JP2004146384A - 燃料電池のシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】      薄肉ゴムパッキンの組み込み作業が不要であり、シール性に完全を期すことができる燃料電池のシール構造を提供する。
【解決手段】    ゴムを含むコーティング剤をセパレータの周縁部表面に塗布し、形成された未架橋のゴム薄膜を、放射線架橋などにより加硫又は架橋させ、架橋ゴム層を有する燃料電池用セパレータを調製する。この燃料電池用セパレータを燃料電池本体の両側部に配設することにより、シール性の高い燃料電池を構築する。放射線架橋を利用した燃料電池用セパレータを用いると、ゴムパッキンの成分により燃料電池の性能が阻害されない。
【選択図】     図3

Description

 本発明は、燃料電池、特に固体高分子型燃料電池のシール構造およびこれに用いるゴムパッキンの成形方法に関するものである。
 固体高分子型燃料電池は、イオン導電性を有するイオン交換樹脂等の膜を高分子電解質膜として用い、この高分子電解質膜を挟んでその両側にカソード電極(正極)とアノード電極(負極)の両電極を配置し、例えば負極側に水素ガス等の燃料ガスを、一方正極側には酸素ガス又は空気等の酸化ガスを供給して電気化学反応を起こさせることにより、燃料ガスのもつ化学エネルギーを電気量に変換して電気を発生させるものである。
ところで、このような高分子電解質膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池では、燃料ガスや酸化ガスが高分子電解質膜の周縁部から漏出しないように気密にガスシールしなければならず、通常、圧縮成形、射出成形あるいはシートの打ち抜き等により成形された薄肉のゴムパッキンを高分子電解質膜の周縁部に配設したシール構造が採用されている。
しかしながら、上記のようなシール構造は、燃料ガスおよび酸化ガスに対するガスシールであり、そのシールは長期間に亘り厳重に保持する必要があるため、ゴムパッキンの精度及び耐久性を高めたものが要求されている。また、上記のゴムパッキンは極めて薄いフィルム状の薄膜体であり、圧縮成形、射出成形等により成形した場合には、厚みにばらつきがあり高精度のものが得られないほか、薄肉で柔軟なゴムパッキンを燃料電池の所定の位置に組み込む作業が困難であり、組み付け時に変形や位置ずれが生じて確実なシール性を確保できない問題点がある。
次の特許文献1には、固体電解質型燃料電池のセルとセパレータとの間をシールするためのシール材であって、前記固体電解質型燃料電池の運転温度より低い温度で軟化し、前記運転温度で結晶化して固相状態の結晶化ガラスとなるガラス材料であるシール材が開示されている。しかし、このようなシール材は、単電池とセパレータとの間の所定部位に位置決めしながら配設する必要があり、燃料電池を簡便かつ効率よく構築できない。
特開平10−92450号公報
 従って、本発明の目的は、ゴムパッキンを所定位置に確実に配設でき、しかも緊密なシール性を確保できる燃料電池のシール構造、および前記シール構造に用いるゴムパッキンの成形方法を提供することにある。本発明の他の目的は、高精度で耐久性が高いゴムパッキンを形成できるとともに、薄肉であっても高い作業効率で燃料電池にゴムパッキンを組み込むことができる燃料電池のシール構造、および前記シール構造に用いるゴムパッキンの成形方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、ゴムパッキンの配設作業が不要であり、しかも確実にシールでき、高い生産性で燃料電池アセンブリを構築できる燃料電池のシール構造を提供することにある。
本発明者らは、燃料電池のセパレータの周縁部に、ゴムパッキンとして、加硫又は架橋したゴム層を形成すると、ゴムパッキンを電極とセパレータとの間に配設することなく、薄層であってもゴムパッキンを所定位置に確実に配設でき、緊密なシール性を確保できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、燃料電池の単電池と、この単電池を挟持するセパレータとの間にパッキンが介在するシール構造であって、ゴム溶液をセパレータの周縁部に所定回数塗布することにより、所定の平面形状および厚さに形成したゴムコーティング層をシール材とし、このゴムコーティング層を加硫又は架橋して前記セパレータの周縁部に接着一体化した加硫又は架橋ゴム層によりパッキンを構成するものである。
また好ましくは、ゴム溶液を複数回塗布することによりゴムコーティング層を形成する場合(請求項2)、ゴム溶液をスクリーン印刷法により塗布することによりゴムコーティング層を形成する場合(請求項3)、ゴムコーティング層を放射線照射により加硫又は架橋してパッキンを形成する場合(請求項4)、ゴム溶液として溶剤によりゴムコンパウンドを溶解させたものを用いる場合(請求項5)、ゴム溶液として液状シリコーンゴムを用いる場合(請求項6)がある。
 本発明では、単電池(燃料電池本体)とセパレータとの間に介在させるシール材を、予めセパレータの所定位置表面にゴムパッキンとして成形かつ接着一体化させているので、シール材単体を組み込む作業が不要になり、シール材の変形や位置ずれを生じることなく、ゴムパッキンを所定位置に確実に配設できる。しかも単電池(燃料電池本体)とセパレータ間におけるガスシールを容易かつ確実に行うことができ、緊密なシール性を確保できる。特に、薄肉であっても高い作業効率で燃料電池にゴムパッキンを組み込むことができ、高い生産性で燃料電池アセンブリを構築できる。
また、本発明の前記シール構造のためのゴムパッキンの成形方法では、高精度で耐久性が高いゴムパッキンを形成できる。特に、微細な厚みのゴムシールであっても高い精度で歩留まりよく製造できる。さらに、ゴムパッキンを放射線架橋すると、セパレータを損傷する虞がなくさらにはゴムパッキンからの不純物の溶出を抑制でき、燃料電池の性能を低下させることがない。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、固体高分子型燃料電池を構成する単位セル1の概略縦断面図であり、通常、燃料電池は、複数の前記単位セル1を積層した積層体(図示せず)として構成されている。
図1において、単位セル1は、単電池(燃料電池本体)と単電池を挟持するセパレータとで構成されており、前記単電池は、高分子電解質膜2と、この高分子電解質膜2の両側に配設されたカソード電極3およびアノード電極4とで構成されている。また、単電池(又は燃料電池本体)の前記カソード電極3およびアノード電極4にはそれぞれセパレータ5,6が当接して設けられている。これらのセパレータ5,6は、ガス不透過性であるとともに、導電性の高い導電性材料(例えば、炭素質導電材)で形成されている。すなわち、前記セパレータ5,6はガス遮断性と導電性とを備えた集電体として機能している。前記セパレータ5のカソード電極3側には、図示しない酸化ガス供給管に連通した酸化ガス供給用の溝7が設けられ、前記セパレータ6のアノード電極4側には、図示しない燃料ガス供給管に連通した燃料ガス供給用の溝8が設けられている。
上記単位セル1において、高分子電解質膜2、カソード電極3およびアノード電極4で構成された単電池(燃料電池本体)の周囲に燃料ガスおよび酸化ガスが漏洩するのを防止するとともに、カソード電極側セパレータ5とアノード電極側セパレータ6との間の絶縁を確保するため、単電池とセパレータ5,6との間に額縁状(ループ状)のゴムパッキン9,10が介在している。
そして、本発明では、上記ゴムパッキン9,10は、予めセパレータ5,6の周縁部表面に直接成形され、かつ加硫工程で接着一体化している。すなわち、シール構造において、前記パッキン9,10は、かつセパレータ5(6)の周縁部に直接接着して密着(すなわち、セパレータ表面にループの形態で密着)し、均一な厚みの加硫又は架橋した薄肉ゴム層で構成されている。
前記ゴムパッキン9,10は、図2および図3に示すように、セパレータ5(6)の表面を、額縁状の透孔12を有するマスク11で覆い、溶剤によりゴムコンパウンドを溶解させたゴム溶液をマスク上から塗布するスクリーン印刷法を利用して、所定回数(例えば、複数回)塗布し、前記透孔12を通じてその形状に合致した所定厚さの未加硫ゴムコーティング層13を形成し、上記溶剤を揮発させてから前記未加硫ゴムコーティング層13の加硫処理を行い、セパレータ5の周縁部に額縁状の薄肉ゴム層13(ゴムパッキン9)が加硫接着して一体に形成されている。
予めゴムシールが接着一体化したセパレータを用いると、ゴムパッキンの配設作業が不要であり、ゴムシール層が薄くても、単電池の両側部にセパレータを配設するという簡単な操作により、確実かつ精度よく位置決めして前記単位セルを構築できるとともに、高い組立作業性および生産性で容易に固体高分子型燃料電池のシール構造を形成できる。
前記燃料電池の単電池を構成する電解質膜は、特に制限されず、固体高分子型電解質膜に限らず、リン酸型電解質膜などであってもよい。好ましい電解質膜は、固体電解質膜、特に固体高分子型電解質膜、例えば、スルホン酸基が導入されたフッ素樹脂で構成されたナフィオン膜などが使用できる。
本発明におけるセパレータは、その周縁部に加硫又は架橋ゴム層が形成されており、燃料電池の単電池の両側に配されて単電池の周縁部をシールするものである。前記セパレータは、ガス遮断性又はガス不透過性を有していればよく、導電性を備えた集電体に限らず、非導電性であってもよい。セパレータとしては、通常、集電体を用いる場合が多く、導電性が高く及びガス透過性が低い材料、例えば、炭素材(カーボングラファイト複合材など)などが利用できる。
ゴム層を形成するゴムは加硫又は架橋可能であればよく、例えば、ジエン系ゴム[天然ゴム(NR)又はイソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR))、クロロプレンゴム(CR)など]、ブチルゴム(IIR)、シリコーンゴム(Q)(ポリジメチルシロキサンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、フェニルシリコーンゴム(PMQ)、フッ化シリコーンゴム(FVMQ)、フェニルビニルメチルシリコーンゴム(PVMQ)など)、オレフイン系ゴム(エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)など)、アクリルゴム(アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸C2−8アルキルエステルを含む共重合体ゴム(ACM,ANMなど))、フッ素ゴム(FKM)、ウレタンゴム(U)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリノルボルネンゴム、熱可塑性エラストマー(ポリオレフイン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系樹脂エラストマーなど)などが例示できる。ゴムとしては、液状又はぺ一スト状ゴム、例えば、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリクロロプレン、液状又はぺ一スト状シリコーン(RTVシリコーンゴム,LTVシリコーンゴム)なども使用できる。これらのゴムは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。なお、ゴム溶液として液状シリコーンゴムのような液状ゴムを使用する場合には、溶剤で溶解することなく塗布することができる。ゴム層は、燃料ガス及び酸化剤に対して不活性なゴムで構成するのが好ましい。このようなゴムとしては、優れたクッション性を有する前記オレフイン系ゴム、シリコーンゴムなどが例示できる。
ゴム層は、加硫剤、架橋剤、放射線照射などにより加硫又は架橋している。加硫剤としては、硫黄系加硫剤も使用できるが、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジt一ブチルパ−オキサイド、2,5一ジメチル−2,5一ジ(t一ブチルベルオキシ)ヘキサンなどの有機過酸化物が好ましい。加硫剤の使用量は、ゴム100重量部に対してO.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部程度の範囲から選択できる。
好ましいゴム層は、過酸化物又は放射線照射により加硫又は架橋している。放射線架橋において、必要であれば、光重合開始剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、キサントン系化合物などのケトン類など)をゴム層に含有させてもよい。光重合開始剤の使用量は、例えば、重合性単量体(前記多官能性単量体、単官能性単量体)100重量部に対して1〜10重量部程度の範囲から選択できる。
特に、ゴム層は、加硫剤(架橋剤)および加硫助剤(架橋助剤)を実質的に含まず、放射線架橋により形成されているのが好ましい。放射線架橋によりゴム層(ゴム薄膜層)を形成すると、ゴム分子鎖間で直接C−C結合が形成され、ゴム層に硫黄や過酸化物等の加硫剤や加硫助剤を配合する必要がなく、燃料電池の性能が阻害されることがない。さらに、ゴム材料から燃料電池の性能を阻害する陽イオン不純物(例えば酸化亜鉛や酸化マグネシウム等の金属酸化物)が溶出することもない。なお、電池性能が低下する可能性を低減するため、ゴム層は光重合開始剤を含有していなくてもよい。
さらに、ゴム層は、補強用カーボンブラックを含有していてもよい。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラヅク、アセチレンカーボンブラック、チャンネルカーボンブラック、ランプカーボンブラック、ケッチェンカーボンブラック、サーマルカーボンブラックなどが例示できる。これらのカーボンブラックは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
好ましいカーボンブラックは不純物の少ないカーボンブラック、特にサーマルカーボンブラックである。このサーマルカーボンブラックは、サーマル(熱分解)法、すなわち燃料を燃焼させて熱分解温度以上に加熱した炉内に天然ガスを導入し、天然ガスの熱分解により生産されたカーボンブラックであり、他のオイルフアーネスカーボンブラックやアセチレンカーボンブラック等に比較して、大粒径で低ストラクチヤーの比表面積が非常に小さなカーボンブラックであり、電気絶縁性能に優れるとともに、完全燃焼法のため灰分や硫黄などの不純物含有量が極端に少ない特長を有している。したがって、このサーマルカーボンブラックが配合されたゴムパッキンは、燃料電池の発電に悪影響を及ぼす不純物をほとんど含有せず、燃料電池用セパレータユニットとして好適に使用できる。
好ましいカーボンブラックであるサーマルカーボンブラックの平均粒子径は、通常、100〜500nm、好ましくは120〜500nm、さらに好ましくは150〜400nm、特に200〜350nm(例えば240〜310nm)程度である。また、サーマルカーボンブラックの窒素吸着比表面積は、例えば5〜20m/g、好ましくは7〜15m/g(例えば9〜9.5m/g)、ジブチルフタレート(DBP)吸油量は、例えば10〜50cm/100g、好ましくは20〜45cm/100g、さらに好ましくは25〜45cm/100g(例えば34〜40cm/100g)程度である。
ゴム層中のカーボンブラックの含有量は、例えば、ゴム100重量部に対してカーボンブラック(特にサーマルカーボンブラック)10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部、さらに好ましくは30〜70重量部程度である。
なお、前記ゴム層は、必要に応じて、慣用の配合剤、例えば、加硫促進剤、活性剤、加硫遅延剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、老化防止剤など)、可塑剤、充填剤(ホワイトカーボン、タルク、炭酸カルシウムなど)、軟化剤、滑剤、粘着付与剤、着色剤、硬化剤、補強剤などを添加してもよい。なお、これらの添加剤として、燃料電池の特性に悪影響を及ぼさない成分を選択するのが好ましい。
前記ゴムは、前記のように、加硫剤、架橋剤などの添加剤と組み合わせることにより、ゴムコンパウンド組成物としてコーティング剤中に含有させてもよい。コーティング剤の溶媒としては、ゴムを溶解又は分散可能な種々の溶媒、例えば、炭化水素類(ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、トルエンなどの芳香族炭化水素類)、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類(エタノール、イソプロパノールなどの脂肪族アルコールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプチルケトンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)などが利用できる。これらの溶媒は、混合溶媒として使用してもよい。また、ゴムがエマルジョンなどの形態である場合、溶媒は水又は水溶性溶媒(アルコール類、セロソルブ類など)であってもよい。
ゴムコーティング剤(ゴム溶液)の23℃における粘度は、例えば、0.1〜40Pa・S、好ましくはO.5〜30Pa・S、さらに好ましくは1〜15Pa・S程度である。粘度がO.1Pa・S未満では、形成される未加硫ゴムコーティング層が薄肉で所定の厚みになるまで、塗布回数を多くしなければならず、40Pa・Sを越えると、流動性が悪く、マスクを通過し難く、コーティング層のムラが大きくなる。
ゴム層は、インクジェット方式などを利用して形成してもよいが、生産性などの点から、特にスクリーン印刷などの慣用の印刷法により形成するのが有利である。スクリーン印刷は、慣用の方法、例えば、セパレータ表面をマスクで覆い、このマスクを通じて所定の厚さのゴムコーティング層をセパレータの周縁部に(例えば、ループ状に)形成させる。特に、ゴム層の形状に対応する領域に透孔を有するマスク又はスクリーンを用いることにより行うことができる。コーティング剤は、所定の厚みのゴム層を形成するため、複数回に亘りコーティング又は印刷してもよい。コーティングにより、通常、パッキンの平面形状に対応した閉ループの形態でゴム層が形成される。セパレータは、ゴム層との密着性などを改善するため、前処理してもよい。コーティング剤を、セパレータの表面に直接コーティングし、溶剤を除去して乾燥し、加硫又は架橋処理を施すことにより、前記セパレータと接着一体化した薄肉ゴム層を形成できる。薄肉ゴム層の厚みは、シール性を確保できる限り特に制限されず、例えば、30μm〜1mm、好ましくは50μm〜0.8mm、さらに好ましくは100μm〜500μm程度の範囲から適当に選択できる。
前記加硫剤や架橋剤を含むゴム層は、加熱プレスして加硫又は架橋させてもよい。加硫又は架橋は慣用の方法、例えば、100〜200℃程度の温度で加熱加圧(熱プレス)することにより行うことができる。放射線架橋において、ゴム層は紫外線照射により架橋させてもよいが、電子線、X線、γ線などの高エネルギー活性線により架橋させるのが好ましい。放射線架橋を利用すると、前記と同様に、より小型化が要求されるセパレータユニットを多数重ね合わせて燃料電池を構築する過程で、ゴムパッキンを組み込む作業が不要になることに加えて、加熱プレスすることなくゴムパッキンを架橋して成形できる。そのため、前記加熱加硫又は架橋に比べて、カーボングラファイトなどで形成されたセパレータに何ら損傷を加えることなく、セパレータの品質を劣化させる虞がない。
なお、ゴムパッキンの耐熱性や強度物性を考慮して、放射線照射による架橋は、その照射方法や照射条件を最適化できる。また、架橋方法を組み合わせてゴム層を架橋させてもよい。例えば、放射線架橋によるゴムの完全架橋に限らず、プレ架橋として放射線架橋を使用し、加熱処理やマイクロ波によるポスト架橋をすることができる。
原料ゴムとして市販のエチレン−プロピレンターポリマーゴム(EPT)100重量部に対し、架橋剤として過酸化物ジクミルパーオキサイド(DCP/100)を3重量部、ステアリン酸1.0重量部、その他所望の配合剤とともに配合し、ミキシングロールで混練し、未加硫ゴムを調製した。この未加硫ゴムを約1cm角程度に細片化し、得られた細片をトルエンと共に真空脱泡装置付攪拌機に投入し、大気圧下で10時間攪拌し溶解後、真空脱泡装置を駆動し真空化で更に15分間攪拌脱泡した。なお、前記未加硫ゴムとトルエンとの割合を,前者/後者(重量比)=30/70とし、得られるゴム溶液の粘度を23℃において、5Pa・Sとなるようにした。
次いで、上記の溶解脱泡したEPTゴム溶液をカーボングラファイト製集電体の所定表面にスクリーン印刷により塗布した後、熱風乾燥機(80℃)にて5分間乾燥させて溶剤を揮発させた。この塗布および乾燥の処理を繰り返し7回行い、集電体周縁部表面に厚み300μmの未加硫ゴムコーティング層を形成した。その後、集電体上のゴム層を電子線照射によって架橋することにより接着一体化したゴムシールを形成した。
原料ゴムとして市販のEPDM100重量部に対し、補強剤としてサーマルブラック(キャンカーブ社製、MTカーボンN990ウルトラピュア)40重量部を添加配合し、ミキシングロールで混練して未加硫ゴムを調製した。この未加硫ゴムを約1cm角程度に細片化し、得られた細片をトルエンと共に真空脱泡装置付攪拌機に投入し、大気圧下で10時間攪拌し溶解後、真空脱泡装置を駆動し真空化で更に15分間攪拌脱泡した。
次いで、上記の溶解脱泡したEPDMゴム溶液をカーボングラファイト製セパレータの所定表面にスクリーン印刷により塗布した後、熱風乾燥機(80℃)にて5分間乾燥させて溶剤を揮発させた。この塗布および乾燥の処理を繰り返し7回行い、セパレータ周縁部表面に厚み300μmの未架橋のゴム薄膜を形成した。その後、電子線照射装置に導入しセパレータ上のゴム薄膜を窒素雰囲気中において照射線量15〜80Mradの電子線を照射して架橋することにより、ゴムパッキンが直接成形され接着一体化された燃料電池用セパレータを得た。
固体高分子型燃料電池を構成する単位セルの概略縦断面図である。 ゴムパッキンの成形工程の一部を示す概路断面図である。 ゴムパッキンが一体成形されたセパレータを示す概略断面図である。
符号の説明
1 単位セル
2 高分子電解質膜
3 カソード電極
4 アノード電極
5 カソード電極側セパレータ
6 アノード電極側セパレータ
7,8 溝
9,10 ゴムパッキン
11 マスク
12 透孔
13 ゴムコーティング層

Claims (6)

  1. 燃料電池の単電池と、この単電池を挟持するセパレータとの間にパッキンが介在するシール構造であって、
    ゴム溶液をセパレータの周縁部に所定回数塗布することにより、所定の平面形状および厚さに形成したゴムコーティング層をシール材とし、このゴムコーティング層を加硫又は架橋して前記セパレータの周縁部に接着一体化した加硫又は架橋ゴム層によりパッキンを構成したことを特徴とする燃料電池のシール構造。
  2. ゴム溶液を複数回塗布することによりゴムコーティング層を形成した請求項1に記載の燃料電池のシール構造。
  3. ゴム溶液をスクリーン印刷法により塗布することによりゴムコーティング層を形成した請求項1又は2に記載の燃料電池のシール構造。
  4. ゴムコーティング層を放射線照射により加硫又は架橋してパッキンを形成した請求項1又は2に記載の燃料電池のシール構造。
  5. ゴム溶液が、溶剤によりゴムコンパウンドを溶解させて形成されている請求項1又は2に記載の燃料電池のシール構造。
  6. ゴム溶液が、液状シリコーンゴムからなる請求項1又は2に記載の燃料電池のシール構造。
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