JP2004148995A - グラブボックス - Google Patents
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Abstract
【課題】収納容積が大きく、蓋体収納時における下方突出量が小さいグラブボックスを提供することを課題とする。
【解決手段】グラブボックス1は、インストルメントパネルに凹設され、車室内側に開口20を持つ箱体2と、箱体2の下方に収納され、開口20を開閉可能に覆う蓋体3と、を備える。蓋体3開閉動時において、蓋体3と箱体2とは各々異なる回動軸41、26を中心に回動可能であり、蓋体3の回動軌道と箱体2の回動軌道とが干渉しないことを特徴とする。
【選択図】 図10
【解決手段】グラブボックス1は、インストルメントパネルに凹設され、車室内側に開口20を持つ箱体2と、箱体2の下方に収納され、開口20を開閉可能に覆う蓋体3と、を備える。蓋体3開閉動時において、蓋体3と箱体2とは各々異なる回動軸41、26を中心に回動可能であり、蓋体3の回動軌道と箱体2の回動軌道とが干渉しないことを特徴とする。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はグラブボックス、より詳しくは蓋体の収納が可能なグラブボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
蓋体の収納が可能なグラブボックスとして、特許文献1には、蓋体と箱体とが、二つのリンクにより連結されたグラブボックスが紹介されている。図14に、このグラブボックスの断面図を示す。図に示すように、グラブボックス100は、箱体101と蓋体102とを備えている。箱体101はインストルメントパネル(図略)に凹設されている。蓋体102は、箱体101の開口103を覆っている。蓋体102上端と箱体101側壁とは、第一リンク104により連結されている。第一リンク104により、蓋体102上端は、箱体101側壁を中心に回動可能である。蓋体102下端と箱体101底壁とは、第二リンク105により連結されている。第二リンク105により、蓋体102下端は、箱体101底壁を中心に回動可能である。
【0003】
蓋体102を箱体101下方に収納する際、蓋体102の軌道は第一リンク104と第二リンク105とにより規制される。このため、収納時における蓋体102の下方への突出量が小さくなる。したがって、搭乗者の膝などに、蓋体102が干渉するおそれが小さくなる。
【0004】
また、特許文献2には、オーディオ装置の下方に収納可能な蓋体の開閉機構が紹介されている。蓋体には、第一スライド軸と第二スライド軸とが配置されている。一方、オーディオ装置底壁には、ガイド部が配置されている。第一スライド軸と第二スライド軸とがガイド部内を移動することにより、蓋体はオーディオ装置の下方にちょうど潜り込むように収納される。
【0005】
【特許文献1】
実開昭62−65334号公報(第6頁−第9頁、第1図)
【特許文献2】
特開平4−258482号公報(第4頁、第9図、第10図、第11図)
【特許文献3】
実開平2−112560号公報(第3頁−第4頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載のグラブボックス100によると、収納時における蓋体102の軌道に干渉しないように、箱体101を配置する必要がある。このため、箱体101の収納容積が小さくなる。一方、箱体101の収納容積を大きく保つためには、収納時における蓋体102の軌道を大きく採る必要がある。しかしながら軌道を大きく採ると、蓋体102の下方突出量が大きくなる。このため、蓋体102が搭乗者の膝などに干渉するおそれがある。
【0007】
また、特許文献2に記載の開閉機構によると、ガイド部はオーディオ装置の底壁に配置されている。このため、本開閉機構をグラブボックスに転用すると、ガイド部の分だけ、箱体の収納容積が小さくなる。一方、収納容積を大きく採ると、ガイド部や蓋体が搭乗者の膝などに干渉するおそれがある。
【0008】
本発明のグラブボックスは、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、収納容積が大きく、蓋体収納時における下方突出量が小さいグラブボックスを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決するため、本発明のグラブボックスは、インストルメントパネルに凹設され、車室内側に開口を持つ箱体と、該箱体の下方に収納され、該開口を開閉可能に覆う蓋体と、を備えてなるグラブボックスであって、前記蓋体開閉動時において、該蓋体と前記箱体とは各々異なる回動軸を中心に回動可能であり、該蓋体の回動軌道と該箱体の回動軌道とが干渉しないことを特徴とする。
【0010】
つまり、本発明のグラブボックスは、蓋体回動時において、蓋体だけでなく箱体も回動するものである。箱体が固定されている場合、蓋体の回動軌道が小さいと、蓋体と箱体とが干渉するおそれがある。この点、本発明のグラブボックスは、箱体が回動可能である。このため、蓋体の回動軌道が小さくても、箱体が回動することで、蓋体の回動軌道との干渉を回避することができる。したがって、蓋体の回動軌道を小さくしながら、言い換えると蓋体の下方突出量を小さくしながら、箱体の収納容積を大きくすることができる。
【0011】
(2)好ましくは、前記箱体は箱体側ガイド部を持ち、前記蓋体は蓋体側係合部を持ち、該蓋体開閉動時において、該蓋体側係合部が該箱体側ガイド部を移動することにより、該蓋体と該箱体とが連動する構成とする方がよい。
【0012】
つまり本構成は、蓋体側係合部が箱体側ガイド部を移動することにより、蓋体と箱体とを連動させるものである。本構成によると、蓋体を駆動するだけで箱体を従動させることができる。あるいは、箱体を駆動するだけで蓋体を従動させることができる。
【0013】
(3)好ましくは、前記蓋体は、前記箱体に回動可能に枢支されている構成とする方がよい。つまり、本構成は、蓋体の回動中心を箱体に配置するものである。本構成によると、例えばグラブボックスが収納されるインストルメントパネル凹部内壁などに、別途回動中心を配置する必要が無い。このため、組み付けが容易になる。また、箱体の開口と、この開口を覆う蓋体と、の組み付け精度が高くなる。
【0014】
(4)また、上記課題を解決するため、本発明のグラブボックスは、インストルメントパネルに凹設され、車室内側に開口を持つ箱体と、該箱体の下方に収納され、該開口を開閉可能に覆う蓋体と、を備えてなるグラブボックスであって、前記蓋体は、該蓋体を上下方向に分割する複数の分割体からなり、該複数の分割体のうち上方の分割体が、下方にスライド移動し、直下の分割体に積み重ねられることにより、最下段の分割体に該最下段の分割体以外の分割体が積層され、該積層された複数の分割体が前記箱体に対して回動し、該箱体の下方に収納されることを特徴とする。
【0015】
つまり、本発明のグラブボックスは、複数の分割体からなる蓋体を備えるものである。複数の分割体は、最下段の分割体に積層され、この状態で箱体の下方に回動する。このため、蓋体の回動軌道は、分割体一枚の回動軌道とほぼ等しくなる。言い換えると、単板の蓋体を回動させる場合よりも、回動軌道が小さくなる。したがって、本発明のグラブボックスによると、蓋体の下方突出量が小さくなる。
【0016】
また、箱体の収納容積を大きくすると、開口の面積が大きくなる。このため、収納容積を大きくするためには、蓋体の面積を大きくする必要がある。したがって、分割体の枚数を多くする必要がある。あるいは、分割体一枚ごとの面積を大きくする必要がある。この場合であっても、蓋体の回動軌道は、分割体一枚の回動軌道とほぼ等しいままである。このため、本発明のグラブボックスによると、蓋体の下方突出量を小さくしながら、箱体の収納容積を大きくすることができる。
【0017】
また、蓋体は、複数の分割体のうち一部の分割体のみをスライド移動させることにより、部分的に開くことができる。したがって、開口に対して小さい小物などを箱体に入れる際、蓋体を全開にする必要がなく便利である。
【0018】
(5)好ましくは、上記(4)の構成において、前記箱体は、該箱体内部を前記分割体のスライド幅に合わせて仕切る仕切り板を持つ請求項4に記載のグラブボックス。
【0019】
本構成によると、箱体内部に仕切り板が配置されている。このため、箱体内部を複数段に分けて使用することができる。したがって、収納性に優れている。
【0020】
また、分割体のスライド幅と箱体内部一段とが対応している。このため、一部の分割体をスライド移動させるだけで、箱体を仕切り板まで部分的に開くことができる。したがって、使い勝手がよい。
【0021】
また、さらに好ましくは、仕切り板は脱着可能な構成とする方がよい。こうすると、収納物の大きさ、個数などに応じて、箱体内部の空間を自在にアレンジすることができる。このため、さらに使い勝手がよくなる。
【0022】
(6)好ましくは、上記(4)の構成において、前記箱体は、分割体用ガイド部を持ち、前記複数の分割体のうち最下段の分割体は、該箱体に対して回動可能であり、回動端において該分割体用ガイド部と連結される回動ガイド部を持ち、該最下段の分割体以外の分割体は、該分割体用ガイド部または該回動ガイド部を移動する分割体側係合部を持ち、前記蓋体収納時において、該分割体側係合部が該分割体用ガイド部または該回動ガイド部を移動することにより、該最下段の分割体以外の分割体はスライド移動し、該最下段の分割体に積層され、該積層された複数の分割体は、該最下段の分割体が回動することにより該箱体の下方に収納される構成とする方がよい。
【0023】
つまり、本構成は、箱体に分割体用ガイド部を配置するものである。また、最下段の分割体に回動ガイド部を配置するものである。また、それ以外の分割体に分割体側係合部を配置するものである。最下段の分割体は、箱体に対して回動可能である。そして、回動ガイド部は、回動端において分割体用ガイド部と連結される。また、分割体側係合部は、分割体用ガイド部または回動ガイド部を移動可能である。
【0024】
分割体側係合部の移動により、最下段の分割体以外の分割体が、スライド移動する。そして、最下段の分割体にそれ以外の分割体が積層される。分割体側係合部は、直接的にあるいは間接的に回動ガイド部と係合している。この状態で、最下段の分割体が回動することにより、全部の分割体が一緒に回動する。そして、箱体の下方に収納される。本構成によると、スライド機構と回動機構とを組み合わせた比較的簡単な機構により、蓋体の下方突出量を小さくしながら、箱体の収納容積を大きくすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のグラブボックスの実施の形態について説明する。
【0026】
(1)第一実施形態
まず、本実施形態のグラブボックスの構成について説明する。図1に、本実施形態のグラブボックスの分解図を示す。図に示すように、グラブボックス1は、箱体2と蓋体3とを備えている。箱体2は、樹脂製であって、車室内側に開口20を持つ箱状を呈している。箱体2は、インストルメントパネル(図略)の助手席前方部分に凹設されている。箱体2の両側壁外面には、分割体用ガイドレール21が上下方向に延びて配置されている。分割体用ガイドレール21は、本発明の分割体用ガイド部に含まれる。また、箱体2の両側壁には、箱体側回動孔24が穿設されている。一方、箱体2の両側壁内面の上下方向ほぼ中央には、仕切り板用レール22が車室内−外方向に延びて配置されている。仕切り板用レール22には、樹脂製であって矩形板状の仕切り板23が、脱着可能に係止されている。すなわち、仕切り板23により、箱体2内部は上下方向に区画されている。
【0027】
蓋体3は、上方分割体30と下方分割体31とからなる。下方分割体31は、本発明の「最下段の分割体」に含まれる。上方分割体30は、開口20のうち仕切り板23よりも上の部分を覆っている。下方分割体31は、開口20のうち仕切り板23よりも下の部分を覆っている。すなわち、これら二つの分割体により、開口20が覆われている。
【0028】
上方分割体30は、上方分割本体38とスライド枠体32とを備えている。上方分割本体38の上端両側には、分割本体側回動孔300が穿設されている。上方分割本体38は、スライド枠体32を介して、箱体2両側壁外面に連結されている。スライド枠体32は、樹脂製であって下方に開口するコ字状を呈している。スライド枠体32上端両側には、枠体側回動孔320が穿設されている。枠体側回動孔320と分割本体側回動孔300とは、同軸状に連通している。これら枠体側回動孔320および分割本体側回動孔300には、図中一点鎖線で示すように、上方スクリュー321が挿入されている。上方分割本体38は、スライド枠体32に対して、上方スクリュー321を中心に回動可能である。スライド枠体32の両側壁内面からは、分割体側突起322が突設されている。分割体側突起322は、本発明の分割体側係合部に含まれる。分割体側突起322は、両側壁内面のうち片面に三つずつ、合計六つ配置されている。分割体側突起322は、図中一点鎖線で示すように、前記分割体用ガイドレール21に挿入されている。このため、分割体側突起322は、分割体用ガイドレール21内を上下方向に移動可能である。
【0029】
下方分割体31は、下方分割本体39と回動アーム33とを備えている。下方分割本体39は、回動アーム33を介して、箱体2両側壁外面に連結されている。回動アーム33は、樹脂製であって三角形板状を呈している。下方分割本体39は回動アーム33に止着されている。回動アーム33には、アーム側回動孔330が穿設されている。アーム側回動孔330は、前記箱体側回動孔24と同軸状に連通している。これらアーム側回動孔330および箱体側回動孔24には、図中一点鎖線で示すように、ワッシャー333を介して、下方スクリュー332が挿入されている。回動アーム33は、箱体2に対して、下方スクリュー332を中心に回動可能である。回動アーム33には、回動ガイドレール331が上下方向に延びて配置されている。回動ガイドレール331は、本発明の回動ガイド部に含まれる。回動ガイドレール331は、前記分割体用ガイドレール21に、上下方向に連結されている。このため、前記分割体側突起322は、分割体用ガイドレール21内から回動ガイドレール331内に移動可能である。
【0030】
次に、本実施形態のグラブボックスの蓋体収納時の動きについて説明する。図2に、本実施形態のグラブボックスの蓋体使用時の斜視図を示す。図に示すように、上方分割本体38および下方分割本体39は、箱体2の開口を覆っている。また、上方分割本体38と下方分割本体39とは、ほぼ面一に配置されている。
【0031】
図3に、図2を側方から見た透過断面図を示す。図に示すように、分割体側突起322は、分割体用ガイドレール21内に挿入されている。また、分割体用ガイドレール21の下端は、回動ガイドレール331の上端と連結されている。
【0032】
蓋体3を収納する際は、まず、図4および図5に示すように、上方分割本体38が上方スクリュー321を中心に微回動する。この微回動により、上方分割本体38下端と下方分割本体39上端との間に、段差が発生する。
【0033】
続いて、図6および図7に示すように、上方分割体30が下方にスライド移動する。そして、上方分割本体38が下方分割本体39の車室内側に積層される。具体的には、分割体側突起322が、分割体用ガイドレール21内から回動ガイドレール331内に移動する。
【0034】
最後に、図8および図9に示すように、上方分割本体38が積層された下方分割本体39が下方スクリュー332を中心に回動する。この回動により、上方分割本体38および下方分割本体39は、箱体2の下方に潜り込む。このようにして蓋体3の収納は行われる。なお、蓋体3を再び使用する際は、上記動きと逆の動きにより蓋体3を箱体2の開口20に移動させる。
【0035】
次に、本実施形態のグラブボックスの効果について説明する。本実施形態のグラブボックス1によると、蓋体3の回動軌道は、下方分割本体39一枚分の回動軌道とほぼ等しい。このため、蓋体3の下方突出量を小さくしながら、箱体2の収納容積を大きくすることができる。
【0036】
また、蓋体3は、上方分割体30のみをスライド移動させることにより、部分的に開くことができる。したがって、開口20に対して小さい小物などを箱体2に入れる際、蓋体3を全開にする必要がなく便利である。
【0037】
また、箱体2内部には、仕切り板23が配置されている。このため、箱体2内部を二段に分けて使用することができる。したがって、収納性に優れている。
【0038】
また、上方分割体30のスライド幅と箱体2内部の一段とが対応している。このため、上方分割体30をスライド移動させるだけで、箱体2を仕切り板23まで部分的に開くことができる。したがって、使い勝手がよい。
【0039】
また、仕切り板23は、仕切り板用レール22に、脱着可能に配置されている。このため、収納物の大きさ、個数などに応じて、箱体2内部の空間を自在にアレンジすることができる。
【0040】
また、本実施形態のグラブボックス1によると、スライド機構と回動機構とを組み合わせた比較的簡単な機構により、蓋体3の下方突出量を小さくしながら、箱体2の収納容積を大きくすることができる。また、蓋体使用時において、上方分割本体38と下方分割本体39とは、ほぼ面一に配置されている。このため、意匠性が高い。
【0041】
(2)第二実施形態
本実施形態のグラブボックスと第一実施形態のグラブボックスとの相違点は、主に、蓋体が単板である点、箱体が回動する点である。
【0042】
まず、本実施形態のグラブボックスの構成について説明する。図10に、本実施形態のグラブボックスの分解図を示す。なお、図1と対応する部位については同じ符号で示す。図に示すように、グラブボックス1は、箱体2と蓋体3とを備えている。箱体2は、樹脂製であって、車室内側に開口20を持つ箱状を呈している。箱体2は、インストルメントパネル(図略)の助手席前方部分に凹設されている。箱体2の両側壁には、箱体側ガイドレール25が車室内−外方向に延びて配置されている。箱体側ガイドレール25は、本発明の箱体側ガイド部に含まれる。また、箱体2の両側壁外面からは、箱体側回動軸26が突設されている。箱体側回動軸26は、図中一点鎖線で示すように、インストルメントパネルの凹部内壁4に穿設された箱体用回動孔40に挿入されている。箱体2は、箱体側回動軸26を中心に回動可能である。
【0043】
蓋体3は、蓋本体36と回動ブラケット34とを備えている。蓋本体36は、樹脂製であって矩形板状を呈している。回動ブラケット34は、樹脂製であってV字状を呈している。回動ブラケット34のV字一辺は、蓋本体36裏面に止着されている。回動ブラケット34のV字他辺先端には、蓋体側回動孔35が穿設されている。一方、凹部内壁4には蓋体用回動軸41が突設されている。図中一点鎖線で示すように、蓋体用回動軸41は、蓋体側回動孔35に挿入されている。蓋体3は、蓋体用回動軸41を中心に回動可能である。回動ブラケット34のV字谷部からは、車幅方向内側に向かって、蓋体側突起37が突設されている。蓋体側突起37は、本発明の蓋体側係合部に含まれる。蓋体側突起37は、図中一点鎖線で示すように、前記箱体側ガイドレール25に挿入されている。蓋体側突起37は箱体側ガイドレール25内を移動可能である。
【0044】
次に、本実施形態のグラブボックスの蓋体使用時の動きについて説明する。図11に、本実施形態のグラブボックスの蓋体収納時の斜視図を示す。なお、蓋体用回動軸および箱体用回動孔は省略して示す。図に示すように、蓋体3の蓋本体36は、箱体2の下方に収納されている。
【0045】
図12に、図11を側方から見た透過断面図を示す。図に示すように、蓋体側突起37は、箱体側ガイドレール25に挿入されている。蓋体3を使用する際は、まず、図13に示すように、蓋体用回動軸41を中心に、蓋本体36を上方に回動させる。蓋本体36を回動させると、次いで、蓋体側突起37が箱体側ガイドレール25内を車室内方向に移動する。そして、箱体側ガイドレール25の車室内方向端に当接する。このため、蓋体側突起37に引っ張られるように、箱体2が、箱体側回動軸26を中心に、上方に回動する。その後、蓋本体36の上端がインストルメントパネル5の下端に当接して、蓋本体36および箱体2の回動が終了する。蓋体使用時においては、このようにして蓋体3および箱体2が回動する。なお、蓋体収納時においては、上記回動と逆向きの回動により蓋体3を箱体2の下方に潜り込ませる。
【0046】
次に、本実施形態のグラブボックスの効果について説明する。本実施形態のグラブボックス1によると、蓋体3および箱体2がともに回動する。このため、蓋体3の回動軌道が小さくかつ箱体2の収納容積が大きくても、蓋体3と箱体2とが干渉しない。したがって、蓋体3の下方突出量を小さくしながら、箱体2の収納容積を大きくすることができる。
【0047】
また、蓋体側突起37と箱体側ガイドレール25との係合により、蓋体3と箱体2とは連動している。このため、蓋体3を駆動するだけで箱体2を従動させることができる。
【0048】
(3)その他
以上、本発明のグラブボックスの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0049】
例えば、第一実施形態においては、蓋体3を上方分割体30と下方分割体31という二枚の分割体により構成した。しかしながら、分割体の枚数は特に限定しない。また、上方分割本体38は、上方スクリュー321を中心に微回動したが、微回動しなくてもよい。こうすると、部品点数が少なくて済む。この場合、蓋体使用時において、上方分割本体38と下方分割本体39とは、所定の段差を持って配置されることになる。
【0050】
また、第二実施形態においては、回動ブラケット34を凹部内壁4に枢支したが、回動ブラケット34は箱体2に枢支してもよい。こうすると、凹部内壁4に、蓋体用回動軸41を配置する必要が無い。このため、組み付けが容易になる。また、蓋体側回動孔35と蓋体用回動軸41、および箱体側回動軸26と箱体用回動孔40の凹凸関係は逆であってもよい。蓋体3と箱体2とが回動可能であればよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によると、収納容積が大きく、蓋体収納時における下方突出量が小さいグラブボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態のグラブボックスの分解図である。
【図2】第一実施形態のグラブボックスの蓋体使用時の斜視図である。
【図3】図2を側方から見た透過断面図である。
【図4】第一実施形態のグラブボックスの上方分割本体微回動時の斜視図である。
【図5】図4を側方から見た透過断面図である。
【図6】第一実施形態のグラブボックスの上方分割本体スライド移動時の斜視図である。
【図7】図6を側方から見た透過断面図である。
【図8】第一実施形態のグラブボックスの上方分割本体および下方分割本体回動時の斜視図である。
【図9】図8を側方から見た透過断面図である。
【図10】第二実施形態のグラブボックスの分解図である。
【図11】第二実施形態のグラブボックスの蓋体収納時の斜視図である。
【図12】図11を側方から見た透過断面図である。
【図13】第二実施形態のグラブボックスの蓋体および箱体回動時の透過断面図である。
【図14】従来のグラブボックスの断面図である。
【符号の説明】
1:グラブボックス、2:箱体、20:開口、21:分割体用ガイドレール(分割体用ガイド部)、22:仕切り板用レール、23:仕切り板、24:箱体側回動孔、25:箱体側ガイドレール(箱体側ガイド部)、26:箱体側回動軸、3:蓋体、30:上方分割体、300:分割本体側回動孔、31:下方分割体、32:スライド枠体、320:枠体側回動孔、321:上方スクリュー、322:分割体側突起(分割体側係合部)、33:回動アーム、330:アーム側回動孔、331:回動ガイドレール(回動ガイド部)、332:下方スクリュー、333:ワッシャー、34:回動ブラケット、35:蓋体側回動孔、36:蓋本体、37:蓋体側突起(蓋体側係合部)、38:上方分割本体、39:下方分割本体、4:凹部内壁、40:箱体用回動孔、41:蓋体用回動軸。
【発明の属する技術分野】
本発明はグラブボックス、より詳しくは蓋体の収納が可能なグラブボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
蓋体の収納が可能なグラブボックスとして、特許文献1には、蓋体と箱体とが、二つのリンクにより連結されたグラブボックスが紹介されている。図14に、このグラブボックスの断面図を示す。図に示すように、グラブボックス100は、箱体101と蓋体102とを備えている。箱体101はインストルメントパネル(図略)に凹設されている。蓋体102は、箱体101の開口103を覆っている。蓋体102上端と箱体101側壁とは、第一リンク104により連結されている。第一リンク104により、蓋体102上端は、箱体101側壁を中心に回動可能である。蓋体102下端と箱体101底壁とは、第二リンク105により連結されている。第二リンク105により、蓋体102下端は、箱体101底壁を中心に回動可能である。
【0003】
蓋体102を箱体101下方に収納する際、蓋体102の軌道は第一リンク104と第二リンク105とにより規制される。このため、収納時における蓋体102の下方への突出量が小さくなる。したがって、搭乗者の膝などに、蓋体102が干渉するおそれが小さくなる。
【0004】
また、特許文献2には、オーディオ装置の下方に収納可能な蓋体の開閉機構が紹介されている。蓋体には、第一スライド軸と第二スライド軸とが配置されている。一方、オーディオ装置底壁には、ガイド部が配置されている。第一スライド軸と第二スライド軸とがガイド部内を移動することにより、蓋体はオーディオ装置の下方にちょうど潜り込むように収納される。
【0005】
【特許文献1】
実開昭62−65334号公報(第6頁−第9頁、第1図)
【特許文献2】
特開平4−258482号公報(第4頁、第9図、第10図、第11図)
【特許文献3】
実開平2−112560号公報(第3頁−第4頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載のグラブボックス100によると、収納時における蓋体102の軌道に干渉しないように、箱体101を配置する必要がある。このため、箱体101の収納容積が小さくなる。一方、箱体101の収納容積を大きく保つためには、収納時における蓋体102の軌道を大きく採る必要がある。しかしながら軌道を大きく採ると、蓋体102の下方突出量が大きくなる。このため、蓋体102が搭乗者の膝などに干渉するおそれがある。
【0007】
また、特許文献2に記載の開閉機構によると、ガイド部はオーディオ装置の底壁に配置されている。このため、本開閉機構をグラブボックスに転用すると、ガイド部の分だけ、箱体の収納容積が小さくなる。一方、収納容積を大きく採ると、ガイド部や蓋体が搭乗者の膝などに干渉するおそれがある。
【0008】
本発明のグラブボックスは、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、収納容積が大きく、蓋体収納時における下方突出量が小さいグラブボックスを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決するため、本発明のグラブボックスは、インストルメントパネルに凹設され、車室内側に開口を持つ箱体と、該箱体の下方に収納され、該開口を開閉可能に覆う蓋体と、を備えてなるグラブボックスであって、前記蓋体開閉動時において、該蓋体と前記箱体とは各々異なる回動軸を中心に回動可能であり、該蓋体の回動軌道と該箱体の回動軌道とが干渉しないことを特徴とする。
【0010】
つまり、本発明のグラブボックスは、蓋体回動時において、蓋体だけでなく箱体も回動するものである。箱体が固定されている場合、蓋体の回動軌道が小さいと、蓋体と箱体とが干渉するおそれがある。この点、本発明のグラブボックスは、箱体が回動可能である。このため、蓋体の回動軌道が小さくても、箱体が回動することで、蓋体の回動軌道との干渉を回避することができる。したがって、蓋体の回動軌道を小さくしながら、言い換えると蓋体の下方突出量を小さくしながら、箱体の収納容積を大きくすることができる。
【0011】
(2)好ましくは、前記箱体は箱体側ガイド部を持ち、前記蓋体は蓋体側係合部を持ち、該蓋体開閉動時において、該蓋体側係合部が該箱体側ガイド部を移動することにより、該蓋体と該箱体とが連動する構成とする方がよい。
【0012】
つまり本構成は、蓋体側係合部が箱体側ガイド部を移動することにより、蓋体と箱体とを連動させるものである。本構成によると、蓋体を駆動するだけで箱体を従動させることができる。あるいは、箱体を駆動するだけで蓋体を従動させることができる。
【0013】
(3)好ましくは、前記蓋体は、前記箱体に回動可能に枢支されている構成とする方がよい。つまり、本構成は、蓋体の回動中心を箱体に配置するものである。本構成によると、例えばグラブボックスが収納されるインストルメントパネル凹部内壁などに、別途回動中心を配置する必要が無い。このため、組み付けが容易になる。また、箱体の開口と、この開口を覆う蓋体と、の組み付け精度が高くなる。
【0014】
(4)また、上記課題を解決するため、本発明のグラブボックスは、インストルメントパネルに凹設され、車室内側に開口を持つ箱体と、該箱体の下方に収納され、該開口を開閉可能に覆う蓋体と、を備えてなるグラブボックスであって、前記蓋体は、該蓋体を上下方向に分割する複数の分割体からなり、該複数の分割体のうち上方の分割体が、下方にスライド移動し、直下の分割体に積み重ねられることにより、最下段の分割体に該最下段の分割体以外の分割体が積層され、該積層された複数の分割体が前記箱体に対して回動し、該箱体の下方に収納されることを特徴とする。
【0015】
つまり、本発明のグラブボックスは、複数の分割体からなる蓋体を備えるものである。複数の分割体は、最下段の分割体に積層され、この状態で箱体の下方に回動する。このため、蓋体の回動軌道は、分割体一枚の回動軌道とほぼ等しくなる。言い換えると、単板の蓋体を回動させる場合よりも、回動軌道が小さくなる。したがって、本発明のグラブボックスによると、蓋体の下方突出量が小さくなる。
【0016】
また、箱体の収納容積を大きくすると、開口の面積が大きくなる。このため、収納容積を大きくするためには、蓋体の面積を大きくする必要がある。したがって、分割体の枚数を多くする必要がある。あるいは、分割体一枚ごとの面積を大きくする必要がある。この場合であっても、蓋体の回動軌道は、分割体一枚の回動軌道とほぼ等しいままである。このため、本発明のグラブボックスによると、蓋体の下方突出量を小さくしながら、箱体の収納容積を大きくすることができる。
【0017】
また、蓋体は、複数の分割体のうち一部の分割体のみをスライド移動させることにより、部分的に開くことができる。したがって、開口に対して小さい小物などを箱体に入れる際、蓋体を全開にする必要がなく便利である。
【0018】
(5)好ましくは、上記(4)の構成において、前記箱体は、該箱体内部を前記分割体のスライド幅に合わせて仕切る仕切り板を持つ請求項4に記載のグラブボックス。
【0019】
本構成によると、箱体内部に仕切り板が配置されている。このため、箱体内部を複数段に分けて使用することができる。したがって、収納性に優れている。
【0020】
また、分割体のスライド幅と箱体内部一段とが対応している。このため、一部の分割体をスライド移動させるだけで、箱体を仕切り板まで部分的に開くことができる。したがって、使い勝手がよい。
【0021】
また、さらに好ましくは、仕切り板は脱着可能な構成とする方がよい。こうすると、収納物の大きさ、個数などに応じて、箱体内部の空間を自在にアレンジすることができる。このため、さらに使い勝手がよくなる。
【0022】
(6)好ましくは、上記(4)の構成において、前記箱体は、分割体用ガイド部を持ち、前記複数の分割体のうち最下段の分割体は、該箱体に対して回動可能であり、回動端において該分割体用ガイド部と連結される回動ガイド部を持ち、該最下段の分割体以外の分割体は、該分割体用ガイド部または該回動ガイド部を移動する分割体側係合部を持ち、前記蓋体収納時において、該分割体側係合部が該分割体用ガイド部または該回動ガイド部を移動することにより、該最下段の分割体以外の分割体はスライド移動し、該最下段の分割体に積層され、該積層された複数の分割体は、該最下段の分割体が回動することにより該箱体の下方に収納される構成とする方がよい。
【0023】
つまり、本構成は、箱体に分割体用ガイド部を配置するものである。また、最下段の分割体に回動ガイド部を配置するものである。また、それ以外の分割体に分割体側係合部を配置するものである。最下段の分割体は、箱体に対して回動可能である。そして、回動ガイド部は、回動端において分割体用ガイド部と連結される。また、分割体側係合部は、分割体用ガイド部または回動ガイド部を移動可能である。
【0024】
分割体側係合部の移動により、最下段の分割体以外の分割体が、スライド移動する。そして、最下段の分割体にそれ以外の分割体が積層される。分割体側係合部は、直接的にあるいは間接的に回動ガイド部と係合している。この状態で、最下段の分割体が回動することにより、全部の分割体が一緒に回動する。そして、箱体の下方に収納される。本構成によると、スライド機構と回動機構とを組み合わせた比較的簡単な機構により、蓋体の下方突出量を小さくしながら、箱体の収納容積を大きくすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のグラブボックスの実施の形態について説明する。
【0026】
(1)第一実施形態
まず、本実施形態のグラブボックスの構成について説明する。図1に、本実施形態のグラブボックスの分解図を示す。図に示すように、グラブボックス1は、箱体2と蓋体3とを備えている。箱体2は、樹脂製であって、車室内側に開口20を持つ箱状を呈している。箱体2は、インストルメントパネル(図略)の助手席前方部分に凹設されている。箱体2の両側壁外面には、分割体用ガイドレール21が上下方向に延びて配置されている。分割体用ガイドレール21は、本発明の分割体用ガイド部に含まれる。また、箱体2の両側壁には、箱体側回動孔24が穿設されている。一方、箱体2の両側壁内面の上下方向ほぼ中央には、仕切り板用レール22が車室内−外方向に延びて配置されている。仕切り板用レール22には、樹脂製であって矩形板状の仕切り板23が、脱着可能に係止されている。すなわち、仕切り板23により、箱体2内部は上下方向に区画されている。
【0027】
蓋体3は、上方分割体30と下方分割体31とからなる。下方分割体31は、本発明の「最下段の分割体」に含まれる。上方分割体30は、開口20のうち仕切り板23よりも上の部分を覆っている。下方分割体31は、開口20のうち仕切り板23よりも下の部分を覆っている。すなわち、これら二つの分割体により、開口20が覆われている。
【0028】
上方分割体30は、上方分割本体38とスライド枠体32とを備えている。上方分割本体38の上端両側には、分割本体側回動孔300が穿設されている。上方分割本体38は、スライド枠体32を介して、箱体2両側壁外面に連結されている。スライド枠体32は、樹脂製であって下方に開口するコ字状を呈している。スライド枠体32上端両側には、枠体側回動孔320が穿設されている。枠体側回動孔320と分割本体側回動孔300とは、同軸状に連通している。これら枠体側回動孔320および分割本体側回動孔300には、図中一点鎖線で示すように、上方スクリュー321が挿入されている。上方分割本体38は、スライド枠体32に対して、上方スクリュー321を中心に回動可能である。スライド枠体32の両側壁内面からは、分割体側突起322が突設されている。分割体側突起322は、本発明の分割体側係合部に含まれる。分割体側突起322は、両側壁内面のうち片面に三つずつ、合計六つ配置されている。分割体側突起322は、図中一点鎖線で示すように、前記分割体用ガイドレール21に挿入されている。このため、分割体側突起322は、分割体用ガイドレール21内を上下方向に移動可能である。
【0029】
下方分割体31は、下方分割本体39と回動アーム33とを備えている。下方分割本体39は、回動アーム33を介して、箱体2両側壁外面に連結されている。回動アーム33は、樹脂製であって三角形板状を呈している。下方分割本体39は回動アーム33に止着されている。回動アーム33には、アーム側回動孔330が穿設されている。アーム側回動孔330は、前記箱体側回動孔24と同軸状に連通している。これらアーム側回動孔330および箱体側回動孔24には、図中一点鎖線で示すように、ワッシャー333を介して、下方スクリュー332が挿入されている。回動アーム33は、箱体2に対して、下方スクリュー332を中心に回動可能である。回動アーム33には、回動ガイドレール331が上下方向に延びて配置されている。回動ガイドレール331は、本発明の回動ガイド部に含まれる。回動ガイドレール331は、前記分割体用ガイドレール21に、上下方向に連結されている。このため、前記分割体側突起322は、分割体用ガイドレール21内から回動ガイドレール331内に移動可能である。
【0030】
次に、本実施形態のグラブボックスの蓋体収納時の動きについて説明する。図2に、本実施形態のグラブボックスの蓋体使用時の斜視図を示す。図に示すように、上方分割本体38および下方分割本体39は、箱体2の開口を覆っている。また、上方分割本体38と下方分割本体39とは、ほぼ面一に配置されている。
【0031】
図3に、図2を側方から見た透過断面図を示す。図に示すように、分割体側突起322は、分割体用ガイドレール21内に挿入されている。また、分割体用ガイドレール21の下端は、回動ガイドレール331の上端と連結されている。
【0032】
蓋体3を収納する際は、まず、図4および図5に示すように、上方分割本体38が上方スクリュー321を中心に微回動する。この微回動により、上方分割本体38下端と下方分割本体39上端との間に、段差が発生する。
【0033】
続いて、図6および図7に示すように、上方分割体30が下方にスライド移動する。そして、上方分割本体38が下方分割本体39の車室内側に積層される。具体的には、分割体側突起322が、分割体用ガイドレール21内から回動ガイドレール331内に移動する。
【0034】
最後に、図8および図9に示すように、上方分割本体38が積層された下方分割本体39が下方スクリュー332を中心に回動する。この回動により、上方分割本体38および下方分割本体39は、箱体2の下方に潜り込む。このようにして蓋体3の収納は行われる。なお、蓋体3を再び使用する際は、上記動きと逆の動きにより蓋体3を箱体2の開口20に移動させる。
【0035】
次に、本実施形態のグラブボックスの効果について説明する。本実施形態のグラブボックス1によると、蓋体3の回動軌道は、下方分割本体39一枚分の回動軌道とほぼ等しい。このため、蓋体3の下方突出量を小さくしながら、箱体2の収納容積を大きくすることができる。
【0036】
また、蓋体3は、上方分割体30のみをスライド移動させることにより、部分的に開くことができる。したがって、開口20に対して小さい小物などを箱体2に入れる際、蓋体3を全開にする必要がなく便利である。
【0037】
また、箱体2内部には、仕切り板23が配置されている。このため、箱体2内部を二段に分けて使用することができる。したがって、収納性に優れている。
【0038】
また、上方分割体30のスライド幅と箱体2内部の一段とが対応している。このため、上方分割体30をスライド移動させるだけで、箱体2を仕切り板23まで部分的に開くことができる。したがって、使い勝手がよい。
【0039】
また、仕切り板23は、仕切り板用レール22に、脱着可能に配置されている。このため、収納物の大きさ、個数などに応じて、箱体2内部の空間を自在にアレンジすることができる。
【0040】
また、本実施形態のグラブボックス1によると、スライド機構と回動機構とを組み合わせた比較的簡単な機構により、蓋体3の下方突出量を小さくしながら、箱体2の収納容積を大きくすることができる。また、蓋体使用時において、上方分割本体38と下方分割本体39とは、ほぼ面一に配置されている。このため、意匠性が高い。
【0041】
(2)第二実施形態
本実施形態のグラブボックスと第一実施形態のグラブボックスとの相違点は、主に、蓋体が単板である点、箱体が回動する点である。
【0042】
まず、本実施形態のグラブボックスの構成について説明する。図10に、本実施形態のグラブボックスの分解図を示す。なお、図1と対応する部位については同じ符号で示す。図に示すように、グラブボックス1は、箱体2と蓋体3とを備えている。箱体2は、樹脂製であって、車室内側に開口20を持つ箱状を呈している。箱体2は、インストルメントパネル(図略)の助手席前方部分に凹設されている。箱体2の両側壁には、箱体側ガイドレール25が車室内−外方向に延びて配置されている。箱体側ガイドレール25は、本発明の箱体側ガイド部に含まれる。また、箱体2の両側壁外面からは、箱体側回動軸26が突設されている。箱体側回動軸26は、図中一点鎖線で示すように、インストルメントパネルの凹部内壁4に穿設された箱体用回動孔40に挿入されている。箱体2は、箱体側回動軸26を中心に回動可能である。
【0043】
蓋体3は、蓋本体36と回動ブラケット34とを備えている。蓋本体36は、樹脂製であって矩形板状を呈している。回動ブラケット34は、樹脂製であってV字状を呈している。回動ブラケット34のV字一辺は、蓋本体36裏面に止着されている。回動ブラケット34のV字他辺先端には、蓋体側回動孔35が穿設されている。一方、凹部内壁4には蓋体用回動軸41が突設されている。図中一点鎖線で示すように、蓋体用回動軸41は、蓋体側回動孔35に挿入されている。蓋体3は、蓋体用回動軸41を中心に回動可能である。回動ブラケット34のV字谷部からは、車幅方向内側に向かって、蓋体側突起37が突設されている。蓋体側突起37は、本発明の蓋体側係合部に含まれる。蓋体側突起37は、図中一点鎖線で示すように、前記箱体側ガイドレール25に挿入されている。蓋体側突起37は箱体側ガイドレール25内を移動可能である。
【0044】
次に、本実施形態のグラブボックスの蓋体使用時の動きについて説明する。図11に、本実施形態のグラブボックスの蓋体収納時の斜視図を示す。なお、蓋体用回動軸および箱体用回動孔は省略して示す。図に示すように、蓋体3の蓋本体36は、箱体2の下方に収納されている。
【0045】
図12に、図11を側方から見た透過断面図を示す。図に示すように、蓋体側突起37は、箱体側ガイドレール25に挿入されている。蓋体3を使用する際は、まず、図13に示すように、蓋体用回動軸41を中心に、蓋本体36を上方に回動させる。蓋本体36を回動させると、次いで、蓋体側突起37が箱体側ガイドレール25内を車室内方向に移動する。そして、箱体側ガイドレール25の車室内方向端に当接する。このため、蓋体側突起37に引っ張られるように、箱体2が、箱体側回動軸26を中心に、上方に回動する。その後、蓋本体36の上端がインストルメントパネル5の下端に当接して、蓋本体36および箱体2の回動が終了する。蓋体使用時においては、このようにして蓋体3および箱体2が回動する。なお、蓋体収納時においては、上記回動と逆向きの回動により蓋体3を箱体2の下方に潜り込ませる。
【0046】
次に、本実施形態のグラブボックスの効果について説明する。本実施形態のグラブボックス1によると、蓋体3および箱体2がともに回動する。このため、蓋体3の回動軌道が小さくかつ箱体2の収納容積が大きくても、蓋体3と箱体2とが干渉しない。したがって、蓋体3の下方突出量を小さくしながら、箱体2の収納容積を大きくすることができる。
【0047】
また、蓋体側突起37と箱体側ガイドレール25との係合により、蓋体3と箱体2とは連動している。このため、蓋体3を駆動するだけで箱体2を従動させることができる。
【0048】
(3)その他
以上、本発明のグラブボックスの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0049】
例えば、第一実施形態においては、蓋体3を上方分割体30と下方分割体31という二枚の分割体により構成した。しかしながら、分割体の枚数は特に限定しない。また、上方分割本体38は、上方スクリュー321を中心に微回動したが、微回動しなくてもよい。こうすると、部品点数が少なくて済む。この場合、蓋体使用時において、上方分割本体38と下方分割本体39とは、所定の段差を持って配置されることになる。
【0050】
また、第二実施形態においては、回動ブラケット34を凹部内壁4に枢支したが、回動ブラケット34は箱体2に枢支してもよい。こうすると、凹部内壁4に、蓋体用回動軸41を配置する必要が無い。このため、組み付けが容易になる。また、蓋体側回動孔35と蓋体用回動軸41、および箱体側回動軸26と箱体用回動孔40の凹凸関係は逆であってもよい。蓋体3と箱体2とが回動可能であればよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によると、収納容積が大きく、蓋体収納時における下方突出量が小さいグラブボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態のグラブボックスの分解図である。
【図2】第一実施形態のグラブボックスの蓋体使用時の斜視図である。
【図3】図2を側方から見た透過断面図である。
【図4】第一実施形態のグラブボックスの上方分割本体微回動時の斜視図である。
【図5】図4を側方から見た透過断面図である。
【図6】第一実施形態のグラブボックスの上方分割本体スライド移動時の斜視図である。
【図7】図6を側方から見た透過断面図である。
【図8】第一実施形態のグラブボックスの上方分割本体および下方分割本体回動時の斜視図である。
【図9】図8を側方から見た透過断面図である。
【図10】第二実施形態のグラブボックスの分解図である。
【図11】第二実施形態のグラブボックスの蓋体収納時の斜視図である。
【図12】図11を側方から見た透過断面図である。
【図13】第二実施形態のグラブボックスの蓋体および箱体回動時の透過断面図である。
【図14】従来のグラブボックスの断面図である。
【符号の説明】
1:グラブボックス、2:箱体、20:開口、21:分割体用ガイドレール(分割体用ガイド部)、22:仕切り板用レール、23:仕切り板、24:箱体側回動孔、25:箱体側ガイドレール(箱体側ガイド部)、26:箱体側回動軸、3:蓋体、30:上方分割体、300:分割本体側回動孔、31:下方分割体、32:スライド枠体、320:枠体側回動孔、321:上方スクリュー、322:分割体側突起(分割体側係合部)、33:回動アーム、330:アーム側回動孔、331:回動ガイドレール(回動ガイド部)、332:下方スクリュー、333:ワッシャー、34:回動ブラケット、35:蓋体側回動孔、36:蓋本体、37:蓋体側突起(蓋体側係合部)、38:上方分割本体、39:下方分割本体、4:凹部内壁、40:箱体用回動孔、41:蓋体用回動軸。
Claims (6)
- インストルメントパネルに凹設され、車室内側に開口を持つ箱体と、
該箱体の下方に収納され、該開口を開閉可能に覆う蓋体と、
を備えてなるグラブボックスであって、
前記蓋体開閉動時において、該蓋体と前記箱体とは各々異なる回動軸を中心に回動可能であり、該蓋体の回動軌道と該箱体の回動軌道とが干渉しないことを特徴とするグラブボックス。 - 前記箱体は箱体側ガイド部を持ち、前記蓋体は蓋体側係合部を持ち、
該蓋体開閉動時において、該蓋体側係合部が該箱体側ガイド部を移動することにより、該蓋体と該箱体とが連動する請求項1に記載のグラブボックス。 - 前記蓋体は、前記箱体に回動可能に枢支されている請求項1に記載のグラブボックス。
- インストルメントパネルに凹設され、車室内側に開口を持つ箱体と、
該箱体の下方に収納され、該開口を開閉可能に覆う蓋体と、
を備えてなるグラブボックスであって、
前記蓋体は、該蓋体を上下方向に分割する複数の分割体からなり、
該複数の分割体のうち上方の分割体が、下方にスライド移動し、直下の分割体に積み重ねられることにより、最下段の分割体に該最下段の分割体以外の分割体が積層され、
該積層された複数の分割体が前記箱体に対して回動し、該箱体の下方に収納されることを特徴とするグラブボックス。 - 前記箱体は、該箱体内部を前記分割体のスライド幅に合わせて仕切る仕切り板を持つ請求項4に記載のグラブボックス。
- 前記箱体は、分割体用ガイド部を持ち、
前記複数の分割体のうち最下段の分割体は、該箱体に対して回動可能であり、回動端において該分割体用ガイド部と連結される回動ガイド部を持ち、
該最下段の分割体以外の分割体は、該分割体用ガイド部または該回動ガイド部を移動する分割体側係合部を持ち、
前記蓋体収納時において、該分割体側係合部が該分割体用ガイド部または該回動ガイド部を移動することにより、該最下段の分割体以外の分割体はスライド移動し、該最下段の分割体に積層され、
該積層された複数の分割体は、該最下段の分割体が回動することにより該箱体の下方に収納される請求項4に記載のグラブボックス。
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Cited By (3)
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JP2007320376A (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-13 | Kanto Auto Works Ltd | 自動車の傘収納構造 |
JP2010132081A (ja) * | 2008-12-03 | 2010-06-17 | Nissan Motor Co Ltd | 車両用カップホルダー構造 |
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2002
- 2002-10-30 JP JP2002316592A patent/JP2004148995A/ja active Pending
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