JPH1054034A - 土構造物補強材 - Google Patents

土構造物補強材

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JPH1054034A
JPH1054034A JP8212297A JP21229796A JPH1054034A JP H1054034 A JPH1054034 A JP H1054034A JP 8212297 A JP8212297 A JP 8212297A JP 21229796 A JP21229796 A JP 21229796A JP H1054034 A JPH1054034 A JP H1054034A
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JP
Japan
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soil
strength
elongation
reinforcing material
warp
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Pending
Application number
JP8212297A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Miwa
正彦 三和
Yoshifumi Moriguchi
芳文 森口
Tadayuki Sakobe
唯行 迫部
Reiichi Hazama
令一 波左間
Yoshinori Touto
義伯 唐渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 土構造物の土の滑り現象を防止し,効果的に
土構造物を補強することが可能な高強力,低伸度,土中
引抜き抵抗の大きい土構造物補強材を提供する。 【解決手段】 500デニール以上,強度8g/d以
上,伸度15%以下のポリエステルフィラメント糸が編
目を形成しない経糸および緯糸として編み込まれた1辺
が10〜100mmの格子状経編地の少なくとも一部の交
差点に500デニール以上のフィラメント糸からなる突
起が形成され,格子状経編地の表面が塩化ビニル樹脂等
の合成樹脂により被覆されていて,経方向および緯方向
の引張切断強力が2000kg/m以上,切断伸度が20
%以下で,かつ切断伸度の80%伸張時の中間引張応力
が切断強力の65%以上である土構造物補強材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,軟弱地盤補強,盛
土補強等の土構造物の補強を目的として土中に敷設する
土構造物補強材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,軟弱地盤補強,盛土補強等の土構
造物の補強を目的とした土構造物補強材としては,補強
された不経編地シートや織布シートが用いられていた
が,土中引抜き抵抗が十分でなく,土の滑り現象が起こ
りやすい状況であった。近年では,特開平5−1257
33号公報や特公平6−32977号公報に提案されて
いるような格子状の繊維素材に樹脂含浸したネット状シ
ートが用いられる例が多くなり,土の滑り現象は格段に
改良されてきた。また,特開昭63−70720号公報
には,ロープ状,テープ状もしくは帯状に揃えた繊維束
をネット状に並べて樹脂含浸したネット状シートが,さ
らにこのシートの交差点に含浸樹脂からなる突起を形成
させたネット状シートが開示されている。
【0003】前記特開平5−125733号公報や特公
平6−32977号公報に記載されているシートは,土
の滑り現象をかなり防止する性能を具備しているが,ま
だ十分ではない。また,特開昭63−70720号公報
に記載されている突起を有するシートは,さらに土の滑
り現象を防止できる性能を具備しているが,製造面でも
技術的課題を有するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みてなされたもので,土構造物の土の滑り現象
を防止し,効果的に土構造物を補強することが可能で,
突起の形成も容易な構造物補強材を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,この目的を達
成するものであり,500デニール以上,強度8g/d
以上,伸度15%以下のフィラメント糸が編目を形成し
ない経糸および緯糸として編み込まれた1辺が10〜1
00mmの格子状経編地の少なくとも一部の交差点上に5
00デニール以上のフィラメント糸からなる突起が形成
され,格子状経編地の表面が合成樹脂により被覆されて
いて,経方向および緯方向の引張切断強力がともに20
00kg/m以上,切断伸度がともに20%以下で,かつ
切断伸度の80%伸張時の中間引張応力がともに切断強
力の65%以上であることを特徴とする土構造物補強
材,また,500デニール以上,強度8g/d以上,伸
度15%以下のフィラメント糸が編目を形成しない経糸
として編み込まれた1辺が10〜100mmの格子状経編
地の少なくとも一部の交差点上に500デニール以上の
フィラメント糸からなる突起が形成され,格子状経編地
の表面が合成樹脂により被覆されていて,経方向の引張
切断強力が2000kg/m以上,切断伸度が20%以下
で,かつ切断伸度の80%伸張時の中間引張応力が切断
強力の65%以上で,緯方向の引張切断強力が300kg
/m以上であることを特徴とする土構造物補強材を要旨
とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下,本発明を詳細に説明する。
【0007】図1は,本発明の格子状経編地の交差点に
突起が形成された土構造物補強材の基本形の一例を示す
模式図である。図1において,フィラメント糸からなる
突起が形成されたフィラメント糸からなる格子状経編地
2の表面が合成樹脂3により被覆された本発明の土構造
物補強材1を示している。
【0008】図2は,図1の格子状経編地2の交差点付
近をコース方向に切断した断面斜視模式図であり,編目
を形成しない経糸4および緯糸5,地組織を作る編目を
形成している地糸6により格子状の編地が編成され,格
子の交差点に地糸とは異なる編目を形成する糸条により
突起7が形成されて,突起が形成された格子状経編地と
なり,この格子状経編地の表面が合成樹脂3により被覆
されている。
【0009】図3は,図2の格子状経編地で編目を形成
しない緯糸を用いない場合の交差点付近をコース方向に
切断した断面斜視模式図であり,格子の緯糸方向は地組
織を形成する地糸6で連結されていて,図2の場合と同
様に格子状経編地の表面が合成樹脂3により被覆されて
いる。図2の場合も,図3の場合も共に,突起を形成す
るフィラメント糸が地糸6と共通であることもできる。
【0010】本発明に用いられる突起が形成された格子
状経編地は,2列針床を有する経編機を用い,図4や図
5に例示する組織図で編成される表裏の地組織が連結糸
で連結された立体布帛8を図6に示すようにカッターナ
イフ9で切開して表側と裏側を分離させ,連結糸を交差
点に形成された突起7とすることによって得ることがで
きる。
【0011】図1では,全ての交差点に突起が形成され
ている例を示しているが,本発明の効果が発揮される限
り全ての交差点に突起が形成されている必要はなく,少
なくとも一部の格子状交差点に突起が形成されていれば
よい。形成される突起の数あるいは密度は,格子のサイ
ズ,突起の高さあるいは必要とする引抜き抵抗の程度に
より任意に選択して決定すればよく,すべての交差点の
数に対し20%以上であるのが効果的である。もちろ
ん,すべての交差点に突起が形成されていても,制約を
受けるものでない。
【0012】そして,フィラメント糸で形成する突起の
高さは1〜30mmとするのが好ましく,より好ましくは
3〜20mmであり,1mm未満の場合は,土との摩擦抵抗
があまり改良されず,効果が少なくなる。また,30mm
を越えると,突起が高くなりすぎるため,樹脂含浸加工
が困難となる場合がある。
【0013】本発明の土構造物補強材は,1辺が10〜
100mmの格子状の地組織を有する経編地である。これ
は,土構造物に用いられる土の種類が,粒子の極めて小
さい土から,玉石,栗石,破砕石,土と石が混合した自
然土,さらには,土木あるいは建設現場から派生する残
土等種々であり,これらの中から適宜選ばれた土が土構
造物に使用されることから,土と土とのブリッジあるい
は噛合い効果,土中に敷設された補強材との摩擦抵抗あ
るいは引抜き抵抗を効果的に発揮させるためである。格
子の1辺の長さが10mm未満であると,ネット状の補強
材を介してのブリッジあるいは噛合い効果を期待できな
くなり,100mmを越えると,補強に必要な強力が出し
にくくなったり,格子の間隔が大きいため,土の種類に
よっては土の滑りを防止する効果が損なわれる場合があ
る。
【0014】本発明におけるフィラメント糸は,必要と
される性能に見合った繊維素材を選定すればよく,ポリ
アミド繊維,ポリエステル繊維,ビニロン繊維,アラミ
ド繊維,ポリプロピレン繊維,アクリル繊維,ガラス繊
維,炭素繊維等のフィラメント糸であり,これらのマル
チフィラメントあるいはモノフィラメントであり,また
これらの原着糸であってもよい。
【0015】本発明において格子状経編地の編目を形成
しない経糸あるいは緯糸には,500デニール以上のフ
ィラメント糸を用いるが,好ましくは1000デニール
以上のフィラメント糸を用いる。500デニール未満の
糸では,引張切断強力の面で性能確保が難しくなる。
【0016】本発明において編目を形成しない経糸に
は,強度が8g/d以上で伸度が15%以下のフィラメ
ント糸を用いる。強度が8g/d未満であると,施工時
および施工後にかかる応力に耐えられないものとなる場
合がある。伸度が15%以上になると,工事後の土石の
滑りが生じたときに補強材が伸張され,崩壊が生ずる場
合がある。好ましくは10%以下である。土構造補強材
として,緯糸方向にも経糸方向と同等の性能が要求され
る場合には,緯糸にも経糸と同等の性能を有するフィラ
メント糸を用いる。
【0017】また,本発明において突起を形成する繊維
は,500デニール以上のフィラメント糸とする。50
0デニール未満の場合は,土構造物の土中に敷設された
補強材にかかる土の滑り現象による引抜き抵抗力に耐え
ることができにくくなる場合がある。
【0018】本発明の土構造物補強材は,経糸方向の引
張切断強力を2000kg/m以上とし,その切断伸度を
20%以下とする。これは,高強力により地盤強化,土
の滑り現象を防止する等,土構造物補強材の本来の目的
を十分に果たすためであり,引張切断強力が2000kg
/m未満であったり,切断伸度が20%を超えるもので
あると,これまた本来の目的を果たすことができなくな
る。
【0019】また,本発明の土構造物補強材は,経糸方
向の切断伸度の80%伸張時の中間引張応力が引張切断
強力の65%以上である。これは,小さな応力で土中に
敷設した補強材が伸張したことによる土の滑り現象を防
止するために不可欠な要素であって,切断伸度の80%
伸張時の中間引張応力が引張切断強力の65%未満の補
強材では,土の滑り現象に耐えることができず,容易に
補強材が伸張し,土層が補強材とともに滑って,ずれた
り,崩壊したりすることとなる。
【0020】土構造補強材として,緯糸方向にも経糸方
向と同等の性能が要求される場合には,緯糸方向の引張
切断強力も2000kg/m以上,その切断伸度も20%
以下,切断伸度の80%伸張時の中間引張応力も引張切
断強力の65%以上とする。
【0021】本発明の土構造物補強材において横方向の
強力をさほど必要としない場合でも,緯糸方向の引張強
力は300kg/m以上を必要とする。この方向の引張強
力が300kg/m未満であると,工事現場での施工時に
切断や破損等のおそれがあり,施工しても容易に補強材
が破断してしまい,せっかく経糸で高強力を出そうとし
ても,補強材自体がバラバラになってしまい,本来の目
的を達成できなくなる。
【0022】本発明の土補強構造物は,突起を有する格
子状経編地が合成樹脂で被覆されている。被覆に用いる
合成樹脂は,特に限定されるものではないが,例えば,
塩化ビニル系樹脂,アクリル系樹脂,エポキシ系樹脂,
リポキシ樹脂,ビニルエステル樹脂,不飽和ポリエステ
ル樹脂,フェノール樹脂等の樹脂を用いるのが好まし
い。この合成樹脂には,硬化剤,促進剤,顔料等の添加
剤,タルク,クレー,石膏,炭酸カルシウム等のフィラ
ーを必要に応じて混合して用いてもよい。
【0023】本発明において,格子状経編地に合成樹脂
を含浸させる方法も特に限定するものでなく,例えば,
ディッピング,コーティング,スプレー,塗装等の手段
を用いることができ,これらの手段を組み合わせて用い
てもよい。
【0024】上記により得られる本発明の土構造物補強
材は,土中引抜き抵抗が大きいため,土構造物の土中に
適正な長さ,間隔,頻度で敷設することにより,地盤支
持力が向上し,土の滑り現象が防止されたり,地盤の不
等沈下を防止することが可能となり,土構造物の耐久性
が数段改良されたり,崩壊を防止して安全を確保するこ
とに大いに貢献するようになる。
【0025】
【作用】本発明によると,土構造物の補強に求められる
滑り現象を防止する最も必要とされる性能である強力に
ついては,500デニール以上,強度8g/d以上のフ
ィラメント糸を用いることにより,経,緯両方向または
経方向の強力が2000kg/m以上,かつ切断伸度の8
0%伸張時の中間引張応力が切断強力の65%以上とな
り,高強力である。また,伸度についても,切断伸度が
15%以下のフィラメント糸を用いるため,補強材の切
断伸度は20%以下,かつ切断伸度の80%伸張時の中
間引張応力が切断強力の65%以上となり,高強力,低
伸度であり,土構造物の地盤や盛り土をしっかりと支持
することができるようになる。
【0026】さらに,本発明の補強材には,格子状経編
地の少なくとも一部の交差点に高さが1〜30mmの合成
樹脂で被覆された500デニール以上のフィラメント糸
からなる突起を有するため,土構造物の中に敷設する
と,土中での引抜き抵抗が格段に向上し,地盤や盛り土
の支持力をさらに高めることができ,土の滑り現象が防
止されたり,地盤の不等沈下を防止することが可能とな
る。
【0027】また,本発明の土構造物補強材は,芯とな
る繊維素材の表面すべてが合成樹脂で被覆されているた
め,工事中に被るダメージから繊維が受ける損傷を防止
し,その性能を保持させる作用を果たす。
【0028】さらに,本発明の補強材は,格子のサイズ
が10〜100mmであるため,土構造物に用いられるあ
らゆる土に適合し,土相互のブリッジ,噛合い効果が遺
憾なく発揮されることとなる。
【0029】
【実施例】次に,本発明を実施例により説明する。実施
例における性能の測定は,以下のようにして行った。
【0030】(1)糸強度 JIS L−1069に準じて測定 (2)糸伸度 JIS L−1069に準じて測定 (3)引張切断強力 JIS L−1069に準じて測定し,1m幅に換算 (4)切断伸度 JIS L−1069に準じて測定 (5)引抜き抵抗 ・測定方法 土中引抜き試験機の土槽内に本発明の補強材を敷設し,
その引抜き抵抗特性を測定する。
【0031】・測定条件 試験機 丸東製作所製 土中引抜き試験機 使用土 豊浦標準砂 締固め度 単位体積重量 1.525tf/m2 上載圧 0.2kgf/cm2, 0.4kgf/cm2及び0.6kgf/cm2
測定 引抜き速度 1mm/min 土槽寸法 幅 500mm,長さ 800mm,高さ 200mm 試料寸法 幅 450mm,長さ 500mm 実施例1 コンピュータによる経糸間歇送りの可能な装置を有する
緯糸挿入式2列針床6ゲージ経編機を用い,図4の組織
にて,筬L3,L4 に表裏の編目を形成しない経糸用とし
てさらに筬L1,L6 に表裏の連結用として強度12g/
d,伸度6%のビニロン糸1200d/250fを3本
合撚したトータル3600デニールの糸条を3in−3ou
t で通糸し, 筬L2,L5 に地組織用として強度9.5g
/d,伸度16%のポリエステル糸550d/48fを
3in−3out で通糸して,編目を形成しない緯糸として
強度12g/d,伸度6%のビニロン糸1200d/2
50fを6本合撚したトータル7200デニールの糸条
を1in−8out で表裏に挿入して編成し,厚み20mmで
格子のサイズが経緯方向共に20mmである格子状立体布
帛を得た。
【0032】得られた格子状立体布帛をセンターカット
機で表裏の地組織を連結する連結糸を中央部で図6のご
とくに両断し,高さが8.5mmの突起を有する格子状経
編地を得て, 下記組成からなる塩ビ樹脂液に含浸し,1
50℃×3分の熱処理を施し,本発明の片側に突起を有
する図1の形状の格子状土構造物補強材を得た。
【0033】〔塩ビ樹脂液組成〕 塩化ビニル樹脂ペーストレジン 100部 (日本ゼオン株式会社製ゼオン121) ジオクテルフタレート(可塑剤) 40部 メチルイソブチルケトン/ナフテン系シンナー 10部 (希釈剤,容積比:1/1) 実施例2 実施例1において,筬L1,L6 に通糸した糸条の送り条
件を変更して,厚み33mmの格子状立体布帛を得て, 両
断後の突起の高さを15mmとすること以外は実施例1と
同様にして本発明の片側に突起を有する図1の形状の格
子状土構造物補強材を得た。
【0034】実施例3 実施例1において,筬L1,L6 に通糸した糸条の送り条
件を変更して,厚み4mmの格子状立体布帛を得て, 両断
後の突起の高さを0.5mmとすること以外は実施例1と
同様にして図1の形状の格子状土構造物補強材を得た。
【0035】実施例4 実施例1において,筬L1,L6 に通糸した糸条の送り条
件を変更して,厚み69mmの格子状立体布帛を得て, 両
断後の突起の高さを33mmとすること以外は実施例1と
同様にして図1の形状の格子状土構造物補強材を得た。
【0036】実施例5 コンピュータによる経糸間歇送りの可能な装置を有する
緯糸挿入式2列針床6ゲージ経編機を用い,図5の組織
にて,筬L3,L4 に表裏の編目を形成しない経糸用とし
てさらに筬L1,L6 に表裏の連結用として強度12g/
d,伸度6%のビニロン糸1200d/250fを3本
合撚したトータル3600デニールの糸条を3in−3ou
t で通糸し, 筬L2,L5 に地組織用として強度8g/
d,伸度%のポリエステル糸1000d/96fを3in
−3out で通糸して,緯糸と挿入せずに編成し,厚み2
0mmで格子のサイズが経緯方向共に20mmである格子状
立体布帛を得た。
【0037】得られた格子状立体布帛をセンターカット
機で表裏の地組織を連結する連結糸を中央部で図6のご
とくに両断し,高さが8.5mmの突起を有する格子状経
編地を得て, 実施例1と同様に塩ビ樹脂処理をして,本
発明の片側に突起を有する図1の形状の格子状土構造物
補強材を得た。
【0038】比較例1 緯糸挿入式シングルラッセル6ゲージ経編機を用い,図
7の組織にて,筬L1に編目を形成しない経糸用として
強度12g/d,伸度6%のビニロン糸1200d/2
50fを3本合撚したトータル3600デニールの糸条
を3in−3outで通糸し, 筬L2,L3 には地組織用とし
て強度8g/d,伸度 %のポリエステル糸550d
/48fを筬L2 に2in−4out,筬L3 に3in−3out
で通糸して,緯糸として強度12g/d,伸度6%のビ
ニロン糸1200d/250fを6本合撚したトータル
7200デニールの糸条を1in−8out で挿入して編成
し, 格子のサイズが経緯方向共に20mmで格子の交差点
に突起が形成されていない格子状経編地を得た。得られ
た格子状経編地実施例1と同様に塩ビ樹脂液に含浸し,
熱処理を施し,突起が形成されていない格子状土構造物
補強材を得た。
【0039】このようにして得られた実施例1〜5およ
び比較例1の土構造物補強材の評価結果を併せて表1に
示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示すごとく,実施例1〜4は,高強
度低伸度の土構造物補強材であり,実施例5は,主方向
(経方向)について高強度低伸度の性能を有する土構造
物補強材であり,実施例1,2及び5はいずれも主方向
の引き抜き抵抗が極めて優れているものである。突起の
高さが低い実施例3では,主方向の引き抜き抵抗が小さ
くなり,突起の高さの高い実施例4は上載圧が大きい場
合に引き抜き抵抗が減衰する傾向にある。これに対して
突起を有していない比較例3は,主方向の引き抜き抵抗
が非常に低いものであった。
【0042】
【発明の効果】本発明の土構造物補強材は,高強力,低
伸度,土中引抜き抵抗が大きい優れた特性を有してお
り,土構造物の土中に適正な長さ,間隔,頻度で敷設す
ることにより,地盤支持力を格段に向上させ,土の滑り
現象が防止されたり,地盤の不等沈下を防止することが
可能となり,土構造物の耐久性が数段改良され,崩壊を
防止して安全を確保することに大いに貢献するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土構造物補強材の模式図である。
【図2】本発明の一例の図1の土構造物補強材を横方向
に切断した断面斜視図である。
【図3】本発明の他の例の土構造物補強材を横方向に切
断した断面斜視図である。
【図4】本発明の土構造物補強材を得るために編成する
立体布帛の組織図の一例である。
【図5】本発明の土構造物補強材を得るために編成する
立体布帛の組織図の一例である。
【図6】本発明の土構造物補強材を得るために編成した
立体布帛をナイフによるセンターカットにより両断して
突起を形成した格子状繊維素材とする様子を示す例示断
面模式図である。
【図7】比較例の土構造物補強材を得るために編成した
経編地の組織図である。
【符号の説明】 1 土構造物補強材 2 格子状繊維素材 3 合成樹脂 4 経糸 5 緯糸 6 地経糸 7 突起 8 立体布帛 9 カッターナイフ L1 〜L6
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波左間 令一 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 唐渡 義伯 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 500デニール以上,強度8g/d以
    上,伸度15%以下のフィラメント糸が編目を形成しな
    い経糸および緯糸として編み込まれた1辺が10〜10
    0mmの格子状経編地の少なくとも一部の交差点上に50
    0デニール以上のフィラメント糸からなる突起が形成さ
    れ,格子状経編地の表面が合成樹脂により被覆されてい
    て,経方向および緯方向の引張切断強力がともに200
    0kg/m以上,切断伸度がともに20%以下で,かつ切
    断伸度の80%伸張時の中間引張応力がともに切断強力
    の65%以上であることを特徴とする土構造物補強材。
  2. 【請求項2】 500デニール以上,強度8g/d以
    上,伸度15%以下のフィラメント糸が編目を形成しな
    い経糸として編み込まれた1辺が10〜100mmの格子
    状経編地の少なくとも一部の交差点上に500デニール
    以上のフィラメント糸からなる突起が形成され,格子状
    経編地の表面が合成樹脂により被覆されていて,経方向
    の引張切断強力が2000kg/m以上,切断伸度が20
    %以下で,かつ切断伸度の80%伸張時の中間引張応力
    が切断強力の65%以上で,緯方向の引張切断強力が3
    00kg/m以上であることを特徴とする土構造物補強
    材。
  3. 【請求項3】 フィラメントからなる突起の高さが1〜
    30mmである請求項1または請求項2記載の土構造物補
    強材。
JP8212297A 1996-08-12 1996-08-12 土構造物補強材 Pending JPH1054034A (ja)

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JP8212297A JPH1054034A (ja) 1996-08-12 1996-08-12 土構造物補強材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103741663A (zh) * 2013-12-23 2014-04-23 广西科技大学 一种玻璃纤维土工格栅
CN116769253A (zh) * 2023-08-24 2023-09-19 山东路德新材料股份有限公司 一种土工格栅改性聚丙烯工程塑料及其制备方法与应用

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