JP3838719B2 - 土構造物補強排水材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤改良、地盤強化、盛土強化等の土木工事に際し、土中に埋めて敷設されて使用される土構造物補強排水材に関するものであり、土構造物土質材料である礫粒土、砂粒土、粘性土等に制約を受けることのない土構造物補強排水材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、土構造物の地盤補強には、合成繊維織物や合成繊維格子状織物に合成樹脂を被覆したネット状シートや合成繊維不織布が用いられ、近年では実公平4−34018号公報のように合成繊維織物に合成繊維不織布を貼り合わせたものが開発されている。
【0003】
合成繊維織物は、土構造物の補強に関して強度はあるが、土中引き抜き抵抗が十分でなく土の滑り現象が起こりやすく、また排水機能、耐衝撃性機能もないので土質材料である礫粒土、粘性土等では使用できない。合成繊維格子状素材に合成樹脂を被覆したネット状シートは土質材料との滑り現象は改善され補強効果はあるが、粒径の大きい礫粒土では耐衝撃性機能は十分でなく、また排水機能がないので粘性土では使用できない。
【0004】
合成繊維不織布は、排水機能や耐衝撃性の点では満足できるものではあるが、強度が低く、補強効果の土中での引き抜き抵抗が十分満足できるものではない。合成繊維織物に合成繊維不織布を貼り合わしたものは強度や排水機能の点では満足できるものであるが、合成繊維不織布の表面に強度のある合成繊維織物を貼り合わしているので補強効果の土中での引き抜き抵抗が十分満足できるものではなく、土質材料である礫粒土、砂粒土、粘性土等の補強効果は不十分である。
このように、土構造物の土質材料である礫粒土、砂粒土、粘性土等全ての地盤補強に必要な機能を兼ね備えたものは開発されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような課題を解決するもので、土構造物の土質材料である礫粒土、砂粒土、粘性土等の地盤補強に必要な機能である、補強効果である強度と土中での引き抜き抵抗、排水機能、耐衝撃性機能に優れた土構造物補強排水材を安価に提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する手段】
本発明は、上記課題を解決するもので、次の構成よりなるものである。すなわち、少なくとも1方向の引張強力が2ton/m以上の合成繊維織編物からなる基布の少なくとも片面に、主体となる繊維がバインダー繊維で部分的に接着された繊維層が点接着されていて、該繊維層は厚みが1mm以上、平均嵩密度が0.015〜0.6g/cm3 、少なくとも片面の繊維層の表面に凹凸模様が形成されていることを特徴とする土構造物補強排水材、または少なくとも1方向の引張強力が2ton/m以上の合成樹脂で被覆された格子状合成繊維織編物からなる基布の少なくとも片面に、主体となる繊維がバインダー繊維で部分的に接着された繊維層が点接着されていて、該繊維層の厚みが1mm以上、平均嵩密度が0.015〜0.6g/cm3 、少なくとも片面の繊維層の表面に凹凸模様が形成されていることを特徴とする土構造物補強排水材を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で強度を得るために用いる合成繊維織編物からなる基布または合成樹脂で被覆された格子状合成繊維織編物からなる基布は、少なくとも1方向の引張強力が2ton/m以上であり、引張強力が2ton/m未満のときは、土中に敷設されたとシートにかかる土圧、抵抗力および引張強力等のために切断や破壊等のおそれがある。また引張応力が2ton/m時の伸びは10%以内であるのが好ましい。
基布となる合成繊維織編物を形成する合成繊維材料は、ポリアミド、ポリエステル、ビニロン、アラミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のマルチフィラメント、モノフィラメントを含む長繊維糸、または、短繊維紡績糸等であり、またはこれらを組み合わせて用いてもよい。
【0008】
また基布となる織物の組織としては、平織、綾織、朱子織あるいはこれらを応用した組織でよく、特に格子状織物としては、模紗織やからみ織が好ましい。基布が編物の場合には、緯編み、経編み等を応用した編物でもよく、特に編目を形成しないで挿入される経緯糸を挿入した経編物であるのが好ましい。そして基布として格子状の組織を有する格子状合成繊維織編物を用いる場合には,目ずれ防止のためにも合成樹脂にて被覆して用いる。この場合の合成樹脂としては、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系等の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を用いることができ、被覆方法としては、ディッピング法等樹脂の種類と基布の性状により選択されればよい。
【0009】
本発明の土構造物補強排水材は、排水機能、耐衝撃性機能、土中での引き抜き抵抗を得るために、主体となる繊維とバインダー繊維とを混綿し、バインダー繊維のバインダー成分で主体となる繊維を点接着した繊維層が上記の基布の少なくとも片面にバインダー繊維のバインダー成分で点接着している。
【0010】
繊維層を構成する主体となる繊維としては、天然繊維、化学繊維等の一般の紡績繊維であればよいが自然分解性の少ない、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維が好ましく、なかでも捲縮数が6個/25mm以上である合成繊維であるのが好ましい。さらには、潜在捲縮性複合繊維によるコイル状の堅牢な捲縮を有する繊維が好ましく、特にポリエステル系ポリマーによる潜在捲縮性複合繊維であるのが有効である。
【0011】
本発明の土構造物補強排水材の第1の特徴は、軽量で嵩高性があり、排水に必要な透水性が十分にあることである。そのためには、捲縮数が6個/25mm以上の合成繊維からなる繊維層がバインダー繊維で部分的に接着されているのが好ましく、合成繊維の捲縮数が6個/25mm未満の場合は、かさ高性や通水性が劣るものとなってしまう。
【0012】
バインダー繊維は、繊維層を主体的に構成する繊維、または基布を構成する繊維のどちらか低い方の融点あるいは軟化点より20℃以上低い融点あるいは軟化点を有する熱可塑性ポリマーをバインダー成分として有する繊維である。繊維層を主体的に構成する繊維、または基布を構成する繊維のいずれもが融点を有していない場合には、融点を有する熱可塑性ポリマーをバインダー繊維に用いればよい。バインダー繊維としては、バインダー成分のみよりなる繊維であっても、バインダー成分を繊維表面に有する複合繊維であってもよい。基布を構成する繊維または繊維層を主体的に構成する繊維が、ビニロン、ポリエステル、ナイロンのように比較的融点の高い合成繊維の場合は、ポリエチレン、ポリプロピレン、低融点ナイロン、低融点共重合ポリエステル繊維等をバインダー繊維として用いることができ、ナイロンやポリエチレンテレフタレートを芯部に配し、ポリエチレン、ポリプロピレン、低融点ナイロン、低融点共重合ポリエステル等を鞘部に配すた複合繊維等をバインダー繊維として用いることができる。なかでもポリエチレンテレフタレートを芯部に配し、例えばイソフタル酸を15〜40モル共重合したポリエステルのような共重合ポリエステルを鞘部に配したポリエステル系バインダー繊維を用いるのが好ましい。
【0013】
本発明の土構造物補強排水材は、上記の基布の少なくとも片面に上記の繊維層が点接着されている。図1は、基布の両面に繊維層を設け、両面の表面に凹凸模様を付与した例を示す概略断面図であり、図2は,格子状の基布の片面に繊維層を設けて表面に凹凸模様を付与した例を示す概略断面図である。また、図3は、繊維層の表面の凹凸模様の例を示す図である。
【0014】
この排水材を得るには、まず繊維層の主体となる繊維とバインダー繊維を混綿し梳綿機等でウエブを形成し、次にこのウエブを補強材となる基布に被覆した後、熱処理装置を通してバインダー繊維中のバインダー成分を溶融させて主体となる繊維に部分的に接着させると同時に補強材となる基布に繊維層を点接着させる。すなわち本発明の土構造物補強排水材は、バインダ繊維の一部を溶融し、所定の凸凹模様を有する金型でプレスしながら冷却して点固定させて、補強材となる基布をとりまくように被覆した繊維層の表面に凹凸模様を形成させて得る。また、あらかじめ主体となる繊維とバインダー繊維を混綿し梳綿機等でウエブを形成し、熱処理装置を通してバインダー繊維のバインダー成分を溶融させて、所定の凸凹模様を有する金型でプレスしながら冷却して点接着固定した繊維層を補強材となる基布の両側にはさみニードリング機にて基布に繊維層を絡み合わせて点接着固定してもよい。
【0015】
あるいは、あらかじめ主体となる繊維とバインダー繊維を混綿し梳綿機等でウエブを形成し、熱処理装置を通してバインダー繊維のバインダー成分を溶融させて、所定の凸凹模様を有する金型でプレスしながら冷却して点接着固定した繊維層を補強材を合成樹脂で被覆された格子状基布の格子部に接着剤を塗布して、片面または両面に接着固定してもよい。
主体となる繊維とバインダー繊維の使用割合は、用途あるいは要求性能によりその混綿の割合が決定されるが、一般にはバインダー繊維の使用割合は、全体の5〜40%でよい。熱処理装置としては、熱風循環ドライヤー、熱風貫流ドライヤー、サクションドラムドライヤー、ヤンキードライヤー等が用いられ、また、熱プレス成形等も用いられ、低融点バンイダー繊維の融点に応じた処理温度と処理時間を選定して熱処理を行えばよい。
所定の凸凹模様を有する金型をロール状にして冷風により冷却すれば凹凸模様を有する繊維層は連続して製造できる。
【0016】
本発明の土構造物補強排水材の第2の特徴である耐衝撃性機能は、基布が土質材料に含まれる鋭い角をもった礫、砕石、岩等から傷または切断等の損傷を受けないように繊維層で点接着被覆して耐衝撃性機能を得、基布を保護するためにるものである。さらに耐衝撃性を得るには、基布の耐衝撃性を得るために合成樹脂で被覆含浸して、片面または両面に主体となる繊維がバインダー繊維で部分的に接着された繊維層で点接着しても良い。これは、接着被覆された繊維層が土質材料に含まれる鋭い角をもった礫、砕石、岩等から傷または切断等の損傷を受けても、基布が合成樹脂で被覆保護されているので基布まで到達しにくくなり基布の強力低下を起こりにくくするためである。
【0017】
さらにより耐衝撃性機能を得るためには、繊維層に固形剤を含浸する事により繊維層の剛性が高くなり、土質材料に含まれる鋭い角をもった礫、砕石、岩等から傷または切断等の損傷が起こりにくくなる。繊維層に含浸する固形剤としては、一般市販のメラミン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、コールタール、セメントミルク等を用いることができ、使用目的にあわせ排水機能を損なわないよう濃度、含侵量を調整すれば良い。
【0018】
土構造物補強排水材の排水機能、耐衝撃性機能を得るためには繊維層の厚みは1mm以上必要である。繊維層の厚みが1mm未満の場合は、排水性、耐衝撃性が劣る。
本発明の土構造物補強排水材の繊維層の嵩密度は、0.015g/cm3 以上とする必要がある。密度が0.015g/cm3 に満たない場合は土圧によりへたりやすく十分な排水性、引き抜き抵抗が得られない。密度の上限は、用途による土圧、透水性等の要求性能り異なるので特定しないが、かなり高密度にしても本発明の土構造物補強排水材の透水性能は盛土内の排水に十分な透水性能が得られ、耐衝撃性、土中での引き抜き抵抗も強くなる。
【0019】
本発明の土構造物補強排水材の第3の特徴である大きな引き抜き抵抗を得るためには、補強材である基布を被覆する繊維層の表面に繊維層からなる凹凸模様を形成することにより可能となる。これは土構造物の土質材料である礫粒土、砂粒土、粘性土等に含まれる礫、小石、細粒等が、繊維層の表面の凹凸部の凹部入り礫、小石等が噛み合ってインターロッキング効果により土と土構造物補強排水材が一体となり、土構造物補強排水材を引き抜こうとするときに摩擦力、粘着力が働いて大きな引き抜き抵抗が得られる。したがって土構造物が土の滑り現象等で崩れようとするときに、土構造物補強排水材の引張応力が土に伝達されて崩れなくなり補強効果が得られる。
【0020】
繊維層表面に形成される凹凸模様の凹凸差は、1〜35mmであるのが好ましい。1mm未満の場合は、土構造物の土質材料である礫粒土、砂粒土等に含まれる礫、小石等が、繊維層の表面凹凸部の凹部入り礫、小石等が噛み合うインターロッキング効果が少ない。また土質材料の最も大きな粒径は75mm程度であり、その約1/2が繊維層の表面の凹凸部の凹部に入ると十分なインターロッキング効果が得られるので35mm以下でよい。
【0021】
繊維層の表面の凹凸模様は、繊維層が基布の片面のみに接着されている場合には、その繊維層の表面に必ず形成させるが、繊維層を基布の両面に接着させる場合には、十分な引き抜き抵抗が得られるならば片面の繊維層だけに形成してもよく、必要に応じて両面に凹凸模様を有しても良い。
繊維層表面に形成される凹凸模様の形状、配置は特に制約を受けるものではなく、例えば畝状、バイヤス状、市松状、格子状、波状、定形、不定形等々土構造物の土質材料に適した形状を選択する。また凹凸模様の凸部の個数は5個/m2〜10000個/m2の範囲にあることが望ましく、5個/m2未満では十分な摩擦力が得られない。10000個/m2をこえると礫、小石等が噛み合うのを阻害される。
【0022】
【作用】
本発明の土構造物補強排水材は、強度を得るために合成繊維織編物からなる引張強力2ton/m以上の基布に、排水機能、耐衝撃性機能、補強機能に必要な土中での大きな引き抜き抵抗を得るために表面に凹凸模様を有する繊維層を接着固定したものであり、合成繊維織編物からなる引張強力2ton/m以上の格子状基布が合成樹脂で被覆されて耐衝撃性機能が得られるものは、この基布の片面または両面の表面に凹凸模様を有する繊維層を接着固定したものである。
排水機能は、繊維層で行い、この繊維層は構成する繊維がバインダー繊維にて点接着されているので排水に必要な水を通す空隙を有するので排水機能が得られる。耐衝撃性機能は強度を得るための基布を取り囲むように繊維層が被覆保護しているので、土質材料に含まれる鋭い角をもった礫、砕石、岩等から傷または切断等の損傷を被覆した繊維層が受け、中の基布までなかなか到達しないので耐衝撃性機能が得られる。補強機能に必要な土中での大きな引き抜き抵抗は、強度のある基布を被覆接着固定した繊維層の表面が凹凸であるために、土中に敷設したとき土構造物の土質材料である礫粒土、砂粒土、粘性土等に含まれる礫、小石、細粒等が、繊維層の表面の凹凸部の凹部入り礫、小石等が噛み合ってインターロッキング効果により土と土構造物補強排水材が一体となり、土構造物補強排水材を引き抜こうとするときに摩擦力、粘着力が働いて大きな引き抜き抵抗が得られる。
上記より得られる本発明の土構造物補強排水材は、土中引き抜き抵抗が大きいために土構造物の土中に適正な長さ、間隔、頻度で敷設する事により、また土構造物補強排水材は土質材料の強度を弱くする水を速やかに土構造物の外に排出することにより、さらに土構造物補強排水材は土構造物の補強に必要な強度を有する基布を土質材料に含まれる鋭い角をもった礫、砕石、岩等から傷または切断等の損傷受けるのを繊維層が守るために、地盤支持力が向上して土の滑り現象の発生を防止したり、地盤の不等沈下を防止することが可能となり、土構造物の耐久性を数段改良し、崩壊を防止して安全を確保することに大いに貢献するものである。
【0023】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお本発明に記述した諸物性の測定方法は、次のとおりである。
(1)極限粘度
フェノールと四塩化エタンの等量混合溶媒中、20℃で測定。
(2)繊度
JIS L1015 7.5.1法に準じて測定。
(3)捲縮数
JIS L1015 7.12.1法に準じて測定。
(4)厚さ
JIS L−1069に準じて測定。
(5)重量
JIS L−1069に準じて測定。
(6)引張強力
JIS L−1069に準じて測定し、1m幅に換算。
(7)引張伸度
JIS L−1069に準じて測定。
(8)引き抜き抵抗
土質工学会基準案JSF T 941−199Xの測定方法により、土中引き抜き試験機の土層内に本発明の補強排水材を敷設し、上載圧(σ:kg/cm2 )と引き抜き強度(τ:kg/cm2 )との関係(τ=c+σtanφ)より摩擦角(φ:)および粘着力(c:kg/cm2 )を求める。
・測定条件
試験機 丸東製作所製引き抜き・せん断試験機
使用土 豊浦標準砂
締固め度 単位体積重量 1.525tf/m2
上載圧 0.2〜0.6kgf/cm2
引き抜き速度 1mm/min
土層寸法 幅 350mm、長 500mm、高さ 200mm
試料寸法 幅 300mm、長 500mm
(9)衝撃性試験
・試験
土構造物補強排水材を用いて盛土を行った場合、施工時の重機等による転圧作業により、どの程度土構造物補強排水材が破損あるいは強度低下するかをみる。
・条件
試料寸法 幅 1.0m、長 2.0mを2枚
盛土材 まさ土
砕石(C−40)
重機 バックホウ 0.45m3級
コンバインドローラ4t級
・方法
盛土材を10cmまき出し後、バックホウで転圧し、試料を敷設後その上に盛土材を30cm厚にまき出しその上をコンバインドローラで10往復転圧、試料を傷つけないように人力にて採取して引張強力を測定し強力保持率を求める。
強力保持率= (衝撃試験後の強力/衝撃試験前の強力) ×100
(10)面内方向透水係数
土質工学会基準案 JSF 932−199X法に準じて上載圧1kg/cm2 時の面内方向透水係数を測定。
【0024】
実施例1
経・緯糸として強度9.0g/d、切断伸度13.5%のポリエステルフイラメント糸1000d/252fに撚数100T/mでS方向に施撚したものを用いてレピア織機にて、織組織6×6の模紗組織、経密度20本/吋、緯密度20本/吋、織幅210cmの基布を製織した。
一方極限粘度0.687のポリエチレンテレフタレート(融点255℃)と、極限粘度0.470のポリエチレンテレフタレート(融点255℃)を、複合割合1:1でサイドバイサイド型に配して紡糸延伸した6デニール×51mmの主体となる繊維としての複合短繊維とバインダー繊維としてユニチカ (株) ポリエステルバインダー繊維メルティ<4080>2d×51mmを、85:15の重量割合で混綿し、カードに通した後、クロスラッパーで積層して目付300g/m2のウェブとし、バーブ付ニードルを有するニードルロッカールームに通して、針密度240本/cm2 にてニードリングを行った幅210cmのウェブを作成した。
上記で製織した基布の両側をウエブで挟み、50mmの厚さのスペーサーをはさんだ金網の間に入れ、厚さを規制しつつ、160℃の熱風循環ドライヤー中で3分間、熱処理を行い、次に凸凹に彫刻したプレスロールでプレスしながら冷却して、繊維層の平均嵩密度が0.07g/cm3 で、図1の断面を有し、図3の表面凹凸模様の本発明の土構造物補強排水材を得た。
【0025】
実施例2
経糸としてビニロンフイラメント糸1200d/250f、強度11.5g/d、切断伸度6.5%を6本撚数60T/mでS方向に合撚したものを、緯糸としてポリエステルフイラメント糸1500d/378f、強度9.0g/d、切断伸度13.5%を2本撚数80T/mでS方向に合撚したものをレピア織機にて、3本絽カラミ織組織で、織密度経4本/吋緯4本/吋、織巾210cmの格子状基布を下記組成よりなる塩化ビニル樹脂ペーストを両面コーティング加工し、130℃で乾燥した後、170℃にて熱処理を行い、合成樹脂で被覆した格子状基布を得た。
次に実施例1で用いた複合短繊維とポリエステルバインダー繊維メルティを混綿したウェブを、合成樹脂で被覆した格子状基布の片側に載せて、30mmの厚さのスペーサーをはさんだ金網の間に入れ、厚さを規制しつつ、160℃の熱風循環ドライヤー中で3分間、熱処理を行い、次に凸凹に彫刻したプレスロールでプレスしながら冷却して図2の断面を有し、図3の表面凹凸模様の本発明の土構造物補強排水材を得た。
[塩化ビニルペースト組成]
・塩化ビニルペースト 50部
(ゼオン121,日本ゼオン株式会社)
・DOP 15部
(可塑剤、三菱モンサイト株式会社)
・DINP 15部
(可塑剤、三菱モンサイト株式会社)
・アデカー−O−130P 3部
(アデカアーガス株式会社)
・KV−62B−4 3部
(安定剤、共立薬品株式会社)
炭酸カルシウム(充填剤) 7部
【0026】
実施例3
実施例1にて得た土構造物補強排水材に、市販のポルトランドセメント1に対し同量の水で溶解したセメントミルク固形剤を1000%含浸して自然乾燥し本発明の土構造物補強排水材を得た。
【0027】
比較例1
実施例1で製織した基布を比較例1とする。
【0028】
比較例2
実施例2の合成樹脂で被覆した格子状基布を比較例2とする。
得られた実施例1〜3及び比較例1〜2の評価結果を併せて表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003838719
【0030】
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜3の土構造物補強排水材は、土構造物の補強に適した強力を十分に保持し、土中に敷設したときの引き抜き抵抗が大きく、土構造物以上の透水係数があるので排水機能があり、土構造物の中に敷設したときの強力低下が少ないので安全な極めて優れた性能を有している。
比較例1は土構造物の補強に適した強力はあるが引き抜き抵抗が小さい。また土構造物の中に敷設したときの強力低下が大きいので、土構造物補強材として使用する場合、敷設段数、敷設長を多く必要とし、さらに透水性が無いので含水率の多い粘性土等の土構造物の補強には使用出来ない。
比較例2は土構造物の補強に適した強力、引き抜き抵抗を有するが、透水性が無いので含水率の多い粘性土等の土構造物の補強には使用出来ない、またまさ土・砕石等の土構造物を補強するときは強力が低下するので敷設段数を多くする必要がある。
【0031】
【発明の効果】
本発明の土構造物補強排水材は、強度を得るために合成繊維織編物からなる引張強力2ton/m以上の基布に、排水機能、耐衝撃性機能、補強機能に必要な土中での大きな引き抜き抵抗を得るために表面に凹凸模様を有する繊維層を接着固定被覆したものであり、合成繊維織編物からなる引張強力2ton/m以上の格子状基布が合成樹脂で被覆されて耐衝撃性機能が得られるものは、この基布の片面または両面の表面に凹凸模様を有する繊維層を接着固定被覆したものである。
排水機能は、繊維層で行い、この繊維層は構成する繊維がバインダー繊維にて点接着されているので排水に必要な水を通す空隙を有するので排水機能が得られる。耐衝撃性機能は強度を得るための基布を取り囲むように繊維層が被覆保護しているので、土質材料に含まれる鋭い角をもった礫、砕石、岩等から傷または切断等の損傷を繊維層が受け、中の基布までなかなか到達しないので耐衝撃性機能が得られる。補強機能に必要な土中での大きな引き抜き抵抗は、強度のある基布を被覆接着固定した繊維層の表面が凹凸であるために、土中に敷設したとき土構造物の土質材料である礫粒土、砂粒土、粘性土等に含まれる礫、小石、細粒等が、繊維層の表面の凹凸部の凹部に入り礫、小石等が噛み合ってインターロッキング効果により土と土構造物補強排水材が一体となり、土構造物補強排水材を引き抜こうとするときに摩擦力、粘着力が働いて大きな引き抜き抵抗が得られる。
上記より得られる本発明の土構造物補強排水材は、土中引き抜き抵抗が大きいために土構造物の土中に適正な長さ、間隔、頻度で敷設することにより、また土構造物補強排水材は土質材料の強度を弱くする水を速やかに土構造物の外に排出する事により、さらに土構造物補強排水材は土構造物の補強に必要な強度を有する基布を土質材料に含まれる鋭い角をもった礫、砕石、岩等から傷または切断等の損傷受けるのを繊維層が守るために、地盤支持力が向上し土の滑り現象を防止したり、地盤の不等沈下を防止することが可能となり、土構造物の耐久性が数段改良されたり、崩壊を防止して安全を確保すると同時に経済効果も極めて大きく、さらに業界、社会的にも多大の貢献をするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土構造物補強排水材の両側の表面に凹凸模様を付与した場合の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の土構造物補強排水材の片面の表面に繊維層を設け、凹凸模様を付与した場合の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の土構造物補強排水材の表面の凹凸模様の一例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 繊維層
2 繊維層の表面凹凸模様の凸部
3 基布
4 格子状基布

Claims (5)

  1. 少なくとも1方向の引張強力が2ton/m以上の合成繊維織編物からなる基布の少なくとも片面に、主体となる繊維がバインダー繊維で部分的に接着された繊維層が点接着されていて、該繊維層は厚みが1mm以上、平均嵩密度が0.015〜0.6g/cm3 で、少なくとも片面の繊維層の表面に凹凸模様が形成されていることを特徴とする土構造物補強排水材。
  2. 少なくとも1方向の引張強力が2ton/m以上で合成樹脂で被覆された格子状合成繊維織編物からなる基布の少なくとも片面に、主体となる繊維がバインダー繊維で部分的に接着された繊維層が点接着されていて、該繊維層の厚みが1mm以上、平均嵩密度が0.015〜0.6g/cm3 、少なくとも片面の繊維層の表面に凹凸模様が形成されていることを特徴とする土構造物補強排水材。
  3. 繊維層表面に形成される凹凸模様の凹凸差が1〜35mmである請求項1または請求項2記載の土構造物補強排水材。
  4. 繊維層からなる片面の凹凸模様凸部の個数が5個/m2〜10000個/m2の範囲にあることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の土構造物補強排水材。
  5. 繊維層に固形剤が含浸されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の土構造物補強排水材。
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