JP2004150960A - 物性測定用プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】被測定物表面の凹凸の有無にかかわらず複素誘電率の測定を正確に行う。また、被測定物に適した電気長に調整可能とする。
【解決手段】物性測定用プローブ31は、被測定物の複素誘電率を測定して当該測定された複素誘電率に基づいて被測定物の含水量等の物性値を測定する物性測定装置に用いられるものであり、芯線状の内部電極311と該内部電極311を中心軸として同軸状に配された外部電極312とを有し、内部電極311の軸方向に対して斜めとなるように端面313が形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物性測定用プローブに関する。さらに詳述すると、本発明は、被測定物の複素誘電率を測定して当該測定された複素誘電率に基づいて前記被測定物の含水量等の物性値を測定する物性測定装置に用いられるプローブの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、時間領域反射法(Time Domain Reflectometry法ともいう。以下、TDR法と表記する)により、被測定物の複素誘電率を測定し、当該測定された複素誘電率に基づいて被測定物の含水量等の物性値を測定する物性測定装置がある(特許文献1参考)。この物性測定装置では、図7および図8に示すように、プローブ110として、芯線状の内部導体111を中心軸として同軸円筒状に外部導体112が配置され被測定物100に当接させる端面113が平面状に構成されている同軸型の接触式電極が採用されている。端面113は、内部導体111の横断面と平行に、換言すれば内部導体111の軸方向と垂直に形成されている。この物性測定装置では、プローブ110の平面状端面113を被測定物100に接触させた状態で、被測定物100に励起信号としてのステップパルスを入射して当該被測定物からの反射波を検出すると共に、複素誘電率が既知の標準物質(図示省略)に励起信号としてのステップパルスを入射して当該標準物質からの反射波を検出して、検出した被測定物100及び標準物質からの反射波を時間経過順に取り込み記録し、当該記録された標準物質からの反射波と被測定物100からの反射波とについて周波数成分に応じて差と和とを求め、予め記録された標準物質の周波数成分に応じた複素誘電率を用いて被測定物100の複素誘電率を求めるようにしている。
【0003】
また、複素誘電率は温度によって値が変化するため、温度に対して正確な複素誘電率を測定するためには、複素誘電率の測定に影響を与えない範囲において、複素誘電率の測定部位のできるだけ近傍での温度を測定する必要がある。このため、従来では、温度センサを別途用いて、複素誘電率の測定点近傍の温度を測定するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特許番号第2740528号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の物性測定装置では、被測定物100の表面に凹凸があると、プローブ110の端面113を被測定物100に密着させることが難しい。プローブ110の端面113が被測定物100に密着していないと、空隙を含んだ複素誘電率を測定してしまうことになり、被測定物100の複素誘電率を正確に測定することができない。
【0006】
また、従来の物性測定装置は、被測定物100の表面にプローブ110の端面113を接触させるタイプであり、被測定物100の内部の物性値の測定は困難である。例えば被測定物100が食品である場合、食品表面と食品内部の水分の状態は異なることが予測されるため、食品の鮮度等を正確に調べるためには、食品内部の含水量を測定することが望ましい。ところが、従来のプローブ110は、被測定物100に突き刺し難い。また、プローブ110を被測定物100に無理に突き刺してしまうと、特に水分を多く含んだ食品などの被測定物100では、水分が被測定物100の外に流出してしまう、または被測定物100の細胞組織が破壊されてしまう。
【0007】
ここで、プローブ110を被測定物100に突き刺し易くするために、プローブ110の径を細く形成する事が考えられる。ところが、プローブ110の径を細くすると電極の電気長が小さくなる。電気長が小さくなると感度が低下してしまうという問題がある。
【0008】
また、従来では、複素誘電率測定と温度測定とで、それぞれ専用の別個のプローブを用いている。このため、複素誘電率測定と温度測定とを同時に行う場合には、複素誘電率測定点と温度測定点との位置的ずれが大きくなってしまう。一方、位置的ずれを解消するべく、同一点において複素誘電率測定と温度測定とを行う場合には、一方の測定を他方に先行して行なわざるを得ないために、複素誘電率測定と温度測定との間で時間的ずれが生じてしまう。ところが、特に被測定物が加熱や冷却の過程などにある場合、被測定物の各部における温度は不均一であり、また、被測定物の温度の時間変化も大きい。このため、複素誘電率測定点と温度測定点との位置的ずれにより、複素誘電率測定点における温度と温度測定点における温度との間にずれが生じてしまう。また、同一測定点であっても、複素誘電率測定と温度測定との間での時間的ずれにより、複素誘電率測定時における温度と温度測定時における温度との間にずれが生じてしまう。このため、従来技術では、温度に対する正確な複素誘電率の測定が困難であるという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、被測定物の複素誘電率の正確な測定が可能であり、且つ被測定物の内部の物性の測定が可能であり、更に被測定物に適した電気長に調整可能である物性測定用プローブを提供することを目的とする。また、本発明は、複素誘電率を測定すると同時に、当該測定個所の近傍の温度を測定できる物性測定用プローブを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、被測定物の複素誘電率を測定して当該測定された複素誘電率に基づいて被測定物の含水量等の物性値を測定する物性測定装置に用いられ、芯線状の内部電極と該内部電極を中心軸として同軸状に配された外部電極とを有する物性測定用プローブにおいて、内部電極の軸方向に対して斜めとなるように端面を形成している。
【0011】
したがって、プローブの端面は、円柱を斜めに切った断面に相当し、楕円状となる。当該楕円の短軸の長さはプローブの外径と同じであり、当該楕円の長軸の長さは内部電極の軸方向に対する端面の角度により定まりプローブの外径以上となる。したがって、当該楕円状端面の面積が、プローブの横断面の面積よりも大きくなる。ここで、電極の電気長は、プローブの端面の面積が大きくなるに従って大きくなる。したがって、本発明によれば、プローブ全体の径を太くすることなく電気長を大きくすることが可能となる。換言すれば、適切な電気長を一定に保ちつつ、プローブ全体の径を細くすることができる。さらに、内部電極の軸方向に対する端面の角度を調整することで、楕円状端面における長軸の長さを調整することができ、被測定物に適した電気長に調整することが可能となる。
【0012】
さらに本発明によれば、被測定物に適した電気長を有して尚且つプローブ全体の径を細くできることに加えて、端面を斜めとすることによりプローブの先端が鋭利となるため、被測定物にプローブを突き刺し易くなる。被測定物にプローブを突き刺すことで、被測定物の表面の凹凸の有無にかかわらず、プローブの端面が被測定物に密着するため、被測定物の複素誘電率を正確に測定することが可能となる。また、プローブの先端が鋭利であり且つ径を細くできるため、プローブを突き刺すことによる被測定物の損傷を抑えることができる。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の物性測定用プローブにおいて、物性測定装置はプローブと電気的に接続するための柔軟性を有するケーブルを有し、該ケーブルと着脱自在に構成されるようにしている。この場合、柔軟性を有するケーブルが変形することで、プローブの操作の自由度が向上する。また、プローブをこのケーブルから着脱自在に構成することで、必要に応じてプローブを容易に交換することができる。例えば、必要に応じて電気長の異なるプローブに交換する、必要に応じて被測定物の表面に接触するタイプのプローブに交換する、といったことが可能となる。
【0014】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の物性測定用プローブにおいて、プローブの端面の近傍に温度センサを配置するようにしている。したがって、プローブを被測定物に刺し込んで複素誘電率を測定すると共に、当該測定個所の近傍の温度を同時に測定することが可能となる。これにより、被測定物が加熱や冷却の過程などにある場合であっても、温度に対する正確な複素誘電率を測定することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1および図2に本発明の物性測定用プローブの実施の一形態を示す。この物性測定用プローブ31は、被測定物の複素誘電率を測定して当該測定された複素誘電率に基づいて被測定物の含水量等の物性値を測定する物性測定装置に用いられるものであり、芯線状の内部電極311と該内部電極311を中心軸として同軸状に配された外部電極312とを有し、内部電極311の軸方向に対して斜めとなるように端面313を形成するようにしている。
【0017】
本実施形態における物性測定装置は、例えばTDR法を採用した装置である。TDR法を採用した装置は、特許第2740528号等に開示されているように周知技術であるため、同装置自体の詳細な説明は省略する。ただし、本発明が適用可能な物性測定装置は、TDR法を採用した装置には限られない。被測定物の複素誘電率を測定する方法としては、TDR法の他に、例えば周波数領域測定法等が周知であり、これらの測定方法を採用した物性測定装置にも本発明は適用可能である。
【0018】
プローブ31は、図1に示すように、芯線状の内部電極311と該内部電極311を中心軸として同軸状に配された外部電極312とを有し、内部電極311の軸方向に対して斜めとなるように端面313が形成されている。内部電極311と外部電極312との間には、例えば絶縁体314が配置されている。例えば本実施形態では、絶縁体314の材料としてポリテトラフルオロエチレンを用いている。また、例えば本実施形態では、内部電極311、外部電極312には銅を用いている。尚、腐食防止のために、端面313には金メッキまたは白金メッキを施すことが好ましい。腐食しやすい金属を使用する場合、金メッキまたは白金メッキを施すことが好ましい。
【0019】
外部電極312の外径d1および内径d2、内部電極311の直径d3、内部電極311の軸方向に対する端面313の角度θ等は、例えば、プローブ31が細く且つ鋭利となるように、且つ電気長γdが被測定物に適したものとなるように設定される。
【0020】
電気長γdと、端面313の面積との間には相関関係があり、電気長γdは、端面313における面積が大きくなるに従って大きくなり、当該面積が小さくなるに従って小さくなる。プローブ31の端面313は、円柱を斜めに切った断面に相当し、楕円形状となる(図2参照)。当該楕円の短軸の長さは、プローブ31の径(本実施形態では外部電極312の外径)d1の長さと同じである。当該楕円の長軸d1’の長さは、内部電極311の軸方向に対する端面313の角度θにより定まり(d1’=d1/sinθ)、プローブ31の径d1の長さ以上となる。従って、当該楕円状の端面313の面積は、プローブ31の横断面の面積よりも大きく、且つ楕円の長軸d1’が長くなるほど大きくなる。従って、内部電極311の軸方向に対する端面313の角度θを調整することで、楕円状端面313における長軸d1’の長さを調整し、これにより端面313の面積を調整し、この結果、被測定物に適した電気長γdに調整することが可能となる。電気長γdを大きくすることで感度が上がるため、被測定物に応じた適切な電気長γdを選択することで、精度の良い測定が可能となる。
【0021】
また、本実施形態のプローブ31は、柔軟性を有し変形可能(即ちフレキシブル)なケーブル33に電気的に接続される。柔軟性を有するケーブル33としては、例えば芯線状の内部導体331と、その内部導体331を囲う絶縁体332と、その絶縁体332を更に囲う外部導体333と、その外部導体333を更に被覆する絶縁体334とを有する周知の同軸ケーブルを採用して良い。プローブ31の内部電極311は同軸ケーブル33の内部導体331に、プローブ31の外部電極312は同軸ケーブル33の外部導体333に、それぞれ電気的に接続される。
【0022】
プローブ31と同軸ケーブル33とは、例えば連結手段6によって接続される。本実施形態の連結手段6は、プローブ31と同軸ケーブル33とにそれぞれ嵌合しこれらを機械的に接続するねじ構造(雌ねじ)を有し、プローブ31と同軸ケーブル33とを直線状に連結するナット状に形成されている。そして、接続しようとするプローブ31と同軸ケーブル33の端部にも、連結手段6の雌ねじと噛み合う雄ねじが設けられている。連結手段6にねじ構造を採用することにより、プローブ31または同軸ケーブル33を、必要に応じて連結手段6から取り外すことができる。これにより、プローブ31は同軸ケーブル33と着脱自在に構成される。尚、本実施形態では、同軸ケーブル33を連結手段6にねじ構造により取り付けているが、圧入や接着又ははんだ付け等で同軸ケーブル33を連結手段6に固定するようにして、プローブ31のみを連結手段6に対して着脱自在に構成しても良い。また、連結手段6は、ねじ構造を利用した本実施形態の例に限定されるものではなく、プローブ31と同軸ケーブル33とを電気的に接続すると共に、プローブ31を同軸ケーブル33に対して着脱自在に構成できるあらゆる手段を必要に応じて適用して良い。
【0023】
被測定物を食品とし、当該食品の水分量を物性測定装置により測定する場合には、次のように行う。即ち、プローブ31を被測定物としての食品に突き刺す。プローブ31を突き刺すことで、食品の表面の凹凸の有無にかかわらず、プローブ31の端面313が食品に密着するため、食品の複素誘電率を正確に測定することが可能となる。また、プローブ31の先端が鋭利であり且つ径を細くできるため、被測定物としての食品の損傷を抑えることができる。測定された食品の複素誘電率から、当該食品の水分量を求めることができる。
【0024】
【実施例】
次に、本発明の効果を確認するための実験及びその結果を実施例として説明する。ただし、以下の実施例は本発明を何ら限定するものではない。
【0025】
本実験では、被測定物としてりんご、じゃがいも、牛肉について、プローブ31を備えたTDR式物性測定装置と、プローブ31を備えたインピーダンスアナライザとを用いて、室温での複素誘電率の測定を行った。本実験での電気長γdは0.315[mm]であった。複素誘電率の測定は、各被測定物にプローブ31を突き刺して行った。TDR式物性測定装置による測定条件は、周波数範囲を100[MHz]〜10[GHz]とし、測定時の被測定物の温度は室温(26℃〜27℃程度)と同じとし、標準物質として空気を用いた。インピーダンスアナライザによる測定条件は、周波数範囲(Frequency Range)を1[MHz]〜1.8[GHz]とし、測定時の被測定物の温度は室温(26℃〜27℃程度)と同じとした。図3にりんごについての測定結果を、図4にじゃがいもついての測定結果を、図5に牛肉についての測定結果をそれぞれ示す。図3から図5において、横軸は周波数の対数(log f[Hz])を、縦軸は複素誘電率の実部ε’と虚部ε”をそれぞれ示す。
【0026】
りんご、じゃがいも、牛肉で観測された緩和曲線は2〜3つの緩和過程を仮定することによって記述された。それぞれの被測定物で高周波側に水の回転拡散運動による緩和過程が1つ観測された。
【0027】
また、低周波側にも主に電極分極と考えられる緩和過程が1つ観測された。さらに複素誘電率の虚部には直流電気伝導成分による誘電損失が観られた。牛肉に関しては、高周波側の水の緩和と低周波側の電極分極による緩和だけでは複素誘電率の実部を記述することはできず、これらの緩和の中間周波数領域にDebye型の緩和過程を1つ仮定した。高周波側の緩和過程をh、低周波側の緩和過程をl、中間周波数領域の緩和過程をmとする。
【0028】
これらの緩和過程と導電率によって、複素誘電率は、下記に示す式により記述された。
【数1】
Figure 2004150960
但し、
ε;複素誘電率(但し、ε=ε’−jε”)
σ;導電率
ε;低周波側の誘電率
ε;高周波側の誘電率
Δε;緩和強度
ω;角振動数
τ;緩和時間
β;緩和曲線の広がりを表すパラメータ(β=1;Debye型)
【0029】
上記の緩和過程について、数式1によりカーブフィットを行って得られた緩和パラメータを表1に示す。但し、本実験では、高周波側の誘電率εは5.0に固定した。
【0030】
【表1】
Figure 2004150960
【0031】
以上の実験結果より、本発明のプローブ31を既知のTDR式物性測定装置およびインピーダンスアナライザに用い、プローブ31を固体試料に突き刺して、当該固体試料の複素誘電率を測定することが可能であることが確認された。
【0032】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本発明のプローブを用いた物性測定装置の測定対象として、食品のみならず、例えば含水量を調べる必要性がある含水物質全般を対象として良い。また、本発明のプローブを用いる物性測定装置は、上述の実施形態以外の複素誘電率の測定方法を採用した物性測定装置であっても良い。
【0033】
さらに、本発明に係る突き刺し型のプローブを用いて、被測定物について、複素誘電率のみならず他の物性値を同時に測定するように構成しても良い。この場合、本発明に係る突き刺し型のプローブが、複素誘電率以外の物性値の検出部を兼ね備えるように構成する。または、本発明に係る突き刺し型のプローブに、複素誘電率以外の物性値の検出部を付加するように構成する。
【0034】
例えば図6に示すように、端面313の近傍に温度センサ72を配置するようにしても良い。温度センサは、例えば熱電対72である。但し、温度センサは、熱電対に限定されるものではなく、例えばサーミスタや測温抵抗体(例えば白金抵抗線)を使用した周知の温度センサであっても良い。温度センサとして熱電対72を採用する場合、熱電対72の測定接点74をプローブ31の端面313の近傍に配置するように構成する。熱電対72のプローブ31への取り付け方法は、特に限定されるものではなく、例えば外部電極312の外周に熱電対72を接着剤等で貼り付けても良い。若しくは、外部電極312の長手方向に絶縁体314に達しない程度の深さの溝75を設けて、当該溝75に熱電対72を嵌め込むと共に接着剤等で固着しても良い。後者の場合、前者と比較して、熱電対72が外部電極312から出っ張らないために、プローブ31を被測定物に突き刺す際に、熱電対72がプローブ31から外れてしまい難いという利点がある。ここで、プローブ31の端面313と熱電対72との位置関係は、例えばプローブ31と熱電対72とが互いに検出信号を乱すことの無いように(即ち、一方が他方の外乱とならないように)、調整することが好ましい。例えば当該調整のために、熱電対72の測定接点74を、プローブ31の先端から若干装置本体側に引き込んだ位置(図6中Lで示す)に配置する。尚、複素誘電率の測定手段には、例えばTDR法を採用した周知の装置を用いて良い。熱電対72は、両端を接合した2種の異なった導体からなる周知のものである。熱電対72は、図示しない温度測定手段に接続されており、この温度測定手段は、熱起電力(ゼーベック効果)を利用して、熱電対72の二つの接点の間で発生する熱電圧を測定することにより、測定接点74の温度を測定する周知の装置である。以上の構成によって、プローブ31を被測定物に刺し込むことで、当該被測定物の複素誘電率を測定できると共に、当該複素誘電率の測定点の近傍の温度を同時に測定することが可能となる。これにより、被測定物が加熱や冷却の過程などにある場合であっても、温度に対する正確な複素誘電率を測定することができる。
【0035】
さらに、プローブの端面を斜めとなるように形成することで、端面における面積を調整し、所望の電気長を得ることができるが、場合によっては、プローブの横断面の形状によって所望の電気長を得るようにしてもよい。例えば、プローブの端面をプローブの横断面と平行な平面とし、且つプローブの横断面の形状を楕円形状として、所望の電気長を得るようにしても良い。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の物性測定用プローブによれば、プローブ全体の径を太くすることなく電気長を大きくすることが可能となる。換言すれば、適切な電気長を一定に保ちつつ、プローブ全体の径を細くすることができる。さらに、内部電極の軸方向に対する端面の角度を調整することで、楕円状端面における長軸の長さを調整することができ、被測定物に適した電気長に調整することが可能となる。
【0037】
さらに、被測定物に適した電気長を有して尚且つプローブ全体の径を細くできることに加えて、端面を斜めとすることによりプローブの先端が鋭利となるため、被測定物にプローブを突き刺し易くなる。被測定物にプローブを突き刺すことで、被測定物の表面の凹凸の有無にかかわらず、プローブの端面が被測定物に密着するため、被測定物の複素誘電率を正確に測定することが可能となる。また、プローブの先端が鋭利であり且つ径を細くできるため、プローブを突き刺すことによる被測定物の損傷を抑えることができる。また、本発明に係るプローブは、例えば既存のセミリジッドケーブルの先端部分を斜めに切断するだけで極めて容易に製造できる。
【0038】
さらに、請求項2記載の物性測定用プローブによれば、柔軟性を有するケーブルが変形することで、プローブの操作の自由度が向上する。また、プローブをこのケーブルから着脱自在に構成することで、必要に応じてプローブを容易に交換することができる。例えば、必要に応じて電気長の異なるプローブに交換する、必要に応じて被測定物の表面に接触するタイプのプローブに交換する、といったことが可能となる。
【0039】
さらに、請求項3記載の物性測定用プローブによれば、プローブを被測定物に刺し込んで複素誘電率を測定すると共に、当該測定個所の近傍の温度を同時に測定することが可能となる。これにより、被測定物が加熱や冷却の過程などにある場合であっても、温度に対する正確な複素誘電率を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物性測定用プローブの実施の一形態を示す概略中央縦断面図である。
【図2】プローブの端面と垂直な図1中の矢印Aの方向から見たプローブの端面を示す概略図である。
【図3】本発明の物性測定用プローブを用いてTDR式物性測定装置およびインピーダンスアナライザにより被測定物(りんご)の複素誘電率を測定した結果を示すグラフであり、横軸は周波数の対数(log f[Hz])を、縦軸は複素誘電率の実部ε’と虚部ε”をそれぞれ示す。
【図4】本発明の物性測定用プローブを用いてTDR式物性測定装置およびインピーダンスアナライザにより被測定物(じゃがいも)の複素誘電率を測定した結果を示すグラフであり、横軸は周波数の対数(log f[Hz])を、縦軸は複素誘電率の実部ε’と虚部ε”をそれぞれ示す。
【図5】本発明の物性測定用プローブを用いてTDR式物性測定装置およびインピーダンスアナライザにより被測定物(牛肉)の複素誘電率を測定した結果を示すグラフであり、横軸は周波数の対数(log f[Hz])を、縦軸は複素誘電率の実部ε’と虚部ε”をそれぞれ示す。
【図6】本発明の物性測定用プローブの他の実施の一形態を示す概略構成図である。
【図7】従来の物性測定用プローブを示す概略中央縦断面側面図である。
【図8】従来の物性測定用プローブを示す概略正面図である。
【符号の説明】
31 プローブ
33 同軸ケーブル(柔軟性を有するケーブル)
72 熱電対(温度センサ)
311 内部電極
312 外部電極
313 端面

Claims (3)

  1. 被測定物の複素誘電率を測定して当該測定された複素誘電率に基づいて前記被測定物の含水量等の物性値を測定する物性測定装置に用いられ、芯線状の内部電極と該内部電極を中心軸として同軸状に配された外部電極とを有する物性測定用プローブにおいて、前記内部電極の軸方向に対して斜めとなるように端面を形成したことを特徴とする物性測定用プローブ。
  2. 前記物性測定装置は前記プローブと電気的に接続するための柔軟性を有するケーブルを有し、該ケーブルと着脱自在に構成されることを特徴とする請求項1記載の物性測定用プローブ。
  3. 前記端面の近傍に温度センサを配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の物性測定用プローブ。
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