JP2004147458A - 昇圧回路 - Google Patents

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Tomohiko Sato
佐藤 智彦
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宮野 和孝
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    • H02M3/077Charge pumps of the Schenkel-type with parallel connected charge pump stages

Abstract

【課題】動作開始時の急激な電流変化を抑制してノイズを低減した昇圧回路を提供する。
【解決手段】オシレータ回路20は、エッジタイミングの異なる複数の発振信号φ1〜φnを出力する。イネーブル回路60は、発振信号φ1〜φnの少なくとも1つについて、昇圧動作開始からエッジをカウントし、カウント値が設定値になるまでポンピング回路41〜4nの昇圧能力を低減しておくように昇圧能力制御回路30に指示するイネーブル信号を生成する。昇圧能力制御回路30は、イネーブル信号に応じて各ポンピング回路41〜4nの昇圧能力を制御する。ポンピング回路40は、各発振信号φ1A〜φnAを用いてポンピング容量を充放電することにより昇圧動作を行い、それぞれの出力信号を合成して昇圧電圧VPPを生成する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体回路装置に関し、特に、半導体回路装置に組み込まれた昇圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、チップ内部に昇圧回路を有しており、その昇圧回路によって昇圧された電位でワード線やその他の配線を駆動するDRAMがある。この種の昇圧回路では従来から電流ノイズの低減が課題とされてきた。そして、少ない電流ノイズで十分な昇圧を得るために、従来の分圧回路には、オシレータ回路によってタイミングのずれた複数の発振信号を生成し、容量やトランジスタサイズの小さい複数のポンピング回路を各発振信号毎に設けたものがある。
【0003】
図11は、従来の昇圧回路の構成を示す回路図である。図11を参照すると、昇圧回路100は、オシレータ回路120、オシレータ出力ラッチ回路130、ポンピング回路140および昇圧レベル判定回路150を有している。これらの回路は、いずれも基準電位をGNDとし、外部電源電圧VCCにより動作する。
【0004】
オシレータ出力ラッチ回路130は、φ1用ラッチ回路131、φ2用ラッチ回路132、・・・、φn用ラッチ回路13nを有している。ポンピング回路140は、φ1用ポンピング回路141、φ2用ポンピング回路142、・・・、φn用ポンピング回路14nを有している。
【0005】
オシレータ回路120から出力される信号φ1〜φnは、φ1用ラッチ回路131〜φn用ラッチ回路13nにそれぞれ入力されている。φ1用ラッチ回路131〜φn用ラッチ回路13nからそれぞれ出力される信号φ1A〜φnAは、φ1用ポンピング回路141〜φn用ポンピング回路14nにそれぞれ入力されてる。φ1用ポンピング回路141〜φn用ポンピング回路14nの出力が共通接続されており、そこに昇圧電圧VPPが生成されている。昇圧レベル判定回路150から出力される信号VPUPがオシレータ回路120およびφ1用ラッチ回路131〜φn用ラッチ回路13nに入力されている。
【0006】
昇圧回路100には、昇圧により得ようとする所望の電圧が設定されている。昇圧レベル判定回路150は、昇圧回路100の出力である昇圧電圧VPPと設定電圧とを比較し、昇圧電圧VPPが設定電圧よりも低ければVPUP信号を“H”にし、昇圧電圧VPPが設定電圧よりも高ければVPUP信号を“L”にする。
【0007】
オシレータ回路120は、信号VPUPが“H”のとき、一定間隔に順次タイミングのずれた発振信号を出力する発振回路であり、一例としてn段(nは奇数)のインバータがチェーン接続された構成である。また、オシレータ回路120は、信号VPUPが“L”のとき、発振信号を出力しない。
【0008】
図12は、オシレータ回路の基本構成例を示す回路図である。図12を参照すると、オシレータ回路120は奇数段のインバータがリング状にチェーン接続された基本構成を有し、各インバータの出力が信号φ1〜φnとされている。なお、図12には、信号VPUPに関する部分は省略されている。
【0009】
図13は、信号φ1〜φnの波形を示すタイミングチャートである。図13を参照すると、信号φ1〜φnは、遷移するタイミングが順次ずれ、さらに位相が順次交互に反転した発振信号である。各信号φ1〜φnの周期はTである。隣接する2つの信号のエッジ間の時間、例えば信号φ1の立上りと信号φ2の立下りの間の時間はdT=T/(2×n)であり、これがインバータの波形伝達時間である。
【0010】
オシレータ出力ラッチ回路130を構成するφ1用ラッチ回路131〜φn用ラッチ回路13nは、信号VPUPをイネーブルとするラッチ回路である。φ1用ラッチ回路131〜φn用ラッチ回路13nは、信号VPUPが“H”のとき、信号φ1〜φnを信号φ1A〜φnAとして出力する。このとき信号φ1A〜φnAは信号φ1〜φnと同相である。また、φ1用ラッチ回路131〜φn用ラッチ回路13nは、信号VPUPが“L”のとき、信号φ1A〜φnAの状態を保持する。
【0011】
ポンピング回路140を構成するφ1用ポンピング回路141〜φn用ポンピング回路14nは、それぞれ信号φ1A〜φnAを入力とし、各信号φ1A〜φnAに同期して昇圧動作を行う。φ1用ポンピング回路141〜φn用ポンピング回路14nの各出力が共通接続されてポンピング回路140の出力をなしており、昇圧電圧VPPが出力される。
【0012】
図14は、φ1〜φn用ポンピング回路の構成例を示す回路図である。φ1〜φn用ポンピング回路は全て同一構成であり、図14には代表としてφ1用ポンピング回路が示されている。図14を参照すると、φ1用ポンピング回路は、インバータINV0,INV1、容量C0およびダイオードDI0,DI1で構成されている。
【0013】
インバータINV0には信号φ1Aが入力している。インバータINV0とインバータINV1は直列に接続されている。インバータINV1の出力端子と容量C0の一方の端子が接点Aで接続されている。容量C0の他方の端子、ダイオードDI0のカソード、およびダイオードDI1のアノードが接点Bで接続されている。ダイオードDI0のアノードには外部電源電圧VCCが供給されている。そして、φ1〜φn用ポンピング回路141〜14nの各ダイオードDI1のカソードが共通接続されて、昇圧電圧VPPを出力している。
【0014】
図15は、図14に示したφ1用ポンピング回路の昇圧動作を示すタイミングチャートである。図15を参照すると、信号φ1Aは、外部電源電圧VCCと基準電圧GNDを交互に出力する発振信号である。接点Aの信号波形は、信号φ1Aよりやや遅延した波形である。
【0015】
接点Aが基準電圧GNDレベルのとき、接点BはダイオードDI0を通して外部電源電圧VCCにプリチャージされる。接点Aが基準電圧GNDから外部電源電圧VCCに遷移すると、接点Bは容量C0のカップリングにより外部電源電圧VCC分だけ電位が上昇する。したがって、接点Bの電位は、外部電源電圧VCCから、その2倍の電圧(2×VCC)に遷移する。そのため、φ1用ポンピング回路141は外部電源電圧VCCよりも高い昇圧電圧VPPを生成することができる。なお、図14に示したダイオードDI0、DI1の制御回路に関しては図示していない。
【0016】
一般に、インバータは、Pchトランジスタ(不図示)とNchトランジスタ(不図示)とを組み合わせて構成されている。容量C0は、外部電源電圧VCCによってインバータINV1のPchトランジスタを通して電流が供給されることにより充電される。また、容量C0は、接点Aから、インバータINV1のNchトランジスタを通して基準電圧GNDに電流が流れることにより放電される。
【0017】
同様に、接点Bは、外部電源電圧VCCによってダイオードDI0を通して接点Bに電流が供給されることにより、外部電源電圧VCCにプリチャージされる。
【0018】
また、インバータINV1のゲート容量は、外部電源電圧VCCによってインバータINV0から充電電流が流れ、またインバータINV1から基準電圧GNDへ放電電流が流れることにより充放電される。
【0019】
昇圧回路においては、これら外部電源電圧VCCからの充電電流、および基準電圧GNDへの放電電流が原因となってノイズが発生する。
【0020】
φ1用ポンピング回路141が昇圧のために出力可能な電荷は容量C0により決まる。その容量C0を駆動するインバータINV1,INV0を構成するトランジスタやダイオードDI0,DI1のサイズは、容量C0を効率的に充放電できる様なサイズにする必要がある。良好な昇圧信号VPPを得るにはポンピング能力を増加させればよく、大きなポンピング容量とそれを駆動するインバーター等の回路に大きなトランジスタサイズを採用すればよい。しかし、そうすると容量C0の充放電電流ノイズも大きくなってしまう。
【0021】
そこで、少ない電流ノイズで十分な昇圧を得るために、図11の分圧回路は、オシレータ回路120の出力を複数にし、容量やトランジスタサイズの小さい複数のφ1〜φn用ポンピング回路141〜14nを有する構成となっている。
【0022】
従来の昇圧回路の動作について説明する。
【0023】
図16は、従来の昇圧回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。図16には、VPUP信号、オシレータ回路120から出力される信号φ1〜φn、各ラッチ回路131〜13nから出力される信号φ1A〜φnAの波形が示されている。
【0024】
図16を参照すると、時刻T0ではVPUP信号が“L”なので、信号φ1〜φnおよび信号φ1A〜φnAは一定値に保たれ、遷移しない。
【0025】
時刻T0〜Tsの間に、信号VPUPが“L”から“H”に遷移し、昇圧回路の初期動作が開始される。
【0026】
昇圧回路の初期動作が開始されると、オシレータ回路120は周期Tで順次ずれたタイミングで発信するn個の信号φ1〜φnを出力する。図中のTa期間、Tb期間の幅は周期Tと等しい。
【0027】
各信号φ1〜φnは、オシレータ出力ラッチ回路130の各ラッチ回路131〜13nにより信号φ1A〜φnAとしてポンピング回路140に供給される。ポンピング回路140を構成するφ1〜φn用ポンピング回路141〜14nは、各信号φ1A〜φnAの遷移に応じて昇圧動作を行う。φ1〜φn用ポンピング回路141〜14nの出力が合成されて昇圧電圧VPPを外部に供給する。ここでは信号φ1A〜φnAが互いに異なるタイミングで基準電位GNDから外部電源電圧VCCに遷移するようにされており、電流ノイズのピークが重ならない。
【0028】
図17は、従来の昇圧回路の動作および出力信号の波形を示すタイミングチャートである。図17ではn=5としてある。また、ここでは、基準電圧GNDから外部電源電圧VCCへ遷移するときだけでなく、外部電源電圧VCCから基準電圧GNDに遷移するときにも昇圧回路が動作するように、ポンピング回路は図14に示したものを2つ組み合わせた構成とする。
【0029】
図17の下側には、信号VPUP、信号φ1A〜φ5Aの波形が示されている。上側には、φ1〜φn用ポンピング回路141〜145から出力される電流I(実線)と、それらを合成した電流Itotal(点線)とが示されいる。
【0030】
図17を参照すると、時刻T0から時刻T1の間に信号VPUPが“L”から“H”に遷移し、昇圧動作が開始されている。時刻T1で信号φ1AがGNDからVCCへ遷移し、その後、時刻T2−T1=dT=(1周期T)/(2×5)毎に、信号φ2A〜φ5Aが順次遷移をする。それ以降、信号φ1A〜φ5AがdTづつタイミングを順次ずらしてGNDとVCCを交互に遷移する。なお、図を見て分かるように、奇数番の信号φ1A、φ3A、φ5Aと偶数番の信号φ2A、φ4Aとでは遷移波形の位相が逆になっている。
【0031】
各信号φ1A〜φnAの遷移に応じて、φ1〜φn用ポンピング回路141〜14nから出力される電流I(実線)が遷移する。そして、φ1〜φn用ポンピング回路141〜14nの出力を合成した電流Itotal(点線)は、時刻T1〜T4の区間で立上り、時刻T5以降は、ほぼ一定して飽和消費電流I0となっている。信号VPUPが“L”から“H”に遷移するポンピング回路初動時の消費電流は、T1〜T4区間において電流変化dI/dTを持ち、これがノイズ源となる。なぜなら、電流変化dI/dTが大きいと、半導体装置が持つリードフレーム等の配線のインダクタンスによるノイズが大きくなるからである。
【0032】
従来の他の昇圧回路として、例えば特許文献1に記載されたものがある。これによれば、図11における信号φ1A〜φnAに相当する信号が遅延回路によって作成されている。
【0033】
従来のさらに他の昇圧回路として、スタンバイモードとアクティブモードの2つの動作モードを持ったものがある(例えば、特許文献2)。その種の昇圧回路は、供給すべき電荷量に応じて2つの動作モードのうちいずれかを選択する。
【0034】
特許文献2に記載された昇圧回路は、複数のポンピング回路を有しており、スタンバイモードでは一部のポンピング回路のみを順次動作させ、アクティブモードでは全てのポンピング回路を連続的に動作させる。
【0035】
【特許文献1】
特開平11−25673号公報
【特許文献2】
特開平9−320268号公報
【0036】
【発明が解決しようとする課題】
図11に示した従来の昇圧回路では、オシレータ回路120の出力を複数にし、ポンピング回路140を、容量やトランジスタサイズの小さいφ1〜φn用のポンピング回路141〜14nからなる構成とすることにより電流ノイズが低減されている。そのため、図17に示したように、動作開始から一定時間が過ぎると、電流値がほぼ一定となり電流変化dI/dTが0となるため、電流変化dI/dTによるノイズは0となる。
【0037】
しかし、ポンピング動作開始時、図17に示したように従来の昇圧回路における電流の変化(dI/dT)は急激である。外部電源電圧VCCや基準電圧GNDの急激な電流変化(dI/dT)は、自己インダクタンスや相互インダクタンスによるノイズの原因となる。
【0038】
DRAM等の半導体回路装置には、パッケージのピンとチップを繋ぐリードフレームやボンディングワイヤーが存在している。そして、アドレスやデータピン等のワイヤーに隣接して外部電源電圧VCCのや基準電圧GNDのワイヤーがある。そのため、そのノイズによってアドレスやデータ等の入力特性が悪化してしまう。
【0039】
また、特許文献1に記載された従来の昇圧回路には遅延回路が用いられているが、遅延回路の遅延時間にはプロセス変動の影響によるバラツキがあるため、特許文献1に記載された昇圧回路の構成では、オシレータによる発振信号の1周期の中で各ポンピング回路の消費電流に偏りが生じる可能性がある。何故なら、特許文献1記載のオシレータ回路の出力は1箇所から取り出した信号であり、この信号に遅延回路を追加して各ポンピング回路に供給している。遅延回路を通過した信号は、上記のプロセス変動による影響を受けやすく、オシレータ1周期分の時間を考えたときに、ポンピング動作をする時間に偏りが生じやすく、正確な制御が困難となる。そのため、電流変化dI/dTを所望の傾き範囲内に制御できないことがありノイズの原因となる。特に、動作開始時には、電流変化dI/dTが顕著に大きくなる可能性がある。
【0040】
また、特許文献2に記載された従来の昇圧回路は、昇圧動作についてスタンバイモードとアクティブモードの2つの動作モードを持っている。そして、この昇圧回路は、各動作モードにおけるVPPからの消費電流の違いに対して、ポンピング回路の台数を変化させることで電流供給能力を制御している。しかしながら、昇圧動作開始時に着目すると、遅延回路(DELAY ELEMENT)により、順次ずれたタイミングで各ポンピング回路(PUMPING MEANS)が昇圧を行う点では図1の昇圧回路と同じである。したがって、特許文献2に記載された昇圧回路の動作開始時の消費電流の電流変化dI/dTは、図17に示した電流Itotalの電流変化dI/dTと同様に急峻である。
【0041】
本発明の目的は、動作開始時の急激な電流変化を抑制してノイズを低減した昇圧回路を提供することである。
【0042】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の昇圧回路は、エッジタイミングの異なる複数の発振信号を出力するオシレータ回路と、各発振信号を用いてポンピング容量を充放電することにより昇圧動作を行い、それぞれの出力信号を合成して昇圧電圧を生成する、発振信号に対応した複数のポンピング回路と、イネーブル信号に応じて各ポンピング回路の昇圧能力を制御する昇圧能力制御回路と、発振信号の少なくとも1つについて、発振信号のエッジをカウントし、カウント値が設定値になるまでポンピング回路の昇圧能力を低減しておくように昇圧能力制御回路に指示するイネーブル信号を生成するイネーブル回路を有している。
【0043】
したがって、本発明によれば、複数の発振信号により昇圧動作を行う複数のポンピング回路のうち少なくとも1つが、イネーブル回路および昇圧能力制御回路によって昇圧動作開始後の数周期の間、昇圧能力を低減されるので、昇圧動作のための電流の変化が低減される。
【0044】
なお、昇圧能力制御回路は、各発振信号の各ポンピング回路への伝達をイネーブル信号に応じて停止し、また開始することにより、ポンピング回路の昇圧を停止させ、また開始させる、発振信号に対応した複数のラッチ回路を有していてもよい。
【0045】
あるいは、昇圧能力制御回路は、ポンピング回路におけるポンピング容量を充放電する駆動能力をイネーブル信号に応じて変化させることにより、ポンピング回路の昇圧能力を制御することとしてもよい。
【0046】
その場合さらに、昇圧能力制御回路は、ポンピング容量を付加的に充放電するインバータを有し、そのインバータを構成するトランジスタをイネーブル信号に応じて制御することにより駆動能力を制御することとしてもよい。
【0047】
また、イネーブル回路は、設定値をポンピング回路毎に設定可能であってもよい。
【0048】
また、昇圧電圧と設定電圧とを比較し、昇圧電圧が設定電圧より低くなったことを検出すると、昇圧動作を開始すべきであると判定する昇圧レベル判定回路をさらに有してもよい。
【0049】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0050】
図1は、本発明の一実施形態の昇圧回路の構成を示す回路図である。図1を参照すると、昇圧回路10は、オシレータ回路20、オシレータ出力ラッチ回路30、ポンピング回路40、昇圧レベル判定回路50およびイネーブル回路60を有している。これらの回路は、いずれも基準電位GNDおよび外部電源電圧VCCにて動作する。
【0051】
オシレータ出力ラッチ回路30は、φ1用ラッチ回路31、φ2用ラッチ回路32、・・・、φn用ラッチ回路3nを有している。なお、nは奇数である。ポンピング回路40は、φ1用ポンピング回路41、φ2用ポンピング回路42、・・・、φn用ポンピング回路4nを有している。
【0052】
イネーブル回路60は、エッジカウンタ70およびANDゲート62〜6(n−1)を有している。
【0053】
オシレータ回路20から出力される信号φ1〜φnは、φ1用ラッチ回路31〜φn用ラッチ回路3nにそれぞれ入力されている。また、信号φ2〜φ(n−1)は、エッジカウンタ70にも入力されている。φ1用ラッチ回路31〜φn用ラッチ回路3nからそれぞれ出力される信号φ1A〜φnAは、φ1用ポンピング回路41〜φn用ポンピング回路4nにそれぞれ入力されてる。φ1用ポンピング回路41〜φn用ポンピング回路4nの出力が共通接続されており、そこに昇圧電圧VPPが生成されている。昇圧レベル判定回路50から出力される信号VPUPがオシレータ回路20およびφ1用ラッチ回路131、φn用ラッチ回路13n、エッジカウンタ70およびANDゲート62〜6(n−1)に入力されている。
【0054】
昇圧回路10では、昇圧により得ようとする所望の電圧が設定されている。
【0055】
昇圧レベル判定回路10は、昇圧電圧VPPと設定電圧とを比較し、昇圧電圧VPPが設定電圧よりも低ければVPUP信号を“H”にし、昇圧電圧VPPが設定電圧よりも高ければVPUP信号を“L”にする。
【0056】
オシレータ回路20は、信号VPUPが“H”のとき、一定間隔に順次タイミングのずれた発振信号を出力する発振回路であり、一例として奇数段のインバータがチェーン接続された構成である。また、オシレータ回路20は、信号VPUPが“L”のとき、発振信号を出力しない。
【0057】
図2は、オシレータ回路の基本構成例を示す回路図である。図2を参照すると、オシレータ回路20は、奇数段のインバータがリング状にチェーン接続された基本構成を有し、各インバータの出力が信号φ1〜φnとしてオシレータ出力ラッチ回路30およびイネーブル回路60に出力されている。なお、インバータの段数は奇数であればよく、例えばn=3,5,7などから自由に選択可能である。また、図2では、信号VPUPに関する部分は省略されている。
【0058】
図3は、信号φ1〜φnの波形を示すタイミングチャートである。図3を参照すると、信号φ1〜φnは、遷移するタイミングが順次ずれ、さらに位相が順次交互に反転した発振信号である。各信号φ1〜φnの周期はTである。隣接する2つの信号のエッジ間の時間、例えば信号φ1の立上りと信号φ2の立下りの間の時間はdT=T/(2×n)であり、これがインバータの1段当たりの波形伝達時間である。
【0059】
オシレータ出力ラッチ回路30を構成するφ1用ラッチ回路31およびφn用ラッチ回路3nは、信号VPUPをイネーブルとするラッチ回路である。φ2用ラッチ回路32〜φ(n−1)用ラッチ回路3(n−1)は、信号φ2OSEN〜φ(n−1)OSENをイネーブルとするラッチ回路である。φ1用ラッチ回路31〜φn用ラッチ回路3nは、イネーブルがが“H”のとき、信号φ1〜φnをそれぞれ信号φ1A〜φnAとして出力する。このとき信号φ1A〜φnAは信号φ1〜φnとそれぞれ同相である。また、φ1用ラッチ回路31〜φn用ラッチ回路3nは、イネーブルが“L”のとき状態を保持する。φ1〜φn用ラッチ回路31〜3nにおけるラッチ段数は任意であり、奇数段でも偶数段でもよい。
【0060】
オシレータ出力ラッチ回路30は、昇圧開始の過渡状態において、ポンピング回路40への信号φ2A〜φ(n−1)Aの供給を数周期分遅らせることにより、ポンピング回路40の昇圧能力を低減制御している。
【0061】
ポンピング回路40を構成するφ1用ポンピング回路41〜φn用ポンピング回路4nは、それぞれ信号φ1A〜φnAを入力とし、各信号φ1A〜φnAに同期して昇圧動作を行う。φ1用ポンピング回路41〜φn用ポンピング回路4nの各出力が共通接続されてポンピング回路40の出力をなしており、昇圧電圧VPPが出力される。
【0062】
図4は、φ1〜φn用ポンピング回路の構成例を示す回路図である。φ1〜φn用ポンピング回路は全て同一構成であり、図4には代表としてφ1用ポンピング回路が示されている。図4を参照すると、φ1用ポンピング回路は、インバータINV0,INV1、容量C0およびダイオードDI0,DI1で構成されている。容量C0が、ポンピングにより昇圧動作を行うためのポンピング容量である。
【0063】
インバータINV0には信号φ1Aが入力している。インバータINV0とインバータINV1は直列に接続されている。インバータINV1の出力端子と容量C0の一方の端子が接点Aで接続されている。容量C0の他方の端子、ダイオードDI0のカソード、およびダイオードDI1のアノードが接点Bで接続されている。ダイオードDI0のアノードには外部電源電圧VCCが供給されている。そして、φ1〜φn用ポンピング回路41〜4nの各ダイオードDI1のカソードが共通接続されて、昇圧電圧VPPを出力している。
【0064】
図5は、図4に示したφ1用ポンピング回路の昇圧動作を示すタイミングチャートである。図5を参照すると、信号φ1Aは、外部電源電圧VCCと基準電圧GNDを交互に出力する発振信号である。接点Aの信号波形は、信号φ1Aよりやや遅延した波形である。
【0065】
接点Aが基準電圧GNDレベルのとき、接点BはダイオードDI0を通して外部電源電圧VCCにプリチャージされる。接点Aが基準電圧GNDから外部電源電圧VCCに遷移すると、接点Bは容量C0のカップリングによりGND〜VCCの振幅分だけ上昇する。したがって、接点Bの電位は、外部電源電圧VCCとその2倍の電圧(2×VCC)とに交互に遷移する。そのため、φ1用ポンピング回路41は外部電源電圧VCCよりも高いレベルの昇圧電圧VPPを生成することができる。
【0066】
図6は、φ1〜φn用ポンピング回路の他の構成例を示す回路図である。φ1〜φn用ポンピング回路は全て同一構成であり、図6には代表としてφ1用ポンピング回路が示されている。図6を参照すると、φ1用ポンピング回路は、図4に示されたポンピング回路と、それとは逆のエッジで動作するポンピング回路とが並列に接続された構成である。図6のポンピング回路によれば、信号φ1Aの立上りおよび立下りの両エッジで昇圧動作が行われる。
【0067】
エッジカウンタ70は、信号φ2〜φ(n−1)を入力とし、各信号φ2〜φ(n−1)が発振を開始すると、その発振回数をカウントし、カウント値が所定の設定値になると、イネーブル信号を出力する。所定の設定値は、各信号φ2〜φ(n−1)毎に設定可能である。各イネーブル信号は、ANDゲート62〜6(n−1)によって、信号VPUPとAND論理がとられ、信号φ2OSEN〜φ(n−1)OSENとしてφ2〜φ(n−1)用ラッチ回路32〜3(n−1)に入力される。
【0068】
つまり、φ2〜φ(n−1)用ラッチ回路32〜3(n−1)には、信号VPUPの立上りから周期の所定の設定値倍だけ遅れて立上るイネーブル信号が入力される。それにより、信号φ2A〜φ(n−1)Aが発振を開始するのは、信号VPUPよりも周期Tの任意倍だけ遅れた時刻となる。そして、φ2〜φ(n−1)用ポンピング回路42〜4(n−1)が昇圧動作を開始するのも周期Tの任意倍だけ遅れる。
【0069】
以上の構成から、任意の信号に対応したポンピング回路の昇圧動作の開始を任意周期だけ遅らせることにより、昇圧回路10の動作開始時の電流変化を抑制し、ノイズを低減することができるので、例えば昇圧回路10を用いたDRAMの信号線の入力特性を改善することができる。
【0070】
また、本実施形態の昇圧回路10では、各ポンピング回路の昇圧動作の開始タイミングは、発振信号のエッジをカウントすることにより作成されているので、プロセス変動の影響を受けにくく、バラツキが発生しにくい。
【0071】
また、本実施形態の昇圧回路10は、ポンピング回路の昇圧動作の開始を発振信号のエッジをカウントすることにより求めた周期数分だけ遅らせる構成なので、いかなるクロック速度で動作させた場合でも電流変化を抑制し、良好な効果を得ることができる。これに対して、ポンピング回路の昇圧動作の開始を、例えば遅延回路で調整するとすると、用いられるクロック速度によって良好な結果が得られない可能性がある。
【0072】
なお、ここでは信号φ2〜φ(n−1)に対応した昇圧動作の開始を遅らせる例を示したが、どの信号に対応した昇圧動作を遅らせるか、またどれだけ遅らせるかは任意である。
【0073】
本実施形態の昇圧回路10の動作について説明する。
【0074】
図7は、本実施形態の昇圧回路の動作を示すタイミングチャートである。図7には、信号VPUP、φ1〜φn、φ1A〜φnA、φ2OSEN〜φ(n−1)OSENの波形が示されている。
【0075】
昇圧レベル判定回路50は昇圧電圧VPPと所望の設定電圧とを常時比較しており、昇圧電圧VPPが設定電圧より高いとき信号VPUPを“L”(GNDレベル)にする。図7において、時刻T0の時点では信号VPUPが“L”なので、オシレータ回路20が発振せず、そのため昇圧回路10は動作しない。
【0076】
昇圧電圧VPPが設定電圧より低くなると、昇圧レベル判定回路50は信号VPUPを“H”にする。図7において、時刻T0から時刻Tsの間に信号VPUPが“L”から“H”になっているので、オシレータ回路20は発振を開始し、昇圧回路10が昇圧動作を開始する。
【0077】
オシレータ回路20が発振を開始するので、信号φ1〜φnに図7に示すような発振波形が現れる。
【0078】
φ1用ラッチ回路31は、信号VPUPをイネーブルとしているので、信号VPUPが“H”となると、信号φ1の発振波形をそのまま信号φ1Aとしてφ1用ポンピング回路41に供給する。同様に、φn用ラッチ回路3nも、信号VPUPをイネーブルとしているので、信号VPUPが“H”となると、信号φnの発振波形をそのまま信号φnAとしてφn用ポンピング回路4nに供給する。
【0079】
それに対して、φ2用〜φ(n−1)用ラッチ回路32〜3(n−1)は、信号φ2OSEN〜φ(n−1)OSENをそれぞれイネーブルとしている。信号φ2OSEN〜φ(n−1)OSENは、信号VPUPを周期Tの任意倍だけ遅延させた信号なので、信号VPUPが“H”になっても直ぐに“H”にならない。図7のTa期間には、信号φ2OSEN〜φ(n−1)OSENは未だ“L”である。
【0080】
φ2〜φ(n−1)用ラッチ回路32〜3(n−1)は、信号φ2OSEN〜φ(n−1)OSENが“L”のとき、信号φ2A〜φ(n−1)Aの状態を保持する。そのため、信号φ2〜φ(n−1)に発振波形が現れても、信号φ2A〜φ(n−1)Aは直ぐには発振しない。
【0081】
エッジカウンタ70が各信号φ2〜φ(n−1)のエッジをカウントし、各カウント値がそれぞれの設定値になると、信号φ2OSEN〜信号φ(n−1)OSENが“L”から“H”になる。この設定値は、信号VPUPを遅延させすべき周期数に予め設定されている。図7において、Tb期間には信号φ2OSEN〜φ(n−1)OSENが“L”から“H”に遷移している。
【0082】
信号φ2OSEN〜信号φ(n−1)OSENが“L”から“H”になると、φ2用〜φ(n−1)用ラッチ回路31〜3(n−1)は信号φ2〜φ(n−1)をそのまま信号φ2A〜φ(n−1)Aとしてポンピング回路42〜4(n−1)にそれぞれ供給する。
【0083】
図8は、本実施形態の昇圧回路における各信号の波形を示すタイミングチャートである。図8では、一例として、n=5であり、信号φ2,φ4のみに対してエッジカウンタ70が作用して信号φ2A,φ4Aが1周期だけ遅れて発振し始めるという例が示されている。また、ここでは、信号φ1A〜φ5Aが基準電圧GNDから外部電源電圧VCCへ遷移するときだけでなく、外部電源電圧VCCから基準電圧GNDに遷移するときにも昇圧回路が動作するように、図6に示したポンピング回路が使用されているものとする。
【0084】
図8の下側には、信号VPUP、φ1A〜φ5Aの波形が示されている。上側には、φ1〜φ5用ポンピング回路41〜45から出力される電流I(実線)と、それらを合成した電流Itotal(点線)とが示されている。
【0085】
図8を参照すると、時刻T0〜時刻T1の間に信号VPUPが“L”から“H”に遷移し、昇圧動作が始まっている。信号φ1A,φ3A,φ5Aはそれぞれ時刻T1,T3,T5に遷移し(立上り)、発振を開始している。それに対して、信号φ2A,φ4Aは時刻T2,T4に遷移(立下がり)せず、エッジカウンタ70によって1周期分遅延されて時刻T12,T14から発振を開始している。
【0086】
各信号φ1A〜φ5Aの遷移に応じて、φ1〜φ5用のポンピング回路41〜45から出力される電流Iが図中実線にて示したように遷移する。そして、それらを合成した電流Itotal(図中点線)は時刻T1〜T13の区間で緩やかに立上り、時刻T14に飽和消費電流I0に達し、その後はほぼ一定に保たれる。
【0087】
図8の飽和消費電流I0は、図17に示した従来例の飽和消費電流I0と同じで値である。図17の従来例では、電流Itotalは時刻T1〜T5の間に急峻に飽和消費電流I0に達したの対して、図8に示した本実施形態では、時刻T1〜T13の間に緩やかに飽和消費電流I0に達する。すなわち、本実施形態では昇圧動作開始直後の電流変化dI/dTが小さく抑えられていることが分かる。
【0088】
以上説明したように、本実施形態の昇圧回路10によれば、動作開始時、オシレータ回路20から出力される複数の発振信号のうち任意のものが、各発振信号のエッジをカウントするエッジカウンタ70からイネーブルを与えられた各ラッチ回路31〜3nにより任意の周期数分だけ遅延されるので、各ポンピング回路41〜4nの昇圧動作の開始が互いにずれて電流変化が緩和されてノイズが低減され、例えば昇圧回路10を用いたDRAMの信号線の入力特性に悪影響を及ぼさない。
【0089】
なお、本実施形態の昇圧回路10は、発振信号のエッジをカウントするエッジカウンタ70により、発振信号の周期に同期して各ポンピング回路41〜4nの昇圧動作の開始を制御している。これに対して、例えば信号VPUPを複数段のインバータで構成された遅延回路で遅延させることにより各ポンピング回路の入力信号を生成することも考えられる。また、信号VPUPを遅延回路で遅延させることにより各ラッチ回路のイネーブルを生成することも考えられる。
【0090】
しかし、トランジスタ形成工程でインバータの能力にバラツキが生じる可能性があり、インバータの段数で所定の遅延量を正確に得ることは困難である。意図した遅延量が得られなければ、ある時刻に電流変化dI/dTが大きくなりノイズを発生させてしまう可能性がある。したがって、各ポンピング回路の昇圧動作の開始タイミングを正確に制御可能な本実施形態の昇圧回路10は、遅延回路を用いた昇圧回路より優れた利点を有していると言える。
【0091】
本発明の他の実施形態について図面を参照して説明する。
【0092】
図9は、本発明の他の実施形態の昇圧回路の構成を示す回路図である。図9には、説明の簡単化のために、オシレータ回路20から出力される信号のうち信号φ2に関する部分のみが示されている。
【0093】
図9を参照すると、昇圧回路は、オシレータ回路20、エッジカウンタ70、φ2用ポンピング回路42、インバータINV3,INV2およびゲートCGATEを有している。また、図示されていないが、図9の昇圧回路は、図1の昇圧回路10と同様に信号VPUPの供給する昇圧レベル判定回路を有している。図9の昇圧回路においては、ポンピング回路42の昇圧能力を制御する制御回路がインバータINV2,INV3およびゲートCGATEによって構成されている。
【0094】
なお、信号φ2に関する部分しか図示されていないが、図9の昇圧回路は、信号φ1〜φnに関する回路を有している。
【0095】
オシレータ回路20、昇圧レベル判定回路、エッジカウンタ70およびφ1〜φn用ポンピング回路は図1のものと同じである。
【0096】
インバータINV3はNOTゲートであり、エッジカウンタ70から出力される信号φ2OSENを反転するNOTゲートである。
【0097】
ゲートCGATEは、信号φ2Aおよび信号φ2OSENを入力とする2入力NANDゲートと、信号φ2AおよびインバータINV3の出力を入力とする2入力NORゲートからなる。
【0098】
2入力NANDゲートの出力は接点Cに接続されている。2入力NORゲートの出力は接点Dに接続されている。
【0099】
インバータINV2は、外部電源電圧VCCと基準電圧GNDの間に直列接続されたPチャネルトランジスタM1とNチャネルトランジスタM2からなる。PチャネルトランジスタM1のゲートは接点Cに接続され、Nチャネルトランジスタのゲートは接点Dに接続されている。PチャネルトランジスタとNチャネルトランジスタとの接続点はφ2用ポンピング回路42の接点Aに接続されている。
【0100】
図10は、図9の昇圧回路の動作を示すタイミングチャートである。図10には、信号VPUPが“L”から“H”に遷移した直後の信号φ2A,φ2OSENおよび接点A,Bの波形が示されている。信号VPUPが“L”から“H”に遷移し、オシレータ回路20から出力された信号φ2の最初の1周期がTa期間であり、、次の周期がTb期間である。
【0101】
Ta期間では、信号φ2OSENが“L”なので、信号φ2Aが発振しても、ゲートCGATEの出力である接点Cは“H”レベル、接点Dは“L”レベルである。ゲートINV2を構成するPチャネルトランジスタM1およびNチャネルトランジスタM2のゲートは接点Cおよび接点Dにそれぞれ接続されているので、信号φ2OSENが“L”の間はインバータINV2は動作しない。
【0102】
Tb期間では、信号φ2OSENが“L”から“H”に遷移するので、ゲートCGATEの出力(接点C,D)は信号φ2Aの発振動作をインバータINV2に伝達する。
【0103】
信号φ2Aが“L”のとき、インバータINV1は接点Aおよび容量C0を“L”に放電する。また、ゲートCGATEの接点Cは“H”レベルであり、接点Dは“H”レベルになるので、NチャネルトランジスタM2がオンして、インバータINV2も接点Aおよび容量C0を“L”に放電しようとする。
【0104】
逆に、信号φ2Aが“H”のとき、インバータINV1は接点Aおよび容量C0を“H”に充電しようとし、インバータINV2もそれらを“H”に充電しようとする。つまり、信号φ2OSENが“H”のとき、インバータINV1,INV2の両方が接点Aおよび容量C0の充放電を行うことになる。
【0105】
したがって、Tb期間では、接点Aおよび容量C0の充放電をインバータINV1,INV2の両方が行うことになる。そのため、信号φ2Aが“L”から“H”に遷移するとき、および“H”から“L”に遷移するとき、接点A、Bの波形はインバータINV1,INV2の電流能力を予め調整しておくことにより、鈍らすこと無く動作させることができる。一方、Ta期間では、接点Aおよび容量C0の充放電はインバータINV1のみが行うため、Tb期間と比べて相対的に接点A、Bの波形は鈍る。インバータINV1のみで動作するTa期間とインバータINV1およびINV2両方が動作するTb期間では、昇圧電圧VPPへ供給可能な電荷量はTa期間よりTb期間の方が大きくなるが、一方で接点Aおよび容量C0の充放電電流もTa期間よりTb期間の方が大きくなり、ノイズ源となる電流変化dI/dTもTa期間よりTb期間の方が大きくなる。
【0106】
したがって、本実施形態の昇圧回路によれば、インバータINV2のトランジスタサイズを調整し、信号VPUPが“L”から“H”に遷移した後に何周期分の時間だけ信号φ2OSEN(φ1〜φnOSEN)を“L”に保持するかを調整することにより、動作開始時における電流変化を抑制し、ノイズを低減することができる。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の発振信号により昇圧動作を行う複数のポンピング回路のうち少なくとも1つが、イネーブル回路および昇圧能力制御回路によって昇圧動作開始後の数周期の間、昇圧能力を低減されるので、昇圧動作のための電流の変化が低減され、電流の変化に伴って生じるノイズが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の昇圧回路の構成を示す回路図である。
【図2】オシレータ回路の基本構成例を示す回路図である。
【図3】オシレータ回路から出力される発振信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図4】各ポンピング回路の構成例を示す回路図である。
【図5】図4に示したポンピング回路の昇圧動作を示すタイミングチャートである。
【図6】各ポンピング回路の他の構成例を示す回路図である。
【図7】本実施形態の昇圧回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】本実施形態の昇圧回路における各信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態の昇圧回路の構成を示す回路図である。
【図10】図9の昇圧回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図11】従来の昇圧回路の構成を示す回路図である。
【図12】図11におけるオシレータ回路の基本構成例を示す回路図である。
【図13】図11のオシレータ回路による発振信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図14】図11の各ポンピング回路の構成例を示す回路図である。
【図15】図14に示した各ポンピング回路の昇圧動作を示すタイミングチャートである。
【図16】従来の昇圧回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図17】従来の昇圧回路の動作および出力信号の波形を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10  昇圧回路
20  オシレータ回路
30  オシレータ出力ラッチ回路
31〜3n  φ1〜φn用ラッチ回路
40  ポンピング回路
41〜4n  φ1〜φn用ポンピング回路
50  昇圧レベル判定回路
60  イネーブル回路
62〜6(n−1)  ANDゲート
70  エッジカウンタ
φ1〜φn、φ1A〜φnA、φ2OSEN〜φ(n−1)OSEN、VPUP  信号
A、B、C、D  接点
CGATE  ゲート
C0  容量
DI0〜DI3  ダイオード
INV0〜INV3  インバータ
M1  Pチャネルトランジスタ
M2  Nチャネルトランジスタ

Claims (6)

  1. 互いにエッジタイミングのずれた複数の発振信号を出力するオシレータ回路と、
    前記各発振信号を用いてポンピング容量を充放電することにより昇圧動作を行い、それぞれの出力信号を合成して昇圧電圧を生成する、前記発振信号に対応した複数のポンピング回路と、
    イネーブル信号に応じて前記各ポンピング回路の昇圧能力を制御する昇圧能力制御回路と、
    前記発振信号の少なくとも1つについて、前記発振信号のエッジをカウントし、カウント値が設定値になるまで前記ポンピング回路の昇圧能力を低減しておくように前記昇圧能力制御回路に指示する前記イネーブル信号を生成するイネーブル回路を有する昇圧回路。
  2. 前記昇圧能力制御回路は、前記各発振信号の前記各ポンピング回路への伝達を前記イネーブル信号に応じて停止し、また開始することにより、前記ポンピング回路の昇圧を停止させ、また開始させる、前記発振信号に対応した複数のラッチ回路を有している、請求項1記載の昇圧回路。
  3. 前記昇圧能力制御回路は、前記ポンピング回路における前記ポンピング容量を充放電する駆動能力を前記イネーブル信号に応じて変化させることにより、前記ポンピング回路の昇圧能力を制御する、請求項1記載の昇圧回路。
  4. 前記昇圧能力制御回路は、前記ポンピング容量を付加的に充放電するインバータを有し、該インバータを構成するトランジスタを前記イネーブル信号に応じて制御することにより前記駆動能力を制御する、請求項3記載の昇圧回路。
  5. 前記イネーブル回路は、前記設定値を前記ポンピング回路毎に設定可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の昇圧回路。
  6. 前記昇圧電圧と設定電圧とを比較し、前記昇圧電圧が前記設定電圧より低くなったことを検出すると、昇圧動作を開始すべきであると判定する昇圧レベル判定回路をさらに有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の昇圧回路。
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