JP4954025B2 - 燃料電池用パッキンの形成方法 - Google Patents

燃料電池用パッキンの形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4954025B2
JP4954025B2 JP2007292411A JP2007292411A JP4954025B2 JP 4954025 B2 JP4954025 B2 JP 4954025B2 JP 2007292411 A JP2007292411 A JP 2007292411A JP 2007292411 A JP2007292411 A JP 2007292411A JP 4954025 B2 JP4954025 B2 JP 4954025B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
rubber
packing
forming
separator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007292411A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009117314A (ja
Inventor
治人 高尾
啓悟 工藤
吉活 掛鯛
幹人 北井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tigers Polymer Corp
Original Assignee
Tigers Polymer Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tigers Polymer Corp filed Critical Tigers Polymer Corp
Priority to JP2007292411A priority Critical patent/JP4954025B2/ja
Publication of JP2009117314A publication Critical patent/JP2009117314A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4954025B2 publication Critical patent/JP4954025B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、燃料電池、特に固体高分子型燃料電池に使用されるパッキンに関するものである。特に燃料電池本体やセパレータに架橋一体化されるパッキンの形成方法に関する。
固体高分子型燃料電池は、イオン導電性を有するイオン交換樹脂等の膜を高分子電解質膜として用い、この高分子電解質膜を挟んでその両側にカソード電極(正極)とアノード電極(負極)の両電極を配置して単電池(燃料電池本体:MEA)を構成し、例えば負極側に水素ガス等の燃料ガスを、一方正極側には酸素ガス又は空気等の酸化ガスを供給して電気化学反応を起こさせることにより、燃料ガスのもつ化学エネルギーを電気量に変換して電気を発生させるものである。
このような固体高分子型燃料電池は単セルを複数積層して構成されるが、隣接する単セル間には、電極との間で燃料ガス流路および酸化ガス流路を形成しかつ燃料ガスと酸化ガスを仕切るセパレータが設けられている。そして、電極や高分子電解質膜とセパレータ間は、燃料ガスや酸化ガスが高分子電解質膜の周縁部から漏出しないように気密にガスシールしなければならず、例えば特許文献1には、セパレータの所定位置表面にゴム溶液をスクリーン印刷により塗布して形成された未架橋のゴム薄膜を放射線架橋してゴムパッキンを成形一体化することが記載されている。
特開2001−196078号公報
特許文献1のように、液状ゴムをスクリーン印刷して未架橋のパッキン前駆体であるゴム薄膜を形成するにあたっては、使用する液状ゴムの性状がスクリーン印刷に適したものである必要がある。すなわち、液状ゴムはスクリーンのメッシュを透過してマスクにより形成された空間を充填するのに適切で、かつメッシュを通過する際に空気を巻き込みにくいような適度な範囲の粘性を有するとともに、スクリーンメッシュを取り外した際に、形成された未架橋のパッキン前駆体が流れて形状が崩れることがないよう、適度なチクソ性を有することが求められる。
液状ゴムのチクソ性を高める方法としては、炭酸カルシウムなどの充填剤を添加する方法が公知であるが、この方法をとった場合には、粘度が上昇しやすく、スクリーン印刷に適さなくなる場合がある。また、これら充填材を使用すると金属イオンが溶出して、燃料電池の性能を低下させる虞があった。
液状ゴムをスクリーン印刷に使用するために、粘性(充填性や空気の巻き込み)やチクソ性を互いにバランスを取りながら調整することは非常に難しく、特に水素添加イソプレンゴムを主成分とする液状ゴム材料によりスクリーン印刷を行い、パッキンを形成し、燃料電池本体の周縁部のシール用途に使用することは未だ実現されていなかった。
したがって、本発明は、水素添加イソプレンゴムを主成分とする液状ゴムをスクリーン印刷に適用可能とするとともに、当該液状ゴムによりシールが確実に行えるパッキンを燃料電池構成部品上に一体に形成する燃料電池用パッキンの形成方法を提供することを目的とする。
発明者らは、鋭意検討の結果、パッキンを形成するゴム材料として、水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物に、カーボンブラックを混合した液状ゴム組成物を使用すると、燃料電池構成部品上にスクリーン印刷によってパッキンを一体に形成できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、高分子電解質膜、カソード電極およびアノード電極からなる燃料電池本体とセパレータとの間に介在させるパッキンの形成方法であって、セパレータあるいは燃料電池本体の所定位置表面に、ゴム溶液を塗布して未架橋のゴム薄膜を形成する工程、未架橋のゴム薄膜を架橋することによりセパレータあるいは燃料電池本体に成形一体化させる工程、架橋ゴム薄膜が成形一体化されたセパレータあるいは燃料電池本体を積層して単セルを組み立てることにより、高分子電解質膜の周縁部をシールする工程を備えており、前記ゴム溶液が、水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物にカーボンブラックを添加してチクソ性を向上させた液状ゴム組成物であり、前記ゴム薄膜形成工程において、前記セパレータまたは燃料電池本体の周縁部表面にスクリーン印刷によりゴム溶液を塗布して未架橋のゴム薄膜を形成することを特徴とする燃料電池用パッキンの形成方法である。
カーボンブラックはMTカーボンであることが好ましい(請求項2)。また、液状ゴム組成物にポリシロキサンを添加しても良い(請求項3)。また、ポリシロキサンはポリジメチルシロキサンやポリフェニルシロキサン及びそれらの変性物であることが好ましい(請求項4)。また、水素添加イソプレンゴム組成物100重量部に対し、カーボンブラックは5〜20重量部、ポリシロキサンは0.5〜2重量部であることが好ましい(請求項5)。さらに、水素添加イソプレンゴム組成物には、イソシアネート化合物を添加することが好ましい。(請求項6)
本発明によれば、燃料電池の単電池とセパレータの間をシールするシール材として、水素添加イソプレンゴムを主成分とする液状ゴム組成物にカーボンブラック(特にMTカーボン)を混合した液状ゴム組成物を用いたので、該液状ゴム組成物により、好適にスクリーン印刷を行うことができ、燃料電池セパレータに適したパッキンを形成できる。さらに、パッキンをスクリーン印刷によって形成し、その後架橋することにより、セパレータや燃料電池本体の周縁部に架橋接着一体化したので、パッキンの成形・一体化が能率よく行えるとともに、パッキンを組み込む作業が不要となり、パッキンが所定位置に確実に配設されてシール性に完全を期すことができるという効果が得られる。
さらに、ゴム組成物にポリシロキサン(特にポリジメチルシロキサンやポリフェニルシロキサン及びそれらの変性物)を混合する場合には、スクリーン印刷の際に空気を巻き込みにくくなり、形成されるパッキンの表面状態を改善し、シールをより確実に行うことができる。
さらに、ゴム組成物にイソシアネート化合物を添加して架橋する場合には、パッキンからの不純物の抽出量を低減でき、燃料電池用パッキンに、より好適であるという効果も得られる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1は、固体高分子型燃料電池を構成する単セル1の概略縦断面図であり、通常燃料電池はこの単セル1を複数積層した積層体(図示せず)として構成されている。
図1において、単セル1は、高分子電解質膜2とこの高分子電解質膜2を挟んで両側に配設されるカソード電極3およびアノード電極4とからなる燃料電池本体(MEA)と、カソード電極3およびアノード電極4にそれぞれ当接するように設けられたセパレータ5,6とにより構成されている。また、カソード電極側セパレータ5の電極3側には酸化ガス供給用の溝7が設けられ、アノード電極側セパレータ6の電極4側には燃料ガス供給用の溝8が設けられ、溝7は図示しない酸化ガス供給管に、溝8は図示しない燃料ガス供給管にそれぞれ連通している。
上記単位セル1において、高分子電解質膜2、カソード電極3およびアノード電極4で構成された単電池(燃料電池本体)の周囲に燃料ガスおよび酸化ガスが漏洩するのを防止するとともに、カソード電極側セパレータ5とアノード電極側セパレータ6との間の絶縁を確保するため、単電池とセパレータ5,6との間に額縁状(ループ状)のパッキン9,9が介在している。本発明においては、図2において一部を拡大して示すように、上記パッキン9が、あらかじめセパレータ5,6の周縁部表面に直接成形されたうえ、接着一体化されたものである。パッキン9は、比較的ゴム硬度の高い主体層10とその表面に被覆した比較的ゴム硬度の低い被覆層11との積層構造とすることができる。
本実施形態において、主体層10と被服層11とは、水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物にカーボンブラックを混合したゴム組成物からなる。
水素添加イソプレンゴムとしては、例えば出光興産株式会社製のエポール(商品名)が例示できる。水素添加イソプレンゴムは、後述するイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応できる反応基を有する水素添加イソプレンゴムであることが好ましい。ゴムの特性を改善する目的で、その他のゴムを追加したゴム組成物とすることもできる。追加できるゴム成分としては、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンイソプレンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、フルオロアクリルゴム、スチレン系ゴムなどのゴムや、これらゴムに水素添加したゴムが例示できる。なお、他のゴム成分を追加せずに、水素添加イソプレンゴム単体で使用しても良い。
カーボンブラックとしては、MTカーボン、FTカーボン、SRFカーボン、MAFカーボン、FEFカーボン、HAFカーボン、ISAFカーボン、SAFカーボンが使用できる。ゴム組成物に添加した際にゴム硬度が上昇しにくいという観点からは、MTカーボン、FTカーボン、SRFカーボンが好ましく、特にMTカーボンは不純物をほとんど含まないので、燃料電池に使用するパッキンの原材料として特に好ましい。カーボンブラックは、水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物100重量部に対し、1〜40重量部、さらに好ましくは、5〜20重量部添加するのが好ましい。添加量が1以下であると、適度なチクソ性が得られにくくなり、添加量が40を超えると、得られるゴム組成物の硬度が上がってしまい、燃料電池に必要とされる薄肉パッキンによるシールに適さなくなる。
上記した水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物にカーボンブラックを混合したゴム組成物には、ポリシロキサンを添加しても良い。
カーボンブラックと組み合わせて、ポリシロキサンを添加するとスクリーン印刷の際に巻き込まれた空気が抜けやすくなる。ポリシロキサンとしては、ポリオルガノシロキサン、特に、ポリジメチルシロキサンやポリフェニルシロキサンが好ましい。これらポリシロキサンに各種変性を加えた、変性ポリジメチルシロキサンや変性ポリフェニルシロキサンでも良い。これらポリシロキサンは、水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物100重量部に対し、0.05〜4重量部、さらに好ましくは、0.5〜2重量部添加するのが好ましい。添加量が0.05重量部以下であると、巻き込んだ空気が抜けにくく、添加量が4重量部を超えるとポリシロキサンと液状ゴム組成物の混合が難しくなる。
スクリーン印刷によりパッキンを形成する場合、液状ゴム材料がスクリーンメッシュを通過した際に巻き込んだ空気を残していると、得られるパッキンの表面状態が悪くなり、シール性に悪影響を及ぼすので、スクリーン印刷に使用する材料には、巻き込んだ空気を残存させずに速やかに放出する性質が求められている。カーボンブラックと組み合わせて、ポリシロキサンを添加すると、スクリーン印刷の際に巻き込んだ空気の残存量を低減し、表面状態が滑らかなパッキンが得られ、シールが確実に行えるという効果がある。なお、巻き込んだ空気を抜けやすくするためには、有機溶剤を添加して液状ゴムの粘度を下げることなどがよいことが知られているが、この方法をとった場合には、液状ゴムの粘度やチクソ性が著しく低下してしまい、スクリーン印刷に適さないものとなってしまいやすい。
また、上記液状ゴム組成物には、任意成分として、イソシアネート化合物を添加することができる。イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,3ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)が例示でき、これらのイソシアネート化合物のTMPアダクト変性体、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、アロファネート変性体も本発明に使用できる。特に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)およびその変性体が好ましい。イソシアネート化合物は、水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物100重量部に対し、6〜26重量部添加するのが好ましく、より好ましくは、16〜21重量部添加する。
イソシアネート化合物を添加すると、イソシアネート化合物は架橋時に分解することがなく、そのイソシアネート基が、水素添加イソプレンゴムの反応基に結合し、架橋後のゴム組成物中の分解物や、未結合の化合物を少なくすることができ、これら分解物や未結合の化合物が不純物として抽出されることを防止できる。
以下、上記実施形態の液状ゴムを使用したパッキンの製造方法を説明する。まず主体層10は、図3および図4に示すように、セパレータ5(6)の表面に額縁状の透孔13を有する第1のマスク12を装填したうえで、マスク上から液状の水素添加イソプレンゴム組成物とカーボンブラック(MTカーボン)とを混合した液状ゴム組成物を塗布するスクリーン印刷を所定の回数行い、透孔13を通じてその形状に合致した未加硫のゴム薄膜(パッキン前駆体)を形成する。その際、必要に応じて液状ゴムにポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン)やイソシアネート化合物(ヘキサメチレンジイソシアネート)を添加しておく。その後、前記ゴム薄膜を架橋することにより、セパレータ周縁部に架橋接着一体化された額縁状のパッキン主体層10が得られる。この架橋は、熱風や赤外線照射などの加熱処理によって行うことができる。また、スクリーン印刷を繰り返す際に、都度架橋を行っても良い。
次いで、図5および図6に示すように、形成した主体層10の表面に上記透孔13より若干大きい寸法の額縁状の透孔15を有する第2のマスク14を装填したうえで、マスク上から液状の水素添加イソプレンゴム組成物とカーボンブラック(MTカーボン)を混合した液状ゴム組成物を塗布するスクリーン印刷を所定の回数行い、透孔15を通じてその形状に合致した被覆層11を形成し、その後、被覆層11を架橋する。この架橋も加熱処理により処理を行う事ができ、主体層10の表面に被覆層11を接着一体化できる。被覆層11を構成するゴム組成物は、主体層を構成するゴム組成物よりも硬度の低いものを使用することが気密性向上の観点から好ましい。
このようにパッキン9が一体化されたセパレータ5,6を、単電池に積層して組立て、パッキン9によりセパレータ周縁部がシールされた燃料電池が得られる。
上記実施形態では、主体層10と被覆層11とからなる積層構造のパッキン9を水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物を使用したスクリーン印刷によって形成し、該パッキンにより燃料電池単セルの周縁部をシールすることを説明したが、本発明は、積層構造のパッキンに限定されるものではなく、パッキン9は単層のパッキンとしても良い。その場合は、図3、図4に示した塗布工程完了後に架橋工程を行えば、セパレータへのパッキン接着一体化を完了でき、図5以降の工程の不要となる。
また、積層構造のパッキンとする場合であっても、必ずしも主体層と被覆層として設ける必要はなく、比較的大きく(幅広に)形成された基材層の上に、比較的小さく(幅狭く)形成された上部層を積層した構造のパッキンとしても良い。
また、上記実施形態では、イソシアネート化合物を混合してゴムの架橋を行ったが、これに限定されるものではなく、パーオキサイド化合物などを使用することもできる。
また、上記実施形態においては、セパレータ上にパッキン9を形成する方法を説明したが、パッキン9の形成対象はセパレータに限定されるものではなく、パッキン9を高分子電解質膜などの燃料電池本体上に一体に設けても良い。
(実施例1)液状の水素添加イソプレンゴム(出光興産製、商品名エポール)100重量部と、カーボンブラック(MTカーボン)20重量部と、ポリシロキサン(ポリジメチルシロキサン)0.5重量部を混合した後、更に、ヘキサメチレンジイソシアネート18.1重量部を添加・混合して未架橋の液状ゴム組成物を得た。
(実施例2)液状の水素添加イソプレンゴム(出光興産製、商品名エポール)100重量部と、カーボンブラック(MTカーボン)20重量部を混合した後、更に、ヘキサメチレンジイソシアネート18.1重量部を添加・混合して未架橋の液状ゴム組成物を得た。
前記液状ゴム組成物を使用してスクリーン印刷を行い、セパレータ上に額縁状の未架橋のパッキン前駆体たるゴム薄膜を形成し、形成されたパッキン前駆体とともにセパレータを120℃で10分間HAV加熱し、ゴム組成物を架橋してセパレータに接着一体化させた。この工程を3回繰り返し、セパレータに接着一体化された厚さ0.5mmのパッキンを得ることができた。
(比較例)
比較例1として、水素添加イソプレンゴム100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート18.1重量部を添加・混合した液状ゴム組成物により、同様にスクリーン印刷によりパッキンの形成を試みた。
実施例及び比較例の液状ゴム組成物を用いて、それぞれスクリーン印刷によりセパレータ上にパッキンの形成を試み、成形性とパッキンの表面状態を評価した。成形性については、実施例1及び実施例2においては、スクリーン印刷用のメッシュを通過するのに適度な粘度を持ちながら、マスクを外しても形成されたパッキン前駆体が型崩れせず、スクリーン印刷をうまく行うことができたが、比較例1においては、メッシュを通過するのに適度な粘度とするとマスクを外した際にパッキン前駆体が型崩れしてしまい、スクリーン印刷がうまく行えなかった。空気の巻き込みについては、スクリーン印刷した後に架橋を行って得られたパッキンの表面を観察して評価した。実施例1では、気泡やあばた、ピンホールが存在せず、パッキンの表面が平滑で表面状態が良かった。実施例2においては、パッキン表面に気泡やあばたが少量存在していたが、シール性に不都合を与えるようなものではなかった。比較例3はスクリーン印刷による成形性が悪いため、パッキンの表面状態を評価するに至らなかった。
以上、示すように、本発明実施例のゴム組成物は、いずれも成形性が良く、空気の巻き込みも少ないことが確認された。一方、比較例1のゴム組成物では、液状ゴムの粘度を調整しても、うまくパッキン前駆体をスクリーン印刷で形成できなかった。
本発明によれば、燃料電池本体とセパレータとの間に介在させる水素添加イソプレンゴムを主成分とするシール材を、あらかじめセパレータや単電池の所定位置表面に架橋接着一体化させたパッキンを構成したので、パッキンを組み込む作業が不要になり、パッキンの変形や位置ずれを生じることなく、燃料電池本体とセパレータ間におけるガスシールを容易かつ確実に行うことができるとともに、そのシール材をスクリーン印刷によって効率的・経済的に製造することができる。
固体高分子型燃料電池を構成する単セルの概略縦断面図。 図1の一部拡大断面図。 主体層の成形工程の一部を示す図。 セパレータに主体層が一体成形された状態を示す図。 被覆層の成形工程の一部を示す図。 主体層に被覆層が被覆された状態を示す図。
符号の説明
1 単セル
2 高分子電解質膜
3 カソード電極
4 アノード電極
5 カソード電極側セパレータ
6 アノード電極側セパレータ
7,8 溝
9,9 パッキン
10 主体層
11 被覆層
12 第1のマスク
13 透孔
14 第2のマスク
15 透孔

Claims (6)

  1. 高分子電解質膜、カソード電極およびアノード電極からなる燃料電池本体とセパレータとの間に介在させるパッキンの形成方法であって、
    セパレータあるいは燃料電池本体の所定位置表面に、ゴム溶液を塗布して未架橋のゴム薄膜を形成する工程、
    未架橋のゴム薄膜を架橋することによりセパレータあるいは燃料電池本体に成形一体化させる工程、
    架橋ゴム薄膜が成形一体化されたセパレータあるいは燃料電池本体を積層して単セルを組み立てることにより、高分子電解質膜の周縁部をシールする工程を備えており、
    前記ゴム溶液が、水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物にカーボンブラックを添加してチクソ性を向上させた液状ゴム組成物であり、
    前記ゴム薄膜形成工程において、前記セパレータまたは燃料電池本体の周縁部表面にスクリーン印刷によりゴム溶液を塗布して未架橋のゴム薄膜を形成する
    ことを特徴とする燃料電池用パッキンの形成方法。
  2. カーボンブラックがMTカーボンであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用パッキンの形成方法。
  3. 液状ゴム組成物にポリシロキサンを添加して、スクリーン印刷の際に巻き込まれた空気の放出性を高めたことを特徴とする請求項2記載の燃料電池用パッキンの形成方法。
  4. ポリシロキサンがポリジメチルシロキサンまたはポリフェニルシロキサンまたはそれらの変性物であることを特徴とする請求項3記載の燃料電池用パッキンの形成方法。
  5. 水素添加イソプレンゴム組成物100重量部に対し、MTカーボンが5〜20重量部、ポリシロキサンが0.5〜2重量部であることを特徴とする請求項3記載の燃料電池用パッキンの形成方法。
  6. 液状ゴム組成物にイソシアネート化合物を添加することを特徴とする請求項3記載の燃料電池用パッキンの形成方法。
JP2007292411A 2007-11-09 2007-11-09 燃料電池用パッキンの形成方法 Expired - Fee Related JP4954025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007292411A JP4954025B2 (ja) 2007-11-09 2007-11-09 燃料電池用パッキンの形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007292411A JP4954025B2 (ja) 2007-11-09 2007-11-09 燃料電池用パッキンの形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009117314A JP2009117314A (ja) 2009-05-28
JP4954025B2 true JP4954025B2 (ja) 2012-06-13

Family

ID=40784204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007292411A Expired - Fee Related JP4954025B2 (ja) 2007-11-09 2007-11-09 燃料電池用パッキンの形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4954025B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5704049B2 (ja) * 2011-10-13 2015-04-22 信越化学工業株式会社 導電性回路形成方法
WO2020105333A1 (ja) 2018-11-21 2020-05-28 株式会社スリーボンド 光硬化性樹脂組成物、燃料電池用シール材およびこれらの硬化物、燃料電池ならびにシール方法
JP7411466B2 (ja) * 2020-03-18 2024-01-11 本田技研工業株式会社 ゴムシールの製造方法
JPWO2022044596A1 (ja) 2020-08-31 2022-03-03
CN118434809A (zh) 2021-12-20 2024-08-02 三键有限公司 固化性树脂组合物

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3340795B2 (ja) * 1993-05-11 2002-11-05 三洋化成工業株式会社 バラスト固結法および固結材
EP1296395B1 (en) * 2000-06-27 2012-08-08 Nok Corporation Gasket assembly for fuel cell
JP3796659B2 (ja) * 2001-11-12 2006-07-12 信越化学工業株式会社 固体高分子型燃料電池セパレータシール用ゴム組成物及びこれを用いたシール材並びに固体高分子型燃料電池セパレータ
JP3758037B2 (ja) * 2002-02-28 2006-03-22 信越化学工業株式会社 固体高分子型燃料電池セパレータシール用ゴム組成物及びこれを用いたシール材並びに固体高分子型燃料電池セパレータ
JP2005050728A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Nichias Corp 燃料電池のセパレータ用ゴムガスケット
JP4773059B2 (ja) * 2004-03-30 2011-09-14 ニチアス株式会社 燃料電池用セパレータ用ゴムガスケット
JP4192824B2 (ja) * 2004-04-08 2008-12-10 Nok株式会社 燃料電池用セルシール
JP2006164659A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Mitsubishi Electric Corp 燃料電池セル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009117314A (ja) 2009-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6451469B1 (en) Sealing structure of fuel cell and process for molding rubber packing
JP4954025B2 (ja) 燃料電池用パッキンの形成方法
US20160049670A1 (en) Manufacturing method of fuel cell module and manufacturing method of fuel cell
EP2096701B1 (en) Fuell cell, fuel cell stack, and method for manufacturing fuel cell
JP5638508B2 (ja) 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体の製造方法
WO2012137609A1 (ja) 燃料電池用電解質膜・電極構造体及びその製造方法
JP2019003821A (ja) 燃料電池およびその製造方法
KR100551809B1 (ko) 복합 가스켓을 포함하는 연료전지스택용 단셀 구조
CN110391437B (zh) 燃料电池和燃料电池的制造方法
US10128520B2 (en) Fuel cell
CN105322108B (zh) 燃料电池的印刷多功能密封件
JP3511373B2 (ja) 燃料電池のシール構造およびゴムパッキンの成形方法
JP2013033650A (ja) 固体電解質型燃料電池用電解質膜・電極構造体
JP4954024B2 (ja) 燃料電池パッキン及びシール構造
JP3682924B2 (ja) シール付き燃料電池用セパレータの製造方法およびシール付き燃料電池用セパレータ
JP4450607B2 (ja) 燃料電池のシール方法および燃料電池用ゴムパッキンの形成方法
JP5849418B2 (ja) 膜電極接合体の製造方法
JP2007294387A (ja) 色素増感型太陽電池用封止材
JP3862210B2 (ja) 燃料電池のシール構造およびパッキンの成形方法
JP2013157093A (ja) 燃料電池
JP5615794B2 (ja) 燃料電池用電解質膜・電極構造体の製造方法
JP2016018587A (ja) 固体高分子型燃料電池用のセパレータの製造方法
JP2005011662A (ja) 燃料電池用シール材の形成方法
JP2019009098A (ja) 燃料電池
JP4463236B2 (ja) 燃料電池用パッキン

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120306

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4954025

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20180323

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees