JP2879466B2 - 排水性を有する繊維ネツト型シート - Google Patents

排水性を有する繊維ネツト型シート

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SENI DOBOKU KAIHATSU KK
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、基本的な機能として分離、補強、濾過機能
を有し、更に排水性を有し、かつ施工性に優れた排水性
を有する繊維ネット型シートに関するものである。
〔従来の技術〕 従来土地造成時、構造物の背面、路盤などに土木工事
で盛土をする場合には良質土を使用しし、かつ充分な締
め固めにより土の強度を所定値まで高める方法が行われ
てきた。
しかしながら近年は工期の短縮と経費の節減のために
現場または現場に近い場所の発生土を使用して短期間に
盛土を施工することが多くなった。この場合土の締め固
め不足による強度不足と土粒子の間隙が大きいために雨
水が地中に浸透しやすく、地中に浸透すれば土中の間隙
水圧が上昇し、すべり破壊が起こりやすくなる。これら
を予防するために近年ジオテキスタイルが工費節減、資
源節約の点から積極的に使用されてきた。特に最近は高
強力繊維ネット型シートや樹脂ネットが使用されてい
る。
これらは盛土破壊において仮定される円弧状のすべり
面に対抗する形で盛土斜面内に敷設され、ネット型シー
トの引張り強さと剪断抵抗力及び土との摩擦による抵抗
力によって盛土が補強される。
上記従来の補強用シートは排水効果がないため降雨時
または地形によっては地山の表面を伝わって来る水が盛
土中に浸透し、盛土の含水比を高め土の強度を低下させ
るなどの問題があり、必要に応じて補強シートを敷設す
ると同時に不織布等の透水性材料を敷設し、排水を促進
させるなどの措置が必要であった。そのため、従来はネ
ット型シートまたは樹脂ネットを盛土用補強材として敷
設後水平ドレーン材として透水性材料を別途ネットの近
辺に敷設して盛土を完成させていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
盛土の補強材としては大別して(イ)不織布を使用す
るもの、(ロ)ネット型シートを使用するものの2種類
があり、(イ)は粘性土の盛土に適していると言われ、
(ロ)は砂質土系の盛土に適していると言われている。
(イ)の不織布は主として土中の余剰水を盛土外に排
出して盛土の安定は計られるが土層を分離するとか、強
度不足の問題がある。
また(ロ)のネット型シートは不織布よりも強度にお
いて優れているが、よこ方向の透水性がない。
上記両方の特性を得ようとすれば、別々に敷設すれば
よいが、敷設についてはネット型シート所謂メッシュシ
ート敷設後、更にその上に透水材料例えば上記不織布を
敷設しなければならない手間及びネット型シートと一体
でないため、形態が不安定で修正やピン打ち作業が必要
になるなど、工事の施工に時間が掛かる種々な問題点が
あった。
本発明は繊維ネット型シートとして繊維成形品特に不
織布とネット型シートとの両方の特徴を生かして、如何
なる地盤に対しても一回の敷設で使用可能な材料を提供
することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために本発明は1個のメッシュ
の一辺の長さが5mm以上、100mm以下である繊維ネット型
シートに、密度が0.001g/cm3〜0.2g/cm3で厚みが0.1mm
〜25mmであり、かつ2cm以上の幅にして任意所望の長さ
を持った繊維成型品が1個のメッシュのよこ方向の一辺
の長さ以上のよこ方向の間隔で該繊維ネット型シートに
配され、該繊維ネット型シートを構成しているよこ糸と
一体化して固定されている排水性を有する繊維ネット型
シートを提供するものである。
本発明に使用の排水性を有する繊維ネット型シートの
材質としてはポリオレフィン系、ポリアミド系、又はポ
リエステル系などのあらゆる合成繊維あるいはガラス、
カーボン等の無機繊維、あるいは化学繊維、天然繊維、
あるいはこれらの混紡、混繊された繊維を原料にして編
立てられたメッシュ状経編地で一つのメッシュの大きさ
は5mm以上、100mm以上である。
一つのメッシュが5mm未満ではメッシュを通しての土
のブリッジ効果が弱くなり、また100mを超過するとシー
ト全体の寸法安定性が悪く敷設時変形しやすく、シート
の強力利用率の面で問題がある。
透水材料は繊維成形品で、成形方向によって下記に分
類される。ニードルパンチ不織布、樹脂加工不織布ある
いは低融点繊維による溶着保形品、あるいはスパンボン
ド法、メルトブロー法により不織布または多層織物ある
いはダブルラッセル、丸編などで得られる多層編地でよ
こ方向の透水性に優れたものなどがあり、これらはすべ
て好適に使用される。かつ望ましくは何れも1ton/m2
上の耐圧性のあるものがよい。上記に例示された透水材
料は密度が0.001g/cm3〜0.2g/cm3で、密度が0.001g/cm3
未満では粗すぎて耐圧性に乏しく、0,2g/cm3を超過する
と密度が大で、透水性に劣り、透水材料としては使用に
耐えない欠点がある。
透水材料の厚みは0.1mm〜25mmであり、0.1mm未満では
薄くて透水量が充分得られず、また25mmを超過するとネ
ット型シートと一体に固定するためのステッチ針か通ら
ず、生産が不可能である。
更に該透水材料の幅は2cm以上が必要で、2cm未満では
集排水機能が僅かしか期待できない欠点があり、またネ
ット型シートと一体に固定する場合に幅が狭すぎて生産
し難い。
本発明の排水性を有する繊維ネット型シートは上記の
幅があり、長さ方向に長い透水性材料をネット型シート
の設計されたメッシュの大きさ未満の間隔で配設すると
メッシュをつぶしてしまい土とのブリッジ効果が期待で
きなくなるため、前記本発明のメッシュの大きさ以上の
よこ方向間隔で繊維ネット型シートに配し、たて糸を使
用してその針で透水材料を通してステッチし、繊維ネッ
ト型シートを構成するよこ糸とステッチで一体的に固定
して製造される。
具体的にこのような作動をする生産機械は種々ある
が、代表的にはカールマイヤー社製フリース挿入型よこ
糸挿入ラッセル機RS−3MSU−V型が好適である。
得られた本発明の排水性を有する繊維ネット型シート
は糸段階あるいは製品段階で硬仕上等の後加工が加えら
れてもよい。
〔実施例〕
現場はゴルフ場造成工事でフエアウエイ確保のため、
幅50mの谷を埋め、約15mの盛土をして用地を確保する必
要が生じた(第1回)。埋め立てに使用した土は関東ロ
ームを主体とした砂混りの現地発生の粘性土である。
当初、何等補強材を入れずに盛土を行ったが、1日80
mmの降雨で斜面が崩壊した。検討の結果土中の雨水が排
出されずに盛土中に間隙水圧が上昇し、土の強度低下を
招いたものと判断された。このときの乱さない現地の土
の強度はγ(単位体積量)=1.6t/m3、φ(内部摩擦
角)=60、C(粘着力)=3.6t/m2であった。
施工した盛土の設計定数はγ=1.6t/m3、φ=0、C
=2.0t/m2(転圧後の見込み値)であった。しかし盛土
が崩壊したということはこの数値が得られなかったこと
で補強盛土では設計定数としてγ=1.6t/m3、φ=0、
C=1.0/m2を採用してすべりの検討を行ったところ所定
の安全率1.2が確保できないため強度の高いネット型シ
ートが必要になり、また前記盛土崩壊の原因となった土
中の水を排水させる必要から、幅10cmの不織布を1mピッ
チで排水性を有する繊維ネット型シートに一体化させる
ことになった。
排水性を有する繊維ネット型シート(第2図)はカー
ルマイヤー社製RS−3MSU−Vラッセル機を用い、たて挿
入糸にポリエステル3000デニールを6本集束して使用
し、18000デニールのたて糸コードとし、よこ挿入糸に
ポリエステル5000デニールを使用し、メッシュコード密
度63本/mとし、設計強度たて8t/m、よこ2t/mのメッシュ
を設計した。不織布は密度0.1g/m2で、厚み3mmのスパン
ボンドを使用して幅10cmにスリット加工したものを使用
した。これを上記フリース挿入ラッセル機を使用して1m
ピッチに配して不織布上に配されたたて挿入糸とたて鎖
編糸で不織布部とメッシュ部とを構成するよこ挿入糸に
ステッチで固定し一体化した。この排水性を有する繊維
ネット型シートを現場で第1図のように敷設し、盛土完
成後不織布からは土中の水が排水されて前面の側溝に流
れているのが目視された。
盛土完成後約半年経過し、その間80mm以上の降雨を含
めて多くの降雨にさらされているが盛土は安定してい
る。
〔発明の効果〕
本発明の効果を纏めると下記の通りである。
(イ) 繊維ネット型シートを土木用に使用した場合、
補強、濾過並びに分離効果の上に更に排水効果が同時に
付与可能であり、粘性土に適していると言われる繊維成
型品特に不織布と、砂質系に適していると言われている
ネット型シートとの特徴を一体化して、本発明の製造方
法に従って製造された本発明の排水性を有する繊維ネッ
ト型シートは如何なる地盤に対しても有効に使用可能と
なった。
(ロ) 土木工事における施工性においても、従来のネ
ット型シートを敷いて更に不織布を併用使用した場合不
織布が変形したり、曲がったりしないように、ピン打ち
が必要であったり、土のうを置いて固定するなどが必要
であったが、本発明はこれらが完全に解消することに成
功した。
(ハ) 従来は重機を使って土を盛るとき、土中で不織
布が動いたり、曲がったりしていることの確認ができな
かったが、本発明においてはかかる施工管理の困難さが
完全に解消することができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の排水性を有する繊維ネット型シートを
使用した盛土施工断面図、第2図は本発明の排水性を有
する繊維ネット型シートの一実施例の平面図、第3図は
第2図の断面図を示す。 1……当初の崩壊線 2……本発明の排水性を有する繊維ネット型シートの敷
設図 3……たて糸コード 4……よこ糸コード 5……不織布 6……たて糸、鎮編糸(本発明の場合不織布とよこ糸と
を固定するステッチ糸)
フロントページの続き (72)発明者 鳥海 信弘 東京都目黒区下目黒2丁目2番16号 繊 維土木開発株式会社本社内 (56)参考文献 特開 昭57−193550(JP,A) 実開 昭54−36906(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03D 1/00 - 27/18 E02B 11/00 E02B 3/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1個のメッシュの一辺の長さが5mm以上で1
    00mm以下である繊維ネット型シートに、密度が0.001g/c
    m3〜0.2g/cm3で厚みが0.1mm〜25mmであり、かつ2cm以上
    の幅にして任意所望の長さを持った繊維成型品が1個の
    メッシュのよこ方向の一辺の長さ以上のよこ方向の間隔
    で該繊維ネット型シートに配され、該繊維ネット型シー
    トを構成しているよこ糸と一体化して固定されているこ
    とを特徴とする排水性を有する繊維ネット型シート。
JP23533690A 1990-09-04 1990-09-04 排水性を有する繊維ネツト型シート Expired - Lifetime JP2879466B2 (ja)

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