JP2004150003A - 土木資材用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、パラ系アラミド繊維原糸の耐薬品性を向上させ、レキによる耐衝撃特性に優れた土木資材用シートを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の土木資材用シートは、引張破断強度が20cN/dtex以上で、引張弾性率が450cN/dtex以上である高強度繊維を、他素材からなる繊維で被覆してなる芯鞘構造糸からなるメッシュシートであって、該芯鞘構造糸の少なくとも該高強度繊維が合成樹脂被覆されていることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、レキによる加圧・衝撃に対する耐衝撃性および酸性土壌やアルカリ性土壌に対する耐薬品性にも優れ、さらにその引張強伸度曲線から、地震時にも優れた破断しにくい土木資材用シートに関する。
従来から、土木資材用シートに使用される素材として、天然繊維や化学繊維などが使用されているが、天然繊維は、化学繊維に比して強度面および耐久性面で劣り、また、化学繊維でも、たとえばビニロン繊維、ナイロン繊維やアクリル繊維は、耐水強度が劣るし、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維等は、初期引張り抵抗度(見掛けヤング率)がそれほど高いものでもなく、高弾性性能を要求される土木資材用シートの補強材としては、最適な素材であるとはいえないものであった(特許文献1参照)。
また、炭素繊維や弗素繊維等は、その材料コスト的に高価なものとなり、土木資材用シートとしては、展開し難く、また、高強度・高弾性率である化学繊維として、アラミド繊維があるが、この繊維は耐薬品強度が低下しやすい欠点があり、またレキによる衝撃を受けて損傷し易く、破断し易いという欠点があった。
特開2002−249951号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、レキによる耐衝撃性や酸性・アルカリ性土壌においても耐破断性に優れ、かつ地震時にも強い優れた土木資材用シートを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の土木資材用シートは、引張破断強度が20cN/dtex以上で、引張弾性率が450cN/dtex以上である高強度繊維を、他素材からなる繊維で被覆してなる芯鞘構造糸からなるメッシュシートであって、該芯鞘構造糸の少なくとも該高強度繊維が合成樹脂被覆されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、パラ系アラミド繊維原糸の耐薬品性を向上させ、レキによる耐衝撃特性に優れた土木資材用シートを安定して提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり高強度繊維を用いてもレキによる耐衝撃性に優れ、さらに耐薬品性にも優れ、地震時にも破断しにくい土木資材用シートについて、鋭意検討し、高強度繊維を合成樹脂被覆し、この高強度繊維を他素材からなる繊維で被覆して、該高強度繊維を保護する構造にしてなる芯鞘構造糸でメッシュシートを構成してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
まず、本発明において、高強度繊維として、引張破断強度が20cN/dtex以上で、引張弾性率が450cN/dtex以上であるという、特定な強度と特定な弾性率を有するものを選択した。すなわち、通常の高強度繊維の中でも高強度で高弾性のものを選ぶことにより、強度と剛性を付与し、そのマイナス面である破断しやすさを、他素材からなる繊維で被覆してなる芯鞘構造糸として保護したところ、該高強度繊維の脆さを見事に改善することおよびその引張破断曲線において一次降伏後(地震時に想定)にさらに強度を発生する土木資材用シートを得ることにに成功したものである。
ここでいう他素材からなる繊維とは、該高強度繊維より低い引張破断強度や引張弾性を有する繊維であり、好ましくは引張破断強度が10cN/dtex以下で、引張弾性率が150cN/dtex以下の物理特性を有する繊維を意味するものである。かかる比較的低い引張破断強度や引張弾性を有する繊維で高強度繊維を被覆することによって、初めて圧力やレキによる衝撃に対して強靱な芯鞘構造糸を提供することができたものである。かかる比較的低い引張破断強度や引張弾性を有する繊維としては、天然繊維、合成繊維、さらに化学繊維などの汎用繊維を使用することができるが、それらの中でも、ポリアミド繊維および/またはポリエステル繊維を好ましく使用することができる。以下、他素材からなる繊維を汎用繊維に代表させて、単に汎用繊維という。
本発明の高強度繊維としては、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維などを使用することができる。かかるパラ系アラミド繊維としては、例えばポリパラフェニレンテレフタラミド、コポリパラフェニレン−3,4’−オキシジレニレンテレフタラミド等がこれに属するが、これらの中でも、パラ系アラミド繊維が好ましく、さらに難燃性、耐溶剤特性および熱収縮率の点から、特に好ましくはポリパラフェニレンテレフタラミド繊維が使用される。
かかる高強度繊維は、さらに好ましくは耐薬品性および/または疎水性の合成樹脂で被覆される。すなわち、芯鞘構造糸で保護した上に、さらに合成樹脂で被覆して保護したことによって、該高強度繊維の最大の欠点である耐薬品性を大幅に改善することができたものである。
かかる被覆処理は、少なくとも高強度繊維が保護されればよく、繊維束、糸条、さらには単繊維単位のいずれの段階でもよい。つまりでメッシュシート構成後に被覆してもよいが、好ましくは単繊維単位で被覆するのが効果的でよい。かかる合成樹脂としては、耐薬品性および/または疎水性という性能を有するものであれば、別に種類は問わないが、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、さらには、エチレン・プロピレン共重合樹脂などのポリオリフィン系樹脂が好ましく使用される。
かかる合成樹脂の含有量(塗布量)としては、耐薬品性や疎水性が発揮される程度であれば別に制約されないが、好ましくは繊維重量の少なくとも3重量%、より好ましくは5〜10重量%である。
本発明の芯鞘構造糸は、かかる高強度繊維を芯に用いて形成される。その形態としては、別に如何なる形態でもよいが、コアヤーン(芯が高強度・高弾性繊維フィラメント糸、鞘が汎用繊維からなるステープル糸構造)使い、あるいはカバリング糸の芯が高強度繊維フィラメント糸、鞘も汎用繊維のフィラメント糸使い、あるいは高強度繊維フィラメント糸と汎用繊維からなるフィラメント糸とを用いてなる組み紐の形態、さらには高強度繊維糸条の片面または両面に汎用繊維糸条を積層してなる、たとえば複数本の高強度繊維糸条を引き揃えて形成された扁平糸条の両面に、同じく複数本の汎用繊維糸条を引き揃えて形成された扁平糸条を積層した積層形態のものなどを採用することができる。本発明では、かかる積層形態のものも、芯鞘構造糸という。
かかる芯鞘構造糸の具体的な例としては、芯糸と汎用繊維による二層あるいは三層編み、あるいは、汎用繊維による絡み糸や編み糸で芯材の高強度繊維を被覆したものを使用することができる。かかる構造にすると、芯鞘構造糸の被覆カバー率を200%以上に高めることができ、もってレキによる耐衝撃性を大幅に改善させることができ、強度劣化も極めて少ないという利点を発揮させることができる。
本発明の土木資材用シートは、かかる芯鞘構造糸を構成要件にしてメッシュシートを形成するものであるが、かかるメッシュシート組織としては、織物、編物および格子状織編物から選ばれた少なくとも1種の織編組織形態のものを使用することができるが、中でも平織り、綾織りおよび朱子織りなどの織物ならびに格子状織編物などの組織のものが好ましく使用され、その中でも特に格子状織編物組織のものが、寸法安定性の上から好ましく使用される。
ここで格子状織編物(グリッドともいう)とは、絡み織りあるいは縦編みのラッセル編み、さらに好ましくは経・緯糸挿入ラッセル編み組織のものが好ましく使用される。
また、かかる格子状織編物の挿入糸としては、ポリアミド繊維および/またはポリエステル繊維が好ましく用いられる。かかる挿入糸を、前記汎用繊維を使用することによって、該メッシュシートの柔軟性に方向性をもたせることができ、取り扱い性や衝撃吸収性を改善するという利点がある。
かかるラッセル編み組織において、挿入糸ではない方には、前記芯鞘構造糸が使用されるが、このときの該高強度繊維の総繊度としては、好ましくは1000〜10000dtexの繊維束が使用される。ここでいう総繊度は、繊維束1本でもよいが、複数本の集合であってもよい。もちろん、かかる高強度繊維の繊維束は、芯部を構成し、鞘部を、該汎用繊維で構成されているものであるが、ここではこの鞘部については言及してはいない。しかし、概してかかる汎用繊維としては、総繊度3000〜30000dtex程度の繊維束が好ましく採用される。
かかる汎用繊維の繊維束は、該緯糸または経糸挿入ラッセル編み組織での挿入糸にも使用される。すなわち、該芯鞘構造糸と、総繊度1000〜10000dtex/1本のポリアミド繊維および/またはポリエステル繊維とでラッセル編み組織で編み込んむ際に、上述の緯糸または経糸を挿入して、緯糸挿入ラッセル編みまたは経糸挿入ラッセル編みのメッシュシートを形成する。
かかる挿入糸は、総繊度3000〜30000dtex/1本の繊維束で、かつ、かかる繊維束を3〜6本集合させて挿入するものである。
かかるメッシュシートの目合いとしては、好ましくは最短辺が少なくとも10mm程度開いたものが好ましく採用される。かかる目合いとしては、用途によって大きいものから小さいものまで各種採用されるが、いずれにしても好ましくは10〜100mm程度のものが使用される。
かかるメッシュシートは、単繊維または糸条段階で合成樹脂被覆されていない場合には、かかるシート段階で合成樹脂被覆加工されてもよい。被覆条件は、前者の場合記と変わりはない。
かかるメッシュシートは、好ましくは、さらに耐衝撃性樹脂で被覆される。かかる耐衝撃性樹脂としては、熱可塑性、熱硬化性の樹脂のいずれの樹脂も用いることができるが、たとえばポリ塩化ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリエステルおよびポリ酢酸ビニルから選ばれた1種が好ましく使用される。かかる樹脂の中でも弾性と被膜強度、さらに衝撃性を改善するために、かかる樹脂に、さらにゴム系樹脂を混合したブレンド樹脂がより好ましく使用される。
かかる耐衝撃性樹脂の塗布量は、該メッシュシートが保護さる程度あれば、特に限定されるものではないが、好ましくは100〜500g/m2 、より好ましくは300〜400g/m2 であるのがよい。
かくして得られる土木資材用シートの用途としては、盛土を構築する際に盛土材(土壌)に円弧滑り破壊を防止する目的で、該土木資材シートを数段に分けて層状に概略水平に敷設する補強材として使われる盛土補強材に、あるいは軟弱地表層に敷設されトラフィカビリティ(重機走行性)確保のために使われる軟弱地表層処理材として、また、該格子状布帛と不織布を併用して河川・海洋護岸のり面に敷設され、該のり面が水流によって侵食されることを防止する侵食防止材として、加えて該のり面から土砂が水流により吸い出されることを防止する土砂吸い出し防止材に好ましく使用される。
次に、本発明の土木資材用シートを、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の土木資材用シートを構成するメッシュシートの一例である経緯挿入ラッセル編み製メッシュシートの組織図を示すものである。この組織の経糸は、ポリオレフィン系樹脂を被覆した高強度繊維糸条を3本引き揃えてなる経糸挿入糸1の上下両面に、汎用繊維糸条を3本引き揃えてなる経糸挿入糸2を積層させ、かかる2種の経糸挿入糸2,3からなる積層糸条を、汎用繊維糸条からなる鎖編み糸3で交絡し束ねてなる芯鞘構造糸で構成されているものである。緯糸は、汎用繊維糸条からなる緯糸挿入糸4で構成されている。この緯糸挿入糸4も経糸挿入糸2,3と同様に、3本引き揃えて形成されたものである。
次に、本発明の土木資材用シートの衝撃試験方法について、図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の土木資材用シートの耐衝撃性の測定方法を説明するものである。すなわち、張力2kgをかけて緊張した状態に設定した土木資材用シート5を、山形アタッチメント6を上下から挟み込む形で、かつ、該山が噛み合うように上下配置させる。この山形アタッチメント6は、先端角度90°で、一辺の長さ4cmのJIS規格等辺山形鋼を長さ20cmに切断したものを、20cm四角の鉄板(厚さ4.2mm)に、間隔を開けないで、密着させて溶接されたものを使用する。下側の山形アタッチメント6は、固定試験台上に固定されている。
また、土木資材用シート5を、緊張した状態に保持するために、鋼材製の箱型枠体(図示せず)を用い、張力2kgかけて緊張させた状態で該シートの両端を枠体に固定する。
かかる山形アタッチメント6および土木資材用シート5を配置させた後、一定衝撃力を加えた後、該土木資材用シートの引張強度保持率を測定した。
なお、上記一定衝撃力として、JIS A-1211-2.1(2)のランマ7(自重4.5kg)を使用し、このランマ7は、上側の山形アタッチメント6の表面からの高さで、45cmの高さから17回自由落下させる手段を採用する。
この衝撃エネルギーは、およそ21t級振動ローラ7回通過に相当するものである。
図3は、本発明の土木資材用シートのレキ(岩ズリ)による加圧・衝撃に対する耐衝撃性試験方法を説明するものである。すなわち、厚さ15cmのレキ10を敷設した層の上に土木資材用シート5を緊張状態を保持した状態で敷き、その上に、厚さ15cmのレキ10を敷設して挟み込み、このレキ層の上から、工事用タンピングランマMT−53HSL(三笠建設機械株式会社製)を用いて、転圧通過させて、衝撃試験するものである。
ここで使用するタンピングランマは、自重60kgのタンピングランマであり、転圧通過を5回させた後、該グリッドの引張強度保持率を測定するものである。
また、土木資材用シート5の緊張状態を保持するために、鋼材(アングル)で、高さ15cm、幅1m、奥行き1.5mの6面体枠体を形成したものを用い、これに土木資材用シートを載せ、張力2kgをかけて緊張させた状態で該シートの両端を枠体に固定して保持する。実際には、コンクリート基盤の上に5m四方の広さに、厚さ15cmに、レキ(岩ズリ)を敷き詰め、その真ん中に、該シート面がレキ表面に接するまで、該シート展張枠体を叩き込み、次いで、その上に該レキを厚さ15cmに敷き詰める。この上から該タンピングランマで転圧するものである。
図4は、本発明の土木資材用シートの引張強伸度曲線の一例を示すものである。試料幅20cm(経ストランド10本)、試料片長となるドラムチャックのチャック間長を60cmとし、引張速度を試片長の20%となる12cm/分とした引張試験条件にて得られた引張強伸度曲線である。
ここで、伸度3〜5%間で一時降伏強度を示し、その後8%まで伸度が達した時点で破断する引張強伸度曲線となる。
このことは、一般的に土塊のひずみ量が5%前後でクラックが発生し、土構造物の崩壊が起きるとされており、例えば本発明の土木資材シートを盛土の補強材として使用した場合、補強材の必要設計強度を伸度3〜5%で満たしている状態の時、仮に強震度の地震が発生した場合を想定すると、本発明の土木資材用シートは、さらに補強材としての必要設計強度の1.5倍以上の強度を8%伸度時まで発揮するエネルギー吸収能を持つことを意味するものである。
すなわち、本発明の格子状織編物の経糸が、芯はアラミド繊維で鞘はポリエステル繊維からなる芯鞘構造糸であることにより表3に示すように、比較例に比して約5倍のエネルギー吸収能に優れた補強材を提供することができるのである。
このエネルギー吸収能(強度×歪み量)は、UCHIDAデジタルプラにメーターKP−92を用いて、図4に示す引張強伸度曲線の面積を算出したものである。該面積はパルスカウント値×単位面積定数(0.1cm2 )で求めた。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
次に本発明で得た測定方法を示す。
次に、実施例で採用される土木工事用シートの性能測定方法について説明する。
1.耐薬品性能測定方法(表1)
0.1%濃度でpH12とした水酸化カルシウムおよび水酸化ナトリウムと0.1%濃度でpH2とした塩酸および硫酸による薬液浸せき(50℃×1000hr)後の引張強度保持率で比較した。
2.耐衝撃性能測定方法(表2)
1)山形モデル衝撃試験
図2に示す山形アタッチメント(先端角度90°で一辺の長さ4cm:JIS G3101に規格する材質SS400の等辺山形鋼40×40×3mm)間に前記生機の樹脂加工方法で得られた土木資材用シートを、張力20kgで緊張した状態で設置し、一定衝撃力を加えた後、該土木資材用シートの引張強度保持率を測定した。
なお、上記一定衝撃力として、マルイ制作所製のJIS規格ランマ自重4.5kgを45cm高さから17回自由落下させる手段を採用した。
2)レキによる衝撃試験
図3に示す敷き詰めたレキ(岩ズリサイズ最大粒径100mm以下:メッシュの目合いが100mmの篩にかけたもの)上に土木資材用シートを、張力2kgで緊張した状態で設置し、更にレキを15cm厚に被せ三笠建設機械株式会社製60kgタンピングランマで5回転圧通過させた後、該土木資材用シートの引張強度保持率を測定した。
ここで、岩ズリとは、地盤の安定/仮設構造物(1998年5月30日発行;鹿島建設(株)土木設計本部編;鹿島出版会出版:第10頁)表1.1−13「盛土材料の適用区分」に記載のA郡(硬岩ズリ)に属するものである。該区分のA郡では岩ズリの最大粒径は300mm以下としているが、本試験ではこれを最大粒径100ミリ以下に破砕したものを用いた。
3)引張強伸度試験
図4に示す引張強伸度曲線は、島津制作所製AUTOGRAPH(SFL-50KNAG)
試験機にてドラムチャックを用い、本発明土木シートの経方向のストランド1 0本(試験片幅20cm)、チャック間長60cm、引張速度12cm/分(チャッ ク間長の20%)の試験条件にて測定した。
実施例1
パラ系アラミド繊維(東レデュポン社製“ケブラー29”(R))繊度1666デシテックスからなる総繊度1666デシテックスの糸条に、ポリオレフィン系樹脂(三井化学製ケミパールS75N(R))をコード処理機で糸速20m/分、処理温度150℃×1分にて、重量比で8%付着させた糸を3本引揃えたものを経糸の芯材とし、カールマイヤ社製経緯挿入ラッセル編み機にて、鎖編み法による格子状目合い(糸間隔)を経40mm×緯20mmとした。この時、経糸のアラミド繊維をサンドイッチするようにポリエステル糸を配した三層編み構造とした。この際、緯糸と編み糸にはポリエステル糸を用いて、図1の経緯挿入ラッセル編み組織からなるメッシュシートを得た。
すなわち、経糸に用いたパラ系アラミド繊維からなる総繊度1666デシテックスの糸条の3本引揃え糸を芯材とし、ポリエステル繊維からなる総繊度1400デシテックスの糸条の3本引揃え糸を用いて、芯材の被覆カバー率を200%以上とするため、ケブラーの表裏側にて芯材をサンドイッチ型に積層した。これらの経糸挿入糸を束ねるために、鎖編み糸として、総繊度560デシテックスのポリエステル糸条を用い、最終的には、経緯挿入ラッセル編み組織において、交絡し束ねて、芯鞘構造糸を形成するものであった。なお、緯糸挿入糸として、ポリエステル繊維からなる総繊度1400デシテックスの糸条の3本引揃え糸を用い、経緯の目空き寸法が、それぞれ40mm,20mmのメッシュシートを得た。
こうして得たメッシュシートに、アクリル樹脂30/MMAブタジェンラバー70(PAN30/MBR70)にブレンドした樹脂(固形分65%)を含浸させて、約400g/m2 付着させた後、110〜150℃×12分で乾燥・熱処理して、土木資材用シートを得た。
この土木資材用シートの性能比較試験結果を表2に示す。なお、この土木資材用シートを構成するポリオレフィン系樹脂被覆してなるパラ系アラミド繊維からなる総繊度1666デシテックスの糸条の耐薬品試験特性およびエネルギー吸収能を試験した結果を、表1、3に示した。
比較例1
パラ系アラミド繊維(東レデュポン社製“ケブラー29”(R))からなる総繊度1666デシテックスの糸条に、ポリオレフィン系樹脂を付着させていない原糸での耐薬品試験特性およびエネルギー吸収能を試験した結果を、表1、3に示した。
比較例2
ポリエステル繊維で被覆していないパラ系アラミド繊維(東レデュポン社製“ケブラー29”(R))総繊度1666デシテックスの糸条を3本引き揃えて、格子状編物を製編して、土木資材用シートを得た。
この土木資材用シートの性能比較試験結果を表2に示した。
Figure 2004150003
Figure 2004150003
Figure 2004150003
表1の試験結果から、実施例1のものは、比較例1のものに比して、耐薬品性が、明らかに良好なものであることがわかる。
また、表2から明らかなように、実施例1のものは、引張強度保持率が90%以上を保持し、レキによる耐衝撃特性に優れるものであることが確認されたのに対して、比較例2のものは、レキの衝撃により破損度が大きく、衝撃試験前との引張強度保持率が大きく低下した。
さらに、表3から明らかなように、実施例1のものは、比較例1のものに比して、エネルギー吸収能が約5倍有することが確認された。
この図は、本発明の土木資材用シートを構成するメッシュシートの一例である経緯挿入ラッセル編み組織図である。 この図は、本発明の土木資材用シートの耐衝撃性の測定方法である山形モデル衝撃試験の説明のための模式図である。 この図は、本発明の土木資材用シートのレキ(岩ズリ)による衝撃試験を説明する模式図である。 本発明の土木資材用シートの引張強伸度曲線の一例を示すものである。
符号の説明
1:経糸挿入糸(樹脂被覆高強度繊維糸条)
2:経糸挿入糸(汎用繊維糸条)
3:鎖編み糸(汎用繊維糸条)
4:緯糸挿入糸(汎用繊維糸条)
5:土木資材用シート
6:山形アタッチメント
7:JIS規格ランマ
8:落下高さ
9:タンピングランマ
10:レキ(岩ズリ)
11:比較例の引張強伸度面積(エネルギー吸収能)
12:実施例の引張強伸度面積(エネルギー吸収能)

Claims (17)

  1. 引張破断強度が20cN/dtex以上で、引張弾性率が450cN/dtex以上である高強度繊維を、他素材からなる繊維で被覆してなる芯鞘構造糸からなるメッシュシートであって、該芯鞘構造糸の少なくとも該高強度繊維が合成樹脂被覆されていることを特徴とする土木資材用シート。
  2. 該高強度繊維が、パラ系アラミド繊維である請求項1に記載の土木資材用シート。
  3. 該合成樹脂が、耐薬品性および/または疎水性の樹脂である請求項1または2に記載の土木資材用シート。
  4. 該合成樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である請求項3に記載の土木資材用シート。
  5. 該高強度繊維が、単繊維単位で該合成樹脂で被覆されているものである請求項1〜4のいずれかに記載の土木資材用シート。
  6. 該他素材からなる繊維が、該高強度繊維の引張破断強度および引張弾性率よりも低い繊維である請求項1〜5のいずれかに記載の土木資材用シート。
  7. 該他素材からなる繊維が、引張破断強度が10cN/dtex以下で、引張弾性率が150cN/dtex以下の物理特性を有するものである請求項1〜6のいずれかに記載の土木資材用シート。
  8. 該他素材からなる繊維が、ポリアミド繊維および/またはポリエステル繊維である請求項7に記載の土木資材用シート。
  9. 該メッシュシートが、格子状織編物である請求項1〜8のいずれかに記載の土木資材用シート。
  10. 該格子状織編物が、経緯糸挿入ラッセル編み組織で構成されているものである請求項9に記載の土木資材用シート。
  11. 該経糸として、ポリアミド繊維および/またはポリエステル繊維を用いることを特徴とする請求項10に記載の土木資材用シート。
  12. 該経緯糸挿入ラッセル編み組織のいずれか一方が、該高強度繊維の総繊度が1000〜10000dtexの繊維束と、総繊度3000〜30000dtexのポリアミド繊維および/またはポリエステル繊維を合糸したかかる繊維束を2〜10本挿入したものを編み糸で編み込んだものである請求項10または11に記載の土木資材用シート。
  13. 該メッシュシートの目合いが、最短辺が少なくとも10mmである請求項9〜12のいずれかに記載の土木資材用シート。
  14. 該土木資材用シートが、さらに耐衝撃性樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の土木資材用シート。
  15. 該耐衝撃性樹脂が、ポリ塩化ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリエステルおよびポリ酢酸ビニルから選ばれた1種である請求項14に記載の土木資材用シート。
  16. 該耐衝撃性樹脂が、ゴム系樹脂とのブレンド樹脂である請求項14または15に記載の土木資材用シート。
  17. 該土木資材用シートが、盛土補強材、軟弱地盤表層処理材、河川・海洋の護岸侵食防止材および吸い出し防止材のいずれかの用途に用いられるものである請求項1〜16のいずれかに記載の土木資材用シート。
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