JPH10176325A - 土構造物補強排水材 - Google Patents

土構造物補強排水材

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JPH10176325A
JPH10176325A JP33660896A JP33660896A JPH10176325A JP H10176325 A JPH10176325 A JP H10176325A JP 33660896 A JP33660896 A JP 33660896A JP 33660896 A JP33660896 A JP 33660896A JP H10176325 A JPH10176325 A JP H10176325A
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soil
fiber layer
fiber
reinforcing
soil structure
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芳文 森口
Masahiko Miwa
正彦 三和
Yoshinori Touto
義伯 唐渡
Nobuhiro Matsunaga
伸洋 松永
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土構造物の土質材料である礫粒土、砂粒土、
粘性土等全の地盤補強に必要な機能である、補強効果で
ある強度と土中での引き抜き抵抗、排水機能、耐衝撃性
機能に優れた土構造物補強排水材を提供する。 【解決手段】 少なくとも1方向の引張強力が2ton/m
以上の合成繊維織編物からなる基布の少なくとも片面
に、主体となる繊維がバインダー繊維で部分的に接着さ
れた繊維層が点接着されていて、該繊維層は厚みが1mm
以上、平均嵩密度が0.015〜0.6g/cm3 、繊維
層の少なくとも片面の表面に凹凸模様が形成されている
ことを特徴とする土構造物補強排水材、または少なくと
も1方向の引張強力が2ton/m以上の合成樹脂で被覆さ
れた格子状合成繊維織編物基布の少なくとも片面に、主
体となる繊維がバインダー繊維で部分的に接着された繊
維層が点接着されていて、該繊維層の厚みが1mm以上、
平均嵩密度が0.015〜0.6g/cm3 、繊維層の少
なくとも片面の表面に凹凸模様が形成されていることを
特徴とする土構造物補強排水材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤改良、地盤強
化、盛土強化等の土木工事に際し、土中に埋めて敷設さ
れて使用される土構造物補強排水材に関するものであ
り、土構造物土質材料である礫粒土、砂粒土、粘性土等
に制約を受けることのない土構造物補強排水材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、土構造物の地盤補強には、合
成繊維織物や合成繊維格子状織物に合成樹脂を被覆した
ネット状シートや合成繊維不織布が用いられ、近年では
実公平4−34018号公報のように合成繊維織物に合
成繊維不織布を貼り合わせたものが開発されている。
【0003】合成繊維織物は、土構造物の補強に関して
強度はあるが、土中引き抜き抵抗が十分でなく土の滑り
現象が起こりやすく、また排水機能、耐衝撃性機能もな
いので土質材料である礫粒土、粘性土等では使用できな
い。合成繊維格子状素材に合成樹脂を被覆したネット状
シートは土質材料との滑り現象は改善され補強効果はあ
るが、粒径の大きい礫粒土では耐衝撃性機能は十分でな
く、また排水機能がないので粘性土では使用できない。
【0004】合成繊維不織布は、排水機能や耐衝撃性の
点では満足できるものではあるが、強度が低く、補強効
果の土中での引き抜き抵抗が十分満足できるものではな
い。合成繊維織物に合成繊維不織布を貼り合わしたもの
は強度や排水機能の点では満足できるものであるが、合
成繊維不織布の表面に強度のある合成繊維織物を貼り合
わしているので補強効果の土中での引き抜き抵抗が十分
満足できるものではなく、土質材料である礫粒土、砂粒
土、粘性土等の補強効果は不十分である。このように、
土構造物の土質材料である礫粒土、砂粒土、粘性土等全
ての地盤補強に必要な機能を兼ね備えたものは開発され
ていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題を解決するもので、土構造物の土質材料である礫粒
土、砂粒土、粘性土等の地盤補強に必要な機能である、
補強効果である強度と土中での引き抜き抵抗、排水機
能、耐衝撃性機能に優れた土構造物補強排水材を安価に
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明は、上記課題を解決する
もので、次の構成よりなるものである。すなわち、少な
くとも1方向の引張強力が2ton/m以上の合成繊維織編
物からなる基布の少なくとも片面に、主体となる繊維が
バインダー繊維で部分的に接着された繊維層が点接着さ
れていて、該繊維層は厚みが1mm以上、平均嵩密度が
0.015〜0.6g/cm3 、少なくとも片面の繊維層
の表面に凹凸模様が形成されていることを特徴とする土
構造物補強排水材、または少なくとも1方向の引張強力
が2ton/m以上の合成樹脂で被覆された格子状合成繊維
織編物からなる基布の少なくとも片面に、主体となる繊
維がバインダー繊維で部分的に接着された繊維層が点接
着されていて、該繊維層の厚みが1mm以上、平均嵩密度
が0.015〜0.6g/cm3 、少なくとも片面の繊維
層の表面に凹凸模様が形成されていることを特徴とする
土構造物補強排水材を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で強度を得るために用いる合成繊維織編物
からなる基布または合成樹脂で被覆された格子状合成繊
維織編物からなる基布は、少なくとも1方向の引張強力
が2ton/m以上であり、引張強力が2ton/m未満のとき
は、土中に敷設されたとシートにかかる土圧、抵抗力お
よび引張強力等のために切断や破壊等のおそれがある。
また引張応力が2ton/m時の伸びは10%以内であるの
が好ましい。基布となる合成繊維織編物を形成する合成
繊維材料は、ポリアミド、ポリエステル、ビニロン、ア
ラミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
マルチフィラメント、モノフィラメントを含む長繊維
糸、または、短繊維紡績糸等であり、またはこれらを組
み合わせて用いてもよい。
【0008】また基布となる織物の組織としては、平
織、綾織、朱子織あるいはこれらを応用した組織でよ
く、特に格子状織物としては、模紗織やからみ織が好ま
しい。基布が編物の場合には、緯編み、経編み等を応用
した編物でもよく、特に編目を形成しないで挿入される
経緯糸を挿入した経編物であるのが好ましい。そして基
布として格子状の組織を有する格子状合成繊維織編物を
用いる場合には,目ずれ防止のためにも合成樹脂にて被
覆して用いる。この場合の合成樹脂としては、ポリアミ
ド系、ポリエステル系、アクリル系、ポリオレフィン
系、ポリ塩化ビニル系等の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化
性樹脂を用いることができ、被覆方法としては、ディッ
ピング法等樹脂の種類と基布の性状により選択されれば
よい。
【0009】本発明の土構造物補強排水材は、排水機
能、耐衝撃性機能、土中での引き抜き抵抗を得るため
に、主体となる繊維とバインダー繊維とを混綿し、バイ
ンダー繊維のバインダー成分で主体となる繊維を点接着
した繊維層が上記の基布の少なくとも片面にバインダー
繊維のバインダー成分で点接着している。
【0010】繊維層を構成する主体となる繊維として
は、天然繊維、化学繊維等の一般の紡績繊維であればよ
いが自然分解性の少ない、ナイロン、ポリエステル、ビ
ニロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
合成繊維が好ましく、なかでも捲縮数が6個/25mm以
上である合成繊維であるのが好ましい。さらには、潜在
捲縮性複合繊維によるコイル状の堅牢な捲縮を有する繊
維が好ましく、特にポリエステル系ポリマーによる潜在
捲縮性複合繊維であるのが有効である。
【0011】本発明の土構造物補強排水材の第1の特徴
は、軽量で嵩高性があり、排水に必要な透水性が十分に
あることである。そのためには、捲縮数が6個/25mm
以上の合成繊維からなる繊維層がバインダー繊維で部分
的に接着されているのが好ましく、合成繊維の捲縮数が
6個/25mm未満の場合は、かさ高性や通水性が劣るも
のとなってしまう。
【0012】バインダー繊維は、繊維層を主体的に構成
する繊維、または基布を構成する繊維のどちらか低い方
の融点あるいは軟化点より20℃以上低い融点あるいは
軟化点を有する熱可塑性ポリマーをバインダー成分とし
て有する繊維である。繊維層を主体的に構成する繊維、
または基布を構成する繊維のいずれもが融点を有してい
ない場合には、融点を有する熱可塑性ポリマーをバイン
ダー繊維に用いればよい。バインダー繊維としては、バ
インダー成分のみよりなる繊維であっても、バインダー
成分を繊維表面に有する複合繊維であってもよい。基布
を構成する繊維または繊維層を主体的に構成する繊維
が、ビニロン、ポリエステル、ナイロンのように比較的
融点の高い合成繊維の場合は、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、低融点ナイロン、低融点共重合ポリエステル繊
維等をバインダー繊維として用いることができ、ナイロ
ンやポリエチレンテレフタレートを芯部に配し、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、低融点ナイロン、低融点共重
合ポリエステル等を鞘部に配すた複合繊維等をバインダ
ー繊維として用いることができる。なかでもポリエチレ
ンテレフタレートを芯部に配し、例えばイソフタル酸を
15〜40モル共重合したポリエステルのような共重合
ポリエステルを鞘部に配したポリエステル系バインダー
繊維を用いるのが好ましい。
【0013】本発明の土構造物補強排水材は、上記の基
布の少なくとも片面に上記の繊維層が点接着されてい
る。図1は、基布の両面に繊維層を設け、両面の表面に
凹凸模様を付与した例を示す概略断面図であり、図2
は,格子状の基布の片面に繊維層を設けて表面に凹凸模
様を付与した例を示す概略断面図である。また、図3
は、繊維層の表面の凹凸模様の例を示す図である。
【0014】この排水材を得るには、まず繊維層の主体
となる繊維とバインダー繊維を混綿し梳綿機等でウエブ
を形成し、次にこのウエブを補強材となる基布に被覆し
た後、熱処理装置を通してバインダー繊維中のバインダ
ー成分を溶融させて主体となる繊維に部分的に接着させ
ると同時に補強材となる基布に繊維層を点接着させる。
すなわち本発明の土構造物補強排水材は、バインダ繊維
の一部を溶融し、所定の凸凹模様を有する金型でプレス
しながら冷却して点固定させて、補強材となる基布をと
りまくように被覆した繊維層の表面に凹凸模様を形成さ
せて得る。また、あらかじめ主体となる繊維とバインダ
ー繊維を混綿し梳綿機等でウエブを形成し、熱処理装置
を通してバインダー繊維のバインダー成分を溶融させ
て、所定の凸凹模様を有する金型でプレスしながら冷却
して点接着固定した繊維層を補強材となる基布の両側に
はさみニードリング機にて基布に繊維層を絡み合わせて
点接着固定してもよい。
【0015】あるいは、あらかじめ主体となる繊維とバ
インダー繊維を混綿し梳綿機等でウエブを形成し、熱処
理装置を通してバインダー繊維のバインダー成分を溶融
させて、所定の凸凹模様を有する金型でプレスしながら
冷却して点接着固定した繊維層を補強材を合成樹脂で被
覆された格子状基布の格子部に接着剤を塗布して、片面
または両面に接着固定してもよい。主体となる繊維とバ
インダー繊維の使用割合は、用途あるいは要求性能によ
りその混綿の割合が決定されるが、一般にはバインダー
繊維の使用割合は、全体の5〜40%でよい。熱処理装
置としては、熱風循環ドライヤー、熱風貫流ドライヤ
ー、サクションドラムドライヤー、ヤンキードライヤー
等が用いられ、また、熱プレス成形等も用いられ、低融
点バンイダー繊維の融点に応じた処理温度と処理時間を
選定して熱処理を行えばよい。所定の凸凹模様を有する
金型をロール状にして冷風により冷却すれば凹凸模様を
有する繊維層は連続して製造できる。
【0016】本発明の土構造物補強排水材の第2の特徴
である耐衝撃性機能は、基布が土質材料に含まれる鋭い
角をもった礫、砕石、岩等から傷または切断等の損傷を
受けないように繊維層で点接着被覆して耐衝撃性機能を
得、基布を保護するためにるものである。さらに耐衝撃
性を得るには、基布の耐衝撃性を得るために合成樹脂で
被覆含浸して、片面または両面に主体となる繊維がバイ
ンダー繊維で部分的に接着された繊維層で点接着しても
良い。これは、接着被覆された繊維層が土質材料に含ま
れる鋭い角をもった礫、砕石、岩等から傷または切断等
の損傷を受けても、基布が合成樹脂で被覆保護されてい
るので基布まで到達しにくくなり基布の強力低下を起こ
りにくくするためである。
【0017】さらにより耐衝撃性機能を得るためには、
繊維層に固形剤を含浸する事により繊維層の剛性が高く
なり、土質材料に含まれる鋭い角をもった礫、砕石、岩
等から傷または切断等の損傷が起こりにくくなる。繊維
層に含浸する固形剤としては、一般市販のメラミン樹
脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、コ
ールタール、セメントミルク等を用いることができ、使
用目的にあわせ排水機能を損なわないよう濃度、含侵量
を調整すれば良い。
【0018】土構造物補強排水材の排水機能、耐衝撃性
機能を得るためには繊維層の厚みは1mm以上必要であ
る。繊維層の厚みが1mm未満の場合は、排水性、耐衝撃
性が劣る。本発明の土構造物補強排水材の繊維層の嵩密
度は、0.015g/cm3 以上とする必要がある。密度
が0.015g/cm3 に満たない場合は土圧によりへた
りやすく十分な排水性、引き抜き抵抗が得られない。密
度の上限は、用途による土圧、透水性等の要求性能り異
なるので特定しないが、かなり高密度にしても本発明の
土構造物補強排水材の透水性能は盛土内の排水に十分な
透水性能が得られ、耐衝撃性、土中での引き抜き抵抗も
強くなる。
【0019】本発明の土構造物補強排水材の第3の特徴
である大きな引き抜き抵抗を得るためには、補強材であ
る基布を被覆する繊維層の表面に繊維層からなる凹凸模
様を形成することにより可能となる。これは土構造物の
土質材料である礫粒土、砂粒土、粘性土等に含まれる
礫、小石、細粒等が、繊維層の表面の凹凸部の凹部入り
礫、小石等が噛み合ってインターロッキング効果により
土と土構造物補強排水材が一体となり、土構造物補強排
水材を引き抜こうとするときに摩擦力、粘着力が働いて
大きな引き抜き抵抗が得られる。したがって土構造物が
土の滑り現象等で崩れようとするときに、土構造物補強
排水材の引張応力が土に伝達されて崩れなくなり補強効
果が得られる。
【0020】繊維層表面に形成される凹凸模様の凹凸差
は、1〜35mmであるのが好ましい。1mm未満の場合
は、土構造物の土質材料である礫粒土、砂粒土等に含ま
れる礫、小石等が、繊維層の表面凹凸部の凹部入り礫、
小石等が噛み合うインターロッキング効果が少ない。ま
た土質材料の最も大きな粒径は75mm程度であり、その
約1/2が繊維層の表面の凹凸部の凹部に入ると十分な
インターロッキング効果が得られるので35mm以下でよ
い。
【0021】繊維層の表面の凹凸模様は、繊維層が基布
の片面のみに接着されている場合には、その繊維層の表
面に必ず形成させるが、繊維層を基布の両面に接着させ
る場合には、十分な引き抜き抵抗が得られるならば片面
の繊維層だけに形成してもよく、必要に応じて両面に凹
凸模様を有しても良い。繊維層表面に形成される凹凸模
様の形状、配置は特に制約を受けるものではなく、例え
ば畝状、バイヤス状、市松状、格子状、波状、定形、不
定形等々土構造物の土質材料に適した形状を選択する。
また凹凸模様の凸部の個数は5個/m2〜10000個/
m2の範囲にあることが望ましく、5個/m2未満では十分
な摩擦力が得られない。10000個/m2をこえると
礫、小石等が噛み合うのを阻害される。
【0022】
【作用】本発明の土構造物補強排水材は、強度を得るた
めに合成繊維織編物からなる引張強力2ton/m以上の基
布に、排水機能、耐衝撃性機能、補強機能に必要な土中
での大きな引き抜き抵抗を得るために表面に凹凸模様を
有する繊維層を接着固定したものであり、合成繊維織編
物からなる引張強力2ton/m以上の格子状基布が合成樹
脂で被覆されて耐衝撃性機能が得られるものは、この基
布の片面または両面の表面に凹凸模様を有する繊維層を
接着固定したものである。排水機能は、繊維層で行い、
この繊維層は構成する繊維がバインダー繊維にて点接着
されているので排水に必要な水を通す空隙を有するので
排水機能が得られる。耐衝撃性機能は強度を得るための
基布を取り囲むように繊維層が被覆保護しているので、
土質材料に含まれる鋭い角をもった礫、砕石、岩等から
傷または切断等の損傷を被覆した繊維層が受け、中の基
布までなかなか到達しないので耐衝撃性機能が得られ
る。補強機能に必要な土中での大きな引き抜き抵抗は、
強度のある基布を被覆接着固定した繊維層の表面が凹凸
であるために、土中に敷設したとき土構造物の土質材料
である礫粒土、砂粒土、粘性土等に含まれる礫、小石、
細粒等が、繊維層の表面の凹凸部の凹部入り礫、小石等
が噛み合ってインターロッキング効果により土と土構造
物補強排水材が一体となり、土構造物補強排水材を引き
抜こうとするときに摩擦力、粘着力が働いて大きな引き
抜き抵抗が得られる。上記より得られる本発明の土構造
物補強排水材は、土中引き抜き抵抗が大きいために土構
造物の土中に適正な長さ、間隔、頻度で敷設する事によ
り、また土構造物補強排水材は土質材料の強度を弱くす
る水を速やかに土構造物の外に排出することにより、さ
らに土構造物補強排水材は土構造物の補強に必要な強度
を有する基布を土質材料に含まれる鋭い角をもった礫、
砕石、岩等から傷または切断等の損傷受けるのを繊維層
が守るために、地盤支持力が向上して土の滑り現象の発
生を防止したり、地盤の不等沈下を防止することが可能
となり、土構造物の耐久性を数段改良し、崩壊を防止し
て安全を確保することに大いに貢献するものである。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお本発明に記述した諸物性の測定方法は、次のとおり
である。 (1)極限粘度 フェノールと四塩化エタンの等量混合溶媒中、20℃で
測定。 (2)繊度 JIS L1015 7.5.1法に準じて測定。 (3)捲縮数 JIS L1015 7.12.1法に準じて測定。 (4)厚さ JIS L−1069に準じて測定。 (5)重量 JIS L−1069に準じて測定。 (6)引張強力 JIS L−1069に準じて測定し、1m幅に換算。 (7)引張伸度 JIS L−1069に準じて測定。 (8)引き抜き抵抗 土質工学会基準案JSF T 941−199Xの測定
方法により、土中引き抜き試験機の土層内に本発明の補
強排水材を敷設し、上載圧(σ:kg/cm2 )と引き抜き強
度(τ:kg/cm2 )との関係(τ=c+σtanφ)より摩
擦角(φ:)および粘着力(c:kg/cm2 )を求める。 ・測定条件 試験機 丸東製作所製引き抜き・せん断試験機 使用土 豊浦標準砂 締固め度 単位体積重量 1.525tf/m2 上載圧 0.2〜0.6kgf/cm2 引き抜き速度 1mm/min 土層寸法 幅 350mm、長 500mm、高さ 200mm 試料寸法 幅 300mm、長 500mm (9)衝撃性試験 ・試験 土構造物補強排水材を用いて盛土を行った場合、施工時
の重機等による転圧作業により、どの程度土構造物補強
排水材が破損あるいは強度低下するかをみる。 ・条件 ・方法 盛土材を10cmまき出し後、バックホウで転圧し、試料
を敷設後その上に盛土材を30cm厚にまき出しその上を
コンバインドローラで10往復転圧、試料を傷つけない
ように人力にて採取して引張強力を測定し強力保持率を
求める。 強力保持率= (衝撃試験後の強力/衝撃試験前の強力)
×100 (10)面内方向透水係数 土質工学会基準案 JSF 932−199X法に準じ
て上載圧1kg/cm2 時の面内方向透水係数を測定。
【0024】実施例1 経・緯糸として強度9.0g/d、切断伸度13.5%
のポリエステルフイラメント糸1000d/252fに
撚数100T/mでS方向に施撚したものを用いてレピ
ア織機にて、織組織6×6の模紗組織、経密度20本/
吋、緯密度20本/吋、織幅210cmの基布を製織し
た。一方極限粘度0.687のポリエチレンテレフタレ
ート(融点255℃)と、極限粘度0.470のポリエ
チレンテレフタレート(融点255℃)を、複合割合
1:1でサイドバイサイド型に配して紡糸延伸した6デ
ニール×51mmの主体となる繊維としての複合短繊維と
バインダー繊維としてユニチカ (株) ポリエステルバイ
ンダー繊維メルティ<4080>2d×51mmを、8
5:15の重量割合で混綿し、カードに通した後、クロ
スラッパーで積層して目付300g/m2のウェブとし、バ
ーブ付ニードルを有するニードルロッカールームに通し
て、針密度240本/cm2 にてニードリングを行った幅
210cmのウェブを作成した。上記で製織した基布の両
側をウエブで挟み、50mmの厚さのスペーサーをはさん
だ金網の間に入れ、厚さを規制しつつ、160℃の熱風
循環ドライヤー中で3分間、熱処理を行い、次に凸凹に
彫刻したプレスロールでプレスしながら冷却して、繊維
層の平均嵩密度が0.07g/cm3 で、図1の断面を有
し、図3の表面凹凸模様の本発明の土構造物補強排水材
を得た。
【0025】実施例2 経糸としてビニロンフイラメント糸1200d/250
f、強度11.5g/d、切断伸度6.5%を6本撚数
60T/mでS方向に合撚したものを、緯糸としてポリ
エステルフイラメント糸1500d/378f、強度
9.0g/d、切断伸度13.5%を2本撚数80T/
mでS方向に合撚したものをレピア織機にて、3本絽カ
ラミ織組織で、織密度経4本/吋緯4本/吋、織巾21
0cmの格子状基布を下記組成よりなる塩化ビニル樹脂ペ
ーストを両面コーティング加工し、130℃で乾燥した
後、170℃にて熱処理を行い、合成樹脂で被覆した格
子状基布を得た。次に実施例1で用いた複合短繊維とポ
リエステルバインダー繊維メルティを混綿したウェブ
を、合成樹脂で被覆した格子状基布の片側に載せて、3
0mmの厚さのスペーサーをはさんだ金網の間に入れ、厚
さを規制しつつ、160℃の熱風循環ドライヤー中で3
分間、熱処理を行い、次に凸凹に彫刻したプレスロール
でプレスしながら冷却して図2の断面を有し、図3の表
面凹凸模様の本発明の土構造物補強排水材を得た。 [塩化ビニルペースト組成] ・塩化ビニルペースト 50部 (ゼオン121,日本ゼオン株式会社) ・DOP 15部 (可塑剤、三菱モンサイト株式会社) ・DINP 15部 (可塑剤、三菱モンサイト株式会社) ・アデカー−O−130P 3部 (アデカアーガス株式会社) ・KV−62B−4 3部 (安定剤、共立薬品株式会社) 炭酸カルシウム(充填剤) 7部
【0026】実施例3 実施例1にて得た土構造物補強排水材に、市販のポルト
ランドセメント1に対し同量の水で溶解したセメントミ
ルク固形剤を1000%含浸して自然乾燥し本発明の土
構造物補強排水材を得た。
【0027】比較例1 実施例1で製織した基布を比較例1とする。
【0028】比較例2 実施例2の合成樹脂で被覆した格子状基布を比較例2と
する。得られた実施例1〜3及び比較例1〜2の評価結
果を併せて表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、本発明の実施例
1〜3の土構造物補強排水材は、土構造物の補強に適し
た強力を十分に保持し、土中に敷設したときの引き抜き
抵抗が大きく、土構造物以上の透水係数があるので排水
機能があり、土構造物の中に敷設したときの強力低下が
少ないので安全な極めて優れた性能を有している。比較
例1は土構造物の補強に適した強力はあるが引き抜き抵
抗が小さい。また土構造物の中に敷設したときの強力低
下が大きいので、土構造物補強材として使用する場合、
敷設段数、敷設長を多く必要とし、さらに透水性が無い
ので含水率の多い粘性土等の土構造物の補強には使用出
来ない。比較例2は土構造物の補強に適した強力、引き
抜き抵抗を有するが、透水性が無いので含水率の多い粘
性土等の土構造物の補強には使用出来ない、またまさ土
・砕石等の土構造物を補強するときは強力が低下するの
で敷設段数を多くする必要がある。
【0031】
【発明の効果】本発明の土構造物補強排水材は、強度を
得るために合成繊維織編物からなる引張強力2ton/m以
上の基布に、排水機能、耐衝撃性機能、補強機能に必要
な土中での大きな引き抜き抵抗を得るために表面に凹凸
模様を有する繊維層を接着固定被覆したものであり、合
成繊維織編物からなる引張強力2ton/m以上の格子状基
布が合成樹脂で被覆されて耐衝撃性機能が得られるもの
は、この基布の片面または両面の表面に凹凸模様を有す
る繊維層を接着固定被覆したものである。排水機能は、
繊維層で行い、この繊維層は構成する繊維がバインダー
繊維にて点接着されているので排水に必要な水を通す空
隙を有するので排水機能が得られる。耐衝撃性機能は強
度を得るための基布を取り囲むように繊維層が被覆保護
しているので、土質材料に含まれる鋭い角をもった礫、
砕石、岩等から傷または切断等の損傷を繊維層が受け、
中の基布までなかなか到達しないので耐衝撃性機能が得
られる。補強機能に必要な土中での大きな引き抜き抵抗
は、強度のある基布を被覆接着固定した繊維層の表面が
凹凸であるために、土中に敷設したとき土構造物の土質
材料である礫粒土、砂粒土、粘性土等に含まれる礫、小
石、細粒等が、繊維層の表面の凹凸部の凹部に入り礫、
小石等が噛み合ってインターロッキング効果により土と
土構造物補強排水材が一体となり、土構造物補強排水材
を引き抜こうとするときに摩擦力、粘着力が働いて大き
な引き抜き抵抗が得られる。上記より得られる本発明の
土構造物補強排水材は、土中引き抜き抵抗が大きいため
に土構造物の土中に適正な長さ、間隔、頻度で敷設する
ことにより、また土構造物補強排水材は土質材料の強度
を弱くする水を速やかに土構造物の外に排出する事によ
り、さらに土構造物補強排水材は土構造物の補強に必要
な強度を有する基布を土質材料に含まれる鋭い角をもっ
た礫、砕石、岩等から傷または切断等の損傷受けるのを
繊維層が守るために、地盤支持力が向上し土の滑り現象
を防止したり、地盤の不等沈下を防止することが可能と
なり、土構造物の耐久性が数段改良されたり、崩壊を防
止して安全を確保すると同時に経済効果も極めて大き
く、さらに業界、社会的にも多大の貢献をするものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土構造物補強排水材の両側の表面に凹
凸模様を付与した場合の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の土構造物補強排水材の片面の表面に繊
維層を設け、凹凸模様を付与した場合の一例を示す概略
断面図である。
【図3】本発明の土構造物補強排水材の表面の凹凸模様
の一例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 繊維層 2 繊維層の表面凹凸模様の凸部 3 基布 4 格子状基布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 伸洋 大阪市中央区久太郎町四丁目1番3号 ユ ニチカ株式会社大阪本社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1方向の引張強力が2ton/m
    以上の合成繊維織編物からなる基布の少なくとも片面
    に、主体となる繊維がバインダー繊維で部分的に接着さ
    れた繊維層が点接着されていて、該繊維層は厚みが1mm
    以上、平均嵩密度が0.015〜0.6g/cm3 で、少
    なくとも片面の繊維層の表面に凹凸模様が形成されてい
    ることを特徴とする土構造物補強排水材。
  2. 【請求項2】 少なくとも1方向の引張強力が2ton/m
    以上で合成樹脂で被覆された格子状合成繊維織編物から
    なる基布の少なくとも片面に、主体となる繊維がバイン
    ダー繊維で部分的に接着された繊維層が点接着されてい
    て、該繊維層の厚みが1mm以上、平均嵩密度が0.01
    5〜0.6g/cm3 、少なくとも片面の繊維層の表面に
    凹凸模様が形成されていることを特徴とする土構造物補
    強排水材。
  3. 【請求項3】 繊維層表面に形成される凹凸模様の凹凸
    差が1〜35mmである請求項1または請求項2記載の土
    構造物補強排水材。
  4. 【請求項4】 繊維層からなる片面の凹凸模様凸部の個
    数が5個/m2〜10000個/m2の範囲にあることを特
    徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の土構
    造物補強排水材。
  5. 【請求項5】 繊維層に固形剤が含浸されていることを
    特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項
    4記載の土構造物補強排水材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005146623A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Kyokado Eng Co Ltd 補強土壁構造物およびその施工方法
JP2010195538A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Shibata Ind Co Ltd 貯蔵倉庫
KR101639561B1 (ko) * 2016-01-20 2016-07-14 문진호 배수 성능이 우수한 인조잔디 배수용 구조체

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