JP4419043B2 - 形状対応性に優れた補強不織布 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、補強材で補強された不織布に関する。詳しくは、ジオテキスタイルとして一般的に用いることができる補強不織布であり、例えば河川、港湾用防砂シート、インターロッキングブロック下のフィルター材等に関し、特に敷設地盤の整正が難しい材料との併用、地盤が敷設時以降に変形する用途等で利用される不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
港湾等の埋めたて作業では、石積み外周護岸形成後に埋めたて土砂が外部へ吸い出されないように防砂シートとして不織布等が使用されている。当初は、その防砂シートの破れ防止の観点から護岸形成用の巨大な石による不陸を解消するために、間詰め石も用いた後に防砂シートの敷設を行ってきた。最近は間詰め石が少なくなってきたことや、経済性の点から間詰め作業無しにシート敷設を行うケースが増えてきたことに伴い、過大な変形に耐え切れずシート破れが発生する問題が顕著化してきた。特開平9−52307号公報では、強化材として粗めの格子状の網状体を用いる方法、特開2002−45057号公報では、ネット状補強材を複合する方法が開示され、不織布の長さ方向、もしくは不織布の長さ方向に加えて幅方向を補強して全体的に不織布の物性を改善するものである。しかしこれらの方法では、間詰めの無い工法では敷設の初期に補強材による強度が発現するが、その後に発生する過大な張力には追従できず、不織布の固定部分での過大な張力発生による破れ、石の頂点部分での応力集中による破れなどが発生する問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の問題点を解消しようとするものであり、特に不陸に対しての変形対応性があり、異常な張力集中があっても破れずに対応できるジオテキスタイルとして好適な不織布を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用するものである。
1.繊維構造物を補強材とする不織布であり、補強材の単位面積当りの質量が20g/m2以上であり、かつ補強材の補強効果が10%以上伸張後に発現することを特徴とする形状対応性に優れた補強不織布。
2.補強材の補強方向が不織布の長さ方向に対して25°以上90°未満であることを特徴とする前記1に記載の形状対応性に優れた補強不織布。
3.補強材が不織布の表面もしくは内部を貫通することによって複合され、かつ該補強繊維の配列方向が製品の長さ方向に対して25°以上90°未満の角度を有し、直線状、曲線もしくはジグザグ等の角度を変化させた形であることを特徴とする前記1又は2に記載の形状対応性に優れた補強不織布。
4.補強材の表面がコーティング等で補強されてなることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の形状対応性に優れた補強不織布。
5.用途が一般土木用であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の形状対応性に優れた補強不織布。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明における補強される前の不織布としては、ジオテキスタイルとして使用できる公知の不織布を使用できるが、強度、製造の安定性などからポリエステル長繊維不織布が好ましい。
【0006】
不織布の目付は、100〜1000g/m2が好ましく、より好ましくは300〜700g/m2である。
【0007】
本発明における繊維構造物とは、繊維単体状、糸状、織物状、ネット状、不織布状などの形態を意味する。繊維構造物として好ましいのは、確実に複合でき、安定して本発明の効果を発現できる点で、繊維単体状、糸状である。
【0008】
本発明における補強材の素材としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂繊維、レーヨン、アセテート等の再生繊維に加えて、炭素繊維、アラミド等のスーパー繊維、無機繊維等が使用でき、特に制限は無い。
【0009】
本発明の補強不織布は、現場の不陸に対応できるようにするために、10%以上伸張後に補強効果が発現するように補強材で不織布を補強するものである。10%未満の伸張で補強効果が発現してしまうものでは、現場の不陸に対応できず、破れが発生してしまう。
【0010】
この補強の具体的な一手段としては、不織布の長さ方向に平行に補強繊維を配列複合するのではなく、例えば不織布の長さ方向に対して±45°の角度の方向に補強繊維を配列するものである。この場合、最も張力の掛かり易い長さ方向での補強効果は、約40%伸張後に発現できる。さらに補強繊維と不織布の質量比率、強度の関係から連続直線方向ではシートねじれ、幅方向の縮みが発生する場合には周期的にジグザクに補強繊維の方向を変化させることで解消できる。
補強繊維を直線状に配列する場合には、不織布長さ方向に対しての角度は25°から65°が特に好ましい。
【0011】
補強繊維の複合方法としては、不織布でサンドイッチする方法、接着剤等で貼りつける方法等はいずれも今回の発明で使用できる。さらに不織布と補強用繊維の一体化を必要とする場合には、補強繊維を編み込む方法、縫い込む方法がある。さらに補強繊維を表面にループ状に折りたたむ方法では、不陸に対しての変形対応性を潜在的に合わせ持つことができる。
【0012】
本発明における補強繊維の複合量は、20g/m2以上であるが、構成繊維の均一性、強度の発現性から好ましくは不織布単体に対して50g/m2以上が好ましい。また、補強繊維は、さらに表面がコーティング等で補強されているものが好ましい。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。
目付500g/m2、厚さ約5mmのポリエステル長繊維不織布に、補強繊維として#4のポリエステルミシン糸を10mmピッチで長さ20cm毎に不織布長さ方向に±45°の角度になるように周期的にキルトミシンで全幅に積層して本発明の補強不織布を得た。比較のために、ミシン糸を不織布長さ方向に直線状に同ピッチで配置して積層した補強不織布を得た(比較例1)。未補強の不織布(比較例2)を含めたこれらの不織布について、以下の評価方法で評価した。
【0014】
評価方法:
10%伸張時の応力及び最大強度は、JIS L1908に準拠して測定した。試験施工での確認は、法長さ4m、高さ10m、法角度1:1.2、平均直径40cmの砕石にて不陸±30cm以内の斜面を形成した。実施例及び比較例の不織布を防砂シートとしてこの斜面で敷設し、海砂を3m覆った後に注意深くシートを取り出し、石との接触による孔(破れ)を調べた。
【0015】
評価結果を表1に示した。実施例の防砂シートは、10%伸張時には、未補強の不織布とほとんど変わらない伸張挙動を示し、試験施工では、全く孔あきがなく、防砂シートなどとして好適であることが確認できた。
【表1】
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、不陸の修正が難しい港湾用の防砂シート、海洋処分場で使用される遮水シートの保護マット等の用途で、不陸に対して十分な変形対応能力を持ち、かつ敷設工事時の最大張力にも耐え、破れが発生しないジオテキスタイルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補強不織布における補強繊維の配列の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・不織布の長さ方向
2・・・補強繊維
3・・・長繊維不織布
4・・・不織布の長さ方向と補強繊維とがなす角度
Claims (4)
- ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンのいずれかからなる熱可塑性樹脂繊維、レーヨン、アセテートのいずれかからなる再生繊維、炭素繊維、アラミド繊維または無機繊維である補強材が、編み込む方法または縫い込む方法により、不織布の内部を貫通することによって複合され、該補強材の編み込みまたは縫い込み方向が不織布の長さ方向に対して25°以上90°未満の角度を有する補強された不織布であり、該補強材の単位面積当りの質量が20g/m2 以上であり、かつ補強材の不織布の長さ方向の補強効果が10%以上伸張後に初めて発現する形状対応性に優れた補強不織布。
- 補強材の編み込みまたは縫い込み方向が不織布の長さ方向に対して25°以上90°未満の角度を有し、直線状、曲線もしくはジグザグ等の角度を変化させた形であることを特徴とする請求項1に記載の形状対応性に優れた補強不織布。
- 補強材の表面がコーティング等で補強されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の形状対応性に優れた補強不織布。
- 用途が一般土木用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の形状対応性に優れた補強不織布。
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2002
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