JP2004152536A - 電子部品用ソケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の電子部品用ソケットは、ソケット本体1を備えており、このソケット本体1には片面から他面に向かって貫通孔2が設けられ、当該貫通孔2内には電極部3が装着されている。
電極部3は、線状体31と、筒状の第1、第2の接続子32a、32bと、線状体31に嵌挿されたバネ部材33とで構成されている。
線状体31は、中央部が本体挿通孔22内に、両端部が貫通孔の開口部21から出没可能にそれぞれ配設され、第1、第2の接続子32a、32bは、線状体31の両端部外周にそれぞれ固着され、バネ部材33は、第1、第2の接続子32a、32bのフランジFa、Fb間に配設され、これらの線状体31、第1、第2の接続子32a、32b及びバネ部材33は一体化されている。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品用ソケットに係わり、特に、CPU、MPU等の電子部品をソケット本体に対して押圧することにより、電子部品の電極端子とソケット本体の電極部との接触並びにソケット本体の電極部とプリント基板の電極端子との接触を保持し得る電子部品用ソケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、多数の電極端子を有するCPU、MPU等の電子部品として、ピングリッドアレイ型電極端子を有するものや、より製造コストが低いボールグリッドアレイ型電極端子又はランドグリッドアレイ型電極端子を有するものが知られている。このような電極端子を有する電子部品をプリント基板上に取り付け、電子部品の電極端子とプリント基板の回路とを電気的に接続するために電子部品用ソケットが用いられている。
【0003】
従来、この種の電子部品用ソケットとして、電子部品をソケット本体に対して押圧することにより、電子部品の電極端子とソケット本体の電極端子との接続を保持するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この電子部品用ソケットにおいては、ソケット本体の一端縁部に押圧部材を枢動自在に結合し、当該結合位置を中心として揺動させた押圧部材で電子部品をソケット本体側に押圧し、この状態で押圧部材の他端部に取り付けたフックをソケット本体の掛止部に掛止することにより、電子部品をソケット本体に固定するとともに、電子部品の電極端子とソケット本体の電極部との接触を保持している。
【0004】
この種の電子部品用ソケットを用いることにより、電子部品を簡単に着脱することができ、部品の交換やメンテナンス等が容易になるというメリットがある。
【0005】
【特許文献1】特開平11−176546号公報(段落番号「0009」〜「0022」、図1〜図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電子部品の電極端子やソケット本体の電極部の形状には、材質や製造過程等により個体差が生じる。また、複数の電極端子等を有する電子部品及びソケット本体では、複数の電極端子等を保持する面部がある程度の面積を有するため、電子部品のソケット本体に対する押圧荷重が、複数の電極端子等間で不均一になるおそれもある。
【0007】
このような電極端子等自体の個体差及び押圧荷重の不均一に伴う電子部品とソケット本体との接触不良を防止するために、本出願人は、先に、図6に示すようなソケット本体の電極部を開発し、特許出願を行なっている(特願2001−301568号)。
【0008】
同図において、このソケット本体の電極部は、所定の厚さの板材を打ち抜き加工してプリント基板10の電極端子(不図示)と接触する第1のコンタクト20aおよび第1のコンタクト20aから伸びるU字状アーム20bを有する音叉形状の導電性の第1の可動子20と、U字状アーム20b内に装入された導電性のスプリング30と、スプリング30を介して第1の可動子20に接続され、電子部品50の電極端子(不図示)と接触する第2のコンタクト40aを有する丸棒形状の導電性の第2の可動子40とを備えている。
【0009】
このような構成のソケット本体の電極部によれば、電子部品50の電極端子とソケット本体60の電極部間並びにプリント基板10の電極端子とソケット本体60の電極部間における接触を確実に行なわせることができるというメリットがある。
【0010】
しかしながら、このような構成のソケット本体の電極部においては、第1の可動子20を、スプリング30を介して第2の可動子40と共にソケット本体60内で相互に可動に組立てなければならないので、電極部の組立特性が悪く、また、ソケット本体の電極部が第1、第2の可動子20、40およびスプリング30で構成され、かつこれらの第1、第2の可動子20、40およびスプリング30における接触部分が移動若しくは摺動するため、電極部における構成部材の接点部の状態により接触抵抗値が不安定になるおそれがあった。さらに、第1の可動子20を構成するU字状アーム20b内に導電性のスプリング30を装入しなければならないため、スプリング30としてU字状アーム20b内に装入可能な長さのものを使用しなければならず、ひいては、大きなストロークを確保することができないという難点があった。
【0011】
本発明は、このような難点を解消するためになされたもので、組立特性が良好で、安定した接触抵抗値が得られ、また、大きなストロークを確保し得る電子部品用ソケットを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の電子部品用ソケットは、ソケット本体にソケット本体の片面から他面に向かって貫通孔が設けられ、当該貫通孔内に配設された電極部を介して電子部品の電極端子とプリント基板の電極端子とを接続して成る電子部品用ソケットにおいて、電極部は、中央部が貫通孔内に配設され、両端部が貫通孔の開口部から出没可能にそれぞれ配設された線状体と、線状体の両端部外周にそれぞれ固着された筒状の接続子と、各接続子間に配設され、貫通孔の軸方向に沿って伸縮するバネ部材とを備えている。
【0013】
また、本発明の電子部品用ソケットにおける各接続子は、それぞれ対向する端部側にフランジを備え、当該各フランジは、貫通孔の開口部近傍に設けられたストッパにそれぞれ係止されている。
【0014】
また、本発明の電子部品用ソケットにおけるバネ部材は、コイル状スプリングで構成されている。
【0015】
また、本発明の電子部品用ソケットにおける線状体は、導電性の単線若しくは撚線で構成されている。
【0016】
また、本発明の電子部品用ソケットにおける接続子は、導電性の金属材料で形成されている。
【0017】
本発明の電子部品用ソケットによれば、電極部の構成部材(線状体、接続子およびバネ部材)を一体化した状態でソケット本体の貫通孔内に装着することができることから、電極部の組立特性が良好であり、また、電極部を構成する接続子及び/又は線状体が直接電子部品及びプリント基板の各電極部分に接触することから安定した接触抵抗値を得ることができる。さらに、ソケット本体の貫通孔内に当該貫通孔の軸方向の長さと略同程度の長さを有するバネ部材を収納できることから、大きなストロークを確保することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子部品用ソケットの好ましい実施の形態例について、図面を参照して詳述する。ここで、図1は本発明の電子部品用ソケットの一実施例を示す要部断面図、図2は本発明におけるソケット本体の一実施例を示す斜視図、図3は本発明の電子部品用ソケットとプリント基板並びに電子部品との接続状況を示す説明図、図4及び図5は本発明における電極部を構成する線状体の一実施例を示す説明図である。なお、図1〜図5において、共通する部分には同一の符号が付されている。
【0019】
図1において、本発明の電子部品用ソケットは、片面(例えば下面)に平板状のカバー11が一体化された平板状のソケット本体1を備えており、このソケット本体1には、当該ソケット本体1の他面(例えば上面)から片面に向かって貫通孔2が設けられている。かかる貫通孔2は、ソケット本体1内に設けられ後述する電極部の本体(中央部)を挿通させるための本体挿通孔22と、ソケット本体1の両面近傍に設けられ本体挿通孔22と連通する開口部21とを備えている。ここで、貫通孔2の開口部21の口径は、本体挿通孔22の口径よりも小径とされ、また、ソケット本体1内に形成された段差壁部分、すなわち本体挿通孔22と開口部21との連設部分は後述する接続子のストッパ23としての機能を備えている。
【0020】
電極部3は、複数本の銅線等を撚線して成る導電性の線状体31と、銅製キャップ等から成る筒状の第1、第2の接続子32a、32bと、導電性のコイル状スプリング等から成るバネ部材33とを備えており、第1、第2の接続子32a、32bの一方の端部にはフランジFa、Fbが形成されている。ここで、線状体31の長さは貫通孔2の軸方向の長さよりも若干長くされ、第1、第2の接続子32a、32bの外形は開口部21の口径よりも若干小径とされ、また、各フランジFa、Fbの外形は本体挿通孔22の口径よりも若干小径とされている。さらに、バネ部材33の軸方向の長さは、バネ力が付勢されない状態において、本体挿通孔22の軸方向の長さよりも若干短くされている。
【0021】
次に、これらの線状体31、第1、第2の接続子32a、32b及びバネ部材33を一体化してソケット本体1の貫通孔2に装着する方法について説明する。
【0022】
先ず、線状体31の外周にバネ部材33であるコイル状スプリングを嵌挿すると共に、線状体31の両端部外周に第1、第2の接続子32a、32bをそのフランジFa、Fbが対向するようにしてそれぞれ嵌挿する。ここで、第1、第2の接続子32a、32bの先端面が線状体31の先端面より若干突出した位置において第1、第2の接続子32a、32bの先端部をかしめ線状体31と一体化する。これにより、線状体31、第1、第2の接続子32a、32b及びバネ部材33が一体化された電極部3が得られる。
【0023】
次いで、図2(a)に示すように、一体化された電極部3の一端側(第1の接続子32a)をソケット本体1の貫通孔2に挿入し、第1の接続子32a(図1参照)のフランジFa(図1参照)がソケット本体1の一方のストッパ23(図1参照)に当接する位置まで押し込む。これにより、電極部3の本体(中央部)が本体挿通孔22(図1参照)に装入されると共に第1の接続子32a及び線状体31(図1参照)の一方の端部が一方の開口部21(図1参照)を通りソケット本体1の他面から突出することになる。そして、予め設けられたカバー11の透孔11aに電極部3の他端側(第2の接続子32b)を嵌めて当該カバー11をソケット本体1の片面側に向けて押圧し、当該カバー11をソケット本体1の片面にモールド被着する。ここで、透孔11aの口径は、第2の接続子32bの外形より大径で、フランジFbの外形より小径とされている。これにより、一体化された電極部3をソケット本体1の貫通孔2に装着することができる。
【0024】
次に、図3に基づいて、貫通孔2内に配設された電極部3を介して電子部品の電極端子とプリント基板の電極端子を電気的に接続する方法について説明する。なお、同図においては、説明を簡単にするため、多数個の電極部のうち1個の電極部と、この電極部に対応する電子部品の電極端子及びプリント基板の電極端子が図示されている。
【0025】
先ず、図3(a)に示すように、プリント基板4上にソケット本体1をその電極部3の一端側(第2の接続子32b)がプリント基板4の電極端子4aに接触するようにして載置すると共に、ソケット本体1をプリント基板4側に向けて押圧する。これにより、図3(b)に示すように、第1の接続子32aのフランジFaがストッパ23に当接すると共に、線状体31の中央部が、図4(b)に示すように、線状体31(撚線)の撚りが戻るように膨らみ、かつバネ部材33であるコイルスプリングが圧縮され、当該コイルスプリングに貫通孔2の軸方向に沿うバネ力が付勢される。
【0026】
次いで、図3(c)に示すように、ソケット本体1の他面上に電子部品5を第1の接続子32aが電子部品5の電極端子5aに接触するようにして配置すると共に、当該電子部品5をソケット本体1側に向けて押圧する。これにより、第1の接続子32aが一方の開口部23及び本体挿通孔22内に押し込まれると共に、線状体31の中央部が、図4(b)に示すように、撚線の撚りがさらに戻るように膨らみ、かつバネ部材33であるコイルスプリングがさらに圧縮され、当該コイルスプリングにさらに軸方向に沿うバネ力が付勢される。なお、プリント基板4から電子部品用ソケット1を取外し、さらに電子部品用ソケット1から電子部品5を取外すと、バネ部材33であるコイルスプリングのバネ力により、線状体31の両端部及び第1、第2の接続子32a、32bが貫通孔2の開口部22から突出することになる。
【0027】
以上のように、本発明の電子部品用ソケットによれば、電子部品5をソケット本体1に対して押圧することにより、電子部品5の電極端子5aとソケット本体1の電極部3との接触を保持し、ソケット本体1の電極部3をプリント基板4の電極端子4aに電気的に接続することができる。
【0028】
図5は、本発明の電子部品用ソケットにおける電極部の他の実施例を示している。
【0029】
この実施例においては、電極部3における線状体として、銅線などの単線31aが使用されており、前述の実施例と同様にしてプリント基板や電子部品をソケット本体に向けて押圧すると、線状体としての単線31aが本体挿通孔22(図1参照)内において図5(b)に示すように、蛇行状に変形することになる。
【0030】
従って、この実施例においても、電子部品をソケット本体に対して押圧することにより、電子部品の電極端子とソケット本体の電極部との接触を保持し、ソケット本体の電極部をプリント基板の電極端子に電気的に接続することができる。
【0031】
なお、前述の実施例においては、電極部の構成部材(線状体、接続子及びバネ部材)として全て導電性のものを使用した場合について述べているが、線状体の先端面を接続子の先端面より突出させた場合は線状体のみを導電性としてもよく、また、コイル状スプリングとして導電性のものを使用する場合は接続子として導電性のものを使用すれば線状体は非導電性でもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電子部品用ソケットによれば、電極部の構成部材(線状体、接続子およびバネ部材)を一体化した状態でソケット本体の貫通孔内に装着することができることから、電極部の組立特性が良好であり、また、電極部を構成する接続子及び/又は線状体が直接電子部品及びプリント基板の各電極部分に接触することから安定した接触抵抗値を得ることができる。さらに、ソケット本体の貫通孔内に当該貫通孔の軸方向の長さと略同程度の長さを有するバネ部材を収納できることから、大きなストロークを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品用ソケットの説明図で、(a)は本発明の電子部品用ソケットの要部を示す一部断面図、(b)はソケット本体の一部を除去した状態を示す要部断面図。
【図2】本発明におけるソケット本体を示す斜視図で、(a)はソケット本体の貫通孔に対する電極部の装着状況を示す斜視図、(b)は電極部を装着したソケット本体の斜視図。
【図3】本発明の電子部品用ソケットとプリント基板並びに電子部品との接続状況を示す説明図で、(a)は電子部品用ソケットとプリント基板との位置関係を示す説明図、(b)は電子部品用ソケットとプリント基板との接続状況を示す説明図、(c)は電子部品用ソケットとプリント基板及び電子部品との接続状況を示す説明図。
【図4】本発明の電極部における撚線から成る線状体の変化状況を示す説明図で、(a)は変化前の状態を示す説明図、(b)は変化後の状態を示す説明図。
【図5】本発明の電極部における単線から成る線状体の変化状況を示す説明図で、(a)は変化前の状態を示す説明図、(b)は変化後の状態を示す説明図。
【図6】従来の電子部品用ソケットにおける電極部を示す一部断面図。
【符号の説明】
1…ソケット本体
2…貫通孔
21…開口部
22…本体挿通孔
23…ストッパ
3…電極部
31…線状体
32a…接続子(第1の接続子)
32b…接続子(第2の接続子)
33…バネ部材(コイル状スプリング)
4…プリント基板
4a…電極端子
5…電子部品
5a…電極端子
Claims (5)
- ソケット本体に前記ソケット本体の片面から他面に向かって貫通孔が設けられ、前記貫通孔内に配設された電極部を介して電子部品の電極端子とプリント基板の電極端子とを接続して成る電子部品用ソケットにおいて、
前記電極部は、中央部が前記貫通孔内に配設され、両端部が前記貫通孔の開口部から出没可能に配設された線状体と、前記線状体の両端部外周にそれぞれ固着された筒状の接続子と、前記各接続子間に配設され、前記貫通孔の軸方向に沿って伸縮するバネ部材とを備えることを特徴とする電子部品用ソケット。 - 前記各接続子は、それぞれ対向する端部側にフランジを備え、前記各フランジは、前記貫通孔の開口部近傍に設けられたストッパにそれぞれ係止されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品用ソケット。
- 前記バネ部材は、コイル状スプリングで構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子部品用ソケット。
- 前記線状体は、導電性の単線若しくは撚線で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の電子部品用ソケット。
- 前記接続子は、導電性の金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の電子部品用ソケット。
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