JP2004149644A - 筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具 - Google Patents
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Abstract
【課題】紙に筆記して得られる筆跡が消しゴムで容易に消去でき、且つ、前記筆跡は通常の指や紙同士の擦過程度では消去されない筆跡保持性を共に満足させる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具を提供する。
【解決手段】油溶性染料又は塩基性染料と粘着性樹脂からなる着色樹脂粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有してなり、且つ、前記粒子の粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる粘着性着色樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤とから少なくともなる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを用いたマーキングペン等の筆記具。
【選択図】 なし
【解決手段】油溶性染料又は塩基性染料と粘着性樹脂からなる着色樹脂粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有してなり、且つ、前記粒子の粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる粘着性着色樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤とから少なくともなる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを用いたマーキングペン等の筆記具。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具に関する。更に詳細には、紙に筆記して得られる筆跡が消しゴムで容易に消去でき、且つ、前記筆跡は通常の指や紙同士の擦過程度では消去されない筆跡保持性を有する筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、消しゴムにより消去できる筆跡をもたらす水性インキ組成物について、顔料と粘着性樹脂からなる着色樹脂粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有しており、前記粒子の粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる粘着性着色樹脂粒状体を含有させた筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物が開示されている(特開2001−19888号公報)。
前記筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物により紙面に筆記して得られる筆跡は、粘着性着色樹脂粒状体が紙面上に形成された乾燥後の筆跡中で粒状体相互間及び粒状体と紙面との間で点接着状態で存在するため、前記筆跡は消しゴムで容易に消去でき、しかも、通常の指や紙同士の擦過程度では消去されない筆跡保持性を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記した消しゴム消去性水性インキ組成物について更に検討した結果、粘着性着色樹脂粒状体に含まれる着色剤として特定の染料を用いることにより、従来の顔料系粘着性樹脂粒状体を用いたインキ組成物によって形成された筆跡と同様の消しゴムによる消去性と、指等の擦過では消去されない耐擦過性を満たすことを見いだした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、油溶性染料と粘着性樹脂からなる着色樹脂粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有してなり、且つ、前記粒子の粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる粘着性着色樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤とから少なくともなる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物、或いは、塩基性染料と粘着性樹脂からなる着色樹脂粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有してなり、且つ、前記粒子の粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる粘着性着色樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤とから少なくともなる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物を要件とする。
【0005】
前記粘着性着色樹脂粒状体は紙への該粒状体の浸透を低減又は防止し、また、粒状体が粘着性を示すことにより、良好な消しゴム消去性と耐軽擦過性(通常時における筆跡の保持性を示す)を同時に満す、それ自体が接着と着色の2つの機能を有する。
前記粘着性着色樹脂粒状体は、粒子径が大きければ紙内部への浸透を低減又は防止し易く、粒子を製造する際の粒子の正規分布を考慮した場合、2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれていれば、概ね紙内部への浸透が防止できる。
【0006】
前記筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物によって形成される筆跡に関し、良好な消しゴム消去性と耐軽擦過性を同時に満たす理由については、筆跡を顕微鏡で観察すると、粘着性着色樹脂粒状体は紙面上に存在し、粒子の大半が粒子相互間で点接着状に連結しており、粒子間は少なくとも空間で占められている。よって、消しゴムで消去する場合にあっては、粘着性着色樹脂粒状体同士が団塊的に集合するために良好な消去性を示し、通常時の摩擦においては、紙面上に存在する粘着性着色樹脂粒状体が紙面との接点で一定の粘着による結合力を有するため、ある一定の摩擦力まで剥離することのない性質を備えると推察される。
【0007】
前記粘着性着色樹脂粒状体は、従来より公知の樹脂粒子合成技術を用いて得ることができる。
粘着性着色樹脂粒状体の形態としては、着色樹脂粒状体を形成する樹脂の全部が粘着性を有する均質ポリマー組成物であるもの、着色樹脂粒状体の全表面が粘着性を有するポリマー組成物で被覆されたもの、着色樹脂粒状体の表面の一部が連続又は非連続状態の粘着性を有するポリマー組成物で構成されたものが挙げられる。
前記の粘着性着色樹脂粒状体を得る方法としては、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、シード重合法、分散重合法、液中乾燥法が適用できる。
樹脂の全部が粘着性を有する均質ポリマー組成の着色樹脂粒状体を得るには、主として懸濁重合法、液中溶媒蒸発法が適用できる。
粒状体の全表面又は表面の一部が連続又は非連続状態で粘着性を有する着色樹脂粒状体を得るには、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、シード重合法、分散重合法、液中溶媒蒸発法を適宜組み合わせたり、二次処理的な表面改質の手段を適用することができる。
【0008】
なお、粘着性着色樹脂粒状体に好適な粘着性を付与する指標として、得られた粘着性着色樹脂粒状体のガラス転移点が40℃未満であることが好ましい。
40℃以上では室温条件下において粘着性の程度が弱く、耐擦過性を満たし難くなる。
【0009】
次に、粘着性着色樹脂粒状体の粒子径について説明する。
本発明に適用される粘着性着色樹脂粒状体は2〜20μmの範囲に70重量%が含まれる粒子分布を有する必要があり、好ましくは2μm〜15μmの範囲に80重量%以上が含まれる。
前記粘着性着色樹脂粒状体の粒子径と消しゴム消去性は密接な関係にあり、2μmより小さい粒子の割合が多いと前述のように、紙の繊維間に浸透する割合が顕著に多くなり、良好な消しゴム消去性が得られない。一方、20μmより大きい粒子の割合が多くなると、手や指での擦過で剥離し易くなり、満足な耐擦過性が得られ難く、さらに各種筆記具のインキ導出部、例えば繊維ペン、プラスチックペン、フェルトチップ、ボールチップからインキが円滑に導出し難くなる。
前述の各重合法によって得られた粘着性着色樹脂粒状体は粒子分布が前記の粒子径の範囲を満たすように乾式分級や遠心沈降法などの湿式分級を所望により行なうことができる。
分級については、粘着性着色樹脂粒状体は常温下で粘着性を有するため、粒状体の合一を防止するために、ろ過や遠心沈降分離等の湿式条件下の分級が好ましい。
【0010】
粘着性着色樹脂粒状体を懸濁重合法、シード重合法、分散重合法等のラジカル重合を利用して調製する場合の反応性モノマー類について以下説明する。
反応性モノマー類は実質上水に不溶性乃至難溶性のものが使用できる。
ラジカル重合性の一官能性モノマーとしては、エチルアクリレート、メチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレートのようなアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ウンデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレートのようなメタクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ビニルベンジルクロリド、ビニルピリジンのような芳香族系モノマー類、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、ビニルアセテートのような飽和カルボン酸の不飽和エステル類等が挙げられる。前記したモノマーのnはノルマル、iはイソ、tはターシャリーを示す。
これらの一官能性モノマーは所望の粘着性に応じて1種類もしくは2種類以上を混合して適宜選択して用いることができる。また、アクリル酸やメタクリル酸のような親水性のモノマーは懸濁粒子の分散安定性を付与させるため、必要に応じて全モノマー中、5重量%以下の割合で添加できる。
【0011】
多官能性モノマーとしては、エチレングリコ─ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、エチレングリコ─ルジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジビニルベンゼン、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
【0012】
本発明においては、多官能性モノマーを使用せずに一官能性モノマー類のみ用いて重合してもよいが、粘着性着色樹脂粒状体の物理的強度を増強させるために二官能性又は多官能性のモノマーを併用することが好ましく、前記一官能性モノマーと多官能性モノマーの混合比率は一官能性モノマー100に対し2〜10である。多官能性モノマーの比率が2より小さいと粒状体の物理的強度が低くなり、消しゴム消去時に粒状体が破壊されて紙面が染料により汚染され易くなる。一方、多官能性モノマーの比率が10より大きいと粘着性が低下する傾向にあり、良好な耐擦過性が得られ難くなる。
更に、多官能性モノマーの添加は粘着性着色樹脂粒状体の製造時やインキ組成物中での安定性にも重要な役割を有する。即ち、粘着性着色樹脂粒状体は室温雰囲気下において粘着性を有し、且つ、粒子径が比較的大きいことに起因して粒状体相互間で合一、凝集を生じ易い。かかる問題を解消或いは低減させるために多官能性モノマーを前記範囲内で併用することにより、粒状体に物理的強度を増加させていっそう安定な粒状体を得ることができる。
前記重合方法で適用される開始剤としては以下の実質的に水不溶性乃至難溶性の化合物が例示できる。水溶性の開始剤は乳化重合反応を招く結果、1μm以下の微細粒子が形成されるので本発明の粘着性着色樹脂粒状体の調製には適さない。
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、クミルパーオキシネオデカノエート、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートのような有機過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスプロピオニトリル、2,2′−アゾビスバレロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)のようなアゾ化合物、及び他の一般的なフリーラジカル発生化合物。
【0013】
前記粘着性着色樹脂粒状体の粘着性の調整方法としては、潜在的に粘着性を有するモノマー類の種類を変えたり、混合して粘着性樹脂を得たり、多官能性モノマー(架橋性モノマー)の量を調整することによって所望の粘着性を有する樹脂を得ることができるが、更に、粘着性を調節するためにロジン、ロジン誘導体、クマロン・インデン樹脂、ポリテルペン樹脂、非反応性フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂等の粘着性付与剤を添加することもできる。また、ミネラルオイル、液状ポリブテン、ラノリン、二塩基酸エステル等の可塑剤、顔料や体質顔料等を適宜加えてもよい。
【0014】
本発明の粘着性着色樹脂粒状体は着色手段として油溶性染料又は塩基性染料が用いられる。染料として酸性染料を用いると粒状体中から酸性染料が溶出し易く、粘着性着色樹脂粒状体により紙面上に形成された乾燥後の筆跡から溶出した染料が紙面に浸透して筆跡を消しゴムで擦過しても消去できなくなる。
油溶性染料としては、バリファーストブラック#3804(C.I.12195)、バリファーストイエロー#3105(C.I.18690)、ソルダンレッド3R(C.I.21260)、ビクトリアブルーF4R(C.I.42563B)、ニグロシンベースLK(C.I.50415)、サビニールブルーGLS(C.I.ソルベントブルー44)、オラセットイエロー8GF(C.I.ソルベントイエロー145)、マクロレックスフロオレセントイエロー10GN(C.I.ソルベントイエロー160:1)等が挙げられる。
前記油溶性染料は水性媒体に対する溶解性に乏しく、インキ組成物中で溶出し難いため、紙面に染料が転移する度合いを極力低減できる。
なお、粘着性着色樹脂粒状体中に含まれる油溶性染料の重量比率は0.1〜5重量%であることが好ましく、0.1重量%未満では十分な色調を得られ難く、、また、5重量%を越えると粒状体に含まれる樹脂との相溶性に乏しくなり、溶出を生じ易くなり、紙面に染料が転移して筆跡を消去でき難くなる。
また。塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
前記塩基性染料を用いる場合、粒状体中にアクリル酸及び/又はメタクリル酸を含むことが好ましく、前記アクリル酸又はメタクリル酸が塩基性染料と結合して粒状体から溶出し難くなり、紙面に染料が転移する度合いを極力低減できる。なお、粘着性着色樹脂粒状体中に含まれる塩基性染料の重量比率は0.1〜20重量%であることが好ましく、0.1重量%未満では十分な色調を得られ難く、また、20重量%を越えると溶出を生じ易くなり、紙面に染料が転移して筆跡を消去でき難くなる。
更に、前記塩基性染料が蛍光色の場合、粘着性樹脂を構成するモノマーにアクリロニトリルを含有させると蛍光発色性を良好なものとすることができる。
【0015】
粘着性着色樹脂粒状体を着色する方法としては、モノマー、オリゴマー、プレポリマー又はポリマー中に染料を添加した後、各々の反応形態によって染料を含む粘着性着色樹脂粒状体を調製する方法、又は、予めモノマー、オリゴマー、プレポリマー又はポリマーから各々の反応形態によって粘着性樹脂粒状体を調製した後、染料を含む溶液を加えて染着して粘着性着色樹脂粒状体を調製する方法が挙げられる。
【0016】
前記粘着性着色樹脂粒状体はインキ組成物中5〜35重量%の範囲で添加することが好ましい。5重量%未満では良好な色濃度が得られず、35重量%を越えるとインキ組成物中での固形分比率が高くなり、円滑なインキの吐出を妨げがちである
なお、粘着性着色樹脂粒状体は粘着性、色調、色濃度、粒子径分布の異なる2種類以上の粘着性着色樹脂粒状体を所望に応じて混合して使用することもできるし、粘着性着色樹脂粒状体と同様の粒子径分布を有する粘着性をもたない着色粒状体を補色や粘着性を調節するために添加することもできる。
【0017】
インキ組成物の調製方法としては、水及び水溶性極性溶剤を含むビヒクル中に粘着性着色樹脂粒状体を均質に混合、分散することによって調製できる。
前記水溶性極性溶剤は、筆記先端でのインキの乾燥抑制、筆跡の耐水性の付与等の目的で用いられる。水溶性極性溶剤としては水に相溶性のある従来汎用の溶剤が全て有効であり、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジエチレングリコール、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド等を一種又は二種以上併用して用いることができ、添加量はインキ組成物中2〜35重量%が好ましい。
【0018】
また、必要に応じてPH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、湿潤剤、潤滑剤、消泡剤、酸化防止剤、界面活性剤等の慣用の添加剤を添加することもできる。
PH調整剤としては、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等が挙げられる。
防腐剤、防黴剤としては、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
湿潤剤としては、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等が挙げられる。
潤滑剤としては、金属石鹸、ポリアルキレングリコール、脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、燐酸エステル系界面活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。
消泡剤としては、ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
その他、インキの浸透性向上剤としてのフッ素系界面活性剤やシリコン系、ノニオン、アニオン、カチオン系の界面活性剤、インキの流動性の向上や分散安定化、粘着性の微調整の目的で従来公知の水溶性樹脂や、水性樹脂エマルジョンを添加することもできる。
【0019】
次に、筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物を内蔵する筆記具について説明する。
前記筆記具としては、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体に前記インキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により前記筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
【0020】
一方、ボールペンに前記インキ組成物を適用する場合には、インキ組成物中で粘着性着色樹脂粒状体が沈降することを防止するために、剪断減粘性付与剤を添加して25℃におけるEMD型粘度計を用いた100rpmの粘度を25〜160mPa・s、且つ、剪断減粘指数を0.1〜0.7に調整することが好ましく、粒状体の沈降、分離もなく経時的に安定なボールペンを得ることができる。
前記100rpmにおけるインキ粘度が160mPa・sを越えるとインキ吐出性が低下して、筆記不能になったり、かすれを生じる。また、25mPa・s未満では粒状体の分散安定性を保ち難くなる。剪断減粘指数が前記範囲外では剪断減粘性による効果が適正でなく、粘着性着色樹脂粒状体の分離防止、インキ吐出性及び筆跡性能に支障を来す。
なお、前記におけるインキの剪断減粘指数は、剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)の如き粘度計による流動学測定から得られる実験式(T=Kjn :K及びnは計算された定数である)にあてはめることによって計算されるn値である。
【0021】
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウエランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グリコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
更に、剪断減粘性付与剤としてHLB値が8〜12の範囲のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の中和物、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
【0022】
前記ボールペンに適した粘着性着色樹脂粒状体は、ボールペンチップ部におけるボール収容部近傍の狭い間隙を粒状体が円滑に通過するために、粒子分布に制約がある。ボールペンチップの構造にもよるが、好ましくは2μm〜10μmの範囲に80重量%以上、より好ましくは2μm〜10μmの範囲に90重量%以上含まれる粒子分布の粒状体が適用される。10μm以上の粒子の割合が多くなると、前記ボール収容部近傍で粗大な粒子が通過することなく累積し、筆記不良になる虞がある。
【0023】
前記粘着性着色樹脂粒状体は、筆記時のボールの回転に伴なってボール収容部近傍における極圧作用により粘着性粒状体間で凝集、又は団塊化する傾向があるため、インキ組成物中に粘着性粒状体の安定化剤を配合することが好ましい。
前記安定化剤としては、アニオン性界面活性剤や両性界面活性剤が挙げられ、好適には両性界面活性剤、或いは、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の併用であり、粘着粒状体表面に配向してボール収容部近傍で粘着性粒状体同士が凝集や団塊化することを防止する著しい効果を有する。
【0024】
前記アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、スルホン酸塩、タウリン誘導体、サルコシン誘導体、アマイドエーテルサルフェ−ト、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、脂肪酸塩、アルキルエーテル脂肪酸塩等が挙げられ、具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩、ミリスチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ミリストイルメチルタウリントリエタノールアミン塩、ラウロイルサルコシンナトリウム、オレイルサルコシンカリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、ポリオキシヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、ラウリル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、ジポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、トリポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等を例示できる。
【0025】
前記両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミノベタイン型、イミダゾリン型、グリシン型、エーテルアミンオキシド型の界面活性剤が挙げられ、具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド等を例示できる。
【0026】
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、従来より汎用のものが適用でき、例えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管にはボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面にはインキ逆流防止体(液栓)が密接しているボールペンを例示できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物は、水と水溶性極性溶剤からなる媒体中に、粘着性着色樹脂粒状体、或いは、粘着性着色樹脂粒状体を含む分散液を添加し、添加剤が配合される場合には適宜添加剤を投入して攪拌して分散することにより調製され、ボールペン、サインペンやフェルトペン等のマーキングペン、万年筆、筆ペン等の形態の筆記具に充填して使用される。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
また、実施例における粒子径分布の測定にはレーザー回折式粒度分布測定機〔(株)島津製作所製;SALD 1100〕を用い、ガラス転移温度の測定には示差走査熱量計〔理学電気(株)製:DSC 8230L〕を用いて測定した。尚、実施例中の配合数字は重量部を示す。
【0029】
実施例1
粘着性着色樹脂粒状体分散液の調製
セパラブルフラスコ(2リットル)に水485部を入れ、更にメチルセルロース〔商品名:メトローズ90SH−100、信越化学(株)製〕15部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒に油溶性青色染料(商品名:サビニールブルーGLS、クラリアント社製)1部、アクリル酸ブチル81部、メタクリル酸メチル5.4部、エチレングリコールジメタクリレート3.6部、2、2′−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる着色組成物を加え、高速撹拌により約5μmの液滴とした後、撹拌を続けながら60℃で6時間懸濁重合を行った。
室温まで冷却した後、分散媒中のメチルセルロースを除去するために水600部を加えて洗浄し、遠心分離法により粘着性青色樹脂粒状体を分離した。
得られた粘着性青色樹脂粒状体のスラリーに、更に水600部を加えて洗浄した後、再度遠心分離法により分離し、水で固形分を30重量%に調整して粘着性青色樹脂粒状体分散液Aを得た。
前記のようにして得られた粘着性青色樹脂粒状体分散液A中の粒状体の平均粒子径は4.9μmであり、粒子は2μm〜20μmの範囲に全粒状体の99.1重量%が含まれるものであった。
【0030】
筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物の調製
粘着性青色樹脂粒状体分散液A 30.0
ダイナマイトグリセリン 10.0
ノニオン系界面活性剤 0.5
〔商品名:PBC−34、日本サーファクタント社製〕
水 59.5
合計 100.0
前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで撹拌してインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物の粘度は5.6mPa・s(ELD型粘度計、25℃)であった。
【0031】
実施例2
粘着性着色樹脂粒状体分散液の調製
セパラブルフラスコに水97部を入れ、更にポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、日本合成(株)製〕3.0部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒に油溶性黄色染料〔商品名:オラセットイエロー 8GF、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製〕0.1部、熱可塑性アクリル樹脂〔商品名:パラクロンAS−3000E、根上工業(株)製〕30部、トルエン69部からなる着色組成物を加え、高速撹拌により約5μmの液滴とした後、95℃で6時間撹拌を続けてトルエンを除去した。
室温まで冷却した後、分散媒中のポリビニルアルコールを除去するために水200部を加えて洗浄し、遠心分離法により粘着性黄色樹脂粒状体を分離した。
得られた粘着性黄色樹脂粒状体のスラリーに、更に水200部を加えて洗浄した後、再度遠心分離法により分離し、水で固形分を30重量%に調整して粘着性黄色樹脂粒状体分散液Bを得た。
前記のようにして得られた粘着性黄色樹脂粒状体分散液B中の粒状体の平均粒子径は5.1μmであり、粒子は2μm〜20μmの範囲に全粒状体の98.8重量%が含まれるものであった。
【0032】
筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物の調製
粘着性黄色粒状体分散液B 40.0
ダイナマイトグリセリン 10.0
リン酸エステル系界面活性剤 0.5
(商品名:DLP−10、日本サーファクタント社製)
水 49.5
合計 100.0
前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで撹拌してインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物の粘度は6.5mPa・s(ELD型粘度計、25℃)であった。
【0033】
実施例3
粘着性着色樹脂粒状体分散液の調製
セパラブルフラスコに水97部を入れ、更にポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、日本合成(株)製〕3.0部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒に熱可塑性アクリル樹脂〔商品名:パラクロンME−2000、根上工業(株)製〕50部、トルエン50部からなる樹脂溶液を加え、高速撹拌により約5μmの液滴とした後、95℃で6時間撹拌を続けて溶剤を除去した。
室温まで冷却した後、塩基性ピンク色染料〔商品名:ローダミンB、保土ヶ谷化学(株)製〕0.1部、水199.9部よりなる着色組成物を加えて攪拌した後、遠心分離法により粘着性ピンク色樹脂粒状体を分離した。
得られた粘着性ピンク色樹脂粒状体のスラリーに、更に水200部を加えて洗浄した後、再度遠心分離法により分離し、水で固形分を30重量%に調整して粘着性ピンク色樹脂粒状体分散液Cを得た。
前記のようにして得られた粘着性ピンク色樹脂粒状体分散液C中の粒状体の平均粒子径は5.3μmであり、粒子は2μm〜20μmの範囲に全粒状体の99.0重量%が含まれるものであった。
【0034】
筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物の調製
粘着性ピンク色粒状体分散液C 35.0
ダイナマイトグリセリン 10.0
両性界面活性剤 2.0
(商品名:レボン105、三洋化成(株)製)
水 52.5
合計 100.0
前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで撹拌してインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物の粘度は6.0mPa・s(ELD型粘度計、25℃)であった。
【0035】
比較例1
粘着性着色樹脂粒状体分散液の調製
セパラブルフラスコに水97部を入れ、更にポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、日本合成(株)製〕3.0部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒に熱可塑性アクリル樹脂〔商品名:パラクロンME−2000、根上工業(株)製〕50部、トルエン50部からなる樹脂溶液を加え、高速撹拌により約5μmの液滴とした後、95℃で6時間撹拌を続けて溶剤を除去した。
室温まで冷却した後、酸性赤色染料〔商品名:アシッドレッドFB、ダイワ化成(株)製〕0.1部、水199.9部よりなる着色組成物を加えて攪拌した後、遠心分離法により粘着性赤色樹脂粒状体を分離した。
得られた粘着性赤色樹脂粒状体のスラリーに、更に水200部を加えて洗浄した後、再度遠心分離法により分離し、水で固形分を30重量%に調整して粘着性赤色樹脂粒状体分散液Dを得た。
前記のようにして得られた粘着性赤色樹脂粒状体分散液D中の粒状体の平均粒子径は5.3μmであり、粒子は2μm〜20μmの範囲に全粒状体の99.0重量%が含まれるものであった。
【0036】
筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物の調製
粘着性赤色粒状体分散液D 35.0
ダイナマイトグリセリン 10.0
両性界面活性剤 2.0
(商品名:レボン105、三洋化成(株)製)
水 52.5
合計 100.0
前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで撹拌してインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物の粘度は6.0mPa・s(ELD型粘度計、25℃)であった。
【0037】
試料マーキングペンの作成
実施例1乃至3及び比較例1のインキ組成物を、各々アルミニウム製軸筒内に弁機構を有し、筆記先端部に設けた繊維束を樹脂で結着させてなるチップを筆記時に紙面に押しつけて弁を開き、軸筒内のインキをチップに導出するタイプのマーキングペンに充填して試料マーキングペンとした。
【0038】
消去性試験
各試料マーキングペンを用いてレポート用紙(コクヨ製、品番レ−116AN)に直径約2cmの円を連続して描き、得られた筆跡を消しゴム〔シードゴム工業(株)製、商品名:STAR Radar〕で筆記から5秒後及び1日後に擦過して消去性の難易度を判定した。
耐擦過性試験
筆記して1時間後の筆跡上に、ろ紙(ADVANTEC製、No.2ろ紙)を平滑面が筆跡側になるように載置し、その上方から45.5g/平方センチメートルの荷重をかけて筆跡上を10回スライドさせて、耐擦過性を判定した。
【0039】
消去性及び耐擦過性試験結果を以下の表に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表中の消去性及び耐擦過性試験の判定記号は以下のとおり。
消去性試験
○:容易に消去できる。
×:10回までの擦過では消去できない。
耐擦過性試験
○:殆ど筆跡が剥離しない。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる油溶性染料又は塩基性染料を含む粘着性着色樹脂粒状体を媒体中に分散させたインキ組成物であって、適用する粒状体の紙内部への浸透性が極めて低く、しかも、消しゴム消去性と耐軽擦過性の両方の性質を満たすため、紙に筆記して得られる筆跡が消しゴムで容易に消去でき、且つ、前記筆跡は通常の指や紙同士の擦過程度では消去されない筆跡保持性を共に満足させる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具に関する。更に詳細には、紙に筆記して得られる筆跡が消しゴムで容易に消去でき、且つ、前記筆跡は通常の指や紙同士の擦過程度では消去されない筆跡保持性を有する筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、消しゴムにより消去できる筆跡をもたらす水性インキ組成物について、顔料と粘着性樹脂からなる着色樹脂粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有しており、前記粒子の粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる粘着性着色樹脂粒状体を含有させた筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物が開示されている(特開2001−19888号公報)。
前記筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物により紙面に筆記して得られる筆跡は、粘着性着色樹脂粒状体が紙面上に形成された乾燥後の筆跡中で粒状体相互間及び粒状体と紙面との間で点接着状態で存在するため、前記筆跡は消しゴムで容易に消去でき、しかも、通常の指や紙同士の擦過程度では消去されない筆跡保持性を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記した消しゴム消去性水性インキ組成物について更に検討した結果、粘着性着色樹脂粒状体に含まれる着色剤として特定の染料を用いることにより、従来の顔料系粘着性樹脂粒状体を用いたインキ組成物によって形成された筆跡と同様の消しゴムによる消去性と、指等の擦過では消去されない耐擦過性を満たすことを見いだした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、油溶性染料と粘着性樹脂からなる着色樹脂粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有してなり、且つ、前記粒子の粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる粘着性着色樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤とから少なくともなる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物、或いは、塩基性染料と粘着性樹脂からなる着色樹脂粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有してなり、且つ、前記粒子の粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる粘着性着色樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤とから少なくともなる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物を要件とする。
【0005】
前記粘着性着色樹脂粒状体は紙への該粒状体の浸透を低減又は防止し、また、粒状体が粘着性を示すことにより、良好な消しゴム消去性と耐軽擦過性(通常時における筆跡の保持性を示す)を同時に満す、それ自体が接着と着色の2つの機能を有する。
前記粘着性着色樹脂粒状体は、粒子径が大きければ紙内部への浸透を低減又は防止し易く、粒子を製造する際の粒子の正規分布を考慮した場合、2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれていれば、概ね紙内部への浸透が防止できる。
【0006】
前記筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物によって形成される筆跡に関し、良好な消しゴム消去性と耐軽擦過性を同時に満たす理由については、筆跡を顕微鏡で観察すると、粘着性着色樹脂粒状体は紙面上に存在し、粒子の大半が粒子相互間で点接着状に連結しており、粒子間は少なくとも空間で占められている。よって、消しゴムで消去する場合にあっては、粘着性着色樹脂粒状体同士が団塊的に集合するために良好な消去性を示し、通常時の摩擦においては、紙面上に存在する粘着性着色樹脂粒状体が紙面との接点で一定の粘着による結合力を有するため、ある一定の摩擦力まで剥離することのない性質を備えると推察される。
【0007】
前記粘着性着色樹脂粒状体は、従来より公知の樹脂粒子合成技術を用いて得ることができる。
粘着性着色樹脂粒状体の形態としては、着色樹脂粒状体を形成する樹脂の全部が粘着性を有する均質ポリマー組成物であるもの、着色樹脂粒状体の全表面が粘着性を有するポリマー組成物で被覆されたもの、着色樹脂粒状体の表面の一部が連続又は非連続状態の粘着性を有するポリマー組成物で構成されたものが挙げられる。
前記の粘着性着色樹脂粒状体を得る方法としては、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、シード重合法、分散重合法、液中乾燥法が適用できる。
樹脂の全部が粘着性を有する均質ポリマー組成の着色樹脂粒状体を得るには、主として懸濁重合法、液中溶媒蒸発法が適用できる。
粒状体の全表面又は表面の一部が連続又は非連続状態で粘着性を有する着色樹脂粒状体を得るには、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、シード重合法、分散重合法、液中溶媒蒸発法を適宜組み合わせたり、二次処理的な表面改質の手段を適用することができる。
【0008】
なお、粘着性着色樹脂粒状体に好適な粘着性を付与する指標として、得られた粘着性着色樹脂粒状体のガラス転移点が40℃未満であることが好ましい。
40℃以上では室温条件下において粘着性の程度が弱く、耐擦過性を満たし難くなる。
【0009】
次に、粘着性着色樹脂粒状体の粒子径について説明する。
本発明に適用される粘着性着色樹脂粒状体は2〜20μmの範囲に70重量%が含まれる粒子分布を有する必要があり、好ましくは2μm〜15μmの範囲に80重量%以上が含まれる。
前記粘着性着色樹脂粒状体の粒子径と消しゴム消去性は密接な関係にあり、2μmより小さい粒子の割合が多いと前述のように、紙の繊維間に浸透する割合が顕著に多くなり、良好な消しゴム消去性が得られない。一方、20μmより大きい粒子の割合が多くなると、手や指での擦過で剥離し易くなり、満足な耐擦過性が得られ難く、さらに各種筆記具のインキ導出部、例えば繊維ペン、プラスチックペン、フェルトチップ、ボールチップからインキが円滑に導出し難くなる。
前述の各重合法によって得られた粘着性着色樹脂粒状体は粒子分布が前記の粒子径の範囲を満たすように乾式分級や遠心沈降法などの湿式分級を所望により行なうことができる。
分級については、粘着性着色樹脂粒状体は常温下で粘着性を有するため、粒状体の合一を防止するために、ろ過や遠心沈降分離等の湿式条件下の分級が好ましい。
【0010】
粘着性着色樹脂粒状体を懸濁重合法、シード重合法、分散重合法等のラジカル重合を利用して調製する場合の反応性モノマー類について以下説明する。
反応性モノマー類は実質上水に不溶性乃至難溶性のものが使用できる。
ラジカル重合性の一官能性モノマーとしては、エチルアクリレート、メチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレートのようなアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ウンデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレートのようなメタクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ビニルベンジルクロリド、ビニルピリジンのような芳香族系モノマー類、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、ビニルアセテートのような飽和カルボン酸の不飽和エステル類等が挙げられる。前記したモノマーのnはノルマル、iはイソ、tはターシャリーを示す。
これらの一官能性モノマーは所望の粘着性に応じて1種類もしくは2種類以上を混合して適宜選択して用いることができる。また、アクリル酸やメタクリル酸のような親水性のモノマーは懸濁粒子の分散安定性を付与させるため、必要に応じて全モノマー中、5重量%以下の割合で添加できる。
【0011】
多官能性モノマーとしては、エチレングリコ─ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、エチレングリコ─ルジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジビニルベンゼン、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
【0012】
本発明においては、多官能性モノマーを使用せずに一官能性モノマー類のみ用いて重合してもよいが、粘着性着色樹脂粒状体の物理的強度を増強させるために二官能性又は多官能性のモノマーを併用することが好ましく、前記一官能性モノマーと多官能性モノマーの混合比率は一官能性モノマー100に対し2〜10である。多官能性モノマーの比率が2より小さいと粒状体の物理的強度が低くなり、消しゴム消去時に粒状体が破壊されて紙面が染料により汚染され易くなる。一方、多官能性モノマーの比率が10より大きいと粘着性が低下する傾向にあり、良好な耐擦過性が得られ難くなる。
更に、多官能性モノマーの添加は粘着性着色樹脂粒状体の製造時やインキ組成物中での安定性にも重要な役割を有する。即ち、粘着性着色樹脂粒状体は室温雰囲気下において粘着性を有し、且つ、粒子径が比較的大きいことに起因して粒状体相互間で合一、凝集を生じ易い。かかる問題を解消或いは低減させるために多官能性モノマーを前記範囲内で併用することにより、粒状体に物理的強度を増加させていっそう安定な粒状体を得ることができる。
前記重合方法で適用される開始剤としては以下の実質的に水不溶性乃至難溶性の化合物が例示できる。水溶性の開始剤は乳化重合反応を招く結果、1μm以下の微細粒子が形成されるので本発明の粘着性着色樹脂粒状体の調製には適さない。
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、クミルパーオキシネオデカノエート、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートのような有機過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスプロピオニトリル、2,2′−アゾビスバレロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)のようなアゾ化合物、及び他の一般的なフリーラジカル発生化合物。
【0013】
前記粘着性着色樹脂粒状体の粘着性の調整方法としては、潜在的に粘着性を有するモノマー類の種類を変えたり、混合して粘着性樹脂を得たり、多官能性モノマー(架橋性モノマー)の量を調整することによって所望の粘着性を有する樹脂を得ることができるが、更に、粘着性を調節するためにロジン、ロジン誘導体、クマロン・インデン樹脂、ポリテルペン樹脂、非反応性フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂等の粘着性付与剤を添加することもできる。また、ミネラルオイル、液状ポリブテン、ラノリン、二塩基酸エステル等の可塑剤、顔料や体質顔料等を適宜加えてもよい。
【0014】
本発明の粘着性着色樹脂粒状体は着色手段として油溶性染料又は塩基性染料が用いられる。染料として酸性染料を用いると粒状体中から酸性染料が溶出し易く、粘着性着色樹脂粒状体により紙面上に形成された乾燥後の筆跡から溶出した染料が紙面に浸透して筆跡を消しゴムで擦過しても消去できなくなる。
油溶性染料としては、バリファーストブラック#3804(C.I.12195)、バリファーストイエロー#3105(C.I.18690)、ソルダンレッド3R(C.I.21260)、ビクトリアブルーF4R(C.I.42563B)、ニグロシンベースLK(C.I.50415)、サビニールブルーGLS(C.I.ソルベントブルー44)、オラセットイエロー8GF(C.I.ソルベントイエロー145)、マクロレックスフロオレセントイエロー10GN(C.I.ソルベントイエロー160:1)等が挙げられる。
前記油溶性染料は水性媒体に対する溶解性に乏しく、インキ組成物中で溶出し難いため、紙面に染料が転移する度合いを極力低減できる。
なお、粘着性着色樹脂粒状体中に含まれる油溶性染料の重量比率は0.1〜5重量%であることが好ましく、0.1重量%未満では十分な色調を得られ難く、、また、5重量%を越えると粒状体に含まれる樹脂との相溶性に乏しくなり、溶出を生じ易くなり、紙面に染料が転移して筆跡を消去でき難くなる。
また。塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
前記塩基性染料を用いる場合、粒状体中にアクリル酸及び/又はメタクリル酸を含むことが好ましく、前記アクリル酸又はメタクリル酸が塩基性染料と結合して粒状体から溶出し難くなり、紙面に染料が転移する度合いを極力低減できる。なお、粘着性着色樹脂粒状体中に含まれる塩基性染料の重量比率は0.1〜20重量%であることが好ましく、0.1重量%未満では十分な色調を得られ難く、また、20重量%を越えると溶出を生じ易くなり、紙面に染料が転移して筆跡を消去でき難くなる。
更に、前記塩基性染料が蛍光色の場合、粘着性樹脂を構成するモノマーにアクリロニトリルを含有させると蛍光発色性を良好なものとすることができる。
【0015】
粘着性着色樹脂粒状体を着色する方法としては、モノマー、オリゴマー、プレポリマー又はポリマー中に染料を添加した後、各々の反応形態によって染料を含む粘着性着色樹脂粒状体を調製する方法、又は、予めモノマー、オリゴマー、プレポリマー又はポリマーから各々の反応形態によって粘着性樹脂粒状体を調製した後、染料を含む溶液を加えて染着して粘着性着色樹脂粒状体を調製する方法が挙げられる。
【0016】
前記粘着性着色樹脂粒状体はインキ組成物中5〜35重量%の範囲で添加することが好ましい。5重量%未満では良好な色濃度が得られず、35重量%を越えるとインキ組成物中での固形分比率が高くなり、円滑なインキの吐出を妨げがちである
なお、粘着性着色樹脂粒状体は粘着性、色調、色濃度、粒子径分布の異なる2種類以上の粘着性着色樹脂粒状体を所望に応じて混合して使用することもできるし、粘着性着色樹脂粒状体と同様の粒子径分布を有する粘着性をもたない着色粒状体を補色や粘着性を調節するために添加することもできる。
【0017】
インキ組成物の調製方法としては、水及び水溶性極性溶剤を含むビヒクル中に粘着性着色樹脂粒状体を均質に混合、分散することによって調製できる。
前記水溶性極性溶剤は、筆記先端でのインキの乾燥抑制、筆跡の耐水性の付与等の目的で用いられる。水溶性極性溶剤としては水に相溶性のある従来汎用の溶剤が全て有効であり、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジエチレングリコール、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド等を一種又は二種以上併用して用いることができ、添加量はインキ組成物中2〜35重量%が好ましい。
【0018】
また、必要に応じてPH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、湿潤剤、潤滑剤、消泡剤、酸化防止剤、界面活性剤等の慣用の添加剤を添加することもできる。
PH調整剤としては、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等が挙げられる。
防腐剤、防黴剤としては、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
湿潤剤としては、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等が挙げられる。
潤滑剤としては、金属石鹸、ポリアルキレングリコール、脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、燐酸エステル系界面活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。
消泡剤としては、ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
その他、インキの浸透性向上剤としてのフッ素系界面活性剤やシリコン系、ノニオン、アニオン、カチオン系の界面活性剤、インキの流動性の向上や分散安定化、粘着性の微調整の目的で従来公知の水溶性樹脂や、水性樹脂エマルジョンを添加することもできる。
【0019】
次に、筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物を内蔵する筆記具について説明する。
前記筆記具としては、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体に前記インキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により前記筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
【0020】
一方、ボールペンに前記インキ組成物を適用する場合には、インキ組成物中で粘着性着色樹脂粒状体が沈降することを防止するために、剪断減粘性付与剤を添加して25℃におけるEMD型粘度計を用いた100rpmの粘度を25〜160mPa・s、且つ、剪断減粘指数を0.1〜0.7に調整することが好ましく、粒状体の沈降、分離もなく経時的に安定なボールペンを得ることができる。
前記100rpmにおけるインキ粘度が160mPa・sを越えるとインキ吐出性が低下して、筆記不能になったり、かすれを生じる。また、25mPa・s未満では粒状体の分散安定性を保ち難くなる。剪断減粘指数が前記範囲外では剪断減粘性による効果が適正でなく、粘着性着色樹脂粒状体の分離防止、インキ吐出性及び筆跡性能に支障を来す。
なお、前記におけるインキの剪断減粘指数は、剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)の如き粘度計による流動学測定から得られる実験式(T=Kjn :K及びnは計算された定数である)にあてはめることによって計算されるn値である。
【0021】
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウエランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グリコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
更に、剪断減粘性付与剤としてHLB値が8〜12の範囲のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の中和物、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
【0022】
前記ボールペンに適した粘着性着色樹脂粒状体は、ボールペンチップ部におけるボール収容部近傍の狭い間隙を粒状体が円滑に通過するために、粒子分布に制約がある。ボールペンチップの構造にもよるが、好ましくは2μm〜10μmの範囲に80重量%以上、より好ましくは2μm〜10μmの範囲に90重量%以上含まれる粒子分布の粒状体が適用される。10μm以上の粒子の割合が多くなると、前記ボール収容部近傍で粗大な粒子が通過することなく累積し、筆記不良になる虞がある。
【0023】
前記粘着性着色樹脂粒状体は、筆記時のボールの回転に伴なってボール収容部近傍における極圧作用により粘着性粒状体間で凝集、又は団塊化する傾向があるため、インキ組成物中に粘着性粒状体の安定化剤を配合することが好ましい。
前記安定化剤としては、アニオン性界面活性剤や両性界面活性剤が挙げられ、好適には両性界面活性剤、或いは、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の併用であり、粘着粒状体表面に配向してボール収容部近傍で粘着性粒状体同士が凝集や団塊化することを防止する著しい効果を有する。
【0024】
前記アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、スルホン酸塩、タウリン誘導体、サルコシン誘導体、アマイドエーテルサルフェ−ト、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、脂肪酸塩、アルキルエーテル脂肪酸塩等が挙げられ、具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩、ミリスチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ミリストイルメチルタウリントリエタノールアミン塩、ラウロイルサルコシンナトリウム、オレイルサルコシンカリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、ポリオキシヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、ラウリル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、ジポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、トリポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等を例示できる。
【0025】
前記両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミノベタイン型、イミダゾリン型、グリシン型、エーテルアミンオキシド型の界面活性剤が挙げられ、具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド等を例示できる。
【0026】
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、従来より汎用のものが適用でき、例えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管にはボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面にはインキ逆流防止体(液栓)が密接しているボールペンを例示できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物は、水と水溶性極性溶剤からなる媒体中に、粘着性着色樹脂粒状体、或いは、粘着性着色樹脂粒状体を含む分散液を添加し、添加剤が配合される場合には適宜添加剤を投入して攪拌して分散することにより調製され、ボールペン、サインペンやフェルトペン等のマーキングペン、万年筆、筆ペン等の形態の筆記具に充填して使用される。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
また、実施例における粒子径分布の測定にはレーザー回折式粒度分布測定機〔(株)島津製作所製;SALD 1100〕を用い、ガラス転移温度の測定には示差走査熱量計〔理学電気(株)製:DSC 8230L〕を用いて測定した。尚、実施例中の配合数字は重量部を示す。
【0029】
実施例1
粘着性着色樹脂粒状体分散液の調製
セパラブルフラスコ(2リットル)に水485部を入れ、更にメチルセルロース〔商品名:メトローズ90SH−100、信越化学(株)製〕15部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒に油溶性青色染料(商品名:サビニールブルーGLS、クラリアント社製)1部、アクリル酸ブチル81部、メタクリル酸メチル5.4部、エチレングリコールジメタクリレート3.6部、2、2′−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる着色組成物を加え、高速撹拌により約5μmの液滴とした後、撹拌を続けながら60℃で6時間懸濁重合を行った。
室温まで冷却した後、分散媒中のメチルセルロースを除去するために水600部を加えて洗浄し、遠心分離法により粘着性青色樹脂粒状体を分離した。
得られた粘着性青色樹脂粒状体のスラリーに、更に水600部を加えて洗浄した後、再度遠心分離法により分離し、水で固形分を30重量%に調整して粘着性青色樹脂粒状体分散液Aを得た。
前記のようにして得られた粘着性青色樹脂粒状体分散液A中の粒状体の平均粒子径は4.9μmであり、粒子は2μm〜20μmの範囲に全粒状体の99.1重量%が含まれるものであった。
【0030】
筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物の調製
粘着性青色樹脂粒状体分散液A 30.0
ダイナマイトグリセリン 10.0
ノニオン系界面活性剤 0.5
〔商品名:PBC−34、日本サーファクタント社製〕
水 59.5
合計 100.0
前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで撹拌してインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物の粘度は5.6mPa・s(ELD型粘度計、25℃)であった。
【0031】
実施例2
粘着性着色樹脂粒状体分散液の調製
セパラブルフラスコに水97部を入れ、更にポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、日本合成(株)製〕3.0部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒に油溶性黄色染料〔商品名:オラセットイエロー 8GF、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製〕0.1部、熱可塑性アクリル樹脂〔商品名:パラクロンAS−3000E、根上工業(株)製〕30部、トルエン69部からなる着色組成物を加え、高速撹拌により約5μmの液滴とした後、95℃で6時間撹拌を続けてトルエンを除去した。
室温まで冷却した後、分散媒中のポリビニルアルコールを除去するために水200部を加えて洗浄し、遠心分離法により粘着性黄色樹脂粒状体を分離した。
得られた粘着性黄色樹脂粒状体のスラリーに、更に水200部を加えて洗浄した後、再度遠心分離法により分離し、水で固形分を30重量%に調整して粘着性黄色樹脂粒状体分散液Bを得た。
前記のようにして得られた粘着性黄色樹脂粒状体分散液B中の粒状体の平均粒子径は5.1μmであり、粒子は2μm〜20μmの範囲に全粒状体の98.8重量%が含まれるものであった。
【0032】
筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物の調製
粘着性黄色粒状体分散液B 40.0
ダイナマイトグリセリン 10.0
リン酸エステル系界面活性剤 0.5
(商品名:DLP−10、日本サーファクタント社製)
水 49.5
合計 100.0
前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで撹拌してインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物の粘度は6.5mPa・s(ELD型粘度計、25℃)であった。
【0033】
実施例3
粘着性着色樹脂粒状体分散液の調製
セパラブルフラスコに水97部を入れ、更にポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、日本合成(株)製〕3.0部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒に熱可塑性アクリル樹脂〔商品名:パラクロンME−2000、根上工業(株)製〕50部、トルエン50部からなる樹脂溶液を加え、高速撹拌により約5μmの液滴とした後、95℃で6時間撹拌を続けて溶剤を除去した。
室温まで冷却した後、塩基性ピンク色染料〔商品名:ローダミンB、保土ヶ谷化学(株)製〕0.1部、水199.9部よりなる着色組成物を加えて攪拌した後、遠心分離法により粘着性ピンク色樹脂粒状体を分離した。
得られた粘着性ピンク色樹脂粒状体のスラリーに、更に水200部を加えて洗浄した後、再度遠心分離法により分離し、水で固形分を30重量%に調整して粘着性ピンク色樹脂粒状体分散液Cを得た。
前記のようにして得られた粘着性ピンク色樹脂粒状体分散液C中の粒状体の平均粒子径は5.3μmであり、粒子は2μm〜20μmの範囲に全粒状体の99.0重量%が含まれるものであった。
【0034】
筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物の調製
粘着性ピンク色粒状体分散液C 35.0
ダイナマイトグリセリン 10.0
両性界面活性剤 2.0
(商品名:レボン105、三洋化成(株)製)
水 52.5
合計 100.0
前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで撹拌してインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物の粘度は6.0mPa・s(ELD型粘度計、25℃)であった。
【0035】
比較例1
粘着性着色樹脂粒状体分散液の調製
セパラブルフラスコに水97部を入れ、更にポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、日本合成(株)製〕3.0部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒に熱可塑性アクリル樹脂〔商品名:パラクロンME−2000、根上工業(株)製〕50部、トルエン50部からなる樹脂溶液を加え、高速撹拌により約5μmの液滴とした後、95℃で6時間撹拌を続けて溶剤を除去した。
室温まで冷却した後、酸性赤色染料〔商品名:アシッドレッドFB、ダイワ化成(株)製〕0.1部、水199.9部よりなる着色組成物を加えて攪拌した後、遠心分離法により粘着性赤色樹脂粒状体を分離した。
得られた粘着性赤色樹脂粒状体のスラリーに、更に水200部を加えて洗浄した後、再度遠心分離法により分離し、水で固形分を30重量%に調整して粘着性赤色樹脂粒状体分散液Dを得た。
前記のようにして得られた粘着性赤色樹脂粒状体分散液D中の粒状体の平均粒子径は5.3μmであり、粒子は2μm〜20μmの範囲に全粒状体の99.0重量%が含まれるものであった。
【0036】
筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物の調製
粘着性赤色粒状体分散液D 35.0
ダイナマイトグリセリン 10.0
両性界面活性剤 2.0
(商品名:レボン105、三洋化成(株)製)
水 52.5
合計 100.0
前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで撹拌してインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物の粘度は6.0mPa・s(ELD型粘度計、25℃)であった。
【0037】
試料マーキングペンの作成
実施例1乃至3及び比較例1のインキ組成物を、各々アルミニウム製軸筒内に弁機構を有し、筆記先端部に設けた繊維束を樹脂で結着させてなるチップを筆記時に紙面に押しつけて弁を開き、軸筒内のインキをチップに導出するタイプのマーキングペンに充填して試料マーキングペンとした。
【0038】
消去性試験
各試料マーキングペンを用いてレポート用紙(コクヨ製、品番レ−116AN)に直径約2cmの円を連続して描き、得られた筆跡を消しゴム〔シードゴム工業(株)製、商品名:STAR Radar〕で筆記から5秒後及び1日後に擦過して消去性の難易度を判定した。
耐擦過性試験
筆記して1時間後の筆跡上に、ろ紙(ADVANTEC製、No.2ろ紙)を平滑面が筆跡側になるように載置し、その上方から45.5g/平方センチメートルの荷重をかけて筆跡上を10回スライドさせて、耐擦過性を判定した。
【0039】
消去性及び耐擦過性試験結果を以下の表に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表中の消去性及び耐擦過性試験の判定記号は以下のとおり。
消去性試験
○:容易に消去できる。
×:10回までの擦過では消去できない。
耐擦過性試験
○:殆ど筆跡が剥離しない。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる油溶性染料又は塩基性染料を含む粘着性着色樹脂粒状体を媒体中に分散させたインキ組成物であって、適用する粒状体の紙内部への浸透性が極めて低く、しかも、消しゴム消去性と耐軽擦過性の両方の性質を満たすため、紙に筆記して得られる筆跡が消しゴムで容易に消去でき、且つ、前記筆跡は通常の指や紙同士の擦過程度では消去されない筆跡保持性を共に満足させる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具を提供できる。
Claims (8)
- 油溶性染料と粘着性樹脂からなる着色樹脂粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有してなり、且つ、前記粒子の粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる粘着性着色樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤とから少なくともなる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物。
- 粘着性着色樹脂粒状体中に含まれる油溶性染料の重量比率が0.1〜5重量%である請求項1記載の筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物。
- 塩基性染料と粘着性樹脂からなる着色樹脂粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有してなり、且つ、前記粒子の粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる粘着性着色樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤とから少なくともなる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物。
- 前記粘着性樹脂中にアクリル酸及び/又はメタクリル酸を含んでなる請求項3記載の筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物。
- 前記染料が蛍光性塩基染料であり、且つ、粘着性樹脂中にアクリロニトリルを含んでなる請求項3又は4記載の筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物。
- 粘着性着色樹脂粒状体中に含まれる塩基性染料の重量比率が0.1〜20重量%である請求項3乃至5のいずれかに記載の筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物。
- 前記粘着性着色樹脂粒状体が、紙面上に形成された乾燥後の筆跡中で紙面と点接着し、且つ、各々の粘着性着色樹脂粒状体が独立状態又は点接着状態で存在してなる請求項1乃至6のいずれかに記載の筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物。
- 請求項1乃至7記載のいずれかの筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物を内蔵してなるマーキングペン。
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