JP2016143468A - 燃料電池用電解質膜・電極構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単且つ経済的な構成で、固体高分子電解質膜に毛羽が刺さることを可及的に抑制することができ、所望の耐久性を確保することを可能にする。【解決手段】本発明の製造方法では、カーボンペーパー46を、一対の弾性ロール48a、48b間に圧入することにより、前記カーボンペーパー46の表面の毛羽を除去する工程を有している。この製造方法では、毛羽が除去されたカーボンペーパー46からガス拡散層を形成し、前記ガス拡散層を固体高分子電解質膜及び触媒層と一体化することにより、電解質膜・電極構造体を製造する工程を有している。【選択図】図3
Description
本発明は、固体高分子電解質膜の両方の面に電極が設けられた燃料電池用電解質膜・電極構造体の製造方法に関する。
一般的に、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の一方側にアノード電極が、前記固体高分子電解質膜の他方側にカソード電極が、それぞれ配設された電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。電解質膜・電極構造体は、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持されることにより、燃料電池が構成されている。通常、燃料電池を所定数だけ積層した燃料電池スタックが、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
通常、アノード電極及びカソード電極は、固体高分子電解質膜の各面に設けられる電極触媒層と、前記電極触媒層に積層されるガス拡散層とを有している。電極触媒層は、例えば、白金粒子等の金属粒子を担持した触媒担体(カーボンブラック等)がイオン導電性バインダを介して結合一体化されて構成されている。一方、ガス拡散層は、反応ガスの供給、生成水の排出及び導電性の観点から、例えば、カーボンペーパーから形成されている。
カーボンペーパーは、多孔質カーボン繊維からなるため、表面にカーボン繊維の毛羽立ちが発生し易い。このため、電極触媒層を介して固体高分子電解質膜にカーボン繊維が突き刺さり、反応ガスのクロスリークや電極間でのマイクロショートが発生するおそれがある。
そこで、固体高分子電解質膜のダメージを低減することを目的として、例えば、特許文献1に開示されている多孔質炭素電極基材の製造方法が知られている。この製造方法では、炭素短繊維を炭素により結着した、嵩密度が0.27g/cm3以下の炭素シートを平滑な金属面で挟む加圧手段で0.5MPa〜2MPaの圧力で加圧することを特徴としている。そして、平滑な金属面で挟む加圧手段は、バッチプレス装置や連続式ロールプレスであることを特徴としている。
上記のバッチプレス装置では、金属平板でカーボンペーパー全体を押圧することにより、毛羽を前記カーボンペーパーの内部に押し込めている。しかしながら、カーボンペーパーの厚さには、ある程度のばらつきが存在している。このため、金属平板が使用されると、厚さの大きな部分に荷重が集中するおそれがある。従って、毛羽の無い通常部に繊維の折れが発生し易く、剛性の変化(低下)が大きくなってしまう。しかも、処理作業が煩雑化するとともに、設備費が高騰するという問題がある。
一方、金属ロールを用いた連続式ロールプレスでは、カーボンペーパーの厚さのばらつきに対応する際、厚さの大きな部分には、他の部分よりもかなり大きな荷重が作用している。これにより、厚さの大きな部分では、繊維の過剰な折れが惹起し易くなり、剛性が低下するという問題がある。しかも、所望の挟持力(拘束力)が付与されず、固体高分子電解質膜の膨潤収縮を抑制する効果が低減するという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、簡単且つ経済的な構成で、固体高分子電解質膜に毛羽が刺さることを可及的に抑制することができ、所望の耐久性を確保することが可能な燃料電池用電解質膜・電極構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、固体高分子電解質膜の両方の面に、それぞれ触媒層及びガス拡散層が設けられる燃料電池用電解質膜・電極構造体の製造方法に関するものである。この製造方法では、カーボンペーパーを、一対の弾性ロール間に圧入することにより、前記カーボンペーパーの表面の毛羽を除去する工程を有している。この製造方法では、毛羽が除去されたカーボンペーパーからガス拡散層を形成し、前記ガス拡散層を固体高分子電解質膜及び触媒層と一体化することにより、電解質膜・電極構造体を製造する工程を有している。
また、この製造方法では、弾性ロールは、デュロメーター硬さがD50〜D85の範囲内の材料で形成されることが好ましい。
本発明によれば、カーボンペーパーは、一対の弾性ロール間に圧入されることにより、前記カーボンペーパーの表面の毛羽が除去されている。その際、弾性ロールは、カーボンペーパーの厚さのばらつきに追随して弾性変形することができ、前記カーボンペーパーに均一な荷重を付与することが可能になる。従って、カーボンペーパーには、均等な圧力がかかるため、カーボン繊維が必要以上に折れることがなく、前記カーボンペーパーの剛性を有効に保持することができる。
しかも、カーボンペーパーの厚さを計測する必要がなく、前記カーボンペーパーに均等に圧力をかけることが可能になる。これにより、生産効率が向上するとともに、コストの削減が容易に図られる。このため、簡単且つ経済的な構成で、固体高分子電解質膜に毛羽が刺さることを可及的に抑制することができ、所望の耐久性を確保することが可能になる。
図1及び図2に示すように、本発明に係る製造方法が適用される燃料電池10は、膜・触媒層構造体(CCM)(Catalyst・Coated・Membrane)12を有する電解質膜・電極構造体(MEA)14を備える。電解質膜・電極構造体14は、カソードセパレータ16及びアノードセパレータ18に挟持されて矢印A方向(例えば、水平方向)に積層される。
燃料電池10は、固体高分子型燃料電池であり、複数の前記燃料電池10が矢印A方向に積層されることにより、例えば、車載用燃料電池スタックを構成するとともに、図示しない燃料電池電気自動車等に搭載される。なお、燃料電池10は、矢印C方向(鉛直方向)に積層してもよい。
図1に示すように、燃料電池10の矢印B方向(水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス入口連通孔20a、冷却媒体入口連通孔22a及び燃料ガス出口連通孔24bが設けられる。
酸化剤ガス入口連通孔20aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給し、冷却媒体入口連通孔22aは、冷却媒体を供給し、燃料ガス出口連通孔24bは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出する。酸化剤ガス入口連通孔20a、冷却媒体入口連通孔22a及び燃料ガス出口連通孔24bは、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
燃料電池10の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガス入口連通孔24a、冷却媒体出口連通孔22b及び酸化剤ガス出口連通孔20bが設けられる。燃料ガス入口連通孔24aは、燃料ガスを供給し、冷却媒体出口連通孔22bは、冷却媒体を排出し、酸化剤ガス出口連通孔20bは、酸化剤ガスを排出する。燃料ガス入口連通孔24a、冷却媒体出口連通孔22b及び酸化剤ガス出口連通孔20bは、矢印C方向に配列して設けられる。
カソードセパレータ16及びアノードセパレータ18は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、チタン鋼板あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板で構成される。カソードセパレータ16及びアノードセパレータ18は、金属材料に代えて、例えば、カーボン部材等で構成してもよい。
カソードセパレータ16の電解質膜・電極構造体14に向かう面16aには、酸化剤ガス入口連通孔20aと酸化剤ガス出口連通孔20bとに連通する酸化剤ガス流路26が設けられる。酸化剤ガス流路26は、矢印B方向に延在する複数の酸化剤ガス流路溝を有する。酸化剤ガス流路26と酸化剤ガス入口連通孔20a及び酸化剤ガス出口連通孔20bとは、連結通路部28a、28bを介して連通する。
アノードセパレータ18の電解質膜・電極構造体14に向かう面18aには、燃料ガス入口連通孔24aと燃料ガス出口連通孔24bとに連通する燃料ガス流路30が設けられる。燃料ガス流路30は、酸化剤ガス流路26と同様に、矢印B方向に延在する複数の燃料ガス流路溝を有する。燃料ガス流路30と燃料ガス入口連通孔24a及び燃料ガス出口連通孔24bとは、連結通路部32a、32bを介して連通する。
カソードセパレータ16とアノードセパレータ18とは、互いに対向する面16b、18b間に冷却媒体流路34を一体的に形成する。冷却媒体流路34と冷却媒体入口連通孔22a及び冷却媒体出口連通孔22bとは、連結通路部34a、34bを介して連通する。
カソードセパレータ16の面16a、16bには、このカソードセパレータ16の外周縁部を周回して第1シール部材36が一体的又は個別に設けられる。アノードセパレータ18の面18a、18bには、このアノードセパレータ18の外周縁部を周回して第2シール部材38が一体的又は個別に設けられる。
第1シール部材36及び第2シール部材38には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。
図2に示すように、電解質膜・電極構造体14は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜である固体高分子電解質膜40と、前記固体高分子電解質膜40を挟持するカソード電極42及びアノード電極44とを備える。固体高分子電解質膜40は、カソード電極42及びアノード電極44の外周端部よりも外方に突出する。
図1に示すように、固体高分子電解質膜40には、酸化剤ガス入口連通孔20a、酸化剤ガス出口連通孔20b、燃料ガス入口連通孔24a、燃料ガス出口連通孔24b、冷却媒体入口連通孔22a及び冷却媒体出口連通孔22bが形成される。
図2に示すように、カソード電極42は、固体高分子電解質膜40の一方の面40aに形成される第1電極触媒層(触媒層)42aと、前記第1電極触媒層42aに固着される第1ガス拡散層42bとを有する。アノード電極44は、固体高分子電解質膜40の他方の面40bに形成される第2電極触媒層(触媒層)44aと、前記第2電極触媒層44aに固着される第2ガス拡散層44bとを有する。
第1電極触媒層42a及び第2電極触媒層44aは、例えば、白金粒子等の触媒を担持した触媒担体(カーボンブラック等)がイオン導電性バインダを介して結合一体化されることにより形成される。第1電極触媒層42aの平面寸法(外形寸法)と第2電極触媒層44aの平面寸法とは、同一寸法であってもよく、また、互いに異なる寸法であってもよい。
第1ガス拡散層42b及び第2ガス拡散層44bは、カーボンペーパー又はこれにカーボン粉末やイオン導電性バインダからなるマイクロポーラスレイヤー(MPL)を塗布したものから構成される。第1ガス拡散層42bの平面寸法と第2ガス拡散層44bの平面寸法とは、同一寸法であってもよく、また、互いに異なる寸法であってもよい。第1電極触媒層42aの平面寸法と第1ガス拡散層42bの平面寸法とは、同一寸法に設定されるが、異なる寸法であってもよい。第2電極触媒層44aの平面寸法と第2ガス拡散層44bの平面寸法とは、同一寸法に設定されるが、異なる寸法であってもよい。
固体高分子電解質膜40に第1電極触媒層42a及び第2電極触媒層44aが設けられることにより、膜・触媒層構造体12が形成される。膜・触媒層構造体12に第1ガス拡散層42b及び第2ガス拡散層44bが設けられることにより、電解質膜・電極構造体14が形成される。
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔20aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔24aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔22aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔20aからカソードセパレータ16の酸化剤ガス流路26に導入される。このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路26に沿って矢印B方向に流通し、電解質膜・電極構造体14のカソード電極42に供給される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔24aからアノードセパレータ18の燃料ガス流路30に導入される。この燃料ガス流路30では、燃料ガスが矢印B方向に流通することにより、電解質膜・電極構造体14のアノード電極44に供給される。
従って、電解質膜・電極構造体14では、図2に示すように、カソード電極42に供給される酸化剤ガスと、アノード電極44に供給される燃料ガスとが、第1電極触媒層42a及び第2電極触媒層44a内で電気化学反応により消費される。これにより、燃料電池10の発電が行われる。
次いで、図1に示すように、カソード電極42に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔20bに排出される。同様に、アノード電極44に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔24bに排出される。
一方、冷却媒体入口連通孔22aに供給された冷却媒体は、カソードセパレータ16とアノードセパレータ18との間に形成された冷却媒体流路34に導入される。この冷却媒体流路34では、冷却媒体が水平方向(矢印B方向)に移動する。従って、冷却媒体は、電解質膜・電極構造体14の発電面全面にわたって冷却した後、冷却媒体出口連通孔22bに排出される。
次に、本発明の実施形態に係る膜・触媒層構造体12の製造方法について、以下に説明する。
先ず、図3に示すように、カーボンペーパー46が用意される。カーボンペーパー46は、例えば、炭素繊維と炭素の複合材料(東レ製カーボンペーパー TGP−H−060)からなり、前記カーボンペーパー46は、2本の弾性ロール48a、48bによりプレス処理される。弾性ロール48a、48bは、それぞれシリコーンロール(デュロメーター硬さがD50)であり、線圧1.2N/mm2、送り速度1.0m/min、温度23℃及び湿度50%の条件下で、プレス処理が行われる。
プレス処理が施されたカーボンペーパー46は、エアーブローによりそれぞれ一方の面から他方の面に対して毛羽の除去を行った後、水槽内を通し、再度、エアーブローが行われる。このため、カーボンペーパー46から折れたカーボン繊維が除去される。なお、エアーブローに代えて、静電吸着や溶媒浸漬等の他の手段により、毛羽の除去を行ってもよい。
次いで、カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とを混合して得られた混合物を、エチレングリコールに均一に分散させたスラリーを生成する。このスラリーを、カーボンペーパー46の平坦面に塗布し、100℃以下で10分間だけ乾燥させて下地層を形成し、第1ガス拡散層42b及び第2ガス拡散層44bが形成される。
一方、NPA(ノルマルプロピルアルコール)と水の溶媒を、カソード触媒に加えた後、イオン導電性高分子バインダー溶液としてパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物溶液を、投入する。さらに、所定のインク粘土になるまで、上記の溶媒を混ぜた後、遊星ボールミルにより均一化してカソード電極インク50aが作製される(図4参照)。そして、カソード電極インク50aは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム50b上に塗工され、加熱及び乾燥処理を施してカソード電極シート50が形成される。
また、NPAと水の溶媒を、アノード触媒に加えた後、イオン導電性高分子バインダー溶液としてパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物溶液を、投入する。さらに、所定のインク粘土になるまで、上記の溶媒を混ぜた後、遊星ボールミルにより均一化してアノード電極インク52aが作製される(図4参照)。
その後、アノード電極インク52aは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム52b上に塗工され、加熱及び乾燥処理を施してアノード電極シート52が形成される。
次に、図4に示すように、固体高分子電解質膜40は、カソード電極シート50及びアノード電極シート52に挟持される。固体高分子電解質膜40の面40a側には、カソード電極インク50aが対向する一方、前記固体高分子電解質膜40の面40b側には、アノード電極インク52aが対向する。この積層体には、ホットプレス処理が行われた後、ポリエチレンテレフタレートフィルム50b、52bが剥がされる。これにより、固体高分子電解質膜40の面40aと40bに、第1電極触媒層42aと第2電極触媒層44aが設けられた膜・触媒層構造体12が得られる(図5参照)。
膜・触媒層構造体12では、固体高分子電解質膜40には、第1電極触媒層42aに下地層を対向させて第1ガス拡散層42bが配置されるとともに、第2電極触媒層44aに下地層を対向させて第2ガス拡散層44bが配置される。この積層体は、ホットプレス処理が行われることにより一体化し、電解質膜・電極構造体14が製造される。
この場合、図6に示すように、電解質膜・電極構造体14では、第1ガス拡散層42b及び第2ガス拡散層44bは、多数のカーボン繊維54を有している。その際、繊維端54eが固体高分子電解質膜40に突き刺さるように配置される毛羽立ち繊維54aが存在している。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、カーボンペーパー46は、所望の素材で形成された一対の弾性ロール48a、48b間に圧入されることにより、前記カーボンペーパー46の表面の毛羽を除去する作業が行われている。
具体的には、弾性ロール48a、48bとして種々の素材を採用し、前記弾性ロール48a、48bによる毛羽取り処理後に、固体高分子電解質膜40が突き破られる荷重(毛羽立ちによるPEM突き破り荷重)を測定する実験を行った。この実験では、図7に示すように、電解質膜・電極構造体14には、荷重検出器56が接続されている。そして、電解質膜・電極構造体14には、増加するプレス荷重が付与されており、導通が発生した時の荷重が検出された。
その結果が、図8に示されている。これにより、弾性ロール48a、48bは、デュロメーター硬さがD50〜D85の範囲内である素材が使用されると、毛羽取り効果が得られた。しかも、デュロメーター硬さがD50〜D85の範囲内である弾性ロール48a、48bは、カーボンペーパー46の厚さのばらつきに追随して弾性変形することができ、前記カーボンペーパー46に均一な荷重を付与することが可能になった。
これに対して、デュロメーター硬さがD40の軟質塩化ビニールでは、所望の毛羽取り効果が得られなかった。また、ステンレス製ロールでは、カーボンペーパー46の厚さのばらつきに追随することができず、短絡が発生するという問題があった。
従って、本実施形態では、カーボンペーパー46には、均等な圧力がかかるため、カーボン繊維54が必要以上に折れることがなく、前記カーボンペーパー46の剛性を保持することができる。
さらに、カーボンペーパー46の厚さを計測する必要がなく、前記カーボンペーパー46に均等に圧力をかけることが可能になる。これにより、生産効率が向上するとともに、コストの削減が容易に図られる。このため、簡単且つ経済的な構成で、固体高分子電解質膜40に毛羽が刺さることを可及的に抑制することができ、所望の耐久性を確保することが可能になる。
10…燃料電池 12…膜・触媒層構造体
14…電解質膜・電極構造体 16…カソードセパレータ
18…アノードセパレータ 26…酸化剤ガス流路
30…燃料ガス流路 34…冷却媒体流路
40…固体高分子電解質膜 42…カソード電極
42a、44a…電極触媒層 42b、44b…ガス拡散層
44…アノード電極
14…電解質膜・電極構造体 16…カソードセパレータ
18…アノードセパレータ 26…酸化剤ガス流路
30…燃料ガス流路 34…冷却媒体流路
40…固体高分子電解質膜 42…カソード電極
42a、44a…電極触媒層 42b、44b…ガス拡散層
44…アノード電極
Claims (2)
- 固体高分子電解質膜の両方の面に、それぞれ触媒層及びガス拡散層が設けられる燃料電池用電解質膜・電極構造体の製造方法であって、
カーボンペーパーを、一対の弾性ロール間に圧入することにより、前記カーボンペーパーの表面の毛羽を除去する工程と、
前記毛羽が除去された前記カーボンペーパーから前記ガス拡散層を形成し、前記ガス拡散層を前記固体高分子電解質膜及び前記触媒層と一体化することにより、前記電解質膜・電極構造体を製造する工程と、
を有することを特徴とする燃料電池用電解質膜・電極構造体の製造方法。 - 請求項1記載の製造方法において、前記弾性ロールは、デュロメーター硬さがD50〜D85の範囲内の材料で形成されることを特徴とする燃料電池用電解質膜・電極構造体の製造方法。
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