JP2004149040A - フロアマットおよび作業機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マット本体34の上面部34cの外周縁部に前部滑り止め体42および側部滑り止め体43を突出させて設ける。マット本体34の外周縁部に掛けたオペレータの足の裏面に前部滑り止め体42および側部滑り止め体43が充分に接触し、足を掛けやすく滑りにくい。前部滑り止め体42および側部滑り止め体43の突出基端側を先端側よりも大きく形成する。オペレータが前部滑り止め体42および側部滑り止め体43に足を掛けた際などに加わる外力に対しても、耐久性を向上できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マット本体を備えたフロアマットおよびこれを備えた作業機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば油圧ショベルなどに用いられるフロアマットは、略矩形状に形成されたマット本体を有し、このマット本体の上面部における一側部には、このマット本体の上方に突出した滑り止め体が複数設けられている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
そして、このフロアマットは、油圧ショベルの運転部の乗降口側に滑り止め体が位置するように運転部のフロアボード上に配設されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−294069号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的にオペレータは乗降口側のマット本体の外周縁部に足を掛けて乗降口から運転部に乗り込む、あるいは運転部から降りるが、上述のフロアマットでは、滑り止め体がマット本体の上面部に設けられていることにより、オペレータの足の裏面に滑り止め体が充分に接触せず、オペレータが足を掛けにくく滑りやすいという問題点を有している。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、オペレータが足を掛けやすく滑りにくいフロアマットおよびこれを備えた作業機械を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、マット本体と、マット本体の上面部の外周縁部の少なくとも一部に設けられた滑り止め体とを具備したフロアマットであり、マット本体の上面部の外周縁部の少なくとも一部に滑り止め体を設けることにより、例えばオペレータがマット本体の外周縁部に足を掛けた際に、オペレータの足の裏面に滑り止め体が充分に接触するため、足を掛けやすいとともに滑りにくい。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のフロアマットにおいて、マット本体が、上面部の外周縁部に傾斜面を備え、滑り止め体が、傾斜面の少なくとも一部に傾斜状に突出して設けられたフロアマットであり、マット本体の上面部の外周縁部に傾斜面を設け、この傾斜面の少なくとも一部に滑り止め体を傾斜状に突出させることにより、例えばオペレータがマット本体の外周縁部に足を掛けた際に、オペレータの足が傾斜面に掛かるため足を掛けやすく、かつ傾斜状になったオペレータの足の裏面に滑り止め体が充分に接触するので滑りにくい。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のフロアマットにおいて、滑り止め体の突出基端側が先端側よりも大きく形成されたフロアマットであり、滑り止め体の突出基端側を先端側よりも大きく形成することにより、例えばオペレータが滑り止め体に足を掛けた際などに滑り止め体に加わる外力に対しても、耐久性が向上する。
【0010】
請求項4記載の発明は、乗降部を備えた機械本体と、滑り止め体の少なくとも一部が乗降部に臨むように機械本体に配設された請求項1ないし3いずれか一に記載のフロアマットと、機械本体に作動可能に設けられた作業装置とを具備した作業機械であり、例えばオペレータが機械本体の乗降部から乗降する際に、この乗降部に臨んで配設されたフロアマットの滑り止め体の少なくとも一部に足を掛けて乗降できるため、乗降が容易になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1乃至図5に示された実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図5は、作業機械としての油圧ショベル1を示し、自走可能な下部走行体2上に上部旋回体3が旋回可能に設けられている。また、上部旋回体3上には、ボディ4が設けられており、これら下部走行体2、上部旋回体3およびボディ4により機械本体5が構成されている。
【0013】
また、上部旋回体3の前側には、突出可能な掘削用の作業装置としてのフロント作業装置6が作動可能に設けられている。
【0014】
さらに、ボディ4上には、上側および前側に亘って、オペレータが下部走行体2の走行操作、上部旋回体3の旋回操作およびフロント作業装置6の作動操作などをする運転部7が設けられている。そして、この運転部7には、油圧ショベル1を運転および操作する作業者としての運転手であるオペレータが座る座席としての運転席8が取り付けられている。
【0015】
さらに、ボディ4における運転部7の左側である運転席8の前方下部の左側には、オペレータが運転部7に乗降する乗降部15が設けられている。
【0016】
またさらに、ボディ4における運転部7の右側には、タンク収容室が区画形成されたタンク収容部16が設けられている。
【0017】
そして、運転部7の床面である運転席8の前方下部の上部旋回体3上には、一対の走行レバー21がそれぞれ突出して一体に設けられており、この走行レバー21の下端部には、蛇腹状のカバー体22が取り付けられて走行レバー21の下端部を被覆している。
【0018】
また、走行レバー21の右側部には、機械本体5の幅方向に長手方向を有した矩形状のブームスイングペダル23が設けられている。
【0019】
さらに、走行レバー21の左側部には、機械本体5の幅方向に長手方向を有した矩形状のアタッチメント操作用ペダル24が設けられている。
【0020】
またさらに、走行レバー21よりも運転席8寄りにおける機械本体5の幅方向の中心よりも若干左側には、下部走行体2の走行速度を切替可能な円柱状の走行切換ペダル25が上方向に突出して設けられている。
【0021】
そして、運転席8の前方下部の上部旋回体3上には、フロアマット33が配設されている。
【0022】
このフロアマット33は、図1に示すように、例えば合成ゴム、あるいは合成樹脂などにて略矩形状に形成されたマット本体34を備えている。このマット本体34は、外周部が上方向に向かって若干内方へと傾斜した側面部34aとなっており、この側面部34aの上端部であるマット本体34の上側の外周縁部には、上方向に向かって内方へと傾斜した傾斜面34bが設けられている。この傾斜面34bは、側面部34aよりも傾斜している。そして、この傾斜面34bの上端部には、平坦な上面部34cが形成されている。したがって、マット本体34は、上側が下側よりも小さく形成されている。
【0023】
また、マット本体34は、マット本体34の長手方向の一端部である右側、すなわちタンク収容部16側に、略矩形状のタンク嵌合部35がマット本体34の右端部に亘って切り欠き形成されている。
【0024】
このタンク嵌合部35は、マット本体34の右側の運転席8寄りの位置に切り欠き形成されており、このタンク嵌合部35には、タンク収容部16が嵌合する。
【0025】
また、マット本体34におけるタンク嵌合部35の側部であるマット本体34の右側部には、後方に向けて鋭角三角形状に突出形成された係合突出部36が設けられている。さらに、マット本体34におけるタンク嵌合部35の前端部の左側には、略矩形状の嵌合凹部37がタンク嵌合部35と連続して切り欠き形成されている。そして、係合突出部36がタンク収容部16の下部の右側部に係合し、嵌合凹部37にタンク収容部16の先端部が嵌合する。
【0026】
またさらに、マット本体34の上面部34cにおけるタンク嵌合部35の前方には、細長矩形状の前側突出部38が前後および左右にそれぞれ離間されて複数、例えば2つずつ、計4つ設けられている。これら前側突出部38は、機械本体5の幅方向に長手方向を有しており、マット本体34の上面部34cから上方向に若干突出している。そして、オペレータは、前側突出部38に足を掛けることにより、乗降部15と反対側であるタンク収容部16の前側から運転部7に乗降可能となっている。
【0027】
また、マット本体34の上面部34cにおける長手方向の他端部、すなわちタンク嵌合部35と反対側には、複数の上部滑り止め体41がマット本体34と一体に設けられている。
【0028】
これら上部滑り止め体41は、平面視で上下方向に長軸方向を有する楕円形状にそれぞれ形成されており、突出基端側が先端側よりも大きく形成された、略截頭円錐状に形成されている。
【0029】
そして、上部滑り止め体41は、マット本体34の幅方向に複数、例えば3列配設され、各列は互いにマット本体34の幅方向に各上部滑り止め体41の長軸寸法分程度ずれた、いわゆる千鳥状に配置されている。
【0030】
また、マット本体34の上面部34cの外周縁部の前側には、略楕円形状の滑り止め体としての前部滑り止め体42が傾斜状に突出して配設されている。すなわち、前部滑り止め体42は、図2に示すように、マット本体34の上面部34cの外周縁部からマット本体34の外方である前方に突出している。
【0031】
さらに、マット本体34の上面部34cの外周縁部の左側の傾斜面34bには、略楕円形状の滑り止め体としての側部滑り止め体43が傾斜状に突出して配設されている。すなわち、側部滑り止め体43は、図3に示すように、マット本体34の上面部34cの外周縁部からマット本体34の外方である左側方に突出している。
【0032】
またさらに、前部滑り止め体42は、上部滑り止め体41の右列および左列の前方に位置し、側部滑り止め体43は、上部滑り止め体41に対して千鳥状に配設されている。このため、上部滑り止め体41、前部滑り止め体42および側部滑り止め体43全体が千鳥状に配設されている。
【0033】
そして、フロアマット33は、図4に示すように、前部滑り止め体42および側部滑り止め体43が油圧ショベル1の機械本体5の乗降部15に臨むように配設されている。
【0034】
ここで、前部滑り止め体42は、図2に示すように、マット本体34の上面部34cから傾斜面34bに亘って設けられており、前方へと上方向に傾斜して突出した基端側傾斜面部44を備えている。この基端側傾斜面部44の前端部には、マット本体34の上面部34cと略平行な平面部45が連接して設けられている。
【0035】
さらに、平面部45の前端部には、前方へと下方向に傾斜した先端側傾斜面部46が連接して設けられている。この先端側傾斜面部46は、先端側である下端部がマット本体34の上面部34cと略等しい高さに位置している。
【0036】
またさらに、先端側傾斜面部46の下端部には、マット本体34の上面部34cに対して略垂直な垂直面部47が連接して設けられている。この垂直面部47は、マット本体34の側面部34aよりも若干後側の傾斜面34b上に位置している。また、垂直面部47と先端側傾斜面部46との面方向により形成される角度は、基端側傾斜面部44と平面部45との面方向により形成される角度と略等しくなっている。
【0037】
この結果、前部滑り止め体42は、突出基端側が先端側より大きく形成された略截頭円錐形状になっており、かつ断面視でマット本体34の前後方向に突出した部分が形成されていない。
【0038】
一方、側部滑り止め体43は、図3に示すように、マット本体34の左側方へと上方向に傾斜して突出した傾斜面部51を備えており、この傾斜面部51の先端側には、マット本体34の左側方へと下方向に傾斜した上側傾斜面部52が連接して設けられている。
【0039】
この上側傾斜面部52は、先端側である下端部がマット本体34の上面部34cよりも若干下側に位置している。
【0040】
さらに、上側傾斜面部52の下端部には、マット本体34の上面部34cに対して略垂直な側方垂直面部53が連接して設けられている。この側方垂直面部53は、マット本体34の左側部の側面部34aよりも若干右側の傾斜面34b上に位置している。また、側方垂直面部53と上側傾斜面部52との面方向により形成される角度は、傾斜面部51と上側傾斜面部52との面方向により形成される角度と略等しくなっている。
【0041】
この結果、側部滑り止め体43は、突出基端側が先端側より大きく形成された略截頭円錐形状になっており、かつ断面視でマット本体34の左側に突出した部分が形成されていない。
【0042】
また、マット本体34の上面部34cには、図1に示すように、走行レバー挿通部61が設けられている。この走行レバー挿通部61は、フロアマット33を運転部7の床面上に配設した際に走行レバー21に対応する位置、すなわちマット本体34の長手方向の略中心域における前側寄りの位置に設けられている。
【0043】
またさらに、走行レバー挿通部61は、この走行レバー挿通部61の外周縁部全体が上方に若干突出した斜面部62となっている。したがって、走行レバー挿通部61は、マット本体34の上面部34cに突出して設けられており、図5に示すように、走行レバー21のカバー体22が嵌合されている。
【0044】
そして、図1に示すように、走行レバー挿通部61の略中心域には、略矩形状のレバー挿通孔63が貫通して設けられている。このレバー挿通孔63の開口面積は、走行レバー21の基端部の断面積よりも大きく形成されている。
【0045】
また、走行レバー挿通部61の前側には、レバー挿通孔63の前部からマット本体34の前側の側面部34aに亘ってスリット64が直線状に切り込み形成されている。このスリット64により、走行レバー挿通部61の前側を左右に分割して走行レバー21をレバー挿通孔63に挿通可能となっている。
【0046】
さらに、マット本体34の上面部34cの長手方向における走行レバー挿通部61のタンク嵌合部35側には、走行レバー挿通部61よりも小さい略矩形状のスイングペダル挿通部65が設けられている。このスイングペダル挿通部65は、フロアマット33を運転部7の床面上に配設した際にブームスイングペダル23に対応する位置に設けられており、フロアマット33の幅方向、すなわち機械本体5の前後方向に対して、右側部が左側部よりも若干後側になるように傾斜して形成されている。
【0047】
またさらに、スイングペダル挿通部65は、走行レバー挿通部61と同様に外周縁部全体が上方向に若干突出した斜面部66となっている。したがって、スイングペダル挿通部65は、マット本体34の上面部34cに突出して設けられている。
【0048】
そして、スイングペダル挿通部65の略中心域には、略矩形状のスイングペダル挿通孔67が貫通して設けられている。このスイングペダル挿通孔67は、スイングペダル挿通部65の外形に略沿って形成されている。すなわち、このスイングペダル挿通孔67は、機械本体5の前後方向に対して右側部が左側部よりも若干後側になるように傾斜して設けられている。
【0049】
また、スイングペダル挿通孔67の開口面積は、ブームスイングペダル23の軸部よりも大きく、かつブームスイングペダル23よりも小さく形成されている。
【0050】
さらに、スイングペダル挿通部65の前部には、スイングペダル挿通孔67の前部からマット本体34の前側の側面部34aに亘ってスリット68が直線状に切り込み形成されている。このスリット68により、スイングペダル挿通部65の前側を左右に分割してブームスイングペダル23の軸部をスイングペダル挿通孔67に挿通可能となっている。
【0051】
またさらに、マット本体34の上面部34cの長手方向における走行レバー挿通部61の上部滑り止め体41側には、略矩形状のアタッチメント操作用ペダル挿通部71が設けられている。
【0052】
このアタッチメント操作用ペダル挿通部71は、フロアマット33を運転部7の床面上に配設した際にアタッチメント操作用ペダル24に対応する位置に設けられており、フロアマット33の幅方向、すなわち機械本体5の前後方向に対して、左側部が右側部よりも若干後側になるように傾斜して形成されている。したがって、アタッチメント操作用ペダル挿通部71は、スイングペダル挿通部65と対称な形状に形成されている。
【0053】
そして、アタッチメント操作用ペダル挿通部71は、走行レバー挿通部61と同様に外周縁部全体が上方向に若干突出した斜面部72となっている。したがって、アタッチメント操作用ペダル挿通部71は、マット本体34の上面部34cよりも突出して設けられている。
【0054】
また、アタッチメント操作用ペダル挿通部71の略中心域には、略矩形状のアタッチメント操作用ペダル挿通孔73が貫通して設けられている。このアタッチメント操作用ペダル挿通孔73は、アタッチメント操作用ペダル挿通部71の外形に略沿って形成されている。すなわち、このアタッチメント操作用ペダル挿通孔73は、機械本体5の前後方向に対して左側部が右側部よりも若干後側になるように傾斜して設けられている。
【0055】
またさらに、アタッチメント操作用ペダル挿通孔73の開口面積は、アタッチメント操作用ペダル24の軸部よりも大きく、かつアタッチメント操作用ペダル24よりも小さく形成されている。
【0056】
さらに、アタッチメント操作用ペダル挿通部71の前部には、アタッチメント操作用ペダル挿通孔73の前部からマット本体34の前側の側面部34aに亘ってスリット74が直線状に切り込み形成されている。このスリット74により、アタッチメント操作用ペダル挿通部71の前側を左右に分割してアタッチメント操作用ペダル24の軸部をアタッチメント操作用ペダル挿通孔73に挿通可能となっている。
【0057】
そして、マット本体34の上面部34cにおけるレバー挿通孔63よりも運転席8側、すなわち運転席8の前方下部には、突出部75が上方向に若干突出して複数設けられている。これら突出部75は、機械本体5の幅方向に長手方向を有した略細長矩形状に形成されており、タンク収容部16から上部滑り止め体41近傍に亘って、機械本体5の前後方向および左右方向に互いに離間されて複数列設けられている。
【0058】
したがって、マット本体34の上面部34cにおける運転席8寄りの位置には、突出部75により凹凸が形成され、これら凹凸により運転席8に座ったオペレータの足が滑り止めされる。
【0059】
またさらに、突出部75には、円形状の切換ペダル挿通孔76が貫通して設けられている。この切換ペダル挿通孔76は、フロアマット33を運転部7の床面上に配設した際に走行切換ペダル25に対応する位置に設けられている。
【0060】
また、切換ペダル挿通孔76の開口面積は、走行切換ペダル25の表面積よりも大きく形成されており、この走行切換ペダル25が挿通される。
【0061】
さらに、マット本体34の長手方向における乗降部15側の後部には、外板カバー嵌合部77が切り欠き形成されている。この外板カバー嵌合部77は、運転席8の左側、すなわち乗降部15側の外板カバーの前部の形状に沿って切り欠き形成されており、この外板カバーの前部が嵌合する。
【0062】
そして、マット本体34の裏面には、図示しない補強リブが格子状に設けられており、これら補強リブによりマット本体34の強度が維持されている。
【0063】
次に、上記図1乃至図5に示された実施の形態の作用効果を説明する。
【0064】
マット本体34の上面部34cの外周縁部の前側および左側に前部滑り止め体42および側部滑り止め体43を設けたことにより、例えばオペレータがマット本体34の外周縁部に足を掛けた際に、オペレータの足の裏面に前部滑り止め体42および側部滑り止め体43が充分に接触するため、足を掛けやすいとともに、作業現場などで比較的汚れやすいオペレータの足の裏面であっても滑りにくい。
【0065】
また、前部滑り止め体42および側部滑り止め体43を、突出基端側を先端側よりも大きく形成した略截頭円錐形状することにより、例えばオペレータが前部滑り止め体42および側部滑り止め体43に足を掛けた際などに、これら前部滑り止め体42および側部滑り止め体43に加わる外力に対しても、フロアマット33の耐久性を向上できる。
【0066】
さらに、側部滑り止め体43を傾斜面34bに傾斜状に突出させたことより、マット本体34の外周縁部に脚を掛けた際に、傾斜状になったオペレータの足の裏面が前部滑り止め体42および側部滑り止め体43に充分に接触するため、足をより掛けやすいとともに、より滑りにくい。
【0067】
またさらに、例えばオペレータが機械本体5の乗降部15から乗降する際に、この乗降部15に臨んで配設されたフロアマット33の前部滑り止め体42および側部滑り止め体43の一部に足を掛けて乗降できるため、オペレータが容易に乗降できる。
【0068】
そして、前部滑り止め体42を、基端側傾斜面部44、平面部45、先端側傾斜面部46および垂直面部47で形成し、側部滑り止め体43を、傾斜面部51、上側傾斜面部52および側方垂直面部53で形成したことにより、断面視でマット本体34の前方および長手方向に突出した部分が形成されていないため、例えばフロアマット33を射出成形により製造する際に、上下方向にアンダーカットが生じないので、上下方向に抜く金型にて製造でき、金型の製造が容易となって製造性を向上できる。
【0069】
また、上部滑り止め体41、前部滑り止め体42および側部滑り止め体43を、マット本体34の幅方向に4列、千鳥状に配設し、かつ運転席8の前方下部であるフロアマット33の中心域に長手方向に亘って突出部75を形成したことにより、フロアマット33の美観を向上できる。
【0070】
さらに、走行レバー挿通部61、スイングペダル挿通部65およびアタッチメント操作用ペダル挿通部71に、それぞれスリット64,68,74を設けたことにより、これらスリット64,68,74から走行レバー挿通部61、スイングペダル挿通部65およびアタッチメント操作用ペダル挿通部71をそれぞれ分割できるため、走行レバー21、ブームスイングペダル23およびアタッチメント操作用ペダル24を容易に挿通でき、フロアマット33を容易に配設できる。
【0071】
またさらに、マット本体34のタンク収容部16側にタンク嵌合部35、係合突出部36および嵌合凹部37を設けて、フロアマット33の乗降部15と反対側をタンク収容部16に固定し、かつマット本体34の乗降部15側の後部に外板カバー嵌合部77を設けて、フロアマット33の乗降部15をこの乗降部15側の外板カバーに固定することにより、フロアマット33の長手方向の両端部をそれぞれ固定できるため、フロアマット33の長手方向へのずれなどを防止できる。
【0072】
そして、マット本体34の上面部34cにおける運転席8寄りに突出部75を複数設けたことにより、マット本体34の上面部34cにおける運転席8寄りの位置に凹凸が形成されるため、これら凹凸により運転席8に座ったオペレータの足を滑り止めできる。
【0073】
なお、上記一実施の形態において、フロアマット33の形状は、運転部7の床面の形状などに応じて設定する。
【0074】
また、上部滑り止め体41、前部滑り止め体42および側部滑り止め体43の形状は、オペレータの足を掛け易く、かつ滑りにくければ、突出基端側を先端側よりも大きくした楕円形状に限定されるものではない。
【0075】
さらに、運転部7がキャブタイプである場合などでも、上記フロアマット33を適用することが可能である。
【0076】
またさらに、突出部75の形状および配置などは、見栄え、あるいは使い勝手などに応じて変更することも可能である。
【0077】
そして、他の実施の形態として、フロアマット33における前側突出部38近傍のマット本体34の上面部34cの外周縁部の前側などにも滑り止め体を傾斜状に突出させて設けて、タンク収容部16側から運転席8に容易に乗降できるようにしてもよい。
【0078】
また、さらに他の実施の形態として、傾斜面34bを設けない構成、あるいは前部滑り止め体42および側部滑り止め体43を上方など他の方向に突出させる構成も可能である。
【0079】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、マット本体の上面部の外周縁部の少なくとも一部に滑り止め体を設けることにより、例えばオペレータがマット本体の外周縁部に足を掛けた際に、オペレータの足の裏面に滑り止め体が充分に接触するため、足を掛けやすいとともに滑りにくい。
【0080】
請求項2記載の発明によれば、マット本体の上面部の外周縁部に傾斜面を設け、この傾斜面の少なくとも一部に滑り止め体を傾斜状に突出させることより、例えばオペレータがマット本体の外周縁部に足を掛けた際に、オペレータの足が傾斜面に掛かるため足を掛けやすく、かつ傾斜状になったオペレータの足の裏面に滑り止め体が充分に接触するので滑りにくい。
【0081】
請求項3記載の発明によれば、滑り止め体の突出基端側を先端側よりも大きく形成することにより、例えばオペレータが滑り止め体に足を掛けた際などに滑り止め体に加わる外力に対しても、耐久性を向上できる。
【0082】
請求項4記載の発明によれば、例えばオペレータが機械本体の乗降部から乗降する際に、この乗降部に臨んで配設されたフロアマットの滑り止め体の少なくとも一部に足を掛けて乗降できるため、容易に乗降できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業機械の一実施の形態におけるフロアマットを示す平面図である。
【図2】同上作業機械におけるフロアマットのA−A断面図である。
【図3】同上作業機械におけるフロアマットのB−B断面図である。
【図4】同上作業機械の一部を示す平面図である。
【図5】同上作業機械を示す側面図である。
【符号の説明】
1 作業機械としての油圧ショベル
5 機械本体
6 作業装置としてのフロント作業装置
15 乗降部
33 フロアマット
34 マット本体
34b 傾斜面
34c 上面部
42 滑り止め体としての前部滑り止め体
43 滑り止め体としての側部滑り止め体
Claims (4)
- マット本体と、
マット本体の上面部の外周縁部の少なくとも一部に設けられた滑り止め体と
を具備したことを特徴とするフロアマット。 - マット本体は、上面部の外周縁部に傾斜面を備え、
滑り止め体は、傾斜面の少なくとも一部に傾斜状に突出して設けられた
ことを特徴とする請求項1記載のフロアマット。 - 滑り止め体は、突出基端側が先端側よりも大きく形成された
ことを特徴とする請求項1または2記載のフロアマット。 - 乗降部を備えた機械本体と、
滑り止め体の少なくとも一部が乗降部に臨むように機械本体に配設された請求項1ないし3いずれか一に記載のフロアマットと、
機械本体に作動可能に設けられた作業装置と
を具備したことを特徴とする作業機械。
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