JP2016018587A - 固体高分子型燃料電池用のセパレータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 確実なシール性を発揮するとともに、組みつけの際の寸法許容度を高めうるようなシール部材が一体化された、燃料電池用のセパレータや膜電極接合体を提供する。
【解決手段】シール部材9が一体化された燃料電池のセパレータ5が製造される。発泡ゴムからなるシール部材主部91の表面に粘着層92が積層一体化されてシール部材9が構成される。シール部材9の成形は、発泡材料を配合した未架橋の液状ゴム材料を準備する工程と、セパレータ5の表面に前記液状ゴム材料をスクリーン印刷して、シール部材主部の平面パターンを有するシール部材主部の前駆体91Pを形成する工程と、シール部材主部の前駆体91Pの未架橋液状ゴム材料を発泡させて架橋して、発泡ゴムから成るシール部材主部91を形成する工程と、シール部材主部91もしくはシール部材主部の前駆体91Pの表面に粘着剤を塗布し粘着層92を形成する工程とを含む成形法により行われる。
【選択図】 図1
【解決手段】シール部材9が一体化された燃料電池のセパレータ5が製造される。発泡ゴムからなるシール部材主部91の表面に粘着層92が積層一体化されてシール部材9が構成される。シール部材9の成形は、発泡材料を配合した未架橋の液状ゴム材料を準備する工程と、セパレータ5の表面に前記液状ゴム材料をスクリーン印刷して、シール部材主部の平面パターンを有するシール部材主部の前駆体91Pを形成する工程と、シール部材主部の前駆体91Pの未架橋液状ゴム材料を発泡させて架橋して、発泡ゴムから成るシール部材主部91を形成する工程と、シール部材主部91もしくはシール部材主部の前駆体91Pの表面に粘着剤を塗布し粘着層92を形成する工程とを含む成形法により行われる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、固体高分子型燃料電池に使用されるセパレータや膜電極接合体の製造方法に関する。特に燃料電池の発電領域に供給される反応ガスをシールするためのシール部材が一体化されたセパレータや膜電極接合体の製造方法に関するものである。
固体高分子型燃料電池は、イオン導電性を有するイオン交換樹脂等の膜を高分子電解質膜として用い、この高分子電解質膜を挟んでその両側にカソード電極(正極)とアノード電極(負極)の両電極を配置して膜電極接合体(MEA)を構成し、例えば負極側に水素ガス等の燃料ガスを、一方正極側には酸素ガス又は空気等の酸化ガスを供給して電気化学反応を起こさせることにより、燃料ガスのもつ化学エネルギーを電気量に変換して電気を発生させるものである。通常、MEAの両側にセパレータが配設されて、単セルが構成される。
そして、固体高分子型燃料電池は、通常、上記MEAを含む単セルを複数積層して構成される。各単セルにおいて、MEAとセパレータの間は、燃料ガスや酸化ガスが漏れ出さないようにシールされている。シール部材をセパレータや膜電極接合体(MEA)に一体に成形しておくと、燃料電池の組み立てがしやすい。
そのような反応ガスのシールを行うシール部材を、セパレータやMEAに一体に成形する技術として、種々のものが開発されている。
例えば、特許文献1には、水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物にイソシアネート化合物を混合したゴム組成物によりシール部材を形成しつつ、セパレータの周縁部に架橋接着する技術が開示されている。当該技術によれば、パッキンからの不純物の抽出量を低減することができる。
例えば、特許文献1には、水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物にイソシアネート化合物を混合したゴム組成物によりシール部材を形成しつつ、セパレータの周縁部に架橋接着する技術が開示されている。当該技術によれば、パッキンからの不純物の抽出量を低減することができる。
また、特許文献2には、燃料電池の膜電極接合体のフレームに、ガス流入防止部を備えるシール部材を一体化する技術が開示されている。当該技術によれば、ガス流入防止部によって、反応ガスがマニフォールド入口からマニフォールド出口へショートカットするのを抑制できる。
燃料電池の反応ガスをシールするシール部材には、確実なシール性が求められる。一方で、燃料電池には小型化が求められており、シール部材の寸法を小型化することが求められている。シール部材が小型化すると、シール構造の寸法許容度が低下するので、シール構造をより精密な寸法に製造することが求められる。
本発明の目的は、確実なシール性を発揮するとともに、組みつけの際の寸法許容度を高めうるようなシール部材が一体化されたセパレータや膜電極接合体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そのようなセパレータや膜電極接合体を効率的に製造することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、発泡材料を含む液状ゴム材料のスクリーン印刷によりシール部材の平面パターンを形成し、その後、液状ゴム材料を発泡させて架橋してシール部材主部を形成すると共に、粘着剤の塗布によりシール部材主部に積層して粘着層を形成すると、上記目的が達成できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、シール部材が一体化された固体高分子型燃料電池のセパレータを製造する方法であって、シール部材をセパレータもしくはセパレータの前駆体に一体成形する工程を有しており、前記シール部材は、発泡ゴムからなるシール部材主部の表面に粘着層が積層一体化されたシール部材であり、前記シール成形工程は、発泡材料を配合した未架橋の液状ゴム材料を準備する工程と、前記セパレータもしくはセパレータ前駆体の表面に前記液状ゴム材料をスクリーン印刷して、シール部材主部の平面パターンを有するシール部材主部の前駆体を形成する工程と、スクリーン印刷工程に引き続いて、シール部材主部の前駆体の未架橋液状ゴム材料を発泡させて架橋して、発泡ゴムから成るシール部材主部を形成する工程と、シール部材主部もしくはシール部材主部の前駆体の表面に粘着剤を塗布し粘着層を形成する工程とを含む、シール部材が一体成形された燃料電池セパレータの製造方法である(第1発明)。
本発明においては、シール部材主部形成工程において、未架橋液状ゴム材料を2〜25倍の発泡倍率で発泡させて架橋し、シール部材主部を形成することが好ましい(第2発明)。さらに、第2発明においては、未架橋ゴム材料に配合する発泡材料に、熱膨張性マイクロカプセル発泡材を含ませることが好ましい(第3発明)。また、第2発明においては、粘着層形成工程において、粘着剤塗布後に粘着剤を架橋することが好ましい(第4発明)。
また、本発明は、樹脂フィルムを額縁状に形成したフレームに、シール部材及び高分子電解質膜を一体化し、固体高分子型燃料電池の膜電極接合体を製造する方法であって、シール部材を、フレームもしくはフレームの前駆体に一体成形する工程を有しており、前記シール部材は、発泡ゴムからなるシール部材主部の表面に粘着層が積層一体化されたシール部材であり、前記シール成形工程は、発泡材料を配合した未架橋の液状ゴム材料を準備する工程と、前記フレームもしくはフレーム前駆体の表面に前記液状ゴム材料をスクリーン印刷して、シール部材主部の平面パターンを有するシール部材主部の前駆体を形成する工程と、スクリーン印刷工程に引き続いて、シール部材主部の前駆体の未架橋液状ゴム材料を発泡させて架橋して、発泡ゴムから成るシール部材主部を形成する工程と、シール部材主部もしくはシール部材主部の前駆体の表面に粘着剤を塗布し粘着層を形成する工程とを含む、シール部材が一体成形された膜電極接合体の製造方法である(第5発明)。第5発明においては、シール部材主部形成工程において、未架橋液状ゴム材料を2〜25倍の発泡倍率で発泡させて架橋し、シール部材主部を形成することが好ましい(第6発明)。
本発明のセパレータの製造方法(第1発明)や膜電極接合体の製造方法(第5発明)によれば、シール性に優れるシール部材を、セパレータや膜電極接合体に対し効率的に一体成形できる。また、得られるシール部材は柔軟性に富んでおり、燃料電池の組み付け精度が多少低くても、シール対象物に柔軟に追随して、確実にシールできる。すなわち、シール構造の寸法許容度が高められる。さらに、スクリーン印刷後に発泡・架橋させることにより、シール部材主部を効率的に製造できる。
さらに、第2発明や第3発明や第6発明のようにした場合には、特にシール性に優れるシール部材を効率的に形成できる。また、第4発明の製造方法によれば、粘着層が架橋されているので、組み立ての際のシール部材の取扱い性が良く、シール性能もより確実なものとなる。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。以下、シール部材がセパレータに一体化された実施形態を例にして説明する。
まず、燃料電池の構成から説明する。図1は、固体高分子型燃料電池を構成する単セル1の概略縦断面図であり、通常、燃料電池はこの単セル1を複数積層した積層体(図示せず)として構成されている。この燃料電池は、例えば、燃料電池自動車の発電装置として用いられる。
まず、燃料電池の構成から説明する。図1は、固体高分子型燃料電池を構成する単セル1の概略縦断面図であり、通常、燃料電池はこの単セル1を複数積層した積層体(図示せず)として構成されている。この燃料電池は、例えば、燃料電池自動車の発電装置として用いられる。
図1において、単セル1は、膜電極接合体(Membrene Electrode Assembly:MEA)2とセパレータ5,6とにより構成されている。膜電極接合体(MEA)2は、高分子電解質膜21とこの高分子電解質膜21を挟んで両側に配設されるカソード電極24およびアノード電極25とを有する。図1は、燃料電池の単セルの、反応ガスの流れ方向に対し直角な面における断面である。単セル1において、カソード電極24およびアノード電極25は、それぞれ、カソード電極側セパレータ5、アノード電極側セパレータ6に当接するように設けられる。また、カソード電極側セパレータ5の電極24側には酸化ガス供給用の溝7が設けられ、アノード電極側セパレータ6の電極25側には燃料ガス供給用の溝8が設けられ、溝7は酸化ガス供給マニフォールドに、溝8は燃料ガス供給マニフォールドにそれぞれ連通している。
上記単セル1において、高分子電解質膜21、カソード電極24およびアノード電極25で構成された膜電極接合体(MEA)2の周囲に燃料ガスおよび酸化ガスが漏洩するのを防止するため、MEA2とセパレータ5,6との間に額縁状(ループ状)の平面パターンを有するシール部材9,9が介在している。図3には、セパレータ5(6)に設けられたシール部材9、9の平面パターンに対応するシールラインを太線で示している。本実施形態においては、上記シール部材9は、あらかじめセパレータ5,6の周縁部表面に所定の平面パターン(例えば額縁状)を有するように成形され、一体化されている。したがって、図1に示す燃料電池組み立て状態において、シール部材9,9は、セパレータ5,6とは接着一体化されることにより、膜電極接合体2とは接触・押圧されることにより、その周縁部をガスシールする。セパレータ9、9は、金属板やカーボン材、導電性樹脂材などにより形成された部材である。セパレータは公知のものが使用できる。
図2、図4により、膜電極接合体(MEA)2の構成をより詳細に説明する。図2はMEAの斜視図、図4はMEAを分解した図である。MEA2は、高分子電解質膜21、フレーム22、カソード電極24、アノード電極25、ディフューザ23を有するように構成されている。フレーム22は、額縁状に形成された樹脂フィルム製の部材である。フレーム22の中央部に設けられた穴の部分に高分子電解質膜21が取り付けられ、高分子電解質膜21の両側に、カソード電極24、アノード電極25が設けられて、MEA2の本体が構成されている。
本実施形態においては、フレーム22が2枚設けられ、その間に高分子電解質膜21の周縁部が挟み込まれるようにして両者が一体化されている。また、電極24,25と高分子電解質膜21の間には触媒層が設けられる。高分子電解質膜21としてはいわゆるナフィオン膜(NAFIONはデュポン社の登録商標)が利用でき、電極24,25としては、カーボンフェルトなどが利用できる。高分子電解質膜21と、フレーム22、電極24,25の一体化や、触媒層の形成については、公知の技術により行うことができる。
フレーム22は樹脂フィルム製である。樹脂フィルムの材料となる合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN樹脂)、ポリイミド樹脂(PI樹脂)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)などの熱可塑性樹脂が例示される。フレームの樹脂材料には、燃料電池の動作温度や、シール材やディフューザの一体化工程の加工温度で変形しない程度の耐熱性が要求される。フレーム22は、中央部に高分子電解質膜21が取り付けられる大きな穴が設けられた額縁状に形成されている。この穴の部分が、燃料電池の発電領域となる。フレーム22の両側部には、反応ガスマニフォールド221、221と冷却水マニフォールド222,222が設けられている。複数のMEAが積層された際に、これらマニフォールド221,222は積層方向に連通した通路となり、マニフォールドに反応ガスや冷却水が流れる。各単セルにおいては、略長方形状のフレーム22の対角線状に配置された反応ガスマニフォールドの間に、反応ガスが流れて、発電領域に反応ガスが供給される。
本実施形態では、フレーム22上には、ディフューザ23が形成されている。ディフューザ23は、フレームがMEAや単セルに組み込まれた際に、セパレータ5,6と対向するよう、フレーム上の一部の領域に設けられている。そして、ディフューザ23は、反応ガスマニフォールド221と、発電領域の間の部分に設けられている。即ち、ディフューザ23は、フレーム22とセパレータ5,6の間に形成された反応ガスの通路部分に、発電領域(高分子電解質膜)に隣接するように設けられていて、ディフューザ23により、反応ガスが発電領域の全体に向けて分配される。
本実施形態では、ディフューザ23は、発電領域の上流側にも下流側にも設けられている。上流側のみあるいは下流側のみにディフューザ23を設けても良いが、反応ガスの分配の均一性を高める観点からは、両側に設けることが好ましい。また、ディフューザの具体的形態は、公知の形態が採用できる。
セパレータ5,6に一体化されたシール部材9について、より詳細に説明する。シール部材9は積層構造のシール部材であり、セパレータに接着一体化されたシール部材主部91と、シール部材主部91の表面に配置された粘着層92とが積層一体化されている。粘着層92は、シール部材9がシール対象物(本実施形態においてはMEAのフレーム22)と接触する位置に配置されている。本実施形態では、シール部材主部91の側面には粘着層が設けられていないが、シール部材主部91の側面まで粘着層92で覆うようにしても良い。燃料電池が組み立てられた際には、シール部材9は、粘着層92がシール対象物(フレーム22)に密着し、シール部材主部91がセパレータ5(6)に接着一体化されたことにより、フレームとセパレータの間をシールする。
シール部材主部91は、発泡ゴム、特に架橋された発泡ゴム材料により構成されている。発泡ゴム材料の気泡構造は、特に独立気泡構造を主とした気泡構造であることが好ましい。シール部材主部91を構成する材料のゴム硬度は、硬度50以下であることが好ましく、アスカーC硬度で10〜50、特に好ましくは20〜40であることが好ましい。通常、この硬度レベルの発泡ゴム材料は永久圧縮ひずみ特性が悪く、シールが劣化しやすいため、シール部材には適さないが、本発明では、後述する粘着層92と組み合わせることで、シール劣化の課題が解決される。
シール部材主部91を形成するゴム材料としては、イソプレンゴム、水添イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどが例示される。特に水添イソプレンゴムが好ましい。ゴム材料は好ましくはイソシアネート化合物や有機過酸化物により架橋されている。シール部材主部91を形成するゴム材料を発泡ゴムとするための発泡材料としては、熱膨張性マイクロカプセル(マイクロバルーン)や、アゾジカルボンアミド(ADCA)、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、炭酸水素ナトリウムなどの化学発泡剤が例示される。ここで、熱膨張性マイクロカプセルとは、熱可塑性ポリマーからなる球状の外殻の中に液状炭化水素を内包させたものであり、熱膨張性マイクロカプセルを加熱すると、液状炭化水素が気化し、熱可塑性ポリマー製の外殻が軟化して、球体が膨張する。熱膨張性マイクロカプセルは、松本油脂製薬株式会社からマツモトマイクロスフィアという商品名で、日本フェライト株式会社からエクスパンセル(Expancel)という商品名で販売されている。
特に熱膨張性マイクロカプセルによりゴムを発泡させると、発泡材料の残滓が燃料電池の使用時に溶出して触媒が被毒することがないので好ましい。発泡材料から分解ガスや分解残滓などが発生する場合には、それらを除去してから燃料電池に組み込むようにすることが好ましい。
特に熱膨張性マイクロカプセルによりゴムを発泡させると、発泡材料の残滓が燃料電池の使用時に溶出して触媒が被毒することがないので好ましい。発泡材料から分解ガスや分解残滓などが発生する場合には、それらを除去してから燃料電池に組み込むようにすることが好ましい。
本実施形態においては、発泡材料として熱膨張性マイクロカプセルを配合した水添イソプレンゴムをイソシアネート化合物で架橋して、シール部材主部91を形成している。発泡開始温度が110〜170℃の熱膨張性マイクロカプセルを、ゴム材料100重量部に対し1〜10重量部配合し、加熱し膨張・架橋させることにより、発泡倍率4倍の発泡ゴムとして、シール部材主部91を形成している。シール部材主部91は、後述するように、スクリーン印刷を利用して形成することができる。
シール部材9の粘着層92は、粘着材により形成されている。粘着材としては溶剤系粘着剤や水系粘着剤、熱架橋タイプ粘着剤(例えばウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤)、UV架橋タイプ粘着剤が例示できる。中でも、熱架橋タイプ粘着剤やUV架橋タイプ粘着剤のように、架橋された粘着剤により粘着層92を形成することが好ましい。粘着層92が架橋されたものであれば、粘着層92の形状や厚みが正確に維持されるため、燃料電池の組み立て時の取扱い性に優れるほか、組み立て時に粘着層が広がって燃料電池の他の部分に入り込んでしまったり、粘着層が広がって薄くなることによってシール性に不備をきたしたりすることが未然に防止される。架橋できる粘着材としてはウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤、UV硬化タイプ炭化水素アクリレート系粘着剤が例示できる。特にUV架橋可能なものが好ましい。粘着層を架橋する場合の架橋は完全に架橋する必要はなく、粘着層の形状が維持できる程度に架橋すれば十分である。また、シール対象物への粘着力が特に高いという観点で、粘着層を形成する粘着材はアクリル系粘着剤、特に炭化水素アクリレート系粘着剤を利用することが好ましい。本実施形態では、UV架橋した炭化水素アクリレート系粘着剤によって粘着層92を構成している。
上記したシール部材9を備えるセパレータ5,6の製造方法について説明する。図5にシール部材主部91をセパレータ5(6)上に一体成形する一連の工程(シール部材主部の形成工程)を示している。また、図6にシール部材主部91の表面に粘着層を積層形成する工程(粘着層形成工程)を示している。
まず、発泡材料を配合した未架橋の液状ゴム材料を準備する。使用する未架橋ゴムに発泡材料や架橋剤等を配合し、粘度を調整し、後述するスクリーン印刷に適用可能な未架橋の液状ゴム材料とする。粘度調整は、いわゆるペースト状や粘稠性の液状といった程度となるように、充填材や溶剤の量を調整するなどして行われる。充填材としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックや、シリカ、タルク、クレー、等の白色充填材が使用できる。本実施形態においては、好ましくはカーボンブラックが使用される。
形成されるべきシール部材主部91の平面パターン(すなわち額縁状やリング状といった閉じたループ状のパターン)に対応する開孔が設けられた、スクリーン印刷用のマスクMを準備する。マスクの開孔パターンは、発泡の程度を考慮して、できあがりのシール部材主部91よりもやや小さめにされることが好ましい。
セパレータ5の所定位置に、スクリーン印刷を利用して、シール部材主部前駆体91Pを形成する。なお、スクリーン印刷工程は、すでに所定の形状に加工されたセパレータ5に対し行っても良いし、セパレータの前駆体(例えば、セパレータに打ち抜き加工される前の金属板)に対し行っても良い。
まず、図5(a)のように、セパレータ5(6)のシール部材が形成されるべき位置にマスクの開孔が来るように、マスクMを重ね合わせ、密着させる。
まず、図5(a)のように、セパレータ5(6)のシール部材が形成されるべき位置にマスクの開孔が来るように、マスクMを重ね合わせ、密着させる。
その状態で、図5(b)のように、発泡材料を配合した未架橋の液状ゴム材料をマスクM上に置いて、スキージSQによりマスクに対し液状ゴム材料を押し付けて、マスクMの開孔に液状ゴム材料が充填されるようにする。その後、図5(c)のように、マスクMをセパレータ5(6)から取り外すと、マスクMの開孔に充填されていた液状ゴム材料が、セパレータ5(6)の側に残って、シール部材の平面パターンを有するシール部材主部の前駆体91Pが未架橋ゴムによって形成される。即ち、スクリーン印刷によって、未架橋かつ未発泡のゴム材料により、所定パターンのシール部材主部の前駆体91Pが形成される。
シール部材主部前駆体91Pは未発泡であるため、その高さHsは、最終的に形成されるシール部材主部91の高さHmよりも小さい。シール部材主部前駆体の高さHsは、マスクMの厚みの設定により調整することができる。Hsに対するHmの比は、2〜5倍、より好ましくは2.5〜4倍となるようにされる。したがって、未架橋液状ゴム材料を発泡ゴムへと発泡・架橋する際の発泡倍率は、2〜25倍とすることが好ましく、3〜7倍とすることがより好ましい。
その後、シール部材主部の前駆体91Pを発泡させて架橋する。発泡は、典型的には、発泡材料の発泡温度まで加熱することにより行われる。架橋は、有機過酸化物架橋であれば過酸化物の分解温度まで加熱することにより、放射線架橋であれば放射線の照射により、紫外線架橋であれば紫外線の照射により行われる。発泡材の配合量や、発泡と架橋の開始条件等を調整することにより、ディフューザ前駆体の高さHsとディフューザの高さHmの比を調整できる。本実施形態においては、発泡・架橋は、1次架橋が150℃で10分間、2次架橋が120℃で1時間行われて、ディフューザ前駆体の高さHsとディフューザの高さHmの比 Hm/Hsは3倍とされている。
発泡と架橋が行われることにより、シール部材主部の前駆体91Pが膨張して、高さHmを有するシール部材主部91となり、シール部材主部91が一体成形されたセパレータ5(6)が得られる(図5(d))。
引き続き、シール部材主部91の表面に粘着層92を形成する。図6に、スクリーン印刷法を利用して粘着層92を形成した例を示す。なお、粘着層92の形成は、スクリーン印刷法を利用する方法に限定されず、刷毛やブラシ、ディスペンサによる塗布や、ロールや転写板等を用いたコーティング法などによって行うこともできる。
まず、図6(a)のように、シール部材主部91が一体成形されたセパレータ5(6)に対し、粘着層を形成するためのマスクM2を所定に位置に配置する。マスクM2には、シール部材主部91の形状に対応する透孔(開孔)が設けられている。シール部材主部91を押しつぶさないように、マスクM2にはスペーサなどが設けられて、マスクM2のシール部材主部91に対する高さが適度に維持されることが好ましい。
別途準備した粘着剤を、配置されたマスクM2上に置いて、スキージSQによりマスクM2に対し粘着剤を押し付けて、マスクM2の開孔(透孔)に粘着剤が充填されるようにする。その後、図6(c)のように、マスクM2をセパレータ5(6)から取り外すと、マスクM2の開孔に充填されていた粘着剤が、シール部材主部91の表面に残る。その後、粘着剤から溶剤成分を揮発させたり、粘着剤が架橋可能なものである場合には粘着剤を架橋するなどして、シール部材主部の表面に粘着層92を形成する。本実施形態においては、UV架橋系の粘着剤を用いているので、紫外線を照射して粘着剤を架橋して粘着層92を形成している。
以上の工程により、発泡ゴム材料からなるシール部材主部91の表面に粘着層92が積層一体化されたシール部材を、セパレータ5(6)に一体に成形することができる。なお、上記製造工程の説明では、シール部材主部を発泡させて架橋した後に、粘着剤を塗布して粘着層92を形成する製造方法について説明したが、発泡のタイミングは変更することができる。例えば、まずスクリーン印刷により未発泡のシール部材主部前駆体91Pを形成した後に、シール部材主部前駆体91Pの表面に粘着剤を塗布して、その後、加熱して発泡・架橋を行い、発泡したシール部材主部91と粘着層92とを得るようにしても良い。
上記セパレータの製造方法によれば、シール性能が確実で、かつ、シール構造の寸法精度の許容度が大きなシール部材を一体に備えたセパレータを得ることができる。シール部材9のシール部材主部91は発泡ゴム材料で構成されているため、柔軟性に富み、シール反力を抑えながら、シール対象面の形状に柔軟に追随することができ、シール構造の寸法精度の許容度が大きくなる。
また、従来技術のシール構造で発泡ゴムをシール材料に採用した場合、発泡ゴム材料は発泡材である性質上、圧縮永久ひずみ特性がソリッドゴムに対し大きく劣るため、シール性が短期間のうちに失われてしまう。そのため、確実な反応ガスのシールが求められる燃料電池には、発泡ゴム材料は使用できないと考えられていた。
ところが、本発明によれば、シール部材が、発泡ゴムからなるシール部材主部91と、その表面に設けられた粘着層92の積層構造とされているため、粘着層と発泡ゴムの相乗効果により、確実なシール性を長期にわたって得ることができる。すなわち、組み立て時においては、発泡ゴムの柔軟性により、シール部材主部91が柔軟に変形して、粘着層92をシール対象物(上記実施形態においては膜電極接合体のフレーム22)に確実に密着させ、初期のシール性能を確保することができる。そして、長期間の使用により、発泡ゴム材料の反力が減少する場合においても、粘着層92がシール対象物に密着し続けることにより、確実なシール性が維持される。
また、本発明の製造方法によれば、スクリーン印刷と発泡ゴムを組み合わせることによって、シール部材をセパレータに効率的に一体成形することができる。
すなわち、スクリーン印刷を利用してシール部材主部の前駆体91Pを形成すれば、シール部材91の平面パターンが複雑なものであっても、効率的にパターンを形成できる。特に、シール部材の幅や高さが小さいシール部材のような、射出成形では成形が困難な形態のシール部材であっても、スクリーン印刷を利用すれば、そのような平面パターンが形成しやすい。
そして、スクリーン印刷によりシール部材主部の前駆体91Pを形成した後で、前駆体91Pの未架橋ゴムを発泡・架橋させるようにしたので、スクリーンマスクMの厚みHsよりも、大きな厚みHmを有するシール部材主部91が形成できる。従来技術のスクリーン印刷でソリッドゴムのシール部材を形成すると、スクリーンマスクの高さに対応した高さにしかシール部材が形成できないため、高さ(積層方向の厚み)の高いシール部材を形成しようとすると、複数回のスクリーン印刷工程を経る必要があった。本発明においては、スクリーン印刷と発泡ゴムを組み合わせたので、スクリーンマスクの厚みMを超える高さHmを有するシール部材主部91を形成することができ、スクリーン印刷の必要回数を減らすことができ、特に効率的にセパレータにシール部材を一体成形できる。
シール性や寸法許容度を高める観点からは、シール部材主部形成工程において、未架橋液状ゴム材料を2〜25倍の発泡倍率で発泡させて架橋することが特に好ましい。これまで、このような2〜25倍の発泡倍率で発泡させた発泡ゴム材料は、圧縮永久ひずみ特性が特に悪いため、およそシール部材には使用し得ないと考えられていたが、本発明では、粘着層92との相乗効果がより顕著に発揮されて、確実なシール性が得られる。
未架橋ゴム材料に配合する発泡材料に、熱膨張性マイクロカプセル発泡材を含ませるようにすると、シール部材主部91を均一に発泡させることができ、かつ、発泡倍率を大きくしても独立気泡構造の柔軟な発泡ゴムが得られる。したがって、シール部材主部がより柔軟となって、シール構造の寸法精度の許容度がさらに大きくできる。
また、粘着層形成工程において、粘着剤を塗布した後に粘着剤を架橋して粘着層92を形成するようにすると、架橋された粘着層を積層成形したシール部材が得られる。粘着層が架橋されていない場合、組み立て時の取扱いが悪いと、粘着層がつぶれたり取れてしまったりして、シール対象物に粘着層が密着しなくなってしまったり、シール部材の周辺に粘着層(粘着剤)がはみ出して、ガス流路をふさぐといった不具合を起こすおそれがある。一方、粘着層が架橋されていれば、粘着層は、それ自体で、形状を保つことができ、取れたりはみ出したりしにくくなるので、シール性の確実性の向上、及び燃料電池の確実な動作に寄与する。
なお、セパレータへのシール部材9の一体成形は、セパレータ単品が完成した後に行っても良いが、セパレータを形成するためのセパレータ前駆体にシール部材9を一体成形してもよい。セパレータ前駆体にシール部材を一体成形するようにすると、シール部材一体成形工程におけるセパレータのハンドリングがたやすくなり、製造の効率を高めることができる。例えば、セパレータが金属薄板からなるものである場合、セパレータ前駆体をロール巻きされたテープ状の金属薄板として準備し、このロール巻きされたセパレータ前駆体に対し、スクリーン印刷工程、発泡架橋工程、粘着層形成工程を順次、連続して行うことのできるシール部材成形ラインを形成し、テープ状のセパレータ前駆体をシール部材成形ラインに通して、セパレータ前駆体上にシール部材を順次成形した後に、セパレータ前駆体を打ち抜き加工して、シール部材9が一体成形されたセパレータ5(6)を得るようにすれば、セパレータを特に能率的に連続して製造できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
上記実施形態の説明では、MEAのフレーム22とセパレータ5、6の間をシールするシール部材9を、セパレータに一体成形する技術について説明したが、シール部材をMEAのフレーム22に一体化するようにしても良い。以下、MEAのフレームに対し同様な構成を有するシール部材9を一体に成形する技術について説明する。
図7には、膜電極接合体(MEA)2が製造される製造工程の例を示す。この例では、スクリーン印刷を利用して樹脂フィルムにシール部材9を形成した後に、フレーム22や膜電極接合体(MEA)を製造する例を示している。
フレーム22の材料である樹脂フィルムPFは、フィルムの供給ロールから、連続的に第1のスクリーン印刷装置に供給される。このスクリーン印刷工程では、上述した製造方法と同様に、発泡材料を配合した未架橋液状ゴム材料によって、シール部材主部前駆体91Pが樹脂フィルムPF上に形成される。
引き続き、樹脂フィルムPFは第2のスクリーン印刷装置に供給される。このスクリーン印刷工程では、粘着剤がシール部材主部前駆体91Pの表面に塗布されて、粘着層92が形成される。
その後、シール部材主部前駆体91Pと粘着層92とが積層形成された状態で、樹脂フィルムPFは、発泡・架橋装置に供給される。発泡・架橋工程を経ることにより、シール部材主部前駆体91Pは発泡し架橋されてシール部材主部91となる。このようにして、樹脂フィルムPF上に、シール部材主部91と粘着層92が積層されたシール部材9が一体成形される。
その後、シール部材9が形成された樹脂フィルムPFを額縁状に打ち抜き加工すれば、シール部材9が一体成形されたフレーム22が得られる。フレームにアノード側フレームとカソード側フレームの区別がある場合には、それぞれのフレームを個別に準備する。
高分子電解質膜の原反を所定の寸法にカットして、高分子電解質膜21を準備し、カーボンフェルトなどを所定の寸法にカットして、電極24,25を準備する。高分子電解質膜21の表面に触媒層を形成しながら、電極24,25を一体化し、高分子電解質膜21をフレーム22,22で挟み込むようにして、フレームと高分子電解質膜、電極を一体化し、膜電極接合体(MEA)2を得る。図7には、高分子電解質膜21と電極24,25を一体化してから、フレーム22に一体化する例を示している。高分子電解質膜21とフレーム22を一体化した後に電極24,25を一体化するようにしても良い。なお、触媒層の形成やフレーム・電極の一体化については、公知の製造方法が利用できる。
また、上記実施形態においては、フレームの形成工程や、フレームと高分子電解質膜の一体化工程に先行して、シール部材形成工程を行う例について説明したが、これら工程の順序は、変更してもよい。例えば、フレームの打ち抜き工程を先行させ、その後、シール部材形成工程を行い、その後高分子電解質膜の一体化工程に進むようにしても良い。あるいは、フレームと高分子電解質膜を一体化した後に、シール部材成形工程を行うようにしても良い。
セパレータやフレーム上に形成されるシール部材9の平面パターンは、閉じたリング状・ループ状のものでシール機能を果たす形状であれば、特に限定されない。また、シール部材の一部をディフューザに利用するようにしても良い。
セパレータ5(6)やフレーム22や樹脂フィルムPF上にシール部材主部前駆体91Pをスクリーン印刷により形成する際のバリエーションを説明する。シール部材主部前駆体91Pは複数回のスクリーン印刷工程を経て形成されるものであっても良い。例えば、ベース層として、非発泡性の液状ゴム材料により、所定の平面パターンをスクリーン印刷した上に、発泡層として、発泡性の液状ゴム材料により、所定の平面パターンをスクリーン印刷し、シール部材主部前駆体91Pを形成しても良い。この場合、ベース層を形成した後に、ベース層の溶剤を揮発させたり、ベース層を部分架橋したりしてから、発泡層のスクリーン印刷を行うことが好ましい。もちろん、上記実施形態で説明したように、シール部材主部前駆体91Pを形成するスクリーン印刷工程を1回にすることが、製造効率を高める観点から特に好ましい。
シール部材主部前駆体91Pの形成においてスクリーン印刷を複数回行う場合には、少なくともシール部材主部91の最上層が発泡層となるようにすることが特に好ましい。最上層が発泡層となったシール部材主部91は、シール対象部材との当接が低加重で行われ、シール部材の反力を高めることなく、シール性をより確実なものとできる。
また、スクリーン印刷を複数回行う場合に、最下層が非発泡層となるようにすると、シール部材の平面パターンの幅が広がってしまうことが予防され、微細なシール部材の形状の正確さを高める上で、効果的である。
また、燃料電池の利用分野は、自動車用に限定されるものではなく、家庭用発電機など、自動車以外の他の技術分野にも応用できる。
本発明の燃料電池のセパレータの製造方法や膜電極接合体の製造方法によれば、微細な形状のシール部材を効率的に製造し、セパレータや膜電極接合体に一体化することができ、産業上の利用価値が高い。
1 燃料電池の単セル
2 膜電極接合体(MEA)
21 高分子電解質膜
22 フレーム
23 ディフューザ
24 カソード電極
25 アノード電極
5 カソード電極側セパレータ
6 アノード電極側セパレータ
7,8 溝
9 シール部材
91 シール部材主部
91P シール部材主部の前駆体
92 粘着層
M、M2 スクリーンマスク版
SQ スキージ
2 膜電極接合体(MEA)
21 高分子電解質膜
22 フレーム
23 ディフューザ
24 カソード電極
25 アノード電極
5 カソード電極側セパレータ
6 アノード電極側セパレータ
7,8 溝
9 シール部材
91 シール部材主部
91P シール部材主部の前駆体
92 粘着層
M、M2 スクリーンマスク版
SQ スキージ
Claims (6)
- シール部材が一体化された固体高分子型燃料電池のセパレータを製造する方法であって、
シール部材をセパレータもしくはセパレータの前駆体に一体成形する工程を有しており、
前記シール部材は、発泡ゴムからなるシール部材主部の表面に粘着層が積層一体化されたシール部材であり、
前記シール成形工程は、
発泡材料を配合した未架橋の液状ゴム材料を準備する工程と、
前記セパレータもしくはセパレータ前駆体の表面に前記液状ゴム材料をスクリーン印刷して、シール部材主部の平面パターンを有するシール部材主部の前駆体を形成する工程と、
スクリーン印刷工程に引き続いて、シール部材主部の前駆体の未架橋液状ゴム材料を発泡させて架橋して、発泡ゴムから成るシール部材主部を形成する工程と、
シール部材主部もしくはシール部材主部の前駆体の表面に粘着剤を塗布し粘着層を形成する工程とを含む、
シール部材が一体成形された燃料電池セパレータの製造方法。 - シール部材主部形成工程において、未架橋液状ゴム材料を2〜25倍の発泡倍率で発泡させて架橋し、シール部材主部を形成する請求項1に記載の燃料電池セパレータの製造方法。
- 未架橋ゴム材料に配合する発泡材料に、熱膨張性マイクロカプセル発泡材を含ませる請求項2に記載の燃料電池セパレータの製造方法。
- 粘着層形成工程において、粘着剤塗布後に粘着剤を架橋する請求項2に記載の燃料電池セパレータの製造方法。
- 樹脂フィルムを額縁状に形成したフレームに、シール部材及び高分子電解質膜を一体化し、固体高分子型燃料電池の膜電極接合体を製造する方法であって、
シール部材を、フレームもしくはフレームの前駆体に一体成形する工程を有しており、
前記シール部材は、発泡ゴムからなるシール部材主部の表面に粘着層が積層一体化されたシール部材であり、
前記シール成形工程は、
発泡材料を配合した未架橋の液状ゴム材料を準備する工程と、
前記フレームもしくはフレーム前駆体の表面に前記液状ゴム材料をスクリーン印刷して、シール部材主部の平面パターンを有するシール部材主部の前駆体を形成する工程と、
スクリーン印刷工程に引き続いて、シール部材主部の前駆体の未架橋液状ゴム材料を発泡させて架橋して、発泡ゴムから成るシール部材主部を形成する工程と、
シール部材主部もしくはシール部材主部の前駆体の表面に粘着剤を塗布し粘着層を形成する工程とを含む、
シール部材が一体成形された膜電極接合体の製造方法。 - シール部材主部形成工程において、未架橋液状ゴム材料を2〜25倍の発泡倍率で発泡させて架橋し、シール部材主部を形成する請求項5に記載の膜電極接合体の製造方法。
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JP2014138285A JP2016018587A (ja) | 2014-07-04 | 2014-07-04 | 固体高分子型燃料電池用のセパレータの製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107742735A (zh) * | 2017-09-05 | 2018-02-27 | 江苏清能新能源技术股份有限公司 | 一种mea包胶的密封结构及其制造方法和使用方法 |
JP2019117721A (ja) * | 2017-12-27 | 2019-07-18 | 本田技研工業株式会社 | 発電セル |
JP7411466B2 (ja) | 2020-03-18 | 2024-01-11 | 本田技研工業株式会社 | ゴムシールの製造方法 |
-
2014
- 2014-07-04 JP JP2014138285A patent/JP2016018587A/ja active Pending
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US11101469B2 (en) | 2017-12-27 | 2021-08-24 | Honda Motor Co., Ltd. | Power generating cell |
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