JP6271360B2 - 燃料電池部材用のシート材料ロール - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池に使用される燃料電池部材の製造に用いられるシート材料に関する。特に、本発明は、燃料電池部材用のシート材料にシール部材やディフューザが一体化されてロール巻きされた、シート材料ロールに関するものである。
固体高分子型燃料電池は、イオン導電性を有するイオン交換樹脂等の膜を高分子電解質膜として用い、この高分子電解質膜を挟んでその両側にカソード電極(正極)とアノード電極(負極)の両電極を配置して膜電極接合体(MEA)を構成し、例えば負極側に水素ガス等の燃料ガスを、一方正極側には酸素ガス又は空気等の酸化ガスを供給して電気化学反応を起こさせることにより、燃料ガスのもつ化学エネルギーを電気量に変換して電気を発生させるものである。通常、MEAの両側にセパレータが配設されて、単セルが構成される。
そして、固体高分子型燃料電池は、通常、上記MEAを含む単セルを複数積層して構成される。各単セルにおいて、MEAとセパレータの間は、燃料ガスや酸化ガスが漏れ出さないようにシールされている。これら反応ガスは、電池の発電効率を高めるために、MEAの発電領域の全体に行き渡らせる必要がある。また、積層された単セルの間には、冷却液が循環され、燃料電池を冷却する。
反応ガスを、効率的にMEAの発電領域全体に行き渡らせるために、ディフューザやガス分配部などと呼ばれる、反応ガスを分散させるための部材が、反応ガスの流路中に設けられることがある。ディフューザは、セパレータに形成されることがあり、MEAに形成されることもある。好ましくは、ディフューザはセパレータやMEAに一体となるように形成される。
そのような反応ガスの分配を行うディフューザを、セパレータやMEAに一体に成形する技術として、種々のものが開発されている。
例えば、特許文献1には、ガス供給マニフォールドと発電領域の間に、ガス入口分配部(ディフューザ)を設け、ガス分配部を、発電領域のガス流れ方向と垂直方向に延在し、2つ以上のスリットを有するn個の分配リブにより構成する技術が開示されている。当該ガス入口分配部によれば、反応ガスを発電領域に均等に分配することができる。
また、反応ガスをシールするためのシール部材をセパレータやMEAに一体に成形する技術として、種々のものが開発されている。例えば、特許文献2には、水素添加イソプレンゴムを主成分とするゴム組成物にイソシアネート化合物を混合したゴム組成物によりシール部材を形成しつつ、セパレータの周縁部に架橋接着する技術が開示されている。当該技術によれば、パッキンからの不純物の抽出量を低減することができる。
また、燃料電池は、通常、複数の単電池を積層して構成されており、コンパクト化のため、セパレータやMEAは薄型のものが採用される。そして、セパレータは耐食性に優れる金属薄板をプレス加工して製造されることがあり、MEAのフレームは、樹脂シート材料を打ち抜き加工して製造されることがある。このようなシート状材料から、MEAのフレームやセパレータといった燃料電池部材を製造する場合には、シート状材料をロール巻きしておいて、連続的にプレス加工機や打ち抜き加工機に供給して、次々とセパレータやMEAフレームを製造し、燃料電池を製造すれば、燃料電池や燃料電池部材の製造が効率的である。
例えば、特許文献3には、セパレータやMEAとなるべきシート材料や、ガス拡散層となるべきシート材料を、ロール状に巻いたシート材料ロールから供給し、積層した後に、切断して単電池を得る技術が開示されている(段落番号[0044]〜[0048]、図5〜8)。
再公表特許 WO2011/033745号公報 特開2009―117313号公報 特開2010―33970号公報
特許文献3に記載された技術のように、あらかじめ長尺のシート材料にシール部材などを一体化しておいて、その長尺シート材料をロール巻きしてシート材料ロールにしてから、そのシート材料ロールを燃料電池やMEAの組立工程などに運搬して供給するようにすると、シール部材の製造工程を別工程としつつ、シート材料ロールを活用して、燃料電池の組立工程などを連続的に実施することができ、製造効率を高めることができる。
しかしながら、発明者らが検討を進める中で、シール部材を柔軟な素材とした場合などには、あらかじめ長尺のシート材料にシール部材などを一体化しておいて、その長尺シート材料をロール巻きしてシート材料ロールにしてから、燃料電池の組立工程などに供給すると、ロール巻きされた際に、シール部材が変形してしまうことがあり、シール部材に変形が起こると、その機能が劣化もしくは損なわれるおそれがあることが判明した。ディフューザについても同様の問題が発生しうる。
本発明の目的は、燃料電池や燃料電池部材の組み立てに供されるシート材料ロールにおいて、シート材料に一体化されるシール部材やディフューザの変形を未然に予防し、シール部材やディフューザの機能が確実に発揮できるような、シート材料ロールを提供することにある。
発明者らは、シール部材やディフューザが一体化される長尺シート材料に対し、さらにスペーサ部材を一体化して、シート材料ロールを構成すれば、シール部材やディフューザの変形が未然に防止され、上記目的を達することができることを発見し、本発明を完成させた。
本発明は、燃料電池の膜電極接合体のフレームもしくはセパレータを製造するための長尺のシート材料をロール巻きした、燃料電池部材用のシート材料ロールであって、前記シート材料には、所定形状に形成されたシール部材もしくはディフューザが一体化されており、かつ、前記シート材料には、スペーサ部材が一体化されており、無負荷時の高さについて、スペーサ部材が、シール部材もしくはディフューザよりも高い燃料電池部材用のシート材料ロールである(第1発明)。
本発明においては、シール部材もしくはディフューザが、発泡ゴム材料を含むものであることが好ましい(第2発明)。また、第1発明においては、ロール巻きされた状態で、シール部材もしくはディフューザが、先行してもしくは後続して巻かれるシート材料と非接触状態にされていることが好ましい(第3発明)。また、第1発明においては、スペーサ部材は、少なくとも長尺のシート材料の長手方向に延在するよう一体化されていることが好ましい(第4発明)。また、第1発明においては、シール部材もしくはディフューザがシート材料の一方の面に一体化されており、スペーサ部材もシート材料の同じ面に一体化されていることが好ましい(第5発明)。
また、本発明は、第一発明の燃料電池部材用のシート材料ロールを製造する方法であって、液状ゴム材料をスクリーン印刷によりシート材料に塗布する工程を有しており、前記スクリーン印刷工程において、シール部材もしくはディフューザとなるべき所定の形状、および、スペーサ部材となるべき所定の形状に、液状ゴム材料を塗布形成し、スクリーン印刷工程の後に、シート材料に塗布された液状ゴム材料を架橋処理して、シール部材もしくはディフューザおよびスペーサ部材をシート材料に一体に形成し、その後、シート材料をロール巻きする、燃料電池部材用のシート材料ロールの製造方法である(第6発明)。
第6発明においては、液状ゴム材料に発泡材料を含ませると共に、スクリーン印刷工程において、シール部材もしくはディフューザとなるべき所定の形状よりも、スペーサ部材となるべき所定の形状の方が幅広くなるようにスクリーン印刷することが好ましい(第7発明)。
また、本発明は、第1発明の燃料電池部材用のシート材料ロールを用いて、燃料電池の膜電極接合体のフレームもしくはセパレータを製造する方法であって、シート材料ロールから引き出したシート材料を、所定の箇所で所定の形状に切り取って、膜電極接合体のフレームもしくはセパレータの形状に加工する工程を有しており、前記切り取り工程において、シート材料にスペーサ部材が一体化された部分を、膜電極接合体のフレームもしくはセパレータとなる部分から切り離す、燃料電池の膜電極接合体のフレームもしくはセパレータを製造する方法である(第8発明)。
本発明のシート材料ロール(第1発明)によれば、ロール巻きされたシート材料の間の間隔が、スペーサ部材によって維持されるため、シート材料に一体化されたシール部材やディフューザの過度の変形が未然に予防され、シール部材やディフューザの機能が損なわれにくくなる。第2発明のように、シール部材やディフューザが発泡ゴム材料を含むものである場合のように、これら部材が変形しやすい部材である場合は特に、これら部材の過度の変形を未然防止する効果が高い。第3発明のように、ロール巻きされた状態で、シール部材もしくはディフューザが、先行してもしくは後続して巻かれるシート材料と非接触状態にされていれば、シール部材やディフューザの変形をより確実に防止できる。また、第4発明のように、スペーサ部材は、少なくとも長尺のシート材料の長手方向に延在するよう一体化されていれば、長尺のシート材料がきれいな円筒状になりつつ、シート材料間の間隔がスペーサ部材によって一定に維持されるため、シール部材やディフューザの過度の変形を確実に防止できる。
また、第5発明のように、シール部材もしくはディフューザがシート材料の一方の面に一体化されており、スペーサ部材もシート材料の同じ面に一体化されていれば、シール部材やディフューザをシート材料に一体に形成する工程を利用して、スペーサ部材の形成や一体化ができて、より製造効率を高めることができる。
また、第6発明のシート材料ロールの製造方法によれば、スクリーン印刷を利用して、シール部材もしくはディフューザとスペーサ部材とを同時に成形一体化できて非常に製造効率が高い。さらに、第7発明のようにすると、スクリーン印刷工程の回数を減らすことができて、特に製造効率が高められる。
また、第8発明の膜電極接合体のフレームもしくはセパレータを製造する方法によれば、シート材料からフレームやセパレータを切り出す工程を利用して、スペーサ部材を同時に除去することができて、フレームやセパレータを製造する工程の製造効率が高められる。
固体高分子型燃料電池を構成する単セルの概略縦断面図。 膜電極接合体の外観を示す斜視図。 膜電極接合体の外観を示す平面図。 膜電極接合体の構成を示す分解図。 ディフューザの平面パターンの例を示す図。 フレームに一体成形されたディフューザの断面の例を示す図。 長尺シート材料にディフューザとスペーサ部材が一体成形された形態の例を示す図。 長尺シート材料にディフューザとスペーサ部材が一体成形された形態の例の断面図。 シート材料にディフューザ及びスペーサ部材を一体成形する工程を示す模式図。 シート材料にディフューザとスペーサ部材を一体化してシート材料ロールを製造する工程の例を示す概念図。 シート材料ロールを用いて膜電極接合体を製造する工程の例を示す概念図。 長尺シート材料にシール部材とスペーサ部材が一体成形された形態の例を示す図。 長尺シート材料にシール部材とスペーサ部材が一体成形された形態の例の断面図。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
まず、燃料電池の構成から説明する。図1は、固体高分子型燃料電池を構成する単セル1の概略縦断面図であり、通常、燃料電池はこの単セル1を複数積層した積層体(図示せず)として構成されている。この燃料電池はたとえば燃料電池自動車の発電装置として使用される。
図1において、単セル1は、膜電極接合体(Membrene Electrode Assembly:MEA)2とセパレータ5,6とにより構成されている。膜電極接合体(MEA)2は、高分子電解質膜21とこの高分子電解質膜21を挟んで両側に配設されるカソード電極24およびアノード電極25とを有する。図1は、燃料電池の単セルの、反応ガスの流れ方向に対し直角な面における断面である。単セル1において、カソード電極24およびアノード電極25は、それぞれ、カソード電極側セパレータ5、アノード電極側セパレータ6に当接するように設けられる。また、カソード電極側セパレータ5の電極24側には酸化ガス供給用の溝7が設けられ、アノード電極側セパレータ6の電極25側には燃料ガス供給用の溝8が設けられ、溝7は酸化ガス供給マニフォールドに、溝8は燃料ガス供給マニフォールドにそれぞれ連通している。
上記単セル1において、高分子電解質膜21、カソード電極24およびアノード電極25で構成された膜電極接合体(MEA)2の周囲に燃料ガスおよび酸化ガスが漏洩するのを防止するため、MEA2とセパレータ5,6との間に額縁状(ループ状)のパッキン(シール)9,9が介在している。図3や図5には、パッキン9のシールラインの例を破線で示している。本実施形態においては、上記パッキン9は、あらかじめセパレータ5,6の周縁部表面に額縁状に成形され、一体化されたものである。したがって、図1に示す燃料電池組み立て状態において、パッキン9,9は、セパレータ5,6とは接着一体化されることにより、膜電極接合体2とは接触・押圧されることにより、その周縁部をガスシールする。なお、シールの具体的様態については、公知の技術により行えばよい。
図2ないし図4により、膜電極接合体(MEA)2の構成をより詳細に説明する。図2はMEAの斜視図、図3は正面図、図4はMEAを分解した図である。MEA2は、高分子電解質膜21、フレーム22、カソード電極24、アノード電極25、ディフューザ23を有するように構成されている。フレーム22は、額縁状に形成された樹脂フィルム製の部材である。フレーム22の中央部に設けられた穴の部分に高分子電解質膜21が取り付けられ、高分子電解質膜21の両側に、カソード電極24、アノード電極25が設けられて、MEA2の本体が構成されている。
本実施形態においては、フレーム22が2枚設けられ、その間に高分子電解質膜21の周縁部が挟み込まれるようにして両者が一体化されている。また、電極24,25と高分子電解質膜21の間には触媒層が設けられる。高分子電解質膜21としてはいわゆるナフィオン膜(NAFIONはデュポン社の登録商標)が利用でき、電極24,25としては、カーボンフェルトなどが利用できる。高分子電解質膜21と、フレーム22、電極24,25の一体化や、触媒層の形成については、公知の技術により行うことができる。
フレーム22は樹脂フィルム製である。樹脂フィルムの材料となる合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN樹脂)、ポリイミド樹脂(PI樹脂)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)などの熱可塑性樹脂が例示される。フレームの樹脂材料には、燃料電池の動作温度や、シール材やディフューザの一体化工程の加工温度で変形しない程度の耐熱性が要求される。フレーム22は、中央部に高分子電解質膜21が取り付けられる大きな穴が設けられた額縁状に形成されている。この穴の部分が、燃料電池の発電領域となる。フレーム22の両側部には、反応ガスマニフォールド221、221と冷却水マニフォールド222,222が設けられている。複数のMEAが積層された際に、これらマニフォールド221,222は積層方向に連通した通路となり、マニフォールドに反応ガスや冷却水が流れる。各単セルにおいては、略長方形状のフレーム22の対角線状に配置された反応ガスマニフォールドの間に、反応ガスが流れて、発電領域に反応ガスが供給される。
フレーム22上には、ディフューザ23が形成されている。ディフューザ23は、フレームがMEAや単セルに組み込まれた際に、セパレータ5,6と対向するよう、フレーム上の一部の領域に設けられている。そして、ディフューザ23は、反応ガスマニフォールド221と、発電領域の間の部分に設けられている。即ち、ディフューザ23は、フレーム22とセパレータ5,6の間に形成された反応ガスの通路部分に、発電領域(高分子電解質膜)に隣接するように設けられていて、ディフューザ23により、反応ガスが発電領域の全体に向けて分配される。なお、本実施形態では、ディフューザ23はMEA2(フレーム22)に設けられたが、ディフューザ23はセパレータ5、6に設けても良い。
本実施形態では、ディフューザ23は、発電領域の上流側にも下流側にも設けられている。上流側のみあるいは下流側のみにディフューザ23を設けても良いが、反応ガスの分配の均一性を高める観点からは、両側に設けることが好ましい。
ディフューザ23の形態は、棒状またはドット状の形状の微細なディフューザ要素を、特定の平面パターンで分散配置したものである。本実施形態においては、図3や図5(a)に示すように、反応ガスマニフォールド221から発電領域に向かって、棒状のディフューザ要素が放射状に分散配置されている。反応ガスは、フレーム22とセパレータ5,6の間を、ディフューザ要素を避けるように流れる。そのため、各ディフューザ要素の大きさや間隔、配置などを調整することにより、発電領域に対し、反応ガスマニフォールド221から均一に反応ガスを分配することができるようになる。具体的には、反応ガスをより流したい部分では、ディフューザ要素の間の流路部分が、比較的広く、直線的になるようにし、反応ガスをあまり流したくない部分では、ディフューザ要素の間の流路部分が、比較的狭く、屈曲した迷路状になるようにして、反応ガスの分配性を調整する。
図6には、ディフューザ23とフレーム22の断面を示す。それぞれのディフューザ要素は、フレーム22の表面から、高さHmで突出するように設けられる。ディフューザ要素の高さHmは、単セル1におけるフレーム22とセパレータ5,6の間の隙間よりも大きくなるように、好ましくは隙間寸法よりも5〜50%程度大きくなるように設定することが好ましい。そのようにすれば、それぞれのディフューザ要素が、フレーム22とセパレータ5,6の間に柱や壁のように設けられることになって、ディフューザ23の反応ガスの分配機能がより確実なものとなる。
ディフューザ23の平面パターンは他のパターンであっても良い。例えば、図5(b)に示すディフューザ23bのように、多数のドット状のディフューザ要素を散在させたような形態であっても良い。ドット状のディフューザ要素は、円形、楕円、四角、三角などといった形態としても良い。あるいは、図5(c)に示すディフューザ23cように、複数の棒状のディフューザ要素を、反応ガスの全体的な流れ方向に対し垂直方向に延在するように並べ、ディフューザ要素の間の空間が迷路(ラビリンス)状になるようにした形態であっても良い。また、棒状のディフューザ要素は、直線状の要素であってもよく、湾曲した形状の要素であっても良い。
ディフューザ23の平面パターンにおける最小幅寸法Wm(図5(a)、(c)のような棒状のディフューザ要素であれば、棒状要素の幅寸法Wm、図5(b)のようなドット状のディフューザ要素であれば、ドット状要素の短径寸法Wm)は、好ましくは、0.2mm〜3mmとされ、典型的には0.3mm〜1mmとされる。
また、好ましくは、ディフューザ23の平面パターンの最小幅寸法Wmと、ディフューザの高さ(特に最小幅部分における高さ)Hmとが、0.1*Wm≦Hm≦0.8*Wmとなるようにディフューザが形成されることが好ましく、このように形成されたディフューザは、反応ガスの分配機能が高い。
ディフューザの高さHmは好ましくは0.05mm〜0.8mmに設けられ、より好ましくは0.1mm〜0.6mmに設けられる。
ディフューザ23は、弾力性を有するエラストマー、好ましくは、架橋された発泡ゴム材料を主体として形成されている。
ディフューザを形成するゴム材料としては、イソプレンゴム、水添イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどが例示される。特に水添イソプレンゴムが好ましい。ゴム材料は好ましくはイソシアネート化合物や有機過酸化物により架橋されている。ディフューザを形成するゴム材料を発泡ゴムとする場合の発泡材料としては、熱膨張性マイクロカプセル(例えば、エクスパンセルやマイクロスフィアといった商品名で販売されている、加熱により膨張する液体をポリマー殻で包んだマイクロカプセル)や、アゾジカルボンアミド(ADCA)、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、炭酸水素ナトリウムなどの化学発泡剤が例示される。特に熱膨張性マイクロカプセルにより発泡させると、発泡材料の残滓が燃料電池の使用時に溶出して触媒が被毒することがないので好ましい。熱膨張性マイクロカプセルは、松本油脂製薬株式会社からマツモトマイクロスフィアという商品名で、日本フェライト株式会社からエクスパンセル(Expancel)という商品名で販売されている。発泡材料から分解ガスや分解残滓などが発生する場合には、それらを除去してから燃料電池に組み込むようにすることが好ましい。
本実施形態においては、発泡材料として熱膨張性マイクロカプセルを配合した水添イソプレンゴムをイソシアネート化合物で架橋して、ディフューザ23を形成している。より具体的には発泡開始温度が110〜170℃の熱膨張性マイクロカプセルを、ゴム材料100重量部に対し1〜10重量部配合し、加熱し膨張・架橋させることにより、アスカーC硬度が30で発泡倍率4倍の発泡ゴムとして、ディフューザ23を形成している。ディフューザ23は、後述するように、スクリーン印刷を利用して形成することが好ましい。
上記したディフューザ23を備えるフレーム22および膜電極接合体2の製造方法について説明する。
フレーム22は、長尺のシート材料PFの表面に、あらかじめディフューザ23を一体成形しておいて、長尺シート材料PFからフレーム22の形状を切り出すことによって製造される。図7に長尺シート材料PFにディフューザ23が一体成形された形態の例を示す。この長尺シート材料には、スペーサ部材30も一体に形成されている。図8には、その断面図を示す。
長尺シート材料PFには、将来切り出されるべきフレーム22の形状及び位置があらかじめ想定されている。図7には、その形状及び位置を破線で示している。本実施形態では、長尺のシート材料の幅方向に2つのフレーム22が並ぶように、その位置を決定している。長尺シート材料の長手方向には、フレーム22が2つづつ取れるように、パターンが繰り返されている。そして、ディフューザ23、23は、シート材料の所定の位置に一体成形されており、シート材料PFからフレーム22が切り出されると、フレーム22上の所定の位置にディフューザ23が配置されるようになっている。
長尺のシート材料PFには、スペーサ部材30,30も一体化されている。スペーサ部材30,30は、長尺シート材料PFがロール巻きされた際に、相次いで巻かれるシート材料の間に挟まれて、シート材料同士の間隔を維持する働きをする部材である。スペーサ部材30は、スペーサ部材30の無負荷時の高さHLが、ディフューザ23の無負荷時の高さHmよりも大きくなるように、すなわち、スペーサ部材30の方がディフューザ23よりも無負荷時に高くなるように形成されている。スペーサ部材30の存在により、長尺シート材料PFをロール巻きした際に、長尺シート材料同士が密接するように巻かれてしまって、ディフューザ23がつぶれるように変形してしまい、その機能が損なわれることを未然に予防できる。
スペーサ部材30,30は、長尺シート材料PFからフレーム22が切り出される際に、フレーム22から切り離される部分に形成されている。スペーサ部材30は、少なくともその一部が、長尺のシート材料PFの長手方向に延在するよう一体化されていることが好ましい。このようにされていると、スペーサ部材をロール巻きした際に、長尺のシート材料がきれいな円筒状になりつつ、シート材料間の間隔が長手方向に延在するスペーサ部材によって一定に維持されるため、ディフューザ23の過度の変形を確実に防止できる。
スペーサ部材30を、長尺シート材料の幅方向に延在するように設けても良い。また、スペーサ部材30は、ディフューザ23にできるだけ近接して設けることが、ディフューザの変形防止の観点から好ましい。
長尺シート材料PFにディフューザ23、23及びスペーサ部材30,30を一体化して、ロール巻きして、シート材料ロールPFRを製造する方法の例を説明する。
図9には、長尺シート材料PFにディフューザ23及びスペーサ部材30をスクリーン印刷を利用して一体成形する工程の例を示す。また、図10には、シート材料PFにディフューザとスペーサ部材を一体化して、フレーム22を製造するためのシート材料ロールPFRを製造する工程の流れを示す。
以下の工程によりディフューザ23およびスペーサ部材30をシート材料(樹脂フィルム)PF上に一体成形する。まず、発泡材料を配合した未架橋の液状ゴム材料を準備する。使用する未架橋ゴムに発泡材料や架橋剤等を配合し、粘度を調整し、後述するスクリーン印刷に適用可能な未架橋の液状ゴム材料とする。粘度調整は、いわゆるペースト状や液状の程度になるように、充填材や溶剤の量を調整するなどして行われる。充填材としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックや、シリカ、タルク、クレー、等の白色充填材が使用できる。本実施形態においては、好ましくはカーボンブラックが使用される。
形成されるべきディフューザ及びスペーサ部材の平面パターンに対応する開孔が設けられた、スクリーン印刷用のマスクMを準備する。ディフューザ部分のマスクの開孔パターンは、発泡の程度を考慮して、ディフューザのディフューザ要素の大きさよりもやや小さめにされることが好ましい。また、スペーサ部材の部分のマスクの開孔パターンは、スペーサ部分の開孔の幅が、ディフューザ要素の大きさよりも大きくなるようにすることが好ましい。スペーサ部分の開孔の幅が大きいと、発泡して形成されるスペーサ部材がより高く形成され、その支持力も大きくなる。
まず、図9(a)のように、シート材料(樹脂フィルム)PFのディフューザやスペーサ部材が形成されるべき位置に、マスクMを重ね合わせ、密着させる。
その状態で、図9(b)のように、発泡材料を配合した未架橋の液状ゴム材料をマスクM上に置いて、スキージSQによりマスクに対し液状ゴム材料を押し付けて、マスクMの開孔に液状ゴム材料が充填されるようにする。その後、図9(c)のように、マスクMを樹脂フィルムPFから取り外すと、マスクMの開孔に充填されていた液状ゴム材料が、樹脂フィルムPFの側に残って、ディフューザの平面パターンを有するディフューザ前駆体23Pと、スペーサ部材の平面パターンを有するスペーサ部材前駆体30Pとが未架橋ゴムによって形成される。即ち、スクリーン印刷によって、未架橋かつ未発泡のゴム材料により、所定パターンのディフューザ前駆体23Pとスペーサ部材前駆体30Pが形成される。
これら前駆体23P、30Pは未発泡であるため、その高さHs、HKは、最終的に形成されるディフューザ23の高さHmやスペーサ部材30の高さHLよりも小さい。ディフューザ前駆体やスペーサ部材前駆体30Pの高さHs、HKは、マスクMの厚みの設定やスクリーン印刷の回数により調整することができる。
ディフューザ前駆体23Pとスペーサ部材前駆体30Pをシート材料PF上に形成する際には、発泡・架橋した後にディフューザ23よりもスペーサ部材30が高くなるように、ディフューザ前駆体23Pよりもスペーサ部材前駆体30Pが高くなるようにスクリーン印刷することが好ましい。
その後、ディフューザ前駆体23Pとスペーサ部材前駆体30Pを発泡させて架橋する。発泡は、典型的には、発泡材料の発泡温度まで加熱することにより行われる。架橋は、有機過酸化物架橋であれば過酸化物の分解温度まで加熱することにより、放射線架橋であれば放射線の照射により、紫外線架橋であれば紫外線の照射により行われる。発泡材の配合量や、発泡と架橋の開始条件等を調整することにより、ディフューザの高さHmやスペーサ部材HLを調整できる。スペーサ部材がディフューザの要素よりも幅広であれば、スペーサ部材の方が発泡によってより高く形成されやすい。
発泡と架橋が行われることにより、高さHmを有するディフューザ23と、高さHLを有するスペーサ部材30とが一体成形されたシート材料(樹脂フィルム)PFが得られる。
図10には、上記したスクリーン印刷工程と発泡架橋工程を、長尺のシート材料に対して連続的に行うプロセスを示す。フレーム22の原材料となるシート材料PFは、例えばロール巻きされた原反の状態で、このプロセスに供給される。長尺シート材料PFは、まず、連続的にスクリーン印刷装置に供給される。スクリーン印刷工程では、上述したように、発泡材料を配合した未架橋液状ゴム材料によって、ディフューザ前駆体23Pとスペーサ部材前駆体30Pがシート材料PF上に形成される。
ディフューザ前駆体23Pとスペーサ部材前駆体30Pが形成された状態で、シート材料PFは、発泡・架橋装置に供給され、ディフューザ前駆体23Pは発泡し架橋されてディフューザ23となり、スペーサ部材前駆体30Pが発泡し架橋されてスペーサ部材30となる。このようにして、長尺のシート材料PFに、ディフューザ23とスペーサ部材30が、所定の位置に一体成形される。
その後、長尺のシート材料PFを、巻き取り装置によって巻き取り、ディフューザ23とスペーサ部材30が一体化されたシート材料のロールPFRを得る。シート材料ロールPFRにおいては、ロール巻きされたシート材料PFの間に、スペーサ部材が挟まれて、シート材料の間の間隔(隙間)が一定の間隔に維持されている。好ましくは、ディフューザ23が、先行してもしくは後続して巻かれるシート材料PFとは非接触状態となるように、巻取りの程度が調整される。非接触状態とされていると、形成されたディフューザの変形が確実に防止できるので、好ましい。
以下、上記シート材料ロールPFRを用いて、フレーム22や膜電極接合体2を製造する工程について説明する。図11には、シート材料ロールPFRを用いて膜電極接合体2を製造する工程の例を示す。ロール巻きされたシート材料ロールPFRが膜電極接合体2の製造ラインに持ち込まれる。シート材料ロールPFRを用いることで、ディフューザの形成ラインと、膜電極接合体の製造ラインを別々のラインとできて、ラインの構成自由度が高くなるとともに、製造効率も高められる。また、シート材料ロールPFRのシート材料には、すでにディフューザが形成されているので、簡単にフレーム22が製造できる。
シート材料ロールPFRから、ディフューザ23が一体化されたシート材料PFが引きだされて、打ち抜き装置に供給される。打ち抜き装置によって、ディフューザ23が一体化された樹脂フィルムPFが額縁状に打ち抜き加工され、マニフォールドが打ち抜き加工されて、ディフューザ23が一体成形されたフレーム22が得られる。この打ち抜き工程で、フレーム22には不要な部分がシート材料PFから切り取られる。そして、この打ち抜き工程で、スペーサ部材30,30は、フレーム22には不要な部分と同時に切除される。すなわち、シート材料PFにスペーサ部材30が一体化された部分が、膜電極接合体のフレーム22となる部分から切り離される。スペーサ部材30は、フレーム22には不要な部分に設けられているので、シート材料PFからフレーム22の形状を切り出すだけで、スペーサ部材も同時に切除することができ、効率的にフレーム22を製造できる。
高分子電解質膜の原反を所定の寸法にカットして、高分子電解質膜21を準備し、カーボンフェルトなどを所定の寸法にカットして、電極24,25を準備する。高分子電解質膜21の表面に触媒層を形成しながら、電極24,25を一体化し、高分子電解質膜21をフレーム22,22で挟み込むようにして、フレームと高分子電解質膜、電極を一体化し、膜電極接合体(MEA)2を得る。図8には、高分子電解質膜21と電極24,25を一体化してから、フレーム22に一体化する例を示している。高分子電解質膜21とフレーム22を一体化した後に電極24,25を一体化するようにしても良い。なお、触媒層の形成やフレーム・電極の一体化については、公知の製造方法が利用できる。
上記実施形態による作用と効果を説明する。
上記したシート材料ロールPFRにはディフューザ23とスペーサ部材30が一体化されているが、無負荷時の高さについて、スペーサ部材30が、ディフューザ23よりも高くされているので、ロール巻きされた際に、ディフューザ23が押しつぶされて変形してしまうことが抑制される。また、シート材料ロールPFRを用いれば、不要な部分を切り取るだけで、ディフューザ23が一体化されたフレーム22が効率的に製造できる。すなわち、シート材料ロールPFRは、ディフューザ付フレームの品質及び製造効率の向上に寄与する。
ディフューザが、発泡ゴム材料を含むものであると、ロール巻きにより変形しやすくなりため、スペーサ部材を設けることによる保護効果が大きい。そして、ロール巻きされた状態で、ディフューザ23が、先行してもしくは後続して巻かれるシート材料PFと非接触状態にされていれば、ディフューザの変形がより確実に防止できる。
また、スペーサ部材が、少なくとも長尺のシート材料の長手方向に延在するよう一体化されていると、長手方向に延在するスペーサ部材によって、互いに隣接するシート部材がほぼ平行な円筒面状になるので、シート部材の間の隙間が一定に維持され、ディフューザの変形防止に寄与する。
また、ディフューザ23がシート材料PFの一方の面に一体化されており、スペーサ部材30もシート材料PFの同じ面に一体化されていると、ディフューザ23をシート部材に一体成形する工程(例えばスクリーン印刷工程)を利用して、スペーサ部材30を同時に成形一体化することが可能となり、製造効率の向上に寄与する。
また、スクリーン印刷によって、ディフューザとなるべき所定の形状および、スペーサ部材となるべき所定の形状に、同時に液状ゴム材料をシート材料に塗布形成し、その後、シート材料に塗布された液状ゴム材料を架橋処理して、ディフューザおよびスペーサ部材をシート材料に一体に形成するようにすれば、ディフューザとスペーサ部材とを同時に成形一体化できて非常に製造効率が高い。さらに、スクリーン印刷工程において、ディフューザとなるべき所定の形状よりも、スペーサ部材となるべき所定の形状の方が幅広くなるようにスクリーン印刷して、スクリーン印刷工程の後に、液状ゴム材料を発泡・架橋処理するようにすると、スクリーン印刷工程の回数を減らすことができて、特に製造効率が高められる。
また、上記シート材料ロールPFRからフレームを切り出して製造すると、シート材料からフレームを切り出す工程を利用して、スペーサ部材を同時に除去することができて、フレームを製造する工程の製造効率が高められる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
上記実施形態では、ディフューザ23が一体化されたフレーム22を製造するための、ディフューザが一体成形されたシート材料ロールPFRについて説明したが、シート材料ロールPFRは他の形態の燃料電池部材の製造にも応用できる。例えば、シール部材が一体化されたフレームの製造や、ディフューザが一体化されたセパレータの製造、シール部材が一体化されたセパレータの製造に、シート材料ロールPFRが応用できる。すなわち、フレームもしくはセパレータを製造するための長尺のシート材料に、所定形状に形成されたシール部材もしくはディフューザを一体化し、かつ、前記シート材料にスペーサ部材も一体化して、シート材料ロールを構成すればよい。
図12及び図13には、シール部材9が一体化されたセパレータ5(6)を製造するためのシート材料ロールPFR’を引き出した図を示す。本実施形態では、シール部材9がシート材料PF上の所定の位置に一体成形されている。図12には、セパレータの外形線を破線で示している。シート材料PFからセパレータを切り出す際に切除される部分には、スペーサ部材31,31が設けられている。
本実施形態では、シール部材9やスペーサ部材31,31は発泡ゴムではなく、非発泡のゴム材料により形成されている。すなわち、本発明におけるディフューザやシール部材、スペーサ部材は、発泡材料であってもよいが、非発泡材料であってもよく、一部が発泡材料とされたものであっても良い。
なお、シール部材もしくはディフューザと、スペーサ部材とで、材料を異ならせる場合には、スペーサ部材の方が、硬度が高くなるようにすることが、シール部材もしくはディフューザの形状を保護する観点から好ましい。
上記実施形態では、スペーサ部材が細長い棒状に形成された例を中心に説明したが、シール部材やディフューザの保護ができる範囲で、スペーサ部材の形状を変更しても良く、例えば、スペーサ部材を、ドットの連続する形態や、破線状の形態等としても良い。
上記実施形態の説明では、ディフューザやシール部材やスペーサ部材をスクリーン印刷により形成する方法を例として説明したが、これら部材の製造は、他の方法によっても良い。例えば、ディフューザをスクリーン印刷によりシート材料に一体成形する一方で、所定の厚みのゴムシートを細長く切ったものを、スペーサ部材としてシート材料に貼り付けるようにしても良い。特に、スペーサ部材の形成は、ディスペンサを用いて行うこともできる。また、シール部材やディフューザ及びスペーサ部材の成形を、射出成形によって行っても良い。
上記実施形態の説明では、ディフューザもしくはシール部材と、スペーサ部材とが、シート材料PFの同じ面に設けられる形態の例を示したが、スペーサ部材を、ディフューザもしくはシール部材とは反対側の面に設けても良い。
また、燃料電池の利用分野は、自動車用に限定されるものではなく、家庭用発電機など、自動車以外の他の技術分野にも応用できる。
本発明のシート材料ロールは、燃料電池の製造に利用することができ、産業上の利用価値が高い。
1 燃料電池の単セル
2 膜電極接合体(MEA)
21 高分子電解質膜
22 フレーム
23 ディフューザ
24 カソード電極
25 アノード電極
5 カソード電極側セパレータ
6 アノード電極側セパレータ
7,8 溝
9 シール部材
PFR シート材料ロール
PF シート材料
30,31 スペーサ部材
M スクリーンマスク
SQ スキージ
23P ディフューザ前駆体
30P スペーサ部材前駆体

Claims (8)

  1. 燃料電池の膜電極接合体のフレームもしくはセパレータを製造するための長尺のシート材料をロール巻きした、燃料電池部材用のシート材料ロールであって、
    前記シート材料には、所定形状に形成されたシール部材もしくはディフューザが一体化されており、
    かつ、前記シート材料には、スペーサ部材が一体化されており、
    無負荷時の高さについて、スペーサ部材が、シール部材もしくはディフューザよりも高い
    燃料電池部材用のシート材料ロール。
  2. シール部材もしくはディフューザが、発泡ゴム材料を含むものである請求項1に記載の燃料電池部材用のシート材料ロール。
  3. ロール巻きされた状態で、シール部材もしくはディフューザが、先行してもしくは後続して巻かれるシート材料と非接触状態にされている請求項1に記載の燃料電池部材用のシート材料ロール。
  4. スペーサ部材は、少なくとも長尺のシート材料の長手方向に延在するよう一体化されている請求項1に記載の燃料電池部材用のシート材料ロール。
  5. シール部材もしくはディフューザがシート材料の一方の面に一体化されており、スペーサ部材もシート材料の同じ面に一体化されている、請求項1に記載の燃料電池部材用のシート材料ロール。
  6. 請求項1に記載の燃料電池部材用のシート材料ロールを製造する方法であって、
    液状ゴム材料をスクリーン印刷によりシート材料に塗布する工程を有しており、
    前記スクリーン印刷工程において、シール部材もしくはディフューザとなるべき所定の形状、および、スペーサ部材となるべき所定の形状に、液状ゴム材料を塗布形成し、
    スクリーン印刷工程の後に、シート材料に塗布された液状ゴム材料を架橋処理して、シール部材もしくはディフューザおよびスペーサ部材をシート材料に一体に形成し、
    その後、シート材料をロール巻きする、
    燃料電池部材用のシート材料ロールの製造方法。
  7. 液状ゴム材料に発泡材料を含ませると共に、
    スクリーン印刷工程において、シール部材もしくはディフューザとなるべき所定の形状よりも、スペーサ部材となるべき所定の形状の方が幅広くなるようにスクリーン印刷する、
    請求項6に記載の燃料電池部材用シート材料ロールの製造方法。
  8. 請求項1に記載の燃料電池部材用のシート材料ロールを用いて、燃料電池の膜電極接合体のフレームもしくはセパレータを製造する方法であって、
    シート材料ロールから引き出したシート材料を、所定の箇所で所定の形状に切り取って、膜電極接合体のフレームもしくはセパレータの形状に加工する工程を有しており、
    前記切り取り工程において、シート材料にスペーサ部材が一体化された部分を、膜電極接合体のフレームもしくはセパレータとなる部分から切り離す、
    燃料電池の膜電極接合体のフレームもしくはセパレータを製造する方法。
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