の誘電率ε2との比は、ε2/ε1<1とされており、これにより、凹溝19の底面23に露出した内部電極15先端付近の圧電体13における集中電界値を低下させることができる。内部電極15の電界集中を抑え、絶縁破壊を防止するという点から、ε2/ε1≦0.1であることが望ましい。
【0033】
さらに、圧電体13の分極方向の縦弾性率(ヤング率)E1と絶縁体21のヤング率E2との比は、E2/E1<1とされており、これにより、圧電体13が駆動によりひずみを発生したときに、絶縁体21と圧電体13のひずみの不一致によって、凹溝19の上下に位置する圧電体13に曲げ力が発生することを緩和できる。凹溝19の上下に位置する圧電体13に曲げ力による破壊を防止するという点から、E2/E1≦0.1であることが望ましい。
【0034】
また、凹溝19の深さをD、圧電体13の厚みをt、圧電体13の抵抗率をρp、絶縁体21の抵抗率をρiとすると、D≧(ρi/ρp)・tという関係を満たしている。これにより、内部電極15間に高電界を印加したときに、内部電極15先端と、接続されてない方の外部電極17、すなわち、内部電極15aの先端と外部電極17bの間で絶縁破壊する危険性が低くなる。
【0035】
本発明の積層型圧電アクチュエータは、素子本体11を複数個、接着剤を介して連結することで、変位量を大きくする事ができる。変位量を大きくする為には、圧電体13と内部電極15の積層数を多くすれば良いが、一度に多数積層するのは製造上困難性が増大し、歩留りが低下するので、比較的少ない積層数の素子本体11を複数個接着した方が、歩留り、信頼性が向上する。
【0036】
本発明の積層型圧電アクチュエータの製法について説明する。先ず、チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)Oなどの圧電体セラミックスの仮焼粉末と、アクリル樹脂や、ブチラール樹脂などの有機高分子からなる有機バインダーと、可塑剤とを混合したスラリーを作製し、例えばスリップキャステイング法により、厚み50〜250μmのセラミックグリーンシートを作製する。
【0037】
このグリーンシートを所定の寸法に打ち抜いた後、図3(a)に示すようにグリーンシート31の片面に、内部電極となる、例えば銀、銀−パラジウム、Cuを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法により1〜10μmの厚みに印刷し、乾燥させて内部電極パターン33を形成する。
【0038】
この後、内部電極パターン33上に、図3(b)に示すように、作製したグリーンシート35を、内部電極パターン33を挟むように重ね、加圧してシート積層体37を作製する。尚、図3(a)のように、広いグリーンシート31の中央部に導電性ペーストを塗布し、この導電性ペーストを覆うようにグリーンシート35を積層し、これをカットして、図3(b)に示すようなシート積層体37を作製する。このようなシート積層体37を多数作製する。
【0039】
次に打ち抜き装置を用いて、図4に示すように、複数のシート積層体37にそれぞれ多数の貫通孔39を規則的に整列した状態で形成する。これらの貫通孔39は、凹溝19の大きさによって寸法は異なってくるが、例えば幅2mm、長さ10mm程度の大きさの長方形形状とする。
【0040】
そして、図5(a)に示すように、複数のシート積層体37に形成した多数の貫通孔39に飛散物質41を充填する。この飛散物質41は、脱バイ〜焼成時(熱処理時)に飛散する物質からなるもので、低温域で分解飛散する低温分解有機物と、高温域で分解飛散する高温分解有機物とから構成されている。
【0041】
低温分解有機物としては、アクリル樹脂や、ブチラール樹脂などの有機高分子樹脂等があるが、本発明では、セラミックグリーンシート31に用いられるバインダ樹脂を、低温分解有機物として用いている。特に、低温分解有機物として、シート積層体37同士の加熱圧着時の接着力、及び脱バイ時の易分解性の点からアクリル樹脂が望ましい。尚、本発明では、低温分解有機物とは、600℃までに分解飛散する有機物である。
【0042】
また、高温分解有機物としては、フェノール粉末、アクリルビーズ、カーボンビーズ、もしくはカーボンファイバーがある。焼成温度近くまで、残留するという点、及びアクリル樹脂やブチラール樹脂などの有機高分子樹脂と混合してシート状飛散物質の作製が容易という点から、高温分解有機物としては、カーボンビーズ、もしくはカーボンファイバーが望ましい。尚、本発明においては、高温分解有機物とは、750℃でも分解せずに残留する有機物である。
【0043】
低温分解有機物と高温分解有機物の混合比率は、高温分解有機物100重量部に対して低温分解有機物を25〜60重量部であることが望ましく、特に収縮を合致させるという点から、低温分解有機物は35〜45重量部であることが望ましい。
【0044】
貫通孔39に充填される飛散物質41は、低温分解有機物と高温分解有機物を混合したスラリー状のものであっても良く、また、低温分解有機物と高温分解有機物の混合物をシート状に成形し、このシート状飛散物質41を貫通孔39内に収納しても良い。
【0045】
シート状に成形された飛散物質41を貫通孔39内に収納することにより、飛散物質41の貫通孔39からのはみ出しを防止することができる。シート状の飛散物質41を、シート積層体37の貫通孔39内に収容するには、図5(b)に示すように、シート積層体37の表面に飛散物質シート43を積層し、これを、貫通孔39を形成するために作製したプレス型により、押出量を制御して打ち抜き加工し、この後、シート積層体37の表面に残存する飛散物質シート43を剥離することにより、貫通孔39内にシート状の飛散物質41が収容されたシート積層体37を作製できる。
【0046】
シート積層体37の貫通孔39に、シート状の飛散物質41を充填する場合、上記のようにして、貫通孔39内にシート状の飛散物質41を収容したシート積層体37を加圧して、シート積層体37とシート状の飛散物質41との厚み差を小さくすることが望ましい。特に厚み差は5μm以下とすることが望ましい。これにより、加圧一体化する工程において、シート積層体37とシート状飛散物質41の収縮率を同等にすることが可能となり、シート積層体37とシート状飛散物質41の収縮差に伴う積層界面の空隙、もしくは変形を防止することが可能となる。
【0047】
飛散物質シート43は、上記した高温分解有機物と、アクリル樹脂や、ブチラール樹脂などの低温分解有機物と、可塑剤とを混合したスラリーを作製し、グリーンシート31と同様に、例えばスリップキャステイング法により、厚み50〜250μmにて作製される。
【0048】
この後、貫通孔39に飛散物質41が充填されたシート積層体37を、交互に位置をずらして積層し、その後、50〜200℃で加熱を行いながら加圧して一体化し、図6に示すような積層体を作製する。
【0049】
この後、積層体を、図6(a)、(b)で示す一点鎖線で、即ち、貫通孔39中央部で切断して、図7(a)に示すように、内部に飛散物質41が充填された凹溝19が、対向する側面に内部電極パターン33一層置きに形成された、素子本体成形体53を作製する。尚、グリーンシート31、35は全て同一厚みとした。
【0050】
この素子本体成形体53は、対向する側面に内部電極パターン33一層置きに凹溝19が形成されており、これらの凹溝19の底面中央には内部電極パターン33端が露出し、さらに凹溝19内には熱処理により分解する飛散物質41が充填されている。
【0051】
その後、大気中において400〜800℃で5〜40時間の脱バイを行なう。この際、飛散物質41が分解飛散し、素子本体成形体53の対向する側面に凹溝19が形成される。その後、脱バイと連続して900〜1200℃で2〜5時間で本焼成が行われ、図8に示すように、圧電体13と内部電極15が交互に積層された素子本体61が作製される。この素子本体61は柱状で、対向する側面には、底面に内部電極15端が露出する凹溝19が、一側面において内部電極15一層おきに形成されている。
【0052】
凹溝19は断面が矩形状をしており、凹溝19間の圧電体は変形せず、凹溝19を形成する圧電体、即ち凹溝19の対向する側面はほぼ平行とされている。また、グリーンシート31の厚みを同一厚みとしたため、凹溝19の底面23の積層方向中央には内部電極15の端部が露出している。凹溝19の内表面は、焼き上がり面とされており、何等加工されていないため、圧電体13を形成するセラミック粒子により凹凸が形成されている。即ち、凹溝19の内表面には、一部が埋設されたセラミック粒子により凹凸が形成されている。
【0053】
この後、例えば、素子本体61の凹溝19が形成された側面において、凹溝19以外の素子本体61の側面に露出した内部電極15およびこの内部電極15の近傍の圧電体13表面に、銀ガラス導電性ペーストを塗布乾燥し、この銀ガラス導電性ペーストに金属板を押圧するように荷重を加えた状態で700〜950℃で熱処理することにより、銀ガラス導電性ペースト中のガラスが溶融し、溶融したガラス中に存在する銀成分が内部電極15の端部に集合し、図9に示すように、素子本体61の側面から突出する突起状導電性端子65が形成されるとともに、該突起状導電性端子65の先端部に金属板からなる外部電極63を接合する。
【0054】
この後、凹溝19内及び外部電極63と素子本体61との間に絶縁樹脂69を充填し、また、内部電極15端が露出している素子本体61の他の側面にも絶縁樹脂69を被覆して、積層型圧電アクチュエータを作製できる。
【0055】
以上のような積層型圧電アクチュエータの製法では、素子本体成形体53の凹溝19内に充填された飛散物質41が、低温域で分解飛散する、セラミックグリーンシート31に用いられるバインダ樹脂と同一の低温分解有機物と、高温域で分解飛散する高温分解有機物とを含有するため、脱バイ〜焼成工程の低温時においては低温分解有機物と高温分解有機物により、また高温時には高温分解有機物により、凹溝19を形成するグリーンシート31、35が固化するまで形状を保持でき、これにより、凹溝19形状の変形を防止してほぼ設計通りの矩形状とすることができ、1≦(W−te)/t≦1.8を満足させることができる。さらに、凹溝19におけるクラックや積層界面のデラミネショーンなどの欠陥がない寸法通りの凹溝を確実にかつ一挙に形成できる。
【0056】
また、低温分解有機物が、セラミックグリーンシートに用いられるバインダ樹脂と同一であるため、加圧して一体化する場合における飛散物質の積層方向への収縮をグリーンシートにさらに近づけることができ、また、低温域での脱脂状態をグリーンシートに近づけることができ、凹溝の変形や、凹溝近傍におけるクラックやデラミネーションを抑制できる。
【0057】
また、上記した製法を用いることにより、従来の機械的加工では困難であった、素子本体61の側面に形成された多数の凹溝19の底面中央に内部電極15端を露出させることができ、信頼性を向上できる。
【0058】
また、このような製法によれば、凹溝19内表面には圧電体13を構成するセラミック粒子による凹凸が形成されているため、この凹溝19内に充填される絶縁体21を、アンカー効果により凹溝19内に保持固定でき、信頼性を向上できる。また、(W−te)/t=1を満足するには、グリーンシート31、35の厚さを同一とすることにより、即ちグリーンシートの厚さが1種類だけで済むので、製造コストを下げることができる。
【0059】
さらに、(W−te)/t>1とするには、図7(b)に示すように、シート積層体37を積層する際に、これらのシート積層体37間に、素子本体成形体53の両側面に凹溝19を形成するための、飛散物質41が充填された貫通穴39を有するグリーンシート38を介装することにより容易に達成できる。この場合にはさらに信頼性を向上できる。
【0060】
本発明者は、圧電効果を考慮した有限要素法による応力解析および電場解析を実施した。積層型圧電素子の形状は7mm角で高さは20mmで、圧電体の積総数は150層であるが、解析は積層構造の周期性を考慮し、内部電極3層に挟まれた圧電体2層分をモデルとし、2次元平面ひずみ問題として解析を行なった。モデルでは、圧電体13の厚さtは100μm、内部電極15の厚さteは2μmとし、凹溝19の深さDは200μm、凹溝19の開口幅Wは102μmとした。有限要素法モデルを図10に示す。溝の角付近は応力集中するため細かく要素分割しており、要素数は6676、節点数は6767であった。
【0061】
解析に用いた材料は、圧電体は一般的なPZT、内部電極は銀/パラジウムとしAg:Pd=70:30とした。また凹溝に埋める絶縁体はシリコンゴムとした。
【0062】
解析条件としては、圧電体の積層方向に平行に10MPaの圧力がかかっているとした。また、分極処理は互いに隣合った内部電極にそれぞれ300ボルト、0ボルトの直流電圧をかけて行い、駆動は互いに隣合った内部電極にそれぞれ150ボルト、0ボルトをかけて行うものとした。
【0063】
本発明者は、上記有限要素法解析モデルを基準として、積層方向の凹溝19の積層方向開口幅Wを変化させ、(W−te)/tの値を変化させた積層型圧電アクチュエータについて、最大発生応力と磁器静的強度の比を求めた。この結果を図11に記載した。凹溝19の開口幅W以外の寸法と解析条件は、上記と同様である。
【0064】
この図11から、(W−te)/tが0〜0.2になると急激に低下し、この状態から1.8まで次第に低下することが判る。
【0065】
図12はε2/ε1と内部電極先端付近の圧電体13において発生する大きな電界値の、素子本体の側面より充分内部の圧電体13に発生する一様な電界値に対する比を、上記と同様の条件で解析して得た結果であり、内部電極先端で生じる電界集中はε2/ε1=0.1を境に上昇することから、ε2/ε1≦1、特には0.1以下であることが望ましいことが判る。
【0066】
図13は絶縁体21のヤング率E2と圧電体13の分極方向ヤング率E1との比E2/E1と、アクチュエータの変位(圧電体2層分)との関係を、上記と同様の条件で解析して得た結果であり、アクチュエータの変位はE2/E1<1の範囲で大きくなり、E2/E1≦0.01であると特に変位が大きくなり、望ましいことが判る。
【0067】
図14は凹溝19の底面角部に設けたRと、凹溝底面角部付近の圧電磁器に発生する最大主応力値との関係を、上記と同様の条件で解析して得た結果である。図14によると、凹溝底面角部のRが2μm以上であれば、凹溝底面角部の応力集中よりも他の部分における応力集中が大きくなる為、凹溝底面角部がアクチュエータ破壊のボトルネックとはならないと考えられる。更に、Rが3μm以上であれば凹溝角部付近での応力集中は圧電磁器の強度(100MPa程度)より充分低く、破壊の危険性は殆ど無くなるといえる。
【0068】
セラミックスにおいては、クラックの先端はプロセスゾーンなどの微小欠陥等の為に磁器の粒径程度の丸みを持っていると見なせることが知られているので、凹溝底面角部も磁器粒径程度の丸みを持っていると考えることが可能である。従って、凹溝の底面角部にRを設ける代わりに、磁器粒径を2μm以上にすれば、凹溝底面角部付近の応力集中が緩和され、特に磁器粒径を3μm以上とすることが望ましいことが判る。
【0069】
【発明の効果】
本発明の積層型圧電素子では、凹溝内の絶縁体で外部電極と絶縁された内部電極の先端付近の圧電体内での電界集中の度合いが低下し、その圧電体内および凹溝内の絶縁体の絶縁破壊を防止できるとともに、内部電極先端付近での電界集中に起因する圧電体および内部電極における応力集中を抑制することができ、機械的破壊を防止して積層型圧電素子の信頼性を高め、長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電素子を示すもので、(a)平面図、(b)は(a)のA−A’線に沿う断面の一部を示す図である。
【図2】図1の凹溝およびその近傍を拡大して示す断面図である。
【図3】積層型圧電素子の製法に用いられるシート積層体の工程図であり、(a)はグリーンシート上に内部電極パターンを形成した平面図、(b)は内部電極パターンをグリーンシートで挟持した断面図である。
【図4】シート積層体に多数の貫通孔を規則的に形成した平面図である。
【図5】(a)は貫通孔に飛散物質を充填したシート積層体を示す断面図、(b)(c)はシート状飛散物質を貫通孔に充填する工程図である。
【図6】(a)は飛散物質が充填されたシート積層体を交互に位置をずらして積層した状態を示す断面図、(b)はその平面図である。
【図7】(a)は素子本体成形体の断面図であり、(b)はシート積層体間に、凹溝開口幅Wを大きくするためのグリーンシートを介装した状態を示す断面図である。
【図8】素子本体の断面図である。
【図9】積層型圧電素子の断面図である。
【図10】有限要素法解析モデルの主要部拡大図である。
【図11】凹溝の開口幅と、発生する最大主応力の圧電体層強度との比の関係を示すグラフである。
【図12】絶縁体の誘電率ε2と圧電体の分極方向誘電率ε1の比ε2/ε1と、素子本体側面より充分内部で発生する一様電界値に対する電界集中比の関係を示すグラフである。
【図13】絶縁体のヤング率E2と圧電体の分極方向ヤング率E1との比E2/E1と、アクチュエータの変位(圧電体2層分)との関係を示すグラフである。
【図14】凹溝の底面角部のRと凹溝の底面角部付近の圧電体に発生する最大主応力値との関係を示すグラフである。
【図15】従来の積層型圧電アクチュエータの一部の断面図である。
【符号の説明】
11・・・素子本体
13・・・圧電体
15a、15b・・・内部電極
17a、17b・・・外部電極
19・・・凹溝
21・・・絶縁体
te・・・内部電極の厚さ
t・・・圧電体の厚さ
W・・・凹溝の開口幅

Claims (5)

  1. 複数の圧電体と複数の内部電極とを交互に積層してなる素子本体と、該素子本体の側面に設けられ、かつ前記内部電極の一端部が交互に接続する一対の外部電極とを具備するとともに、前記内部電極の他端部が前記素子本体の側面に設けられた凹溝内の絶縁体により前記外部電極と絶縁されている積層型圧電素子であって、前記凹溝内表面に前記圧電体を構成するセラミック粒子による凹凸が形成され、かつ前記凹溝の積層方向開口幅をW、前記内部電極の積層方向厚みをte、前記圧電体の積層方向厚みをtとしたとき、1≦(W−te)/tの関係を満足することを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 圧電体の分極方向誘電率をε1、凹溝内の絶縁体の誘電率をε2とした時、ε2/ε1<1の関係を満足することを特徴とする請求項1記載の積層型圧電素子。
  3. 圧電体の分極方向の縦弾性率をE1、凹溝内の絶縁体の縦弾性率をE2とした時、E2/E1<1の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2記載の積層型圧電素子。
  4. 凹溝の深さをD、圧電体の抵抗率をρp、絶縁体の抵抗率をρiとした時、D≧(ρi/ρp)・tの関係を満足することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の積層型圧電素子。
  5. 凹溝内表面の凹凸を構成するセラミック粒子の粒径が2μm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の積層型圧電素子。
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